JP2003028864A - Dnaチップ用基板及びその製造方法並びにdnaチップの製造方法 - Google Patents

Dnaチップ用基板及びその製造方法並びにdnaチップの製造方法

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JP2003028864A
JP2003028864A JP2001213454A JP2001213454A JP2003028864A JP 2003028864 A JP2003028864 A JP 2003028864A JP 2001213454 A JP2001213454 A JP 2001213454A JP 2001213454 A JP2001213454 A JP 2001213454A JP 2003028864 A JP2003028864 A JP 2003028864A
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hydrophilic
dna
dna chip
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Takao Nakayama
隆雄 中山
Koichi Kawamura
浩一 川村
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 得率が高く、かつDNAプローブのはり付け
が確実に行われるDNAチップを得ることができるDN
Aチップ用基板、その製造方法、及びその基板を用いる
DNAチップの製造方法を提示すること。 【解決手段】 疎水性であって光又は熱の作用によって
親水性となる表面を有する原板上に複数の親水性微小領
域を配列させたDNAチップ用基板。及び該親水性微小
領域にDNAプローブを受容させるDNAチップの製造
方法。とくに、DNAプローブを含む液滴をインクジェ
ット方式によって受容させるDNAチップの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のオリゴヌク
レオチドが固相表面に整列して固定化されたDNAチッ
プの基板、その製造方法、及びその基板を用いるDNA
チップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】遺伝子の発現の様子をモニタする方法と
して、DNAチップを用いる方法がある。DNAチップ
は、種々の遺伝子に対応した多数のオリゴヌクレオチド
(DNAプローブともいう)が固相表面に整列して固定
化されてオリゴヌクレオチドマトリックスが形成された
素子で、通常約1cm角のシリコンチップ上に数千個あ
るいは1万個以上のDNAプローブを載せたものであ
る。DNAチップを用いる遺伝子検査方法では、PCR反
応(Polymerase Chain Reaction)を用いて、試料とし
てのmRNA(メッセンジャーRNA)のcDNA(相
補的なDNA)を合成し、断片化した後に各断片に蛍光
標識をつけて標識断片とする。これらの標識断片をDN
Aチップに接触させ、DNAチップに固定化されたオリ
ゴヌクレオチドにハイブリダイゼーションさせる。標識
断片は配列が相補的なオリゴヌクレオチドに保持され、
過剰量の標識断片は洗浄操作で除去される。その後、蛍
光顕微鏡を用いて保持された標識断片の量及び位置を検
出し、対応するオリゴヌクレオチドの種類を調べる。こ
の方法によって、DNA断片の配列を解明することがで
きるので、遺伝子関連の研究や遺伝子解析の手段として
有用であり、例えばこの方法により、ガン遺伝子の突然
変異の検出が可能であることが示されている。
【0003】DNAチップの製造方法は、大別して次の
3種類がある。第1の方法では、光化学的に除去できる
保護基で修飾した複数のリンカーを、アミノ基を介し
て、固相表面に結合させて配列しておく。半導体製造技
術で使用されているフォトリソグラフィー技術を応用し
て、所望のリンカー固定位置のみを照射できるマスクを
介して光照射し、保護基を除去する。次に、光化学的に
除去できる保護基をもつ単量体を導入して最初のカップ
リング反応を行なう。これによって、その部分だけオリ
ゴヌクレオチドが伸長される。フォトリソグラフィー及
び単量体の導入を繰り返すことにより、所望のオリゴヌ
クレオチドマトリックスを形成する。
【0004】第2の方法では、固定化するオリゴヌクレ
オチドを予め準備し、そのオリゴヌクレオチドをガラス
やポリマー膜などの固相表面に微量滴下し、その位置に
共有結合によって固定化する。例えば、固相表面にイソ
チオシアネート基を導入しておき、オリゴヌクレオチド
の末端をアミノ基にしておけば、イソチオシアネート基
固定位置にオリゴヌクレオチドを共有結合によって容易
に固定化することができる。
【0005】第3の方法では、固定化するオリゴヌクレ
オチドを予め準備し、そのオリゴヌクレオチドをガラス
やポリマー膜などの固相表面に微量滴下し、その滴下位
置に吸着作用によって固定化する。
【0006】しかし、上記のDNAチップの製造方法で
