JP2003061326A - バーニヤ型ブラシレスモータ - Google Patents
バーニヤ型ブラシレスモータInfo
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Abstract
において、モータの体積効率を向上することを目的とす
る。 【解決手段】 回転方向にN極、S極を交互に着磁した
マグネット体を有するロータと、前記マグネットとラジ
アル方向に対向し磁気回路を構成しコイル4が巻回され
た複数の突極5を設けたコア3とを有し、前記突極の前
記マグネットと対向する部分には、マグネット2極分と
略同一ピッチの小歯6が複数個設けられており、前記ロ
ータの位置に応じてコイルに通電することにより、ロー
タを回転駆動するもので、ブラシレスモータの体積効率
が大幅に向上する。
Description
いられるモータのうち、固定子にバーニヤ(verni
er:副尺化、細分化)構造を応用したブラシレスモー
タに関するものである。
機器、輸送用機器、FA機器等さまざまな機器に、駆動
源としてモータが用いられている。これらの機器は、機
器の高機能化に伴い、使われるモータの個数は年々増加
する傾向にある。また、モータの性能についても近年、
機器の小型化、高速化によって小型でかつ高出力なモー
タが望まれている。
シ付の直流電動機、ステッピングモータ、ブラシレスモ
ータ等さまざまな形態のモータが使用されているが、本
発明は、このうちブラシレスモータに関するものであ
る。
スモータの一例を示した図である。
に着磁されており、永久磁石1に対向するコア3にはコ
イル4を巻回した突極5が6個均等に設けられている。
は電気角で120°ずつ異なっており、同じ位相である
5−1と5−4、5−2と5−5、5−3と5−6にそ
れぞれ3相を割り当て、コイル4に通電を行うことによ
り、ロータが回転駆動される。
は、突極の先端は平坦な場合が一般的である。
(以下バーニヤ構造と称する)を応用したモータとして
は、ブラシレスモータではないがハイブリッド型(以下
HB型と称する)ステッピングモータが商品化され一般
的に使用されている。以下一般的なHB型ステッピング
モータの例を示す。
の構造を示す。図33において永久磁石1は回転軸方向
に着磁されており、回転子鉄心11は、上側と下側がそ
れぞれ全体がN極あるいはS極に磁化された状態となっ
ている。回転子鉄心11の外周面には、等角度ピッチの
小歯が設けられ、上側回転子鉄心の小歯と下側回転子鉄
心の小歯は、上側回転子鉄心の小歯に相当する位置に、
下側回転子鉄心の小歯の谷が来るように角度をずらして
組み立てられている。
と同じ角度ピッチの小歯が設けらた突極5が複数相設け
られており、これら複数相の突極5は、各相の回転子鉄
心11の小歯に対する位置関係が一定角度ずつ異ならせ
て設けられている。ここで各相突極に巻回されたコイル
に電流を通電すると、通電された突極の小歯が磁化さ
れ、前記永久磁石1によって磁化された回転子鉄心11
の小歯とお互いに吸引反発し、一定位置に回転子を固定
しようとするトルクが発生する。この状態で、通電する
コイルの相を順次切り替えることによりロータが回転駆
動される。
歯の角度ピッチを細かくすると、1回の相切り替えによ
る回転子の回転角が小さくなるため、より細かい角度ピ
ッチの位置決めが行えるモータとなる。
に細分化されたピッチの小歯を設けることにより、モー
タ出力軸側の角度分解能を向上し、微細ピッチの位置決
めができるようになる。
着想して、回転子側の小歯を設けた回転子鉄心と軸方向
に着磁された永久磁石を、多極着磁された円筒状永久磁
石1に置き換えたものとしては、特許第3140814
号公報、特許第3071064号公報、特許第2740
893号公報記載の永久磁石式ステッピングモータ、特
許第2733824号公報記載の2相式永久磁石回転電
機、特開平10−80124号公報記載の永久磁石回転
電機、あるいは電気学会論文集D編、115巻2号、平
成7年に掲載された新形式3相ステッピングモータがあ
る。
号、平成7年に掲載された新形式3相ステッピングモー
タのロータ構造を従来のロータ構造と比較した図であ
る。
採ることにより(1)磁束分布が正弦波に近くなる。
(2)磁極の軸方向長さが2倍とれる。(3)磁路が2
次元磁路になり、磁気抵抗が小さくなるという理由によ
り、結果的には、モータの出力は従来と同等で、中間位
置決めを行ういわゆるマイクロステップ駆動した際に角
度精度が向上することが示されている。
ようなバーニヤ構造を適用した例は殆ど見られない。
レスモータに関しては、これまで磁石の性能向上、低損
失の鉄心材料、あるいは、巻線の占積率を向上して銅損
を低減する技術等の開発により高性能化が図られてきた
が、近年開発されたNd−Fe−B系やSm−Fe−N
系等の高性能希土類系磁石を使用すると、性能が向上し
磁束密度が向上した磁石に対して、鉄心の飽和磁束密度
が小さいため、鉄心が磁気飽和状態になり、向上した磁
石の性能を十分に引き出せず、ある程度以上性能が向上
できない状況に陥っていた。
考案された従来技術はバーニヤ構造を主に角度分解能向
上のために利用されたものであるため、単位体積あたり
の出力を示す出力密度、あるいは、同じ特性のモータを
いかに小型化できるかという体積効率といった観点では
最適化されておらず、そのままブラシレスモータに適用
できる技術ではなかった。
上、常に一定の電流をコイルに流し続けるので、トルク
を発生しない場合は電流を通電しないブラシレスモータ
の通電方式と比較して、根本的に実効時の効率が悪いと
いう課題があった。
を行う場合には適しているものの、出力トルクを制御す
ることは困難で、出力トルクの制御を行うことが必要な
場合は、トルクが制御できるブラシレスモータを使う場
合が一般的であった。
なバーニヤ構造をブラシレスモータに適用し、さらにブ
ラシレスモータに合わせた最適化を行うことにより、従
来のブラシレスモータの体積効率の限界を打ち破り、同
一サイズでも高出力、高効率のブラシレスモータを提供
することを目的とする。
に本発明は、回転方向にN極、S極を交互に着磁したマ
グネット体を有するロータと、前記マグネットとラジア
ル方向に対向し磁気回路を構成しコイルが巻回された複
数の突極を設けたコアとを有し、前記突極の前記マグネ
ットと対向する部分には、マグネット2極分と略同一ピ
ッチの小歯が複数個設けられており、前記ロータの位置
に応じてコイルに通電することにより、ロータを回転駆
動したものである。
上し、同一特性のモータの小型化、あるいは同一サイズ
のモータの高出力化、高効率化が可能となる。
