JPH10513574A - 眼のレンズ - Google Patents
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- JPH10513574A JPH10513574A JP8523960A JP52396096A JPH10513574A JP H10513574 A JPH10513574 A JP H10513574A JP 8523960 A JP8523960 A JP 8523960A JP 52396096 A JP52396096 A JP 52396096A JP H10513574 A JPH10513574 A JP H10513574A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、屈折率が1.498〜1.505の眼のレンズに関し、それは分子中に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)の少なくとも1つを60〜99重量%、少くとも1つのジアリルフタレートタイプのオリゴマーを0.05〜5重量%、コモノマーを0〜20重量%、及びラジカル開始剤を0.01〜10重量%含む組成物の硬化生成物である。これらの眼のレンズは、他のレンズ特性、例えば黄色度指数及びバーコール硬度を顕著に変化させること無く、それらが製造される間の型の損傷の減少効果がある。本発明は、眼のレンズの製造方法及び眼のレンズの製造におけるジアリルフタレートタイプのオリゴマーの使用方法にも関する。
Description
【発明の詳細な説明】
眼のレンズ
本発明は眼のレンズ、眼のレンズの製造方法、及び眼のレンズにおけるジアリ
ルフタレートタイプのオリゴマーの使用方法に関する。
光学素子、例えば窓、プリズム、カメラ、テレビ画面、望遠鏡、及び眼のレン
ズ等において、近年、有機ガラスは無機ガラスを置き換え始めている。用語、眼
のレンズ、は矯正用レンズ並びに非矯正用レンズ、例えばサングラスを指す。有
機ガラスは無機ガラスよりも、より軽い重量、及びより高い安全性、例えばより
良い耐衝撃性などを含むいくつかの好ましい特性を有する。
有機ガラスに使用されている従来からの材料は、ポリスチレン樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート樹脂、及びポリカーボネート樹脂を含む。しかし、これらのポ
リマーはそれぞれの不利な点を有する。例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂
は、湿気の高い吸収を起こし易く、それはその形状と屈折率を変化させる。又、
ポリスチレン樹脂とポリカーボネート樹脂も、複屈折、光散乱、及び経時的な透
明性の損失を起こすという欠点がある。さらに、ポリメチルメタクリレートとポ
リスチレンは引掻きにも耐えず、溶媒にも耐えない。
多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)のラジカ
ル重合の生成物から成る有機ガラスも又、例えば欧州特許願0 473 163 号により
知られる。これらのポリマーは上述した不利な点を有しない。しかし、多価アル
コールのポリ(アリルカーボネート)を眼のレンズに応用すると、他の問題、す
なわち型の損傷が起きる。
眼のレンズは、2つのガラスの型の間でモノマーを重合させることによって作
られる。型は注型成形の後洗浄されなければならず、そのような洗浄は通常、強
アルカリ液又は強酸を用いて遂行され、ガラスは、金属と異なり、それに良く耐
えることができるという理由から、ガラスは好ましい物質である。さらにガラス
は容易に研磨され、そして非常に低い表面粗さまで磨かれることができる。
重合工程には、収縮が伴われる。しかし、注型レンズはガラス表面のカーブを
完全に型取るものでなければならない。このことは、重合中におけるモノマーの
ガラス型への良い接着を要求する。
モノマーの重合後、レンズはガラス型から外されなければならない。実際には
、この工程は以下のようである。すなわち、型がくさびでこじあけられる。この
工程で非常に大きなエネルギーが解放され、時々衝撃さえも起こす。
そのような力による離型は、いつもガラス型の損傷をもたらす。ガラスの一部
分が引き抜かれ、ガラス型を使用に適しなくする。これは、レンズの製造におい
て無秩序に起きる現象である。普通、これは製造量の数パーセントに影響を及ぼ
す。
そのような型の損傷は、製造者にとって主な出費項目である。簡易な型(例え
ば、シングルビジョンレンズ)はどちらかといえば安いが、半仕上げレンズ(例
えば、複焦点レンズ又は進行性レンズなど)用の型は大変高価である。
実際上レンズの製造者は、型損傷無しへと工程を最適化するであろう。あまり
に多くの損傷がある場合は、少量の離型剤を加えるという選択がある。しかし、
これはレンズの他の特性、例えば、次工程で施与される耐引掻きコーティングの
接着など、に影響する。従って、離型剤は問題に対する不充分な解決である。
よって、本発明の目的は、最小の型の損傷を伴って製造することができる眼の
レンズを提供することである。多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)か
ら作られるレンズと較べて特性、例えばバーコル硬度や黄色度指数など、の変化
を最小にすることも本発明の目的である。他の目的は、レンズ上に、耐引掻きコ
ーティングを接着の問題無しに施与され得る眼のレンズを提供することである。
