JP2003063217A - 重荷重用チューブレスタイヤ - Google Patents
重荷重用チューブレスタイヤInfo
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Abstract
ドベース面でのクラックの発生を抑制する。 【解決手段】ビードコアの偏平率は0.4〜0.5、し
かもビードコアの内径Dcはリム径Dr以上かつ差Dc
−Drを0〜2.0mmの範囲に抑える。ビード部の外
側面は、タイヤ最大巾点からのびる曲率半径R1の第1
の円弧部と、この円弧部に接点Pで内接しかつヒール点
までのびる曲率半径R2の第2の円弧部とを具える。曲
率半径の比R1/R2は1.0〜3.0、ヒール点から
接点Pまでの、タイヤ半径方向の距離Lbとタイヤ軸方
向の距離Laとの比La/Lbは0.55〜0.75で
ある。
Description
ード耐久性を高めつつビードベース面におけるクラック
の発生を抑制した重荷重用チューブレスタイヤに関す
る。
レスタイヤでは、例えば、図4に示すように、偏平巾広
なビードコアbを用いて、リムJに対する着座の安定性
を高めるとともに、ビード部aに、ビード剛性を高めか
つ補強するスチールコードの補強コード層dを設ける構
造が広く採用されている。なお前記補強コード層dは、
通常、カーカスcを介してビードコアbの周りで折り返
されるU字状のものが用いられる。
えばJATMA等で規定する最大負荷能力)よりも、2
0%以上も重い過荷重状態で使用される場合があり、従
って、かかる使用状態においても充分なビード耐久性を
保持することが強く望まれている。そのために、近年、
コア径Dcをリム径Dr付近まで減じ、ビードコアbの
締め付け力をアップしてビード変形をさらに抑制するこ
とが提案されている。
うなビードコアbの締め付け力のアップは、補強コード
層d下に配されるチェーファゴムeへの負荷を増加させ
るだけでなく、前記補強コード層dとビードベース面a
1との間の最短ゴム厚さTzの規制となり、ビードベー
ス面a1にクラックfを発生させ易くするという問題を
誘発させる。
記最短ゴム厚さTzを厚く確保すれば前記クラックを防
止できるが、ビードコアbの締め付け力が低下するた
め、ビード変形が大きくなり、過荷重での耐久性を維持
することができなくなる。
イヤでは、図5に示すように、加硫成形の影響により、
ビードコア位置Xが17.5〜21.0mmの範囲で大
きくばら付いており、それに伴って前記最短ゴム厚さT
zのばら付きも増大する。そして、このばら付きによ
り、前記最短ゴム厚さTzが1.8mmを下回ったと
き、前記クラックfが発生し易くなることを究明し得
た。なお前記ビードコア位置Xは、ビードコアbの半径
方向内縁点b1のビードヒール点Phからのタイヤ軸方
向距離として定義したものである。
形状に規定することを基本として、加硫成形時のビード
コア位置のばら付き、即ち前記最短ゴム厚さTzのばら
付きを低く抑えることができ、過荷重に対するビード耐
久性を高めつつビードベース面でのクラックの発生を抑
制しうる重荷重用チューブレスタイヤの提供を目的とし
ている。
に、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォ
ール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に該ビ
ードコアの周りで折り返される折返し部を設けたカーカ
スを具え、かつ15°テーパリムのリム面にタイヤのビ
ードベース面が装着される重荷重用チューブレスタイヤ
であって、前記ビードコアは、コア幅Wcとコア高さH
cとの比Hc/Wcであるコア偏平率が0.4〜0.
