JP2003059940A - ミクロファブリケーション用基板、その製造方法および像状薄膜形成方法 - Google Patents

ミクロファブリケーション用基板、その製造方法および像状薄膜形成方法

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JP2003059940A
JP2003059940A JP2001240760A JP2001240760A JP2003059940A JP 2003059940 A JP2003059940 A JP 2003059940A JP 2001240760 A JP2001240760 A JP 2001240760A JP 2001240760 A JP2001240760 A JP 2001240760A JP 2003059940 A JP2003059940 A JP 2003059940A
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Takao Nakayama
隆雄 中山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 微細素子の製作に際してフォトリソグラフィ
によるパターニングを施すことなく、低コストで簡易に
半導体素子、集積回路、画像ディスプレー用デバイス等
の微細素子を作製するための基板、該基板の作製方法、
及び該基板を用いる像状薄膜形成方法を提示すること。 【解決手段】 活性光の照射又は熱の印加によって親水
性化する材料を表面に有する原板12上にパターン状又
は逆パターン状の活性光照射又は熱印加を行って親水性
化することによって、所定の流動体16に対して親和性
のある微小領域が前記流動体に対して親和性のない非親
和性領域に囲まれて配列してなる極性分布パターン13
を形成させて、該親和性領域が該流動体を受容可能とし
たことを特徴とするミクロファブリケーション用基板及
びその基板を用いる像状薄膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子、集積
回路、画像ディスプレー用デバイス等の微細素子の製作
に代表されるマイクロファブリケーションに用いる基
板,その製造方法、及びその基板上の像状薄膜形成方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在半導体素子等の微細素子が,種々の
応用分野に広く用いられている。例えば、平面ディスプ
レイの代表格である液晶デイスプレイ(LCD)をはじ
め、有機ELディスプレイ(OELD)、電気泳動ディ
スプレイなどの各種電子画像ディスプレーは、薄膜トラ
ンジスタ素子(以後TFTともいう)などの半導体デバイ
スが画像の取りこみ、操作、出力を演じている。LCD
とOELDの駆動にはアクティブマトリックス(AM)
駆動が主流技術であり、高画質が得られているのは周知
のとおりである。また電気泳動ディスプレイにおいても
AM駆動法ディスプレイが最近発表され、精細な画像が
得られている。AM駆動法は各画素にトランジスタとキ
ャパシターを配置して、特定の画素の選択性を高め、画
像を一定期間保持する機能を持つ。
【0003】現在半導体素子等の微細素子のマイクロフ
ァブリケーション、例えばTFTの製造、には、真空装
置内での蒸着やスパッタリング手法によって素子の構成
部材の薄膜を形成させ、それをフォトリソグラフィー法
でパターニングして素子を作製している。装置類はクリ
ーンルーム内におかれ、作業もその中で行われる。結果
として、工場の設立には多額の投資が必要になり、材料
やエネルギー効率は必ずしも高くなく、これら半導体デ
バイスの高コスト要因となっている。従って、今後の表
示体産業あるいは環境問題を考えた場合、半導体デバイ
ス類の製造時の製造エネルギー・材料をいかに低減し、
低コスト化するかは緊急の課題となっている。
【0004】この課題に対処して、従来の薄膜製造プロ
セスに替わり、液体材料をインクジェットプリンティン
グやコンタクトプリンティングの手法を用いてダイレク
トにパターニングする新しい薄膜形成プロセスが試みら
れていて、従来の薄膜製造プロセスに比べて使用材料と
使用エネルギーを低減できることが示されている。例え
ば、有機ELの画素形成にインクジェットプリンティン
グを適用するために、高分子系有機EL材料をインク化
し、基板表面をインク受容性にして、該EL材料を用い
てインクジェット描画を行なうことによって精度が1ミ
クロンオーダのアライメントが可能なインクジェットに
よるOELDの製造が提案されている(特開平10−0
12377号公報)。
【0005】また、TFTの製作に関して、まず基板上
にポリイミド(PI)などのセパレータをフォトリソ法
で形成しておき、このセパレータによってインク液の広
がりを抑止しながら、導電性インクを用いてインクジェ
ット方式で描画することによってソース電極とドレイン
電極を形成し、次いで半導体層と絶縁層をスピンコート
法で形成し、最後にゲートをインクジェット法で描面す
ることによってTFTを常圧・常温の空気中で簡易に作
製できる方法も提示されている(高分子学会、印刷・情
報記録・表示研究会講座講演要旨集1頁,2001年2
月22-23日)。
【0006】これらの技術は、インクジェット描画方式
を利用することによって、TFTなどの電子デバイスの
マイクロファブリケーションが低コストかつ簡易化でき
ることを具体的に示しているが、なお描画に先だってプ
ラズマ処理を施したり、依然として多少のフォトリソ技
法によるパターニングを行なうなどの操作が必要であ
り、これらの操作による素子の汚れリスクもあって、簡
易化と低コスト化を含む更なる改良が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した背景に基づくものであり、マイクロファブリケーシ
ョンすなわち半導体素子、集積回路、画像ディスプレー
用デバイス等の微細素子の製作に際してフォトリソグラ
フィによるパターニングを施すことなく、低コストで簡
易に微細素子を作製する方法を提示することである。具
体的には、そのための基板、該基板の作製方法、及び該
基板を用いる像状薄膜形成方法を提示することである。
例えばTFTの作成を例として説明すれば、従来のよう
に真空装置内でデバイス材料の薄膜を形成させたり、そ
れをフォトリソグラフィー法でパターニング後、現像
し、エッチングするなどの工程を廃止し、極めて安価で
生産性の高い製作方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
に対して基板の極性変化を利用した像状薄膜形成方法の
半導体素子及びその基板作製への適用可能性を鋭意検討
した結果,新たな像状薄膜形成方法の着想を得て、それ
に基づいて下記の本発明に到達した。すなわち、本発明
は下記のとおりである。
【0009】1.活性光の照射又は熱の印加によって親
水性化する材料を表面に有する原板上にパターン状又は
逆パターン状の活性光照射又は熱印加を行って親水性化
することによって、所定の流動体に対して親和性のある
微小領域が前記流動体に対して親和性のない非親和性領
域に囲まれて配列してなるパターンを形成させて、該親
和性領域が該流動体を受容可能としたことを特徴とする
ミクロファブリケーション用基板。ここで、パターン状
とは、形成させるべきパターンの領域に活性光照射又は
熱印加を行うことであって、逆パターン状とは、形成さ
せるべきパターンの領域を除いた領域に活性光照射又は
熱印加を行うことを意味する。
【0010】2.所定の流動体に対して親和性のある微
小領域の水に対する接触角と該微小領域に接する非親和
性領域の水に対する接触角の差が少なくとも20度であ
ることを特徴とする上記1に記載の光極性変化を示す材
料で表面処理されたミクロファブリケーション用基板。
【0011】3.基板の上に表面処理される光極性変化
を示す材料が、TiO2、RTiO3(Rはアルカリ土類
金属原子)、AB2-xx3-xx10(Aは水素原子ま
たはアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金属原子また
は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5A族元素
に属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属する金属
原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、SnO2、B
23、SiO2、GeO 2、Al23、ZnO、および
FeOy(yは1.0〜1.5)から選ばれる金属酸化
物の少なくとも1つによって構成されていることを特徴
とする上記1および2に記載の基板。
【0012】4.所定の流動体に対して親和性のある微
小領域を原板表面に形成する前に、該表面が疎水化処理
されていることを特徴とする上記1〜3のいずれか1項
に記載のミクロファブリケーション用基板。
【0013】5.活性光の照射又は熱の印加によって親
水性化する材料を表面に有する原板上にパターン状又は
逆パターン状の活性光照射又は熱印加を行って親水性化
することによって、所定の流動体に対して親和性のある
微小領域が前記流動体に対して親和性のない非親和性領
域に囲まれて配列してなるパターンを形成させるミクロ
ファブリケーション用基板の製造方法において、該活性
光の照射又は熱の印加が、光源と該原板との間にフォト
マスクを介してなされる活性光の照射、レーザー光の間
歇発光による走査露光、熱ヘッドの走査による熱の印加
及び光熱変換性の輻射線の照射のいずれかによって行わ
れることを特徴とするミクロファブリケーション用基板
の製造方法。
【0014】6.前記所定の流動体が親水性であって、
活性光の照射又は熱の印加がなされた領域が所定の流動
体に対して親和性のある微小領域を形成することを特徴
とする上記5に記載のミクロファブリケーション用基板
の製造方法。
【0015】7.前記所定の流動体が疎水性であって、
活性光の照射又は熱の印加がなされた領域が、所定の流
動体に対して親和性のある微小領域を取り囲む親水性領
域を形成することを特徴とする上記5に記載のミクロフ
