JP3436479B2 - 印刷用ブランケット - Google Patents

印刷用ブランケット

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JP3436479B2
JP3436479B2 JP01159398A JP1159398A JP3436479B2 JP 3436479 B2 JP3436479 B2 JP 3436479B2 JP 01159398 A JP01159398 A JP 01159398A JP 1159398 A JP1159398 A JP 1159398A JP 3436479 B2 JP3436479 B2 JP 3436479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、とくに高速オフセ
ット輪転印刷機等の高速印刷機に好適に使用される、継
ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケットに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】高速オフセット輪転印刷機等の高速印刷
機にとくに好適な印刷用ブランケットとして、周方向に
継ぎ目のない円筒状のものがある。上記の印刷用ブラン
ケットは、ゴム等のエラストマーからなる継ぎ目のない
表面印刷層の下位に、同じくゴム等のエラストマーから
なる、多孔質でかつ継ぎ目のない圧縮性層や、長さ方向
に非伸縮性の線材を周方向にらせん状に巻回して形成さ
れた非伸縮性層等を、適宜積層することにより構成され
る。
【0003】上記のように圧縮性層を有する、いわゆる
エアータイプの印刷用ブランケットは、圧縮性層のない
ソリッドタイプのものに比べて、版胴等との圧接により
生じるニップ変形部での圧縮応力が低く、かつ歪み量の
変化に伴う圧縮応力の変動が小さいために衝撃吸収性が
よく、たとえば印刷機の歯車の送り時に生じる衝撃等が
印刷精度に影響を及ぼすのを防止する効果にすぐれてい
る。
【0004】またソリッドタイプの印刷用ブランケット
は、上記ニップ変形部での表面印刷層への応力集中によ
って、いわゆるバルジを生じて、周方向の伸びによる見
当ずれ、紙送り不良、ダブリ、網点パターンの変形(と
くに網点の太り)等の印刷不良が発生するおそれがある
が、エアータイプの印刷用ブランケットにおいては、圧
縮性層が表面印刷層への応力集中を緩和する働きをする
ため、上記の印刷不良が発生するのを防止する効果もあ
る。
【0005】上記の圧縮性層としては、たとえば加熱に
より分解して気体を発生する発泡剤によるマトリクスゴ
ムの発泡や、あるいは中空状微小粒子のマトリクスゴム
中への配合等により形成される、各気孔がそれぞれ独立
した独立気孔構造のものと、食塩等の、ゴムに影響を及
ぼさない溶剤(食塩の場合は水)により抽出可能な粒子
をマトリクスゴム中に分散し、加硫した後、上記の粒子
を抽出する、いわゆるリーチング法によって形成され
る、各気孔が互いに連通した連続気孔構造のものとがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した両
構造の圧縮性層にはそれぞれ一長一短があるため、従来
は、印刷にとくに必要な長所を有する方の構造の圧縮性
層を有する印刷用ブランケットを、その圧縮性層が併せ
持っている短所には目をつぶって採用せざるをえないと
いう問題があった。
【0007】すなわち、独立気孔構造の圧縮性層は、版
胴等の圧接によるせん断力に対する抗張力が高いため
に、連続気孔構造のものに比べて、圧縮による変形後す
みやかに元の形状に戻る性質、つまり復元性にすぐれる
という長所がある。よって、かかる独立気孔構造の圧縮
性層を有する印刷用ブランケットは、連続気孔構造の圧
縮性層を有するものが、ニップ変形部を通過後、1回転
して再びニップ変形部に達するまでにすみやかに復元し
ないためにいわゆるヘタリを生じて、印圧が所定の値よ
り低下する傾向を示すのに対し、上記のヘタリを生じな
いために、とくに高速印刷において、所定の印圧を維持
できるという利点がある。
【0008】また上記独立気孔構造の圧縮性層を有する
印刷用ブランケットは、たとえば版胴との間に異物が挟
まる等して、部分的に大きく変形した後の復元もすみや
かに行われるため、上記変形の跡が印刷物にでる印刷不
良を最小限に止めることができるという利点もある。し
かし、独立気孔構造の圧縮性層は連続気孔構造のものに
比べると、ニップ変形部での圧縮応力が高く、かつ歪み
量の変化に伴う圧縮応力の変動が大きいので、前述した
衝撃吸収性が低いという短所があり、かかる独立気孔構