5、しかも前記ビードコアの内径Dcは前記15°テー
パリムのリム径Dr以上かつ差Dc−Drを0〜2.0
mmの範囲に抑えるとともに、タイヤをリムに装着する
ことなく両側のビード部のヒール点間の距離をリムのリ
ム巾としたときのタイヤの子午断面において、前記ビー
ド部の外側面は、タイヤ最大巾点からのびる曲率半径R
1の外膨らみの第1の円弧部と、この第1の円弧部に接
点Pで内接しかつ前記ヒール点までのびる曲率半径R2
の第2の円弧部とを具え、しかも前記曲率半径の比R1
/R2は1.0〜3.0の範囲、かつ前記ヒール点から
前記接点Pまでのタイヤ半径方向の距離Lbと、前記ヒ
ール点から前記接点Pまでのタイヤ軸方向の距離Laと
の比La/Lbは0.55〜0.75であることを特徴
としている。
前記カーカスを介してビードコアの周りでU字に折返さ
れる補強コード層を具えるとともに、この補強コード層
と前記ビードベース面との間の最短ゴム厚さTzは、
1.8mm〜3.0mmの範囲であることを特徴とする
請求項1に記載の重荷重用チューブレスタイヤ。
図示例とともに説明する。図1は、本発明の重荷重用チ
ューブレスタイヤの子午断面を示している。
ヤ1(以下タイヤ1という)は、トレッド部2からサイ
ドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る
カーカス6と、トレッド部2の内方かつカーカス6の半
径方向外側に配されるベルト層7とを具える。
ルトプライから形成される。本例では、ベルト層7が、
スチールコードのベルトコードをタイヤ周方向に対して
例えば60±10°程度の角度で配列した半径方向最内
のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して30°以
下の小角度で配列したベルトプライ7B、7C、7Dと
の4層構造を有するものを例示しており、ベルトコード
がプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けるこ
とにより、ベルト剛性を高めトレッド部2を補強してい
る。
イヤ周方向に対して70〜90°の角度で配列した1枚
以上のカーカスプライからなり、本例ではカーカスコー
ドにスチールコードを用いた1枚のカーカスプライ6A
からなる場合を例示している。このカーカスプライ6A
は、ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端
に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外
側に折返すプライ折返し部6bを具える。
ースラインBLからの半径方向高さh1は、例えばタイ
ヤ断面高さHの10〜30%に設定されるのが好まし
く、10%よりも小であると、ビード部4の曲げ剛性が
低下する傾向があり、逆に30%を越えると、プライ折
返し部6bの外端が、屈曲の激しいタイヤ最大巾点Mに
近づくためコードルースなどを起こしやすくする。なお
前記ビードベースラインBLとは、ビード部4のヒール
点Phを通るタイヤ軸方向線を意味する。
6bとの間には、ビードコア5から半径方向外方に向か
って先細状にのびるビードエーペックスゴム8が配され
るとともに、前記ビード部4には、カーカスプライ6A
を包むように、ビードコア5の周りをカーカス6を介し
てU字に折り返す補強コード層9が設けられる。
に、前記プライ折返し部6bのタイヤ軸方向外側をタイ
ヤ半径方向外方にのびる外の立ち上げ部9bと、プライ
本体部6aのタイヤ軸方向内側をタイヤ半径方向外方に
のびる内の立ち上げ部9aとを一体に具えた断面略U字
状をなし、本例では、1枚のスチールコードのプライか
らなるものを例示している。
ベースラインBLからの高さh3を、外の立ち上げ部9
bのビードベースラインBLからの高さh2よりも大
(h3>h2)に設定し、しかもその差h3−h2を、
タイヤ断面高さHの0.03倍〜0.17倍の範囲に規
制するのが望ましい。この時、外の立ち上げ部9bの前
記高さh2は、プライ折返し部6bの前記高さh1より
小である。
満では、ビード部4の曲げ剛性が不足傾向となり、ビー
ド耐久性の向上効果が充分に見込めなくなる。逆に0.
