JP2003071259A - ポリスルホン系中空糸膜の処理方法 - Google Patents
ポリスルホン系中空糸膜の処理方法Info
- Publication number
- JP2003071259A JP2003071259A JP2001261850A JP2001261850A JP2003071259A JP 2003071259 A JP2003071259 A JP 2003071259A JP 2001261850 A JP2001261850 A JP 2001261850A JP 2001261850 A JP2001261850 A JP 2001261850A JP 2003071259 A JP2003071259 A JP 2003071259A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow thread
- hollow fiber
- polysulfone
- based hollow
- fiber membrane
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリスルホン系中空糸膜に好適な水透過性と
制御された分画分子量とを付与するための中空糸膜の処
理方法を提供する。 【解決手段】 乾湿式紡糸されたポリスルホン系中空糸
膜を一般式 HO(CH2)nOH(ここで、nは2、3または4であ
る)で表わされるグリコールの水溶液中に浸漬し、100〜
150℃の温度で浸漬処理する。この方法により浸漬処理
されたポリスルホン系中空糸膜は、親水性限外ロ過膜と
して有効な中空糸膜を安定して与えることができる。
制御された分画分子量とを付与するための中空糸膜の処
理方法を提供する。 【解決手段】 乾湿式紡糸されたポリスルホン系中空糸
膜を一般式 HO(CH2)nOH(ここで、nは2、3または4であ
る)で表わされるグリコールの水溶液中に浸漬し、100〜
150℃の温度で浸漬処理する。この方法により浸漬処理
されたポリスルホン系中空糸膜は、親水性限外ロ過膜と
して有効な中空糸膜を安定して与えることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリスルホン系中
空糸膜の処理方法に関する。更に詳しくは、ポリスルホ
ン系中空糸膜に好適な水透過性と制御された分画分子量
とを付与するための中空糸膜の処理方法に関する。
空糸膜の処理方法に関する。更に詳しくは、ポリスルホ
ン系中空糸膜に好適な水透過性と制御された分画分子量
とを付与するための中空糸膜の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスルホン系中空糸膜に親水性を付与
する方法として、グリセリンを用いて浸漬処理する方法
がある。しかしながら、グリセリンは水透過性を付与す
るには好適であるが、後記比較例の結果に示されるよう
に、分画分子量を制御することが困難であるという問題
がある。
する方法として、グリセリンを用いて浸漬処理する方法
がある。しかしながら、グリセリンは水透過性を付与す
るには好適であるが、後記比較例の結果に示されるよう
に、分画分子量を制御することが困難であるという問題
がある。
【0003】一方、ポリスルホン系中空糸膜を親水性高
分子物質であるポリエチレングリコールで浸漬処理する
という方法がある。この場合には、浸漬処理効果を出す
ために、約100〜150℃で浸漬処理するのが好ましいが、
ポリエチレングリコールの分子量が600〜2000のとき、
水溶液中のポリエチレングリコールが40℃以上で凝固し
始めるため、上記浸漬処理温度では目的とする効果が発
現せず、また高分子量になるとポリエチレングリコール
の水に対する溶解度がさらに低くなるため、分子量600
以上のポリエチレングリコールを用いたのでは、水透過
性と分画分子量の制御が困難となる。
分子物質であるポリエチレングリコールで浸漬処理する
という方法がある。この場合には、浸漬処理効果を出す
ために、約100〜150℃で浸漬処理するのが好ましいが、
ポリエチレングリコールの分子量が600〜2000のとき、
水溶液中のポリエチレングリコールが40℃以上で凝固し
始めるため、上記浸漬処理温度では目的とする効果が発
現せず、また高分子量になるとポリエチレングリコール
の水に対する溶解度がさらに低くなるため、分子量600
以上のポリエチレングリコールを用いたのでは、水透過
性と分画分子量の制御が困難となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
スルホン系中空糸膜に好適な水透過性と制御された分画
分子量とを付与するための中空糸膜の処理方法を提供す
ることにある。
スルホン系中空糸膜に好適な水透過性と制御された分画
分子量とを付与するための中空糸膜の処理方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