本発明のこれら及び他の目的は、以下において詳細に説明される。
本発明は、
a)分子中に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する多価アルコールの
ポリ(アリルカーボネート)の少なくとも1つを60〜99重量%、
b)少なくとも1つのラジカル開始剤を0.01〜10重量%、
c)コモノマーを0〜20重量%、及び
d)化学式(I)のジアリルフタレートタイプのオリゴマー
(ここで、Xは2〜20の炭素原子を有するジオールから誘導される2価の炭化
水素残基であって、3以上の炭素原子及び3〜10の水酸基を有するポリオール
から誘導される残基で任意的に部分的に置き代えられてもよく、且つn=1〜1
00である)
の少くとも1つを0.05〜5重量%含む組成物の硬化生成物を含むところの屈
折率が1.498〜1.505の眼のレンズに関する。
本発明の眼のレンズの製造における型損傷は、レンズの他の特性に影響を及ぼ
すこと無く、顕著に減少される。本発明の眼のレンズは1.498〜1.505
の屈折率を必要とする。より特には、今日、多価アルコールのポリアリルカーボ
ネートから眼のレンズ(屈折率が1.498)を製造する工業で使用される型は
、同等の屈折率の眼のレンズを与える組成物にのみ適している。同一の型を適用
した場合、屈折率の変更はレンズの能力(power)の変更に帰結
する。高い屈折率レンズとなる組成物は、同等の能力の眼のレンズを得るために
異なる型を必要とする。従って、ある種のオリゴマー、及び任意にコモノマー、
の導入によるレンズの特性の改良は、型を変更する必要がないようにするために
、得られるレンズの屈折率を限定すること無しには達成できない。好ましくは、
本発明の眼のレンズは屈折率が1.498〜1.502である。
日本国特許出願0 3199 218号は、少くとも10重量%のジアリルフタレートタ
イプのオリゴマー、ビニルコモノマー、例えばジエチレングリコールジアリルカ
ーボネート、及びラジカル開始剤を含む硬化し得る組成物を開示する。この組成
物は、例えば高屈折率レンズなどの光学素子に使用され得る。詳細な説明に従え
ば、もっぱらジエチレングリコールジアリルカーボネートに基づく組成物の硬化
生成物は、屈折率が低過ぎ、強力な校正のためには厚いレンズとなる。さらに、
10重量%未満のジアリルフタレートタイプのオリゴマーを含む組成物の硬化生
成物は、耐衝撃性と耐熱性に劣る。加えて、該出願は型損傷の防止の効果につい
ては言及していない。従って、本発明は日本国特許出願0 3199 218号によって開
示されてはいない。該出願は、さらに本発明から離れるように教示さえする。と
いうのは該開示を考慮して、当業者は眼のレンズを製造するのに、10重量%未
満のジアリルフタレートタイプのオリゴマーを含む組成物を選択することはない
と考えられるからでかる。
日本国特許出願0 3054 213号は、日本国特許出願0 3199 218号と類似の組成物
を開示する。該組成物は被覆剤、封止剤、塗料、接着剤、及び光学素子に使用さ
れ得る。この日本国特許出願は眼のレンズについては何ら言及していない。本発
明の効果である型損傷の減少についても開示しない。従って、該日本国特許出願
も本発明を開示しない。
欧州特許出願第0 473 163 号は多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)
と0.01〜1重量%の脂肪族ポリオールを含む液体組成物を開示する。任意に
、モノマー、例えばジアリルフタレート等、が50重量%までの量存在してもよ
い。この組成物はレンズに使用される。ジアリルフタレートタイプのオリゴマー
の使用については言及されていない。多価アルコールのポリ(アリルカーボネー
ト)から眼のレンズを作る際の型の損傷に関する問題についての開示もされてい
ない。
欧州特許出願第0 284 139 号、0 312 091 号及び0 371 040 号、ならびに日本
国特許出願01-244401 号において、とりわけ、ジエチレングリコールビスアリル
カーボネートとジアリルフタレートモノマーから調製する高屈折率のレンズが開
示される。屈折率1.498〜1.505を有する眼のレンズは開示されていな
い。ジアリルフタレートタイプのオリゴマーの使用及び型損傷に関する問題につ
いても開示されていない。従って、これらの刊行物は本発明を開示しない。
最後に、未だ公開されていない国際出願公開WO95/
06266号は、分子内に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する多価
アルコールのポリ(アリルカーボネート)の少くとも1つを60〜99重量%、
少くとも1つのジアリルフタレートタイプのオリゴマーを10重量%未満、コモ
ノマーを0〜20重量%、及びラジカル開始剤を0.01〜10重量%含む組成
物の硬化生成物であるところの屈折率1.50〜1.51の眼のレンズを開示す
る。実施例として例示されているのは、5重量%と9.9重量%のジアリルフタ
レートオリゴマーを含む組成物である。これらの眼のレンズは、改良された色付
け性(tintability)と、重合注型成形の間のプレリリース(prerelease)の減少に
よるそれらの製造における低不良率という効果がある。好ましくは、眼のレンズ
は仕上げされたレンズである。ジアリルフタレートオリゴマーの型の損傷への影
響については言及されていない。