ァブリケーション用基板の製造方法。
【0016】8.請求項1〜4のいずれか1項に記載の
ミクロファブリケーション用基板に像状薄膜を形成する
像状薄膜形成方法であって、所定の流動体の液滴を吐出
可能に設けられたインクジェット式記録ヘッドを該基板
上で相対移動させながら、該インクジェット式記録ヘッ
ドのノズル穴から該流動体の液滴を吐出させて描画を行
なうことにより、該基板上に該流動体の像状薄膜を形成
させることを特徴とする像状薄膜形成方法。
【0017】
【発明の実施の形態】I.極性パターン形成方法 本発明は、インクジェット方式で吐出された基板上の液
滴が基板状の極性パターンの境界を越えて広がることが
できないことに基づいているので、はじめに、この現象
と本発明とのつながりを含めて、極性パターンの形成方
法から説明する。なお、以下の本発明の詳細の説明に
は、TFTの作製を例にして記述することが多いが、本
発明はTFTの作製に限定されるものではない。
【0018】本発明者は、活性光の照射又は熱の印加に
よって親水性化する材料を表面に有する原板上に、活性
光でパターン状に露光して親水性領域を形成させた後、
親水性インク流体の液滴を活性光照射領域にインクジェ
ット法によって吐出させると、驚くべきことに、付着し
た水性インク流体は表面張力により親和性領域(照射領
域)には容易に広がるが、隔壁物質がないにもかかわら
ずインクに非親和性の領域(非照射領域)には拡がるこ
とができず、露光パターンに応じた精細なインク画像
(インク流体の薄膜)が形成されることを見出し、この
発見に基づいて本発明に到達した。
【0019】この現象と本発明の形態を、図1によって
説明する。図1は、本発明のミクロファブリケーション
用基板に活性光の照射と親水性インク流体の吐出を行な
って基板上にインク流体の薄膜を設ける状況を示す説明
図である。図1において、基板11は、表面が光又は熱
の作用(以下光照射の場合で説明を行なうが、熱の作用
の場合も同じである)によって親水性となる層を 担持
した原板12に極性変化パターンが施された構成となっ
ている。図の左端では、光照射によって親水性となった
照射領域13と光照射を受けず疎水性のままの周辺領域
(非照射領域)14からなる基板11の表面を示している。
その右には照射領域13に親水性インク流体の液滴16
が吐出された状態を示し,さらにその右には、液滴16
が消滅して親水性インク流体が照射領域に広がって液膜
15を形成していく途中の状況を液滴点線16’と液膜
点線15’で示した。さらにその右は、親水性領域全面
にインク流体の液膜15が形成されてインク液のパター
ンを構成したことを示している。液膜15のパターンの
辺縁、すなわち液膜領域と周辺の疎水性領域14との境
界では液の広がりは疎水性の障壁のために抑止され、液
にじみや隣接セルとの交じり合いが起こらないので、精
度の高いパターンが作製される。このとき、液滴16が
吐出される位置が照射領域内で多少変位しても周辺領域
14の疎水性の障壁が強固であるために液滴から広がっ
た液膜は照射領域内にとどまるので、正確なパターンの
寸法,形状精度が維持される。
【0020】また、パターン形成用材料を含んだインク
流体が疎水性の場合には、活性光の照射が逆パターン状
に行なわれて、インクジェットによる描画は、非照射領
域にパターン状に行なわれる。ここで、インク流体が、
例えばTFTの薄膜成分の組成物であれば、基板上にフ
ォトリソグラフィを用いないで薄膜パターンが形成され
る。インク流体中のパターン形成成分を変更することに
よって有機,無機の各種半導体,有機,無機の各種絶縁
体,金属薄膜や有機導電体膜などの像状薄膜を形成する
ことも可能となる。
【0021】ここで、パターン露光を行なった後、イン
クジェット描画を行なうことなく、単にインク液中に浸
漬してもインクに親和性の領域にインクが付着して一見
同様な結果が得られる。しかしながら、TFTのように
微細な部分に特性の異なる材料を規則正しく配列させる
には、浸漬方法でははじめ着いたパターン状画像が2度
目の浸漬の際に剥がれ落ちたり、混じり合ったりして微
細な異種材料によるパターンを形成することが困難であ
る。その点、図1で説明した上記の方法では、親和性パ
ターンを露光によって形成後、親和性パターンの希望す
る場所に、インクジェットによってインク流体を付与す
ることができる。このパターン露光とインクジェットに
よる組み合わせは性能確保と簡便で少量の材料で目的を
達成できることから非常に有利である。
【0022】次ぎに、図1で説明した活性光照射とイン
クジェット描画を組み合わせて精細なインク付着が可能
となる現象を利用してミクロファブリケーションが可能
であることを、例えばTFTが極めて簡単に、しかも高
性能に作成することが可能となることを図2と3を用い
てさらに説明する。図2は、フォトリソグラフィ手段を
利用した公知のTFTの形成方法の説明図であり,図3
はフォトリソグラフィによらずに簡単にパターンを形成
させる本発明を示す説明図である。図2において、基板
12上には、隔壁27が設けられ、隔壁の間を埋めるよ
うにドレイン電極22とソース電極23が公知のミクロ
ファブリケーション手法で設けられる。ドレイン電極2
2とソース電極23を設ける手法としては、例えば、イ
ンクジェット法により電極成分を含んだ流体をインクと
して描画を行なう方法であってもよい。ドレイン電極2
2とソース電極23が基板12上に設けられたのち、隔
壁27は除去され、半導体層(あるいは液晶層)24とそ
の上に絶縁層25が順次スピンコートされ、さらにその
上にゲート電極26が施されてTFTが作られる。
【0023】図3は、本発明による図2と同じ構成のT
FTを作製する例で、各部材の数字は、図1と共通であ
る。図3において、基板11は表面に光又は熱の照射に
よって親水性となる光触媒層又は高温親水性発現層が設
けられた原板12上に極性パターンが設けられている。
図3では、隔壁27は設けられず、代わりにドレイン電
極22とソース電極23を設けるべき部分に活性光の照
射を行なって親水性化して、電極物質を含有するインク
流体でインクジェット描画を行うことにより、隔壁は設
けられなくとも容易にドレイン電極22とソース電極2
3が設けられる。別の態様としては、電極物質を含有す
るインク流体を疎水性としておいて、図2の隔壁27に
相当する基板上の領域を活性光で照射して親水性とする
方法でもよい。このようにして導電層からなるソースお
よびドレインはインクジェット法によりパターン画像に
対応した高精細な導電パターンが形成される。さらにこ
の上から半導体層、絶縁層を逐次スピンコートで作成
し、最後にゲート電極をインクジェットで付与すれば、
TFTが完成する。ここで半導体層に液晶用高分子を使
用すれば、薄膜液晶ディスプレーができる。このよう
に、従来のように真空装置やフォトリソグラフィーの工
程がまったく不要なTFT製造が可能となる。
【0024】上記の本発明では、簡易に正確なパターン
を形成させるために、光触媒性の金属酸化物及び/又は
熱の印加によって極性が変化する金属酸化物(熱応答性
とも呼ぶ)からなる原板又は少なくとも該金属酸化物を
表面に有する原板を用いる。光触媒性の金属酸化物は、
活性光の照射を受けると疎水性から親水性に極性が変化
する。したがって、原板表面にパターンに対応した像様
の活性光の照射を行なうことによって容易に親水性領域
を形成することができる。また、熱応答性の金属酸化物
は、特定の温度(高温親水性発現温度と呼ぶ)以上に加
熱した場合に疎水性から親水性に極性が変化するので、
熱ヘッド又は光熱変換性の輻射光などによって選択的に
加熱して加熱領域を親水性領域に形成させることもでき
る。活性光の照射又は熱の印加は、光源と該原板との間
にパターン形状のフォトマスクを介してなされる活性光
の照射、レーザー光のパターン状の走査露光、熱ヘッド
の走査によるパターン状の熱の印加及び光熱変換性の輻
射線のパターン状照射のいずれかによって行うのが好ま
しい。
【0025】本発明において、親水性とは、インクジェ
ット方式で吐出されるインク流体の像状薄膜形成物質か
らなる親水性のインクの液滴を受容できる程度の親水性
(パターン状の光照射領域の場合)、又はインクジェット
のパターン形成物質からなる疎水性のインクの液滴を反
発できる程度の親水性(逆パターン状の光照射領域の場
合)、を意味しており、具体的には親水性領域の水に対
する接触角が30度以下である。また、親水性領域と、
相接している疎水性領域とは、インクの液滴の境界を越
えての拡散が実質的に抑止される程度の親水性・疎水性
の差が必要であって、そのような差は、それぞれの領域
の水に対する接触各の差が20度以上であり、好ましく
は40度以上であり、差が大きいほど有利ではあるが、
90度を超える必要はない。これだけの差があれば、本
発明の基板用の原板材料では、通常必ずしも予め原板に
疎水化処理を施す必要はないが、多くの場合は次ぎに述
べる疎水化処理を施すことも好ましい。
【0026】しかしながら、さらに転写の正確度を上げ
るためには、原板上に親水性/疎水性のパターンを形成
する前に、原板を疎水性有機化合物に接触させることに
よって原板表面の疎水性を強化する方法が顕著な効果を
あげる。予め原板表面の疎水性が強化されていても、そ
のあとで行なわれる親水性パターンの形成は効果的に行
なわれて、該パターン領域の親水性度には実質的な影響
は及ばない。疎水性有機化合物は、気体又は液体が好ま
しく、特に気体が充分な接触を果たす点で優れている。
【0027】以上で極性パターンの形成方法に含めて、
本発明によるミクロファブリケーションの方法の要点に
ついて説明をしたので、更なる詳細を本発明に用いる原
板から順次説明する。
【0028】II.基板の作成方法 (金属酸化物)本発明のミクロファブリケーション用基
板は、極性の差異に基づくパターンを付与できるよう
に、光触媒性の金属酸化物及び/又は熱の印加によって
極性が変化する金属酸化物(熱応答性金属酸化物とも呼
ぶ)からなるか又は該金属酸化物を表面に有するガラス
板,金属板、プラスチック板からなる。光触媒性の金属
酸化物とは、光の照射を受けて親水性/疎水性の極性が
変化する金属酸化物を指しており、極性を変化させる光
を活性光と呼んでいる。また、熱の印加によって極性が
