JPH0971062A - 印刷用ブランケットとその製造方法 - Google Patents
印刷用ブランケットとその製造方法Info
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- JPH0971062A JPH0971062A JP25197895A JP25197895A JPH0971062A JP H0971062 A JPH0971062 A JP H0971062A JP 25197895 A JP25197895 A JP 25197895A JP 25197895 A JP25197895 A JP 25197895A JP H0971062 A JPH0971062 A JP H0971062A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のブランケット構造ではブランケット胴
のスリットの幅寸法が大きくなり、高速回転時の衝撃が
大きいとともに、印刷不能による損紙も無視できなかっ
た。 【解決手段】 １枚または複数枚の織布からなる支持体
層の上面側に印刷面となる表面ゴム層を設けてなる中間
積層体の下面に厚さ０．１〜１．０ｍｍの支持板を接着
剤層を介して接着してなり、前記支持板の両端部は中間
積層体から突出させてグリッパー部となし、中間積層体
四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成したことを
特徴とする。前記接着剤層と中間積層体との厚さは１．
０〜３．０ｍｍであることが好ましく、前記支持体層と
表面ゴム層との間には圧縮性層を設けることが好まし
い。
のスリットの幅寸法が大きくなり、高速回転時の衝撃が
大きいとともに、印刷不能による損紙も無視できなかっ
た。 【解決手段】 １枚または複数枚の織布からなる支持体
層の上面側に印刷面となる表面ゴム層を設けてなる中間
積層体の下面に厚さ０．１〜１．０ｍｍの支持板を接着
剤層を介して接着してなり、前記支持板の両端部は中間
積層体から突出させてグリッパー部となし、中間積層体
四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成したことを
特徴とする。前記接着剤層と中間積層体との厚さは１．
０〜３．０ｍｍであることが好ましく、前記支持体層と
表面ゴム層との間には圧縮性層を設けることが好まし
い。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は高速で使用される
印刷用ブランケットとその製造方法に関する。
印刷用ブランケットとその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】高速オフセット印刷機においては、ブラ
ンケット胴に表面印刷層を刷版側にした印刷用ブランケ
ットを装着し、刷版には給水装置から湿し水を、インキ
装置からインキをそれぞれ供給し、次いで、版上のイン
キ画像をブランケットに転移させ、ブランケットに転移
した画像を圧胴との間を通る印刷用紙に印刷する方法が
取られる。このような、印刷用ブランケットには、一般
に圧縮性層を設けた圧縮性印刷用ブランケットが用いら
れるが、圧縮性層を設けない非圧縮性印刷用ブランケッ
トを用いることもできる。
ンケット胴に表面印刷層を刷版側にした印刷用ブランケ
ットを装着し、刷版には給水装置から湿し水を、インキ
装置からインキをそれぞれ供給し、次いで、版上のイン
キ画像をブランケットに転移させ、ブランケットに転移
した画像を圧胴との間を通る印刷用紙に印刷する方法が
取られる。このような、印刷用ブランケットには、一般
に圧縮性層を設けた圧縮性印刷用ブランケットが用いら
れるが、圧縮性層を設けない非圧縮性印刷用ブランケッ
トを用いることもできる。
【０００３】これらの印刷用ブランケットは、ブランケ
ット胴に装着後弛みやずれが生じると画像にズレが生じ
る。このために、ブランケットはブランケット胴への装
着が容易であるばかりでなく、装着後は確実に固定され
ていなければならない。ブランケットはブランケット胴
に巻回した両端部をブランケット胴に設けたスリットに
差し込むことによって装着されるが、ブランケット胴へ
の装着を容易にするために、通常ブランケットの両端部
にアルミニウム製マウンティングバーを取り付け、この
マウンティングバーを係止することによって緊締してい
る。
ット胴に装着後弛みやずれが生じると画像にズレが生じ
る。このために、ブランケットはブランケット胴への装
着が容易であるばかりでなく、装着後は確実に固定され
ていなければならない。ブランケットはブランケット胴
