JP2003064129A - 透明樹脂の製造方法 - Google Patents

透明樹脂の製造方法

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JP2003064129A
JP2003064129A JP2001255140A JP2001255140A JP2003064129A JP 2003064129 A JP2003064129 A JP 2003064129A JP 2001255140 A JP2001255140 A JP 2001255140A JP 2001255140 A JP2001255140 A JP 2001255140A JP 2003064129 A JP2003064129 A JP 2003064129A
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diallyl
transparent resin
compound
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fumarate
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JP2001255140A
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English (en)
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Takanori Fujita
隆範 藤田
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
Toshiaki Takaoka
利明 高岡
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Original Assignee
NOF Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無色透明性、耐衝撃性に優れ、且つ注型成形
性、耐熱性、染色性等の性能にも優れた透明樹脂の製造
方法を提供する。 【解決手段】 ジアリル化合物を含むモノマー組成物を
ラジカル重合させるに際し、ラジカル重合開始剤として
ジノルマルアルキルペルオキシジカーボネートを使用す
ることを特徴とする透明樹脂の製造方法。ジアリル化合
物が、ジアリルフタレート、ジアリルエステルオリゴマ
ー、エチレングリコールビスアリルカーボネートから選
ばれる少なくとも1種である透明樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無色透明性、耐衝撃
性、耐熱性等の諸物性に優れ、しかも注型成型性にも優
れる透明樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズ等に使用される光学材料の
分野においては、軽量性、安全性、ファッション性等が
益々重視されるようになり、従来の無機ガラスから合成
樹脂へと材料が移行してきている。その代表的な合成樹
脂製材料として、ポリジエチレングリコールビスアリル
カーボネート(以下、PADCと略記する。)、ポリメ
チルメタクリレート(以下、PMMAと略記する。)、
ポリカーボネート(以下、PCと略記する。)等がよく
知られている。
【0003】これら合成樹脂材料は、さらに例えば多種
品目生産に有用な注型成形法で製造されるPADCと、
大量生産に有用な溶融成形法で製造されるPMMA、P
C等に分られる。中でもPADCは眼鏡用レンズ素材と
して最も良く知られるもので、モノマー原料のジエチレ
ングリコールビスアリルカーボネートに硬化剤としての
ラジカル重合開始剤であるジイソプロピルペルオキシカ
ーボネートを添加し、加熱硬化して容易に得ることがで
きる。このPADCは、低比重、耐衝撃性、染色性等の
点で無機ガラスより優れている他、他の合成樹脂に比べ
表面硬度が高いのが特徴である。しかしながら、PAD
Cは屈折率が1.50程度であり、一般的な無機ガラス
の1.52より低い。このため、度数が高くなるとレン
ズのコバ厚みが厚くなるという問題があった。
【0004】これらの問題を改良するため、より高屈折
で光学特性に優れたプラスチックレンズが提案されてい
る。例えば、特開昭53−7787号公報ではジアリル
イソフタレートとジエチレングリコールビスアリルカー
ボネートとの共重合体が、特開平3−54213号公報
にはジアリルテレフタレート系オリゴマーの樹脂が、特
開昭63−23908号公報にはさらに屈折率を高める
目的でジフェン酸ジアリルの重合体が、さらに特開平3