変化する金属酸化物すなわち熱応答性金属酸化物は、光
触媒性金属酸化物の中に比較的多く見られるが、光触媒
性であるとは限らない。これらの金属酸化物は、セラミ
ックや半導体のなかにも見られる。光触媒能を有する物
質は、基底順位と伝導体が近い真正半導体と不純物準位
に依存する酸化バナジウムや酸化銅などの仮性半導体と
の両方に見られる。
【0029】本発明に用いる光触媒能を有する金属酸化
物は、いろいろの形態の金属酸化物に見られ、単一の金
属酸化物、複合酸化物のいずれの場合もあり、また後者
の場合は、固溶体、混晶、多結晶体、非晶質固溶体、金
属酸化物微結晶の混合物のいずれからもこの特性を有す
るものが認められる。このような特性をもつ金属酸化物
は、経験的に周期律表の0と VIIA(ハロゲン元素)族
を除く第3〜6周期に属する金属元素の酸化物に見いだ
される。以下に述べる光触媒性の金属酸化物は、熱応答
性でもあるが、一部の酸化鉄には、光触媒性ではない
が、熱応答性のものもある。以下の説明では、光触媒性
を有する金属酸化物を主体にのべるが、必ずしも光触媒
性ではないが熱応答性金属酸化物(酸化鉄など)も合わせ
て説明する。なお、上記金属酸化物は、使用目的から水
に対する溶解度は、水100ミリリットルについて10
mg以下、好ましくは5mg以下、より好ましくは1m
g以下である。
【0030】光触媒能を有する金属酸化物の中でも、酸
化チタンと酸化亜鉛は好ましく、これらについてまず説
明する。これらは、いずれも本発明の基板に利用でき
る。特に酸化チタンが感度(つまり表面性の光変化の敏
感性)などの点で好ましい。酸化チタンは、イルメナイ
トやチタンスラグの硫酸加熱焼成、あるいは加熱塩素化
後酸素酸化など既知の任意の方法で作られたものを使用
できる。
【0031】酸化チタン又は酸化亜鉛を含有する層を原
板(すなわち基板支持体)の表面に設けるには、たとえ
ば、酸化チタン微結晶又は酸化亜鉛微結晶の分散物を
原板上に塗設する方法、塗設したのち焼成してバイン
ダーを減量或いは除去する方法、原板上に蒸着、スパ
ッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの方法
で酸化チタン(又は酸化亜鉛)膜を設ける方法、例え
ばチタニウムブトキシドのようなチタン有機化合物を原
板上に塗布したのち、焼成酸化を施して酸化チタン層と
する方法など、既知の任意の方法を用いることができ
る。本発明においては、真空蒸着又はスパッタリングに
よる酸化チタン層が特に好ましい。
【0032】上記又はの酸化チタン微結晶を塗設す
る方法には、具体的には無定形酸化チタン微結晶分散物
を塗布したのち、焼成してアナターゼまたはルチル型の
結晶酸化チタン層とする方法、酸化チタンと酸化シリコ
ンの混合分散物を塗布して表面層を形成させる方法、酸
化チタンとオルガノシロキサンなどとの混合物を塗布し
てシロキサン結合を介して支持体と結合した酸化チタン
層を得る方法、酸化物層の中に酸化物と共存できるポリ
マーバインダーに分散して塗布したのち、焼成して有機
成分を除去する方法などがある。酸化物微粒子のバイン
ダ−には、酸化チタン微粒子に対して分散性を有し、か
つ比較的低温で焼成除去が可能なポリマーを用いること
ができる。好ましいバインダーの例としては、ポリエチ
レンなどのポリアルキレン、ポリブタジエン、ポリアク
リル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸
ビニル、ポリ蟻酸ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコー
ル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリスチレンなど
の疎水性バインダーが好ましく、それらの樹脂を混合し
て使用してもよい。
【0033】上記の酸化チタンの真空蒸着を行うに
は、例えば通常真空蒸着装置内の蒸着用加熱の熱源に金
属チタンを置き、全ガス圧10-2Pa、酸素分圧比が3
0〜95%になるようにしながら、チタン金属を蒸発さ
せると、蒸着面には酸化チタンの蒸着薄膜が形成され
る。また、スパッタリングによる場合は、例えばスパッ
タ装置内にチタン金属ターゲットをセットしてAr/O
2比が60/40(モル比)となるようにガス圧を5×
10-1Paに調整したのち、RFパワー200Wを投
入してスパッタリングを行って酸化チタン薄膜を原板上
に形成させる。
【0034】一方、本発明に酸化亜鉛層を使用する場
合、その酸化亜鉛層は既知の任意の方法で作ることがで
きる。とくに金属亜鉛板の表面を電解酸化して酸化皮膜
を形成させる方法と、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング,CVDなどによって酸化亜鉛皮膜を
形成させる方法が好ましい。酸化亜鉛の蒸着膜は、上記
の酸化チタンの蒸着と同様に金属亜鉛を酸素ガス存在下
で蒸着して酸化膜を形成させる方法や、酸素のない状態
で亜鉛金属膜を形成させたのち、空気中で温度を約70
0°Cにあげて酸化させる方法を用いることができる。
そのほか、修酸亜鉛の塗布層やセレン化亜鉛の薄層を酸
化性気流中で加熱しても得られる。
【0035】酸化チタンはいずれの結晶形のものも使用
できるが、とくにアナターゼ型のものが感度が高く好ま
しい。アナターゼ型の結晶は、酸化チタンを焼成して得
る過程の焼成条件を選ぶことによって得られることはよ
く知られている。その場合に無定形の酸化チタンやルチ
ル型酸化チタンが共存してもよいが、アナターゼ型結晶
が40%以上、好ましくは60%以上含むものが上記の
理由から好ましい。酸化チタンあるいは酸化亜鉛を主成
分とする層における酸化チタンあるいは酸化亜鉛の体積
率は、それぞれ30〜100%であり、好ましくは50
%以上を酸化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸
化物の連続層つまり実質的に100%であるのがよい。
しかしながら、表面の親水性/親油性変化特性は、酸化
亜鉛を電子写真感光層に用いるときのような著しい純度
による影響はないので、100%に近い純度のもの(例
えば98%)をさらに高純度化する必要はない。それ
は、本発明に利用される物性は、導電性とは関係ない膜
表面の親水性/親油性の性質変化特性、すなわち界面物
性の変化特性であることからも理解できることである。
【0036】しかしながら、光の作用によって表面の親
水性が変化する性質を増進させるためにある種の金属を
ドーピングすることは有効な場合があり、この目的には
イオン化傾向が小さい金属のドーピングが適しており、
Pt,Pd,Auをドーピングするのが好ましい。ま
た、これらの好ましい金属を複数ドーピングしてもよ
い。ドーピングを行った場合も、その注入量は酸化亜鉛
や酸化チタン中の金属成分に対して5モル%以下であ
る。
【0037】次に、本発明に用いることができる別の化
合物である一般式RTiO3で示したチタン酸金属塩に
ついて記す。一般式RTiO3において、Rはマグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリ
ウムなどの周期律表のアルカリ土類元素に属する金属原
子であり、とくにストロンチウムとバリウムが好まし
い。また、2種以上のアルカリ土類金属原子をその合計
が上記の式に化学量論的に整合する限り共存することが
できる。
【0038】次に、一般式AB2-xx3-xx10で表
される化合物について説明する。この一般式において、
Aは水素原子及びナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、リチウムなどのアルカリ金属原子から選ばれ
る1価原子で、その合計が上記の式に化学量論的に整合
する限りそれらの2種以上を共存してもよい。Bは、上
記のRと同義のアルカリ土類金属原子又は鉛原子であ
り、同様に化学量論的に整合する限り2種以上の原子が
共存してもよい。Cは希土類原子であり、好ましくは、
スカンジウム及びイットリウム並びにランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ネオジウム、ホルミウム、ユウロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウムなどのランタノイド系元素に属す
る原子であり、また、その合計が上記の式に化学量論的
に整合する限りそれらの2種以上を共存してもよい。D
は周期律表の5A族元素から選ばれた一種以上で、バナ
ジウム、ニオブ、タンタルが挙げられる。また、化学量
論関係を満たす限り、2種以上の5A族の金属原子が共
存してもよい。Eは同じくチタン、ジルコニウム、ハフ
ニウムなどの4A族元素に属する金属原子であり、ま
た、2種以上の4A族の金属原子が共存してもよい。x
は0〜2の任意の数値を表す。
【0039】RTiO3、一般式AB2-xx3-xx
10で表される上記化合物、SnO2,ZrO2,Bi
23,FeOy(y=1〜1.5)で表される酸化鉄と
くにFe23のいずれの薄膜形成にも、酸化チタン及び
酸化亜鉛を設ける前記の方法を用いることがでる。すな
わち、上記光触媒性又は熱応答性金属酸化物の微粒子
の分散物を原板上に塗設する方法、塗設したのち焼成
してバインダーを減量或いは除去する方法、原板上に
上記酸化物を各種の真空薄膜法で膜形成する方法、例
えば金属元素のアルコレートのような有機化合物を原板
上に塗布したのち、加水分解させ、さらに焼成酸化を施
して適当な厚みの金属薄膜とする方法、上記金属を含
む塩酸塩、硝酸塩などの水溶液を加熱スプレーする方法
など、既知の任意の方法を用いることができる。
【0040】例えば、上記、の塗設方法によってチ
タン酸バリウム微粒子を塗設するには、チタン酸バリウ
ムとシリコンの混合分散物を塗布して表面層を形成させ
る方法、チタン酸バリウムとオルガノポリシロキサンま
たはそのモノマ−との混合物を塗布する方法などがあ
る。また、酸化チタンの項で述べたように、酸化物層の
中に酸化物と共存できるポリマーバインダーに分散して
塗布した後、焼成して酸化物層とすることもできる。酸
化物微粒子のバインダ−として好ましいポリマーの例
は、酸化チタン層の項で述べたものと同じである。この
