JP2003068728A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

成膜方法および成膜装置

Info

Publication number
JP2003068728A
JP2003068728A JP2001252928A JP2001252928A JP2003068728A JP 2003068728 A JP2003068728 A JP 2003068728A JP 2001252928 A JP2001252928 A JP 2001252928A JP 2001252928 A JP2001252928 A JP 2001252928A JP 2003068728 A JP2003068728 A JP 2003068728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substrate
fluorine
temperature
substrates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001252928A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoji Kosugi
知司 小杉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001252928A priority Critical patent/JP2003068728A/ja
Publication of JP2003068728A publication Critical patent/JP2003068728A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数枚の基板に連続してフッ素を含有する絶
縁膜を形成した場合に基板に形成した膜のフッ素濃度が
基板間で変動することを抑制する。 【解決手段】 膜形成工程(1),(2)では、基板上
に高周波バイアス電圧を印加せずにライナー層を形成
し、次いで高周波バイアス電圧を印加してフッ素を含有
するバルク層を形成する。そしてさらに高周波バイアス
電圧を印加せずにフッ素をドープしないシリコン酸化膜
を形成する。1枚の基板の成膜が終了した時点では処理
室の内壁面が、フッ素を含有しない膜で必ず覆われるの
で、次の基板の成膜工程の高周波電圧を印加して行うフ
ッ素を含有するバルク層形成時のスパッタリングによる
処理室内壁面からのフッ素の叩き出しはなくなり、連続
的に複数の基板上にフッ素を含有する絶縁膜の成膜を行
っても基板に形成された膜中のフッ素濃度の基板間での
変動を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に誘導結合プラ
ズマを用いて膜を形成する成膜方法および成膜装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの微細化が進むに
つれ、溝などの高アスペクト比パターンへの絶縁膜の埋
め込み、また微細間隔を有する金属配線間の寄生容量に
よる回路動作の遅延が問題になってきた。そこで微細間
隔配線を含めて高アスペクト比パターンに絶縁膜を埋め
込む手段として、絶縁膜形成時にすでに堆積した絶縁膜
の表面スパッタリングも同時に行う高密度プラズマ成膜
装置が用いられている。さらに、金属配線の間に形成す
る層間絶縁膜としては、シリコン酸化膜にフッ素をドー
プして比誘電率を低減させ、配線間の寄生容量を低減す
るフッ素含有シリコン酸化膜が用いられるようになっ
た。
【0003】以下、図面を参照しながら、以上に述べた
ような従来の誘導結合プラズマを用いて絶縁膜を形成す
る高密度プラズマ成膜装置について説明する。図9は従
来の高密度プラズマ成膜装置のチャンバーの概略をしめ
す断面図である。31はドーム、32はプラズマを発生
させる高周波コイル、33はガスの流入口となるノズ
ル、34は静電チャック、35はコイル32用の高周波
電源、36は静電チャック34に印加するバイアス電圧
用の高周波電源、37は半導体基板Aを静電チャック3
4上に固定するチャッキング電圧用の直流電源、38は
チャンバー内圧力を制御するスロットルバルブである。
【0004】図9に示すようにノズル33からは処理ガ
ス、例えばSiH4 、O2 、Arが導入される。チャン
バー内に導入されたガスは、スロットルバルブ38を通
して排気されることで、例えば6mTorr(6×0.
