JP2003063867A - セラミックコンデンサ及びその誘電体組成物並びにその製造方法 - Google Patents

セラミックコンデンサ及びその誘電体組成物並びにその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い比誘電率並びに優れた電気的及び機械的
な特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電
体組成物及びこの誘電体組成物を用いたセラミックコン
デンサを提供する。 【解決手段】 主成分の組成が、(Ba1−xMex)
k(Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び
/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦
k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数
値)で表わされる主成分の物質に、副成分物質として、
SiとMnとCrとの酸化物等の第一の添加物と、Sc
およびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
bおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸
化物を1種または2種以上含有する第二の添加物とを混
合、焼成されているセラミックコンデンサ及びその誘電
体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セラミックコン
デンサの誘電体層の材料として好適な誘電体組成物とこ
の誘電体組成物を誘電体層に有するセラミックコンデン
サに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子回路の小型化、高密度化に伴
い、積層セラミックコンデンサも小型化、大容量化が強
く求められている。それらを解決する方法として誘電体
層を薄膜或いはできるだけ薄い誘電体層にする手法があ
るが、その際、誘電体層に用いられる誘電体組成物とし
ては比抵抗や機械的強度が高いことが望ましい。
【0003】また、積層セラミックコンデンサ等に用い
られる誘電体組成物は、還元性の雰囲気下で焼成すると
還元され、半導体化するという性質を有している。この
ため、還元性の雰囲気下と異なる高い酸素分圧化におい
て焼成しても酸化されないような内部電極、例えば、パ
ラジウム、白金、銀−パラジウム等の貴金属材料がこれ
に用いられてきた。
【0004】しかし、これらの貴金属は高価であるため
積層セラミックコンデンサの低価格化、高容量化を図る
上で妨げとなっていた。
【0005】内部電極の材料としてNi(ニッケル)な
どの卑金属を用いた場合、内部電極の酸化を防止するた
めには、誘電体組成物と内部電極とを交互に積層した積
層体の焼成を還元雰囲気中で行わなければならない。
【0006】しかし、還元雰囲気中で焼成すると、上述
のように誘電体層が還元され、比抵抗が低下するなど、
セラミックコンデンサとしての所望の電気特性が得られ
ないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、高い比誘
電率並びにその他の優れた電気的特性及び優れた機械的
特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電体
組成物及びこの誘電体組成物を用いたセラミックコンデ
ンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、主成
分の組成が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTi
y)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは
0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは
0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物
質からなり、副成分物質が少なくともSiの酸化物とM
nの酸化物とCrの酸化物とであることを特徴とする誘
電体組成物(但し、Siはシリコン、Mnはマンガン、
Crはクロムを表す)である。
【0009】このような組成の誘電体組成物は還元雰囲
気中において焼結し、静電容量の温度係数が安定した範
囲にあり、比誘電率及び比抵抗が高く、抗折強度も良好
な特性を有した非還元性の誘電体組成物として提供する
ことができる。
【0010】請求項2の発明は、誘電体組成物からなる
1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している
内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前
記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex)k(Zr
1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はS
r、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.
1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わ
される主成分物質に少なくとも副成分物質として、Si
の酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを有した誘電
体組成物であることを特徴とするセラミックコンデンサ
である。
【0011】このようなセラミックコンデンサは、上述
のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優
れた機械的特性を有した誘電体組成物を用いているの
で、誘電体層を薄膜や薄層化し、セラミックコンデンサ
の小型化と大容量化とを図ることができる。
【0012】請求項3の発明は、主成分物質の組成が、
(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O3(但
し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質に、
副成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの酸化
物とCrの酸化物とをSi、Mn及び/又はCrの酸化
物或いはSi、Mn及び/又はCr水酸化物又は酢酸
塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加
え、これらの物質を非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲
気中で混合焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理すること
により、焼成物とし、該焼成物中における上記組成中の
Meと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.
95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比k
の値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Z
r)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にした
誘電体組成物の製造方法である。
【0013】このような誘電体組成物の製造方法を用い
ることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、高い
比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械的特性を有し
た誘電体組成物を製造し、高性能のセラミックコンデン
サの提供を実現することができる。
【0014】請求項4の発明は、主成分の組成が、(B
a1−xMex)k(Zr1−yTiy)O3、(但
し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、
該主成分の物質に副成分物質として少なくともSiの酸
化物とMnの酸化物とCrの酸化物とをSi、Mn及び
/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCr水
酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいず
れかの形態で添加し、これらを混合焼成して得られる誘
電体組成物であって、該誘電体組成物中におけるMeと
(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の
範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が
0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との
比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、
該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.
5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの
酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0a
tm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、
0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にある誘
電体組成物である。
【0015】このような組成の誘電体組成物は還元雰囲
気中において1250℃以下で焼結し、25℃基準で1
25℃の静電容量の温度係数が±30ppm/℃の範囲
にあり、25℃での比誘電率が35以上、150℃での
比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上、抗折強度が1
4000kgf/mm2(キログラム重/平方ミリメー
トル)以上の特性を有した非還元性の誘電体組成物とし
て提供することができる。
【0016】請求項5の発明は、誘電体組成物からなる
1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している
内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前
記誘電体組成物が、(Ba1−xMex)k(Zr1−
yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、
xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、
yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされ
る主成分物質と、副成分物質として少なくともSiの酸
化物とMnの酸化物とCrの酸化物を有し、該誘電体組
成物の中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%
≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合
tが0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Cr
の酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.
