JP4111754B2 - セラミックコンデンサ及びその誘電体組成物並びにその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
この発明は、セラミックコンデンサの誘電体層の材料として好適な誘電体組成物とこの誘電体組成物を誘電体層に有するセラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子回路の小型化、高密度化に伴い、積層セラミックコンデンサも小型化、大容量化が強く求められている。それらを解決する方法として誘電体層を薄膜或いはできるだけ薄い誘電体層にする手法があるが、その際、誘電体層に用いられる誘電体組成物としては比抵抗や機械的強度が高いことが望ましい。
【0003】
また、積層セラミックコンデンサ等に用いられる誘電体組成物は、還元性の雰囲気下で焼成すると還元され、半導体化するという性質を有している。このため、還元性の雰囲気下と異なる高い酸素分圧化において焼成しても酸化されないような内部電極、例えば、パラジウム、白金、銀−パラジウム等の貴金属材料がこれに用いられてきた。
【0004】
しかし、これらの貴金属は高価であるため積層セラミックコンデンサの低価格化、高容量化を図る上で妨げとなっていた。
【0005】
内部電極の材料としてNi(ニッケル)などの卑金属を用いた場合、内部電極の酸化を防止するためには、誘電体組成物と内部電極とを交互に積層した積層体の焼成を還元雰囲気中で行わなければならない。
【0006】
しかし、還元雰囲気中で焼成すると、上述のように誘電体層が還元され、比抵抗が低下するなど、セラミックコンデンサとしての所望の電気特性が得られないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、高い比誘電率並びにその他の優れた電気的特性及び優れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電体組成物及びこの誘電体組成物を用いたセラミックコンデンサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなり、副成分物質が少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とであることを特徴とする誘電体組成物(但し、Siはシリコン、Mnはマンガン、Crはクロムを表す)である。
【0009】
このような組成の誘電体組成物は還元雰囲気中において焼結し、静電容量の温度係数が安定した範囲にあり、比誘電率及び比抵抗が高く、抗折強度も良好な特性を有した非還元性の誘電体組成物として提供することができる。
【0010】
請求項2の発明は、誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質に少なくとも副成分物質として、Siの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを有した誘電体組成物であることを特徴とするセラミックコンデンサである。
【0011】
このようなセラミックコンデンサは、上述のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優れた機械的特性を有した誘電体組成物を用いているので、誘電体層を薄膜や薄層化し、セラミックコンデンサの小型化と大容量化とを図ることができる。
【0012】
請求項3の発明は、主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質に、副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加え、これらの物質を非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で混合焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理することにより、焼成物とし、該焼成物中における上記組成中のMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にした誘電体組成物の製造方法である。
【0013】
このような誘電体組成物の製造方法を用いることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、高い比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械的特性を有した誘電体組成物を製造し、高性能のセラミックコンデンサの提供を実現することができる。
【0014】
請求項4の発明は、主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にある誘電体組成物である。
【0015】
このような組成の誘電体組成物は還元雰囲気中において1250℃以下で焼結し、25℃基準で125℃の静電容量の温度係数が±30ppm/℃の範囲にあり、25℃での比誘電率が35以上、150℃での比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上、抗折強度が14000kgf/mm2(キログラム重/平方ミリメートル)以上の特性を有した非還元性の誘電体組成物として提供することができる。
【0016】
請求項5の発明は、誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質と、副成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物を有し、該誘電体組成物の中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にある誘電体組成物として前記誘電体層に配されているセラミックコンデンサである。
【0017】
このようなセラミックコンデンサは、上述のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優れた機械的特性を有した誘電体組成物を用いているので、誘電体層を薄膜や薄層化し、セラミックコンデンサの小型化と大容量化とを図ることができる。
【0018】
請求項6の発明は、誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなる主成分物質と、少なくとも副成分物質としてSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物からなり、誘電体組成物は、該誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲の誘電体組成物として誘電体層に配され、かつ、前記内部電極が卑金属を主成分とする金属で形成されていることを特徴とするセラミックコンデンサである。
【0019】