133Pa)の圧力に減圧制御される。次に高周波電源
35により、高周波電流をコイル32に印加すれば、ガ
スはプラズマ状態となる。ここでバイアス電圧用の高周
波電源36により、静電チャック34にバイアス電圧を
印加すれば、絶縁膜の形成とArによるスパッタリング
が同時に開始される。
【0005】膜形成時のスパッタリングによるガスイオ
ンの衝突運動エネルギーは、基板Aの表面温度を500
℃以上に上昇させる。基板A上に金属配線が形成されて
いる場合、例えばアルミニウム合金配線は、500℃以
上の高温によりマイグレーションを起こし、ヒロック、
ボイドなどを発生させる。これを防止する為、静電チャ
ック34にチャッキング電圧を印加し、静電力により基
板Aを静電チャック34に密着させ、その裏面からHe
ガスと冷却用パイプ41により基板温度を450℃前後
まで冷却している。プラズマ中の基板Aの温度は正確な
値を得るのが難しいため、基板Aの温度制御機能は無
く、成膜時のHeガスと冷却用パイプ41には一定流量
の溶媒が流れるに過ぎない。
【0006】次に、従来の高密度プラズマ成膜装置によ
る絶縁膜の形成工程について説明する。この絶縁膜の形
成工程は、半導体基板1枚の処理につき、膜形成工程と
クリーニング総工程とからなる。膜形成工程は、すでに
基板A上に形成されている金属配線を、絶縁膜堆積中の
スパッタリングから保護するため、バイアス電圧を印加
せずに形成するライナー層形成工程と、バイアス電圧を
印加して形成するバルク層形成工程との2工程から構成
されている(図5の膜形成工程(1)あるいは膜形成工
程(2)参照)。ここでバルク層を形成するときにバイ
アス電圧を印加しスパッタリング効果を持たせるのであ
るが、このようにすることによって一部スパッタリング
された絶縁膜はアスペクト比の大きい溝やホール内に再
付着し絶縁膜で埋められてゆく。
【0007】成膜後、基板がチャンバー外に搬出される
と、チャンバー内のクリーニングが開始される。クリー
ニング総工程は、チャンバー内に付着した膜を除去する
クリーニング工程と、チャンバーを成膜時のスパッタリ
ングから保護する保護層を形成するシーズニング工程と
の2工程から構成されている(図5のクリーニング総工
程参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の高密度プラ
ズマ成膜装置にて前述したように絶縁膜を形成する場
合、クリーニング総工程に長時間を要し、処理時間全体
の約60%を占めるため、生産能力が低くなり、従来の
装置を使用する限り、能力向上のためには、図5のよう
に絶縁膜を複数枚の半導体基板に連続して形成し、複数
枚堆積処理につき1回のクリーニング総工程を入れる等
する必要がある。
【0009】しかしながら、半導体基板毎のクリーニン
グを省き、図5のように絶縁膜を複数枚の半導体基板に
連続形成する、すなわち第1番目の基板に対する膜形成
工程(1)を行い、続いて第2番目の基板に対する膜形
成工程(2)を連続して行うと、形成膜厚が第1番目と
第2番目の基板間で変動する(ばらつく)という問題が
あった。また、同様に低い誘電率を有するフッ素含有絶
縁膜を複数枚の半導体基板に連続して形成する場合、絶
縁膜中のフッ素濃度が基板間で変動する(ばらつく)と
いう問題があった。
【0010】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、複数
枚の基板に連続して膜形成した場合に基板に形成した膜
の膜厚やフッ素濃度の膜形成状態が基板間で変動するこ
とを抑制できる成膜方法および成膜装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の成膜方法
は、基板を処理室内に設けられた支持体に保持する工程
と、支持体の温度を測定し、測定された温度に基づいて
支持体の温度を所定の温度に制御する工程と、支持体を
所定の温度にした後、基板に高周波バイアス電圧を無印
加で膜形成を行い、続けて基板に高周波バイアス電圧を
印加しつつ膜形成を行う工程とを含むことを特徴とす
る。
【0012】請求項2記載の成膜方法は、複数の基板に
対し処理室内で連続して成膜工程を行う成膜方法であっ