−54213号公報にはジアリルテレフタレート系オリ
ゴマーの樹脂が開示されている。しかしながら、硬化剤
としてジイソプロピルペルオキシジカーボネートを用い
て製造すると、硬化後の樹脂において十分な耐衝撃性が
得られなかったり、硬化後の樹脂や紫外線吸収剤を添加
して硬化させた樹脂が黄色を呈したりすることが多く、
また硬化剤が固体のためモノマーへの溶解に手間がかか
るなどの欠点があった。
【0005】また、アリル系モノマー以外にも、例えば
特開昭55―13747号公報ではビスフェノールA誘
導体のジメタクリレートとスチレンとの共重合体のよう
なビニルモノマーを用いた例もあるが、屈折率のより高
いものは得られているが、ラジカル重合し易い性質があ
るため硬化時に硬化物に歪が発生し易い欠点やモノマー
の経時安定性の点にも問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無色
透明性、耐衝撃性に優れ、且つ注型成形性、耐熱性、染
色性等の性能にも優れた透明樹脂の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
ジアリル化合物を含むモノマー組成物をラジカル重合さ
せるに際し、ラジカル重合開始剤としてジノルマルアル
キルペルオキシジカーボネートを使用することを特徴と
する透明樹脂の製造方法である。
【0008】本発明の第2の発明は、ジアリル化合物が
ジアリルフタレート、下記式(1)で示されるジアリル
エステルオリゴマー、下記式(2)で示されるエチレン
グリコールビスアリルカーボネートから選ばれる少なく
とも1種を含むことを特徴とする第1の発明の透明樹脂
の製造方法である。
【0009】
【化3】 (式中R1は、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、P
hは、フェニレン基を示し、xは、1〜20の整数を示
す。)
【0010】
【化4】 (式中yは2〜5の整数を示し、zは、1〜4の整数を
示す。)本発明の第3の発明は、第1又は2の発明の方
法で製造された透明樹脂である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の透明樹脂の製造方法は、
ジアリル化合物を含むモノマー組成物をラジカル重合さ
せるに際し、ラジカル重合開始剤としてジノルマルアル
キルペルオキシジカーボネートを使用することを特徴と
している。
【0012】本発明においてジアリル化合物とは、分子
内に反応性のアリル基を2個有する化合物である。ジア
リルフタレート、式(1)で示されるジアリルエステル
オリゴマー、式(2)で示されるエチレングリコールビ
スアリルカーボネートが例示される。また、本発明にお
いてジアリル化合物は、ジアリルフタレート、式(1)
で示されるジアリルエステルオリゴマー、式(2)で示
されるエチレングリコールビスアリルカーボネートから
選ばれる少なくとも1種を含み単独又は混合物として用
いることが好ましい。
【0013】前記ジアリルフタレートとしてはジアリル
イソフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルオ
ルソフタレートの単独又は2種以上の混合物が挙げら
れ、好ましくは硬化物の耐熱性、透明性からジアリルイ
ソフタレート又はジアリルテレフタレートが用いられ
る。
【0014】式(1)で表される化合物は、両末端にア
リル基を有したポリエステルオリゴマ−である。式中R
1は、炭素数2〜4のエチレン基、トリメチレン基、プ
ロピレン基、テトラメチレン基から選ばれる基を示し、
単独系又は2種以上の混合系でもよいが、R1は4を超
えると硬化物の耐熱性が低下する。Phは、オルソ位、
メタ位又はパラ位のフェニレン基を示す。xは、1〜2
0の整数の範囲であれば特に限定されない。製造時の条
件においてxの数値を均一なものすることが困難な場合
が多いが、分子量分布を有するオリゴマ−でも好ましく
用いることができる。xは20を超えると、硬化物の耐
熱性の低下、粘度の著しい上昇が見られる。
【0015】前記式(2)で示されるエチレングリコー
ルビスアリルカーボネートにおいて、式中、yは2〜5
の整数を示す。6を超えると硬化物の耐熱性が低下す
る。また、zは、1〜4の整数であれば特に限定される
ものではないが、製造時の条件によりz=1を主成分と
しz=2〜4を含む混合物としたとき好ましい。4を超
えると硬化物の耐熱性の低下、粘度の著しい上昇がみら
れる。
【0016】本発明では前記ジアリル化合物が使用され
るが、モノマー原料の粘度調整、硬化物の物性を調整す
るために他の共重合可能なモノマーを使用することもで