このようなセラミックコンデンサは、コンデンサの性能の低下を抑制しつつセラミックコンデンサの内部電極に卑金属材料を用いてセラミックコンデンサの低価格化を実現することができる。なお、内部電極を形成する卑金属としてNi(ニッケル)を用いているが、これ以外に、Ni合金、Cu(銅)、Cu合金、その他の卑金属を使用することもできる。
【0020】
請求項7の発明は、主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる主成分物質と、副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態の混合物として非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理して、焼成物とし、該焼成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を、0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比をyの値を0.02≦y≦0.1の範囲にし、かつ、前記誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sを0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tを0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uを0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にした誘電体組成物の製造方法である。
【0021】
このような誘電体組成物の製造方法を用いることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、上述のように高い比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械的特性を有した誘電体組成物を製造し、高性能のセラミックコンデンサの提供を実現することができる。
【0022】
請求項8の発明は、主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第一の添加物と、Sc(スカンジウム)およびY(イットリウム)を含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、Ta(タンタル)およびW(タングステン)の酸化物を1種または2種以上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加物とを添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物である。
【0023】
但し、Laはランタン、Ceはセリウム、Prはプラセオジウム、Ndはネオジウム、Smはサマリウム、Euはユウロピウム、Gdはガドリニウム、Tbはテルビウム、Dyはジスプロシウム、Hoはホルミウム、Erはエルビウム、Tmはツリウム、Ybはイッテルビウム、Luはルテチウムを表す。
【0024】
このような組成の誘電体組成物は還元雰囲気中において1250℃以下で焼結し、25℃基準で125℃の静電容量の温度係数が±30ppm/℃の範囲にあり、25℃での比誘電率が35以上、150℃での比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上、抗折強度が14000kgf/mm2(キログラム重/平方ミリメートル)以上の特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い非還元性の誘電体組成物として提供することができる。
【0025】
請求項9の発明は、誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質と、副成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物を含有する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物を有し、該誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物として誘電体層に配されているセラミックコンデンサである。
【0026】
このようなセラミックコンデンサは、上述のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電体組成物を用いているので、誘電体層を薄膜や薄層化し、セラミックコンデンサの小型化と大容量化および高信頼性化を図ることができる。
【0027】
請求項10の発明は、誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなる主成分物質と、少なくとも副成分物質としてSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物からなる第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物を有し、誘電体組成物は、該誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物として誘電体層に配され、かつ、前記内部電極が卑金属を主成分とする金属で形成されていることを特徴とするセラミックコンデンサである。
【0028】
このようなセラミックコンデンサは、コンデンサの性能の低下を抑制しつつセラミックコンデンサの内部電極に卑金属材料を用いてセラミックコンデンサの低価格化を実現することができる。なお、内部電極を形成する卑金属としてNi(ニッケル)を用いているが、これ以外に、Ni合金、Cu(銅)、Cu合金、その他の卑金属を使用することもできる。
【0029】
請求項11の発明は、主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる主成分物質と、副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質を含有する第一の添加物を、Si、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で混合し、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上を含有する第二の添加物を、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で混合し、混合物として非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理して、焼成物とし、該焼成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値がを0.02≦y≦0.1の範囲にし、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sを0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tを0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uを0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にし、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vを0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にあるようにした誘電体組成物の製造方法である。
