JP2003068305A - リチウム2次電池用負極材料とその製造方法 - Google Patents

リチウム2次電池用負極材料とその製造方法

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JP2003068305A
JP2003068305A JP2002049922A JP2002049922A JP2003068305A JP 2003068305 A JP2003068305 A JP 2003068305A JP 2002049922 A JP2002049922 A JP 2002049922A JP 2002049922 A JP2002049922 A JP 2002049922A JP 2003068305 A JP2003068305 A JP 2003068305A
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lithium
electrode material
secondary battery
molar ratio
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Koji Yamamoto
浩司 山本
Akiko Kitano
彰子 北野
Yasuto Higashida
泰斗 東田
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Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容量および充放電効率がよく、かつ対Li
の放電電位が極めて低く、従って負極に使用した時に電
池の放電電圧が極めて高い、遷移金属酸化物型のリチウ
ム2次電池用負極材料を開発する。 【解決手段】 少なくとも1つが酸素を含有する化合物
であるリチウム供給源とバナジウム供給源とを、2.5 >
Li/Vモル比>1.1 となるように混合し、この混合物を
非酸化性雰囲気中、650 ℃以上で焼成することにより製
造された、2>Li/Vモル比>1.05の組成を有するリチ
ウム−バナジウム複合酸化物からなる負極材料。この負
極材料は、六方晶系で指数付けした格子定数a、cの比
がc/a≦5.17の結晶を含んでおり、DSC昇温時に 1
20〜140 ℃の温度域に吸熱ピークを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム2次電池
用負極材料とその製造方法およびリチウム2次電池に関
する。より詳しくは、本発明は、放電容量が高く、充放
電効率に優れ、しかも対Liの放電電位が極めて低いた
め、負極に使用した時の電池放電電圧が高く、電池のエ
ネルギー密度が高い、リチウム2次電池用負極材料とそ
の製造方法、およびこの負極材料を用いたリチウム2次
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】金属リチウムを負極活物質とし、非水電
解質を用いるリチウム電池は、リチウムが非常にイオン
化傾向が大きい金属であるため、高電圧を取り出すこと
ができ、エネルギー密度の高い電池が製作可能となる。
そのため、リチウム電池は1次電池としては長年にわた
って広範囲に利用されてきた。
【0003】しかし、リチウム電池を2次電池として使
用すると、充放電の繰り返しによって負極からリチウム
がデンドライト状に成長し、絶縁体であるセパレータを
貫通して正極と短絡し、電池が動作不能となるため、充
放電を繰り返した時のサイクル寿命が極端に短いという
問題点があった。
【0004】リチウム2次電池の上記問題点を解決する
手段として、負極材料として、金属Liではなく、Liイオ
ンを吸蔵・放出することのできる炭素質材料 (例、天然
黒鉛、人造黒鉛、石油コークス、樹脂焼成体、炭素繊
維、熱分解炭素、カーボンブラック、メソフェーズ小球
体、バルクメソフェーズなど) を用いることが提案され
た。
【0005】炭素質材料を用いて負極を構成したリチウ
ム2次電池では、充放電時の負極での反応は、Liイオン
(Li+ ) が炭素 (黒鉛) の層間に出入りするだけであ
る。すなわち、充電時には、負極の炭素質材料に電子が
送り込まれて炭素は負に帯電し、正極に吸蔵されていた
Liイオンが脱離して負に帯電した負極の炭素質材料に吸
蔵 (インターカレート) される。逆に、放電時には負極
の炭素質材料に吸蔵されていたLiイオンが脱離 (デイン
ターカレート) して、正極に吸蔵される。このような機
構を利用することで、負極での金属リチウムの析出を防
ぐことができ、サイクル寿命が良好なリチウム2次電池
が実現できた。この炭素質材料を負極に用いたリチウム
2次電池が実用化され、リチウムイオン2次電池と呼ば
れて、携帯用の電子・通信機器等の電源用に普及してき
ているのは周知の通りである。
【0006】しかし、炭素質材料を負極に用いた現行の
リチウム2次電池では、負極でのLiイオンの吸蔵・放出
量が少ないため、放電容量が小さいという欠点があっ
た。炭素質材料の代わりに、リチウム−チタン複合酸化
物といった、リチウムと遷移金属との複合酸化物(以
下、単に遷移金属酸化物という)を負極活物質に用いる
方法が提案されている。例えば、特開平6−60867 号公
報を参照。
【0007】しかし、このような遷移金属酸化物は、対
Li放電電位が高く、この酸化物を負極に用いた場合のリ
チウム2次電池の放電電圧が低くなって、結果として電
池としてのエネルギー密度が小さくなるという欠点があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
リチウムの析出による負極劣化の問題が回避できる遷移
金属酸化物型のリチウム2次電池用負極材料であって、
従来の遷移金属酸化物と同等もしくはそれ以上の放電容
量およびクーロン効率 (充放電効率) を発揮できる負極
材料とその製造方法を提供することである。
【0009】本発明の別の目的は、放電容量が従来の遷
移金属酸化物と同等以上で、かつ対Liの放電電位が極め
て低く、従って、負極に使用した時に電池の放電電圧が