17×Hを越えると、内の立ち上げ部9aの外端が、屈
曲の激しいタイヤ最大巾点Mに近づくためコードルース
が起こりやすくなる。
の曲げ剛性を大幅に高め、かつ過荷重走行において、プ
ライ折返し部6bに作用する圧縮応力及びプライ本体部
6aに作用する引張応力を緩和してビード部4の耐久性
を向上させる。
が、コア幅Wcとコア高さHcとの比Hc/Wcである
コア偏平率を0.4〜0.5とした横長偏平の六角形状
をなし、その半径方向内辺がビードベース面SAに沿っ
て傾斜することによって、リムに対する着座の安定性を
高めている。
ドコア5の安定性が不足し、過荷重走行においてビード
部が動きやすくなるなど、ビード耐久性が損なわれる。
逆にコア偏平率が0.4より小さい、即ち巾広となる
と、カーカスプライ6Aのビードコア5からの半径方向
への突出量gが増大するため、前記補強コード層9とビ
ードベース面SAとの間の最短ゴム厚さTzが実質的に
低下する。その結果、ビードベース面SAでクラックが
発生し易くなる。又ビードベース面SA自体の巾広化を
招くため、リム組みしにくくなり、かつリム組時の損傷
も発生しやすくなる。
ビード耐久性を確保するため、前記ビードコア5の内径
Dcを、15°テーパリムJのリム径Dr以上(Dc≧
Dr)ではあるがその差Dc−Drを0〜2.0mmの
範囲に抑え、ビードコア5による締め付け力をアップし
ている。なお差が2.0mmを越えると、締め付け力が
不足し、ビード変形が大きくなって耐久性が損なわれ
る。逆に0mmより小、即ちDc<Drでは、内径Dc
が小さすぎて前記最短ゴム厚さTzが不足し、クラック
が発生し易くなる。
ドコア位置Xのばら付きを抑え、前記最短ゴム厚さTz
を高精度で安定して確保するために、以下の〜の構
造を有するに特徴がある。
くヒール点Ph、Phの間の距離WB(ビード巾WBと
いう場合がある)をリムJのリム巾Wrとした状態Yの
ときのタイヤ子午断面(図1〜3に示す)において、 ビード部4の外側面SBが、タイヤ最大巾点Mから
のびる曲率半径R1の外膨らみの第1の円弧部SB1
と、この第1の円弧部SB1に接点Pで内接しかつ前記
ヒール点Phまでのびる曲率半径R2の第2の円弧部S
B2とを具える; 前記曲率半径の比R1/R2が、1.0〜3.0の
範囲である; 前記ヒール点Phから前記接点Pまでのタイヤ半径
方向の距離Lbと、前記ヒール点Phから前記接点Pま
でのタイヤ軸方向の距離Laとの比La/Lbが、0.
55〜0.75の範囲である; ことが必要である。なお前記状態Yでのタイヤ形状は、
加硫金型内でのタイヤ形状と略一致するものである。
如く、ヒール点Phの近傍に、リムフランジに沿う凹円
弧状の凹部mを設けている。この凹部mは加硫成形時、
金型の凸部が押し入ることにより形成されるものである
が、そのときの押し圧力、及びそれに伴うゴム流れによ
って、ビードコアbに不均一な外力が作用し、ビードコ
ア位置Xをばら付かせていた。これに対して、本実施形
態では、前記外側面SBは、凹部mのない滑らかな曲線
状をなすため、外力が均一化しビードコア位置Xが安定
する。
部SB2が外側に倒れ込んだ形状(寝た形状)の場合に
は、加硫成型時、ビードコア5がタイヤ軸方向に移動し
やすくなるなど、ビードコア位置Xが不安定となってば
ら付きが生じることが判明した。これは加硫時に生カバ
ーが安定せず偏心した状態になりやすいことが原因と考
えられる。
く、曲率半径の比R1/R2を1.0〜3.0の範囲、
かつ距離の比La/Lbを0.55〜0.75の範囲に
規制し、これにより、加硫成型時におけるビードコア5
のタイヤ軸方向への変動を抑え、前記最短ゴム厚さTz
を高精度で安定して確保している。
び比La/Lbが0.75より大では、第2の円弧部S
B2の倒れ込みが大きすぎ、ビードコア位置Xが不安定
となってばら付きが大きくなる。逆に前記比R1/R2
が1.0より小、及び比La/Lbが0.55より小で
は、第2の円弧部SB2が立ちすぎ、ビードコア位置X
は安定化するが、ビード変形が大きくなり、過荷重時の
耐久性を確保することができなくなる。
なく安定して確保できるため、最短ゴム厚さTzを、図
5に示すように、1.8〜3.0mmの範囲に規制する