は、いずれの方法においても、1枚のDNAチップを作
製するのに長時間を要し、製造コストが高くなる。その
中では、第3の方法は、比較的容易で低コストではあ
る。しかし、吸着作用によるオリゴヌクレオチドの滴下
位置への固定化は一般に不確実であって、液滴の広がり
が大きくなりがちである。したがって、転写の際に横方
向の拡散にじみなどによって、例えば、DNAチップ上
の隣接するセル間でのPCR反応液の混入などの複製エ
ラーの危険性や生産性の低下のリスクを持っている。し
たがって、DNAチップの精度と得率の高いDNAチッ
プの製造方法の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の背景
に基づいて行われたものであって、DNAプローブのは
り付けが確実に行われるDNAチップを得ることができ
るDNAチップ用基板、その製造方法、及びその基板を
用いるDNAチップの製造方法を提示することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の解決を要する弱点は、DNAプローブを基板上に微
量滴下する前記第3の方法において、滴下された液滴の
基板面方向への拡散にじみに対して無防備であることに
原因しているとの認識から、その防護方法を鋭意検討し
た結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は以下の
とおりである。
【0009】1.疎水性であって光又は熱の作用によっ
て親水性となる表面を有する原板上に複数の親水性微小
領域を配列させてなり、該親水性微小領域がDNAプロ
ーブを受容するセル領域を構成していることを特徴とす
るDNAチップ用基板。
【0010】2.親水性微小領域の水に対する接触角が
30度以下であって、かつ該微小領域を取り囲む疎水性
表面の水に対する接触角よりも少なくとも40度低いこ
とを特徴とする上記1に記載のDNAチップ用基板。
【0011】3.表面が、TiO2、RTiO3(Rはア
ルカリ土類金属原子)、AB2-xx 3-xx10(Aは
水素原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金属
原子又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5A
族元素に属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属す
る金属原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、SnO
2、ZrO2、Bi23,ZnO及びFeOy(y=1〜
1.5)で表される酸化鉄、から選ばれる金属酸化物の
少なくとも一つによって構成されていることを特徴とす
る上記1又は2に記載のDNAチップ用基板。
【0012】4.原板の疎水性表面に活性光の照射又は
熱を印加を施すことによって該表面上に所定の大きさと
形状を有する複数の配列した親水性微小領域を形成させ
ることを特徴とするDNAチップ用基板の製造方法。
【0013】5.親水性微小領域の形成が、光源と基板
との間にフォトマスクを介してなされる活性光の照射、
レーザー光の間歇発光による走査露光、熱ヘッドの走査
による熱の印加及び光熱変換性の輻射線の照射のいずれ
かによって行われることを特徴とする請求項4に記載の
DNAチップ用基板の製造方法。
【0014】6.原板の表面に疎水性有機化合物による
処理を施した後、活性光の照射又は熱の印加によって親
水性微小領域を形成させることを特徴とする請求項4又
は5に記載のDNAチップ用基板の製造方法。
【0015】7.疎水性であって光又は熱の作用によっ
て親水性となる表面を有する原板上に複数の親水性微小
領域を配列させたDNAチップ用基板を用い、該親水性
微小領域にDNAプローブを受容させることを特徴とす
るDNAチップの製造方法。
【0016】8.原板上に配列した複数の親水性微小領
域に、DNAプローブを含む液滴をインクジェット方式
によって受容させることを特徴とする請求項7に記載の
DNAチップの製造方法。
【0017】本発明は、前記1〜8項に記したように、
上記の機能を有するDNAチップ用基板、その製造方
法、及びその基板を用いるDNAチップの製造方法の各
発明からなる。以下の明細書中の本発明の説明におい
て、DNAチップ上のDNAプローブがはり付けられた
微小領域(ミクロ区画)をセル、DNAチップ作詞用の
基板上のDNAプローブを受容してセルを形成するべき
親水性微小領域をセル領域、基板の支持体となる板材料
を原板と呼ぶこととする。
【0018】本発明の第一の要諦は、DNAチップ用基
板に,予めDNAプローブを受容するべき各微小領域す
なわち各セル領域を、その周囲よりも親水性にすること
によって極性の差異によるミクロ区画化を行なっている
ことである。このミクロ区画化基板を用いてDNAプロ
ーブの液滴を各ミクロ区画内に受容させれば、周囲の疎
水性領域が液滴を反発するので転写の際の液滴の滲み
(横拡散)による転写エラーが防止され、しかも液滴を