極めて高い、リチウム2次電池用負極材料とその製造方
法を提供することである。
【0010】本発明は、その1側面において、2>Li/
Vモル比>1.05の組成を有するリチウム−バナジウム複
合酸化物 (Vの一部は周期表2〜15族の1種または2種
以上の他の元素で置換されうる) からなり、六方晶系で
指数付けした格子定数a、cの比がc/a≦5.17の結晶
を含んでいることを特徴とする、リチウム2次電池用負
極材料である。
【0011】別の側面において、本発明は、2>Li/V
モル比>1.05の組成を有するリチウム−バナジウム複合
酸化物 (Vの一部は周期表2〜15族の1種または2種以
上の他の元素で置換されうる) からなり、DSC昇温時
に 120〜140 ℃の温度域に吸熱ピークを有することを特
徴とするリチウム2次電池用負極材料である。
【0012】本発明によればまた、少なくとも1つが酸
素を含有する化合物であるリチウム供給源とバナジウム
供給源と場合により周期表2〜15族の1種または2種以
上の他の元素の供給源とを、2.5 >Li/Vモル比> 1.1
(Vの一部は周期表2〜15族の1種または2種以上の他
の元素で置換されうる) となるように混合する工程、お
よびこの混合物を非酸化性雰囲気中、650 ℃以上で焼成
してリチウム−バナジウム複合酸化物を生成させる工程
を含むリチウム2次電池用負極材料の製造方法もまた提
供される。
【0013】本発明は、上記リチウム2次電池用負極材
料を活物質として含む負極を備えたリチウム2次電池に
も関する。本発明の負極材料は、実用化されているチタ
ンリチウム2次電池の負極材料であるリチウム−チタン
複合酸化物を含む従来の遷移金属酸化物型の負極材料に
比べて、対Liの放電電位が低く、リチウム2次電池の負
極にした場合の放電電圧が高くなる上、充放電効率が高
く、優れたリチウム2次電池用負極材料となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係るリチウム2次電池用
負極材料を構成するリチウム−バナジウム複合酸化物
(以下、本発明のリチウム−バナジウム複合酸化物とい
う) は、公知のLiVO2 と同じ六方晶系の結晶構造を有
する化合物を少なくとも部分的に含んでいるが、材料全
体のLi/Vモル比は1.05より大であり、Li/Vモル比=
1であるLiVO2 に比べて、Liが過剰であるという組成
上の特徴を有する。
【0015】このLiが過剰という組成のため、本発明の
リチウム−バナジウム複合酸化物に含まれる六方晶系の
結晶構造を有する化合物は、Lixy2(1.05<x/y<
1.3、1≦x<1.2 、0.8 <y≦1) なる組成式で示さ
れる、Li過剰の結晶であると考えられる。このLi過剰の
六方晶系の結晶は、X線回折図において六方晶系で指数
付けした格子定数a、cの比が、c/a≦5.17であると
いう結晶構造上の特徴を有する。LiVO2 の結晶では、
このc/a比の値は5.22前後であるので、LiVO2 に比
べてc/a比の値が小さくなっている。即ち、格子定数
cがより小さい、および/または格子定数aがより大き
い結晶である。
【0016】このLixy2 なる組成式で示される、Li
VO2 よりLi過剰の六方晶結晶構造の化合物が、放電容
量が高く、対Liの放電電位が低く、充放電効率が高い、
優れたリチウム2次電池用負極材料となる。これに対
し、LiVO2 やLi3VO4 は負極材料としての性能が劣
る。
【0017】本発明の負極材料を構成するリチウム−バ
ナジウム複合酸化物は、著しく高い放電容量を示す、Li
xy2 なる組成式で示される化合物のみからなる (即
ち、X線回折図においてc/a≦5.17となる、六方晶系
に指数付けできる回折ピークのみが現れる) ことが好ま
しい。
【0018】しかし、特にLi/Vモル比が大きくなる
と、Lixy2 と一緒にLi3VO4 が共存することが避
けられなくなる。そのようなリチウム−バナジウム複合
酸化物も、Lixy2 を含んでいる (X線回折図が上記
c/a比の六方晶系に指数付けできる回折ピークを含ん
でいる) 限り、本発明の負極材料に包含される。そのよ
うな負極材料でも、例えばLi3VO4 からなる負極材料
に比べれば、有利な負極性能を示すことができる。
【0019】本発明のリチウム−バナジウム複合酸化物
は、DSC (示差走査熱量計) 昇温曲線においても特徴
ある吸熱ピークを示す。即ち、DSC昇温時に 120〜14
0 ℃の温度域に吸熱ピークを有することで特徴づけられ
る熱的性質を有する。
【0020】上記の結晶構造および熱的性質は、従来の
LiVO2 やLi3VO4 のそれらとは完全に異なるもので
あり、本発明のリチウム−バナジウム複合酸化物に特有
の性質である。
【0021】具体的には、結晶構造に関して、同じ六方
晶系に属するLiVO2 は、前述のようにc/a比が5.17
より大きくなる点で、本発明のものとは異なる。Li3
4は多くの多形が知られているが、六方晶系のものは
知られていない。熱的性質に関しては、DSCの昇温時
吸熱ピークが、公知のLiVO2 では 200〜250 ℃と高
く、Li3VO4 では室温から300 ℃まで明確な吸発熱ピ
ークをもたない。従って、LiVO2 とLi3VO4 のいず
れも 120〜140 ℃の温度域に吸熱ピークを持たない。
【0022】本発明のリチウム−バナジウム複合酸化物
は、上記Li/Vモル比を有し、かつ上記結晶構造または
上記熱的性質の少なくともいずれか一方を示していれば
よい。即ち、元素分析から求めたLi/Vモル比に加え
て、X線回折による六方晶系格子定数a、cの決定また
はDSCによる昇温時吸熱ピークの決定のいずれか一方
だけを実施することにより、本発明のリチウム−バナジ
ウム複合酸化物からなる負極材料であることを特定する
ことができる。
【0023】前述したように、本発明のリチウム−バナ
ジウム複合酸化物は、組成については、Li/Vモル比が
1.05より大、即ち、公知のLiVO2 に比べてLi過剰であ
ることで特徴づけられる。Li/Vモル比が1.05以下であ
ると、負極としての性能がLiVO2 とほぼ同一となり、