5atm%の範囲にある誘電体組成物として前記誘電体
層に配されているセラミックコンデンサである。
【0017】このようなセラミックコンデンサは、上述
のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優
れた機械的特性を有した誘電体組成物を用いているの
で、誘電体層を薄膜や薄層化し、セラミックコンデンサ
の小型化と大容量化とを図ることができる。
【0018】請求項6の発明は、誘電体組成物からなる
1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している
内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前
記誘電体組成物が、(Ba1−xMex)k(Zr1−
yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、
xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、
yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされ
る物質からなる主成分物質と、少なくとも副成分物質と
してSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物からな
り、誘電体組成物は、該誘電体組成物中のSiの酸化物
の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%
の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%
≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合
uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲の
誘電体組成物として誘電体層に配され、かつ、前記内部
電極が卑金属を主成分とする金属で形成されていること
を特徴とするセラミックコンデンサである。
【0019】このようなセラミックコンデンサは、コン
デンサの性能の低下を抑制しつつセラミックコンデンサ
の内部電極に卑金属材料を用いてセラミックコンデンサ
の低価格化を実現することができる。なお、内部電極を
形成する卑金属としてNi(ニッケル)を用いている
が、これ以外に、Ni合金、Cu(銅)、Cu合金、そ
の他の卑金属を使用することもできる。
【0020】請求項7の発明は、主成分物質の組成が、
(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O3(但
し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる主成分物
質と、副成分物質として少なくともSiの酸化物とMn
の酸化物とCrの酸化物とをSi、Mn及び/又はCr
の酸化物或いはSi、Mn及び/又はCr水酸化物又は
酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態
の混合物として非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中
で焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理して、焼成物と
し、該焼成物中におけるMeと(Me+Ba)との比x
の値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と
(Zr+Ti)との比kの値を、0.9≦k≦1.1の
範囲、Tiと(Ti+Zr)との比をyの値を0.02
≦y≦0.1の範囲にし、かつ、前記誘電体組成物中の
Siの酸化物の含有割合sを0.5atm%≦s≦2.
0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tを0.5
atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の
含有割合uを0.06atm%≦u≦0.5atm%の
範囲にした誘電体組成物の製造方法である。
【0021】このような誘電体組成物の製造方法を用い
ることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、上述
のように高い比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械
的特性を有した誘電体組成物を製造し、高性能のセラミ
ックコンデンサの提供を実現することができる。
【0022】請求項8の発明は、主成分の組成が、(B
a1−xMex)k(Zr1−yTiy)O3、(但
し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、
該主成分の物質に副成分物質として少なくともSiの酸
化物とMnの酸化物とCrの酸化物とをSi、Mn及び
/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCr水
酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいず
れかの形態で添加する第一の添加物と、Sc(スカンジ
ウム)およびY(イットリウム)を含む希土類元素(L
a、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb
(ニオブ)、Mo(モリブデン)、Ta(タンタル)お
よびW(タングステン)の酸化物を1種または2種以
上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは
硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加物
とを添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成
物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+
Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、
(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9
≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの
値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電
体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5at
m%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物
の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%
の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06
atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、Scおよ
びYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb
およびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化
物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割
合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にあ
る誘電体組成物である。
【0023】但し、Laはランタン、Ceはセリウム、
Prはプラセオジウム、Ndはネオジウム、Smはサマ
リウム、Euはユウロピウム、Gdはガドリニウム、T
bはテルビウム、Dyはジスプロシウム、Hoはホルミ
ウム、Erはエルビウム、Tmはツリウム、Ybはイッ
テルビウム、Luはルテチウムを表す。
【0024】このような組成の誘電体組成物は還元雰囲
気中において1250℃以下で焼結し、25℃基準で1
25℃の静電容量の温度係数が±30ppm/℃の範囲
にあり、25℃での比誘電率が35以上、150℃での
比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上、抗折強度が1
4000kgf/mm2(キログラム重/平方ミリメー
トル)以上の特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間
が長い非還元性の誘電体組成物として提供することがで
きる。
【0025】請求項9の発明は、誘電体組成物からなる
1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している
内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前
記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex)k(Zr
1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はS
r、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.
1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わ
される主成分物質と、副成分物質として少なくともSi
の酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物を含有する第一
の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、C
e、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、M
o、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有す
る第二の添加物を有し、該誘電体組成物中のSiの酸化
物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm
%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5
atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸
化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5a
tm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素
(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはN
b、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上
含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦
v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物として誘
電体層に配されているセラミックコンデンサである。
【0026】このようなセラミックコンデンサは、上述
のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優
れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が
長い誘電体組成物を用いているので、誘電体層を薄膜や
薄層化し、セラミックコンデンサの小型化と大容量化お
よび高信頼性化を図ることができる。
【0027】請求項10の発明は、誘電体組成物からな
る1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持してい
る内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、
前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex)k(Z
r1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又は
Sr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦
1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で
表わされる物質からなる主成分物質と、少なくとも副成
分物質としてSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化
物からなる第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類
元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるい
はNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種
以上含有する第二の添加物を有し、誘電体組成物は、該
誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5
atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の
含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の
範囲、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%
≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含
む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびL
u)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種
または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが
0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電
体組成物として誘電体層に配され、かつ、前記内部電極
が卑金属を主成分とする金属で形成されていることを特
徴とするセラミックコンデンサである。
【0028】このようなセラミックコンデンサは、コン
デンサの性能の低下を抑制しつつセラミックコンデンサ
の内部電極に卑金属材料を用いてセラミックコンデンサ
の低価格化を実現することができる。なお、内部電極を
形成する卑金属としてNi(ニッケル)を用いている
が、これ以外に、Ni合金、Cu(銅)、Cu合金、そ
の他の卑金属を使用することもできる。
【0029】請求項11の発明は、主成分物質の組成
が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O
3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる
主成分物質と、副成分物質として少なくともSiの酸化
物とMnの酸化物とCrの酸化物とを含有する第一の添
加物を、Si、Mn及び/又はCrの酸化物或いはS
i、Mn及び/又はCr水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若
しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で混合し、Scお
よびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb
およびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化
物を1種または2種以上を含有する第二の添加物を、酸
化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩
等の塩のいずれかの形態で混合し、混合物として非酸化
性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で焼成した後、酸化雰
囲気中で熱処理して、焼成物とし、該焼成物中における
Meと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.