付与する際の液滴の位置のずれに対する許容度も拡大さ
れ、転写の正確度と得率を向上させることができる。し
たがって、高得率かつ高精度にDNAチップの製造が行
われて、本発明の目的をみたすことができた。
【0019】本発明の第2の要諦は、上記の極性の差異
に基づくミクロ区画が付与されたDNAチップ用基板を
製造するために、光触媒性の金属酸化物及び/又は熱の
印加によって極性が変化する金属酸化物(熱応答性とも
呼ぶ)からなる原板又は少なくとも該金属酸化物を表面
に有する原板を用いたことである。光触媒性の金属酸化
物は、活性光の照射を受けると疎水性から親水性に極性
が変化する。したがって、DNAチップの各セルとなる
べき基板上の領域すなわち前記定義のセル領域を親水性
とするには、原板表面にセルの配列に対応した像様の活
性光の照射を行なうことによって容易に行うことができ
る。また、熱応答性の金属酸化物は、特定の温度(高温
親水性発現温度と呼ぶ)以上に加熱した場合に疎水性か
ら親水性に極性が変化するので、基板のセル領域となる
べき原板表面の領域を熱ヘッド又は光熱変換性の輻射光
などによって選択的に加熱して該領域を親水性領域に形
成させることもできる。
【0020】本発明の特に好ましい態様は、液滴を各セ
ル領域にはり付ける手段としてインクジェット方式を用
いる態様である。すなわち、インクジェットプリンタに
おけるインクに代えてDNAプローブを含む液を用い,
各セル領域にDNAプローブを含む液滴を噴射すれば、
DNAプローブのはりつけも迅速かつ容易でしかも液に
じみのない正確なDNAチップの作製が可能となる。
【0021】本発明において、セル領域の親水性とは、
DNAプローブの液滴を受容できる程度の親水性を意味
しており、具体的には親水性領域の水に対する接触角が
30度以下である。また、セル領域を取り巻く疎水性領
域の疎水性は、親水性領域のDNAプローブの疎水性領
域への拡散が実質的に抑止される程度の疎水性を意味し
ているのであって、セル領域と周囲の疎水性領域のそれ
ぞれの水に対する接触各の差が40度以上であれば、本
発明の基板用の原板材料では、通常特に疎水化処理を施
す必要はない。
【0022】しかしながら、さらに転写の正確度を上げ
るためには、原板上にセル領域を形成する前に、原板を
疎水性有機化合物に接触させることによって原板表面の
疎水性を強化する方法が顕著な効果をあげる。予め原板
表面の疎水性が強化されていても、そのあとで行なわれ
るセル領域の形成は効果的に行なわれて、セル領域の親
水性度には実質的な影響は及ばない。疎水性有機化合物
は、気体又は液体が好ましく、特に気体が充分な接触を
果たす点で優れている。
【0023】
【発明の実施の形態】I.基板の作成方法 (金属酸化物)本発明のDNAチップ用基板は、セル領
域形成のために極性の差異に基づくミクロ区画を付与で
きるように、光触媒性の金属酸化物及び/又は熱の印加
によって極性が変化する金属酸化物(熱応答性金属酸化
物とも呼ぶ)からなる原板又は該金属酸化物を表面に有
するガラス板,金属板、プラスチック板などの原板から
製造される。光触媒性の金属酸化物とは、光の照射を受
けて親水性/疎水性の極性が変化する金属酸化物を指し
ており、極性を変化させる光を活性光と呼んでいる。ま
た、熱の印加によって極性が変化する金属酸化物すなわ
ち熱応答性金属酸化物は、光触媒性金属酸化物の中に比
較的多く見られるが、光触媒性であるとは限らない。こ
れらの金属酸化物は、セラミックや半導体のなかにも見
られる。光触媒能を有する物質は、基底順位と伝導体が
近い真正半導体と不純物準位に依存する酸化バナジウム
や酸化銅などの仮性半導体との両方に見られる。
【0024】本発明に用いる光触媒能を有する金属酸化
物は、いろいろの形態の金属酸化物に見られ、単一の金
属酸化物、複合酸化物のいずれの場合もあり、また後者
の場合は、固溶体、混晶、多結晶体、非晶質固溶体、金
属酸化物微結晶の混合物のいずれからもこの特性を有す
るものが認められる。このような特性をもつ金属酸化物
は、経験的に周期律表の0と VIIA(ハロゲン元素)族
を除く第3〜6周期に属する金属元素の酸化物に見いだ
される。以下に述べる光触媒性の金属酸化物は、熱応答
性でもあるが、一部の酸化鉄には、光触媒性ではない
が、熱応答性のものもある。原板の製造においては、親
水性/疎水性領域のミクロ区画化を除いては両者は同じ
であるので、これらをまとめて記述する。なお、上記金
属及び金属酸化物は、DNAチップとしての使用性から
水に対する溶解度は、水100ミリリットルについて1
0mg以下、好ましくは5mg以下、より好ましくは1
mg以下である。
【0025】光触媒能を有する金属酸化物の中でも、酸
化チタンと酸化亜鉛は好ましく、これらについてまず説
明する。これらは、いずれも本発明のDNAチップ用基
板の作製用の原板に利用できる。特に酸化チタンが感度
(つまり表面性の光変化の敏感性)などの点で好まし
い。酸化チタンは、イルメナイトやチタンスラグの硫酸
加熱焼成、あるいは加熱塩素化後酸素酸化など既知の任
意の方法で作られたものを使用できる。
【0026】酸化チタン又は酸化亜鉛を含有する層を原