【0030】
このような誘電体組成物の製造方法を用いることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、上述のように高い比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電体組成物を製造し、高性能のセラミックコンデンサの提供を実現することができる。
【0031】
請求項12の発明は、主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなり、副成分物質が少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを含有する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物とであることを特徴とする誘電体組成物である。
【0032】
このような組成の誘電体組成物は還元雰囲気中において焼結し、静電容量の温度係数が安定した範囲にあり、比誘電率及び比抵抗が高く、抗折強度も良好な特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い非還元性の誘電体組成物として提供することができる。
【0033】
請求項13の発明は、誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質に少なくとも副成分物質として、Siの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを含有する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物とを有した誘電体組成物であることを特徴とするセラミックコンデンサである。
【0034】
このようなセラミックコンデンサは、上述のように高い比誘電率及びその他の優れた電気特性や優れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電体組成物を用いているので、誘電体層を薄膜や薄層化し、セラミックコンデンサの小型化と大容量化および高信頼性化を図ることができる。
【0035】
請求項14の発明は、主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質に、副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加え、これらの物質を非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で混合焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理することにより、焼成物とし、該焼成物中における上記組成中のMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にした誘電体組成物の製造方法である。
【0036】
このような誘電体組成物の製造方法を用いることにより、従来と同様な製造工程を用いつつ、高い比誘電率で優れた諸電気特性や優れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い誘電体組成物を製造し、高性能のセラミックコンデンサの提供を実現することができる。
【0037】
ここで、主成分の組成式(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3において、Meと(Me+Ba)との比であるxの値は、0.7≦x≦0.95が好ましい。xの値が0.95を超えると比誘電率εsが低下し、また、xの値が0.7未満になると温度係数TCがマイナス側に大きくなり過ぎるという不都合を生ずるからである。
【0038】
なお、MeはCa及び/又はSrを意味し、CaとSrは、両材料の組み合わせでも良いし、いずれか一方の材料だけでも良い。
【0039】
また、主成分の組成式(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3において、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値は、0.9≦k≦1.1が好ましい。kの値が0.9未満になったり、1.1を超えると誘電体組成物を積層した積層体の焼結性が悪化し、1250℃以下で緻密な焼結体が得られなくなるからである。
【0040】
また、主成分の組成式(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3において、Tiと(Ti+Zr)との比yの値は、0.02≦y≦0.1が好ましい。yの値が0.02未満になると比誘電率εsが低下し、また、yの値が0.1を超えると温度係数TCがマイナス側に大きくなり過ぎるという不都合を生ずるからである。
【0041】
誘電体組成物中におけるSiの酸化物 の含有割合であるsは、0.5atm%≦s≦2.0atm%が望ましい。sが0.50atm%未満になると、積層体の焼結性が悪化し、2.0atm%を超えると、焼結性を阻害し積層体の強度が低下するからである。
【0042】
また、誘電体組成物中におけるMnの酸化物の含有割合tは、0.5atm%≦t≦3.0atm%が望ましい。tが0.5atm%未満になると、積層体の焼結性が悪化し、3.0atm%を超えると、積層体の強度が低下するためである。
【0043】
また、誘電体組成物中におけるCrの酸化物の含有割合uは、0.06atm%≦u≦0.5atm%が望ましい。0.06atm%未満になると、積層体の強度が低下し、0.5atm%を超えると、150℃における比抵抗が低下するためである。
【0044】
また、誘電体組成物中におけるScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する割合vは、0.2atm%≦v≦1.0atm%が望ましい。0.2atm%未満になると、比抵抗の加速寿命時間延長効果が得難くなり、1.0atm%を超えると、積層体の焼結性が悪化するためである。
【0045】