きる。具体的には、ジメチルマレート、ジエチルマレー
ト、ジイソプロピルマレート、ジn−ブチルマレート、
ジs−ブチルマレート、ジイソブチルマレート、ジn−
ヘキシルマレート、ジ2−エチルへキシルマレート、ジ
シクロペンチルマレート、ジシクロへキシルマレート、
ジメトキシエチルマレート、ジエトキシエチルマレー
ト、ジアリルマレート、アリルエチルマレート、ジベン
ジルマレート、ジクロロベンジルマレート、ジメチルベ
ンジルマレート、アリルベンジルマレート、ジフェニル
マレート等のマレイン酸ジエステル;モノメチルマレー
ト、モノエチルマレート、モノイソプロピルマレート、
モノn−ブチルマレート、モノメトキシエチルマレー
ト、モノエトキシエチルマレート、モノアリルマレー
ト、モノベンジルマレート、モノクロロベンジルマレー
ト等のマレイン酸ハーフエステル;
【0017】ジメチルフマレート、ジエチルフマレー
ト、ジイソプロピルフマレート、ジn−ブチルフマレー
ト、ジs−ブチルフマレート、ジイソブチルフマレー
ト、ジn−ヘキシルフマレート、ジ2−エチルへキシル
フマレート、ジシクロペンチルフマレート、ジシクロへ
キシルフマレート、ジメトキシエチルフマレート、ジエ
トキシエチルフマレート、ジアリルフマレート、アリル
エチルフマレート、ジベンジルフマレート、ジクロロベ
ンジルフマレート、ジメチルベンジルフマレート、アリ
ルベンジルフマレート、ジフェニルフマレート等のフマ
ル酸ジエステル;モノメチルフマレート、モノエチルフ
マレート、モノn−ブチルフマレート、モノs−ブチル
フマレート、モノイソブチルフマレート、モノt−ブチ
ルフマレート、モノ2−エチルへキシルフマレート、モ
ノメトキシエチルフマレート、モノエトキシエチルフマ
レート、モノアリルフマレート、モノベンジルフマレー
ト、モノクロロベンジルフマレート等のフマル酸ハーフ
エステル;
【0018】ジエチルイタコネート、ジイソプロピルイ
タコネート、ジn−ブチルイタコネート、ジs−ブチル
イタコネート、ジイソブチルイタコネート、ジn−ヘキ
シルイタコネート、ジ2−エチルへキシルイタコネー
ト、ジシクロへキシルイタコネート、ジメトキシエチル
イタコネート、ジエトキシエチルイタコネート、ジアリ
ルイタコネート、アリルエチルイタコネート、ジベンジ
ルイタコネート、ジクロロベンジルイタコネート、ジメ
チルベンジルイタコネート、アリルベンジルイタコネー
ト、ジフェニルイタコネート等のイタコン酸ジエステ
ル;モノメチルイタコネート、モノエチルイタコネー
ト、モノイソプロピルイタコネート、モノn−ブチルイ
タコネート、モノs−ブチルイタコネート、モノイソブ
チルイタコネート、モノ2−エチルへキシルイタコネー
ト、モノシクロへキシルイタコネート、モノメトキシエ
チルイタコネート、モノエトキシエチルイタコネート、
モノアリルイタコネート、モノベンジルイタコネート、
モノクロロベンジルイタコネート、モノフェニルイタコ
ネート等のイタコン酸ハーフエステル;
【0019】酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ジビニルフ
タレート、アジピン酸ジビニル等のビニルモノマー;酢
酸アリル、安息香酸アリル、トリメリット酸トリアリル
等のモノ又はトリアリルモノマー;エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2
−メタクリロキシエトキシ)エトキシ]プロパン、2,
2−ビス[4−(2−メタクリロキシエトキシ)ジエト
キシ]プロパン、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)ア
クリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シ
クロへキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、アリル(メタ)アクリレート、クロロベンジル
(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリ
レート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、各種ウレ
タンポリ(メタ)アクリレート、グリセロイル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げら
れる。これらの共重合可能なモノマーは単独又は二種以
上の混合物として用いることができる。前記他のビニル
モノマーを使用する際の使用量としては、モノマー組成
物全体に対して30重量%以下とするのが好ましい。
【0020】本発明の透明性樹脂の製造方法では、モノ