造の圧縮性層を有する印刷用ブランケットは、ソリッド
タイプのものほどではないが、たとえば印刷機の歯車の
送り時に生じる衝撃等により、印刷精度に影響がでやす
いという問題がある。
【0009】一方、連続気孔構造の圧縮性層は、上記の
ように独立気孔構造のものに比べて、ニップ変形部での
圧縮応力が低く、かつ歪み量の変化に伴う圧縮応力の変
動が小さいので、衝撃吸収性にすぐれるという長所を有
しており、よって、かかる連続気孔構造の圧縮性層を有
する印刷用ブランケットは、衝撃が印刷精度に影響を及
ぼすのを防止する効果にすぐれるという利点がある。
【0010】しかし、連続気孔構造の圧縮性層は、上述
したように復元性が低いという短所を有するため、かか
る連続気孔構造の圧縮性層を有する印刷用ブランケット
は、前述したヘタリを生じたり、異物による変形の跡が
印刷物にでる印刷不良が多量に発生したりしやすいとい
う問題がある。また、上記連続気孔構造の圧縮性層は、
版胴等の圧接によるせん断力に対する抗張力が低いため
に周方向への伸びを生じやすいという短所があり、よっ
てかかる連続気孔構造の圧縮性層を有する印刷用ブラン
ケットは、前記ソリッドタイプのものほどではないが、
バルジを生じて、周方向の伸びによる網点太り等の印刷
不良を発生するおそれもある。
【0011】本発明の目的は、独立気孔構造の圧縮性層
と、連続気孔構造の圧縮性層の、両方の長所を併せ持つ
ために、上記のような種々の問題を生じるおそれのな
い、すぐれた特性を有する印刷用ブランケットを提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の印刷用ブランケ
ットは、継ぎ目のない円筒状のものであって、表面印刷
の直下に、連続気孔構造を有する圧縮性層と、独立気
孔構造を有する圧縮性層とを積層したことを特徴として
いる。かかる本発明の印刷用ブランケットは、上記のよ
うに連続気孔構造を有する圧縮性層と、独立気孔構造を
有する圧縮性層とをともに有しているために、両方の圧
縮性層の長所を併せ持ったものとなる。
【0013】また本発明の印刷用ブランケットにおいて
は、独立気孔構造を有する圧縮性層より下位に、連続気
孔構造を有する圧縮性層を配置するのが好ましい。両層
をかかる順序で配置した場合には、前述したバルジの発
生による網点太り等の印刷不良をより確実に防止できる
という利点がある。また、連続気孔構造を有する圧縮性
層と、独立気孔構造を有する圧縮性層はともに、JIS
K6301に規定されたJIS A硬度が40〜80
°のマトリクスゴムにより形成されているのが好まし
い。
【0014】また両層は、その多孔率がともに30〜7
0%であるのが好ましい。さらに、両圧縮性層の厚みの
合計に占める、独立気孔構造を有する圧縮性層の厚みの
割合が30〜80%であるのが好ましい。これらのパラ
メータが上記の数値範囲内にある印刷用ブランケット
は、両圧縮性層の特性のバランスがよく、前述した各特
性にさらにすぐれたものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の印刷用ブランケッ
トを、その実施の形態の一例を示す図1(a)(b)を参照し
つつ説明する。かかる図の例の印刷用ブランケット1
は、図1(b) にみるように円筒状のスリーブ10の外周
面上に形成されたものであって、図(a) に示したように
スリーブ10上に、ベース層11と、非伸縮性層12
と、連続気孔構造を有する圧縮性層13と、独立気孔構
造を有する圧縮性層14と、表面印刷層15とをこの順
に積層したものである。また上記のうちベース層11、
両圧縮性層13、14、および表面印刷層15はそれぞ
れ、継ぎ目のない円筒状に形成される。
【0016】連続気孔構造を有する圧縮性層13と、独
立気孔構造を有する圧縮性層14とは、図の場合と上下
逆に配置されてもよいが、前述したバルジの発生による
網点太り等の印刷不良をより確実に防止するためには、
上記図に示したように、独立気孔構造を有する圧縮性層
14より下位に、連続気孔構造を有する圧縮性層13を
配置するのが好ましい。
【0017】またこれに限定されないが、上記両圧縮性
層13、14はともに、マトリクスゴムの硬さが、JI
S A硬度で表して40〜80°の範囲内であるのが好
ましい。両圧縮性層13、14を構成するマトリクスゴ
ムの硬度が、いずれか一方でも上記の範囲未満となった
場合には、印刷用ブランケット1の全体の強度が低下す
るため、復元性の維持やバルジ防止の効果が不十分とな
るおそれがある。また逆に両圧縮性層13、14を構成
するマトリクスゴムの硬度が、いずれか一方でも上記の
範囲を超えた場合には、衝撃吸収性が不十分となるおそ
れがある。