て、それぞれの基板に対して行う成膜工程は、基板を処
理室内に設けられた支持体に保持する工程と、支持体の
温度を測定し、測定された温度に基づいて支持体の温度
を所定の温度に制御する工程と、支持体を所定の温度に
した後、基板に高周波バイアス電圧を無印加で膜形成を
行い、続けて基板に高周波バイアス電圧を印加しつつ膜
形成を行う工程とを含むことを特徴とする。
【0013】これら請求項1,2の成膜方法によれば、
基板を保持した支持体を成膜前に所定の温度に温度制御
することにより、成膜前の基板温度が安定し、連続的に
複数の基板上に成膜工程を行っても基板間での膜厚変動
を抑制することができる。
【0014】請求項3記載の成膜方法は、基板を処理室
内に設けられた支持体に保持する工程と、基板に高周波
バイアス電圧を印加しつつフッ素を含有する絶縁膜を基
板上に形成し、続いて絶縁膜上にフッ素を含有しない膜
を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0015】請求項4記載の成膜方法は、複数の基板に
対し処理室内で連続して成膜工程を行う成膜方法であっ
て、それぞれの基板に対して行う成膜工程は、基板を処
理室内に設けられた支持体に保持する工程と、基板に高
周波バイアス電圧を印加しつつフッ素を含有する絶縁膜
を基板上に形成し、続いて絶縁膜上にフッ素を含有しな
い膜を形成する工程とを含むことを特徴とする成膜方
法。
【0016】これら請求項3,4の成膜方法によれば、
フッ素を含有する絶縁膜上にフッ素を含有しない膜を形
成することにより、1枚の基板の成膜が終了した時点で
は処理室の内壁面が、基板上に形成したフッ素を含有し
ない膜で必ず覆われるので、次の基板の成膜工程の高周
波電圧を印加して行うフッ素を含有する絶縁膜形成時の
スパッタリングによる処理室内壁面からのフッ素の叩き
出しはなくなり、連続的に複数の基板上にフッ素を含有
する絶縁膜の成膜を行っても基板に形成された膜中のフ
ッ素濃度の基板間での変動を抑制することができる。
【0017】請求項5記載の成膜装置は、処理室内の支
持体に保持された基板に高周波バイアス電圧を印加可能
な成膜装置であって、支持体に設置されて支持体の温度
を測定する手段と、測定された温度に基づいて支持体の
温度を制御する温度制御手段とを設けたことを特徴とす
る。
【0018】この請求項5の成膜装置によれば、基板を
保持する支持体の温度を制御できるため、基板を保持し
た支持体を成膜前に所定の温度に温度制御することによ
り、成膜前の基板温度が安定し、連続的に複数の基板上
に成膜工程を行っても基板間での膜厚変動を抑制するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)まず、本発明
の第1の実施の形態に係わる高密度プラズマ成膜装置に
ついて、図1を用いて説明する。図1(a)は本発明の
第1の実施の形態に係わる高密度プラズマ成膜装置の概
略図である。図1(a)において、1はドーム、2はプ
ラズマを発生させる高周波コイル、3は膜を堆積する為
のプロセスガスの流入口となるノズル、4は半導体基板
Aを固定するための静電チャック、5はコイル2用の高
周波電源、6は静電チャック4に印加するバイアス電圧
用の高周波電源、7は半導体基板Aを静電チャック4上
に固定するチャッキング電圧用の直流電源、8はドーム
1を含めたチャンバー内圧力を制御するスロットルバル
ブであり、この先には真空ポンプが接続され、スロット
ルバルブ8を回転させて排気量を調節する。また、図1
(b)は静電チャック4の内部構成を示す図であり、9
は温度センサ、10はヒータ、11は冷却用パイプであ
る。
【0020】本実施の形態における成膜装置の特徴は、
図1(b)に示すように、静電チャック4の構造にあ
り、静電チャック4に内蔵された温度センサ9と、静電
チャック4と半導体基板Aとを加熱するヒータ10と、
純水など冷却溶媒が流れる冷却用パイプ11とを備えて
いる。この高密度プラズマ成膜装置は、膜堆積中も半導
体基板Aの温度制御が可能である。
【0021】このような構成にしたのは以下のような理
由による。本発明者らは従来問題であった複数枚の半導
体基板に連続成膜したときの膜厚変動を調べた結果、以