マー組成物にさらに紫外線吸収剤、フォトクロミック染
料、着色剤、離型剤、酸化防止剤、抗菌剤等の添加剤を
通常使用する範囲で用いることができる。特に硬化物の
光劣化を抑制するために紫外線吸収剤を使用するのは有
効で、ベンゾトリアゾ−ル系の紫外線吸収剤が用いら
れ、具体的には、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル
フェニル)−ベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロ
キシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−3'−
t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−
ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリアゾ−ル、2−
(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−ベンゾトリアゾ−ル、2−(2'−ヒドロキシ−
5'−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾ−ル、2
−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)−
ベンゾトリアゾ−ル等が挙げられ、これらの単独又は2
種以上の混合物として用いることができる。また、紫外
線吸収剤は前記ベンゾトリアゾ−ル系化合物のみでもよ
いが、必要に応じてヒドロキシベンゾフェノン系化合物
やサルチル酸エステル系化合物等の他の紫外線吸収剤を
併用することもできる。紫外線吸収剤のプラスチック光
学材料用単量体組成物中に占める割合は、通常は、10
0〜10000ppmであり、好ましくは1000〜5
000ppmである。
【0021】本発明の透明樹脂の製造方法では、前記ジ
アリル化合物を含むモノマー組成物を硬化させるために
特定のラジカル重合開始剤を用いることを特徴とし、具
体的にはジノルマルアルキルぺルオキシジカーボネート
化合物を用いる。ジノルマルアルキルぺルオキシジカー
ボネート化合物は、アルキル基が直鎖のぺルオキシジカ
ーボネート化合物であり、例えば、ジエチルペルオキシ
ジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボ
ネート、ジ−n−ブチルへキシルペルオキシジカーボネ
ート、ジ−n−へキシルペルオキシジカーボネート、ジ
ミリスチルペルオキシジカーボネートが挙げられる。ま
た、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート
のようにアルキル基がアルキレンオキシド基であっても
良い。さらに、前記ジノルマルアルキルぺルオキシジカ
ーボネートの中でも短鎖長のジノルマルアルキルぺルオ
キシジカーボネートが好ましく、特に、ジ−n−プロピ
ルペルオキシジカーボネートが好ましい。これらは単独
又は2種以上を混合して用いることができる。
【0022】ラジカル重合開始剤の添加量は、モノマー
組成物に対して、通常0.01〜10重量%であり、好
ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜5
重量%である。この量が0.01重量%未満では硬化が
不十分であり、10重量%を超えると硬化後の光学材料
に着色や歪みを生じる傾向にある。
【0023】本発明の製造法で透明樹脂を得る場合は、
まず、原料モノマー中にラジカル重合開始剤を添加す
る。得られた混合物を金属製、ガラス製、プラスチック
製等の所望のレンズ形状の型に注入し、加熱する。この
加熱によりモノマーは重合し、硬化後、無色透明で溶媒
に不溶の架橋型の樹脂塊(プラスチック光学材料)を形
成する。そして、樹脂塊を脱型することにより得られる
レンズは無色透明で溶媒に不溶である。
【0024】重合は、30〜100℃の範囲で5〜72
時間、好ましくは10〜36時間にわたって行われる。
重合温度は30〜100℃の範囲で徐々に上昇させても
よい。脱型後のレンズを窒素又は空気雰囲気下、80〜
120℃の温度で1〜5時間アニーリング処理すること
が好ましい。また他の方法としては、一旦原料を硬化さ
せて、得られた透明樹脂から所望のレンズ形状に切削加
工して得ることもできる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例とともに示し
て詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。製造例1〜4、実施例1〜16及び比較例1