板の表面に設けるには、たとえば、 酸化チタン微結晶又は酸化亜鉛微結晶の分散物を原板
上に塗設する方法、塗設したのち焼成してバインダー
を減量或いは除去する方法、原板上に蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティング、CVDなどの方法で酸
化チタン(又は酸化亜鉛)膜を設ける方法、例えばチ
タニウムブトキシドのようなチタン有機化合物を原板上
に塗布したのち、焼成酸化を施して酸化チタン層とする
方法など、既知の任意の方法を用いることができる。本
発明においては、真空蒸着又はスパッタリングによる酸
化チタン層が特に好ましい。
【0027】上記又はの酸化チタン微結晶を塗設す
る方法には、具体的には無定形酸化チタン微結晶分散物
を塗布したのち、焼成してアナターゼまたはルチル型の
結晶酸化チタン層とする方法、酸化チタンと酸化シリコ
ンの混合分散物を塗布して表面層を形成させる方法、酸
化チタンとオルガノシロキサンなどとの混合物を塗布し
てシロキサン結合を介して支持体と結合した酸化チタン
層を得る方法、酸化物層の中に酸化物と共存できるポリ
マーバインダーに分散して塗布したのち、焼成して有機
成分を除去する方法などがある。酸化物微粒子のバイン
ダ−には、酸化チタン微粒子に対して分散性を有し、か
つ比較的低温で焼成除去が可能なポリマーを用いること
ができる。好ましいバインダーの例としては、ポリエチ
レンなどのポリアルキレン、ポリブタジエン、ポリアク
リル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸
ビニル、ポリ蟻酸ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコー
ル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリスチレンなど
の疎水性バインダーが好ましく、それらの樹脂を混合し
て使用してもよい。
【0028】上記の酸化チタンの真空蒸着を行うに
は、例えば通常真空蒸着装置内の蒸着用加熱の熱源に金
属チタンを置き、全ガス圧10-2Pa、酸素分圧比が
30〜95%になるようにしながら、チタン金属を蒸発
させると、蒸着面には酸化チタンの蒸着薄膜が形成され
る。また、スパッタリングによる場合は、例えばスパッ
タ装置内にチタン金属ターゲットをセットしてAr/O
2比が60/40(モル比)となるようにガス圧を5×
10-1Paに調整したのち、RFパワー200Wを投
入してスパッタリングを行って酸化チタン薄膜を原板上
に形成させる。
【0029】一方、本発明に酸化亜鉛層を使用する場
合、その酸化亜鉛層は既知の任意の方法で作ることがで
きる。とくに金属亜鉛板の表面を電解酸化して酸化皮膜
を形成させる方法と、真空蒸着、スパッタリング、イオ
ンプレーティング,CVDなどによって酸化亜鉛皮膜を
形成させる方法が好ましい。酸化亜鉛の蒸着膜は、上記
の酸化チタンの蒸着と同様に金属亜鉛を酸素ガス存在下
で蒸着して酸化膜を形成させる方法や、酸素のない状態
で亜鉛金属膜を形成させたのち、空気中で温度を約70
0°Cにあげて酸化させる方法を用いることができる。
そのほか、修酸亜鉛の塗布層やセレン化亜鉛の薄層を酸
化性気流中で加熱しても得られる。
【0030】酸化チタンはいずれの結晶形のものも使用
できるが、とくにアナターゼ型のものが感度が高く好ま
しい。アナターゼ型の結晶は、酸化チタンを焼成して得
る過程の焼成条件を選ぶことによって得られることはよ
く知られている。その場合に無定形の酸化チタンやルチ
ル型酸化チタンが共存してもよいが、アナターゼ型結晶
が40%以上、好ましくは60%以上含むものが上記の
理由から好ましい。酸化チタンあるいは酸化亜鉛を主成
分とする層における酸化チタンあるいは酸化亜鉛の体積
率は、それぞれ30〜100%であり、好ましくは50
%以上を酸化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸
化物の連続層つまり実質的に100%であるのがよい。
しかしながら、表面の親水性/親油性変化特性は、酸化
亜鉛を電子写真感光層に用いるときのような著しい純度
による影響はないので、100%に近い純度のもの(例
えば98%)をさらに高純度化する必要はない。それ
は、本発明に利用される物性は、導電性とは関係ない膜
表面の親水性/親油性の性質変化特性、すなわち界面物
性の変化特性であることからも理解できることである。
【0031】しかしながら、光の作用によって表面の親
水性が変化する性質を増進させるためにある種の金属を
ドーピングすることは有効な場合があり、この目的には
イオン化傾向が小さい金属のドーピングが適しており、
Pt,Pd,Auをドーピングするのが好ましい。ま
た、これらの好ましい金属を複数ドーピングしてもよ
い。ドーピングを行った場合も、その注入量は酸化亜鉛
や酸化チタン中の金属成分に対して5モル%以下であ
る。
【0032】次に、本発明に用いることができる別の化
合物である一般式RTiO3で示したチタン酸金属塩に