この発明の誘電体組成物及びセラミックコンデンサの製造方法の一例を説明する。
【0046】
誘電体組成物の原材料として、MeCO3、BaCO3、ZrO2、TiO2等を秤量して、焼成後の主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質となるように混ぜるとともに、この原材料を分散媒、水、ビーズの入った容器に入れて混合し、これらの主成分物質を粉砕し、混合させつつ微細粉末化する。主成分物質が均質に微細粉末化され混合されたら、これを容器から取り出し、乾燥させた後、約1200℃で仮焼成して誘電体のベース材を作る。
【0047】
次に、この主成分物質のベース材に副成分物質として、Si酸化物とMn酸化物とCr酸化物とを含有する第一の添加物が上述した所定の含有量の範囲で得られるように、SiO2等のSiの酸化物その他のSiの酸化物及び/又は水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩をこれらのいずれかの形態で加え、Mn2O3等のMnの酸化物その他のMnの酸化物及び/又は水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩をこれらのいずれかの形態で加え、Cr2O3等のCrの酸化物その他のCrの酸化物及び/又は水酸化物、酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩をこれらのいずれかの形態で秤量して加え、第二の添加物として、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)、Nb、Mo、Taあるいは、Wの酸化物のうちの1種または2種以上を、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で上述した所定の含有量の範囲で得られるように秤量して加え、これらを分散媒、水、ビーズの入った容器に入れて混合して粉砕し、主成分物質と第一の添加物および第二の添加物からなる副成分物質とを均質に混合させつつ微細粉末化する。
【0048】
主成分物質と第一の添加物および第二の添加物からなる副成分物質とが微細粉末化され均質に混合されたら、この混合物を容器から取り出し、乾燥させると主成分物質と副成分物質とからなる未焼結の磁器粉末からなる誘電体の混合物材料が得られる。
【0049】
この誘電体の混合物材料を、バインダ、溶剤、分散剤、ビーズの入った容器に入れ、混合、再粉砕してスラリー化し、このスラリーを、ドクターブレード法等によって薄膜状のセラミック未焼結シート(セラミックグリーンシート)に成形し、乾燥させて巻き取る。
【0050】
この後、セラミック未焼結シート上には、金属粉末を糊状にした導電ペーストで内部電極のパターンを印刷する。
【0051】
導電ペーストとしては、樹脂中にNi、Ni合金やCuその他の安価な卑金属粉末を分散させた導電ペーストが用いられる。
【0052】
内部電極が印刷されたセラミック未焼結シートを複数、積み重ねることにより、誘電体層は、積み重ねられた数の内部電極で挟持された構造のセラミックシートの積層体が得られる。
【0053】
このようにして積み重ねられたセラミック未焼結シートの積層体は加圧圧着された後、セラミックコンデンサの大きさの素子(積層体チップ)に分割される。
【0054】
積層体チップは、さらに、非酸化性雰囲気中乃至はH2(水素)等が混入されて、やや還元性の雰囲気となるように調整された雰囲気中において、導電ペースト内の金属が酸化されないようにしつつ、バインダーが加熱除去され、1250℃以下の温度で焼成、焼結などの熱処理が施される。
【0055】
ここで、非酸化性雰囲気乃至は還元性の雰囲気としては、H2やCO(一酸化炭素)等の還元性雰囲気のみならず、N2(窒素)やAr(アルゴン)などの中性雰囲気であってもよい。
【0056】
また、非酸化性雰囲気中における焼成温度は、内部電極の金属材料の種類を考慮して種々変更することができる。Niを内部電極の材料とする場合には、1050〜1250℃の範囲であればニッケル粒子の凝集をほとんど生じさせることなく焼成、焼結させることができる。
【0057】
バインダーが除去された積層体チップは、さらに、酸化性雰囲気中において熱処理されることによりセラミックコンデンサの素子(チップ)が得られる。
【0058】
酸化性雰囲気中における熱処理温度は、非酸化性雰囲気中における焼成温度より低い温度であればよく、500℃〜1000℃の範囲が好ましい。
【0059】
酸化性雰囲気としては、大気雰囲気に限定することなく、例えば、N2に数ppmのO2(酸素)を混合したような低酸素濃度の雰囲気から任意の酸素濃度の雰囲気を使用することができる。
【0060】
どのような温度あるいはどのような酸素濃度の雰囲気にするかは、内部電極(ニッケル等)の酸化と誘電体層の酸化とを考慮して種々変更する必要がある。
【0061】
後述した実施例ではこの熱処理の温度を600℃としたが、この温度に限定されるものではない。
【0062】
このようにして酸化性雰囲気中において熱処理されたセラミックコンデンサ素子は、この後、その端部に外部電極を取付けられてセラミックコンデンサが得られる。
【0063】
また、後述する実施例では、非酸化性雰囲気中における熱処理と、酸化性雰囲気中における熱処理を一つの連続した焼成プロファイルの中で行なっているが、もちろん非酸化性雰囲気中における焼成工程と、酸化性雰囲気における熱処理工程とを独立した工程に分けて行なうことも可能である。
【0064】
さらにまた、誘電体組成物を形成する出発原料は、後述する実施例で示したもの以外の、酸化物、水酸化物又はその他の化合物としてもよい。
【0065】
また、外部電極としてNi電極を使用しているが、電極焼付け条件を選択することによりNi合金、Ag(銀)、Cu、Cu合金、Pd(パラジウム)、Ag/Pd(銀パラジウム)等の電極を用いることができるのはもちろん、Ni外部電極を未焼結積層体の端面に塗布して積層体の焼成と外部電極の焼付けを同時に行うことも可能である。
【0066】
このようにして焼成、焼結された誘電体組成物は、主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなり、該主成分の物質にSiとMnとCrとの酸化物等の第一の添加物とScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物からなる副成分物質とを混合、焼成して得られる誘電体組成物であって、誘電体組成物中におけるSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲で、かつ、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)Nb、Mo、Ta或いはWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物となる。