に巻回した両端部をブランケット胴に設けたスリットに
差し込むことによって装着されるが、ブランケット胴へ
の装着を容易にするために、通常ブランケットの両端部
にアルミニウム製マウンティングバーを取り付け、この
マウンティングバーを係止することによって緊締してい
る。
【０００４】図６及び図７は従来のブランケットのブラ
ンケット胴への装着方法を示す。即ち、ブランケット１
の両端部を挟み込むことによって固着したマウンティン
グバー２をブランケット胴３に配設したテンションバー
４の溝５に嵌着し、次に、ウォーム６を回転駆動するこ
とによってブランケットをテンションバー４に巻き込ん
で緊締するように構成されている。従って、ブランケッ
ト胴のスリット７の幅寸法はブランケットの厚さとマウ
ンティングバーの厚さの和だけ必要になり、一般には５
ｍｍ以上の幅寸法のスリットが設けられている。
ンケット胴への装着方法を示す。即ち、ブランケット１
の両端部を挟み込むことによって固着したマウンティン
グバー２をブランケット胴３に配設したテンションバー
４の溝５に嵌着し、次に、ウォーム６を回転駆動するこ
とによってブランケットをテンションバー４に巻き込ん
で緊締するように構成されている。従って、ブランケッ
ト胴のスリット７の幅寸法はブランケットの厚さとマウ
ンティングバーの厚さの和だけ必要になり、一般には５
ｍｍ以上の幅寸法のスリットが設けられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】このように、ブランケ
ット装着用のスリット７の幅寸法が大きいと、高速オフ
セット印刷機においては高速回転時の衝撃が大きくな
り、高速回転が不能になるとともに、スリット７の部分
は印刷不能な部分となるから紙の無駄もそれだけ大きく
なり、紙の損失も無視できないものであった。そこで、
スリット７の幅寸法はできるだけ小さくすることが望ま
れている。しかしながら、従来のブランケット構造では
ブランケット胴に緊締するにはマウンティングバーを必
要とするために、スリット７の幅寸法を小さくするにも
限界があった。この発明は上記の現況に鑑みてなされた
もので、スリット７の幅寸法を小さくすることができる
ブランケットの構造とその製造方法を提供するものであ
る。
ット装着用のスリット７の幅寸法が大きいと、高速オフ
セット印刷機においては高速回転時の衝撃が大きくな
り、高速回転が不能になるとともに、スリット７の部分
は印刷不能な部分となるから紙の無駄もそれだけ大きく
なり、紙の損失も無視できないものであった。そこで、
スリット７の幅寸法はできるだけ小さくすることが望ま
れている。しかしながら、従来のブランケット構造では
ブランケット胴に緊締するにはマウンティングバーを必
要とするために、スリット７の幅寸法を小さくするにも
限界があった。この発明は上記の現況に鑑みてなされた
もので、スリット７の幅寸法を小さくすることができる
ブランケットの構造とその製造方法を提供するものであ
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために次のような構成とした。即ち、請求項１に
係る印刷用ブランケットは、１枚または複数枚の織布か
らなる支持体層の上面側に印刷面となる表面ゴム層を設
けてなる中間積層体の下面に厚さ０．１〜０．４ｍｍの
支持板を接着剤層を介して接着してなり、前記支持板の
両端部は中間積層体から突出させてグリッパー部とな
し、中間積層体四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を
形成したことを特徴とする。また、請求項２に係る印刷
用ブランケットは、前記接着剤層と支持板との厚さが、
１．０〜２．０ｍｍであることを特徴とする。また、請
求項３に係る印刷用ブランケットは、前記支持体層と表
面ゴム層との間に圧縮性層を有することを特徴とする。
請求項４に係る印刷用ブランケットは、前記支持板が金
属、紙、不織布、合成樹脂またはこれらのものを組み合
わせた複合材で形成されていることを特徴とする。
成するために次のような構成とした。即ち、請求項１に
係る印刷用ブランケットは、１枚または複数枚の織布か
らなる支持体層の上面側に印刷面となる表面ゴム層を設
けてなる中間積層体の下面に厚さ０．１〜０．４ｍｍの
支持板を接着剤層を介して接着してなり、前記支持板の
両端部は中間積層体から突出させてグリッパー部とな
し、中間積層体四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を
形成したことを特徴とする。また、請求項２に係る印刷
用ブランケットは、前記接着剤層と支持板との厚さが、