負極としての放電容量が小さくなり、充放電効率が極端
に悪くなる。
【0024】このLi/Vモル比は1.05より大、好ましく
は1.1 以上である。上限に関して、Li/Vモル比は2未
満であり、好ましくは1.6 以下、より好ましくは1.3 以
下である。Li/Vモル比が1.3 を超えると、特に1.6 を
超えると、X線回折図において、Lixy2 に加えて、
Li/Vモル比=3の化合物であるLi3VO4 の共存が目
立ってくるようになる。Li/Vモル比が2を超えると、
Li3VO4 が主になり、Lixy2 の割合が非常に少な
くなるため、負極性能がLi3VO4 のそれに近づき、放
電容量、充放電効率が低下する。
【0025】Liは、本発明の負極材料の充電前に、本発
明のリチウム−バナジウム複合酸化物中に存在している
必要がある。即ち、本発明の負極材料に使用する上記複
合酸化物は、最初に充電する前に、上記組成を有する。
充電中にLiイオンを吸蔵した時に上記組成の範囲内にな
っても、本発明による効果を得ることはできない。
【0026】前述したように、本発明の負極材料には、
LiVO2 、Li3VO4 のような他のリチウム−バナジウ
ム複合酸化物が共存していてもよい。しかし、他のリチ
ウム−バナジウム複合酸化物は負極材料としての性能は
良くないので、共存する場合でも、その含有量はなるべ
く低いことが望ましい。
【0027】電極特性を改善するため、あるいはより低
温で合成できるようにするため、バナジウムの一部を、
周期表2〜15族から選ばれた1種または2種以上の他の
元素で置換することができる。その場合には、前記のモ
ル比におけるVの量は、次式に示すように、Vと他の元
素との合計量になる。
【0028】2>Li/(V1-xx) モル比>1.05 Mは周期表の2〜15族、好ましくは2〜12族の1種また
は2種以上の元素であり、より好ましくはTi、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Nb、Mo、およびZrから選んだ1種もしくは
2種以上の元素である。xは、好ましくは0≦x≦0.1
であり、より好ましくは0≦x≦0.05である。即ち、V
の一部が他の元素Mで置換されている場合、Vの置換量
は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%
以下である。
【0029】本発明のリチウム2次電池用負極材料は、
リチウム供給源とバナジウム供給源とを、2.5 >Li/V
モル比>1.1 となるように混合し、この混合物を非酸化
性雰囲気中、650 ℃以上で焼成することにより製造する
ことができる。原料のLi/Vモル比が、本発明のリチウ
ム2次電池用負極材料におけるLi/Vモル比よりやや大
きくなっているのは、焼成中にLiの一部が消失するため
である。上記のように、Vの一部が他の元素で置換され
ている場合には、他の元素の供給源も原料に添加する。
その好ましい添加割合は、上記のVに対する置換量の通
りである。
【0030】焼成雰囲気が非酸化性雰囲気であり、目的
生成物が酸化物であるので、原料のリチウム供給源とバ
ナジウム供給源としては、酸素を含有する化合物を少な
くとも1つ使用する。原料として使用できるリチウム供
給源とバナジウム供給源を例示すると次の通りである
が、原料はこれらに限られない。
【0031】Li供給源:炭酸リチウム、水酸化リチウ
ム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、亜硫酸リチウム、酢
酸リチウム、弗化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウ
ム、沃化リチウム、酢酸リチウム、リチウムアルコキシ
ド。
【0032】V供給源:金属バナジウム、酸化バナジウ
ム類 (V25 、V24 、V23、V34 など) 、オ
キシ三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、三塩化バナ
ジウム、メタバナジン酸塩 (メタバナジン酸アンモニウ
ム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウ
ムなど) 、ポリバナジン酸塩 (十バナジン酸六ナトリウ
ム、十バナジン酸六アンモニウムなど) 。
【0033】好ましい原料は、Li供給源については炭酸
リチウムおよび水酸化リチウムであり、バナジウム供給
源については酸化バナジウム、メタバナジン酸アンモニ
ウムである。これらは、焼成中に有害ガスを発生させな
いか、或いは比較的低温で熱分解するため、焼成炉を損
傷させにくい。
【0034】Vの一部を他の元素で置換する場合の他の
元素の供給源としても、上記と同様に酸化物、水酸化
物、炭酸塩、酢酸塩、金属酸塩などの適当な化合物を使
用すればよい。
【0035】LiおよびVの供給源はそれぞれ1種または
2種以上を使用することができる。焼成中にLiの一部が
消失するため、焼成後のLi/Vモル比は、原料配合比の
みならず、焼成条件 (炉内雰囲気や温度、時間) によっ
ても左右される。原料の配合比は、Li/Vモル比が1.1
以上と、目標組成よりLiを過剰にし、操業条件に応じて
適宜調整すればよい。原料のLi/Vモル比は好ましくは
1.15〜1.6 である。
【0036】原料混合物の焼成は非酸化性雰囲気中で行
う。非酸化性雰囲気とは、還元性雰囲気と不活性雰囲気
とを包含する意味である。大気などの酸化性雰囲気中で
焼成すると、ほとんどの生成物がLiVO3 またはLi3
4 などの5価のV酸化物となり、Lixy2 で示され
る低級のV酸化物を少なくとも部分的に含む本発明の負
極材料を効率よく製造することができない。
【0037】焼成雰囲気は、バナジウム供給源が金属バ
ナジウムや、V34 、V23 および/またはV24
といった低級バナジウム酸化物である場合には、Ar、N
2 のような不活性ガス雰囲気とすることができる。一
方、バナジウム供給源がV25 やバナジン酸塩といった
5価のバナジウム酸化物である場合には、焼成雰囲気は
還元性雰囲気とすることが好ましく、それにより本発明
のリチウム−バナジウム複合酸化物を効率よく生成させ