【0067】
図1は、積層セラミックコンデンサの構成を模式的に示す断面図である。
【0068】
上述のようにして得られた誘電体組成物を誘電体層1に有するセラミックコンデンサ素子2の端面に導電ペースト3を焼き付け、内部電極4が誘電体層1を挟んで外部電極5、5に交互に電気的に連通するように外部電極5を対向して形成させてセラミックコンデンサが完成する。
【0069】
なお、この発明は積層タイプのセラミックコンデンサ以外の一般的な単層のセラミックコンデンサにも勿論適用可能である。
【0070】
【実施例】
純度99.9%の炭酸カルシウム(CaCO3)炭酸ストロンチウム(SrCO3)、炭酸バリウム(BaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)を主成分の出発原料として用意し、これらを混合、焼結した後に得られる誘電体組成物が、表1の試料No.11および表3の試料No.82に示された条件を満足するように、各々秤量した。
【0071】
ここで、表1、表2(表1の続き)及び表3(表2の続き)のxの欄は主成分の組成式(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3におけるMeと(Me+Ba)との比xを、yの欄は主成分の組成式におけるTiと(Ti+Zr)との比yを、kの欄は主成分の組成式における(Ba+Me)と(Zr+Ti)の比kを示している。なお、MeはCa及び/又はSrを意味している。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
次に、これら主成分の出発原料100重量部とジルコニアボール300重量部と純水300重量部をポットミルに入れ、湿式で15時間撹拌し、得られたスラリーをステンレスバットに移し、これを熱風乾燥機に入れ、150℃で4時間乾燥させた。
【0076】
この乾燥によって得られた固形物を粗粉砕し、得られた粗粉をトンネル炉に入れ、大気雰囲気中において、1200℃で、2時間仮焼して主成分材料(誘電体のベース材)を得た。
【0077】
次に、試料No.11については、この主成分材料と副成分物質材料とを混合、焼結した後の誘電体組成物が表1の試料No.11に示された割合となるように各々の材料の量を秤量し、混合した。
【0078】
試料No.82についてはこの主成分材料と副成分物質としての第一の添加物の材料と第二の添加物の材料とを混合、焼結した後の誘電体組成物が表3の試料No.82に示された割合となるように各々の材料の量を秤量し、混合した。
【0079】
試料No.11および試料No.82において、副成分物質の材料の酸化珪素(SiO2)は純度99%のものを、三二酸化マンガン(Mn2O3)、酸化クロム(Cr2O3)はいずれも、純度99.9%のものを使用した。
【0080】
また、添加物質の材料の酸化ホルミウム(Ho2O3)は、純度99%のものを使用した。
【0081】
次に、試料No.11および試料No.82、それぞれの誘電体材料100重量部に対して、有機バインダーとしてポリブチルフタレートを15重量部、可塑剤としてジオクチルフタレート(DOP)を40重量部、溶剤としてトルエンを150重量部添加し、ボールミルを用いて15時間、撹拌混合し、スラリーを作成した。
【0082】
次に、このスラリーを真空脱泡機に入れて脱泡し、このスラリーをリバースコーターによってポリエステルフィルム上に薄膜状に塗布し、これを100℃で乾燥し、厚さ約6μmのセラミック未焼結シート(セラミックグリーンシート)を得た。
【0083】
一方、平均粒径0.5μmのNi粉末と、エチルセルロースをブチルカルビトールに溶解させたものとを撹拌器に入れ、十分に混合、混練して内部電極用の導電ペーストを得た。
【0084】
そして、この導電ペーストを用いて、未焼結シート上に、短冊状の導電パターンをスクリーン印刷した。この時、導電パターンが、長手方向に約1/3ずれるよう、2種類の導電パターンを印刷した。
【0085】
次に、2種類の導電パターンを印刷した2種類の未焼結シートを交互に51枚(誘電体50層)積層し、この積層によって得られた積層物の上下に、導電パターンが印刷されていない未焼結シートを積層した。
【0086】
そして、この積層体を70℃の温度の下で50MPaの圧力を加えて押圧し、これらを圧着した。その後、この積層体を格子状に切断し、試料No.11の積層体チップ(素子)および試料No.82の積層体チップ(素子)を得た。
【0087】
次に、これらの積層体チップを大気雰囲気中において100℃/時間の速度で600℃まで昇温させ、積層体チップの内部に含まれている有機バインダを加熱除去させた。そして、炉の雰囲気を大気雰囲気からH2(2体積%)+N2(98体積%)の混合雰囲気に切り替え、100℃/時間の速度で1250℃(焼成温度)まで昇温させ、2時間保持した後、100℃/時間の速度で600℃まで降温し、雰囲気を大気雰囲気に切り替え、600℃で30分間保持して酸化処理を行ない、その後、室温まで冷却した。
【0088】
このようにして、積層体チップを焼成し、電極が露出した状態で焼結された焼結体チップの側面に、Ni粉末とガラスフリットとビヒクルからなる導電ペーストを塗布して乾燥し、大気中550℃、15分間焼き付けてNi電極層を形成する。
【0089】
更に、この上に無電解メッキによりCuを被着させ、この上に電解メッキによりPb−Sn半田層を被着させて、一対の外部電極を形成して試料No.11の積層セラミックコンデンサと試料No.82の積層セラミックコンデンサを得た。
【0090】
なお、得られたそれぞれの積層セラミックコンデンサは、2mm(L)×1.25mm(W)×1mm(T)(212タイプ)であり、内部電極の交差面積は1mm2 、誘電体層の1層当たりの厚みは4μmであった。
【0091】
次に、完成した積層セラミックコンデンサの比誘電率εs 、温度係数TC、比抵抗ρ、抗折強度を測定したところ、試料No.11の積層セラミックコンデンサは、表4の試料No.11に示すように、比誘電率εs が38、温度係数TCが+12、比抵抗ρが2.19×10の13乗 Ωcm(表4では2.19E+13と表示してある。)、抗折強度が15300kgf/mm2、比抵抗の加速寿命時間が633分であった。
【0092】
一方、試料No.82の積層セラミックコンデンサは、表6の試料No.82に示すように、比誘電率εs が38、温度係数TCが+13、比抵抗ρが2.40×10の13乗 Ωcm(表6では2.19E+13と表示してある。)、抗折強度が14900kgf/mm2、比抵抗の加速寿命時間が1000分以上であった。
【0093】
なお、電気的特性及び機械的特性は次の要領で測定した。
【0094】
(A)比誘電率εs
LCRメータを用い、温度25℃、周波数1MHz、交流電圧1V(実効値)の条件で、静電容量を測定した。得られた静電容量と内部電極の交差面積と誘電体層1層当りの厚みから、比誘電率εs を算出した。