１．０〜２．０ｍｍであることを特徴とする。また、請
求項３に係る印刷用ブランケットは、前記支持体層と表
面ゴム層との間に圧縮性層を有することを特徴とする。
請求項４に係る印刷用ブランケットは、前記支持板が金
属、紙、不織布、合成樹脂またはこれらのものを組み合
わせた複合材で形成されていることを特徴とする。
【０００７】請求項５に係る印刷用ブランケットの製造
方法は、織布からなる支持体層の上面側に印刷面となる
表面ゴム層を積層し、次いで、これを加硫した後表面ゴ
ム層を研磨して中間積層体となし、この中間積層体の下
面に支持板を接着剤層を介して接着し、支持板の両端部
を突出させてグリッパー部を形成した後、前記中間積層
体四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成すること
を特徴とする。また、請求項６に係る印刷用ブランケッ
トの製造方法は、織布からなる支持体層の上面に圧縮性
層となる合成ゴム配合物を積層し、この合成ゴム配合物
の上面側に中間層となる織布を介して印刷面となる表面
ゴム層を設け、次いで、これを加硫した後表面ゴム層を
研磨して中間積層体となし、この中間積層体の下面に支
持板を接着剤層を介して接着し、支持板の両端部を突出
させてグリッパー部を形成した後、前記中間積層体四周
の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成することを特徴
とする。
方法は、織布からなる支持体層の上面側に印刷面となる
表面ゴム層を積層し、次いで、これを加硫した後表面ゴ
ム層を研磨して中間積層体となし、この中間積層体の下
面に支持板を接着剤層を介して接着し、支持板の両端部
を突出させてグリッパー部を形成した後、前記中間積層
体四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成すること
を特徴とする。また、請求項６に係る印刷用ブランケッ
トの製造方法は、織布からなる支持体層の上面に圧縮性
層となる合成ゴム配合物を積層し、この合成ゴム配合物
の上面側に中間層となる織布を介して印刷面となる表面
ゴム層を設け、次いで、これを加硫した後表面ゴム層を
研磨して中間積層体となし、この中間積層体の下面に支
持板を接着剤層を介して接着し、支持板の両端部を突出
させてグリッパー部を形成した後、前記中間積層体四周
の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成することを特徴
とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１はこの発明にかかるブランケ
ットの一例を示し、圧縮性層を有する圧縮性印刷用ブラ
ンケットの説明用断面図である。ブランケット１０は、
印刷面となる表面ゴム層１１の下面側に１層の繊維層で
ある中間層１３を介して圧縮性層１５が形成されてお
り、前記圧縮性層１５は織布を１層以上積層して形成し
た支持体層１７によって支持されている。さらに、前記
支持体層１７の下面側には接着剤層１９を介して薄い支
持板２０が貼着されている。前記支持板２０の両端部に
はブランケット胴のスリットに挿入し、テンションバー
に係止するグリッパー部２１が形成されている。前記グ
リッパー部２１は、ブランケット胴のスリットから挿入
してテンションバーに巻き付けるのに十分な長さに形成
されている。また、ブランケット１０の四周の切断面で
ある側面には、可撓性のあるシール剤による保護膜２３
が設けられている。保護膜２３を設けることによってブ
ランケット洗浄時の洗浄剤や使用中の湿し水等の浸透に
よる接着力の低下を防止することができ、かつ衝撃緩和
の役割を果たし各層間が剥離することなく耐久性に優れ
たブランケットを提供することができる。
ットの一例を示し、圧縮性層を有する圧縮性印刷用ブラ
ンケットの説明用断面図である。ブランケット１０は、
印刷面となる表面ゴム層１１の下面側に１層の繊維層で
ある中間層１３を介して圧縮性層１５が形成されてお
り、前記圧縮性層１５は織布を１層以上積層して形成し
た支持体層１７によって支持されている。さらに、前記
支持体層１７の下面側には接着剤層１９を介して薄い支
持板２０が貼着されている。前記支持板２０の両端部に
はブランケット胴のスリットに挿入し、テンションバー
に係止するグリッパー部２１が形成されている。前記グ
リッパー部２１は、ブランケット胴のスリットから挿入
してテンションバーに巻き付けるのに十分な長さに形成
されている。また、ブランケット１０の四周の切断面で
ある側面には、可撓性のあるシール剤による保護膜２３