下のようなメカニズムが明らかとなった。この膜厚変動
のメカニズムについて、図2を用いて説明する。
【0022】図9に示す従来の成膜装置を用いて、図5
に示す工程フローに従って基板を2枚連続して成膜処理
した後でクリーニング総工程を行うことを繰り返した場
合の基板(ウエハ)毎のライナー層とバルク層との合計
膜厚を図3の膜厚変動曲線bで示し、その場合の基板
(ウエハ)毎のライナー層の膜厚を、図2(a)に示
す。図2(a)では2枚連続成膜した後、クリーニング
総工程が入っており、第3番目の半導体基板のライナー
層膜厚は第1番目のものと同等に戻っている。図3の膜
厚変動曲線bで示された膜厚全体の変動は、図2(a)
に示されたライナー層の膜厚変動とほぼ一致していた。
【0023】一方、図2(b)には、半導体基板温度と
ライナー層の関係を示す。ここで横軸は半導体基板のA
rプラズマ印加時間をとっているが、Arプラズマ中に
放置すると基板温度が上昇するので基板温度の代わりに
とっている。そして図2(b)は、予めArプラズマ中
に半導体基板を放置し、プラズマ印加時間に応じた一定
の温度に上昇させた後、一定の固定条件でライナー層の
絶縁膜を堆積し、そのライナー層の膜厚を測定したもの
である。ライナー層の形成膜厚に成膜前の基板温度が影
響を及ぼしていることがわかった。
【0024】次に、絶縁膜を複数枚の基板に連続処理し
た時の基板温度変化について図4を用いて定性的に説明
する。図9に示す従来の高密度プラズマ成膜装置のチャ
ンバー内に第1番目の半導体基板Aが搬送され、図5の
膜形成工程(1)に入ると、ライナー層形成時のプラズ
マにより基板Aは250℃前後に加熱される。冷却用パ
イプ41中には約75℃の温水が流れている。
【0025】そして、ライナー層形成後、バルク層形成
時にはスパッタリングにより基板温度がさらに470℃
前後に上昇する。その熱エネルギーにより今度は静電チ
ャック34の温度が上昇する。したがって成膜前の第2
番目の半導体基板Aを静電チャック34上に設置したと
きには、第1番目の基板を設置したときより基板温度は
さらに上がり(図4中、K)、ライナー層が形成される
とき、図2(b)の実験事実に従って膜厚は厚くなると
いうことになる。このようなメカニズムで図2(a)の
膜厚変動が説明されるのである。
【0026】以上のことを考慮して本実施の形態におけ
る高密度プラズマ成膜装置は構成されており、静電チャ
ック4に設けられた温度センサ9によって、特にライナ
ー層の成膜前の温度をモニターし、その測定温度と最初
に設定した温度とを比較し、ヒータ10または冷却用パ
イプ11により静電チャック4の温度を設定温度にフィ
ードバック制御する制御部(図示せず)を設けている。
これにより、静電チャック4を設定温度に保持すること
により、基板Aも設定温度に保持される。この構成によ
れば、成膜前だけでなく、成膜中も温度制御が可能であ
ることは言うまでもない。この温度制御は、ヒータ10
の電圧調整,冷却ガスの流量の調整等により行われる。
【0027】図3は図5に示す工程フローに従って膜形
成した場合の基板(ウエハ)毎のライナー層とバルク層
との合計膜厚を示す図であり、aは本発明による高密度
プラズマ成膜装置を用いた場合の膜厚変動曲線である。
従来の膜厚変動曲線bと比較して、本発明による高密度
プラズマ成膜装置を用いた場合の膜厚変動曲線aでは変
動が抑制されているのがわかる。基板温度をプラズマ下
で正確に把握することは、プラズマからのノイズが温度
センサに重畳されるなどの障害が出るので出来ないた
め、基板に加わる処理前の総熱量を制御して基板温度の
変動を抑え、膜厚変動を抑制することが可能となった。
なお、本発明の成膜方法は、図5の膜形成工程(1),
(2)で、すでに基板A上に形成されている金属配線
を、絶縁膜堆積中のスパッタリングから保護するため、
高周波バイアス電圧を印加せずに成膜するライナー層形
成工程と、高周波バイアス電圧を印加して成膜するバル
ク層形成工程との2工程から構成されている。
【0028】以上のように本実施の形態によれば、半導
体基板Aを保持する静電チャック4に温度センサ9,ヒ
ータ10および冷却用パイプ11を設け、連続処理され
る基板毎のライナー層成膜前の静電チャック4の温度を