ついて記す。一般式RTiO3において、Rはマグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリ
ウムなどの周期律表のアルカリ土類元素に属する金属原
子であり、とくにストロンチウムとバリウムが好まし
い。また、2種以上のアルカリ土類金属原子をその合計
が上記の式に化学量論的に整合する限り共存することが
できる。
【0033】次に、一般式AB2-xx3-xx10で表
される化合物について説明する。この一般式において、
Aは水素原子及びナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム、リチウムなどのアルカリ金属原子から選ばれ
る1価原子で、その合計が上記の式に化学量論的に整合
する限りそれらの2種以上を共存してもよい。Bは、上
記のRと同義のアルカリ土類金属原子又は鉛原子であ
り、同様に化学量論的に整合する限り2種以上の原子が
共存してもよい。Cは希土類原子であり、好ましくは、
スカンジウム及びイットリウム並びにランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ネオジウム、ホルミウム、ユウロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウムなどのランタノイド系元素に属す
る原子であり、また、その合計が上記の式に化学量論的
に整合する限りそれらの2種以上を共存してもよい。D
は周期律表の5A族元素から選ばれた一種以上で、バナ
ジウム、ニオブ、タンタルが挙げられる。また、化学量
論関係を満たす限り、2種以上の5A族の金属原子が共
存してもよい。Eは同じくチタン、ジルコニウム、ハフ
ニウムなどの4A族元素に属する金属原子であり、ま
た、2種以上の4A族の金属原子が共存してもよい。x
は0〜2の任意の数値を表す。
【0034】RTiO3、一般式AB2-xx3-xx
10で表される上記化合物、SnO2,ZrO2,Bi
23,FeOy(y=1〜1.5)で表される酸化鉄と
くにFe23のいずれの薄膜形成にも、酸化チタン及び
酸化亜鉛を設ける前記の方法を用いることがでる。すな
わち、上記光触媒性又は熱応答性金属酸化物の微粒子
の分散物を原板上に塗設する方法、塗設したのち焼成
してバインダーを減量或いは除去する方法、原板上に
上記酸化物を各種の真空薄膜法で膜形成する方法、例
えば金属元素のアルコレートのような有機化合物を原板
上に塗布したのち、加水分解させ、さらに焼成酸化を施
して適当な厚みの金属薄膜とする方法、上記金属を含
む塩酸塩、硝酸塩などの水溶液を加熱スプレーする方法
など、既知の任意の方法を用いることができる。
【0035】例えば、上記、の塗設方法によってチ
タン酸バリウム微粒子を塗設するには、チタン酸バリウ
ムとシリコンの混合分散物を塗布して表面層を形成させ
る方法、チタン酸バリウムとオルガノポリシロキサンま
たはそのモノマ−との混合物を塗布する方法などがあ
る。また、酸化チタンの項で述べたように、酸化物層の
中に酸化物と共存できるポリマーバインダーに分散して
塗布した後、焼成して酸化物層とすることもできる。酸
化物微粒子のバインダ−として好ましいポリマーの例
は、酸化チタン層の項で述べたものと同じである。この
方法によって、チタン酸バリウム以外にチタン酸マグネ
シウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム
又はそれらの分子間化合物、混合物も同様に薄膜形成可
能である。
【0036】同様にして上記、の塗設方法によって
CsLa2NbTi210微粒子を塗設することも可能で
ある。CsLa2NbTi210微粒子は、その化学量論
に対応するCs2CO3,La23, NbO5,TiO2
乳鉢で微粉砕して、白金るつぼに入れ、130°C で5
時間焼成し、それを冷却してから乳鉢に入れて数ミクロ
ン以下の微粒子に粉砕する。このCsLa2NbTi2
10微粒子を前記のチタン酸バリウムと同様にバインダー
の中に分散し、塗布して薄膜を形成した。この方法は、
CsLa2NbTi210型微粒子に限らず、HCa1.5
La0.5Nb2.5Ti0.510,HLa2NbTi210
ど前述のAB2-xCxD3-xx10、(0≦x≦2)に
適用される。
【0037】上記の真空薄膜形成法を用いた光触媒性
又は熱応答性金属酸化物層の形成方法としては、一般的
にはスパッタリング法あるいは真空薄膜形成法が用いら
れる。スパッタリング法では、あらかじめ単一もしくは
複合型の酸化物ターゲットを準備する。例えば、チタン
酸バリウムターゲットを用いて蒸着膜用の原板の温度を
450°C以上に保ち、アルゴン/酸素混合雰囲気中で
RFスパッタリングを行うことによりチタン酸バリウム
結晶薄膜が得られる。結晶性の制御には必要に応じてポ
ストアニーリングを300〜900°Cで行えばよい。
本方法は前述のRTiO3(Rはアルカリ土類金属原
子)をはじめ他の前記光触媒性又は熱応答性金属酸化物
にも、結晶制御に最適な基板温度を調整すれば同様の考
え方で薄膜形成が可能である。例えば酸化錫薄膜を設け