方法によって、チタン酸バリウム以外にチタン酸マグネ
シウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム
又はそれらの分子間化合物、混合物も同様に薄膜形成可
能である。
【0041】同様にして上記、の塗設方法によって
CsLa2NbTi210微粒子を塗設することも可能で
ある。CsLa2NbTi210微粒子は、その化学量論
に対応するCs2CO3,La23, NbO5,TiO2
乳鉢で微粉砕して、白金るつぼに入れ、130°C で5
時間焼成し、それを冷却してから乳鉢に入れて数ミクロ
ン以下の微粒子に粉砕する。このCsLa2NbTi2
10微粒子を前記のチタン酸バリウムと同様にバインダー
の中に分散し、塗布して薄膜を形成した。この方法は、
CsLa2NbTi210型微粒子に限らず、HCa1.5
La0.5Nb2.5Ti0.510,HLa2NbTi210
ど前述のAB2-xCxD3-xx10、(0≦x≦2)に
適用される。
【0042】上記の真空薄膜形成法を用いた光触媒性
又は熱応答性金属酸化物層の形成方法としては、一般的
にはスパッタリング法あるいは真空薄膜形成法が用いら
れる。スパッタリング法では、あらかじめ単一もしくは
複合型の酸化物ターゲットを準備する。例えば、チタン
酸バリウムターゲットを用いて蒸着膜用の原板の温度を
450°C以上に保ち、アルゴン/酸素混合雰囲気中で
RFスパッタリングを行うことによりチタン酸バリウム
結晶薄膜が得られる。結晶性の制御には必要に応じてポ
ストアニーリングを300〜900°Cで行えばよい。
本方法は前述のRTiO3(Rはアルカリ土類金属原
子)をはじめ他の前記光触媒性又は熱応答性金属酸化物
にも、結晶制御に最適な原板温度を調整すれば同様の考
え方で薄膜形成が可能である。例えば酸化錫薄膜を設け
る場合には原板温度120°C、アルゴン/酸素比50
/50の混合雰囲気中でRFスパッタリングを行うこと
により酸化錫結晶の本目的に沿う薄膜が得られる。
【0043】上記の金属アルコレートを用いる方法
も、バインダーを使用しないで目的の薄膜形成が可能な
方法である。チタン酸バリウムの薄膜を形成するにはバ
リウムエトキシドとチタニウムブトキシドの混合アルコ
ール溶液を表面にSiO2を有するシリコン原板上に塗
布し、その表面を加水分解したのち、200°C以上に
加熱してチタン酸バリウムの薄膜を形成することが可能
である。本方式の方法も前述した他のRTiO3(Rは
アルカリ土類金属原子)、AB2-xx3-xx
1 0(A,B,C,D,Eはそれぞれ前記の定義の内容を
表す)、SnO2,ZrO 2,SiO2,Bi22及びF
23の薄膜形成に適用することができる。
【0044】上記によって光触媒性を発現する金属酸
化物薄膜を形成させる方法も、バインダーを含まない系
の薄膜の形成が可能である。SnO2の薄膜を形成する
にはSnCl4の塩酸水溶液を200°C以上に加熱し
た石英又は結晶性ガラス表面に吹きつけて薄膜を生成す
ることができる。本方式も、SnO2薄膜のほか,前述
したRTiO3(Rはアルカリ土類金属原子)、AB2-x
x3-xx10(A,B,C,D,Eはそれぞれ前記
の定義の内容を表す)、Bi23及びFe23のいずれ
の薄膜形成にも適用することができる。
【0045】金属酸化物薄膜の厚みは、上記のいずれの
場合も0.1〜10000nmがよく、好ましくは1〜
1000nmである。さらに好ましくは300nm以下
として光干渉の歪みを防ぐのがよい。また、光触媒活性
化作用を十分に発現させるには厚みが5nm以上あるこ
とが好都合である。
【0046】バインダーを使用した場合の上記光触媒性
又は熱応答性金属酸化物の薄層において、金属酸化物の
体積率は50〜100%であり、好ましくは90%以上
を酸化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸化物の
連続層つまり実質的に100%であるのがよい。
【0047】(極性の差異によるパターン形成)本発明
のミクロファブリケーション用基板は、インクジェット
方式による像状薄膜形成物質の付与に先だって基板上に
活性光照射又は熱の印加を行なって極性の差異によるパ
ターン状領域が形成される。
【0048】<活性光照射による親水性領域の形成>原
板表面に親水性領域を形成させるために照射される活性
光の光源は、光触媒性金属化合物の感光域の波長の光、
すなわち光吸収域に相当する波長の光を発する光源であ
る。例えば光触媒性金属化合物が酸化チタンの場合で
は、アナターゼ型が387nm以下、ルチル型が413
nm以下の紫外部に感光域を有している。したがって使
用される光源は、これらの波長領域の光を発する光源で
あり、主として紫外線を発する光源といえる。活性光の
照射を受けた領域は、光触媒作用によって親水性とな
る。活性光の光触媒作用によって親水性領域の像様の分
布を形成させる手段には、面露光方式、走査方式のいず
れでもよい。
【0049】前者、すなわち面露光方式の場合は、一様
な光を用いるが、原板上の親水性化するべき領域のみが
活性光の照射を受けるようにフォトマスクを介して原板
上に光照射して、照射された上記領域の表面を親水性化
する方式である。面露光方式で活性光の照射を行うのに
適した光源は、水銀灯、タングステンハロゲンランプ、
その他のメタルハライドランプ、キセノン放電灯などで
ある。
【0050】親水性とするための照射光量は、0.1〜
1000J/cm2、好ましくは0.2〜100J/cm
2、より好ましくは0.2〜10J/cm2である。ま
た、光触媒反応には相反則が成立することが多く、例え
ば10mW/cm2で100秒の露光を行っても、1W
/cm2で1秒の露光を行っても、同じ効果が得られる
場合も多く、このような場合には、活性光を発光する光
源の選択の幅は広くなる。
【0051】後者、すなわち走査式露光の場合には、走
査される収斂光の原板上のビーム径が親水性化するべき
領域に対応するサイズと形状の照射面を与えるように光
学系が設定される。走査光源には、活性光を照射するレ
ーザー光源が好ましく、活性光のビームを発振する公知
のレーザーを用いることができる。例えば、レーザー光
源として発振波長を325nmに有するヘリウムカドミ
ウムレーザー、発振波長を351.1〜363.8nm
に有する水冷アルゴンレーザー、330〜440nmに
有する硫化亜鉛/カドミウムレーザーなどを用いること
ができる。さらに、紫外線レーザー、近紫外線レーザー
発振が確認されている発振波長を360〜440nmに
有する窒化ガリウム系のInGaN系量子井戸半導体レ
ーザー、及び発振波長を360〜430nmに有する導
波路MgO−LiNb0反転ドメイン波長変換型のレ
ーザーを使用することもできる。レーザー出力が0.1
〜300Wのレーザーで照射をすることができる。描画
に用いた遠紫外用の固体レーザーを画像変調しない状態
で用いてもよい。また、パルスレーザーを用いる場合に
は、ピーク出力が1000W、好ましくは2000Wの
レーザーを照射するのが好ましい。原板が透明である場
合は、原板の裏側から支持体を通して露光することもで
きる。
【0052】<熱の印加による親水性領域の形成>酸化
チタンなどの光触媒性化合物をはじめ、温度を250℃
以上に高めると親水性となるいわゆる高温親水性の化合
物は、活性光の照射光の代わりに上記の温度への加熱に
よって行ってもよい。加熱による親水性領域の形成に
は、接触加熱による方法と赤外線などの光熱変換性の輻
射線の走査加熱による方法が挙げられる。
【0053】前者、すなわち接触加熱によって熱の印加
を行って親水性領域の形成を行う方式では、親水性パタ
ーンを形成するべき原板上の領域が選択的に加熱されて
親水性に極性変化され、かつ該領域の周辺には伝熱が無
いように加熱が行われ、疎水性領域に囲まれた親水性領
域が構成される。このような局部領域の加熱には、公知
の任意の接触型熱記録装置、例えば熱融解型及び昇華型
感熱色素転写法の熱記録ヘッドが用いられる。それら
は、単一の熱記録素子を二次元に駆動させる方式、熱記
録素子を線状に配列したアレイを直角方向に走査して描
画する方式あるいは二次元配列した記録素子を用いる高
速描画方式など公知の熱記録素子を用いることができ
る。
【0054】後者、すなわち赤外線などの輻射線の走査
加熱の方式では、原板上に光熱変換体を設けておいて、
輻射線の照射光を吸収して熱に変換させる。原板上に
担持させることができ、かつその後のミクロファブリケ
ーションの過程に悪影響しない光熱変換体であれば、い
ずれの光熱変換体を用いてもよいが、好ましい光熱変換
体は、銀微粒子やカーボンブラックなどの炭素微粒子で
ある。表面が酸化鉄層の原板はそれ自体が光熱変換性で
ある。
【0055】輻射線照射による親水化は、上記の熱印加
による親水化の熱の印加を光熱変換体と輻射線の照射の
組み合わせに代えたもので、原理的には熱の作用に基づ
く親水性化という点で同じである。好ましい輻射線光源
は、赤外線灯、ハロゲン・タングステン灯、赤外線を放
射する固体レーザー又は赤外線域の光を放射する半導体
レーザー、大容量コンデンサーからの放電によってフラ
ッシュ光を発する光・熱変換発熱装置などが用いられ
る。また、光熱変換体の種類によっては、赤外線に限定
されず,光熱変換体が効果的に吸収する波長域の可視域
光線、たとえばキセノン放電灯や可視域の光を放射する
半導体レーザーも用いられる。
【0056】特に好ましい熱源は、赤外線を放射する固
体レーザー、又は赤外線域や可視域の光を放射する半導
体レーザー、赤外線灯、キセノン放電灯、大容量コンデ
ンサーからの放電による間歇フラッシュ発光装置であ
り、これらの光源からの光は趣向装置によって原板上の
親水性化させるべき領域に収斂光として照射される。
【0057】輻射線の走査による親水性領域形成の場合
に、とくに好ましいのは、赤外線レーザー光源を使用し
て、レーザービームで原板上の親水性化するべき各領域
を走査する方式が行われる。好ましいレーザー光源の例
として、近赤外線、赤外線の成分の多い半導体レーザ
ー、ガスレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YA
Gレーザーを挙げることができる。レーザー出力が0.