は、回転方向にN極、S極を交互に着磁したマグネット
体を有するロータと、前記マグネット体とラジアル方向
に対向し磁気回路を構成しコイルが巻回された複数の突
極を設けたコアとを有し、前記突極の前記マグネットと
対向する部分には、マグネット2極分と略同一ピッチの
小歯が複数個設けられており、前記ロータの位置に応じ
てコイルに通電することにより、ロータを回転駆動する
ことを特徴とするブラシレスモータであり、突極先端部
に小歯を設けることにより、突極には小歯と対向してい
る磁極の部分だけの磁束が選択的に取り入れられる状態
となるために、突極数を増やさなくても、小歯の数を増
やすことにより、有効磁束数の低下を最小限に留めなが
ら、磁極の多極化が自由に行えるようになるため、モー
タの体積効率を向上できる。
が、最大エネルギ積10MGOe以上の永久磁石で構成
されていることを特徴とする請求項1記載のブラシレス
モータで、永久磁石の能力を十分に引き出しモータの体
積効率を向上できる。
タが3相構造であり、マグネット体の磁極数をp、コア
の突極数をz、突極1極あたりに設けられた小歯の歯数
をnとした場合に、(数1)の関係を満足することを特
徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のブラシ
レスモータで、永久磁石の磁束を最大限に利用し、モー
タの体積効率を向上できる。
タが3相構造であり、コアの突極数が6または9極であ
ることを特徴とするある請求項1から3のいずれか1項
に記載のブラシレスモータであり、モータの体積効率を
向上できる。
は、コアと反対側の面にバックヨーク部が設けられてい
ることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記
載のブラシレスモータであり、バックヨーク部での鉄損
を低減しモータの特性を向上できる。
が、高透磁率の軟磁性材料の薄板を複数枚軸方向に積み
重ねて構成したことを特徴とする請求項5記載のブラシ
レスモータで、請求項5の構成方法の1例を示したもの
である。
を質量比2〜6.5%含有させた鋼板であることを特徴
とする請求項6記載のブラシレスモータで、請求項6の
構成方法を1例を示したものである。
が、高透磁率の軟磁性材料の粉末を絶縁体で固着し構成
したことを特徴とする請求項5記載のブラシレスモータ
で、請求項5の構成方法の1例を示したものである。
が、高保磁力の永久磁石材料の粉末を樹脂で固定した永
久磁石部分と、高透磁率の軟磁性材料を樹脂で固着した
バックヨーク部分の2層構造で構成されていることを特
徴とする請求項5記載のブラシレスモータで、請求項5
の構成方法の1例を示したものである。
を、バックヨークのコアと対向する側の面に複数個の永
久磁石を貼り付けて構成したことを特徴とする請求項5
から8のいずれか1項に記載のブラシレスモータで、永
久磁石の着磁が容易になる。
磁極ごとに分割して構成されており、各々着磁した後で
組み立てられたことを特徴とする請求項10記載のブラ
シレスモータで、永久磁石の着磁が容易になる。
が、高透磁率の軟磁性材料の薄板を複数枚軸方向に積み
重ねて構成したバックヨーク部に複数の永久磁石を挿入
した、いわゆる磁石埋め込み型の構造であることを特徴
とする請求項1から7のいずれか1項に記載のブラシレ
スモータで、ロータの機械的強度を向上できる。
定角度スキュー着磁されていることを特徴とする請求項
1から9のいずれか1項に記載のブラシレスモータで、
モータのコギングトルクを低減できる。
極数をp、コアの突極数をz、永久磁石のスキュー角度
を中心角でθ(°)とした場合に、(数2)(kはpと
zの最小公倍数)の関係を満足することを特徴とする請
求項13記載のブラシレスモータで、コギングトルクの
低減と、モータ体積効率を両立できる。
ータが3相構造であり、突極に設けられた小歯の開角が
電気角で145°〜160°であることをことを特徴と
する請求項1から13のいずれか1項に記載のブラシレ
スモータで、モータのコギングトルクを低減できる。
ータが3相構造であり、前記突極1極あたりに設けられ
た小歯の歯数をnとした場合に、コアの軸方向断面形状
が、回転方向に電気角で60/n°±10%ずつずらし
たn個のコア基本形状を適時組み合わせた形状に構成し
たことを特徴とする請求項1から13および15のいず
れか1項に記載のブラシレスモータで、モータのコギン
グトルクを低減できる。
りに設けられた小歯の歯数をn、小歯のピッチを電気角
でβ(°)とした場合に、(数3)の関係を満足するこ
とを特徴とする請求項16記載のブラシレスモータで、
隣り合う突極間の干渉を抑えるとともに、コイルを巻回
する際の作業性を向上できる。
ータが3相構造であり、突極に設けられた小歯の開角が
左右で異なるように構成するとともに、その角度差が電
気角で60°±10%の範囲であることを特徴とする請
求項16記載のブラシレスモータで、モータの回転精度
を向上できる。
極数をp、前記コアの突極数をz、永久磁石のスキュー
角度を中心角でθ(°)とした場合に、(数4)(kは
pとzの最小公倍数)の関係を満足することを特徴とす
る、請求項15から18のいずれか1項に記載のブラシ
レスモータで、コギングトルクの低減と、モータ体積効
率を両立できる。
ータが3相構造であり、1相分の突極あたりに設けられ
た小歯の合計歯数をNとした場合に、コアの軸方向断面
形状が、回転方向に電気角で60/N°±10%ずつず
らしたN個のコア基本形状を適時組み合わせた形状に構
成したことを特徴とする請求項1から13のいずれか1
項に記載のブラシレスモータで、モータのコギングトル
クを低減できる。
ータが3相構造であり、突極1極あたりに設けられた小
歯の歯数をnとした場合に、コアの軸方向断面形状が、
突極に設けられた小歯の開角が電気角で145°〜16
0°である基本形状をベースとして、回転方向に電気角
で30/n°±10%ずつずらしたn個のコア基本形状
を適時組み合わせた形状に構成したことを特徴とする請
求項1から13のいずれか1項に記載のブラシレスモー
タで、モータのコギングトルクを低減できる。
りに設けられた小歯の歯数をn、小歯のピッチを電気角
でβ(°)とした場合に、(数5)の関係を満足するこ
とを特徴とする請求項21記載のブラシレスモータで、
隣り合う突極間の干渉を抑えるとともに、コイルを巻回
する際の作業性を向上できる。
から22いずれか1項に記載のブラシレスモータを具備
する携帯情報、AV機器で、機器の小型化を実現でき
る。
から22のいずれか1項に記載のブラシレスモータを具
備するOA、家電機器で、機器のサイズを大きくするこ