る場合には原板温度120°C、アルゴン/酸素比50
/50の混合雰囲気中でRFスパッタリングを行うこと
により酸化錫結晶の本目的に沿う薄膜が得られる。
【0038】上記の金属アルコレートを用いる方法
も、バインダーを使用しないで目的の薄膜形成が可能な
方法である。チタン酸バリウムの薄膜を形成するにはバ
リウムエトキシドとチタニウムブトキシドの混合アルコ
ール溶液を表面にSiO2を有するシリコン基板上に塗
布し、その表面を加水分解したのち、200°C以上に
加熱してチタン酸バリウムの薄膜を形成することが可能
である。本方式の方法も前述した他のRTiO3(Rは
アルカリ土類金属原子)、AB2-xx3-xx
1 0(A,B,C,D,Eはそれぞれ前記の定義の内容を
表す)、SnO2,ZrO 2,SiO2,Bi22及びF
23の薄膜形成に適用することができる。
【0039】上記によって光触媒性を発現する金属酸
化物薄膜を形成させる方法も、バインダーを含まない系
の薄膜の形成が可能である。SnO2の薄膜を形成する
にはSnCl4の塩酸水溶液を200°C以上に加熱し
た石英又は結晶性ガラス表面に吹きつけて薄膜を生成す
ることができる。本方式も、SnO2薄膜のほか,前述
したRTiO3(Rはアルカリ土類金属原子)、AB2-x
x3-xx10(A,B,C,D,Eはそれぞれ前記
の定義の内容を表す)、Bi23及びFe23のいずれ
の薄膜形成にも適用することができる。
【0040】金属酸化物薄膜の厚みは、上記のいずれの
場合も0.1〜10000nmがよく、好ましくは1〜
1000nmである。さらに好ましくは300nm以下
として光干渉の歪みを防ぐのがよい。また、光触媒活性
化作用を十分に発現させるには厚みが5nm以上あるこ
とが好都合である。
【0041】バインダーを使用した場合の上記光触媒性
又は熱応答性金属酸化物の薄層において、金属酸化物の
体積率は50〜100%であり、好ましくは90%以上
を酸化物が占めるのがよく、さらに好ましくは酸化物の
連続層つまり実質的に100%であるのがよい。
【0042】(極性の差異によるミクロ区画化)本発明
のDNAチップ用基板には、母体DNAチップ上の各セ
ルと対応する領域が親水性に調整されていて、かつ該領
域が疎水性領域に囲まれたセル領域を構成するようにミ
クロ区画化が施されている。図1は、原板表面の各親水
性領域の配列状態を示した模式図である。図1におい
て、基板11は支持体である原板12とその表面に配列
して親水性の微小領域として設けられたセル領域13か
らなっている。原板12上には、〇印で示したDNAプ
ローブがはり付けらた各セル15とDNAプローブがは
り付けられるべき各親水性領域すなわち角セル領域13
が点線〇印で示され、それらが疎水性領域14上に配列
している。図3は模式的に示したもので、セル領域の形
状、分布密度、配列形態は図1の例に限定されるもので
はない。原板表面をミクロ区画化するには、原板表面の
母体DNAチップ上の各セルと対応する領域に選択的に
活性光又は熱印加を行う方法が採られる。
【0043】<活性光照射によるミクロ区画化>原板表
面にセル領域を形成させるために照射される活性光の光
源は、光触媒性金属化合物の感光域の波長の光、すなわ
ち光吸収域に相当する波長の光を発する光源である。例
えば光触媒性金属化合物が酸化チタンの場合では、アナ
ターゼ型が387nm以下、ルチル型が413nm以下
の紫外部に感光域を有している。したがって使用される
光源は、これらの波長領域の光を発する光源であり、主
として紫外線を発する光源といえる。活性光の照射を受
けた領域は、光触媒作用によって親水性となる。活性光
の光触媒作用によって親水性領域の像様の分布を形成さ
せる手段には、面露光方式、走査方式のいずれでもよ
い。
【0044】前者、すなわち面露光方式の場合は、一様
な光を用いるが、原板上の母体DNAチップの各セルに
対応する領域のみが活性光の照射を受けるようにフォト
マスクを介して原板上に光照射して、照射された上記領
域の表面を親水性化する方式である。面露光方式で活性
光の照射を行うのに適した光源は、水銀灯、タングステ
ンハロゲンランプ、その他のメタルハライドランプ、キ
セノン放電灯などである。
【0045】親水性とするための照射光量は、0.1〜
1000J/cm2、好ましくは0.2〜100J/cm
2、より好ましくは0.2〜10J/cm2である。ま
た、光触媒反応には相反則が成立することが多く、例え
ば10mW/cm2で100秒の露光を行っても、1W
/cm2で1秒の露光を行っても、同じ効果が得られる
場合も多く、このような場合には、活性光を発光する光
源の選択の幅は広くなる。
【0046】後者、すなわち走査式露光の場合には、走
査される収斂光の原板上のビーム径が母体DNAチップ
の各セルに対応する領域に対応するサイズと形状の照射
面を与えるように光学系が設定される。走査光源には、
活性光を照射するレーザー光源が好ましく、活性光のビ
ームを発振する公知のレーザーを用いることができる。
例えば、レーザー光源として発振波長を325nmに有
するヘリウムカドミウムレーザー、発振波長を351.