所定の設定温度に制御することで、ライナー層成膜前の
基板温度が安定し、基板間でのライナー層の膜厚変動を
抑制することができ、図5のようにライナー層とバルク
層で構成される絶縁膜の基板間での膜厚変動を抑制する
ことができる。さらに、ライナー層の成膜中も所定の設
定温度に制御することで、基板間でのライナー層の膜厚
変動をより抑制することができ、ライナー層とバルク層
で構成される絶縁膜の基板間での膜厚変動をより抑制す
ることができる。
【0029】なお、図5では、2回の膜形成工程
(1),(2)を行った後、クリーニング総工程を行う
ことを繰り返すようにしたが、3回以上の膜形成工程を
行った後、クリーニング総工程を行うことを繰り返すよ
うにしてもよい。
【0030】なお、絶縁膜を構成する下地膜となるライ
ナー層は低温処理で膜厚も薄いため、温度制御が重要と
なるが、バルク層は本来の絶縁膜で高温処理で膜厚が厚
いため、温度を設定しやすい。
【0031】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2の
実施の形態に係わる成膜方法について図6を用いて説明
する。本発明の第2の実施の形態の膜形成工程は、第1
の実施の形態と同じく配線上等に形成される絶縁膜の形
成工程であり、基本的にはライナー層とバルク層の積層
膜であるが、誘電率を下げるためにフッ素を含有する場
合のものである。
【0032】図6は本実施の形態における成膜方法を示
す工程フロー図である。まず、下地となる金属配線を、
バルク層形成時のスパッタリングから保護するため、例
えば図1に示す高密度プラズマ成膜装置を用いて、半導
体基板Aに高周波バイアス電圧を印加せずに、例えば3
0nmの膜厚でライナー層を形成し、次いで静電チャッ
ク4を介して半導体基板Aに高周波バイアス電圧を印加
して、例えば500nmの膜厚を有しフッ素を含有する
バルク層を形成する。そしてさらにチャンバー内に保護
層を形成することを主とした目的として半導体基板Aに
高周波バイアス電圧を印加せずに、例えば100nmの
膜厚を有するフッ素をドープしないシリコン酸化膜を形
成する。
【0033】以上が第1番目の半導体基板に対する膜形
成工程(1)であり、続いて第2番目の半導体基板に対
しても同様の膜形成工程(2)が行われ、その後、クリ
ーニング総工程で、半導体基板がない状態で高密度プラ
ズマ成膜装置のチャンバー内のエッチングによるクリー
ニング(クリーニング工程)と、チャンバー内壁面にフ
ッ素を含有しない酸化膜の保護層の形成(シーズニング
工程)とが行われる。その後再び、上記のような3層構
造の層間絶縁膜が次の2枚の半導体基板に対して連続的
に形成されるというように、この図6の場合は、2回の
連続した膜形成工程とクリーニング総工程とが繰り返さ
れる。なお、保護層の形成されるチャンバー内壁面と
は、ドーム1の内面と、チャンバー壁12の内面とから
なる。
【0034】次に、上記のような、配線上に形成する層
間絶縁膜において、膜の形成中にフッ素濃度が変動する
メカニズムについて説明する。図7は図6のフローにお
いて、図8は図5のフローにおいて、チャンバー内のエ
ッチングによるクリーニング後、シーズニング工程とし
てチャンバー内壁面に形成する保護層をフッ素を含有し
ないシリコン酸化膜のみで形成する方法を採用した場合
(折線a)と、保護層をフッ素を含有しないシリコン酸
化膜の上にフッ素含有シリコン酸化膜を形成して2層構
造とする方法を採用した場合(折線b)の、その後の半
導体基板に形成したフッ素を含有する酸化膜中のフッ素
濃度の変動を示す実験結果である。図7と図8を比較す
れば分かるように、ノンドープ酸化膜が形成された3層
構造の方がフッ素濃度が高い。
【0035】図7の折線bで示されるように、フッ素含
有シリコン酸化膜を含む保護層をチャンバー内壁面に形
成した場合は、半導体基板上に形成したフッ素を含有す
る酸化膜中の濃度の変動が大きい。このことから、基板
にバイアス電圧を印加して行うバルク層成膜時のスパッ
タリングが、半導体基板だけでなくチャンバー内壁にも
行われ、チャンバー内壁の絶縁膜からもフッ素が叩き出
されるため、バルク層濃度が不安定になると考えられ
る。
【0036】これに対して図7の折線aで示されるよう