ることができる。還元性雰囲気の例は、H2 もしくはS
2 ガス雰囲気、ならびにこれらのガスと不活性ガスと
の混合ガス雰囲気である。
【0038】焼成温度は、リチウム供給源とバナジウム
供給源とが反応する温度であればよく、通常は 650〜15
00℃の温度である。これより低い温度では反応が十分に
進まず、放電容量が高いものが得られない。焼成は2段
階以上の温度で行うこともできる。例えば、原料が炭酸
塩、酢酸塩、メタバナジン酸アンモニウムのように熱分
解性化合物を含む場合には、まず低温で予備焼成を行っ
て、原料を熱分解させてもよい。これら熱分解性原料の
使用は、熱分解により原料の反応面積が大きくなり、反
応がより低温で進行するので好ましい。焼成温度は、原
料混合物が実質的に溶融せず粉末状態を保持するような
温度であってもよく、あるいは原料混合物が溶融するよ
うな温度であってもよい。焼成時間は、反応が完結する
ように選択すればよい。通常は30分から10時間までであ
る。
【0039】本発明に係る製造方法の1好適態様におい
ては、リチウム供給源として炭酸リチウム(Li2CO3)を
使用し、バナジウム供給源としてメタバナジン酸アンモ
ニウム (NH4VO3)を使用する。これらの原料をLi/
Vモル比>1.1 の所定モル比で混合した混合物を、例え
ば、まず 150〜250 ℃の温度範囲で予備焼成して、原料
の少なくとも一部、特にメタバナジン酸アンモニウムを
熱分解させ、酸化物にする。メタバナジン酸アンモニウ
ムはV24 とV25 との混合物になる。その後、例え
ば、H2/Ar混合ガスといった還元性ガス雰囲気下、例
えば 650〜1200℃の温度に加熱して本焼成を行い、本発
明のリチウム−バナジウム複合酸化物を得ることができ
る。
【0040】この製造方法によれば、バナジウムのリサ
イクル過程で中間体として得られるメタバナジン酸アン
モニウムをバナジウム供給源として利用できるので、バ
ナジウム供給源が酸化バナジウムである場合に比べて、
低価格で本発明の負極材料を製造することができる。
【0041】本発明の負極材料は、通常は粉末状態で負
極の作製に使用される。従って、必要により、上記方法
で得られた負極材料を粉砕して、粉末にする。負極材料
の粉砕を行うと、材料内部に転位などの結晶構造の欠陥
を生じ、電極特性に悪影響を及ぼす場合がある。そのた
め、粉砕後にアニーリングを実施してもよい。このアニ
ーリングは、例えば、 500〜1500℃の温度に30分〜10時
間加熱することにより実施することができる。加熱雰囲
気は、不活性雰囲気または真空が好ましい。
【0042】また、本発明の負極材料のサイクル特性や
高率放電特性を改善するため、リチウム−バナジウム複
合酸化物の粉末表面を導電性材料で被覆してもよい。例
えば、無電解めっきにより金属 (例、ニッケル、銅な
ど) を被覆したり、炭素微粉末(例、カーボンブラック)
や金属微粉末 (例、ニッケル、銅など) と一緒に乾式
もしくは湿式混合して、この微粉末をリチウム−バナジ
ウム複合酸化物の粉末表面に被覆することができる。め
っきの場合、めっき厚みはごく薄いことが好ましく、厚
くなったり、或いは電解めっき皮膜のように無孔質の皮
膜であると、Liの吸蔵が阻害される場合がある。別の方
法として、タールもしくはピッチ、さらには炭化水素系
有機樹脂を有機溶媒に溶解した溶液を浸漬、噴霧等によ
り負極材料の粉末表面に塗布した後、焼成 (好ましくは
不活性ガス雰囲気中で) して有機物を分解させることに
より、粉末表面を炭素で被覆することができる。
【0043】本発明の負極材料から構成された負極を備
えたリチウム2次電池は、負極材料以外の点では、従来
より公知または今後開発されるリチウム2次電池と同様
でよい。以下、負極の作製およびリチウム2次電池の構
成について簡単に説明するが、これらに限られるもので
はない。
【0044】負極の作製は、本発明の負極材料の粉末
に、必要に応じて、導電剤、結着剤、フィラー、分散
剤、イオン導電剤、圧力増強剤など、通常用いられてい
る1種または2種以上の添加成分を添加し、適当な溶媒
(水または有機溶媒) によりスラリーないしペースト化
する。得られたスラリーまたはペーストを電極支持基板
にドクターブレード法等を用いて塗布し、乾燥し、圧延
ロール等で圧密化したものを負極として使用する。或い
は、電極支持基板を用いずに、ペレット状に圧密化成形
してもよい。
【0045】導電剤の例は、黒鉛、カーボンブラック、
アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、
金属粉等である。結着剤としては、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン等が使
用できる。電極支持基板 (集電体とも言う) は、銅、ニ
ッケル、ステンレス鋼、アルミニウム等の箔、シート、
ネット等、或いは炭素繊維やその織布などから構成しう
る。
【0046】また、本発明の負極材料を、Liを可逆的に
吸蔵・放出できる他の材料、即ち、リチウム2次電池の
負極材料として使用可能な他の材料と混合して、リチウ
ム2次電池の負極を構成することも可能である。それに
より、電極特性、例えば、サイクル特性や高率放電特性
を改善することができる場合がある。このような他の負
極材料として好ましいのは、炭素材料であり、より好ま
しくは黒鉛である。黒鉛は天然黒鉛と人造黒鉛のいずれ
でもよい。他の負極材料を配合する場合、本発明のリチ
ウム−バナジウム複合酸化物が95〜5質量%となるよう
にすることが好ましい。
【0047】このようにして製造された負極を用いて、
リチウム2次電池を作製する。リチウム2次電池の形態
は、コイン、ボタン、シート、シリンダー、偏平、角形
等でよい。リチウム2次電池の負極以外の構成要素、例
えば、正極、電解質、セパレーター等は、従来よりリチ
ウム2次電池に使われているものと同様でよい。
【0048】正極活物質は、Liを含有するTi、Mo、W、
Nb、V、Mn、Fe、Cr、Ni、Co等の遷移金属の複合酸化物
や複合硫化物等の1種もしくは2種以上でよい。また、