95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比k
の値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Z
r)との比yの値がを0.02≦y≦0.1の範囲に
し、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割
合sを0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、M
nの酸化物の含有割合tを0.5atm%≦t≦3.0
atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uを0.06
atm%≦u≦0.5atm%の範囲にし、Scおよび
Yを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよ
びLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を
1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合v
を0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にあるよ
うにした誘電体組成物の製造方法である。
【0030】このような誘電体組成物の製造方法を用い
ることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、上述
のように高い比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械
的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電
体組成物を製造し、高性能のセラミックコンデンサの提
供を実現することができる。
【0031】請求項12の発明は、主成分の組成が、
(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O3、
(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦
0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y
≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなり、
副成分物質が少なくともSiの酸化物とMnの酸化物と
Crの酸化物とを含有する第一の添加物と、Scおよび
Yを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよ
びLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を
1種または2種以上含有する第二の添加物とであること
を特徴とする誘電体組成物である。
【0032】このような組成の誘電体組成物は還元雰囲
気中において焼結し、静電容量の温度係数が安定した範
囲にあり、比誘電率及び比抵抗が高く、抗折強度も良好
な特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い非還
元性の誘電体組成物として提供することができる。
【0033】請求項13の発明は、誘電体組成物からな
る1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持してい
る内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、
前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex)k(Z
r1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又は
Sr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦
1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で
表わされる主成分物質に少なくとも副成分物質として、
Siの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを含有す
る第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(L
a、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはN
b、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上
含有する第二の添加物とを有した誘電体組成物であるこ
とを特徴とするセラミックコンデンサである。
【0034】このようなセラミックコンデンサは、上述
のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優
れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が
長い誘電体組成物を用いているので、誘電体層を薄膜や
薄層化し、セラミックコンデンサの小型化と大容量化お
よび高信頼性化を図ることができる。
【0035】請求項14の発明は、主成分物質の組成
が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O3
(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質
に、副成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの
酸化物とCrの酸化物とを、Si、Mn及び/又はCr
の酸化物或いはSi、Mn及び/又はCr水酸化物又は
酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態
で加え、これらの物質を非酸化性雰囲気中乃至は還元性
雰囲気中で混合焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理する
ことにより、焼成物とし、該焼成物中における上記組成
中のMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦
0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との
比kの値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+
Zr)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にし
た誘電体組成物の製造方法である。
【0036】このような誘電体組成物の製造方法を用い
ることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、高い
比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械的特性を有
し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電体組成物を
製造し、高性能のセラミックコンデンサの提供を実現す
ることができる。
【0037】ここで、主成分の組成式(Ba1−xMe
x )k(Zr1−yTiy)O3において、Meと
(Me+Ba)との比であるxの値は、0.7≦x≦
0.95が好ましい。xの値が0.95を超えると比誘
電率εsが低下し、また、xの値が0.7未満になると
温度係数TCがマイナス側に大きくなり過ぎるという不
都合を生ずるからである。
【0038】なお、MeはCa及び/又はSrを意味
し、CaとSrは、両材料の組み合わせでも良いし、い
ずれか一方の材料だけでも良い。
【0039】また、主成分の組成式(Ba1−xMe
x)k(Zr1−yTiy)O3において、(Ba+M
e)と(Zr+Ti)との比kの値は、0.9≦k≦
1.1が好ましい。kの値が0.9未満になったり、
1.1を超えると誘電体組成物を積層した積層体の焼結
性が悪化し、1250℃以下で緻密な焼結体が得られな
くなるからである。
【0040】また、主成分の組成式(Ba1−xMe
x)k(Zr1−yTiy)O3において、Tiと(T
i+Zr)との比yの値は、0.02≦y≦0.1が好
ましい。yの値が0.02未満になると比誘電率εsが
低下し、また、yの値が0.1を超えると温度係数TC
がマイナス側に大きくなり過ぎるという不都合を生ずる
からである。
【0041】誘電体組成物中におけるSiの酸化物 の
含有割合であるsは、0.5atm%≦s≦2.0at
m%が望ましい。sが0.50atm%未満になると、
積層体の焼結性が悪化し、2.0atm%を超えると、
焼結性を阻害し積層体の強度が低下するからである。