ことが可能となり、クラックの発生を抑制できる。な
お、発明者の調査の結果、最短ゴム厚さTzが1.8m
m以上であれば、過荷重状態においても、クラックの発
生が回避できることが判明している。また前記最短ゴム
厚さTzを3.0mmより大に設定することは、前記ビ
ードコア5の偏平率が0.4〜0.5である点、及びビ
ードコア5の内径Dcがリム径Dr以下である点から判
断して実質的に難しいものである。
皮をなすリムずれ防止用のチェーファゴムであって、ゴ
ム硬度(デュロメータA硬さ)が75〜85度の硬質ゴ
ムが使用される。このチェーファゴム10は、ビードベ
ース面SAをなす基部10Aと、外側面SBをなし半径
方向外方に立上がる立片部10Bとを一体に具え、少な
くともリムとの接触領域で露出することにより、摩耗強
度を高めリムずれによる損傷を防止しうる。
°の角度で傾くリム面と着座するビード部4の底面であ
って、前記ヒール点Phからトウ点Ptに至る領域で定
義される。本例では、このビードベース面SAは、ビー
ドベースラインBLに対して22〜26°の角度θ(例
えば約24度)で傾斜する、実質的に折曲がりのない直
線状の斜面からなる。これによって、必要なエアーイン
性能を確保しながら、トウ点Ptにおける内径を大きく
でき、リムフランジへの乗り越し性を高めると同時にト
ウ欠けの発生を抑制できる。
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
0R22.5)を、表1の仕様に基づき試作するととも
に、各試供タイヤのビード耐久性、及び最短ゴム厚さT
zを測定し互いに比較した。表1以外の仕様は、各タイ
ヤとも実質的に同じである。
い、試供タイヤを、リム(9.00×22.5)、内圧
(850kPa)、速度(20km/h)、荷重(7
8.36kN)の条件にて、ビード部に損傷が発生する
までの走行時間を測定し、比較例1を92とした指数で
評価した。値が大きいほど優れている。なお規定荷重内
での使用ならば70以上あればよい。
イヤに対し、CTスキャンを用いて、左右のビード部の
断面映像を、タイヤ周方向に等間隔でそれぞれ8箇所づ
つ撮影した。そして、画像上で、コア下での最短ゴム厚
さTzを測定し、そのときのばら付きを比較した。
加硫成形時のビードコア位置のばら付き、即ち前記最短
ゴム厚さのばら付きを低く抑えることができ、過荷重に
対するビード耐久性を高めつつビードベース面でのクラ
ックの発生を抑制しうる。
例を示す断面図である。
きを説明する線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
ード部のビードコアに至る本体部に該ビードコアの周り
で折り返される折返し部を設けたカーカスを具え、かつ
15°テーパリムのリム面にタイヤのビードベース面が
装着される重荷重用チューブレスタイヤであって、 前記ビードコアは、コア幅Wcとコア高さHcとの比H
c/Wcであるコア偏平率が0.4〜0.5、しかも前
記ビードコアの内径Dcは前記15°テーパリムのリム
径Dr以上かつ差Dc−Drを0〜2.0mmの範囲に
抑えるとともに、 タイヤをリムに装着することなく両側のビード部のヒー
ル点間の距離をリムのリム巾としたときのタイヤの子午
断面において、 前記ビード部の外側面は、タイヤ最大巾点からのびる曲
率半径R1の外膨らみの第1の円弧部と、この第1の円
弧部に接点Pで内接しかつ前記ヒール点までのびる曲率
半径R2の第2の円弧部とを具え、しかも前記曲率半径
の比R1/R2は1.0〜3.0の範囲、かつ前記ヒー
ル点から前記接点Pまでのタイヤ半径方向の距離Lb
と、前記ヒール点から前記接点Pまでのタイヤ軸方向の
距離Laとの比La/Lbは0.55〜0.75である
ことを特徴とする重荷重用チューブレスタイヤ。 - 【請求項2】前記ビード部は、前記カーカスを介してビ
ードコアの廻りでU字に折返される補強コード層を具え
るとともに、この補強コード層と前記ビードベース面と
の間の最短ゴム厚さTzは、1.8mm〜3.0mmの
範囲であることを特徴とする請求項1に記載の重荷重用
チューブレスタイヤ。
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