多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)はモノマー又はオリゴマーのい
ずれの形でも用いられることができる。モノマーは通常クロロフォルメートを用
いて作られる。このようにして、ジエチレングリコールジアリルカーボネートは
、ジエチレングリコールビス(クロロフォルメート)とアリルアルコールを、ア
ルカリの存在下で反応させて得られ、これはカークオズマー、化学大辞典(Encyc
lopedia of Chemical Technology)、第3版、John Wiley & Sons、1978年、第2
巻、111頁に記載されている。多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)
のモノマー及びオリゴ
マーはジアリルカーボネートと多価アルコールとのエステル交換反応方法によっ
ても適切に得ることができ、これは欧州特許出願第0 035 304 号に記載されてい
る。このようにして、モノマー又はモノマーとオリゴマーの混合物が、ジアリル
カーボネート試薬と多価アルコールとの比に依存して、得られる。エステル交換
反応において、ジアリルカーボネートを多価アルコールの混合物と反応させるこ
とによって,多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)の混合物を得ること
も可能である。多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)のこれら混合物も
本発明に含まれる。本発明の眼のレンズ用には、多価アルコールのポリ(アリル
カーボネート)のモノマーが好ましい。
多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)の調製において使用される多価
アルコールは、分子内に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する。これ
らのアルコールの例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール
、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ジメタノール
シクロヘキサン、4,8−ビス(ヒドロキシエチル)トリシクロ(5,2,1,
02,6)デカン、α,α´−キシレンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシエチ
ル)トルエン、2,2−(ビス(4−ヒドロキシエチル)フェニル)プロパン、
ペンタエリスリトール、トリメチロ
ールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、及びトリ
ス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートである。以下の多価アルコール、ジエ
チレングリコール、1,4−ジメタノールシクロヘキサン、ペンタエリスリトー
ル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、が好ましい。
ジアリルテレフタレートオリゴマーとその調製は、米国特許第4,959,4
51号より知られ、それは引用によって本明細書に含まれる。ジアリルテレフタ
レートオリゴマーは数種類の方法、例えばエステル交換触媒の存在下で、アリル
アルコールを蒸留によって除きつつ、ジアリルテレフタレート及びジオールを反
応させることによって、又はエステル交換触媒の存在下で、メタノール又はエタ
ノールを蒸留によって除きつつ、ジメチル(又はジエチル)テレフタレート、ジ
オール、及びアリルアルコールを反応させることによって、調製することができ
る。構成部分Xが、ポリオール残基によって部分的に置き代えられる場合は、オ
リゴマーは、ジオールをポリオールと組み合わせて用いることによって、あるい
は化学式Iのオリゴマー及び対応するポリオールをエステル交換触媒の存在下で
加熱することによって合成され得る。ジアリルイソフタレートオリゴマー(化学
式Iのオリゴマーにおいてフェニレン基が1,2−置換のもの)又は化学式Iの
ジアリルフタレートタイプオリゴマーのコオリゴマーは同様の方法で調製され得
る。本発明で好ましいのは、ジアリルテレフタレートオリゴマ
ーの使用である。
本発明の他の好ましい実施態様は、ウイス法に従い測定したよう素価で表した
不飽和度20〜100を有するジアリルフタレートオリゴマーに在る。
ジオールの例は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジメタノールシクロ
ヘキサン、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロ
ヘキサンジオール、p−キシレングリコール、及び、スチレングリコール、そし
て他の脂肪族及び芳香族ジオールである。分枝したジオールの方が直鎖のものよ
り好ましい。そのような分枝したジオールの例は、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,3−ブタンジオー
ル、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ペンタン
ジオール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ヘ
キサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,