【0018】なお両圧縮性層13、14を構成するマト
リクスゴムの硬さは、上記範囲内でもとくに50〜70
°であるのが好ましく、55〜65°であるのがさらに
好ましい。また両圧縮性層13、14はともに、その多
孔率が30〜70%であるのが好ましい。
【0019】連続気孔構造を有する圧縮性層13の多孔
率が上記の範囲未満では、当該層中の連続気孔の量が不
十分となって、当該連続気孔による衝撃吸収性が不十分
となるおそれがある。一方、独立気孔構造を有する圧縮
性層14の多孔率が上記の範囲未満では、当該層中の独
立気孔の量が不十分となって、当該独立気孔による復元
性の維持やバルジ防止の効果が不十分となるおそれがあ
る。
【0020】また逆に両圧縮性層13、14の多孔率
が、いずれか一方でも上記の範囲を超えた場合には、印
刷用ブランケット1の全体の強度が低下するため、やは
り復元性の維持やバルジ防止の効果が不十分となるおそ
れがある。なお圧縮性層13、14の多孔率は、上記範
囲内でもとくに40〜60%であるのが好ましく、45
〜55%であるのがさらに好ましい。
【0021】さらに本発明においては、両圧縮性層1
3、14の厚みの合計に占める、独立気孔構造を有する
圧縮性層14の厚みの割合が、30〜80%であるのが
好ましい。独立気孔構造を有する圧縮性層14の厚みの
割合が上記の範囲未満では、当該圧縮性層14による、
復元性の維持やバルジ防止の効果が不十分となるおそれ
がある。また逆に、独立気孔構造を有する圧縮性層14
の厚みの割合が上記の範囲を超えた場合には、相対的
に、連続気孔構造を有する圧縮性層13の厚みの割合が
低下するため、当該圧縮性層13による衝撃吸収性が不
十分となるおそれがある。
【0022】なお、独立気孔構造を有する圧縮性層14
の厚みの割合は、上記範囲内でもとくに40〜70%で
あるのが好ましく、50〜60%であるのがさらに好ま
しい。上記両圧縮性層13、14の合計の厚みは、スリ
ーブ10とベース層11とを除いた、実質的にブランケ
ットとして機能する部分、つまり図の例の場合は非伸縮
性層12、両圧縮性層13、14および表面印刷層15
と、上記各層間に設けてもよい接着層の合計の厚みの、
10〜50%程度であるのが好ましい。
【0023】両圧縮性層13、14の合計の厚みの割合
が上記の範囲未満では、当該両圧縮性層13、14の機
能、つまり前述した、連続気孔構造を有する圧縮性層1
3による衝撃吸収性が不十分となるとともに、独立気孔
構造を有する圧縮性層14による復元性の維持やバルジ
防止の効果が不十分となるおそれがある。また逆に両圧
縮性層13、14の合計の厚みの割合が上記の範囲を超
えた場合には、相対的に、表面印刷層15や非伸縮性層
12等の他の層の厚みが薄くなって、表面印刷層15が
薄くなった場合にはインキの着肉性が低下し、また非伸
縮性層12が薄くなった場合には、当該非伸縮性層12
による、せん断方向へのブランケット全体の動きを規制
する効力が低下して、スラーやバルジが大きくなるとい
った問題を生じるおそれがある。
【0024】なお両圧縮性層13、14の合計の厚みの
割合は、上記範囲内でもとくに20〜40%であるのが
好ましく、25〜35%であるのがさらに好ましい。両
圧縮性層13、14はそれぞれ、従来と同様の方法によ
り形成することができる。たとえば連続気孔構造を有す
る圧縮性層13は、未加硫のマトリクスゴムを適当な溶
剤に溶解したところへ、連続気孔の元になるリーチング
法用の粒子を配合したゴム糊を作製し、このゴム糊を、
下地層(図の場合は非伸縮性層12)の上へ一面に塗
布、乾燥させたのち加熱して加硫する。
【0025】そして、形成された層中に分散するリーチ
ング法用の粒子を適当な溶剤で抽出すると、上記粒子の
跡が連続気孔となって、連続気孔構造を有する圧縮性層
13が、継ぎ目のない円筒状に形成される。また独立気
孔構造を有する圧縮性層14は、上記と同様に未加硫の
マトリクスゴムを適当な溶剤に溶解したところへ、独立
気孔の元になる発泡剤や中空状微小粒子を配合したゴム
糊を作製し、このゴム糊を、下地層(図の場合は連続気
孔構造を有する圧縮性層13)の上へ一面に塗布、乾燥
させたのち加熱して加硫する。
【0026】そうすると、発泡剤を使用した場合にはこ
の加硫時の熱によって発泡剤が分解して気体を発生し、
それによってマトリクスゴム中に独立気孔が形成され
て、独立気孔構造を有する圧縮性層14が、継ぎ目のな
い円筒状に形成される。また中空状微小粒子の場合は、
いうまでもなく配合と同時に独立気孔が形成される。な
お連続気孔構造を有する圧縮性層13は、未加硫のゴム
にリーチング法用の粒子を添加したゴムコンパウンドか
ら成形した未加硫のゴムシートを、接着用のゴム糊を介