【0042】また、誘電体組成物中におけるMnの酸化
物の含有割合tは、0.5atm%≦t≦3.0atm
%が望ましい。tが0.5atm%未満になると、積層
体の焼結性が悪化し、3.0atm%を超えると、積層
体の強度が低下するためである。
【0043】また、誘電体組成物中におけるCrの酸化
物の含有割合uは、0.06atm%≦u≦0.5at
m%が望ましい。0.06atm%未満になると、積層
体の強度が低下し、0.5atm%を超えると、150
℃における比抵抗が低下するためである。
【0044】また、誘電体組成物中におけるScおよび
Yを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよ
びLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を
1種または2種以上含有する割合vは、0.2atm%
≦v≦1.0atm%が望ましい。0.2atm%未満
になると、比抵抗の加速寿命時間延長効果が得難くな
り、1.0atm%を超えると、積層体の焼結性が悪化
するためである。
【0045】この発明の誘電体組成物及びセラミックコ
ンデンサの製造方法の一例を説明する。
【0046】誘電体組成物の原材料として、MeCO
3、BaCO3、ZrO2、TiO2等を秤量して、焼
成後の主成分物質の組成が、(Ba1−xMex)k
(Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/
又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k
≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)
で表わされる物質となるように混ぜるとともに、この原
材料を分散媒、水、ビーズの入った容器に入れて混合
し、これらの主成分物質を粉砕し、混合させつつ微細粉
末化する。主成分物質が均質に微細粉末化され混合され
たら、これを容器から取り出し、乾燥させた後、約12
00℃で仮焼成して誘電体のベース材を作る。
【0047】次に、この主成分物質のベース材に副成分
物質として、Si酸化物とMn酸化物とCr酸化物とを
含有する第一の添加物が上述した所定の含有量の範囲で
得られるように、SiO2等のSiの酸化物その他のS
iの酸化物及び/又は水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若し
くは硫酸塩等の塩をこれらのいずれかの形態で加え、M
n2O3等のMnの酸化物その他のMnの酸化物及び/
又は水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩
をこれらのいずれかの形態で加え、Cr2O3等のCr
の酸化物その他のCrの酸化物及び/又は水酸化物、酢
酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩をこれらのいずれか
の形態で秤量して加え、第二の添加物として、Scおよ
びYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、S
m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb
およびLu)、Nb、Mo、Taあるいは、Wの酸化物
のうちの1種または2種以上を、酸化物或いは水酸化物
又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの
形態で上述した所定の含有量の範囲で得られるように秤
量して加え、これらを分散媒、水、ビーズの入った容器
に入れて混合して粉砕し、主成分物質と第一の添加物お
よび第二の添加物からなる副成分物質とを均質に混合さ
せつつ微細粉末化する。
【0048】主成分物質と第一の添加物および第二の添
加物からなる副成分物質とが微細粉末化され均質に混合
されたら、この混合物を容器から取り出し、乾燥させる
と主成分物質と副成分物質とからなる未焼結の磁器粉末
からなる誘電体の混合物材料が得られる。
【0049】この誘電体の混合物材料を、バインダ、溶
剤、分散剤、ビーズの入った容器に入れ、混合、再粉砕
してスラリー化し、このスラリーを、ドクターブレード
法等によって薄膜状のセラミック未焼結シート(セラミ
ックグリーンシート)に成形し、乾燥させて巻き取る。
【0050】この後、セラミック未焼結シート上には、
金属粉末を糊状にした導電ペーストで内部電極のパター
ンを印刷する。
【0051】導電ペーストとしては、樹脂中にNi、N
i合金やCuその他の安価な卑金属粉末を分散させた導
電ペーストが用いられる。
【0052】内部電極が印刷されたセラミック未焼結シ
ートを複数、積み重ねることにより、誘電体層は、積み
重ねられた数の内部電極で挟持された構造のセラミック
シートの積層体が得られる。
【0053】このようにして積み重ねられたセラミック
未焼結シートの積層体は加圧圧着された後、セラミック
コンデンサの大きさの素子(積層体チップ)に分割され
る。
【0054】積層体チップは、さらに、非酸化性雰囲気
中乃至はH2(水素)等が混入されて、やや還元性の雰
囲気となるように調整された雰囲気中において、導電ペ
ースト内の金属が酸化されないようにしつつ、バインダ
ーが加熱除去され、1250℃以下の温度で焼成、焼結
などの熱処理が施される。
【0055】ここで、非酸化性雰囲気乃至は還元性の雰
囲気としては、H2やCO(一酸化炭素)等の還元性雰
囲気のみならず、N2(窒素)やAr(アルゴン)など
の中性雰囲気であってもよい。
【0056】また、非酸化性雰囲気中における焼成温度
は、内部電極の金属材料の種類を考慮して種々変更する
ことができる。Niを内部電極の材料とする場合には、
1050〜1250℃の範囲であればニッケル粒子の凝
集をほとんど生じさせることなく焼成、焼結させること
ができる。
【0057】バインダーが除去された積層体チップは、
さらに、酸化性雰囲気中において熱処理されることによ
りセラミックコンデンサの素子(チップ)が得られる。
【0058】酸化性雰囲気中における熱処理温度は、非
酸化性雰囲気中における焼成温度より低い温度であれば
よく、500℃〜1000℃の範囲が好ましい。
【0059】酸化性雰囲気としては、大気雰囲気に限定
することなく、例えば、N2に数ppmのO2(酸素)
を混合したような低酸素濃度の雰囲気から任意の酸素濃
度の雰囲気を使用することができる。
【0060】どのような温度あるいはどのような酸素濃
度の雰囲気にするかは、内部電極(ニッケル等)の酸化
と誘電体層の酸化とを考慮して種々変更する必要があ
る。
【0061】後述した実施例ではこの熱処理の温度を6
00℃としたが、この温度に限定されるものではない。
【0062】このようにして酸化性雰囲気中において熱
処理されたセラミックコンデンサ素子は、この後、その
端部に外部電極を取付けられてセラミックコンデンサが
得られる。
【0063】また、後述する実施例では、非酸化性雰囲
気中における熱処理と、酸化性雰囲気中における熱処理
を一つの連続した焼成プロファイルの中で行なっている
が、もちろん非酸化性雰囲気中における焼成工程と、酸
化性雰囲気における熱処理工程とを独立した工程に分け
て行なうことも可能である。
【0064】さらにまた、誘電体組成物を形成する出発
原料は、後述する実施例で示したもの以外の、酸化物、
水酸化物又はその他の化合物としてもよい。
【0065】また、外部電極としてNi電極を使用して
いるが、電極焼付け条件を選択することによりNi合
金、Ag(銀)、Cu、Cu合金、Pd(パラジウ
ム)、Ag/Pd(銀パラジウム)等の電極を用いるこ
とができるのはもちろん、Ni外部電極を未焼結積層体
の端面に塗布して積層体の焼成と外部電極の焼付けを同
時に行うことも可能である。
【0066】このようにして焼成、焼結された誘電体組
成物は、主成分の組成が、(Ba1−xMex)k(Z
r1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又は
Sr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦
1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で
表わされる物質からなり、該主成分の物質にSiとMn
とCrとの酸化物等の第一の添加物とScおよびYを含
む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびL
u)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種
または2種以上含有する第二の添加物からなる副成分物
質とを混合、焼成して得られる誘電体組成物であって、
誘電体組成物中におけるSiの酸化物 の含有割合sが
0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸
化物の含有割合tが0.5atm%≦t≦3.0atm
%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが0.06atm
%≦u≦0.5atm%の範囲で、かつ、ScおよびY
を含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、E
u、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybおよび
Lu)Nb、Mo、Ta或いはWの酸化物を1種または
2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2a
tm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物
となる。
【0067】図1は、積層セラミックコンデンサの構成
を模式的に示す断面図である。
【0068】上述のようにして得られた誘電体組成物を
誘電体層1に有するセラミックコンデンサ素子2の端面
に導電ペースト3を焼き付け、内部電極4が誘電体層1
を挟んで外部電極5、5に交互に電気的に連通するよう
に外部電極5を対向して形成させてセラミックコンデン
サが完成する。
【0069】なお、この発明は積層タイプのセラミック
コンデンサ以外の一般的な単層のセラミックコンデンサ
にも勿論適用可能である。
【0070】
【実施例】純度99.9%の炭酸カルシウム(CaCO
3)炭酸ストロンチウム(SrCO3)、炭酸バリウム
(BaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化
チタン(TiO2)を主成分の出発原料として用意し、
これらを混合、焼結した後に得られる誘電体組成物が、
表1の試料No.11および表3の試料No.82に示
された条件を満足するように、各々秤量した。
【0071】ここで、表1、表2(表1の続き)及び表
3(表2の続き)のxの欄は主成分の組成式(Ba1−
xMex)k(Zr1−yTiy)O3におけるMeと
(Me+Ba)との比xを、yの欄は主成分の組成式に
おけるTiと(Ti+Zr)との比yを、kの欄は主成
分の組成式における(Ba+Me)と(Zr+Ti)の
比kを示している。なお、MeはCa及び/又はSrを
意味している。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】次に、これら主成分の出発原料100重量
部とジルコニアボール300重量部と純水300重量部
をポットミルに入れ、湿式で15時間撹拌し、得られた
スラリーをステンレスバットに移し、これを熱風乾燥機
に入れ、150℃で4時間乾燥させた。
【0076】この乾燥によって得られた固形物を粗粉砕
し、得られた粗粉をトンネル炉に入れ、大気雰囲気中に
おいて、1200℃で、2時間仮焼して主成分材料(誘
電体のベース材)を得た。
【0077】次に、試料No.11については、この主
成分材料と副成分物質材料とを混合、焼結した後の誘電
体組成物が表1の試料No.11に示された割合となる
ように各々の材料の量を秤量し、混合した。
【0078】試料No.82についてはこの主成分材料
と副成分物質としての第一の添加物の材料と第二の添加
物の材料とを混合、焼結した後の誘電体組成物が表3の
試料No.82に示された割合となるように各々の材料
の量を秤量し、混合した。
【0079】試料No.11および試料No.82にお
いて、副成分物質の材料の酸化珪素(SiO2)は純度
99%のものを、三二酸化マンガン(Mn2O3)、酸
化クロム(Cr2O3)はいずれも、純度99.9%の
ものを使用した。
【0080】また、添加物質の材料の酸化ホルミウム
(Ho2O3)は、純度99%のものを使用した。
【0081】次に、試料No.11および試料No.8
2、それぞれの誘電体材料100重量部に対して、有機
バインダーとしてポリブチルフタレートを15重量部、
可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)を40重
量部、溶剤としてトルエンを150重量部添加し、ボー
ルミルを用いて15時間、撹拌混合し、スラリーを作成
した。
【0082】次に、このスラリーを真空脱泡機に入れて
脱泡し、このスラリーをリバースコーターによってポリ
エステルフィルム上に薄膜状に塗布し、これを100℃
で乾燥し、厚さ約6μmのセラミック未焼結シート(セ
ラミックグリーンシート)を得た。
【0083】一方、平均粒径0.5μmのNi粉末と、
エチルセルロースをブチルカルビトールに溶解させたも
のとを撹拌器に入れ、十分に混合、混練して内部電極用
の導電ペーストを得た。
【0084】そして、この導電ペーストを用いて、未焼
結シート上に、短冊状の導電パターンをスクリーン印刷
した。この時、導電パターンが、長手方向に約1/3ず
れるよう、2種類の導電パターンを印刷した。
【0085】次に、2種類の導電パターンを印刷した2
種類の未焼結シートを交互に51枚(誘電体50層)積
層し、この積層によって得られた積層物の上下に、導電
パターンが印刷されていない未焼結シートを積層した。
【0086】そして、この積層体を70℃の温度の下で
50MPaの圧力を加えて押圧し、これらを圧着した。
その後、この積層体を格子状に切断し、試料No.11
の積層体チップ(素子)および試料No.82の積層体
チップ(素子)を得た。
【0087】次に、これらの積層体チップを大気雰囲気
中において100℃/時間の速度で600℃まで昇温さ
せ、積層体チップの内部に含まれている有機バインダを
加熱除去させた。そして、炉の雰囲気を大気雰囲気から
H2(2体積%)+N2(98体積%)の混合雰囲気に
切り替え、100℃/時間の速度で1250℃(焼成温
度)まで昇温させ、2時間保持した後、100℃/時間
の速度で600℃まで降温し、雰囲気を大気雰囲気に切
り替え、600℃で30分間保持して酸化処理を行な
い、その後、室温まで冷却した。
【0088】このようにして、積層体チップを焼成し、
電極が露出した状態で焼結された焼結体チップの側面
に、Ni粉末とガラスフリットとビヒクルからなる導電
ペーストを塗布して乾燥し、大気中550℃、15分間
焼き付けてNi電極層を形成する。
【0089】更に、この上に無電解メッキによりCuを
被着させ、この上に電解メッキによりPb−Sn半田層
を被着させて、一対の外部電極を形成して試料No.1
1の積層セラミックコンデンサと試料No.82の積層
セラミックコンデンサを得た。
【0090】なお、得られたそれぞれの積層セラミック
コンデンサは、2mm(L)×1.25mm(W)×1
mm(T)(212タイプ)であり、内部電極の交差面
積は1mm2 、誘電体層の1層当たりの厚みは4μmで
あった。
【0091】次に、完成した積層セラミックコンデンサ
の比誘電率εs 、温度係数TC、比抵抗ρ、抗折強度を
測定したところ、試料No.11の積層セラミックコン
デンサは、表4の試料No.11に示すように、比誘電
率εs が38、温度係数TCが+12、比抵抗ρが2.
19×10の13乗 Ωcm(表4では2.19E+1
3と表示してある。)、抗折強度が15300kgf/
mm2、比抵抗の加速寿命時間が633分であった。
【0092】一方、試料No.82の積層セラミックコ
ンデンサは、表6の試料No.82に示すように、比誘
電率εs が38、温度係数TCが+13、比抵抗ρが
2.40×10の13乗 Ωcm(表6では2.19E
+13と表示してある。)、抗折強度が14900kg
f/mm2、比抵抗の加速寿命時間が1000分以上で
あった。
【0093】なお、電気的特性及び機械的特性は次の要
領で測定した。
【0094】(A)比誘電率εs LCRメータを用い、温度25℃、周波数1MHz、交
流電圧1V(実効値)の条件で、静電容量を測定した。
得られた静電容量と内部電極の交差面積と誘電体層1層
当りの厚みから、比誘電率εs を算出した。
【0095】(B)温度係数TC 25℃および125℃の場合の静電容量を上記のように
して測定し、この静電容量から温度変化に対する容量変
化率を算出した。
【0096】(C)比抵抗ρ 温度150℃、測定電圧100kVの条件から、メガオ
ームメータにより抵抗値を測定し、内部電極の交差面積
と誘電体層1層当たりの厚みから算出した。 (D)抗折強度 グリーンシートのみを積層した積層体を、上述の積層体
チップと同条件で焼成し、試料を作製した。これを用い
て3点曲げ試験を行い、抗折強度(kgf/mm2)を
求めた。
【0097】(E)比抵抗の加速寿命時間 温度200℃にて、60V/μmの直流電界下で加速試
験を行ない、比抵抗が1.00×10の12乗Ωcm以
下になるまでの時間を寿命時間とした。
【0098】以上、試料No.11と試料No.82の
試料の場合について述べたが、試料番号1〜10、12
〜81及び83〜123についても、主成分及び副成分
および添加物の組成及び割合を表1、表2及び表3に示
すように変えた他は、試料No.11および試料No.