に、チャンバー内壁面にフッ素を含有しない酸化膜のみ
を形成した場合には、半導体基板に形成されるフッ素を
含有する酸化膜中のフッ素濃度は連続して形成しても安
定している。これは、半導体基板に層間絶縁膜が形成さ
れるときは、常にチャンバー内壁面がフッ素を含有しな
い酸化膜で覆われているために、バルク層形成中にスパ
ッタリングが生じても壁面からフッ素原子が放出される
ことがほとんどないからであると考えられる。
【0037】図5に示された工程において、バルク層を
フッ素含有シリコン酸化膜とした場合は、ライナー層上
にフッ素を含有するバルク層が形成され、続いて次の半
導体基板に膜形成が行われるとき、チャンバー内壁面に
はフッ素を含有する酸化膜が形成されているので、スパ
ッタリングによってフッ素が放出されて半導体基板上に
形成された酸化膜中のフッ素濃度が基板間でばらつき不
安定になる。
【0038】これに対して図6に示す本発明の第2の実
施の形態の製造方法によれば、フッ素含有シリコン酸化
膜であるバルク層を形成した後には必ずその上にフッ素
を含有しない酸化膜が形成されるので、それと同時にチ
ャンバー内壁面にも同種の酸化膜が形成される。従って
次の半導体基板上にバルク層が形成されるときは、必ず
フッ素を含有しない酸化膜でチャンバー内壁面が覆われ
ていることになり、半導体基板上に形成された酸化膜中
のフッ素濃度が安定する。すなわち、基板間での絶縁膜
中のフッ素濃度の変動が抑えられる。
【0039】なお、図6の工程で形成されるライナー層
は、フッ素を含有しない膜(ここではシリコン酸化膜)
である。さらに、膜形成工程(1),(2)では、3層
構造の膜が形成されるが、その3層の膜はいずれも同種
の膜(ここではシリコン酸化膜)が形成されているが、
同種の膜でなくてもよい。また、シーズニング工程で
は、膜形成工程(1),(2)と同種の膜(ここではシ
リコン酸化膜)が形成される。
【0040】また、本発明の方法で形成される膜は、シ
リコン酸化膜の他、シリコン窒化膜、あるいはシリコン
酸化膜とシリコン窒化膜の2層構造膜等であってもよ
い。
【0041】なお、シーズニング工程と同様の半導体基
板がない状態でチャンバー内壁面にフッ素をドープしな
いシリコン酸化膜を形成する工程を、膜形成工程(1)
と膜形成工程(2)の間に特に追加導入してもよい。こ
のようにすることによってスパッタリングが生じる工程
の間のフッ素放出がより抑制される。
【0042】なお、図6では、2回の膜形成工程
(1),(2)を行った後、クリーニング総工程を行う
ことを繰り返すようにしたが、3回以上の膜形成工程を
行った後、クリーニング総工程を行うことを繰り返すよ
うにしてもよい。
【0043】また、第2の実施の形態では、図1の成膜
装置を用いて第1の実施の形態同様に半導体基板Aの温
度制御を行いながら、膜形成することにより、基板間で
の膜厚の変動も抑えることができる。図9の成膜装置を
用いた場合には、図1の成膜装置を用いた場合より基板
間での膜厚の変動が生じるが、前述したように基板間で
の絶縁膜中のフッ素濃度の変動が抑えられることは言う
までもない。
【0044】
【発明の効果】本発明の請求項1,2の成膜方法によれ
ば、基板を保持した支持体を成膜前に所定の温度に温度
制御することにより、成膜前の基板温度が安定し、連続
的に複数の基板上に成膜工程を行っても基板間での膜厚
変動を抑制することができる。
【0045】また、本発明の請求項3,4の成膜方法に
よれば、フッ素を含有する絶縁膜上にフッ素を含有しな
い膜を形成することにより、1枚の基板の成膜が終了し
た時点では処理室の内壁面が、基板上に形成したフッ素
を含有しない膜で必ず覆われるので、次の基板の成膜工
程の高周波電圧を印加して行うフッ素を含有する絶縁膜
形成時のスパッタリングによる処理室内壁面からのフッ
素の叩き出しはなくなり、連続的に複数の基板上にフッ
素を含有する絶縁膜の成膜を行っても基板に形成された
膜中のフッ素濃度の基板間での変動を抑制することがで
きる。
【0046】また、本発明の請求項5の成膜装置によれ
ば、基板を保持する支持体の温度を制御できるため、基
板を保持した支持体を成膜前に所定の温度に温度制御す
ることにより、成膜前の基板温度が安定し、連続的に複