と無く、小型化、高機能化を実現できる。
から22のいずれか1項に記載のブラシレスモータを具
備するロボットで、ロボットの高機能化を実現できる。
から22のいずれか1項に記載のブラシレスモータを具
備する輸送用機器で、輸送機器の走行性能、燃費を向上
できる。
て説明する。
ータの磁気回路構成を示した説明図である。
面にN、S極を交互に20極均等に着磁されており、外
周にバックヨーク2が固定されている。コア3は珪素鋼
板をプレス加工で形状を打ち抜くとともに軸方向に複数
枚積層して構成されている。コア3にはコイル4が巻回
された突極5が6極均等に設けられ、突極5の永久磁石
と対向する部分には、1つの突極あたり2個全体で12
個の小歯6が設けられている。ここで突極先端に設けら
れた小歯6のピッチは永久磁石2極分と同一(言い換え
れば電気角360°)ピッチに構成されている。
タの最大の特徴は、突極先端部に永久磁石2極分のピッ
チで小歯を設けたところにある。このように、小歯を設
けることにより、突極には小歯と対向している磁極の部
分だけの磁束が選択的に取り入れられる状態となる。
位置関係を考えると、突極5−1と5−4、突極5−2
と5−5、突極5−3と5−6がそれぞれ全く同一の位
置であり、各グループの位相が電気角で120°ずつ異
なっていることが分かる。ここで、各グループを1相と
して、永久磁石1が固定されたロータの回転位置に応じ
てコイル4に3相通電を行うことによりトルクが発生
し、ロータが回転駆動される。
を、同一サイズの従来型ブラシレスモータと比較して説
明する。
タの磁気回路構成を示した説明図である。
突極数は6極で、図1と等しいが、永久磁石に着磁され
た磁極は8極であり、図1とは異なる。
おいて、突極の形状をそのままに、磁極のみ多極化を行
うと、突極先端部の幅が、磁極より広くなってしまうこ
とにより、磁極から出た磁束が突極先端部でループする
状態となり、トルク発生に寄与する有効磁束密度が減少
するために、モータの出力が大幅にダウンする。従っ
て、磁極を増やす場合は、同時に突極数も増やさなけれ
ばならない。
にして、図2のブラシレスモータの磁極の多極化を行っ
た例である。
突極数は15極で、図1と異なるが、永久磁石に着磁さ
れた磁極は20極であり、図1と等しい。
に複数の小歯を設けるバーニヤ構造をブラシレスモータ
に用いることにより、突極数を増やさなくても、小歯の
数を増やすことにより、磁極の多極化が自由に行えるよ
うになるという効果が得られる。
タと、図2および図3に示す従来型ブラシレスモータの
特性について比較しながら説明する。
える。モータの体積効率を表す値としては、モータの速
度変動率の逆数がよく用いられる。
す関係が成立する。
抵抗、Φはひとつの突極あたりの有効磁束数、tはコイ
ルターン数、mはロータ磁極数、zはコア突極数であ
る。
の磁気回路構成と、図2および図3に示す従来型の磁気
回路構成を当てはめて比較する。
従来型ブラシレスモータの値を1として比較した図であ
る。
す従来構成の方が突極の磁極と対向している部分の面積
が大きく、有効磁束数が大きい。図1に示す本発明の構
成の場合、突極の磁極と対向している部分の面積は、図
1の8割にとどまっており、漏れ磁束や無効磁束等を無
視すると、有効磁束は従来の0.8倍になる。また、図
3の場合は、突極数を増やしたことにより、突極あたり
の有効磁束数は図2の場合の0.4倍に低下する。
磁極数mは、図2に示す従来型は8極に対して、図1お
よび図3では20極となり2.5倍となっている。
く、図3では15極となっている。
発明の構成では、突極先端にバーニヤ構造を設けた関係
で、図2に示す従来型の構成に比較して突極先端が大き
くなり、巻線スペースが小さくなる関係上、同じターン
数を巻く場合線径の細い線を使用する必要があり、結果
としてコイル抵抗が上がる。本実施例の場合、コイル抵
抗は1.25倍程度に増加している。また図3の場合
は、突極数が増えたことにより直列接続されるコイル数
が増えたことおよび、隣り合う突極間の隙間が減少した
ことに、コイルを巻回するスペースが減少し1コイルあ
たりの抵抗値が増加したことにより、コイル抵抗は図2
の場合の4倍程度に上昇する。
と、本実施例のブラシレスモータの体積効率ηは、理論
上図2の場合の3.2倍、図3の場合の2倍に達するこ
とが分かる。
磁極mの多極化を行うことによりある程度体積効率は向
上するものの、コイル抵抗Rが極端に増加し、大きな体
積効率の向上は得られない。
ル抵抗Rを大きく増やすことなく、磁極mの多極化が行
えるので、有効磁束数Φは若干低下するものの、トータ
ルとして大幅に体積効率を上昇させることができる。
型ブラシレスモータは、従来型のブラシレスモータに対
して体積効率を2倍以上に向上できる。しかしながら、
このバーニヤ型ブラシレスモータの体積効率を十分に引
き出すには、ある程度の条件が必要である。
上記の計算どおりにいかないことによる。
ータの有効磁束数Φは図2に示す従来型ブラシレスモー
タの0.8倍であるとしたが、実際にはそれよりも小さ
い数値になる。以下この理由について簡単に説明する。
と、平均磁束密度が低下する。その理由は、磁極の切り
替え部分周辺では、完全な着磁ができないからであり、
磁極の切り替え部分では、無着磁部分や着磁が弱い部分
が存在するので、図1のバーニヤ型ブラシレスモータの
永久磁石の平均磁束密度は、図2に示す従来型ブラシレ
スモータの永久磁石の平均磁束密度より低下している。
成は、その構成からトルクの発生に寄与しない無効磁束
が多く発生する。
束の流れを示した図である。
る。モータの発生トルクに寄与する磁束は、突極5から
入り込み、別の突極5より永久磁石1に戻るが、図5に
示すようにコアを通らずに永久磁石周辺でループしてい
る磁束7−1、あるいは、一応コアは通過するものの、
漏れ磁束となっている磁束7−2等が多く発生してい
る。
下、あるいは無効磁束を考慮すると、上記計算で0.8
倍と仮定した有効磁束数Φは、実際上は従来型の半分程
度にまで低下するため、本実施例1の構成の体積効率面
での優位性は大部分が失われてしまう。
を向上することで一変する。
スモータと従来型ブラシレスモータの永久磁石の最大エ
ネルギ積と、体積効率の関係を示した図である。
す最大エネルギ積(MGOe)である、従来型ブラシレ
スモータの場合、永久磁石の性能が低い場合は、永久磁
石の性能向上に伴いほぼ直線的に体積効率が向上する
が、最大エネルギ積10(MGOe)前後からその上昇
度合いが鈍化し、最大エネルギ積15(MGOe)以上
では、殆ど体積効率が上昇しなくなる。これは、コアに
使用されている珪素鋼板の飽和磁束密度が1.6〜2.