1〜363.8nmに有する水冷アルゴンレーザー、3
30〜440nmに有する硫化亜鉛/カドミウムレーザ
ーなどを用いることができる。さらに、紫外線レーザ
ー、近紫外線レーザー発振が確認されている発振波長を
360〜440nmに有する窒化ガリウム系のInGa
N系量子井戸半導体レーザー、及び発振波長を360〜
430nmに有する導波路MgO−LiNb03 反転
ドメイン波長変換型のレーザーを使用することもでき
る。レーザー出力が0.1〜300Wのレーザーで照射
をすることができる。描画に用いた遠紫外用の固体レー
ザーを画像変調しない状態で用いてもよい。また、パル
スレーザーを用いる場合には、ピーク出力が1000
W、好ましくは2000Wのレーザーを照射するのが好
ましい。原板が透明である場合は、原板の裏側から支持
体を通して露光することもできる。
【0047】<熱の印加によるミクロ区画化>酸化チタ
ンなどの光触媒性化合物をはじめ、温度を250℃以上
に高めると親水性となるいわゆる高温親水性の化合物
は、活性光の照射光の代わりに上記の温度への加熱によ
って行ってもよい。加熱によるミクロ区画化には、接触
加熱による方法と赤外線などの光熱変換性の輻射線の走
査加熱による方法が挙げられる。
【0048】前者、すなわち接触加熱によって熱の印加
を行ってミクロ区画化を行う方式では、母体DNAチッ
プ上の各セルと対応する原板上の領域が選択的に加熱さ
れて親水性に極性変化され、かつ該領域の周辺には伝熱
が無い様に加熱が行われるので、疎水性領域に囲まれた
親水性領域が構成される。このような局部領域の加熱に
は、公知の任意の接触型熱記録装置、例えば熱融解型及
び昇華型感熱色素転写法の熱記録ヘッドが用いられる。
それらは、単一の熱記録素子を二次元に駆動させる方
式、熱記録素子を線状に配列したアレイを直角方向に走
査して描画する方式あるいは二次元配列した記録素子を
用いる高速描画方式など公知の熱記録素子を用いること
ができる。
【0049】後者、すなわち赤外線などの輻射線の走査
加熱の方式では、原板上に光熱変換体を設けておいて、
輻射線の照射光を吸収して熱に変換させる。原板上に
担持させることができる光熱変換体であれば、いずれの
光熱変換体を用いてもよいが、好ましい光熱変換体は、
銀微粒子やカーボンブラックなどの炭素微粒子である。
銀微粒子は、市販のコロイド状銀粉末をポリビニルアル
コールやゼラチンなどの分散媒水溶液に分散させた分散
液で原板を処理する方法によって、原板表面上に 担持
させることができるほか、原板に対して硝酸銀水溶液へ
の浸漬処理と、アスコルビン酸の中性又はアルカリ水溶
液やフェ―リング溶液などの還元剤水溶液への浸漬処理
とを続けてまたは同時に行なうことによっても原板上に
銀微粒子を担持させることができる。好ましい銀微粒子
の大きさは、0.1〜10000nmがよく、好ましく
は5〜1000nm、より好ましくは20〜200nm
である。また、炭素微粒子の中で好ましいのは、いわゆ
るカーボンブラックであり、カーボンブラックは粒子サ
イズが1〜10nm,多くは2〜5nm程度の微粒子が
葡萄房状に会合して光吸収能を極度に高めた形態をとっ
ている。したがって、いずれも光熱変換効率が著しく高
いので、DNAチップ用基板としての特性を損なうこと
なく光熱変換性を原板に付与することができる。
【0050】輻射線照射による親水化は、上記の熱印加
による親水化の熱の印加を光熱変換体と輻射線の照射の
組み合わせに代えたもので、原理的には熱の作用に基づ
く親水性化という点で同じである。好ましい輻射線光源
は、赤外線灯、ハロゲン・タングステン灯、赤外線を放
射する固体レーザー又は赤外線域の光を放射する半導体
レーザー、大容量コンデンサーからの放電によってフラ
ッシュ光を発する光・熱変換発熱装置などが用いられ
る。また、光熱変換体の種類によっては、赤外線に限定
されず,光熱変換体が効果的に吸収する波長域の可視域
光線、たとえばキセノン放電灯や可視域の光を放射する
半導体レーザーも用いられる。
【0051】特に好ましい熱源は、赤外線を放射する固
体レーザー、又は赤外線域や可視域の光を放射する半導
体レーザー、赤外線灯、キセノン放電灯、大容量コンデ
ンサーからの放電による間歇フラッシュ発光装置であ
り、これらの光源からの光は趣向装置によって原板上の
親水性化させるべき領域に収斂光として照射される。
【0052】輻射線の走査によるミクロ区画化方式の場