〜9の組成を表1〜3に示す。表中の略号は次の化合物
名を示す。 (モノマー) DAIP;ジアリルイソフタレート、 DATP;ジアリルテレフタレート、 P−DAIPE ;イソフタル酸−エチレングリコール
ポリエステルオリゴマーのジアリルエステル、 P−DAIPP;イソフタル酸−プロピレングリコール
ポリエステルオリゴマーのジアリルエステル、 CR−39;ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ート(旭ペンケミカル株式会社製)、 DBzM;ジベンジルマレート、 DBzI;ジベンジルイタコネート、 DEM;ジブチルマレート。 (紫外線吸収剤) S−MBT;2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェ
ニル)−ベンゾトリアゾ−ル、 S−OBT;2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチ
ルフェニル)−ベンゾトリアゾ−ル、 (ラジカル重合開始剤) NPP;ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、 DEP;ジエチルペルオキシジカーボネート、 MSP;ジミリスチルペルオキシジカーボネート、 IPP;ジイソプロピルペルオキシジカーボネート。
【0026】製造例1 P−DAIPEの製造 撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込みキャピラリー管、コ
ンデンサーを付した1Lの4つ口フラスコにDAIP6
00g、エチレングリコール80g、ジブチルスズオキ
サイド0.1gを仕込んで、窒素気流下180℃に加熱
し、3時間生成してくるアリルアルコールを留出させ
た。さらに20mmHgに減圧し、3時間アリルアルコ
ールを留出させた。反応液は大量のシクロヘキサン溶媒
中に添加し、オリゴマー体を抽出分離した後脱溶媒し目
的物を得た(P−DAIPE)。得られたオリゴマーの
1−NMR測定では、アリル基については4.85p
pmに−C 2−CH=CH2由来、5.30、5.43
ppmに−CH2−CH=C 2由来、5.99ppmに
−CH2−C=CH2由来のピークが確認され、7.5
3、8.25、8.80ppmにイソフタル酸の芳香環
水素由来のピークが確認され、4.0〜4.6ppmに
−OC 2 2O−由来のピークが確認された。また、
THFに溶解しGPCにて分子量、その分布を測定し
た。化合物は、式(1)においてR1がブチレン基であ
り、x=1である化合物54重量%、x=2である化合
物29重量%、x=3である化合物12重量%、x=4
〜20である化合物5重量%の混合物であった。
【0027】製造例2 P−DAIPPの製造 P−DAIPPは昭和電工(株)製BA−901を常法
によりシクロヘキサンにより抽出精製して得た。H1
NMR測定では、アリル基については4.87ppmに
−C 2−CH=CH2由来、5.31、5.44ppm
に−CH2−CH=C 2由来、5.92ppmに−CH
2−C=CH2由来のピークが確認され、7.52、
8.25、8.81ppmにイソフタル酸の芳香環水素
由来のピークが確認され、プロピレン基については、
1.22ppmに−C 3由来、4.0〜4.7ppm
に−OC 2CH(CH3)−由来、4.9〜5.2pp
mに−OCH2(CH3)−由来のピークが確認され
た。また、THFに溶解しGPCにて分子量、その分布
を測定した。化合物は、式(1)においてRがプロピ
レン基であり、x=1である化合物49%、x=2であ
る化合物29%、x=3である化合物15%、x=4〜
20である化合物7%の混合物であった。
【0028】実施例1〜16 表1、2の各実施例の組成になるように各単量体又は所
定の紫外線吸収剤を溶解させた各単量体混合物20g
に、各ラジカル重合開始剤として0.64g又は0.6
6gを添加し、その組成物を、直径7cmの2枚のガラ
ス製円板と厚さ2mmのエチレン−プロピレンラバー製
ガスケットからなる型に注入した。その後、プログラム
温度コントローラー付熱風恒温槽中で、30℃から10
0℃まで18時間かけて昇温した。引き続き金型を10
0℃で2時間保持した。その後、金型を40℃まで2時
間かけて冷却した。これにより金型中の組成物は硬化
し、脱型により円盤状の樹脂が得られた。その樹脂塊を
さらに100℃で2時間にわたってアニーリング処理を
行い、硬化された樹脂板を得た。
【0029】評価試験 得られた樹脂板の性質は、下記の各試験方法により評価
した。結果を表1、2に示す。 (1)光線透過率および黄色度 日本電色工業(株)製透過率光度計を用い、JIS K