が設けられている。保護膜２３を設けることによってブ
ランケット洗浄時の洗浄剤や使用中の湿し水等の浸透に
よる接着力の低下を防止することができ、かつ衝撃緩和
の役割を果たし各層間が剥離することなく耐久性に優れ
たブランケットを提供することができる。
【０００９】前記表面ゴム層１１には、印刷インキ、イ
ンキ洗浄溶剤等を考慮して耐油性ポリマーが用いられ、
例えば、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴ
ム等の耐油性ゴムに硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化
防止剤等の１種以上を添加して用いられる。この表面粗
さは、通常、触針型粗さ計にて１０点平均粗さが２μｍ
〜１５μｍに形成される。また、前記圧縮性層１５は公
知の手段によって形成することができる。公知の形成手
段としては、圧縮性層を形成する合成ゴム配合物中に
発泡剤を配合しておき、ゴムの加硫中に発泡させてセル
を有する圧縮性層とする発泡成形法、ガラス、フェノ
ール樹脂、熱可塑性プラスチック材料による中空微小球
を配合しておき、独立したセルを形成する中空微小球混
入法、水、メタノール等の溶出液に溶出可能な粉体、
例えば、塩化ナトリウム、砂糖等を合成ゴム配合物中に
配合しておき、加硫後に前記粉体を溶出させることによ
ってセルを有する圧縮性層とする粉体溶出法等が知られ
ている。
ンキ洗浄溶剤等を考慮して耐油性ポリマーが用いられ、
例えば、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴ
ム等の耐油性ゴムに硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、老化
防止剤等の１種以上を添加して用いられる。この表面粗
さは、通常、触針型粗さ計にて１０点平均粗さが２μｍ
〜１５μｍに形成される。また、前記圧縮性層１５は公
知の手段によって形成することができる。公知の形成手
段としては、圧縮性層を形成する合成ゴム配合物中に
発泡剤を配合しておき、ゴムの加硫中に発泡させてセル
を有する圧縮性層とする発泡成形法、ガラス、フェノ
ール樹脂、熱可塑性プラスチック材料による中空微小球
を配合しておき、独立したセルを形成する中空微小球混
入法、水、メタノール等の溶出液に溶出可能な粉体、
例えば、塩化ナトリウム、砂糖等を合成ゴム配合物中に
配合しておき、加硫後に前記粉体を溶出させることによ
ってセルを有する圧縮性層とする粉体溶出法等が知られ
ている。
【００１０】また、前記支持体層１７の形成には、綿布
の他、レーヨン布、ポリエステル布等の公知の織布を使
用することができ、仕上がり厚さにより１枚または２枚
以上を積層して使用する。支持板２０を接着する接着剤
としては、フェノール系、ウレタン系、ポリエステル
系、ポリアミド系等の耐油性を有する液状、固形、フィ
ルム状等の接着剤を使用することができる。さらに、薄
い支持板２０としては一般的な金属、紙、不織布、合成
樹脂またはこれらのものを組み合わせた複合材を使用で
きるが、印刷機の使用環境を鑑みるとアルミニウム板、
メッキ綱板、ステンレス鋼板等の耐食性の高い支持板で
あることが好ましい。前記支持板２０の肉厚は、０．１
〜１．０ｍｍとし、好ましくは０．１〜０．４ｍｍとす
る。０．１ｍｍ以下では強度不足となりブランケット胴
に緊締した際に破断するおそれがあるからである。ま
た、１．０ｍｍ以上では先端部を曲げ加工する際に曲げ
部の曲率が大きくなり、ブランケットの端部が盛り上が
る。０．１〜０．４ｍｍが強度と曲率が最適である。こ
の盛り上がり部分は印刷時に過圧にしてブランケットを
破壊し易くするからである。支持板の厚さを除いたブラ
ンケットの厚さは１．０〜３．０ｍｍとする。また、保
護膜２３を形成する可撓性のある耐油性シール剤として
は、ウレタン系、アクリロニトリルブタジエン系、ポリ
サルファイド系、変成αシアノアクリレート系等の接着
剤やシーラントが使用できる。
の他、レーヨン布、ポリエステル布等の公知の織布を使
用することができ、仕上がり厚さにより１枚または２枚
以上を積層して使用する。支持板２０を接着する接着剤
としては、フェノール系、ウレタン系、ポリエステル
系、ポリアミド系等の耐油性を有する液状、固形、フィ
ルム状等の接着剤を使用することができる。さらに、薄
い支持板２０としては一般的な金属、紙、不織布、合成
樹脂またはこれらのものを組み合わせた複合材を使用で
きるが、印刷機の使用環境を鑑みるとアルミニウム板、
メッキ綱板、ステンレス鋼板等の耐食性の高い支持板で
あることが好ましい。前記支持板２０の肉厚は、０．１