0(T)程度であり、永久磁石の性能が向上した場合、
永久磁石の発生する磁束密度に対してコアの飽和磁束密
度に余裕がないため、永久磁石の厚みを極端に薄くし
て、動作点での磁束密度を抑えて使用する必要があるた
めであり、永久磁石の性能を向上しても、永久磁石が薄
くなる分僅かに体積が小さくなる以外殆ど体積効率が向
上できない。
−B系焼結永久磁石等の最大エネルギ積は45〜50
(MGOe)程度に達しているが、従来型のブラシレス
モータでは、この永久磁石の能力は十分に引き出すこと
はできず、実際上は、コストの面も勘案し最大エネルギ
積10(MGOe)前後のNd−Fe−B系樹脂磁石等
が一般的に用いられていた。
ータの場合、多極着磁化による永久磁石平均磁束密度の
低下と、無効磁束の発生により、有効磁束数は従来の半
分程度に低下しているため、コアの飽和磁束密度にはま
だ十分に余裕がある。
より、永久磁石の磁束密度を向上すれば、体積効率を大
幅に向上することができる。
最大エネルギ積10(MGOe)以上では、本実施例1
のバーニヤ型ブラシレスモータが従来型のブラシレスモ
ータに比較して圧倒的に体積効率が高い。
あたりに設けられた小歯6の数は2個であったが、この
状態でもある程度以上に永久磁石の性能が向上すると、
コアが磁気飽和するが、図7に示すように小歯6の数を
3個以上に構成することにより、永久磁石の性能向上に
比例してさらに体積効率を向上することができる。
効率を引き出すもう一つの条件は、突極数、磁極数を適
切に設定する必要があるということである。
あり、ロータの磁極数は20極の場合を示したが、一般
的にブラシレスモータが3相構造の場合、永久磁石の極
数をp、コアの突極数をz、突極1極あたりに設けられ
た小歯の歯数をnとした場合に、(数1)の関係を満足
するように設定することにより、隣り合う突極間の隙間
が最も小さくなり、突極先端に設けられた小歯と永久磁
石が対向している面積が最大となるため、同一の永久磁
石を用いた場合の有効磁束数が最大となり、永久磁石の
能力を最大限に引き出し、モータの体積効率を向上でき
る。
であり、ロータの磁極数は20極の場合を示している
が、突極数が3極で、磁極数は10極、突極数が9極
で、磁極数は30極、突極数が12極で、磁極数は40
極といった構成も可能である。
ータの磁気回路部分のアスペクト比(長さ/外径)と体
積効率の関係を示した図である。
は突極数が6極の場合であるが、アスペクト比が小さい
(言い換えれば軸方向に薄い)場合、9極または12極
の場合の方が体積効率が優れている傾向にあり、逆にア
スペクト比が大きい(言い換えれば軸方向に長い)場
合、3極の場合が体積効率が優れている。
イルがコアからはみ出した部分(いわゆるコイルエンド
部)の高さが無視できないためであり、突極数を多くし
た方が薄型化に適している。
ト比0.1〜3程度の範囲では、6極または9極が最も
体積効率が優れており、一般的には、突極数は6極また
は9極を選ぶのが適切である。
積効率を引き出すにはバックヨーク2の性能も非常に重
要となる。
常に大きな磁束が流れており、その磁束は場所により大
きく異なっていることが分かる。これは、バックヨーク
2の磁束がロータ回転により激しく変化することを表し
ている。
ら20極に多極化したことにより、磁束の周波数も高く
なり、磁束周波数の2乗に比例して増加する渦電流損失
あるいは、磁束周波数に比例して増加するヒステリシス
損失ともに従来型より大きなものとなる。
向に積層して使用する、あるいは、絶縁された軟磁性材
料の粉末を樹脂等の絶縁体で固着した材質で構成する、
またはさらに図9に示すようにマグネット体そのもの
を、高保磁力の磁性体粉末を樹脂で固着した永久磁石層
8と、高透磁率の磁性体粉末を樹脂で固着したバックヨ
ーク層9の2層構造にする等の方法により、バックヨー
クの高周波磁気特性を向上することにより、バックヨー
ク部での損失発生を抑え特性を向上できる。
場合は、珪素の含有量が質量比2〜6.5%(望ましく
は6.5%)であることが望ましい。珪素鋼板の鉄損は
珪素が6.5%であるときが最も鉄損が少なく効率が良
いが、珪素の含有量を多くすると、鋼板が脆くなり極端
に加工性が低下する。従って加工の容易さを考慮して2
〜6.5%の間の適切な値に設定することにより、加工
性と効率を両立することができる。
円筒状である場合を示したが、図10に示すように、バ
ックヨーク2内周に複数の永久磁石1を並べて接着固定
する。あるいは、図11に示すように、バックヨーク2
を珪素鋼板を複数枚軸方向に積み重ねて構成し、あらか
じめ開けておいた穴の部分に永久磁石を挿入した、いわ
ゆる磁石埋め込み型の構成も可能である。
り、永久磁石をあらかじめ着磁した状態で組み立てるこ
とにより、着磁が容易になり、磁石の能力を引き出しや
すくなる。
ぼこ状に成型することにより、隣り合う磁極間の影響を
抑制し、有効磁束密度を向上できる。また、図11に示
すように永久磁石をヨーク内に埋め込むことにより、機
械的強度の優れたロータを構成することができる等の効
果も得られる。
ータが外周にあるアウターロータ型モータの場合を示し
ているが、図12に示すように、コアが外周にあり、ロ
ータが内周にあるインナーロータ型の構成も可能である
ことは言うまでもない。一般的に、モータのトルク特性
を重視する場合、マグネットとコアの対向面積を大きく
できるアウターロータ型の方が優位であるが、高速応答
を要するモータの場合、ロータの外径が小さく、ロータ
の慣性モーメントが小さいインナーロータ型が有利な場
合もあり、用途に応じて適切な方を選択すればよい。
回転するとコアと永久磁石の磁気エネルギが周期的に変
化することにより発生するが、バーニヤ型ブラシレスモ
ータの場合、磁極が多極化されている関係で、従来型ブ
ラシレスモータより小さい回転角でより大きな磁気エネ
ルギの変化を生じ、コギングトルクも大きくなる傾向に
ある。
示したバーニヤ型ブラシレスモータで問題となるコギン
グトルクについて、その解決方法を示す。
永久磁石1の着磁分布を示した図である。その他磁気回
路の構成は上記実施例1(図1)と全く同じである。
が上端部と下端部で異なるように、所定角度θだけスキ
ュー着磁がなされている。
合、永久磁石の磁極数をp、コアの突極数をzとした場
合、コギングトルクの波形は、1回転あたりk回の繰り
返し波形となる(kは、pとzの最小公倍数)。
ると、コギングトルクの波形がコアの積層方向に平均化
され、コギングトルクの絶対値が小さく収まる。
ングトルクの関係を示す図、図14(b)は着磁のスキ
ュー角度とモータ体積効率の関係を示す図である。
ングトルクは、スキュー角度が小さくなるにつれ縮小す
る傾向にあるが、6°、12°付近で極小値を取り、そ
れ以外では少し高くなる傾向がある。これは、着磁をス
キューさせるとコギングトルクの波形がコアの積層方向
に平均化されるため、スキュー角度をコギングトルク周
期の整数倍と一致させることにより、コギングトルクが
極小となることを示している。
の体積効率に関しては、スキュー角度を大きくすればす
るほど悪化する傾向になる。これは、スキュー角度を大
きくすると、永久磁石の上下端では、磁極の位相が異な
るため、適切な通電位相とずれた状態でコイルに通電す