【0095】
(B)温度係数TC
25℃および125℃の場合の静電容量を上記のようにして測定し、この静電容量から温度変化に対する容量変化率を算出した。
【0096】
(C)比抵抗ρ
温度150℃、測定電圧100kVの条件から、メガオームメータにより抵抗値を測定し、内部電極の交差面積と誘電体層1層当たりの厚みから算出した。
(D)抗折強度
グリーンシートのみを積層した積層体を、上述の積層体チップと同条件で焼成し、試料を作製した。これを用いて3点曲げ試験を行い、抗折強度(kgf/mm2)を求めた。
【0097】
(E)比抵抗の加速寿命時間
温度200℃にて、60V/μmの直流電界下で加速試験を行ない、比抵抗が1.00×10の12乗Ωcm以下になるまでの時間を寿命時間とした。
【0098】
以上、試料No.11と試料No.82の試料の場合について述べたが、試料番号1〜10、12〜81及び83〜123についても、主成分及び副成分および添加物の組成及び割合を表1、表2及び表3に示すように変えた他は、試料No.11および試料No.82の試料の場合と同様にして積層セラミックコンデンサを作成し、同一の方法で電気的特性及び機械的特性を測定した。
【0099】
焼成温度及び電気的特性並びに機械的特性は表4、表5(表4の続き)及び表6(表5の続き)に示す通りとなった。
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】
【0103】
以上の結果から明らかなように、この発明に従う試料によれば、還元雰囲気中における1250℃以下の焼成により、25℃基準で125℃の静電容量の温度係数TCが−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲にあり、25℃での比誘電率εs が35以上、150℃での比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上の電気的諸特性および機械的特性を有する非還元性の誘電体磁器組成物及びこれを用いたセラミックコンデンサを得ることができるものである。
【0104】
特に、このような本発明の組成物に、さらに、ScおよびYを含む希土類元素あるいはNb、Mo、Ta、Wの酸化物の1種または2種以上を添加し、これらを混合焼成して得らた試料によれば、還元雰囲気中における1250℃以下の焼成により、25℃基準で125℃の静電容量の温度係数TCが−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲にあり、25℃での比誘電率εs が35以上、150℃での比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上の電気的諸特性及び抗折強度が14000kgf/mm2以上の機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い非還元性の誘電体磁器組成物及びこれを用いたセラミックコンデンサを得ることができるものである。
【0105】
次に、この発明に係るセラミックコンデンサに用いられている誘電体組成物の組成範囲の限定理由について、実験結果を参照しながら説明する。
【0106】
この組成限定理由は、主成分物質と副成分物質としての第一の添加物と第二の添加物との混合物を還元雰囲気中において1250℃以下で焼結して得られた誘電体組成物が、25℃基準で125℃の静電容量の温度係数が±30ppm/℃の範囲にあり、25℃での比誘電率が35以上、150℃での比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上、抗折強度が14000kgf/mm2以上の特性を有した非還元性の誘電体組成物として提供されるような組成の組合わせとして設定したものである。
【0107】
これを表1、表2及び表3に示す組成並びに表1、表2及び表3の各試料No.に対応する実験結果を示す表4、表5及び表6を参照しながら説明する。
【0108】
xの値の範囲は、表1及び表4の試料No.1〜8で示すように、xの値を変えて試料を得ると、試料No.1(x=1.00)では比誘電率εsが34で比誘電率εsが35という特性に満たず、試料No.8(x=0.65)では温度係数TCが−47の値となって、いずれも温度係数TCが−30〜+30の範囲外の特性となる。試料No.2〜7(0.7≦x≦0.95)では上述した全ての特性を満足する。これらのことから、xの範囲は0.7≦x≦0.95の範囲が良い。
【0109】
kの値の範囲は、表1及び表4の試料No.11、14〜17で示すように、試料No.14(k=0.85)と試料No.17(k=1.15)では1250℃で焼成しても緻密な焼結体が得られない。試料No.11、15、16(0.9≦k≦1.1)では表4にみられるように、全ての特性を満足する。よってkの範囲は0.9≦k≦1.1の範囲が良い。
【0110】
yの値の範囲は、表1及び表4の試料No.9〜13で示すように、試料No.9(y=0.00)では比誘電率εsが33で比誘電率εsが35に満たない特性であり、試料No.13(y=0.15)では温度係数TCが−59の値で−30〜+30の範囲外となる。試料No.10〜12(0.02≦y≦0.1)では表4に示すように全ての特性を満足する。よってyの範囲は0.02≦y≦0.1の範囲が良い。
【0111】
sの値の範囲は、表1及び表2並びに表4及び表5の試料No.11、30〜36、47〜52、54〜61で示すように、試料No.30、47、54(s=0.20)では1250℃で焼成しても緻密な焼結体が得られない。試料No.36、52、61(s=2.30)では抗折強度が、それぞれ、12100kgf/mm2(平方ミリメートル)、13500kgf/mm2、13700kgf/mm2で14000kgf/mm2に満たない。
【0112】
試料No.11、31〜35、48〜51、55〜60(0.5≦s≦2.0)では全ての特性を満足する。よってsの値は0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲が良い。
【0113】
tの値は、同様に、表1及び表2並びに表4及び表5の試料No.11、24〜29、37〜43、65〜74で示すように、試料No.24、37、65、70(t=0.25)では1250℃で焼成しても緻密な焼結体が得られない。
【0114】
試料No.29、43、69、74(t=4.0)では抗折強度が、それぞれ、13500kgf/mm2、12100kgf/mm2、13400kgf/mm2、13900kgf/mm2でいずれも所期の抗折強度14000kgf/mm2に満たない値である。
【0115】
試料No.11、25〜28、38〜42、66〜68、71〜73(0.5≦t≦3.0)では全ての電気的特性及び機械的特性を満足している。よってtの範囲は0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲が良い。