82の試料の場合と同様にして積層セラミックコンデン
サを作成し、同一の方法で電気的特性及び機械的特性を
測定した。
【0099】焼成温度及び電気的特性並びに機械的特性
は表4、表5(表4の続き)及び表6(表5の続き)に
示す通りとなった。
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】以上の結果から明らかなように、この発明
に従う試料によれば、還元雰囲気中における1250℃
以下の焼成により、25℃基準で125℃の静電容量の
温度係数TCが−30ppm/℃〜+30ppm/℃の
範囲にあり、25℃での比誘電率εs が35以上、15
0℃での比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上の電気
的諸特性および機械的特性を有する非還元性の誘電体磁
器組成物及びこれを用いたセラミックコンデンサを得る
ことができるものである。
【0104】特に、このような本発明の組成物に、さら
に、ScおよびYを含む希土類元素あるいはNb、M
o、Ta、Wの酸化物の1種または2種以上を添加し、
これらを混合焼成して得らた試料によれば、還元雰囲気
中における1250℃以下の焼成により、25℃基準で
125℃の静電容量の温度係数TCが−30ppm/℃
〜+30ppm/℃の範囲にあり、25℃での比誘電率
εs が35以上、150℃での比抵抗ρが1×10の1
3乗Ωcm以上の電気的諸特性及び抗折強度が1400
0kgf/mm2以上の機械的特性を有し、かつ、比抵
抗の加速寿命時間が長い非還元性の誘電体磁器組成物及
びこれを用いたセラミックコンデンサを得ることができ
るものである。
【0105】次に、この発明に係るセラミックコンデン
サに用いられている誘電体組成物の組成範囲の限定理由
について、実験結果を参照しながら説明する。
【0106】この組成限定理由は、主成分物質と副成分
物質としての第一の添加物と第二の添加物との混合物を
還元雰囲気中において1250℃以下で焼結して得られ
た誘電体組成物が、25℃基準で125℃の静電容量の
温度係数が±30ppm/℃の範囲にあり、25℃での
比誘電率が35以上、150℃での比抵抗ρが1×10
の13乗Ωcm以上、抗折強度が14000kgf/m
m2以上の特性を有した非還元性の誘電体組成物として
提供されるような組成の組合わせとして設定したもので
ある。
【0107】これを表1、表2及び表3に示す組成並び
に表1、表2及び表3の各試料No.に対応する実験結
果を示す表4、表5及び表6を参照しながら説明する。
【0108】xの値の範囲は、表1及び表4の試料N
o.1〜8で示すように、xの値を変えて試料を得る
と、試料No.1(x=1.00)では比誘電率εsが3
4で比誘電率εsが35という特性に満たず、試料N
o.8(x=0.65)では温度係数TCが−47の値
となって、いずれも温度係数TCが−30〜+30の範
囲外の特性となる。試料No.2〜7(0.7≦x≦
0.95)では上述した全ての特性を満足する。これら
のことから、xの範囲は0.7≦x≦0.95の範囲が
良い。
【0109】kの値の範囲は、表1及び表4の試料N
o.11、14〜17で示すように、試料No.14
(k=0.85)と試料No.17(k=1.15)で
は1250℃で焼成しても緻密な焼結体が得られない。
試料No.11、15、16(0.9≦k≦1.1)で
は表4にみられるように、全ての特性を満足する。よっ
てkの範囲は0.9≦k≦1.1の範囲が良い。
【0110】yの値の範囲は、表1及び表4の試料N
o.9〜13で示すように、試料No.9(y=0.0
0)では比誘電率εsが33で比誘電率εsが35に満た
ない特性であり、試料No.13(y=0.15)では
温度係数TCが−59の値で−30〜+30の範囲外と
なる。試料No.10〜12(0.02≦y≦0.1)
では表4に示すように全ての特性を満足する。よってy
の範囲は0.02≦y≦0.1の範囲が良い。
【0111】sの値の範囲は、表1及び表2並びに表4
及び表5の試料No.11、30〜36、47〜52、
54〜61で示すように、試料No.30、47、54
(s=0.20)では1250℃で焼成しても緻密な焼
結体が得られない。試料No.36、52、61(s=
2.30)では抗折強度が、それぞれ、12100kg
f/mm2(平方ミリメートル)、13500kgf/
mm2、13700kgf/mm2で14000kgf
/mm2に満たない。
【0112】試料No.11、31〜35、48〜5
1、55〜60(0.5≦s≦2.0)では全ての特性
を満足する。よってsの値は0.5atm%≦s≦2.
0atm%の範囲が良い。
【0113】tの値は、同様に、表1及び表2並びに表
4及び表5の試料No.11、24〜29、37〜4
3、65〜74で示すように、試料No.24、37、
65、70(t=0.25)では1250℃で焼成して
も緻密な焼結体が得られない。
【0114】試料No.29、43、69、74(t=
4.0)では抗折強度が、それぞれ、13500kgf
/mm2、12100kgf/mm2、13400kg
f/mm2、13900kgf/mm2でいずれも所期
の抗折強度14000kgf/mm2に満たない値であ
る。
【0115】試料No.11、25〜28、38〜4
2、66〜68、71〜73(0.5≦t≦3.0)で
は全ての電気的特性及び機械的特性を満足している。よ
ってtの範囲は0.5atm%≦t≦3.0atm%の
範囲が良い。
【0116】uの値は、同様に、試料No.11、18
〜23で示すように、試料No.18(u=0.05)
では抗折強度が13800kgf/mm2で14000
kgf/mm2に満たない。試料No.23(u=0.