7105に従い光線透過率を測定した。また、同時に
黄色度(b値)も測定した。 (2)屈折率及びアッベ数 樹脂板から切り出した1cm×1.5cmの試験片につ
いて、アタゴ製アッベ屈折計を用い25℃で測定した。 (3)比重 JIS K 7112に従い、水中置換法により25℃
における試験片の比重(g/cm3)を測定した。 (4)耐衝撃性 重量16g、22g、32g、44g、66gのスチー
ル製ボールを軽い方から順次127cmの高さから樹脂
板上に自然落下させ、樹脂板が破損するスチール製ボー
ルの重量を調べた。 (5)耐熱性 粘弾性測定装置(東洋ボールドウィン社製、製品名:レ
オバイブロン)を用いて、樹脂板から切り出した1cm
×4cmの試験片について動的粘弾性を測定した。その
tanδの最大を示す温度をガラス転移温度(Tg)と
して耐熱性の指標とした。 (6)染色性 試験片をブラウン色の染色浴中に92℃で10分浸漬
し、染色後の光線透過率を日本電色工業(株)製透過率
光度計で測定した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】比較例1〜8 比較例1〜8として、実施例2、3、7、11、12に
ついて、ラジカル重合開始剤としてそれぞれジイソプロ
ピルペルオキシカーボネート(IPP)、アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)、t−ブチルペルオキシオ
クトエート(PO)、ベンゾイルペルオキシド(BP
O)を同量使用した以外は同様にして硬化させて、試験
片を準備し、その試験片について物性を試験した。結果
を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】以上のように、本発明の透明樹脂の製造法
によれば、特定のラジカル重合開始剤を用いるため、一
般的にラジカル重合可能なアリル系化合物の硬化重合に
使用されるジイソプロピルペルオキシカーボネートに比
べ、硬化物において着色度が抑えられる上に耐衝撃性も
向上することがわかる。また、その他のラジカル重合開
始剤に比べても、硬化物の着色度、耐衝撃性および硬化
状態等の総合的な性能において優れた性能を有する硬化
物を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、無色透明で、
歪みのない優れた光学特性を有し、さらにレンズに要求
される耐衝撃性、耐熱性、染色性等の諸物性にも優れて
いる透明樹脂を製造できる。本発明の製造法で得られる
透明樹脂は、無色透明で、歪みのない優れた光学特性を
有し、さらにレンズに要求される耐衝撃性、耐熱性、染
色性等の諸物性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J015 BA08 4J027 AB01 AB02 AB04 AB15 AB18 AB23 BA17 BA22 CB03 CC02 CD04 4J100 AG69P AG69Q AG70P AH07P AH07Q BA07P BA07Q BA21P BA21Q BC43P BC43Q CA01 CA04 CA05 CA23 FA03 JA32 JA33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアリル化合物を含むモノマー組成物を
    ラジカル重合させるに際し、ラジカル重合開始剤として
    ジノルマルアルキルペルオキシジカーボネートを使用す
    ることを特徴とする透明樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジアリル化合物がジアリルフタレート、
    下記式(1)で示されるジアリルエステルオリゴマー、
    下記式(2)で示されるエチレングリコールビスアリル
    カーボネートから選ばれる少なくとも1種である請求項
    1に記載の透明樹脂の製造方法。 【化1】 (式中R1は、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、P
    hは、フェニレン基を示し、xは、1〜20の整数を示
    す。) 【化2】 (式中yは2〜5の整数を示し、zは、1〜4の整数を
    示す。)
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の方法で製造されたレン
    ズ用透明樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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