1〜300Wのレーザーで照射をすることができる。ま
た、パルスレーザーを用いる場合には、ピーク出力が1
000W、好ましくは2000Wのレーザーを照射する
のが好ましい。
【0058】III.インクジェットによる素子構成材料パ
ターンの形成 上記した方法で極性変化パターンが形成された基板に
は、素子を構成する材料のパターン状の膜をインクジェ
ット方式によって設けられる。膜形成材料を含有するイ
ンク流体を基板状のインク流体に親和性を有する領域に
吐出して該領域にパターン状の薄膜を形成させる方法に
ついては、すでに図1と図3を用いて説明した。
【0059】インクジェットによる描画は、基板上のイ
ンク流体に対して親和性のある領域のすべてに対して行
なう必要はなく、目的とする素子(たとえばTFT)の設
計に応じて当該インク流体の薄膜を形成するべき個所に
選択的にインク流体を配することができる。インク流体
の液滴を着弾させない親和性領域はそのままにしておい
てもよく、あるいは別の種類のインク流体の薄膜形成用
に残しておいてもよい。たとえば、基板上の極性パター
ン領域の中から選択した特定領域に、特定の材料を含む
インク流体で薄膜を形成し、次いで別の選択した別の特
定領域に別の特定の材料を含むインク流体で別の薄膜を
形成するようにして1回の極性パターン形成(親水性領
域形成)で複数種類の薄膜パターンを形成させることも
できる。またインクジェットノズルを複数備えたインク
ジェット装置によってこれら複数の特定材料含有インク
流体を同時にそれぞれのしかるべき親和性領域に吐出操
作して複数の薄膜を同時形成させることもできる。
【0060】また、インク流体の液滴は極性パターンの
境界を越えて広がることはなく、かつパターン領域内で
は均一に広がって膜形成されるので、液滴が極性パター
ン内に十分広がる量だけ吐出されているのであれば、液
滴の吐出が必ずしも極性パターンに忠実なパターン状で
ある必要はない。したがって、薄膜形成操作が著しく簡
易となり、描画精度の許容度も広くとることができて、
本発明のミクロファブリケーション基板を用いる素子作
製方法を有利にしている。
【0061】パターン形成用インク流体について述べ
る。インク流体は、薄膜形成材料を分散あるいは溶解し
ており、薄膜形成材料としてはインクジェット方式で吐
出して基板上の親和性領域に膜形成し得る材料であれ
ば、任意の材料が用いられる。形成させるべき薄膜パタ
ーンがドレイン電極やソース電極などのような導電性パ
ターンである場合には、導電性高分子、導電性炭素材
料、金属粒子や金属前駆体などの分散液や溶液が導電性
パターン形成用インク流体として用いられる。
【0062】導電性高分子としては、ポリアセチレン、
ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3
−メチルピロール)、ポリチオフェン、ポリ(p−フェ
ニレンビニレン)ポリアズレンなどのπ電子共役系を鎖
状に有する高分子にAsF5,ClO4,BF4,I2,B
2などをドーパントとして加えたものが知られてい
る。ポリビニルカルバゾールで代表される電子写真用の
電荷輸送物質の有機性分散液の形で使用できる。無機導
電性インクとしては、カーボンブラックやグラファイト
粒子を表面親水処理して水系分散液としたもの、あるい
は表面親水処理しないで疎水性溶媒に分散したものを用
いることができる。グラファイトは、異方性の導電性を
もち、微粒子化して界面活性剤と分散媒の選択によって
分散可能であり、いわゆるカーボンブラックは粒子サイ
ズが1〜10nm,多くは2〜5nm程度の微粒子が葡
萄房状に会合して光吸収能を極度に高めた形態をとって
いて、これも同用に分散可能である。
【0063】金属の導電性薄膜層の形成には、金属微粒
子の分散液をインク流体に用いてもよく、別の方法とし
ては、金属前駆体として金属塩水溶液をインク流体とし
て使用し、金属塩薄膜を還元して金属薄膜を形成させる
方法がある。前者の例には、銀微粒子、例えば市販のコ
ロイド状銀粉末をポリビニルアルコールやゼラチンなど
の分散媒水溶液に分散させた分散液をインク流体とする
ことができる。後者の例には、2種のインク流体、例え
ば第一のインク流体として硝酸銀水溶液、第二のインク
流体として、アスコルビン酸の中性又はアルカリ水溶液
やフェ―リング溶液などの還元剤水溶液と、をそれぞれ
別のインクのズルから同時に又は連続して同じ親和性パ
ターン領域に吐出させて基板表面で銀鏡反応によって銀
薄膜を形成させることができる。また、絶縁層の薄膜を
形成するには、各種の公知のレジスト組成物の分散液を
用いることができる。
【0064】インクジェット装置は、公知のものを適用
することができる。図4は、インクジェット方式のパタ
ーン形成装置の一態様を示すものであって,本発明はこ
の態様に限定されるものではない。図4において、イン
ク流体の液滴16を基板11上の流体に対して親和性の
領域13に吐出可能に構成されたインクジェット式液滴
吐出ヘッド2と、インクジェット式液滴吐出ヘッド2と
基板11上との相対位置を変更可能に構成される駆動手
段4と、インクジェット式液滴吐出ヘッド2からのイン
ク流体の液滴16の吐出および駆動手段4による駆動を
制御信号Shによって制御する制御手段3と、を備え
る。そして制御手段3は、特定インク流体の吐出さるべ
き特定の親和性領域13に特定インク流体の液滴16が
吐出されて薄膜が形成されるようにインクジェット式液
滴吐出ヘッド2と基板11上との相対位置を制御し、つ
づいて特定の親和性の領域13にインクジェット式液滴
吐出ヘッド2から制御信号Shに従ってインク流体の液
滴16を吐出させる。セル領域13は、液滴を受容して
セル15となる。
【0065】インクジェット式液滴吐出ヘッド2には、
インク流体31が入れられたインク流体貯留槽32がパ
イプ33を介してインク流体31を供給可能に接続され
ている。インク流体31としては、TFTの設計に従っ
て形成させるべき薄膜材料と吐出先の親和性領域に応じ
て種類が変えられる。また、薄膜形成操作の効率化のた
めに、インク流体貯留槽ーインクジェット式液滴吐出ヘ
ッドの組は、複数備えられていてもよい。
【0066】インクジェット方式の液滴吐出ヘッドの液
滴噴射方式としては、圧電体素子、例えばPZT素子等
を上部電極および下部電極で挟んだ構造を有してインク
流体の容積に体積変化を生じさせて液滴を吐出させる構
成のもの、発熱体の熱による膨張によって液滴を吐出さ
せるようなヘッド構成のもの、あるいは発熱体又は電圧
印加によるスパークによって気化を起こさせてそれに伴
う圧力によって液滴を吐出させるようなヘッド構成のも
の、など公知のインクジェット方式を選択することが出
来る。
【0067】駆動機構4は、41と記したモータM1、
42と記したモータM2および図示しない機構構造を備
えており、インクジェット式液滴吐出ヘッド2ととも
に、X軸方向(図4の横方向)およびY軸方向(図4の
奥行き方向)に搬送可能に構成されている。モータM1
は駆動信号Sxに応じてインクジェット式液滴吐出ヘッ
ド2をX軸方向に搬送可能に構成される。モータM2は
駆動信号Syに応じてインクジェット式液滴吐出ヘッド
2をY軸方向に搬送可能に構成される。
【0068】なお、駆動機構4は基板11に対するイン
クジェット式液滴吐出ヘッド2の位置を相対的に変化可
能な構成を備えていれば十分である。このため上記構成
の他に、基板11がインクジェット式液滴吐出ヘッド2
に対して動くものであっても、インクジェット式液滴吐
出ヘッド2と、基板11とがともに動くものであっても
よい。
【0069】なお、以上の説明は、本発明の説明および
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
【0070】IV.原板の疎水性強化処理 本発明の上記したミクロファブリケーション用基板は、
活性光照射又は熱の印加によって極性変化のパターンを
形成する前に、原板表面の疎水性を強化する処理を施し
ておくと、液にじみや液汚れが一層抑止されて薄膜形成
の精度がさらに向上して好都合である。疎水性強化処理
が行なわれても、活性光の照射又は熱の印加をうけると
疎水性有機化合物のほとんどは炭酸ガスと水に変化して
表面の疎水性層が消滅するので、疎水性強化処理の後に
形成される親水性領域の親水性の程度には影響を与える
ことなく、非照射(非加熱)領域のみが選択的に疎水化さ
れる。
【0071】以下に、原板の疎水性強化処理を説明す
る。疎水性強化手段としては、原板表面へ疎水性物質
(疎水化剤とも呼ぶ)の塗り付け処理、スプレー処理、気
化・凝縮法、気体接触法、浸漬処理など公知のいずれの
方法、方式をも用いることができる。しかしながら、簡
易である点で、気体接触法が好ましい。気体接触法は、
例えば空気恒温槽内に有機化合物気体を導入したり、揮
発性の有機化合物を導入して槽内を加温して行うなどを
挙げられる。
【0072】<疎水性強化の方法> a.塗り付け処理は、液体及び固体状の疎水化剤に適用
できる疎水層の付与方法であり、疎水化剤が液体の場合
は、直接塗り付けてもよく、また固体の場合や、液体で
あっても場合により、適当な溶剤に溶解あるいは分散し
たりして液状として塗り付け処理を行う。
【0073】塗り付け処理の方法としては、グラビア塗
布、リバース塗布、ホッパー塗布、スリット塗布などの
塗布現像方式など公知の方法が適用できる。また、疎水
化剤を担持した媒体を介して原板上に塗り付け皮膜を形
成させるシート処理が好ましい方式の一つである。この
方法には特登2655337号に記載の方法を挙げるこ
とができる。疎水化剤を担持する媒体には、フェルト、
織物、スリットや細孔を有する金属などを用いることが
できる。この中でも特開平8−290088号、同8−
290087号、同9−138493号公報に記載され
ているスポンジなどによる処理液塗り付けの方法を好ま
しく適用できる。
【0074】塗り付け処理の好ましい塗り付け量は、疎
水化剤の濃度などによって異なるが、通常10〜100
ml/m2 、好ましくは15〜50ml/m2 である。
【0075】b.スプレー処理 スプレー処理すなわち噴霧処理は、塗り付け処理に記し
たと同様に液状あるいは分散液状にした疎水化剤又は疎
水化剤溶液を原板表面に噴霧することによって疎水化を
行う方法である。また、噴霧液量を必要供給液量以上と
して適用表面を流下する余分の疎水化剤あるいは疎水化
剤溶液を循環させて再利用してもよい。疎水化剤あるい
は疎水化剤溶液の噴霧方法、方式、ノズルの数や形状を
問わず、また単一の可動ノズルを移動させながら噴霧し
ても、複数の固定ノズルを用いて噴霧してもよい。ま
た、原板を固定してノズルを移動させながら噴霧して
も、ノズルを固定して原板を移動させながら噴霧しても
よい。このなかでも特開平8−123001号、同9−