6)では150℃での比抵抗ρが1・62×10の12
乗Ωcmで1.0×10の13乗Ωcm以下となる。
【0117】試料No.11、19〜22(0.1≦u
≦0.5)では全ての電気的特性及び機械的特性を満足
している。よつてuの範囲は0.1atm%≦u≦0.
5atm%の範囲が良い。
【0118】vの値は、表1及び表3並びに表4及び表
6の試料No.11、81〜123で示すように、資料
No.84、87、89、91、93、95、97、9
9、101、103、105、107、109、11
1、113、115、117、119、121、123
(v=1.50)では1250℃で焼成しても緻密な焼
結体が得られない。
【0119】試料No.81〜83、85、86、8
8、90、92、94、96、98、100、102、
104、106、108、110、112、114、1
16、118、120、122(0.02≦v≦1.
0)では全ての電気的特性および機械的特性を満足し、
かつ、試料No.11(添加物なし)より比抵抗の加速
寿命が長い。よって、vの範囲は、0.2atm%≦v
≦1.0atm%の範囲が良い。
【0120】誘電体組成物が、その主成分の組成を、
(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O3、
(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質
とし、該主成分の物質にSiの酸化物とMnの酸化物と
Crの酸化物等を含有する第一の添加物を有する副成分
物質を混合、焼成して得られる誘電体組成物であって、
該誘電体組成物中における前記主成分の組成の、Meと
(Me+Ba)との比を表すxの値の範囲、(Ba+M
e)と(Zr+Ti)との比を表わすkの値の範囲及び
Tiと(Ti+Zr)との比を表すyの値の範囲を上記
のように決め、さらに、Siの酸化物 の含有割合sが
0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、M
nの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.
0atm%の範囲にあり、かつ、Crの酸化物の含有割
合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲
にあり、さらに、ScおよびYを含む希土類元素(L
a、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはN
b、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上
含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦
v≦1.0atm%の範囲となるように、材料組成を最
適化することで、還元雰囲気中において1250℃以下
で焼結し、25℃基準で125℃の静電容量の温度係数
が−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲にあり、
25℃での比誘電率εsが35以上、150℃での比抵
抗ρが1×10の13乗Ωcm以上、抗折強度が140
00kgf/mm2以上の特性を有し、かつ、比抵抗の
加速寿命時間が長い非還元性の誘電体組成物或いはこれ
を用いたセラミックコンデンサも提供することができ
る。
【0121】このように本発明の構成によれば、EIA
規格の最高水準であるC0Gを実現できるようなセラミ
ックコンデンサ或いはJIS規格の温度補償用材に相当
するような性能の誘電体組成物やセラミックコンデンサ
を得ることができる。
【0122】また、これにより、容量精度の要求が厳し
い用途(高周波回路等)にも十分対応が可能となり、か
つ、Ni(又は卑金属)内部電極を用いて高積層化する
ことで、従来の貴金属系電極を使用したセラミックコン
デンサより、Agのマイグレーションがなく、高容量を
実現したセラミックコンデンサを提供できるものであ
る。
【0123】
【発明の効果】この発明によれば、高い比誘電率並びに
その他の優れた電気的特性及び優れた機械的特性を有
し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長いセラミック誘電
体組成物及びこの誘電体組成物を用いたセラミックコン
デンサを得ることができる。
【0124】また、この誘電体組成物材料を用いれば内
部電極としてNi等の卑金属を使用した温度補償用の積
層コンデンサ材料(誘電体組成物)を提供することがで
き、これにより、積層コンデンサの大容量化に伴う電極
コストの増大を軽減し、低価格の積層セラミックコンデ
ンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミックコンデンサの構成を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体層 2 コンデンサ素子 3 導電ペースト 4 内部電極 5 外部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 紳一 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 (72)発明者 上田 周作 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA04 AA06 AA07 AA09 AA14 AA15 AA16 AA17 AA19 AA28 BA09 GA08 GA09 GA10 GA17 5E001 AB03 AC09 AE00 AE01 AE02 AE03 AE04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分の組成が、(Ba1−xMex)
    k(Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び
    /又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦
    k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数
    値)で表わされる物質からなり、副成分物質が少なくと
    もSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とである
    ことを特徴とする誘電体組成物。
  2. 【請求項2】 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘
    電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備え
    たセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成
    物が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O
    3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦
    x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02
    ≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質
    に少なくとも副成分物質として、Siの酸化物とMnの
    酸化物とCrの酸化物とを有した誘電体組成物であるこ
    とを特徴とするセラミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 主成分物質の組成が、(Ba1−xMe
    x)k(Zr1−yTiy)O3(但し、MeはCa及
    び/又はSr)で表わされる物質に、副成分物質として
    少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物
    とをSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、M
    n及び/又はCr水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは
    硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加え、これらの物質を
    非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で混合焼成した
    後、酸化雰囲気中で熱処理することにより、焼成物と
    し、該焼成物中における上記組成中のMeと(Me+B
    a)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(B
    a+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を0.9≦k
    ≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値を
    0.02≦y≦0.1の範囲にした誘電体組成物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 主成分の組成が、(Ba1−xMex)
    k(Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び
    /又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副
    成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの酸化物
    とCrの酸化物とをSi、Mn及び/又はCrの酸化物
    或いはSi、Mn及び/又はCr水酸化物又は酢酸塩、
    硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加
    し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成物であっ
    て、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)と
    の比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+M
    e)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.