2−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール
、2,5−ヘキサンジオール、及び3,4−ヘキサンジオールである。
ポリオールの例は、脂肪族3価アルコール、例えばグリセリン、及びトリメチ
ロールプロパン、ならびに脂肪族多価アルコール、例えばペンタエリスリトール
及びソルビトールである。
コモノマーも、硬化し得る組成物中に20重量%まで任意に存在してよい。こ
れらのコモノマーは、アクリル系、ビニル系、又はアリル系である。例としては
、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ビニ
ルアセテート、ビニルベンゾエート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフ
タレート、ジアリルアジペート、及びトリアリルシアヌレートが含まれる。
本発明の組成物は、0.01〜10重量%の重合開始剤をも含む。開始剤は、
硬化されるべき組成物中に存在する他の成分に可溶であり、且つ30℃〜約10
0℃でフリーラジカルを生成できなければならない。そのような開始剤のいくつ
かの非限定的な例は、有機過酸化物とペルオキシ炭酸塩開始剤、特にジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、
ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジベンゾイルパーオキサイド、
及びt−ブチルパーベンゾエートである。本発明の目的のためには、重合開始剤
が組成物中に1〜8重量%存在することが好ましい。
組成物は、紫外線吸収剤、離型剤、染料、顔料、赤外線吸収剤等として働く1
以上の慣用の添加剤を、好ましくは1重量%以下の含量で含んでもよい。
多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)を含む組成物への大量のジアリ
ルフタレートタイプオリゴマーの添加は、硬化されるべきレンズ組成物及び得ら
れるレンズのいくつかの特性に影響を与える。特に、硬化し得るレンズ
組成物の粘度が、ジアリルフタレートオリゴマーの添加によって増大される。多
量のジアリルフタレートオリゴマーが存在すると紫外線の黄色化効果も増大され
る。0.05〜5重量%を含む組成物ではこのような不利益は生じない。好まし
いのは、0.1〜3重量%、より好ましくは0.2〜2重量%、最も好ましくは
0.2〜1.5重量%、のジアリルフタレートタイプオリゴマーを含む組成物の
硬化生成物であるところの眼のレンズである。
本発明は、上述の組成物の重合注型成形を含む、屈折率1.498〜1.50
5の眼のレンズの製造方法にも関する。重合工程は、通常30〜100℃の実施
温度におけるラジカル開始剤の分解によって生成されるフリーラジカルによって
開始される。これらの条件下では、完全な重合に必要な時間は0.5〜100時
間である。
最後に、本発明は、分子内に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する
多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)の少くとも1つ、ラジカル開始剤
、及び任意にコモノマーを含む組成物の硬化生成物を含む眼のレンズの製造にお
いて、眼のレンズの製造における型の損傷を減少するために、上述した化学式I
のジアリルフタレートタイプオリゴマーの少くとも1つを使用する方法にも関す
る。
本発明は、いかなる意味においても発明を限定すると解されることのない以下
の実施例によってさらに説明される。本発明の範囲は明細書に添付される請求の
範囲に基づき定められる。
実施例
型の損傷は、硬化されたポリマーがガラス型に接着することによって生じる。硬
化されたポリマーのガラスへの接着は、引張り試験機によって測定することがで
きる。このために、PVCの輪で止められた2枚の平行なガラス板の間で、モノ
マー組成物を重合させた。重合後、PVCの輪をはずし、上側のガラス板を、引
張り試験機で一方の側に引張って解放した(pulled loose on one side)。これは
、2枚のガラス板を互いに引き離すのに必要な力を伸び%に対してプロットした
、図1に示した引張り−伸度グラフを与えた。
ガラス型への接着の良いパラメーターは、解放エネルギー(E−トータル)の
全体量である。これは上記グラフ下部の表面積である。
必要なのは、ジエチレングリコールジアリルカーボネートのみから調製した組
成物(レンズA)のF−オープンに匹敵するF−オープンである。E−トータル
はできるだけ低くなければならない。さらに、バーコール硬度と黄色度指数もレ
ンズAの当該特性に匹敵しなければならない。最後に硬化されるべき組成物の粘
度は低くなければならず、得られるレンズの屈折率は1.498〜1.505で
なければならない。実施例1〜6及び比較例A及びB
ジエチレングリコールジアリルカーボネートと、ジアリ
ルテレフタレートオリゴマー(AEO、以下の説明を参照せよ)と、2.7重量
%のジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)を、溶液全体を100
%として、混合し、透明で均一な溶液を得た。該混合物を、ガスの発生が停止す
るまで、約20mbarで約15分間脱気した。ガラス型アセンブリを該混合物