る状態となり、モータの体積効率が低下するためであ
る。
グトルクの低減と、体積効率を両立させるためには、ス
キュー角度θをコギングトルク1周期分にあたる6°に
するべきである。
方向長さが等しい場合は、上記のように、スキュー角度
θをコギングトルクの周期と一致させたが、永久磁石の
軸方向長さと、コアの軸方向長さが異なる場合、若干角
度を上下させた方がコギングトルクが小さくなる場合が
あり、永久磁石の磁極数をp、コアの突極数をzとした
場合、一般的には(数2)の関係が成立するようにスキ
ュー角度θを設定することで、コギングトルクの低減
と、モータ体積効率を両立できる。
キュー角度を設ける方法を示したが以下実施例3では、
コアの形状を工夫することによりコギングトルクを低減
する方法を示す。
図である。
示す実施例1のコア形状と比較して、突極5先端の小歯
6の開角αが異なる以外全く同じ形状である。
ギングトルクは大きく変化する。
ギングトルク波形を示した図である。
0°の場合、図16(b)は小歯の開角が電気角で15
0°の場合、図16(c)は小歯の開角が電気角で18
0°の場合を示している。
クは回転電気角360°に対し6回の繰り返し波形とな
っている。これは突極数と磁極数の最小公倍数に一致す
る。これは本実施例のモータに限ったことではなく、同
様にバーニヤ型のブラシレスモータではコアの突極数と
磁極数の最小公倍数に一致した周期のコギングトルクが
発生するのが一般的である(以後この周期を基本コギン
グトルク周期と呼ぶ)。
きくした場合では、コギングトルクの周期および絶対値
は図16(a)の場合とほぼ等しいものの、コギングト
ルクの位相が正反対の波形となっている。
気角で150°にした場合は、コギングトルクの周期が
基本コギングトルク周期の2倍の周波数のコギングトル
クが発生しているとともに、絶対値自体も大幅に小さく
なっている。
説明する。
永久磁石1の磁極のN極とS極の切り替え部分が小歯6
のエッジ部6−1に差し掛かった状態を考える。
り替え部分が小歯6のエッジ部6−1に差し掛かると
が、永久磁石1と小歯6の間の磁気エネルギが変化し図
18(a)に示すようなトルクが発生する、この波形は
小歯6のエッジ部6−1と磁極切り替え部分が一致する
近辺でゼロとなる波形である。
同様に、小歯6のエッジ部6−2と磁極切り替え部分が
一致する位置の近辺でゼロとなる波形のトルクが発生す
る。波形は、図18(b)に示したとおり先のトルクと
点対称な波形となる。ここで小歯6の開角を電気角で1
50°に設定すると、小歯6の両側のエッジ部6−1、
6−2で発生するトルクの位相が異なる形となり、両者
のトルクがキャンセルされることにより、一つの小歯6
では、図18(c)に示すように、3次成分が完全に除
去されたトルクとなる。
次、4次、5次成分は他の小歯で発生する位相が電気角
で120°ずつずれたトルクによりキャンセルされるた
めに、図18(d)に示すように、6次以上の成分のト
ルクが現れ、結果的には基本コギングトルク周期の2分
の1の周期のコギングトルクが発生する形となるととも
に、コギングトルクの絶対値も小さく収まる。
角で150°の場合が最小となることを示したが、同様
に、小歯の開角が電気角で90°、210°とした場合
にも、小歯の両エッジで発生するコギングトルクの3次
成分が除去され、同様の現象が発生する。
°でコギングトルクが最小になることを示したが、15
0°から角度がある程度前後した場合を考えると、小歯
の開角を電気角で140°または160°とした場合
は、小歯で発生するコギングトルクの3次成分は50%
除去され、小歯の開角を電気角で145°または155
°とした場合は、小歯で発生するコギングトルクの3次
成分は74%除去される状態となり、実用的な性能を得
るためには、小歯で発生するコギングトルクの3次成分
が約4分の1以下となる145〜155°に設定するこ
とにより、コギングトルクの基本周期成分が大幅に低減
され、コギングトルクを小さく抑えることができる。
にコア半径より小さいRで形成した場合、あるいは図1
9(b)のように面取り部を設けた場合、あるいは、コ
アの磁気飽和等の影響を考慮した場合は、磁気特性上は
小歯6の開角が狭まった状態に近い条件となり、小歯6
の開角αが若干(電気角にして5°前後)大きい場合に
コギングトルクが最小となる現象が発生する場合があ
る。
係なく小歯の開角を電気角で145〜160°または8
5〜100°または205〜220°の間の適切な角度
に設定することにより、基本コギングトルク周期の2分
の1の周期のコギングトルクが発生し、コギングトルク
の絶対値も小さく抑えることができる。
0°に設定した場合は、小歯と永久磁石との対向面積が
小さくなるため有効磁束数が低下し、逆に小歯の開角α
を205〜220°とした場合は、小歯の開角が磁極の
幅より大きくなってしまうため、無効磁束が発生し鉄損
が増加するため、どちらも効率を低下させる要因とな
り、小歯の開角を電気角で145〜160°とするのが
より望ましい。
角を変えることによりコギングトルクを低減する方法を
示したが、本実施例4では小歯のピッチに着目し、コギ
ングトルクを低減する方法を示す。
す説明図である。
図1に示す実施例1のコア形状と比較して、突極5先端
の小歯6のピッチが異なる以外全く同じ形状である。
2極分(つまり電気角360°)に設定されていたが、
図20(a)に示す本実施例4の小歯6のピッチは、上
記実施例1より小さい電気角330°に設定されてい
る。
て簡単に説明する。
20(b)のコア3−1の形状の斜線部分と、図20
(c)のコア3−2の形状の斜線部分を組み合わせた形
状に形成されている。
形状は、上記実施例1の図1に示すコア形状と同一で、
反時計方向に電気角で15°(機械角で1.5°)回し
た形状であり、図20(c)に示すコア3−2の形状
は、コア形状は同一で、前記コア3−1とは逆で、時計
方向に電気角で15°(機械角で1.5°)回した形状
である。
いて、図21(a)、(b)、(c)を用いて説明す
る。
すコア3−1で発生するコギングトルク波形である。上
記実施例1で述べたが、コア3−1で発生するコギング
トルクは、磁極数が20極、突極数が6極であることか
ら、その最小公倍数である1回転に60回、つまり電気
角で60°(機械角で6°)の繰り返し波形となってい
る。ここで、コア3−1の斜線部のみで考えると、丁度
全体の半分にあたるので、コギングトルクに関しても半
分になり、図21(a)の破線部に示すようなコギング
トルク波形となる。
0(c)のコア3−2の斜線部分で発生するコギングト
ルクは、図21(b)の破線部に示すようなコギングト
ルク波形となる。
形と、図21(b)のコギングトルク波形を比較する
と、両者はトルクの大きさ、周期は等しいが、位相が1
80°異なる波形となっていることが分かる。
ギングトルクの波形は、図20(b)のコア3−1の斜
線部分で発生するコギングトルクと、図20(c)のコ
ア3−2の斜線部分で発生するコギングトルクの合成と
考えれば良いので、図21(a)の破線部と図21
(b)の破線部の合成トルクを考えると、図21(c)
に示すように両者のコギングトルクの1次、3次、5次
…の成分がキャンセルされ、元のトルク波形より大幅に