バナジウム酸化物、共役系ポリマー等の有機導電性材
料、シェブレル相化合物等も正極活物質として使用でき
る。
【0049】電解液は非水系のものである。例えば、有
機溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解液、ポリマー
電解質、無機固体電解質、ポリマー電解質と無機固体電
解質との複合材等が使用できる。
【0050】非水電解液の溶媒としては、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネ
ート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト等の鎖状エステル類;γ−ブチルラクトン等のγ−ラ
クトン類; 1,2−ジメトキシエタン、 1,2−ジエトキシ
エタン、エトキシメトキシエタン等の鎖状エーテル類;
テトラヒドロフラン類の環状エーテル類;アセトニトリ
ル等のニトリル類等が例示され、これらの1種もしくは
2種以上を使用することができる。
【0051】非水電解液の溶質 (支持電解質) のリチウ
ム塩の例としては、LiAsF6、LiBF4、LiPF6 、LiAlC
l4 、LiClO4、LiCF3SO3、LiSbF6、LiSCN 、LiCl、LiC6H
5SO3 、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、LiC4P9SO3 等のL
i塩およびこれらの混合物が挙げられる。
【0052】セパレーターとしては、ポリプロピレンお
よび/またはポリエチレン等のポリオレフィンからなる
多孔性ポリマーフィルムや、ガラスフィルター、不織布
等の多孔性材が適宜使用できる。
【0053】
【実施例】以下の実施例は本発明を例示するものであ
り、本発明をいかなる意味でも制限するものではない。
実施例中、部は特に指定のない限り質量部である。
【0054】
【実施例1】(負極材料の製造)リチウム供給源としての
炭酸リチウム粉末とバナジウム供給源としてのV24
たはV23の粉末とを、表1に示す所定のモル比で混合
し、この粉末混合物を黒鉛ルツボ内で、Arガス雰囲気
下、1200℃で3時間焼成して、リチウム−バナジウム複
合酸化物からなる負極材料を作製した。
【0055】比較のため、炭酸リチウム粉末とV25
粉末をLi/Vモル比が3になるように混合し、この粉末
混合物をArガス雰囲気下、900 ℃で3時間焼成すること
により、Li3VO4 も作製した。
【0056】これらのリチウム−バナジウム複合酸化物
からなる負極材料の組成を誘導結合型プラズマ(ICP) 発
光分析により調べた。これらのリチウム−バナジウム複
合酸化物からなる負極材料のX線回折図を、高出力X線
回折装置を用いて、線源:CuKα線、電圧50 kV 、電流
300 mA、走査ステップ 0.002°、走査速度2.00°/minの
条件での連続走査法により作製した。また、Siを内部標
準に用いて各回折ピークの回析角を補正し、六方晶系で
指数付けできる回折ピークからa、cの格子定数を求め
て、c/a比を算出した。
【0057】さらに、この負極材料をArガス気流 (30 m
l/min)中、昇温速度10℃/minで昇温させてDSC昇温曲
線図を作成し、吸熱ピーク温度を求めた。試験No.1 (Li
/Vモル比=0.95、比較例) ならびに試験No.2および3
(Li /Vモル比=1.21および1.83、実施例) の負極材料
のX線回折図をそれぞれ図1〜3に、またこれらの負極
材料のDSC図をそれぞれ図4〜6に示す。
【0058】図1〜3に示したX線回折図はいずれも、
六方晶系で指数付けできる回折ピークを含んでいた。こ
のうち、Li/Vモル比=0.95または1.21の試験 No. 1、
2のX線回折図 (図1、2) は、六方晶系に帰属する
(指数付けできる) ピークだけであった。これらの化合
物の格子定数c/a比は、試験No.1のLiVO2 では5.22
2 であったのに対し、試験No.2のLixy2 では5.148
であった。従って、前者はc/a比が5.17より大きく、
組成のみならず、結晶構造でも本発明の範囲外であった
のに対し、後者は結晶構造も本発明の範囲内であった。
【0059】一方、Li/Vモル比=1.83と、Li/Vモル
比が大きい試験 No.3のX線回折図(図3) は、六方晶
系に帰属するピークに加え、Li3VO4 に帰属するピー
クも含んでいた。図3中、●で示すピークはLi3VO4
のものである。●が付いていない、六方晶系に帰属する
回折ピークから算出したc/a比は5.135 であり、本発
明で規定する結晶構造を有する化合物を含んでいること
が判明した。この結果から、試験No. 3のリチウム−バ
ナジウム複合酸化物は、LiVO2 とLi3VO4との混合物
ではなく、Lixy2 (1.05 <x/y<1.3 、1≦x<
1.2 、0.8 <y≦1) とLi3VO4 との混合物であると
推定される。
【0060】図4〜6のDSC昇温曲線図に示すよう
に、図4に示す比較例の試験No. 1 の公知化合物: LiV
2(Li/Vモル比=0.95) では、吸熱ピーク温度が235
℃であるのに対し、図5、6に示す本発明のリチウム−
バナジウム複合酸化物 (Li/Vモル比=1.21または1.8
3) は、吸熱ピーク温度が 123〜125 ℃と、100 ℃以上
も低い。
【0061】図7には、試験No.5以降のV24 を原料
に用いて合成した一部の負極材料のDSC図を示す。N
o.6〜8は吸熱ピークが2つ認められた。従って、2相
を含んでいる可能性があるが、六方晶系の格子定数は単
相として計算した。
【0062】(電極性能の評価)負極材料の粉末を分級し
て、粒径が75μm以下になるように粒度調整した。この
粉末85.5部に、導電剤のアセチレンブラック9.4 部と結
着剤のポリフッ化ビニリデン5.1 部とを加え、溶媒のN
−メチルピロリドン中で混合してスラリーを得た。この
スラリーを厚さ20μmの電解銅箔にドクターブレード法
で塗布し、100℃×10分間の仮乾燥を行った後、直径16
mm(面積2cm2)の円板に打抜き、98 MPaの圧力でプレス