乾湿式紡糸されたポリスルホン系中空糸膜を一般式 HO
(CH2)nOH (ここで、nは2、3または4である)で表わされ
るグリコールの水溶液中に浸漬し、100〜150℃の温度で
浸漬処理するポリスルホン系中空糸膜の処理方法によっ
て達成される。
乾湿式紡糸されたポリスルホン系中空糸膜を一般式 HO
(CH2)nOH (ここで、nは2、3または4である)で表わされ
るグリコールの水溶液中に浸漬し、100〜150℃の温度で
浸漬処理するポリスルホン系中空糸膜の処理方法によっ
て達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】ポリスルホン系中空糸膜として
は、ポリスルホン中空糸膜、ポリフェニルスルホン中空
糸膜、ポリエーテルスルホン中空糸膜等の乾湿式紡糸法
で製膜された多孔質中空糸膜であって、好ましくはポリ
スルホン中空糸膜が用いられる。
は、ポリスルホン中空糸膜、ポリフェニルスルホン中空
糸膜、ポリエーテルスルホン中空糸膜等の乾湿式紡糸法
で製膜された多孔質中空糸膜であって、好ましくはポリ
スルホン中空糸膜が用いられる。
【0007】乾湿式紡糸は、ポリスルホン系樹脂約10〜
30重量%、好ましくは約15〜25重量%およびポリビニルピ
ロリドン等の親水性高分子物質約3〜30重量%、好ましく
は約5〜20重量%をジメチルホルムアミド、ジエチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリ
ドン等の水溶性の非プロトン性極性溶媒中に溶解させた
紡糸原液を、同様の水溶性の非プロトン性極性溶媒の約
30〜80重量%、好ましくは約40〜70重量%濃度の水溶液を
芯液として用い、また水によって代表される水性液を凝
固浴として用いることによって行われる。
30重量%、好ましくは約15〜25重量%およびポリビニルピ
ロリドン等の親水性高分子物質約3〜30重量%、好ましく
は約5〜20重量%をジメチルホルムアミド、ジエチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリ
ドン等の水溶性の非プロトン性極性溶媒中に溶解させた
紡糸原液を、同様の水溶性の非プロトン性極性溶媒の約
30〜80重量%、好ましくは約40〜70重量%濃度の水溶液を
芯液として用い、また水によって代表される水性液を凝
固浴として用いることによって行われる。
【0008】浸漬処理に用いられる前記一般式で示され
るグリコール水溶液としては、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールの
少くとも一種が、濃度約0.1〜50重量%、好ましくは約5
〜30重量%の水溶液として用いられる。これらのグリコ
ール水溶液の内、水透過性、分画分子量の制御、入手の
容易さなどの点から、好ましくはトリエチレングリコー
ルの水溶液が用いられる。
るグリコール水溶液としては、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールの
少くとも一種が、濃度約0.1〜50重量%、好ましくは約5
〜30重量%の水溶液として用いられる。これらのグリコ
ール水溶液の内、水透過性、分画分子量の制御、入手の
容易さなどの点から、好ましくはトリエチレングリコー
ルの水溶液が用いられる。
【0009】グリコール水溶液中での浸漬処理は、100
〜150℃の温度で行われ、実際の処理温度は紡糸原液の
組成および量、中空糸膜の形態などにより、目的とする
性能を得るために最適の条件を任意に選択することがで
きる。ただし、100℃以下の浸漬温度では、親水性高分
子が除去されず孔が閉塞状態で性能が不安定となり、一
方150℃以上の温度で浸漬処理されると、親水性高分子
が過剰に除去され性能が不安定になる。
〜150℃の温度で行われ、実際の処理温度は紡糸原液の
組成および量、中空糸膜の形態などにより、目的とする
性能を得るために最適の条件を任意に選択することがで
きる。ただし、100℃以下の浸漬温度では、親水性高分
子が除去されず孔が閉塞状態で性能が不安定となり、一
方150℃以上の温度で浸漬処理されると、親水性高分子
が過剰に除去され性能が不安定になる。
【0010】
【発明の効果】本発明方法により浸漬処理されたポリス
ルホン系中空糸膜は、好適な水透過性と制御された分画
分子量が中空糸膜に付与されているので、親水性限外ロ
過膜として有効な中空糸膜を安定して与えることができ
る。
ルホン系中空糸膜は、好適な水透過性と制御された分画
分子量が中空糸膜に付与されているので、親水性限外ロ
過膜として有効な中空糸膜を安定して与えることができ
る。
【0011】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0012】
実施例1
ポリスルホン(BASF社製品ウルトラゾーンS8010) 19重量%
ポリビニルピロリドンK-30(BASF社製品) 9重量%