160208号、同9−179272号公報に記載され
ている疎水化剤あるいは疎水化剤溶液を噴射する複数の
ノズル孔が一定の間隔で原板の搬送方向と交差する方向
に沿って直線状に並べられたノズルとこのノズルを搬送
経路上の原板に向かって変移させるアクチュエーターと
を有する疎水化剤塗り付け装置によって疎水化剤あるい
は疎水化剤溶液を噴霧する方法がとくに好ましい。本発
明の方法に適用されるインクジェット方式の疎水性強化
には、静電吐出型に限らず公知のインクジェットプリン
ターを使用することができる。
【0076】c.気化・凝縮法 気体接触法は、昇華性の固体疎水化剤あるいは揮発性の
疎水化剤や蒸発しやすい疎水化剤溶液を加熱して気化
し、原板表面に接触させて疎水化剤の皮膜を凝縮形成さ
せる方法である。この方法に好都合な効果をもつ好まし
い有機化合物は、沸点が30〜200℃にあって、かつ
30〜100℃の温度範囲で安定な有機化合物であり、
中でも好ましい沸点範囲は50〜100°Cである。
【0077】d.気体接触法 疎水化剤が気体の場合、とくに前記したフッ素含有有機
化合物の場合には、印刷原板をこの気体を含んだ雰囲気
のなかに置くことによって高度の疎性強化を行うことが
できる。
【0078】e.浸漬法 浸漬槽を設けて印刷原板を浸漬する方法も用いることが
できる。
【0079】<疎水化剤>本発明において、「疎水性」
とは、原板上で水滴接触角が40度以上、好ましくは6
0度以上であって、親水性領域の水滴接触角よりも40
度以上高いことを意味する。このような疎水化剤の要件
に適合する化合物は、有機低分子化合物、有機珪素化合
物の中に見いだされる。
【0080】1)有機低分子化合物 疎水化剤として本発明に用いられる有機低分子化合物
は、有機概念図における有機性/無機性の比が0.7以
上である有機低分子化合物で。ここで、低分子化合物と
呼んでいるのは沸点又は融点を有する化合物という意味
で用いており、そのような化合物を通常分子量は200
0以下、多くは1000以下である。
【0081】有機概念図における有機性/無機性比が
0.7以上の有機低分子化合物は、具体的には脂肪族及
び芳香族炭化水素、脂肪族及び芳香族カルボン酸、脂肪
族及び芳香族アルコール、脂肪族及び芳香族エステル、
脂肪族及び芳香族エーテル、有機アミン類、有機珪素化
合物、また、印刷用インキに添加できることが知られて
いる各種溶剤や可塑剤類の中に見られる。
【0082】好ましい脂肪族炭化水素は、炭素数8〜3
0の、より好ましくは炭素数8〜20の脂肪族炭化水素
であり、好ましい芳香族炭化水素は、炭素数6〜40
の、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素で
ある。好ましい脂肪族アルコールは、炭素数4〜30
の、より好ましくは炭素数6〜18の脂肪族アルコール
であり、好ましい芳香族アルコールは、炭素数6〜30
の、より好ましくは炭素数6〜18の芳香族アルコール
である。好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数4〜24
の脂肪族カルボン酸であり、より好ましくは炭素数6〜
20の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数4〜12の脂肪
族ポリカルボン酸であり、また、好ましい芳香族カルボ
ン酸は、炭素数6〜30の、より好ましくは炭素数6〜
18の芳香族カルボン酸である。好ましい脂肪族エステ
ルは、炭素数2〜30の、より好ましくは炭素数2〜1
8の脂肪酸エステルであり、好ましい芳香族エステル
は、炭素数8〜30の、より好ましくは炭素数8〜18
の芳香族カルボン酸エステルである。好ましい脂肪族エ
ーテルは、炭素数8〜36の、より好ましくは炭素数8
〜18の芳香族エーテルであり、好ましい芳香族エーテ
ルは、炭素数7〜30の、より好ましくは炭素数7〜1
8の芳香族エーテルである。そのほか、炭素数7〜30
の、より好ましくは炭素数7〜18の脂肪族あるいは芳
香族アミドも用いることができる。
【0083】具体例としては、2,2,4−トリメチル
ペンタン(イソオクタン)、n−ノナン、n−デカン、
n−ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、メチル
ヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2−メチルオク
タンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クメン、ナフタレン、アントラセン、スチレンな
どの芳香族炭化水素;ドデシルアルコール、オクチルア
ルコール、n−オクタデシルアルコール、2−オクタノ
ール、ラウリルアルコール1価アルコール;ヘキシレン
グリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコ
ール;ベンジルアルコール、4−ヒドロキシトルエン、
フェネチルアルコール、1−ナフトール、2−ナフトー
ル、カテコール、フェノールなどの芳香族アルコール;
酪酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、カプリン
酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族1価カルボ
ン酸;安息香酸、2−メチル安息香酸、4−メチル安息
香酸などの芳香族カルボン酸;酢酸エチル、酢酸イソブ
チル、酢酸−n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、酪酸メチル、アクリル酸メチル、しゅう
酸ジメチル、琥珀酸ジメチル、クロトン酸メチルなどの
脂肪族エステル;安息香酸メチル、2−メチル安息香酸
メチルなどの芳香族カルボン酸エステル;イミダゾー
ル、2,2−ジメチルイミダゾール、4−メチルイミダ
ゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、シクロヘ
キシルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレ
ンテトラミン、オクチルアミン、フェネチルアミンなど
の有機アミン;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ベンゾフェノンなどのケトン類、メトキシベン
ゼン、エトキシベンゼン、メトキシトルエン、ラウリル
メチルエーテル、ステアリルメチルエーテルなどのエー
テル及びステアリルアミド、ベンゾイルアミド、アセト
アミドなどのアミド類が挙げられる。そのほか、沸点が
前記の好ましい範囲にあるエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セ
ロソルブアセテートなどの有機溶剤も使用することがで
きる。
【0084】また、印刷用インキの成分であるアマニ
油、大豆油、けし油、サフラワー油などの油脂類、燐酸
トリブチル、燐酸トリクレシル、フタール酸ジブチル、
ラウリン酸ブチル、フタール酸ジオクチル、パラフィン
ワックスなどの可塑剤も挙げられる。
【0085】また、長鎖脂肪酸と長鎖一価アルコールの
エステル、すなわちワックスも、疎水性で適当に低融点
であって、光熱変換性の微粒子の近傍で光照射によって
生じた熱によって融解してその領域を疎水性化する好ま
しい低分子有機化合物である。ワックスは、50〜20
0°Cで溶融するものが好ましく、その例としては、原
料などによってカルナバワックス、カスターワックス、
マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、
セラックろう、パームろう、蜜ろう等と呼ばれているい
ずれをも用いることができる。ワックス類のほかに、オ
レイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの固体酸;
ベヘン酸銀、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸マ
グネシウムなどの長鎖脂肪酸の金属塩などの微粒子分散
物も用いることができる。
【0086】有機低分子化合物の中でもペルフルオロ化
合物は、疎水化を効果的に行うので好都合である。好ま
しいペリフルオロ化合物としては、下記の化合物が挙げ
られる。ペルフルオロ酢酸、ペルフルオロ酪酸、ペルフ
ルオロバレリン酸、ペルフルオロカプリン酸、ペルフル
オロヘプタン酸、ペルフルオロカプロン酸、ペルフルオ
ロカプリル酸などのペルフルオロ脂肪族カルボン酸;ペ
ルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフル
オロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミ
ン、ペルフルオロヘキシルエーテル、ペルフルオロドデ
カンなどのペリフルオロ炭化水素;ペルフルオロブタノ
ール、ペルフルオロペンタノール、ペルフルオロヘキサ
ノール、ペルフルオロオクタノール、ペルフルオロドデ
シルアルコールなどのペリフルオロ脂肪族アルコール。
【0087】2)有機珪素化合物 好ましい有機珪素化合物は、印刷原板の親水・親油材料
を含有する層の表面を効果的に疎水化する疎水化剤であ
る。この目的に用いられる有機珪素化合物としては、オ
ルガノポリシロキサン、オルガノシラン及びフッ素含有
珪素化合物を挙げることができる。 a.オルガノポリシロキサン リ オルガノポリシロキサンは、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイルなどで代表され
る化合物であり、とくに重合度が12以下のオルガノポ
リシロキサン類が好ましい。これらの好ましいオルガノ
ポリシロキサンはシロキサン結合単位当たり1〜2個の
有機基が結合しており、その有機基は、炭素数が1〜1
8のアルキル基及びアルコキシ基、炭素数が2〜18の
アルケニル基及びアルキニル基、炭素数が6〜18のア
リール基、炭素数が7〜18のアラルキル基、炭素数が
5〜20の脂環式基である。また、これらの有機置換基
には、さらにハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキ
シ基が置換してもよい。また、上記のアリール基、アラ
ルキル基、脂環式基には、上記の炭素数の範囲でメチル
基、エチル基又はプロピル基などの低級アルキル基がさ
らに置換していてもよい。
【0088】本発明に使用できる好ましい有機珪素化合
物の具体例は、下記の化合物であるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。好ましいポリオルガノシロ