【0116】
uの値は、同様に、試料No.11、18〜23で示すように、試料No.18(u=0.05)では抗折強度が13800kgf/mm2で14000kgf/mm2に満たない。試料No.23(u=0.6)では150℃での比抵抗ρが1・62×10の12乗Ωcmで1.0×10の13乗Ωcm以下となる。
【0117】
試料No.11、19〜22(0.1≦u≦0.5)では全ての電気的特性及び機械的特性を満足している。よつてuの範囲は0.1atm%≦u≦0.5atm%の範囲が良い。
【0118】
vの値は、表1及び表3並びに表4及び表6の試料No.11、81〜123で示すように、資料No.84、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123(v=1.50)では1250℃で焼成しても緻密な焼結体が得られない。
【0119】
試料No.81〜83、85、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122(0.02≦v≦1.0)では全ての電気的特性および機械的特性を満足し、かつ、試料No.11(添加物なし)より比抵抗の加速寿命が長い。よって、vの範囲は、0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲が良い。
【0120】
誘電体組成物が、その主成分の組成を、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質とし、該主成分の物質にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物等を含有する第一の添加物を有する副成分物質を混合、焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中における前記主成分の組成の、Meと(Me+Ba)との比を表すxの値の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比を表わすkの値の範囲及びTiと(Ti+Zr)との比を表すyの値の範囲を上記のように決め、さらに、Siの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、かつ、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、さらに、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲となるように、材料組成を最適化することで、還元雰囲気中において1250℃以下で焼結し、25℃基準で125℃の静電容量の温度係数が−30ppm/℃〜+30ppm/℃の範囲にあり、25℃での比誘電率εsが35以上、150℃での比抵抗ρが1×10の13乗Ωcm以上、抗折強度が14000kgf/mm2以上の特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長い非還元性の誘電体組成物或いはこれを用いたセラミックコンデンサも提供することができる。
【0121】
このように本発明の構成によれば、EIA規格の最高水準であるC0Gを実現できるようなセラミックコンデンサ或いはJIS規格の温度補償用材に相当するような性能の誘電体組成物やセラミックコンデンサを得ることができる。
【0122】
また、これにより、容量精度の要求が厳しい用途(高周波回路等)にも十分対応が可能となり、かつ、Ni(又は卑金属)内部電極を用いて高積層化することで、従来の貴金属系電極を使用したセラミックコンデンサより、Agのマイグレーションがなく、高容量を実現したセラミックコンデンサを提供できるものである。
【0123】
【発明の効果】
この発明によれば、高い比誘電率並びにその他の優れた電気的特性及び優れた機械的特性を有し、かつ、比抵抗の加速寿命時間が長いセラミック誘電体組成物及びこの誘電体組成物を用いたセラミックコンデンサを得ることができる。
【0124】
また、この誘電体組成物材料を用いれば内部電極としてNi等の卑金属を使用した温度補償用の積層コンデンサ材料(誘電体組成物)を提供することができ、これにより、積層コンデンサの大容量化に伴う電極コストの増大を軽減し、低価格の積層セラミックコンデンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミックコンデンサの構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体層
2 コンデンサ素子
3 導電ペースト
4 内部電極
5 外部電極
Claims (14)
- 主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなり、副成分物質が少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とであることを特徴とする誘電体組成物。
- 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質に少なくとも副成分物質として、Siの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを有した誘電体組成物であることを特徴とするセラミックコンデンサ。
- 主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質に、副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加え、これらの物質を非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で混合焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理することにより、焼成物とし、該焼成物中における上記組成中のMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にした誘電体組成物の製造方法。
- 主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にある誘電体組成物。
- 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質と、副成分物質として少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物を有し、該誘電体組成物の中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にある誘電体組成物として前記誘電体層に配されているセラミックコンデンサ。