ジメチルホルムアミド 72重量%
よりなる紡糸原液を用い、50重量%ジメチルホルムアミ
ド水溶液を芯液、また水を凝固浴として乾湿式紡糸した
後、121℃の10重量%トリエチレングリコール水溶液中で
60分間浸漬処理し、水洗、乾燥させて、外径290μm、内
径200μmの多孔質ポリスルホン中空糸膜を得た。
ド水溶液を芯液、また水を凝固浴として乾湿式紡糸した
後、121℃の10重量%トリエチレングリコール水溶液中で
60分間浸漬処理し、水洗、乾燥させて、外径290μm、内
径200μmの多孔質ポリスルホン中空糸膜を得た。
【0013】実施例2
実施例1において、浸漬処理が20重量%トリエチレング
リコール水溶液を用いて行われた。
リコール水溶液を用いて行われた。
【0014】比較例1
実施例1において、トリエチレングリコール水溶液によ
る浸漬処理が行われなかった。
る浸漬処理が行われなかった。
【0015】比較例2
実施例1において、トリエチレングリコール水溶液の代
りに、10重量%グリセリン水溶液を用いての浸漬処理が
行われた。
りに、10重量%グリセリン水溶液を用いての浸漬処理が
行われた。
【0016】比較例3
実施例1において、トリエチレングリコール水溶液の代
りに、20重量%グリセリン水溶液を用いての浸漬処理が
行われた。
りに、20重量%グリセリン水溶液を用いての浸漬処理が
行われた。
【0017】以上の各実施例および比較例で得られた多
孔質ポリスルホン中空糸膜について、純水透過係数(圧
力0.1MPa)および各種分子量のポリエチレングリコール
(PEG)阻止率の測定が行われた。得られた結果は、次の
表に示される。 表 測定項目 実-1 実-2 比-1 比-2 比-3 純水透過係数 10.3 19.8 5.3 34.5 38.2 (ml/cm2・hr) PEG阻止率 (%) MW 70000 100 100 100 82.5 79.8 MW 20000 100 99.1 98.1 72.4 77.6 MW 6000 97.4 87.6 93.3 59.3 77.9 MW 4000 73.8 54.1 77.3 38.1 52.1
孔質ポリスルホン中空糸膜について、純水透過係数(圧
力0.1MPa)および各種分子量のポリエチレングリコール
(PEG)阻止率の測定が行われた。得られた結果は、次の
表に示される。 表 測定項目 実-1 実-2 比-1 比-2 比-3 純水透過係数 10.3 19.8 5.3 34.5 38.2 (ml/cm2・hr) PEG阻止率 (%) MW 70000 100 100 100 82.5 79.8 MW 20000 100 99.1 98.1 72.4 77.6 MW 6000 97.4 87.6 93.3 59.3 77.9 MW 4000 73.8 54.1 77.3 38.1 52.1
Claims (2)
- 【請求項1】 乾湿式紡糸されたポリスルホン系中空糸
膜を一般式 HO(CH2)nOH (ここで、nは2、3または4であ
る)で表わされるグリコールの水溶液中に浸漬し、100〜
150℃の温度で浸漬処理することを特徴とするポリスル
ホン系中空糸膜の処理方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法で得られたポリスル
ホン系中空糸膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261850A JP2003071259A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | ポリスルホン系中空糸膜の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261850A JP2003071259A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | ポリスルホン系中空糸膜の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003071259A true JP2003071259A (ja) | 2003-03-11 |
Family
ID=19088831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001261850A Pending JP2003071259A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | ポリスルホン系中空糸膜の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003071259A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103463994A (zh) * | 2013-07-23 | 2013-12-25 | 天津工业大学 | 净水杯用聚砜中空纤维膜及制备方法 |