し、真空中100 ℃で16時間乾燥して、電極を作製した。
この電極を作用極として電極性能を試験した。
【0063】対極としてはLi金属箔を同様に直径16 mm
に打ち抜いた円板を、セパレーターとしてはポリプロピ
レン多孔質フィルムを使用した。電解液には、エチレン
カーボネートとジメトキシエタンとの体積比1:1の混
合溶媒にLiPF6 を1M濃度で溶解させた溶液を使用し
た。
【0064】電解液をセパレーターに含浸させ、このセ
パレーターを作用極と対極との間に挟んで、Ar置換した
グローブボックス中でステンレス鋼製のケースに収納
し、ケースをかしめにより密閉して封止し、電極評価用
試験セルを作製した。
【0065】この電極評価用試験セルを用い、下記の方
法で充放電を行った。なお、本試験においては、負極材
料単独の性能評価を行っているので、対極のLiがイオン
化して負極材料に吸蔵される反応が起きる時を充電、そ
の逆方向の反応が起きる時を放電とする (本来の定義で
は、充電、放電は逆である) 。
【0066】充電:0.1 mA/cm2の定電流で、対極に対す
る作用極の電位が0Vになるまで、作用極から取り出し
た電流を対極に流す; 放電:0.1 mA/cm2の定電流で、対極に対する作用極の電
位が2.0 Vになるまで、対極から作用極へ電流を流す。
【0067】この条件で1回充電して放電することを1
サイクルとし、このサイクルの試験セルの充電容量と放
電容量を測定した。放電容量は、次のようにして、負極
材料1g あたりの放電容量に換算して表示した。
【0068】まず、電極の質量を測定し、それから既知
の銅箔の質量を差し引いて乾燥したスラリーの質量を算
出する。この中には、負極材料、アセチレンブラック、
ポリフッ化ビニリデンが含まれており、これらの質量比
は混合時と同じであるので、負極材料の質量が算出でき
る。次に、負極材料を含まないスラリーを用いて電極を
作成し、同様の充放電試験を実施してアセチレンブラッ
クの充電容量と放電容量を算出する (ポリフッ化ビニリ
デンの充電容量・放電容量は0とみなす) 。そして、試
験セルの放電容量から作用極に含まれるアセチレンブラ
ックの質量分の放電容量を差し引き、この差し引いた放
電容量と負極材料の質量から、負極材料1g あたりの放
電容量を算出する。
【0069】充電容量についても、放電容量と同様にし
て負極材料1g 当たりの充電容量に換算した。試験No.1
〜3 の材料について、アセチレンブラックの容量を補正
する前の充放電曲線を図8に示す。
【0070】作製した全ての負極材料について、Li/V
モル比を横軸に、アセチレンブラックの容量を補正した
後の放電容量を縦軸にとったグラフを図9に示す。ま
た、1サイクル目の試験セルの充電容量に対する1サイ
クル目の試験セルの放電容量の割合 (%) を算出し、こ
れを充放電効率とする。
【0071】負極材料の放電容量および充電容量と、充
放電効率の結果を、負極材料のLi/Vモル比、六方晶系
に指数付けした格子定数a、cおよびc/a比、DSC
昇温時の吸熱ピークの値と一緒に表1に併記する。
【0072】
【表1】
【0073】図8から分かるように、本発明の負極材料
である No.2、3のリチウム−バナジウム複合酸化物
は、放電時に 0.2〜0.5 V付近でプラトー電位を有す
る。一方、比較例であるNo. 1 のLiVO2 はプラトー電
位をほとんど有していない。本発明の負極材料が示すプ
ラトー電位は、実用化されているチタンリチウムイオン
2次電池のスピネル型リチウム−チタン酸化物負極材料
のプラトー電位(1.55 V)に比べてかなり低い。従っ
て、本発明の負極材料をリチウム2次電池に用いれば、
放電電圧が、チタンリチウムイオン2次電池より相当に
高くなり、電池の高エネルギー密度化が可能となる。
【0074】また、表1と図9から分かるように、負極
材料のLi/Vモル比が1.05以下では放電容量が150 mAh/
g 以下と小さい。特に、Li/Vモル比が1以下のLiVO
2 は放電容量が14 mAh/gと極端に低い。一方、Li/Vモ
ル比が1.05を超えた本発明の負極材料では、放電容量は
150 mAh/g を超え、放電容量は、Li/Vモル比が 1.1〜
1.6 では200 mAh/g 以上、1.2 付近では260 mAh/g 以上
と、Li/Vモル比の増大につれて増大する傾向がある。
但し、Li/Vモル比が1.3 以上では、充放電にほとんど
寄与しないLi3VO4 相の割合が増えるため、放電容量
が低下しはじめ、Li/Vモル比が1.6 以上でこの低下が
より顕著となる。
【0075】LiVO2 の密度が4.3 g/cm3 であるので、
Li/Vモル比が1.21の材料の組成をLi1.10.92 とす
ると、この材料の密度は4.1 g/cm3 程度と見積れる。こ
の値を用いて本発明の負極材料の体積あたりの放電容量
を計算すると、Li/Vモル比が1.21の材料の体積あたり
の放電容量は1100 mAh/cm3となる。この値は、リチウム
イオン2次電池に使用されている代表的な負極材料であ
る黒鉛の実際の容量(710 mAh/cm3) や理論容量(833 mAh
/cm3) より大きい。従って、本発明の負極材料をリチウ
ム2次電池に用いると、現行のリチウムイオン2次電池
より一層の高容量化が可能となる。
【0076】(充放電後の結晶構造)前記充放電を行っ
た電極を、Ar置換したグローブボックス中で取り出し、
炭酸ジメチルで洗浄後、マイラー箔に封入し、大気にさ
らさないようにして、前記と同じようにしてX線回折測
定を実施した。その結果、充放電前と同一の回折角にピ
ークが認められ、充放電によって結晶構造が変化してい
ないことが確認できた。従って、この負極材料は、Liイ
オンの出入りが可逆的で、リチウム2次電池に用いて
も、サイクル特性が良好であると推測される。
【0077】
【実施例2】リチウム供給源としての炭酸リチウム粉末
と、バナジウム供給源としてのNH 4VO3 粉末とをLi
/Vモル比=1.25となるように混合した粉末混合物を、
黒鉛ルツボ中に入れ、H2 ガス気流中、次のように焼成
した。先ず、150 ℃で30分、次に500 ℃で30分の予備加