して非伸縮性層12上に巻回した状態で加硫して、周方
向の継ぎ目を加硫と同時に溶着一体化した後、上記と同
様に粒子を抽出する方法によっても、継ぎ目のない円筒
状に形成できる。
【0027】また同様に独立気孔構造を有する圧縮性層
14も、未加硫のゴムに発泡剤または中空状微小粒子を
添加したゴムコンパウンドから成形した未加硫のゴムシ
ートを、接着用のゴム糊を介して、先の圧縮性層13上
に巻回した状態で加硫して、周方向の継ぎ目を加硫と同
時に溶着一体化する方法により、継ぎ目のない円筒状に
形成可能である。
【0028】上記両圧縮性層13、14を構成するマト
リクスゴムとしては、種々のゴムがあげられるが、とく
にインキや洗浄液等に対する耐性を考慮すると、耐油性
にすぐれたものが好ましく、かかる耐油性のゴムとして
は、これに限定されないがたとえば、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム
(CR)、ウレタンゴム(U)等があげられる。
【0029】マトリクスゴムの硬度を前記の範囲内にす
るには、加硫度を調整したり、あるいはゴム中に配合す
る補強剤、充てん剤、可塑剤等の量を調整したりすれば
よい。連続気孔構造を有する圧縮性層13に、前記リー
チング法によって連続気孔を形成するための粒子として
は、抽出用の溶剤として水を用いるのが、安全性やコス
トの点で有利であるため、水により抽出可能な粒子が好
適に使用される。
【0030】かかる、水により抽出可能な粒子としては
たとえば、食塩(塩化ナトリウム)、でんぷん、砂糖、
ポリビニルアルコール、ゼラチン、尿素、セルロース、
硫酸ナトリウム、塩化カリウム等の、種々の水溶性の有
機物、無機物の粒子があげられる。上記粒子の粒径や添
加量等は、前述した圧縮性層13の多孔率等にあわせて
適宜、設定される。
【0031】また、独立気孔構造を有する圧縮性層14
に独立気孔を形成するための発泡剤としては、ゴム用と
して従来公知の種々の発泡剤がいずれも使用可能であ
る。かかる発泡剤の具体例としては、これに限定されな
いがたとえば、アゾジカルボンアミド、N,N′−ジニ
トロソペンタメチレンテトラミン、p,p′−オキシビ
スベンゼンスルホニルヒドラジド等があげられる。
【0032】一方、中空状微小粒子としては、熱可塑性
樹脂や、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはガ
ラス等の無機質などから形成された閉じられた殻体中
に、空気等の気体を封入したものがあげられ、とくに柔
軟な熱可塑性樹脂により殻体を形成したものが、圧縮性
層14の柔軟性を維持する上で好ましい。かかる熱可塑
性樹脂製の殻体を備えた中空状微小粒子としては、これ
に限定されないがたとえば、塩化ビニリデンとアクリロ
ニトリルとの共重合体にて殻体を形成した、エクスパン
セル〔EXPANCEL〕社製のエクスパンセルシリー
ズ等があげられる。
【0033】上記発泡剤の添加量や、あるいは中空状微
小粒子の粒径や添加量等は、前述した圧縮性層14の多
孔率等にあわせて適宜、設定される。上記両圧縮性層1
3、14とともに印刷用ブランケット1を構成するスリ
ーブ10、ベース層11、非伸縮性層12および表面印
刷層15は、従来同様の構成とすることができる。
【0034】たとえばスリーブ10としては、ニッケル
薄板等のごく薄い金属材料で形成されたものや、あるい
はガラス繊維強化プラスチックで形成されたもの等があ
げられる。またベース層11および表面印刷層15はそ
れぞれ、ゴム糊の塗布、乾燥により形成された未加硫の
ゴム層、またはゴムコンパウンドからなる未加硫のゴム
シートを加硫することにより形成される。上記両層はと
もに、継ぎ目のない円筒状に形成される。その方法は圧
縮性層13、14の場合と同じである。上記両層はとも
に、実質的に多孔質でない。
【0035】上記のうちベース層11を構成するゴムと
しては、たとえば前述したNBR、CR、U等の耐油性
のゴムが好適に使用される。一方、表面印刷層15を構
成するゴムとしてはやはり、上記NBR、CR、U等の
耐油性のゴムが好適に使用される他、多硫化ゴム(T)
や水素添加NBR等も使用できる。非伸縮性層12は、
綿糸、ポリエステル糸、レーヨン糸、ナイロン糸、芳香
族ポリアミド糸等の、長さ方向に非伸縮性の線材を、ゴ
ム糊を塗布したベース層11の周囲に、張力をかけなが
ららせん状に巻回した後、ゴム糊を加硫して固定するこ
とにより形成される。
【0036】上記各層の厚みは、従来と同程度でよい。
また非伸縮性層12を構成する線材の直径についても従
来と同程度でよい。具体的には、ベース層11の厚みが
0.5〜2.0mm程度、表面印刷層15の厚みが0.