- 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなる主成分物質と、少なくとも副成分物質としてSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物からなり、誘電体組成物は、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲の誘電体組成物として誘電体層に配され、かつ、前記内部電極が卑金属を主成分とする金属で形成されていることを特徴とするセラミックコンデンサ。
- 主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる主成分物質と、副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態の混合物として非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理して、焼成物とし、該焼成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を、0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にし、かつ、前記誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sを0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲、Mnの酸化物の含有割合tを0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲、Crの酸化物の含有割合uを0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にした誘電体組成物の製造方法。
- 主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加物とを添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物。
- 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加物とを添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物として誘電体層に配されているセラミックコンデンサ。
- 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加物とを添加し、これらを混合焼成して得られる誘電体組成物であって、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物として誘電体層に配され、かつ、前記内部電極が卑金属を主成分とする金属で形成されていることを特徴とするセラミックコンデンサ。
- 主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質と、該主成分の物質に副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で添加する第二の添加物とを添加し、これらを混合したものを、非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理して、焼成物とし、該誘電体組成物中におけるMeと(Me+Ba)との比xの値が0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値が0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値が0.02≦y≦0.1の範囲にあり、かつ、該誘電体組成物中のSiの酸化物 の含有割合sが0.5atm%≦s≦2.0atm%の範囲にあり、Mnの酸化物の含有割合tが、0.5atm%≦t≦3.0atm%の範囲にあり、Crの酸化物の含有割合uが、0.06atm%≦u≦0.5atm%の範囲にあり、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物の含有割合vが0.2atm%≦v≦1.0atm%の範囲にある誘電体組成物の製造方法。
- 主成分の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる物質からなり、副成分物質が少なくともSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを含有する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物とであることを特徴とする誘電体組成物。
- 誘電体組成物からなる1又は2以上の誘電体層とこの誘電体層を挟持している内部電極とを備えたセラミックコンデンサにおいて、前記誘電体層の組成物が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr、xは0.7≦x≦0.95、kは0.9≦k≦1.1、yは0.02≦y≦0.1を満足する数値)で表わされる主成分物質に少なくとも副成分物質として、Siの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物とを含有する第一の添加物と、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上含有する第二の添加物とを有した誘電体組成物であることを特徴とするセラミックコンデンサ。
- 主成分物質の組成が、(Ba1−xMex) k (Zr1−yTiy)O3、(但し、MeはCa及び/又はSr)で表わされる物質に、副成分物質として少なくとも焼成後にSiの酸化物とMnの酸化物とCrの酸化物になる物質を含有する第一の添加物をSi、Mn及び/又はCrの酸化物或いはSi、Mn及び/又はCrの水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加え、ScおよびYを含む希土類元素(La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu)あるいはNb、Mo、TaおよびWの酸化物を1種または2種以上を含有する第2の添加物を、酸化物或いは水酸化物又は酢酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩等の塩のいずれかの形態で加え、これらの物質を非酸化性雰囲気中乃至は還元性雰囲気中で混合焼成した後、酸化雰囲気中で熱処理することにより、焼成物とし、該焼成物中における上記組成中のMeと(Me+Ba)との比xの値を0.7≦x≦0.95の範囲、(Ba+Me)と(Zr+Ti)との比kの値を0.9≦k≦1.1の範囲、Tiと(Ti+Zr)との比yの値を0.02≦y≦0.1の範囲にした誘電体組成物の製造方法。
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