熱を行った後、600 ℃から900 ℃の範囲内の一定温度で
1時間の焼成を行って、リチウム−バナジウム複合酸化
物からなる負極材料を作製した。
【0078】この負極材料を実施例1と同様に評価し
た。結果を表2に示す。焼成温度600℃では、格子定数
やDSC吸熱ピーク温度が本発明を満足するものは得ら
れず、放電容量も低かった。焼成温度が650 ℃以上にな
ると、放電容量の高い材料が得られた。
【0079】
【表2】
【0080】
【実施例3】本発明の負極材料を用いた負極のリチウム
2次電池における性能を調べた。試験した負極材料は、
炭酸リチウム粉末とV24 粉末をLi/Vモル比=1.3と
なるように混合した原料を実施例1と同様に焼成するこ
とにより製造したもの、即ち、実施例1で表1にNo.9と
して示した負極材料である。
【0081】(試験1、2)表1のNo.9の負極材料 (Li/
Vモル比=1.21) を、平均粒径が20μmになるように粉
砕と分級により粒度調整した。この負極材料の粉末90部
に、導電剤のアセチレンブラック4.5 部と結着剤のポリ
フッ化ビニリデン5.5 部とを加え、溶媒のN−メチルピ
ロリドン中で混合してスラリーを調製した。このスラリ
ーと電解鋼箔を用いて、実施例1と同様にして直径16 m
m の電極を作製し、これを2次電池の負極に用いた。
【0082】(試験3)平均粒径20μmに粒度調整した表
1のNo.9の負極材料の粉末と、平均粒径20μmの人造黒
鉛の粉末とを、1:1の質量比でV型ブレンダーで混合
した。得られた粉末混合物を用いて、上記と同様に電極
を作製して負極に用いた。
【0083】(試験4)平均粒径20μmに粒度調整した表
1のNo.9の負極材料の粉末に、Arガス雰囲気中で800 ℃
×1時間のアニーリングを施した。このアニーリングし
た負極材料の粉末を用いて、試験1、2と同様に電極を
作製して負極に用いた。
【0084】(試験5)平均粒径20μmに粒度調整した表
1のNo.9の負極材料の粉末を、コールタールピッチをア
セトンに溶解した1質量%溶液に浸漬し、撹拌した後、
濾過した。得られた固形物を黒鉛ルツボに入れ、Arガス
雰囲気中、700 ℃で1時間焼成して、表面が炭素で被覆
された負極材料を得た。これを軽く粉砕して、平均粒径
20μmに粒度調整し、試験1、2と同様に電極を作製
し、負極に用いた。
【0085】リチウム2次電池の正極材料としては、コ
バルト酸リチウム (LiCoO2) を使用し、これを上記の負
極材料と同様に粒度調整およびスラリー化した。スラリ
ー中の電極材料の粉末、導電剤、結着剤の割合は上記と
同じであった。このスラリーを用いて、集電体として電
解銅箔の代わりにアルミニウム箔 (厚み20μm) を使用
することを除いて、実施例1の電極の作製法と同様にし
て、同直径(16 mm) の電極を作製し、これを正極に用い
た。
【0086】電解液としては、実施例1と同様に、エチ
レンカーボネートとジメトキシエタンとの体積比1:1
の混合溶媒にLiPF6 を1M濃度で溶解させた非水溶液
を使用した。セパレータとしては、ポリプロピレン多孔
質フィルムを使用した。
【0087】Ar置換したグローブボックス内において、
図10に示すように、ガスケット(9)を備えたステンレス
鋼製のコイン電池用ケース(1) の中に、アルミニウム箔
(2)と正極活物質層(3) とから構成される正極、セパレ
ータ(4) 、負極活物質層(5)と電解銅箔(6) とから構成
される負極を配置し、電解液を注入してセパレータに含
浸させた。その上に、内部にスプリング(8) で接続され
た2枚のステンレス鋼板(7) を取り付けたステンレス鋼
製の封口板(10)をかぶせ、ケース(1) を封口板(10)にか
しめてガスケット(9) により封止し、コイン電池を作製
した。
【0088】この電池を用いて、電流密度:0.1 mA/cm2
(試験1) または0.5 mA/cm2 (試験2〜5) の定電流
で、充電と放電を50サイクル繰り返した。終止電圧は、
充電が4.2 V、放電が2.5 Vとした。電池のサイクル特
性を評価するため、1サイクル目の放電容量に対する50
サイクル目の放電容量の%として容量維持率を算出し
た。得られた結果を、1サイクル目の電池の放電容量お
よび平均放電電圧と一緒に表3に示す。
【0089】比較のため、現行のリチウムイオン2次電
池の代表的な負極材料である黒鉛から同様に作製した負
極を用いた電池での結果 (試験6、電流密度は0.1 mA/c
m2)も表3に示す。黒鉛負極は導電剤が不要であるの
で、活物質層は、負極材料 (黒鉛) 94.3部と結着剤5.7
部からなるものであった。
【0090】電池に占める活物質の割合を同じとするこ
とで体積あたりの比較を行うため、上記2種類の負極材
料のいずれにおいても、負極活物質層と正極活物質層の
厚みの合計を200 μmに調整した。
【0091】
【表3】
【0092】表3から分かるように、本発明の負極材料
は、現行の黒鉛負極からなるリチウムイオン2次電池よ
り放電容量およびエネルギー密度が高く、サイクル寿命
は同程度である。従って、より高性能のリチウム2次電
池となる。また、電流密度を0.1 mA/cm2から0.5 mA/cm2
に増大させても、大きな電池性能の低下がなく、高率放
電特性に優れている。さらに、試験3〜5のように、本
発明の負極材料に対して、黒鉛粉末との混合、アニーリ
ング、または表面炭素被覆を行うと、50サイクル容量維
持率、即ち、サイクル特性が改善される。
【0093】
【実施例4】炭酸リチウム粉末、V24 粉末、ならび
に第3成分としてFe23 、CoOもしくはNiOの粉末を
表4に示すモル比で混合し、粉末混合物を黒鉛ルツボに
入れ、Arガス雰囲気下、1200℃で3時間焼成して、バナ
ジウムの一部がFe、CoまたはNiで置換されたリチウム−
バナジウム複合酸化物からなる負極材料を作製した。こ
の負極材料のICP 発光分析により求めた金属モル比、六
方晶系に指数付けした格子定数a、cおよびc/a比、
DSC昇温時の吸熱ピークの値 (いずれも実施例1と同
様に測定) を表4に併記する。
【0094】この負極材料を平均粒径が20μmとなるよ