キサン類としては、炭素数1〜5のアルキル基を有す
るジアルキルシロキサン基、炭素数1〜5のアルコキ
シ基を有するジアルコキシシロキサン基、炭素数1〜
5のアルコキシ基とフェニル基を有するアルコキシフェ
ニルシロキサン基及びエトキシメトキシシロキサン基
又はメトキシエトキシシロキサン基のうち、少なくとも
一つを繰り返し単位として含み、重合度が2〜12、よ
り好ましくは2〜10のポリオルガノシロキサンであ
る。また、その端末基は、炭素数1〜5のアルキル基、
アミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のヒドロキアル
キル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基である。より好
ましい端末基は、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メ
トキシ基及びエトキシ基である。その中でも好ましいシ
ロキサン化合物は、重合度が2〜10のジメチルポリシ
ロキサン、重合度が2〜10のジメチルシロキサン−メ
チルフェニルシロキサン共重合物、重合度が2〜8のジ
メチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合物、重
合度が2〜8のジメチルシロキサン−モノメチルシロキ
サン共重合物でこれらのポリシロキサン化合物の端末は
トリメチルシラン基である。そのほか、1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、
1,5−ビス(3−アミノプロピル)ヘキサメチルトリ
シロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、1,5−ジブチル−1,1,
3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,
1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ジクロロ
トリシロキサン、3−(3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチル−
トリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンなどが挙
げられる。
【0089】特に好ましい汎用化合物として、いわゆる
シリコーンオイルがあり、ジメチルシリコーンオイル
(市販品では、例えばシリコーンKF96(信越化学工
業(株)製)、メチルフェニルシリコーンオイル(市販
品では、例えばシリコーンKF50(信越化学工業
(株)製)、メチルハイドロジェンシリコーンオイル
(市販品では、例えばシリコーンKF99(信越化学工
業(株)製)が挙げられる。
【0090】b.オルガノシラン 疎水化剤として用いることができるオルガノシラン化合
物としては、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシ
ルトリ−t−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリメ
トキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、
ジメトキシジエトキシシランなどのシラン化合物も挙げ
られる。
【0091】c.フッ素含有有機珪素化合物 フッ素含有有機基を置換基として有するシラン、シラノ
ール及びシロキサン化合物も疎水化剤として用いること
ができる。好ましいフッ素含有有機珪素化合物には、ポ
リフルオロアルキル基(3、3、3−トリフルオロプロ
ピル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロブチル
基、トリフルオロエチル基、トリフルオロペンチル基、
3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフルオロヘ
キシル基)、トリフルオロアシロキシ基(トリフルオロ
アセトキシ基、2、2、2−トリフルオロエトキシ
基)、トリフルオロアシル基(トリフルオロアセチル
基)、トリフルオロアルキルスルフォン基(トリフルオ
ロメタンスルフォン基、3、3、3−トリフルオロプロ
ピルスルフォン基)を有機置換基として有するシラン、
シラノール及びシロキサン化合物が挙げられる。
【0092】具体例としては、メチル−3、3、3−ト
リフルオロプロピルジクロロシラン、トリメチルシリル
トリフルオロメタンスルフォネート、トリフルオロアセ
トキシトリメチルシラン、3、3、4、4、5、5、
6、6、6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、
ジメトキシメチル−3、3、3−トリフルオロプロピル
シラン、3、3、3−トリフルオロプロピルシラン−ト
リメトキシシラン、3、3、4、4、5、5、6、6、
6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、3−
トリフルオロアセトキシトリメトキシシラン、1、3、
5−トリス(3、3、3−トリフルオロプロピル)−
1、3、5−トリメチルシクロトリシロキサン、1、
3、5、7−テトラキス(3、3、3−トリフルオロプ
ロピル)−1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン、1、1、3、5、5−ペンタ(3、3、3
−トリフルオロプロピル)−1、3、5−トリメチルト
リシロキサン、1、1、3、5、7、7−ヘキサ(3、
3、3−トリフルオロプロピル)−1、3、5、7−テ
トラメチルテトラシロキサン、メチル−3、3、3−ト
リフルオロプロピルシランジオール、3、3、4、4、
5、5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルシラントリ
オール、3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフ
ルオロヘキシルメチルシランジオール、ペンタフルオロ
エトキシシラントリオール、トリフルオロメチルシラン
トリオール、3、3、3−トリフルオロプロピルオトキ
シシラントリオール。
【0093】好ましい化合物は、メチル−3、3、3−
トリフルオロプロピルジクロロシラン、3、3、4、
4、5、5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルトリク
ロロシラン、3、3、3−トリフルオロプロピルシラン
−トリメトキシシラン、3、3、4、4、5、5、6、
6、6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、
1、3、5−トリス(3、3、3−トリフルオロプロピ
ル)−1、3、5−トリメチルシクロトリシロキサン、
メチル−3、3、3−トリフルオロプロピルシランジオ
ール、3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフル
オロヘキシルシラントリオール、3、3、4、4、5、
5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルメチルシランジ
オール、ペンタフルオロエトキシシラントリオール、ト
リフルオロメチルシラントリオール、3、3、3−トリ
フルオロプロピルオトキシシラントリオール。これらの
有機珪素化合物は、市販されており、たとえば信越化学
工業(株)から入手できる。又は入手したクロロシラン
を加水分解してシラノールとしたり、あるいは、加水分
解縮合によってポリオルガノシロキンを合成できる。
【0094】疎水化剤は、有機低分子化合物のみ、有機
珪素化合物のみ、あるいはそれらの混合物でもよく、さ
らに両者の親和性を高めるなどの目的の第3成分を含ん
でいてもよい。
【0095】疎水化剤は、溶液や分散液とするためにエ
チレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノ
ン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブ
アセテート、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、アクリロニトリルなどの有機溶剤に混合又は分散し
て使用することもできる。
【0096】
【実施例】以下の実施例によって、さらに本発明の態様
を述べるが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 厚さ1mmの10cm四方の石英ガラス表面をアセトン
中に1分間浸漬した後、ドライヤーにて乾燥し、さらに
フッ化水素水溶液にて表面処理した後、十分に水洗し
た。このガラス原板を真空蒸着装置内に入れて、全圧2
×10-2Paになるように分圧80%の酸素ガスの条件
下でチタン金属片を電熱加熱して、ガラス原板上に蒸着
し酸化チタン薄膜を形成した。この薄膜の結晶成分はX
線解析法によって無定型/アナターゼ/ルチル結晶構造
の比が1.5/6.5/2であり、TiO2薄膜の厚さ
は200nmであった。室温で3日間暗所で放置した
後、この原板の上に50μmおきに幅50μmの直線状
の並行パターンを有する透過露光用マスクフィルム、さ
らに平坦な透明ガラスを重ね、その上30cmの位置か
ら200ワット高圧水銀灯で30秒間露光して基板を作
製した。露光後、基板を水中に5秒間浸漬した後引き上
げ、ゴム板でスクイズしたところ露光部分に水がきれい
に付着していた。同じ試料を同様に露光後、市販のBa
yer社製ポリエチレンオキシチオフェンの水性導電ポ
リマーからなるインクを使って、インクジェット法によ
って、線状の露光部分に沿って30μmのインク流体の
液滴を30μm間隔に印字した。インクジェットで印字
した導電性の長さ10mmの10本の線をそれぞれ顕微
鏡を使いながら注意深く、テスターを用いてチェックし
たところ、すべて10Ω以下の導電性状態となってい
た。また、導電線の隣同士はインク液の広がりに対する
隔壁効果によって導通状態にないことも確認した。
【0097】[実施例2]厚さ200μmのポリイミド
(無水ピロメリット酸・m−フェニレンジアミン共重合
物)フィルム(商品名;カプトン、東レ・デュポン社
製)を真空蒸着装置内にセットし、二酸化チタンを熱応
答性金属酸化物とした原板を作製した。すなわち、上記
ポリイミド支持体をスパッタリング装置内にセットし、
全圧0.15Paで酸素分圧70%の条件下でチタン金
属片を加熱して二酸化チタン薄膜を蒸着形成した。この
薄膜の結晶成分は、X線解析法によれば、無定型、アナ
ターゼ、ルチルの各結晶の構成比が15/6.5/2で