2〜0.5mm程度、非伸縮性層12を構成する線材の
直径が0.1〜0.5mm程度であるのが好ましい。印
刷用ブランケット1を構成する上記の各層は、スリーブ
10に近い層から外側の層へ順次、積層形成される。各
層は、形成する毎に加硫してもよいし、複数層をまとめ
て加硫してもよい。なお連続気孔構造を有する圧縮性層
13は、前述したようにリーチング法用の粒子を抽出す
る関係上、独立気孔構造を有する圧縮性層14を積層す
る前に加硫して、粒子を抽出しておくのが好ましい。
【0037】上記円筒状の印刷用ブランケット1は、印
刷機のブランケット胴軸に外挿して使用される。以上で
説明した図の例の印刷用ブランケット1を構成する各層
のゴムコンパウンドやゴム糊には、従来同様に各種の添
加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、
たとえば加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延
剤等のゴムを加硫させるための薬剤の他、老化防止剤、
補強剤、充てん剤、軟化剤、可塑剤等があげられる。こ
れら添加剤の添加量は、従来と同程度でよい。
【0038】上記のうち加硫剤としては、たとえば硫
黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等があげられ、こ
のうち有機含硫黄化合物としては、たとえばN,N′−
ジチオビスモルホリン等があげられ、有機過酸化物とし
ては、たとえばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド等があげられる。また加硫促進剤としては、た
とえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチ
ルチウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;
ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカー
バミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウ
ム、ジエチルジチオカーバミン酸テルル等のジチオカー
バミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シ
クロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
等のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジ
エチルチオ尿素等のチオウレア類などの有機促進剤や、
あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサ
ージ(PbO)等の無機促進剤があげられる。
【0039】加硫促進助剤としては、たとえば亜鉛華等
の金属酸化物や、あるいはステアリン酸、オレイン酸、
綿実脂肪酸等の脂肪酸などがあげられる。加硫遅延剤と
しては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸
等の芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N
−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイ
ドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミ
ン等のニトロソ化合物などがあげられる。
【0040】老化防止剤としては、たとえば2−メルカ
プトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル
−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等ノ
フェノール類などがあげられる。
【0041】補強剤としては主にカーボンブラックが使
用される他、シリカ系あるいはケイ酸塩系のホワイトカ
ーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、タルク、クレー等の無機補強剤や、ある
いはクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチ
レン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン
共重合体)等の有機補強剤も使用できる。
【0042】また充てん剤としては、たとえば炭酸カル
シウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土、マイカ、アス
ベスト、グラファイト等の無機充てん剤や、あるいは再
生ゴム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、に
かわ等の有機充てん剤などがあげられる。軟化剤として
は、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸等)、
綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワッ
クス等の、植物油系、鉱物油系、および合成系の各種軟
化剤があげられる。