うに粉砕と分級で粒度調整した後、実施例3に記載した
ようにして電池を作製した。この電池を用いて、0.5 mA
/cm2の定電流で実施例3と同様に充電と放電を50サイク
ル繰り返した。得られた結果を表5に示す。
【0095】
【表4】
【0096】
【表5】
【0097】表5の結果を、同じ電流密度で試験した表
3の試験2と対比するとわかるように、本実施例のよう
にVのごく一部を第3元素で置換すると、特に50サイク
ル容量維持率、即ち、サイクル特性が改善される。
【0098】
【発明の効果】本発明に係るリチウム2次電池用負極材
料により、放電容量および充放電効率の性能が維持で
き、さらに対Liの放電電位が極めて低い、従ってエネル
ギー密度の高いリチウム2次電池を作製することが可能
となる。
【0099】以上に本発明を詳しく説明したが、本発明
は上述した態様に制限されるものではなく、本発明の範
囲内で各種の変更をなしうることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作成した比較例の負極材料であるリ
チウム−バナジウム複合酸化物(LiVO2)のX線回折図
である。
【図2】実施例1で作成した本発明に係る負極材料であ
るリチウム−バナジウム複合酸化物 (Li/V=1.21) の
X線回折図である。
【図3】実施例1で作成した本発明に係る別の負極材料
であるリチウム−バナジウム複合酸化物 (Li/V=1.8
3) のX線回折図である。
【図4】実施例1で作成した比較例の負極材料であるリ
チウム−バナジウム複合酸化物(LiVO2)のDSC図で
ある。
【図5】実施例1で作成した本発明に係る負極材料であ
るリチウム−バナジウム複合酸化物 (Li/V=1.21) の
DSC図である。
【図6】実施例1で作成した本発明に係る別の負極材料
であるリチウム−バナジウム複合酸化物 (Li/V=1.8
3) のDSC図である。
【図7】実施例1で作成したV24 を原料とする各種
負極材料のDSC図である。
【図8】実施例1で作成した試験No.1〜3 の負極材料の
電極評価試験における充放電曲線を示す。
【図9】実施例1で作製した負極材料のLi/Vモル比と
放電容量との関係を示すグラフである。
【図10】実施例3、4 で作製したコイン電池の構成を
示す説明図である。
【符号の説明】
1:電池ケース、2:アルミニウム箔 3:正極活物質層、4:セパレータ 5:負極活物質層、6:銅箔 7:ステンレス鋼板、8:スプリング 9:ガスケット、10:封口板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東田 泰斗 兵庫県尼崎市扶桑町1番8号 住友金属工 業株式会社エレクトロニクス技術研究所内 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK11 AL03 AM05 AM06 BJ03 BJ12 CJ02 CJ08 CJ21 CJ28 DJ04 EJ01 EJ04 EJ07 EJ12 HJ02 HJ14 5H050 AA07 BA16 CA17 CB03 DA10 EA03 EA04 EA08 EA21 GA05 GA10 GA22 HA02 HA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2>Li/Vモル比>1.05の組成を有する
    リチウム−バナジウム複合酸化物 (Vの一部は周期表2
    〜15族の1種または2種以上の他の元素で置換されう
    る) からなり、六方晶系で指数付けした格子定数a、c
    の比がc/a≦5.17の結晶を含んでいることを特徴とす
    る、リチウム2次電池用負極材料。
  2. 【請求項2】 2>Li/Vモル比>1.05の組成を有する
    リチウム−バナジウム複合酸化物 (Vの一部は周期表2
    〜15族の1種または2種以上の他の元素で置換されう
    る) からなり、DSC昇温時に 120〜140 ℃の温度域に
    吸熱ピークを有することを特徴とする、リチウム2次電
    池用負極材料。
  3. 【請求項3】 Vの10モル%以下が前記他の元素で置換
    されている、請求項1または2記載のリチウム2次電池
    用負極材料。
  4. 【請求項4】 前記他の元素が周期表の2〜12族の1種
    または2種以上の元素である、請求項3記載のリチウム
    2次電池用負極材料。
  5. 【請求項5】 前記他の元素がTi、Cr、Mn、Fe、Co、N
    i、Nb、Mo、およびZrから選ばれた1種もしくは2種以
    上である、請求項4記載のリチウム2次電池用負極材
    料。
  6. 【請求項6】 導電性材料による表面被覆を有する、請
    求項1または2記載のリチウム2次電池用負極材料。
  7. 【請求項7】 少なくとも1つが酸素を含有する化合物
    であるリチウム供給源とバナジウム供給源と場合により
    周期表2〜15族の1種または2種以上の他の元素の供給
    源とを、2.5 >Li/Vモル比> 1.1 (Vの一部は周期表
    2〜15族の1種または2種以上の他の元素で置換されう
    る) となるように混合する工程、およびこの混合物を非
    酸化性雰囲気中、650 ℃以上で焼成してリチウム−バナ
    ジウム複合酸化物を生成させる工程を含む、請求項1ま
    たは2記載のリチウム2次電池用負極材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 焼成工程で得られた生成物を粉砕する工
    程をさらに含む、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 粉砕工程の後にアニーリング工程をさら
    に含む、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1または2記載のリチウム2次
    電池用負極材料を含む負極を備えたリチウム2次電池。
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