数の基板上に成膜工程を行っても基板間での膜厚変動を
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における高密度プラズマ成
膜装置の概略図
【図2】絶縁膜連続形成時のライナー層膜厚変動、及び
ライナー層膜厚とプラズマ印加時間との関係を示す図
【図3】絶縁膜の連続形成時の膜厚変動を示す図
【図4】従来の高密度プラズマ成膜装置で連続成膜した
場合の基板温度変化を示す図
【図5】本発明の実施の形態における絶縁膜形成工程を
示すフロー図
【図6】本発明の実施の形態における絶縁膜形成工程を
示すフロー図
【図7】絶縁膜連続形成時の絶縁膜中のフッ素濃度の変
動を示す図
【図8】絶縁膜連続形成時の絶縁膜中のフッ素濃度の変
動を示す図
【図9】従来の高密度プラズマ成膜装置の概略図
【符号の説明】
1,31 ドーム 2,32 コイル 3,33 ノズル 4,34 静電チャック 5,35 コイル用高周波電源 6,36 バイアス電圧用高周波電源 7,37 チャッキング用直流電源 8,38 圧力制御用スロットルバルブ 9 温度センサ 10 ヒータ 11,41 冷却用パイプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を処理室内に設けられた支持体に保
    持する工程と、前記支持体の温度を測定し、測定された
    温度に基づいて前記支持体の温度を所定の温度に制御す
    る工程と、前記支持体を所定の温度にした後、前記基板
    に高周波バイアス電圧を無印加で膜形成を行い、続けて
    前記基板に高周波バイアス電圧を印加しつつ膜形成を行
    う工程とを含むことを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 複数の基板に対し処理室内で連続して成
    膜工程を行う成膜方法であって、 それぞれの前記基板に対して行う前記成膜工程は、前記
    基板を処理室内に設けられた支持体に保持する工程と、
    前記支持体の温度を測定し、測定された温度に基づいて
    前記支持体の温度を所定の温度に制御する工程と、前記
    支持体を所定の温度にした後、前記基板に高周波バイア
    ス電圧を無印加で膜形成を行い、続けて前記基板に高周
    波バイアス電圧を印加しつつ膜形成を行う工程とを含む
    ことを特徴とする成膜方法。
  3. 【請求項3】 基板を処理室内に設けられた支持体に保
    持する工程と、前記基板に高周波バイアス電圧を印加し
    つつフッ素を含有する絶縁膜を前記基板上に形成し、続
    いて前記絶縁膜上にフッ素を含有しない膜を形成する工
    程とを含むことを特徴とする成膜方法。
  4. 【請求項4】 複数の基板に対し処理室内で連続して成
    膜工程を行う成膜方法であって、 それぞれの前記基板に対して行う前記成膜工程は、基板
    を処理室内に設けられた支持体に保持する工程と、前記
    基板に高周波バイアス電圧を印加しつつフッ素を含有す
    る絶縁膜を前記基板上に形成し、続いて前記絶縁膜上に
    フッ素を含有しない膜を形成する工程とを含むことを特
    徴とする成膜方法。
  5. 【請求項5】 処理室内の支持体に保持された基板に高
    周波バイアス電圧を印加可能な成膜装置であって、 前記支持体に設置されて前記支持体の温度を測定する手
    段と、前記測定された温度に基づいて前記支持体の温度
    を制御する温度制御手段とを設けたことを特徴とする成
    膜装置。
JP2001252928A 2001-08-23 2001-08-23 成膜方法および成膜装置 Pending JP2003068728A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252928A JP2003068728A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 成膜方法および成膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001252928A JP2003068728A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 成膜方法および成膜装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003068728A true JP2003068728A (ja) 2003-03-07