〜１．０ｍｍとし、好ましくは０．１〜０．４ｍｍとす
る。０．１ｍｍ以下では強度不足となりブランケット胴
に緊締した際に破断するおそれがあるからである。ま
た、１．０ｍｍ以上では先端部を曲げ加工する際に曲げ
部の曲率が大きくなり、ブランケットの端部が盛り上が
る。０．１〜０．４ｍｍが強度と曲率が最適である。こ
の盛り上がり部分は印刷時に過圧にしてブランケットを
破壊し易くするからである。支持板の厚さを除いたブラ
ンケットの厚さは１．０〜３．０ｍｍとする。また、保
護膜２３を形成する可撓性のある耐油性シール剤として
は、ウレタン系、アクリロニトリルブタジエン系、ポリ
サルファイド系、変成αシアノアクリレート系等の接着
剤やシーラントが使用できる。
【００１１】上記構成にかかるブランケット１０は、グ
リッパー部２１の先端部を折り曲げてブランケット胴３
ａのスリット７ａから挿入し、先端部をテンションバー
４ａの溝５ａに嵌着し、次に、ウォーム６ａを回転駆動
することによってグリッパー部２１をテンションバー４
に巻き込んで緊締すればよい。このように、スリット７
ａへの挿入は支持板２０のグリッパー部２１のみである
から、スリット７ａの幅寸法はきわめて小さくすること
ができ、２．５ｍｍ以下とすることができる。また、支
持板２０を直接テンションバー４ａの溝５ａに嵌着する
ものであるから、従来のようにマウンティングバーは不
要であり、ブランケットのブランケット胴への装着、ま
たは取り外しが容易であるとともに、ブランケットの弛
みやずれが生じないという利点を有する。尚、上記例で
は圧縮性印刷用ブランケットについて説明したが、圧縮
性層を有しない非圧縮性印刷用ブランケットとすること
ができるのは勿論である。
リッパー部２１の先端部を折り曲げてブランケット胴３
ａのスリット７ａから挿入し、先端部をテンションバー
４ａの溝５ａに嵌着し、次に、ウォーム６ａを回転駆動
することによってグリッパー部２１をテンションバー４
に巻き込んで緊締すればよい。このように、スリット７
ａへの挿入は支持板２０のグリッパー部２１のみである
から、スリット７ａの幅寸法はきわめて小さくすること
ができ、２．５ｍｍ以下とすることができる。また、支
持板２０を直接テンションバー４ａの溝５ａに嵌着する
ものであるから、従来のようにマウンティングバーは不
要であり、ブランケットのブランケット胴への装着、ま
たは取り外しが容易であるとともに、ブランケットの弛
みやずれが生じないという利点を有する。尚、上記例で
は圧縮性印刷用ブランケットについて説明したが、圧縮
性層を有しない非圧縮性印刷用ブランケットとすること
ができるのは勿論である。
【００１２】図３〜図５に基づいて圧縮性印刷用ブラン
ケットを例にその製造方法について説明する。まず、綿
布、レーヨン布、ポリエステル布等の織布からなる支持
体層１７に圧縮性層１５となる合成ゴム配合物を塗布す
る。前記支持体層１７は１層または２層以上の織布を積
層して形成し、前記合成ゴム配合物には成形方法によっ
てそれぞれ発泡剤、中空微小球、溶出可能な粉体等を配
合して置けばよい。前記合成ゴム配合物はスプレッダ
ー、ナイフコータ、ロールコータ等により所定厚さに塗
布積層すればよい。前記圧縮性層１５を形成する合成ゴ
ムを塗布した後に、さらに織布による中間層１３を積層
する。中間層１３は表面ゴム層に布目が出ないように比
較的細い繊維で織られた織布を用いることが好ましい。
次いで、前記中間層１３の上面に印刷面となる表面ゴム
層１１を塗布する。
ケットを例にその製造方法について説明する。まず、綿
布、レーヨン布、ポリエステル布等の織布からなる支持
体層１７に圧縮性層１５となる合成ゴム配合物を塗布す
る。前記支持体層１７は１層または２層以上の織布を積
層して形成し、前記合成ゴム配合物には成形方法によっ
てそれぞれ発泡剤、中空微小球、溶出可能な粉体等を配
合して置けばよい。前記合成ゴム配合物はスプレッダ
ー、ナイフコータ、ロールコータ等により所定厚さに塗
布積層すればよい。前記圧縮性層１５を形成する合成ゴ
ムを塗布した後に、さらに織布による中間層１３を積層
する。中間層１３は表面ゴム層に布目が出ないように比
較的細い繊維で織られた織布を用いることが好ましい。
次いで、前記中間層１３の上面に印刷面となる表面ゴム
層１１を塗布する。
【００１３】このようにして順次、支持体層１７、圧縮
性層１５、中間層１３及び表面ゴム層１１を積層して中
間積層体２５とする。次いで、この中間積層体２５の表
面ゴム層１１に粘着防止のためにタルクを打粉しながら
加硫紙を挟み込んで巻取り、加硫する。発泡成形法及び
中空微小球成形法の場合には、加硫の終了と同時に圧縮