振幅が小さくなり、周期も元の波形に対し半分の周期に
なる。
く抑えることができる。
から斜線部を適当に選んだように見えるが、この選び方
は、一定の法則に従って行わなくてはならない。その法
則とは、斜線部で選んだ部分と、選んでいない部分に
は、磁極との位置関係が一致する部分から同数ずつ選ば
なければならないということである。この法則を守らず
に適当に組み合わせても、コギングトルクの低減効果は
得られないばかりか、各相のバランスが崩れモータの特
性が悪化する場合もある。
適時組み合わせて構成すれば、図20のようなコア形状
以外にも、図22に示すような、小歯のピッチが電気角
で360°より大きいコア形状、あるいは、図23に示
す、小歯のピッチが、360°より大きい突極と、小歯
のピッチが、360°より小さい突極とが繰り返すコア
形状、あるいは、図24に示す、小歯のピッチは360
°であるが、突極先端部のピッチが変化するコア形状、
さらには、図25に示す、小歯の開角が左右で所定角度
異なる形状、その他様々な形状が構成できる。
コア形状を組み合わせたが、丁度30°に一致しなくて
も、±10%程度の範囲で角度を調整することにより、
コギングトルクの基本周期成分は約70%除去されるた
め、十分な効果が得られる。
180°異なる2つの形状を組み合わせる例を示した
が、図26(a)に示すような、突極あたりの小歯数が
3個の場合、図26(b)、(c)、(d)に示すよう
な位相が電気角で20°ずつ異なるコア形状を組み合わ
せて構成することにより、同様にコギングトルクを低減
することが可能となる。
3相構造の場合、前記突極1極あたりに設けられた小歯
の歯数をnとした場合に、コアの軸方向断面形状が、回
転方向に電気角で60/n°±10%ずつずらしたn個
のコア基本形状を適時組み合わせた形状に構成すること
によりコギングトルクの小さいモータを提供することが
できる。
図20(a)あるいは、図26(a)に示すような小歯
のピッチが360°より小さくなるように構成する。
極あたりに設けられた小歯の歯数をn、小歯のピッチを
電気角でβ(°)とした場合に、(数3)の関係を満足
するように設定すると、結果的に隣り合う突極間の隙間
が大きく取れ、突極間の磁気的な干渉を抑え、さらにコ
イルを巻回する時の作業性が良くなる等の効果も得られ
る。
角を左右で所定角度変えて構成した場合は、コアと永久
磁石の磁気吸引力が左右で異なる状態となり、常にロー
タが軸受の一方向に押さえつける状態となり、軸受に焼
結含油軸受等のシャフトと軸受の間にクリアランスを有
する軸受を使用した場合、シャフトのがたつきを抑え、
回転精度を向上させる効果も得られる。
状のみで、コギングトルクを低減する方法を説明した
が、上記実施例2で示したスキュー着磁と組み合わせる
ことにより、さらに一段とコギングトルクを低減でき
る。
コギングトルク周期にほぼ一致するよう設定したが、上
記実施例3および4に示したコア形状の場合、元々発生
するコギングトルクの1次成分はほぼ除去されているた
めに、従来の半分の角度のスキュー着磁でも十分なコギ
ングトルク低減効果を得ることができる。
p、コアの突極数をzとした場合、(数4)(kはpと
zの最小公倍数)の関係が成立するようにスキュー角度
θを設定することで、コギングトルクの低減と、モータ
体積効率を両立できる。
面形状に着目してコギング、本実施例5では、断面形状
を軸方向に分けて構成し、コギングトルクを低減する方
法を示す。
り本実施例5では、コア3の形状を上、中、下3段に分
けて構成している。
27(b)に示すように小歯の開角が12個全て電気角
で150°であり、中断のコア形状は図27(c)に示
すように小歯の開角が12個全て電気角で210°の形
状としている。
角以外に、上段および下段部の突極巻線部の幅w1が中
段部の突極巻線部の幅w2より細く形成されているとい
う特徴がある。
実施例4と同様の手法で構成されている。
段部の形状は、図27(d)、(e)のコア3−1、3
−2形状の斜線部分を組み合わせて構成されており、図
27(c)に示すコア3の中段部の形状は、図27
(d)、(e)のコア3−1、3−2の形状の斜線部分
以外を組み合わせて構成されている。
部の幅を小歯の開角に合わせて、上段および下段部の突
極巻線部の幅w1を中段部の突極巻線部の幅w2より細
く形成している。これは、小歯の開角が小さい上、下段
部は、小歯を通る磁束量が少ないために、突極巻線部を
細くしても、磁気特性上の問題がないためである。
と、以下に示すような効果が得られる。
線部の断面を、図28(b)は比較のために従来のコア
の突極巻線部の幅が一定の場合の突極巻線部の断面を示
している。
には、絶縁皮膜10が施され、そこにコイル4が巻回さ
れる構成となっている。
(b)の場合を比較すると明らかなように、コイル1タ
ーン当たりの長さは、図28(a)の場合の方が短くて
済む。このため、同一の線径のコイルで巻回した場合、
図28(a)の場合の方がコイル抵抗の値が低くなり、
モータの体積効率が高くなる。また、コイル4の形状
が、六角形状となり、コアエッジ部にかかる圧力が6ヶ
所に分散されるため、図28(b)の場合よりも薄い絶
縁皮膜でも、同等の絶縁性能を維持でき、絶縁皮膜を薄
くして、さらにコイルを巻き込むことにより、一段とモ
ータの体積効率を向上できる。
を1つの突極あたりの小歯数nと一致する数の基本コア
形状を組み合わせて作成したが、若干複雑になるものの
さらに多く数の基本形状を組み合わせる構成をとること
により、さらに一段とコギングトルクを低減できる。
している。
アでは、小歯のピッチが電気角で315°の突極と、小
歯のピッチが電気角で345°の突極とが交互に繰り返
す構成となっている。
(d)、(e)に示す電気角で15°ずつ位相の異なる
4つの基本形状の斜線部分を組み合わせて構成されてい
る。
増やすことにより、若干形状が複雑になるものの、上記
実施例4、5では除去し切れなかったコギングトルクの
2次成分等さらに高次のコギングトルクまでキャンセル
できるため、さらにコギングトルクを低減できる。
相分の突極あたりに設けられた小歯の合計歯数をNとし
た場合に、コアの軸方向断面形状が、回転方向に電気角
で60/N°±10%ずつずらしたN個のコア基本形状
を適時組み合わせた形状に構成することにより、コギン
グトルクの非常に低いモータを提供できる。
の小歯の開角を設定する方法と、上記実施例4、5で示
した複数の基本コア形状を組み合わせて作成する方法を
組み合わせ、さらに一段とコギングトルクを低減できる
方法を示す。
す説明図である。
ア3の形状は、各突極5には小歯6が3個ずつ設けられ
ており、各小歯6のピッチが電気角で350°であると
ともに、各小歯6の開角が電気角で150°に構成され
ている。
(d)に示す位相が電気角で10°ずつずれた3つのコ
ア形状の斜線部を組み合わせた形状である。
の形状は、上記実施例3で示した小歯の開角が電気角で
150°に設定されている形状である。
原理について、図31を用いて説明する。
は元々突極の開角が150°であることにより、図31
(a)、(b)、(c)の実線で示すとおり、コギング
トルクの周期が基本コギングトルク周期の2分の1の周
期(電気角30°周期)で、絶対値も低減されたコギン
グトルクを発生する。