Family

ID=19081326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001252928A Pending JP2003068728A (ja) 2001-08-23 2001-08-23 成膜方法および成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003068728A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004047655A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004047655A (ja) * 2002-07-11 2004-02-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd 半導体装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6334631B2 (ja) 金属インターコネクトのために絶縁積層体を選択的にエッチングする方法
JP6723659B2 (ja) プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置
US20050230351A1 (en) Plasma processing method and apparatus
TWI405259B (zh) A plasma etch method and a computer readable memory medium
US20090203218A1 (en) Plasma etching method and computer-readable storage medium
US8263496B1 (en) Etching method for preparing a stepped structure
KR20070086312A (ko) 잔류물 제거를 위한 사후-에칭 처리
JP5323306B2 (ja) プラズマエッチング方法およびコンピュータ読取可能な記憶媒体
JP6050944B2 (ja) プラズマエッチング方法及びプラズマ処理装置
JP2013008987A (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP4911936B2 (ja) プラズマアッシング方法
JP2014082228A (ja) プラズマエッチング方法
JP2011049360A (ja) プラズマエッチング方法
JPH09298192A (ja) 半導体装置の製造装置および静電チャックからのウエハ脱着方法
JPH11186197A (ja) CVD−Ti膜の成膜方法
JPH04230032A (ja) 半導体集積回路の製造方法
JP2007250873A (ja) プラズマエッチング方法およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体
JPH1197533A (ja) 半導体集積回路及びその製造方法
JP2003068728A (ja) 成膜方法および成膜装置
US20040161946A1 (en) Method for fluorocarbon film depositing
JP3818511B2 (ja) プラズマ処理方法
JPH10116822A (ja) ドライエッチング装置およびドライエッチング方法
JP3986808B2 (ja) ドライエッチング方法
JP2005026348A (ja) プラズマ処理方法
US20040161536A1 (en) Method for depositing a low-k material having a controlled thickness range