【0043】可塑剤としては、たとえばジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート等の各種可塑剤があげられる。上記以外にもゴムに
は、たとえば粘着性付与剤、分散剤、溶剤等を適宜、配
合してもよい。なお、本発明の印刷用ブランケットの構
成は、以上で説明した図の例のものには限定されず、本
発明の要旨を変更しない範囲で、種々の設計変更を施す
ことができる。
【0044】たとえば図1(a)(b)に示した円筒状の印刷
用ブランケット1における、両圧縮性層13、14の位
置やその上下関係は、適宜変更することができる。たと
えば前述したように両圧縮性層13、14は、上下逆に
配置されていてもよい。また図の例の場合は両圧縮性層
13、14が直接に接していたが、当該両圧縮性層1
3、14の間に他の層、たとえば非伸縮性層等を介装し
てもよい。
【0045】また本発明では、その他の層の構成につい
ても、適宜変更することができる。要するに、表面印刷
の直下に、連続気孔構造を有する圧縮性層と、独立気
孔構造を有する圧縮性層とを積層してあれば、その他の
構成は、本発明ではとくに限定されないのである。以
上、詳述したように本発明によれば、独立気孔構造の圧
縮性層と、連続気孔構造の圧縮性層の両方の長所を併せ
持ち、かつ両方の短所が原因で生じる種々の問題を生じ
るおそれのない、すぐれた特性を有する印刷用ブランケ
ットを提供できる。
【0046】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 内径169.5mm、長さ910mm、厚さ0.125
mmの、円筒状のニッケル製のスリーブの外周面に、ロ
ードケミカル〔Lord Chemical〕社製のケ
ムロック〔Chemlock〕205の層と、同社製の
ケムロック〔Chemlock〕252Xの層の2層構
造の接着層(厚み0.05mm)を介して、NBR系ゴ
ムコンパウンドからなる、厚み2.0mmの、ベース層
となる未加硫のゴムシートを巻きつけた後、上記シート
の表面をラッピングした状態で、上記の各層を加硫し、
加硫後の表面を研磨して、厚み1.4mmのベース層を
形成した。
【0047】つぎに上記ベース層の上に、未加硫のNB
R系のゴム糊にて接着層(厚み0.05mm)を形成
し、その上に綿糸(直径0.250mm、60番手/8
本撚り)を380±10gfの張力をかけながら、とな
りあう綿糸同士の間隔〔図1(a) 中のL〕が0.05m
m以下となるようにらせん状に巻回した後、その表面を
ラッピングした状態で、ゴム糊を加硫して、厚み0.3
mmの非伸縮性層を形成した。
【0048】つぎに上記非伸縮性層の上に、未加硫のN
BR系のゴム糊にて接着層(厚み0.05mm)を形成
し、その上に、これも未加硫のNBR〔日本ゼオン
(株)製のDN206〕100重量部と、食塩の粒子
(粒径1〜100μm)50重量部と、下記の各成分と
からなる、連続気孔構造の圧縮性層用のゴム糊を糊引き
して乾燥させ、その表面をラッピングした状態で、上記
両層を加硫した後、食塩の粒子を、70℃の温水に12
時間浸漬して抽出するリーチング処理を行い、乾燥させ
て、厚み0.08mm、マトリクスゴムのJIS A硬
度60°、多孔率50%の、連続気孔構造を有する圧縮
性層を形成した。
【0049】 (成 分) (重量部) ・ファーネスブラック 30 ・クレー系充てん剤 40 ・ステアリン酸 1 ・フェノール系老化防止剤 1 ・粉末硫黄 2.5 ・スルフェンアミド系加硫促進剤 1.5 ・チウラム系加硫促進剤 1 ・酸化亜鉛 5 ・トルエン 100 つぎに上記連続気孔構造を有する圧縮性層の上に、未加
硫のNBR系のゴム糊にて接着層(厚み0.05mm)
を形成し、その上に、これも未加硫のNBR〔JSR
(株)製のN232S〕100重量部と、中空状微小粒
子〔前出のエクスパンセル社製のエクスパンセル461
DE、粒径50μm〕10重量部と、下記の各成分とか
らなる、独立気孔構造の圧縮性層用のゴム糊を糊引きし
て乾燥させ、その表面をラッピングした状態で、上記両
層を加硫して、厚み0.08mm、マトリクスゴムのJ
IS A硬度60°、多孔率50%の、独立気孔構造を
有する圧縮性層を形成した。
【0050】 (成 分) (重量部) ・ファーネスブラック 30 ・クレー系充てん剤 40 ・ステアリン酸 1 ・フェノール系老化防止剤 1 ・粉末硫黄 2.5 ・スルフェンアミド系加硫促進剤 1.5 ・チウラム系加硫促進剤 1 ・酸化亜鉛 5 ・トルエン 100 つぎに上記独立気孔構造を有する圧縮性層の上に、未加
硫のNBR系のゴム糊にて接着層(厚み0.05mm)
を形成し、その上に、これも未加硫のNBR系である表
面印刷層用のゴム糊を糊引きして乾燥させ、その表面を
ラッピングした状態で、上記両層を加硫した後、表面を
研磨して厚み0.2mmの表面印刷層を形成して、図1
(a) に示す層構成を有する、継ぎ目のない円筒状の印刷
用ブランケットを製造した。
【0051】比較例1 連続気孔構造を有する圧縮性層を省略するとともに、独
立気孔構造を有する厚み0.08mmの圧縮性層を2
層、その間に厚み0.05mmの接着層を介して積層し
たこと以外は実施例1と同様にして、継ぎ目のない円筒
状の印刷用ブランケットを製造した。
【0052】比較例2 独立気孔構造を有する圧縮性層を省略するとともに、連
続気孔構造を有する厚み0.08mmの圧縮性層を2
層、その間に厚み0.05mmの接着層を介して積層し
たこと以外は実施例1と同様にして、継ぎ目のない円筒
状の印刷用ブランケットを製造した。