    1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.0
    2≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中
    のSiの酸化物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦
    2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合
    tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあ
    り、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦
    u≦0.5atm%の範囲にある誘電体組成物。
  5. 【請求項5】 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘
    電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備え
    たセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体組成物
    が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O
    3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦
    x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02
    ≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質
    と、副成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの
    酸化物とCrの酸化物を有し、該誘電体組成物の中のS
    iの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0
    atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが0.5a
    tm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含
    有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の
    範囲にある誘電体組成物として前記誘電体層に配されて
    いるセラミックコンデンサ。
  6. 【請求項6】 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘
    電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備え
    たセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体組成物
    が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O
    3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦
    x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02
    ≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からな
    る主成分物質と、少なくとも副成分物質としてSiの酸
    化物とMnの酸化物とCrの酸化物からなり、誘電体組
    成物は、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合
    sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mn
    の酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0
    atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが、0.0
    6atm%≦u≦0.5atm%の範囲の誘電体組成物
    として誘電体層に配され、かつ、前記内部電極が卑金属
    を主成分とする金属で形成されていることを特徴とする
    セラミックコンデンサ。
  7. 【請求項7】 主成分物質の組成が、(Ba1−xMe
    x)k(Zr1−yTiy)O3(但し、MeはCa及
    び/又はSr)で表わされる主成分物質と、副成分物質
    として少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの
    酸化物とをSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはS
    i、Mn及び/又はCr水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若
    しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態の混合物として非
    酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で焼成した後、酸
    化雰囲気中で熱処理して、焼成物とし、該焼成物中にお
    けるMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦
    0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との
    比kの値を、0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti
    +Zr)との比をyの値を0.02≦y≦0.1の範囲
    にし、かつ、前記誘電体組成物中のSiの酸化物の含有
    割合sを0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、
    Mnの酸化物の含有割合tを0.5atm%≦t≦3.
    0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uを0.0
    6atm%≦u≦0.5atm%の範囲にした誘電体組
    成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 主成分の組成が、(Ba1−xMex)
    k(Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び
    /又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副
    成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの酸化物
    とCrの酸化物とをSi、Mn及び/又はCrの酸化物
    或いはSi、Mn及び/又はCr水酸化物又は酢酸塩、
    硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加す
    る第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(L
    a、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、D
    y、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはN
    b、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以
    上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは
    硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加物
    とを添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成
    物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+
    Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、
    (Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9
    ≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの
    値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電
    体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5at
    m%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物
    の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%
    の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06
    atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、Scおよ
    びYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、S
    m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb
    およびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化
    物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割
    合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にあ
    る誘電体組成物。
  9. 【請求項9】 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘
    電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備え
    たセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成
    物が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)O
    3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる
    物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも
    Siの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とをSi、
    Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又
    はCr水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の
    塩のいずれかの形態で添加する第一の添加物と、Scお
    よびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、S
    m、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb
    およびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化
    物を1種または2種以上、酸化物或いは水酸化物又は酢
    酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で
    添加する第二の添加物とを添加し、これらを混合焼成し
    て得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中に
    おけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x
    ≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)と
    の比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti
    +Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲に
    あり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有
    割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲に
    あり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦
    t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有
    割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範
    囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、C
    e、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
    o、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、M
    o、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有す
    る第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦
    1.0atm%の範囲にある誘電体組成物として誘電体
    層に配されているセラミックコンデンサ。
  10. 【請求項10】 誘電体組成物からなる1又は2以上の
    誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備
    えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組
    成物が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)
    O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされ
    る物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくと
    もSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とをS
    i、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び
    /又はCr水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩
    等の塩のいずれかの形態で添加する第一の添加物と、S
    cおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、N
    d、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
    m、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、Taおよび
    Wの酸化物を1種または2種以上、酸化物或いは水酸化
    物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれか
    の形態で添加する第二の添加物とを添加し、これらを混
    合焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組
    成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が
    0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr
    +Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、T
    iと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.
    1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化
    物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm
    %の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5
    atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸
    化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5a
    tm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素
    (La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
    Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはN
    b、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上
    含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦
    v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物として誘
    電体層に配され、かつ、前記内部電極が卑金属を主成分
    とする金属で形成されていることを特徴とするセラミッ
    クコンデンサ。
  11. 【請求項11】 主成分物質の組成が、(Ba1−xM
    ex)k(Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはC
    a及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物
    質に副成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの
    酸化物とCrの酸化物とをSi、Mn及び/又はCrの
    酸化物或いはSi、Mn及び/又はCr水酸化物又は酢
    酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で
    添加する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元
    素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、T
    b、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるい
    はNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種
    以上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しく
    は硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加
    物とを添加し、これらを混合したものを、非酸化性雰囲
    気中乃至は還元性雰囲気中で焼成した後、酸化雰囲気中
    で熱処理して、焼成物とし、該誘電体組成物中における
    Meと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.
    95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比k
    の値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Z
    r)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあ
    り、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割
    合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあ
    り、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t
    ≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割
    合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲
    にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、
    Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
    r、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、Ta
    およびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の
    添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0at
    m%の範囲にある誘電体組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 主成分の組成が、(Ba1−xMe
    x)k(Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa
    及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.
    9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する
    数値)で表わされる物質からなり、副成分物質が少なく
    ともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを含
    有する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素
    (La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
    Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはN
    b、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上
    含有する第二の添加物とであることを特徴とする誘電体
    組成物。
  13. 【請求項13】 誘電体組成物からなる1又は2以上の
    誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備
    えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組
    成物が、(Ba1−xMex)k(Zr1−yTiy)
    O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7
    ≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.0
    2≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物
    質に少なくとも副成分物質として、Siの酸化物とMn
    の酸化物とCrの酸化物とを含有する第一の添加物と、
    ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、N
    d、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
    m、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、Taおよび
    Wの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物
    とを有した誘電体組成物であることを特徴とするセラミ
    ックコンデンサ。
  14. 【請求項14】 主成分物質の組成が、(Ba1−xM
    ex)k(Zr1−yTiy)O3(但し、MeはCa
    及び/又はSr)で表わされる物質に、副成分物質とし
    て少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化
    物とを含有する第一の添加物を、Si、Mn及び/又は
    Crの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCr水酸化物
    又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの
    形態で加え、ScおよびYを含む希土類元素(La、C
    e、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
    o、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、M
    o、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上を含有
    する第2の添加物を、酸化物或いは水酸化物又は酢酸
    塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加
    え、これらの物質を非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲
    気中で混合焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理すること
    により、焼成物とし、該焼成物中における上記組成中の
    Meと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.
    95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比k
    の値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Z
    r)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にした
    誘電体組成物の製造方法。
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