性層が成形されるが、粉体溶出法の場合には加硫後に粉
体の溶出工程が必要である。また、圧縮性層を発泡成形
法により成形する場合には、発泡した後に加硫を完了さ
せるようにしてもよい。加硫が終了して圧縮性層を形成
した後に、表面ゴム層１１を研磨する場合には表面研磨
はサンドペーパーグラインダー等による研磨機によって
行い、表面が所定粗さの微細な凹凸面に形成し、または
タルクの粒子の大きさで表面形成することもある。
性層１５、中間層１３及び表面ゴム層１１を積層して中
間積層体２５とする。次いで、この中間積層体２５の表
面ゴム層１１に粘着防止のためにタルクを打粉しながら
加硫紙を挟み込んで巻取り、加硫する。発泡成形法及び
中空微小球成形法の場合には、加硫の終了と同時に圧縮
性層が成形されるが、粉体溶出法の場合には加硫後に粉
体の溶出工程が必要である。また、圧縮性層を発泡成形
法により成形する場合には、発泡した後に加硫を完了さ
せるようにしてもよい。加硫が終了して圧縮性層を形成
した後に、表面ゴム層１１を研磨する場合には表面研磨
はサンドペーパーグラインダー等による研磨機によって
行い、表面が所定粗さの微細な凹凸面に形成し、または
タルクの粒子の大きさで表面形成することもある。
【００１４】次に、前記中間積層体２５の下面と支持板
２０の上面の双方、またはいずれか一方に接着剤を塗布
し、両者を積層する。支持板２０はあらかじめ脱脂等の
前処理を実施して置くことが好ましい。前記中間積層体
２５と支持板２０とは接着剤層１９によって強固に接着
積層される。図４は、前記中間積層体２５をあらかじめ
正寸に裁断して置き、この中間積層体２５を支持板２０
に接着し、支持板２０の両端部をグリッパー部２１とす
る接着方法を示している。中間積層体２５と支持板２０
とを接着した後に、中間積層体２５の両端部に可撓性の
ある耐油性シール剤によって保護膜２３を設ける。ま
た、図５は、支持板２０に同じ大きさの中間積層体２５
を接着した後に、中間積層体２５の両端部を研削や剥離
等の方法により除去して、露出した部分をグリッパー部
２１とする方法を示している。グリッパー部２１を形成
した後、中間積層体２５の両端部に可撓性のある耐油性
シール剤によって保護膜２３を設ければよい。
２０の上面の双方、またはいずれか一方に接着剤を塗布
し、両者を積層する。支持板２０はあらかじめ脱脂等の
前処理を実施して置くことが好ましい。前記中間積層体
２５と支持板２０とは接着剤層１９によって強固に接着
積層される。図４は、前記中間積層体２５をあらかじめ
正寸に裁断して置き、この中間積層体２５を支持板２０
に接着し、支持板２０の両端部をグリッパー部２１とす
る接着方法を示している。中間積層体２５と支持板２０
とを接着した後に、中間積層体２５の両端部に可撓性の
ある耐油性シール剤によって保護膜２３を設ける。ま
た、図５は、支持板２０に同じ大きさの中間積層体２５
を接着した後に、中間積層体２５の両端部を研削や剥離
等の方法により除去して、露出した部分をグリッパー部
２１とする方法を示している。グリッパー部２１を形成
した後、中間積層体２５の両端部に可撓性のある耐油性
シール剤によって保護膜２３を設ければよい。
【００１５】
【実施例】最下層の支持体層１７を綿の織布をゴム糊に
より３層に積層して形成し、さらに発泡による圧縮性層
１５と中間層１３とを順次積層し、最上層にアクリロニ
トリルブタジエン共重合ゴムからなるゴム組成物を塗布
して表面ゴム層１１を形成した。これを加硫成形して得
た中間積層体を東亜合成製のポリエステル系接着剤「Ｐ
ＥＳ１１１」を用いて支持板に接着し、中間積層体の側
面に東亜合成製の変成αシアノアクリレート系接着剤
「アロンアルファ９１１Ｐ３」により保護膜を設けた。
上記構造のブランケットを印刷時に使用される代表的な
洗浄剤（日本石油製、「ミネラルスピッツＡ」）とイソ
プロピルアルコールの５％水溶液に浸漬する前と浸漬し
た後の接着強度を示す。尚、前記接着強度の試験はＪＩ
ＳＫ６３０１の９０度剥離法に準拠して行った。試験結
果は表１の通りである。
より３層に積層して形成し、さらに発泡による圧縮性層
１５と中間層１３とを順次積層し、最上層にアクリロニ
トリルブタジエン共重合ゴムからなるゴム組成物を塗布
して表面ゴム層１１を形成した。これを加硫成形して得
た中間積層体を東亜合成製のポリエステル系接着剤「Ｐ
ＥＳ１１１」を用いて支持板に接着し、中間積層体の側
面に東亜合成製の変成αシアノアクリレート系接着剤
「アロンアルファ９１１Ｐ３」により保護膜を設けた。
上記構造のブランケットを印刷時に使用される代表的な
洗浄剤（日本石油製、「ミネラルスピッツＡ」）とイソ
プロピルアルコールの５％水溶液に浸漬する前と浸漬し