【0053】比較例3 連続気孔構造を有する圧縮性層とその下の接着層とを省
略するとともに、独立気孔構造を有する圧縮性層の厚み
を0.16mmとしたこと以外は実施例1と同様にし
て、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケットを製造し
た。 比較例4 独立気孔構造を有する圧縮性層とその下の接着層とを省
略するとともに、連続気孔構造を有する圧縮性層の厚み
を0.16mmとしたこと以外は実施例1と同様にし
て、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケットを製造し
た。
【0054】上記各実施例、比較例で製造した印刷用ブ
ランケットについて、以下の各試験を行って、その特性
を評価した。 耐バルジ性試験 各印刷用ブランケットを、オフセット印刷機〔三菱重工
業(株)製のGCX型〕のブランケット胴軸に外挿し、
印圧15/100mm、印刷速度10000枚/時の条
件で、コート紙〔大王製紙(株)製のユトリロコート、
坪量110kg〕の表面に網版の印刷を行った。
【0055】そして、印刷された網点の面積S1 を実測
して、下記式(i) により、原版における網点の面積S0
からの増加率、すなわち網点太り率(%)を求めて、耐
バルジ性を評価した。なお上記の太り率は、その値が小
さいほど、印刷用ブランケットが耐バルジ性にすぐれた
ものであることを示している。
【0056】
【数1】
【0057】復元性試験 各印刷用ブランケットを、上記耐バルジ性試験で使用し
たのと同じオフセット印刷機のブランケット胴軸に外挿
するとともに、版胴を、15/100mmの印圧で圧接
させた。つぎに、コート紙〔大王製紙(株)製のユトリ
ロコート、坪量110kg〕の中央に厚み0.2mmの
10cm角の厚紙を張りつけたものを、厚紙が印刷用ブ
ランケットの側を向くようにして、上記版胴と印刷用ブ
ランケットとの間にかませて、印刷用ブランケットの表
面を、部分的に変形させた。
【0058】つぎに、上記変形直後のブランケットを用
いて、印圧15/100mm、印刷速度10000枚/
時の条件で、前記と同じコート紙の表面に、東洋インキ
製造(株)製のインキ「ハイプラス ベニ」によるベタ
印刷を連続的に行った。そして印刷何枚目で、変形部と
その周囲の濃度差がなくなったか、つまり部分的な変形
が復元したかを計数して、下記の基準により、印刷用ブ
ランケットの復元性を評価した。
【0059】 ○:100枚目以前、復元性良好。 △:101枚目〜500枚目、復元性やや不良。 ×:501枚目以降、復元性不良。 衝撃吸収性試験 各印刷用ブランケットを、前記耐バルジ性試験で使用し
たのと同じオフセット印刷機に使用して、印圧15/1
00mm、印刷速度10000枚/時の条件で、前記と
同じコート紙の表面に、東洋インキ製造(株)製のイン
キ「ハイプラスベニ」による70%総網版の印刷を行っ
た。
【0060】そして、印刷機の歯車の送り時に生じる衝
撃の影響(網点の狂い、いわゆるギア目)が印刷に現れ
たか否かを目視にて観察して、下記の基準により、印刷
用ブランケットの衝撃吸収性を評価した。 ○:ギア目は全く確認できず、衝撃吸収性良好。 △:ギア目かすかに確認される、衝撃吸収性やや不良。
【0061】×:ギア目がハッキリ確認できる、衝撃吸
収性不良。 以上の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】上記表より、実施例1の印刷用ブランケッ
トは、独立気孔構造の圧縮性層のみを有する比較例1、
3の印刷用ブランケットと同程度の耐バルジ性と、上記
比較例1、3の印刷用ブランケットと同程度またはそれ
以上の復元性とを有するとともに、連続気孔構造の圧縮
性層のみを有する比較例2、4の印刷用ブランケットと
同程度またはそれ以上の衝撃吸収性を有することから、
両構造の圧縮性層の長所を併せ持ったものであることが
確認された。
【0064】実施例2〜6 独立気孔構造を有する圧縮性層の元になるゴム糊中の、
中空状微小粒子の配合量を調整することによって、上記
独立気孔構造を有する圧縮性層の多孔率を、それぞれ表
2に示す値とするとともに、両圧縮性層の元になるゴム
糊中の、カーボンブラックの配合量を調整することによ
って、両圧縮性層のマトリクスゴムのJIS A硬さを
ともに50°としたこと以外は実施例1と同様にして、
図1(a)に示す層構成を有する、継ぎ目のない円筒状の
印刷用ブランケットを製造した。なお、連続気孔構造を
有する圧縮性層の多孔率は50%、両圧縮性層の厚みは
ともに0.08mm、両圧縮性層の合計に占める、独立
気孔構造を有する圧縮性層の厚みの割合は50%であっ
た。
【0065】上記各実施例の印刷用ブランケットについ
て、前記各試験を行って、その特性を評価した。結果を
表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】上記表より、独立気孔構造を有する圧縮性
層の多孔率は、30〜70%程度、その中でもとくに4
0〜60%程度が好ましいことがわかった。 実施例7〜10 連続気孔構造を有する圧縮性層の元になるゴム糊中の、
食塩の配合量を調整することによって、上記連続気孔構
造を有する圧縮性層の多孔率を、それぞれ表3に示す値
としたこと以外は実施例4と同様にして、図1(a) に示
す層構成を有する、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブラン
ケットを製造した。なお、独立気孔構造を有する圧縮性
層の多孔率は50%、両圧縮性層の厚みはともに0.0
8mm、両圧縮性層の厚みの合計に占める、独立気孔構
造を有する圧縮性層の厚みの割合は50%、両圧縮性層
のマトリクスゴムのJIS A硬さはともに50°であ
った。
【0068】上記各実施例の印刷用ブランケットについ
て、前記各試験を行って、その特性を評価した。結果
を、前記実施例4の結果とあわせて表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】上記表より、連続気孔構造を有する圧縮性
層の多孔率は、30〜70%程度、その中でもとくに4
0〜60%程度が好ましいことがわかった。 実施例11〜15 両圧縮性層の元になるゴム糊の塗布厚みを調整して、両
圧縮性層の厚みの合計に占める、独立気孔構造を有する
圧縮性層の厚みの割合を、それぞれ表4に示す値とした
こと以外は実施例4と同様にして、図1(a) に示す層構
成を有する、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケット
を製造した。なお、両圧縮性層の多孔率はともに50
%、両圧縮性層の厚みの合計は0.16mm、両圧縮性
層のマトリクスゴムのJIS A硬さはともに50°で
あった。
【0071】上記各実施例の印刷用ブランケットについ
て、前記各試験を行って、その特性を評価した。結果
を、前記実施例4の結果とあわせて表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】上記表より、両圧縮性層の厚みの合計に占
める、独立気孔構造を有する圧縮性層の厚みの割合は、
30〜80%程度、その中でもとくに40〜70%程度
が好ましいことがわかった。 実施例16 独立気孔構造を有する圧縮性層と、連続気孔構造を有す
る圧縮性層の形成順序を逆にしたこと以外は実施例4と
同様にして、図1(a) に示す層構成を有する、継ぎ目の
ない円筒状の印刷用ブランケットを製造した。なお、両
圧縮性層の多孔率はともに50%、厚みはともに0.0
8mm、両圧縮性層の合計に占める、独立気孔構造を有
する圧縮性層の厚みの割合は50%、両圧縮性層のマト
リクスゴムのJIS A硬さはともに50°であった。
【0074】上記実施例の印刷用ブランケットについ
て、前記各試験を行って、その特性を評価した。結果
を、前記実施例4の結果とあわせて表5に示す。
【0075】
【表5】
【0076】上記表より、両圧縮性層は、独立気孔構造
を有する圧縮性層が、連続気孔構造を有する圧縮性層よ
り上に配置されるのが好ましいことがわかった。
【0077】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
独立気孔構造の圧縮性層と、連続気孔構造の圧縮性層の
両方の長所を併せ持ち、かつ両方の短所が原因で生じる
種々の問題を生じるおそれのない、すぐれた特性を有す
る印刷用ブランケットを提供できるという特有の作用効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷用ブランケットの、実施の形態の
一例を示す図であって、同図(a) は部分拡大断面図、同
図(b) は全体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 印刷用ブランケット 13 連続気孔構造を有する圧縮性層 14 独立気孔構造を有する圧縮性層 15 表面印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐川 敬道 兵庫県明石市魚住町清水41番地の1 住 友ゴム魚住寮 (56)参考文献 特開 平5−301483(JP,A) 特開 昭63−205294(JP,A) 特開 平6−344681(JP,A) 特開 平10−181235(JP,A) 特開 平10−175381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41N 10/00 - 10/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケット
    であって、表面印刷層の直下に、連続気孔構造を有する
    圧縮性層と、独立気孔構造を有する圧縮性層とを積層し
    ことを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】独立気孔構造を有する圧縮性層より下位
    に、連続気孔構造を有する圧縮性層を配置した請求項1
    記載の印刷用ブランケット。
  3. 【請求項3】連続気孔構造を有する圧縮性層、および独
    立気孔構造を有する圧縮性層がともに、JIS A硬度
    40〜80°のマトリクスゴムにより形成されている請
    求項1記載の印刷用ブランケット。
  4. 【請求項4】連続気孔構造を有する圧縮性層、および独
    立気孔構造を有する圧縮性層の多孔率がともに30〜7
    0%である請求項1記載の印刷用ブランケット。
  5. 【請求項5】連続気孔構造を有する圧縮性層、および独
    立気孔構造を有する圧縮性層の厚みの合計に占める、独
    立気孔構造を有する圧縮性層の厚みの割合が30〜80
    %である請求項1記載の印刷用ブランケット。
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