で満たした。温度を45℃から80℃まで指数関数的に上昇させて、重合サイク
ル21時間として、オーブン中で重合させた。
AEO=昭和電工製、ジアリルテレフタレートオリゴマー
ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)オキシカルボニル 1,4
−フェニレンカルボニル]α−[4−((2−プロペニルオキシ)カルボニル)
ベンゾイル]ω−(2−プロペニルオキシ)、すわなち化学式Iのオリゴマーで
あって、Xがメチル−1,2−エタンジイル、
表1は、重合させた組成物を列挙し、組成物中のAEOの存在量及び得られたレ
ンズの特性、例えばバーコール硬度(BH)及びASTM D1925−70に
従い測定した黄色度指数、F−オープン、E−トータル、及び屈折率に言及する
。
表1のE−トータルの結果により、本発明の組成物を含むレンズは、他の特性
、例えば黄色度指数及びバーコール硬度、が影響されることなく型損傷の顕著な
減少をもたらすであろうことが示される。レンズBに帰結した組成物は、本発明
のレンズにおいて採用するには高すぎる粘度を有する。また、レンズBの屈折率
は本発明には高すぎる。実施例7及び比較例C及びD
実施例1〜6で述べた方法に従い、組成物を調製した。しかし、比較例DではA
EOの代わりに、モノマー、すなわちジアリルテレフタレート(DATP)を用
いた。結果を表2に列挙する。
表2の結果により本発明の組成物を含むレンズは、先行技術において知られる
レンズDと比較して、型損傷の顕著な減少をもたらすであろうことが示される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.分子中に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する多価アルコールの ポリ(アリルカーボネート)の少なくとも1つを60〜99重量%、少なくとも 1つのラジカル開始剤を0.01〜10重量%、及びコモノマーを0〜20重量 %含む組成物の硬化生成物を含むところの屈折率が1.498〜1.505の眼 のレンズにおいて、化学式(I)のジアリルフタレートタイプのオリゴマー (ここで、Xは2〜20の炭素原子を有するジオールから誘導される2価の炭化 水素残基であって、3以上の炭素原子及び3〜10の水酸基を有するポリオール から誘導される残基で部分的に置き代えられていてもよく、且つn=1〜100 である) の少くとも1つが組成物中に0.05〜5重量%存在することを特徴とする眼の レンズ。 2.組成物中にジアリルフタレートタイプのオリゴマーが0.1〜3重量%存在 することを特徴とする請求項1の眼 のレンズ。 3.組成物中にジアリルフタレートタイプのオリゴマーが0.2〜2重量%存在 することを特徴とする請求項2の眼のレンズ。 4.ジアリルフタレートタイプのオリゴマーが、ウイス法に従い測定されるよう 素価20〜100の不飽和度を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ か1つの眼のレンズ。 5.ジアリルフタレートタイプのオリゴマーが、ジアリルテレフタレートタイプ のオリゴマーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つの眼のレン ズ。 6.多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)が、組成物中においてモノマ ーの形で存在することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つの眼のレンズ 。 7.多価アルコールのポリ(アリルカーボネート)のモノマーがジエチレングリ コールジアリルカーボネートであることを特徴とする請求項6の眼のレンズ。 8.分子中に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する多価アルコールの ポリ(アリルカーボネート)の少な くとも1つを60〜99重量%、少なくとも1つのラジカル開始剤を0.01〜 10重量%、及びコモノマーを0〜20重量%含む硬化し得る組成物を、30〜 100℃で、0.5〜100時間、重合注型成形することを含むところの、屈折 率が1.498〜1.505の眼のレンズの製造方法において、0.05〜5重 量%の、少くとも1つの化学式(I)のジアリルフタレートタイプのオリゴマー (ここで、Xは2〜20の炭素原子を有するジオールから誘導される2価の炭化 水素残基であって、3以上の炭素原子及び3〜10の水酸基を有するポリオール から誘導される残基で部分的に置き代えられていてもよく、且つn=1〜100 である)の存在下で、重合注型成形が遂行されることを特徴とする眼のレンズの 製造方法。 9.分子中に2〜20の炭素原子及び2〜6の水酸基を有する多価アルコールの ポリ(アリルカーボネート)、ラジカル開始剤、及び任意にコモノマー、を含む 組成物の硬物物を含む眼のレンズの製造において、眼のレンズの製造中の型の損 傷を顕著に減少させるために、化学式(I)のジ アリルフタレートタイプのオリゴマー (ここで、Xは2〜20の炭素原子を有するジオールから誘導される2価の炭化 水素残基であって、3以上の炭素原子及び3〜10の水酸基を有するポリオール から誘導される残基で部分的に置き代えられていてもよく、且つn=1〜100 である)を使用する方法。
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