た後の接着強度を示す。尚、前記接着強度の試験はＪＩ
ＳＫ６３０１の９０度剥離法に準拠して行った。試験結
果は表１の通りである。
【００１６】
【表１】
【００１７】上記結果から明らかなように、中間積層体
の側面にシール剤による保護膜を設けた場合には、浸漬
前と浸漬後とで接着強度にあまり変化は見られなかっ
た。これに対して、保護膜を設けなかった場合には浸漬
後に著しい接着強度の低下が認められた。また、実際の
印刷テストにおいて保護膜を設けない場合には１時間か
ら１．５時間の短時間で剥離事故が発生した。
の側面にシール剤による保護膜を設けた場合には、浸漬
前と浸漬後とで接着強度にあまり変化は見られなかっ
た。これに対して、保護膜を設けなかった場合には浸漬
後に著しい接着強度の低下が認められた。また、実際の
印刷テストにおいて保護膜を設けない場合には１時間か
ら１．５時間の短時間で剥離事故が発生した。
【００１８】
【発明の効果】この発明は上述のように、最下層に薄い
支持板を接着し、この支持板の両端部を突出させてブラ
ンケット胴に装着するグリッパー部としたから、ブラン
ケット胴への装着、取り外しが容易であるとともに、ス
リットの幅寸法を小さくすることができる。従って、高
速回転時においても衝撃が少なく、紙の無駄を省くこと
ができる。また、支持板により補強されているので、ブ
ランケット胴に装着の際にも弛みやずれが生じない。ま
た、中間積層体を形成した後に支持板に接着することに
より製造するものであるから製造が簡単であるととも
に、中間積層体を支持板に接着するのでよじれやしわが
なく、かつ強固な接着が得られる。
支持板を接着し、この支持板の両端部を突出させてブラ
ンケット胴に装着するグリッパー部としたから、ブラン
ケット胴への装着、取り外しが容易であるとともに、ス
リットの幅寸法を小さくすることができる。従って、高
速回転時においても衝撃が少なく、紙の無駄を省くこと
ができる。また、支持板により補強されているので、ブ
ランケット胴に装着の際にも弛みやずれが生じない。ま
た、中間積層体を形成した後に支持板に接着することに
より製造するものであるから製造が簡単であるととも
に、中間積層体を支持板に接着するのでよじれやしわが
なく、かつ強固な接着が得られる。
【図１】この発明にかかる印刷用ブランケットの一例を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図２】ブランケット胴への装着状態を示す要部断面図
である。
である。
【図３】中間積層体の製造工程を示す概略説明図であ
る。
る。
【図４】中間積層体と支持板との接着を示す説明用断面
図である。
図である。
【図５】グリッパー部の他の形成方法を示す説明用断面
図である。
図である。
【図６】従来のブランケットにマウンティングバーを取
り付けた状態の斜視図である。
り付けた状態の斜視図である。
【図７】従来のブランケットのブランケット胴への装着
状態を示す要部断面図である。
状態を示す要部断面図である。
３ａ ブランケット胴 ４ａ テンションバー ５ａ 溝 ６ａ ウォーム ７ａ スリット １０ ブランケット １１ 表面ゴム層 １３ 中間層 １５ 圧縮性層 １７ 支持体層 １９ 接着剤層 ２０ 支持板 ２１ グリッパー部 ２３ 保護膜 ２５ 中間積層体
Claims (6)
- 【請求項１】 １枚または複数枚の織布からなる支持体
層の上面側に印刷面となる表面ゴム層を設けてなる中間
積層体の下面に厚さ０．１〜１．０ｍｍの支持板を接着
剤層を介して接着してなり、前記支持板の両端部は中間
積層体から突出させてグリッパー部となし、中間積層体
四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成したことを
特徴とする印刷用ブランケット。 - 【請求項２】 前記接着剤層と中間積層体との厚さが、
１．０〜３．０ｍｍであることを特徴とする請求項１記
載の印刷用ブランケット。 - 【請求項３】 前記支持体層と表面ゴム層との間に圧縮
性層を有することを特徴とする請求項１または２記載の
印刷用ブランケット。 - 【請求項４】 前記支持板が金属板、紙、不織布、合成
樹脂またはこれらのものを組み合わせた複合材で形成さ
れていることを特徴とする請求１〜３項のいずれか一項
に記載の印刷用ブランケット。 - 【請求項５】 織布からなる支持体層の上面側に印刷面
となる表面ゴム層を積層して中間積層体となし、次いで
この中間積層体を加硫した後下面に支持板を接着剤層を
介して接着し、支持板の両端部を突出させてグリッパー
部を形成した後、前記中間積層体四周の側面に可撓性シ
ール剤で保護膜を形成することを特徴とする印刷用ブラ