あった。また、二酸化チタンの厚さは90nmであっ
た。これを0.1質量%のn−オクタデシルトリクロロ
シランのトルエン溶液中に1分間浸漬した。この基板を
2枚用意し、波長830nmの赤外光を発するIRレー
ザー(ビーム径45μm)にて直線を形成するように露
光した。こうちの1枚を水中に5秒間漬けた後引き上げ
てゴム板でスクイズすると、レーザービームが当たった
部分に水が付着し、露光されなかった部分には水の付着
はなかった。残りの1枚は、レーザー露光した部分に3
0μmで飛翔するBayer製ポリエチレンジオキシチ
オフェンの水性導電ポリマーからなるインクをインクジ
ェット法で30μmおきに印字した。インクジェットで
印字した導電化部分の長さ2mmの10本の線をそれぞ
れ顕微鏡を使いながら注意深くテスターで電気抵抗をチ
ェックしたところ、すべて10Ω以下の導電性状態にな
っていた。また、導電線の隣同士がインク液の広がりを
防止する隔壁効果によって導通していないことも確認し
た。
【0098】[実施例3]実施例1とまったく同様にし
て線状処理した石英ガラスを、チタンイソプロポキシド
125mlを0.1M硝酸水溶液750ml中に滴下し
て加水分解した後、80℃で2時間攪拌後、5質量%の
ポリビニルアルコールの水溶液50mlを加えてさらに
5時間攪拌を続けて、室温に戻した液中に1分間浸漬し
た。引き上げた後、冷風乾燥し、さらに250℃のオー
ブン中で処理した。これを原板として実施例2とまった
く同様にn−オクタデシルトリクロロシランの処理、レ
ーザー露光、インクジェット処理を行った。露光部のイ
ンクジェット処理された部分の導電性、及びインク付着
にない部分が導通していないことも実施例2とまったく
同じ結果が得られた。
【0099】[実施例4]石英ガラス板を真空蒸着装置
中にセットして全圧0.01Paの真空下で亜鉛を10
0nm(1000オングストローム)の厚みに蒸着し
た。これを空気中600°Cで2時間酸化処理してガラ
ス板の片面に酸化亜鉛の薄膜を形成させた。この酸化亜
鉛薄膜付き原板を用いて、実施例1とまったく同様に高
圧水銀灯照射、インクジェット処理を行った。露光部の
インクジェット処理された部分の導電性、及びインク付
着にない部分が導通していないことも実施例1とまった
く同じ結果が得られた。
【0100】〔実施例5〕実施例1に記載の方法におい
て、インクジェット装置として3連の噴射ノズルを備え
たものとし、インク流体として2規定硝酸銀水溶液と、
酒石酸カリウムナトリウム346g/Lと水酸化ナトリ
ウム100g/Lからなるフェ―リング溶液―Aと、硫
酸銅五水塩69.2g/Lからなるフェ―リング溶液―
Bとの3種類とし、3液が基板上の同一領域に続けて噴
射されるようにして基板上に還元作用で生じた銀薄膜が
形成されるようにした。その他は、実施例1と同じ操作
によって線状の露光部分に沿って30μmの間隔で長さ
10mmの10本の銀線を形成させ、その銀線をそれぞ
れ顕微鏡を使いながら注意深く、テスターを用いてチェ
ックしたところ、すべて10Ω以下の導電性状態となっ
ていた。また、導電線の隣同士はインク液の広がりに対
する隔壁効果によって導通状態にないことも確認した。
【0101】以上のことから、光触媒性又は熱応答性の
表面を有する原板、たとえばTiO 2層を担持した原板
表面に露光(又は熱)によって親水性に変化させたパター
ン状親水性領域を持たせて、これを基板とすれば、親水
化された領域にインクジェット法により水性インクを吐
出すると露光パターンに沿った高精細画像が形成される
ことが示された。実施例で確認した高精細でしっかりと
した導電性パターンをソース電極、ドレイン電極に分割
し、その上から図−3に示したような構造として高分子
液晶、次いでポリビニルピロリドン(PVP)をスピン
コーターで塗布し、その上から実施例で使用した水性導
電インクをインクジェット方式でゲート電極をつければ
薄膜液晶パネルが作製できる。
【0102】
【発明の効果】本発明の活性光の照射又は熱の印加によ
って親水性化する材料を表面に有する原板にパターン状
又は逆パターン状の活性光照射又は熱印加を行って、所
定の流動体に対して親和性のある微小領域が非親和性領
域に囲まれた極性分布パターンを形成させた基板は、親
和性領域に該流動体を受容させて像状薄膜を形成させる
ことができて、フォトリソグラフィを用いることなく簡
易な操作で半導体素子などの微細素子の像状薄膜を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミクロファブリケーション用原板に活
性光の照射と親水性インク流体の吐出を行なった状態を
示す説明図である。
【図2】フォトリソグラフィ手段を利用した公知のTF
Tの形成方法の説明図である。
【図3】フォトリソグラフィによらない本発明のパター
ン形成方法の説明図である。
【図4】インクジェット方式のパターン形成装置の一態
様を示す概略図である。
【符号の説明】
11 基板 12 原板 13 照射領域 14 非照射領域 15 液膜 15’ 形成過程の液膜 16 液滴 16’ 崩壊過程の液滴 2 インクジェット式液滴吐出ヘッド 21 TFT 22 ドレイン電極 23 ソース電極 24 半導体層 25 絶縁層 26 ゲート電極 27 隔壁 3 制御手段 31 インク流体 32 インク流体貯留槽 33 パイプ 4 駆動手段 41 M1 モータ 42 M2 モータ Sh 制御信号 Sx 駆動信号 Sy 駆動信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA24 FA10 FB01 HA42 4M104 AA10 BB08 BB36 CC01 CC05 DD51 EE03 GG09 5F033 GG00 GG04 HH00 HH14 HH36 PP26 QQ00 QQ53 QQ54 QQ58 QQ60 QQ62 QQ73 QQ74 QQ82 QQ83 RR03 RR21 RR23 RR24 SS08 SS10 SS11 SS21 SS22 SS27 SS30 VV06 VV15 XX00 5F110 AA16 BB01 CC05 DD03 DD12 EE41 FF21 GG41 HK01 HK31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性光の照射又は熱の印加によって親水
    性化する材料を表面に有する原板上にパターン状又は逆
    パターン状の活性光照射又は熱印加を行って親水性化す
    ることによって、所定の流動体に対して親和性のある微
    小領域が前記流動体に対して親和性のない非親和性領域
    に囲まれて配列してなるパターンを形成させて、該親和
    性領域が該流動体を受容可能としたことを特徴とするミ
    クロファブリケーション用基板。
  2. 【請求項2】 所定の流動体に対して親和性のある微小
    領域の水に対する接触角と該微小領域に接する非親和性
    領域の水に対する接触角の差が少なくとも20度である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光極性変化を示す材
    料で表面処理されたミクロファブリケーション用基板。
  3. 【請求項3】 基板の上に表面処理される光極性変化を
    示す材料が、TiO2、RTiO3(Rはアルカリ土類金
    属原子)、AB2-xx3-xx10(Aは水素原子また
    はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金属原子または
    鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5A族元素に
    属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属する金属原
    子、xは0〜2の任意の数値を表す)、SnO2、Bi2
    3、SiO2、GeO2、Al23、ZnO、およびF
    eOy(yは1.0〜1.5)から選ばれる金属酸化物
    の少なくとも1つによって構成されていることを特徴と
    する請求項1および2に記載の基板。
  4. 【請求項4】 所定の流動体に対して親和性のある微小
    領域を原板表面に形成する前に、該表面が疎水化処理さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載のミクロファブリケーション用基板。
  5. 【請求項5】 活性光の照射又は熱の印加によって親水
    性化する材料を表面に有する原板上にパターン状又は逆
    パターン状の活性光照射又は熱印加を行って親水性化す
    ることによって、所定の流動体に対して親和性のある微
    小領域が前記流動体に対して親和性のない非親和性領域
    に囲まれて配列してなるパターンを形成させるミクロフ
    ァブリケーション用基板の製造方法であって、該活性光
    の照射又は熱の印加が、光源と該原板との間にフォトマ
    スクを介してなされる活性光の照射、レーザー光の間歇
    発光による走査露光、熱ヘッドの走査による熱の印加及
    び光熱変換性の輻射線の照射のいずれかによって行われ
    ることを特徴とするミクロファブリケーション用基板の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記所定の流動体が親水性であって、活
    性光の照射又は熱の印加がなされた領域が所定の流動体
    に対して親和性のある微小領域を形成することを特徴と
    する請求項5に記載のミクロファブリケーション用基板
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記所定の流動体が疎水性であって、活
    性光の照射又は熱の印加がなされた領域が、所定の流動
    体に対して親和性のある微小領域を取り囲む親水性領域
    を形成することを特徴とする請求項5に記載のミクロフ
    ァブリケーション用基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のミ
    クロファブリケーション用基板に像状薄膜を形成する像
    状薄膜形成方法であって、所定の流動体の液滴を吐出可
    能に設けられたインクジェット式記録ヘッドを該基板上
    で相対移動させながら、該インクジェット式記録ヘッド
    のノズル穴から該流動体の液滴を吐出させて描画を行な
    うことにより、該基板上に該流動体の像状薄膜を形成さ
    せることを特徴とする像状薄膜形成方法。
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