気角で10°ずつずらして構成されているために、これ
らコア形状を3分の1ずつ合成した、本実施例7のコア
形状のコギングトルクは、コギングトルクがお互いにキ
ャンセルされ図31(d)に示すように振幅も大幅に小
さく、周期も元の波形の3分の1以下の周期になってい
る。
く、コギングトルクの周期が短い実施例3のコア形状を
基本形状として使用することにより、上記実施例4、5
の半分の角度ずれのコア形状を組み合わせることによ
り、大幅なコギングトルク低減効果が得られる。
1極あたりに設けられた小歯の歯数をnとした場合に、
コアの軸方向断面形状が、突極に設けられた小歯の開角
が電気角で145°〜160°である基本形状をベース
として、回転方向に電気角で30/n°±10%ずつず
らしたn個のコア基本形状を適時組み合わせた形状に構
成するとよい。
歯のピッチが電気角で360°より小さい形状に形成す
る。一般的には、突極1極あたりに設けられた小歯の歯
数をn、小歯のピッチを電気角でβ(°)とした場合
に、(数5)の関係を満足するように設定すると、結果
的に隣り合う突極間の隙間が大きく取れ、突極間の磁気
的な干渉を抑え、さらにコイルを巻回する時の作業性が
良くなる等の効果も得られる。
モータの体積効率を従来の2倍以上に向上することが可
能となり、同一特性でもより小型のモータを提供でき
る。あるいは、従来と同一サイズの場合は、大幅な出力
アップが可能となり、モータを使用した機器の機能を向
上することができる。
情報端末、携帯型MDプレーヤ等に使用することによ
り、同一特性でも小型で軽量なモータを提供でき、機器
の小型化、軽量化を達成できる。
器、家電機器等の駆動源に使用することにより、同一サ
イズでも高出力なモータを提供でき、機器のサイズを大
きくすることなく機器の高速化、高機能化を達成でき
る。
トの関節駆動用アクチュエータに使用することにより、
同一サイズ、重量でも高出力なモータを提供でき、産業
用ロボット等の応答性能を向上できるとともに、現在は
2足歩行程度に留まっている人型ロボットの動作を、走
る、跳ぶ、投げる等より人間に近い高機能動作をさせる
ようにすることが可能となる。
を、燃料電池自動車、電気自動車に代表される輸送用機
器の車輪駆動用に使用することにより、同一特性でも小
型、軽量のモータを提供することができ、車体の軽量化
による走行性能の向上、あるいは燃費の向上を実現する
ことができる。また、小型でも十分な出力を得ることが
できるので、モータを車輪内に収めるいわゆるインホイ
ール型のモータとしても適している。
請求項1記載の発明によれば、モータの体積効率を飛躍
的に向上し、同一特性のモータの小型化、あるいは同一
サイズのモータの高効率化、高出力化ができるという有
利な効果が得られる。
より、機器の小型化、あるいは機能向上を行うことがで
きる。
気回路構成を示す説明図
説明図
説明図
比較表を示す図
束の流れを示す説明図
ギ積とモータ体積効率の関係を示す図
モータの磁気回路構成を示す説明図
モータ体積効率の関係を示す図
の構成例を示す図
ット体の構成例を示す図
ネット体の構成例を示す図
ラシレスモータの磁気回路構成を示す説明図
永久磁石の着磁分布を示す図
モータ特性の関係を示した図 (a)コギングトルクを示す図 (b)モータ体積効率を示す図
コア形状を示す説明図
形を示した図 (a)小歯の開角が電気角で120°のコギングトルク
の波形を示す図 (b)小歯の開角が電気角で150°のコギングトルク
の波形を示す図 (c)小歯の開角が電気角で180°のコギングトルク
の波形を示す図
トルク発生を示す説明図
形を示した図 (a)小歯エッジ部6−1で発生するトルク波形を示す
図 (b)小歯エッジ部6−2で発生するトルク波形を示す
図 (c)(a)、(b)の合成トルク波形を示す図 (d)モータ全体での合成トルク波形を示す図
タのコア形状を示す説明図 (a)小歯先端にRを設けたコア形状を示す図 (b)小歯先端に面取りを設けたコア形状を示す図
ータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例4によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図 (c)本発明の実施例4によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図
形を示した図 (a)コア3−1で発生するコギングトルクの波形を示
す図 (b)コア3−2で発生するコギングトルクの波形を示
す図 (c)本実施例4のコアのコギングトルク波形を示す図
スモータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図 (c)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図
スモータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図 (c)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図
スモータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図 (c)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図
スモータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図 (c)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図
スモータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図 (c)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図 (d)本発明の実施例4による別のブラシレスモータの
コア形状を示す説明図
コア形状を示す説明図 (a)正面図 (b)x−x’およびz−z’断面図 (c)y−y’断面図 (d)、(e)基本コア形状を示す図
来と比較した図 (a)本実施例の断面形状を示す図 (b)従来の断面形状を示す図
ータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例6によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図 (c)本発明の実施例6によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図 (d)本発明の実施例6によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図 (e)本発明の実施例6によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図
ータのコア形状を示す説明図 (b)本発明の実施例7によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図 (c)本発明の実施例7によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図 (d)本発明の実施例7によるブラシレスモータのコア