ンケットの製造方法。 - 【請求項６】 織布からなる支持体層の上面に圧縮性層
となる合成ゴム配合物を積層し、この合成ゴム配合物の
上面側に中間層となる織布を介して印刷面となる表面ゴ
ム層を積層して中間積層体となし、次いでこの中間積層
体を加硫した後下面に支持板を接着剤層を介して接着
し、支持板の両端部を突出させてグリッパー部を形成し
た後、前記中間積層体四周の側面に可撓性シール剤で保
護膜を形成することを特徴とする印刷用ブランケットの
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25197895A JPH0971062A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 印刷用ブランケットとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25197895A JPH0971062A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 印刷用ブランケットとその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0971062A true JPH0971062A (ja) | 1997-03-18 |
Family
ID=17230838
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25197895A Pending JPH0971062A (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 印刷用ブランケットとその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0971062A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001310571A (ja) * | 2000-04-20 | 2001-11-06 | Contitech Elastomer-Beschichtungen Gmbh | 特にオフセット印刷機用の圧胴に使用するブランケットとその製造方法 |
| JP2008536725A (ja) * | 2005-04-22 | 2008-09-11 | マクダーミッド プリンティング ソリューションズ ヨーロッパ エスエーエス | 印刷機の回転支持胴に装着する印刷用ブランケット |
| JP2008213492A (ja) * | 2002-04-18 | 2008-09-18 | Koenig & Bauer Ag | 胴入れ位置で協働し合う少なくとも２つのローラを有する印刷機の印刷装置 |
| WO2013103056A1 (ja) | 2012-02-10 | 2013-07-11 | 株式会社資生堂 | 水中油型乳化皮膚化粧料 |
-
1995
- 1995-09-05 JP JP25197895A patent/JPH0971062A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001310571A (ja) * | 2000-04-20 | 2001-11-06 | Contitech Elastomer-Beschichtungen Gmbh | 特にオフセット印刷機用の圧胴に使用するブランケットとその製造方法 |
| JP2008213492A (ja) * | 2002-04-18 | 2008-09-18 | Koenig & Bauer Ag | 胴入れ位置で協働し合う少なくとも２つのローラを有する印刷機の印刷装置 |
| US7571677B2 (en) | 2002-04-18 | 2009-08-11 | Koenig & Bauer Aktiengesellschaft | Printing unit having transfer cylinder with compressible layer |
| JP2008536725A (ja) * | 2005-04-22 | 2008-09-11 | マクダーミッド プリンティング ソリューションズ ヨーロッパ エスエーエス | 印刷機の回転支持胴に装着する印刷用ブランケット |
| WO2013103056A1 (ja) | 2012-02-10 | 2013-07-11 | 株式会社資生堂 | 水中油型乳化皮膚化粧料 |
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