WO2018159353A1 (ja) * | 2017-03-01 | 2018-09-07 | Nok株式会社 | ポリフェニルスルホン多孔質中空糸膜の製造法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11309355A (ja) * | 1998-04-28 | 1999-11-09 | Asahi Medical Co Ltd | ポリスルホン系中空糸型血液浄化膜とその製造方法 |
JP2000225326A (ja) * | 1999-02-04 | 2000-08-15 | Toyobo Co Ltd | 選択透過性膜の洗浄方法 |
-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001261850A patent/JP2003071259A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11309355A (ja) * | 1998-04-28 | 1999-11-09 | Asahi Medical Co Ltd | ポリスルホン系中空糸型血液浄化膜とその製造方法 |
JP2000225326A (ja) * | 1999-02-04 | 2000-08-15 | Toyobo Co Ltd | 選択透過性膜の洗浄方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103463994A (zh) * | 2013-07-23 | 2013-12-25 | 天津工业大学 | 净水杯用聚砜中空纤维膜及制备方法 |
WO2018159353A1 (ja) * | 2017-03-01 | 2018-09-07 | Nok株式会社 | ポリフェニルスルホン多孔質中空糸膜の製造法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20080214687A1 (en) | Cross Linking Treatment of Polymer Membranes | |
JPH02302449A (ja) | 微細孔膜の作成法 | |
JP6997314B2 (ja) | 加湿用多孔質中空糸膜の製造法 | |
JP4100215B2 (ja) | 水蒸気透過膜の製造法 | |
JP2003071259A (ja) | ポリスルホン系中空糸膜の処理方法 | |
JP4803697B2 (ja) | 多孔質膜の製造方法 | |
JP2002119833A (ja) | 乾湿式紡糸法多孔質中空糸膜の洗浄方法 | |
KR101414979B1 (ko) | 아라미드 중공사를 지지체로 구비한 정삼투막 및 그 제조방법 | |
JP2882658B2 (ja) | ポリスルホン系半透膜の製造方法 | |
KR102399330B1 (ko) | 아세틸화 알킬 셀룰로오스 분리막 및 그의 제조방법 | |
JP7383851B2 (ja) | 中空糸膜の製造方法 | |
JPS59228016A (ja) | 芳香族ポリスルホン中空糸状膜及びその製造方法 | |
KR102593611B1 (ko) | 셀룰로오스계 고분자 정밀여과 분리막의 제조방법 | |
JP2533787B2 (ja) | 芳香族ポリスルホン中空糸膜 | |
JP2868558B2 (ja) | 高強度・高流束ポリスルホン中空糸膜の製法 | |
JP4120103B2 (ja) | ポリフェニルスルホン中空糸膜の処理方法 | |
JP3524637B2 (ja) | 高分子多孔質膜の製造方法 | |
JP2022161043A (ja) | ポリスルホン中空糸膜の製造方法 | |
KR102357400B1 (ko) | 중공사형 나노 복합막 및 이의 제조방법 | |
JPH09253463A (ja) | ポリスルホン系限外濾過膜の製造方法 | |
JPH0938473A (ja) | ポリスルホン系多孔質中空糸膜の製造方法 | |
JP4794716B2 (ja) | 中空糸膜およびその製造方法 | |
KR20020061017A (ko) | 증기에 대한 내구성이 우수한 폴리설폰계 중공사 막 및그의 제조방법 | |
JP2023157444A (ja) | 中空糸型精密ろ過膜 | |
JP2899348B2 (ja) | 多孔性中空糸 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080513 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100811 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100817 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101214 |