形状を示す説明図
形を示した図 (a)コア3−1で発生するコギングトルクの波形を示
す図 (b)コア3−2で発生するコギングトルクの波形を示
す図 (c)コア3−3で発生するコギングトルクの波形を示
す図 (d)本実施例7のコアのコギングトルク波形を示す図
す図 (a)軸方向断面図 (b)軸垂直方向断面図
成を示す説明図 (b)先行技術の3相ステッピングモータのロータ構造
図 (c)従来のHB型ステッピングモータのロータ構造図
突極 6 小歯 7、7−1、7−2 磁束 8 永久磁石層 9 バックヨーク層 10 絶縁皮膜 11 回転子鉄心 12 シャフト 13 軸受
Claims (26)
- 【請求項1】 回転方向にN極、S極を交互に着磁した
マグネット体を有するロータと、前記マグネット体とラ
ジアル方向に対向し磁気回路を構成しコイルが巻回され
た複数の突極を設けたコアとを有し、前記突極の前記マ
グネット体と対向する部分には、マグネット2極分と略
同一ピッチの小歯が複数個設けられており、前記ロータ
の位置に応じてコイルに通電することにより、ロータを
回転駆動することを特徴とするブラシレスモータ。 - 【請求項2】 マグネット体が、最大エネルギ積10M
GOe以上の永久磁石で構成されていることを特徴とす
る請求項1記載のブラシレスモータ。 - 【請求項3】 ブラシレスモータが3相構造であり、マ
グネット体の磁極数をp、コアの突極数をz、突極1極
あたりに設けられた小歯の歯数をnとした場合に、 【数1】 の関係を満足することを特徴とする請求項1から3のい
ずれか1項に記載のブラシレスモータ。 - 【請求項4】 ブラシレスモータが3相構造であり、コ
アの突極数が6または9極であることを特徴とする請求
項1から3のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。 - 【請求項5】 マグネット体には、コアと反対側の面に
バックヨーク部が設けられていることを特徴とする請求
項1から4のいずれか1項に記載のブラシレスモータ。 - 【請求項6】 バックヨーク部が、高透磁率の軟磁性材
料の薄板を複数枚軸方向に積み重ねて構成したことを特
徴とする請求項5記載のブラシレスモータ。 - 【請求項7】 磁性材料が珪素を質量比2〜6.5%含
有させた鋼板であることを特徴とする請求項6記載のブ
ラシレスモータ。 - 【請求項8】 バックヨーク部が、高透磁率の軟磁性材
料の粉末を絶縁体で固着し構成したことを特徴とする請
求項5記載のブラシレスモータ。 - 【請求項9】 マグネット体が、高保磁力の永久磁石材
料の粉末を樹脂で固定した永久磁石部分と、高透磁率の
軟磁性材料を樹脂で固着したバックヨーク部分の2層構
造で構成されていることを特徴とする請求項5記載のブ
ラシレスモータ。 - 【請求項10】 マグネット体を、バックヨークのコア
と対向する側の面に複数個の永久磁石を貼り付けて構成
したことを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に
記載のブラシレスモータ。 - 【請求項11】 永久磁石が、磁極ごとに分割して構成
されており、各々着磁した後で組み立てられたことを特
徴とする請求項10記載のブラシレスモータ。 - 【請求項12】 マグネット体が、高透磁率の軟磁性材
料の薄板を複数枚軸方向に積み重ねて構成したバックヨ
ーク部に複数の永久磁石を挿入した、いわゆる磁石埋め
込み型の構造であることを特徴とする請求項1から7の
いずれか1項に記載のブラシレスモータ。 - 【請求項13】 永久磁石が所定角度スキュー着磁され
ていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項
に記載のブラシレスモータ。 - 【請求項14】 永久磁石の磁極数をp、コアの突極数
をz、永久磁石のスキュー角度を中心角でθ(°)とし
た場合に、 【数2】 (kはpとzの最小公倍数)の関係を満足することを特
徴とする請求項13記載のブラシレスモータ。 - 【請求項15】 ブラシレスモータが3相構造であり、
突極に設けられた小歯の開角が電気角で145°〜16
0°であることを特徴とする請求項1から13のいずれ
か1項に記載のブラシレスモータ。 - 【請求項16】 ブラシレスモータが3相構造であり、
突極1極あたりに設けられた小歯の歯数をnとした場合
に、コアの軸方向断面形状が、回転方向に電気角で60
/n°±10%ずつずらしたn個のコア基本形状を適時
組み合わせた形状に構成したことを特徴とする請求項1
から13および15のいずれか1項に記載のブラシレス
モータ。 - 【請求項17】 突極1極あたりに設けられた小歯の歯
数をn、小歯のピッチを電気角でβ(°)とした場合
に、 【数3】 の関係を満足することを特徴とする請求項16記載のブ
ラシレスモータ。 - 【請求項18】 ブラシレスモータが3相構造であり、
突極に設けられた小歯の開角が左右で異なるように構成
するとともに、その角度差が電気角で60°±10%の
範囲であることを特徴とする請求項16記載のブラシレ
スモータ。 - 【請求項19】 永久磁石の磁極数をp、コアの突極数
をz、永久磁石のスキュー角度を中心角でθ(°)とし
た場合に、 【数4】 (kはpとzの最小公倍数)の関係を満足することを特
徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載のブ
ラシレスモータ。 - 【請求項20】 ブラシレスモータが3相構造であり、
1相分の突極あたりに設けられた小歯の合計歯数をNと
した場合に、コアの軸方向断面形状が、回転方向に電気
角で60/N°±10%ずつずらしたN個のコア基本形
状を適時組み合わせた形状に構成したことを特徴とする
請求項1から13のいずれか1項に記載のブラシレスモ
ータ。 - 【請求項21】 ブラシレスモータが3相構造であり、
突極1極あたりに設けられた小歯の歯数をnとした場合
に、コアの軸方向断面形状が、突極に設けられた小歯の
開角が電気角で145°〜160°である基本形状をベ
ースとして、回転方向に電気角で30/n°±10%ず
つずらしたn個のコア基本形状を適時組み合わせた形状
に構成したことを特徴とする請求項1から13のいずれ
か1項に記載のブラシレスモータ。 - 【請求項22】 突極1極あたりに設けられた小歯の歯
数をn、小歯のピッチを電気角でβ(°)とした場合
に、 【数5】 の関係を満足することを特徴とする請求項21記載のブ
ラシレスモータ。 - 【請求項23】 請求項1から22のいずれか1項に記
載のブラシレスモータを具備する携帯型情報、AV機
器。 - 【請求項24】 請求項1から22のいずれか1項に記
載のブラシレスモータを具備するOA、家電機器。 - 【請求項25】 請求項1から22のいずれか1項に記
載のブラシレスモータを具備するロボット。 - 【請求項26】 請求項1から22のいずれか1項に記
載のブラシレスモータを具備する輸送用機器。
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