合に、とくに好ましいのは、赤外線レーザー光源を使用
して、レーザービームで母体チップの各セルに対応する
原板上の各領域を走査する方式が行われる。好ましいレ
ーザー光源の例として、近赤外線、赤外線の成分の多い
半導体レーザー、ガスレーザー、ヘリウムカドミウムレ
ーザー、YAGレーザーを挙げることができる。レーザ
ー出力が0.1〜300Wのレーザーで照射をすること
ができる。また、パルスレーザーを用いる場合には、ピ
ーク出力が1000W、好ましくは2000Wのレーザ
ーを照射するのが好ましい。
【0053】かくして、原板上にDNAチップの各セル
を形成するべき配列した微小親水性領域とそれを取り巻
く疎水性領域からなる極性変化のパタン構造が付与され
て本発明のDNAチップ用基板が出来上がる。
【0054】II.DNAチップの作製 上記した方法で作製されたDNAチップ用基板を用いて
DNAチップを作製される。図1において、基板11に
設けられたセル領域にDNAプローブが受容されてセル
を形成し、DNAチップが出来あがるのであるが、セル
領域にDNAプローブを受容させる方法は、プローブを
マイクロピペットや注射針で注液、インクジェット方式
でプローブの液滴を吐出など、セル領域にプローブをは
り付け可能ののいずれの方法をもとることが出来る。こ
の中でも好ましい方法としてインクをプローブ含有液に
代えたインクジェット方式が挙げられる。以下は、イン
クジェット方式を中心に図2及び図3を用いて説明す
る。図2は、基板11にDNAプローブが受容されるプ
ロセスを模式的に示す説明図である。図2において、D
NAプローブの受容されるプロセスが左から右へ順次示
されている。すなわち、図2の左端では、親水性のセル
領域13と疎水性の周辺領域14からなる原板表面を示し
ており,その右にはセル領域13にDNAプローブの液
滴16が吐出された状態を示し,さらにその右には、液
滴が消滅してDNAプローブがセル領域に広がって液膜
を形成していくことを点線16’と点線15’で示し
た。さらにその右は、セル領域全面にDNAプローブ液
膜が受容されてセル15を構成したことを示している。
セル15において液膜と疎水性の周辺領域14との境界
は液の広がりは疎水性の障壁のために抑止され、液にじ
みや隣接セルとの交じり合いが起こらず、精度の高いD
NAチップが作製される。このとき、液滴16が吐出さ
れる位置がセル領域内で多少変位しても周辺領域14の
疎水性の障壁が強固であるために液滴から広がった液膜
はセル領域内にとどまる。
【0055】図3は、液滴をセル領域に向けて吐出する
インクジェット方式のDNAプローブはり付け装置の一
態様を示すものであって,本発明はこの態様に限定され
るものではない。図3は、DNAチップを基板上に吐出
してセルを形成させるためのDNAチップ製造装置であ
って、DNAチップの液滴16を基板11上のセル領域
13に吐出可能に構成されたインクジェット式液滴吐出
ヘッド2と、インクジェット式液滴吐出ヘッド2と基板
11上との相対位置を変更可能に構成される駆動手段4
と、インクジェット式液滴吐出ヘッド2からのDNAプ
ローブ液滴16の吐出および駆動手段4による駆動を制
御信号Shによって制御する制御手段3と、を備える。
そして制御手段3は、特定DNAプロープをはり付ける
べきセル領域に特定DNAプロープ液滴16が吐出され
てセルとなるようにインクジェット式液滴吐出ヘッド2
と基板11上との相対位置を制御し、つづいて特定のセ
ル領域13にインクジェット式液滴吐出ヘッド2から制
御信号Shに従ってDNAプローブ液滴16を吐出させ
る。セル領域13は、液滴を受容してセル15となる。
【0056】インクジェット式液滴吐出ヘッド2には、
DNAプローブ10が入れられたDNAプローブ貯留槽
22がパイプ23を介してDNAプローブ10を供給可
能に接続されている。DNAプローブ10としては、D
NAチップの設計に従って吐出先のセル領域に応じて種
類が変えられる。また、DNAプローブのはり付け工程
の効率化のために、DNAプローブ貯留槽ーインクジェ
ット式液滴吐出ヘッドの組は、複数備えられていてもよ
い。
【0057】インクジェット式液滴吐出ヘッドの液滴噴
射方式としては、圧電体素子、例えばPZT素子等を上
部電極および下部電極で挟んだ構造を有してDNAプロ
ーブ液容積に体積変化を生じさせて液滴を吐出させる構
成のもの、発熱体によりDNAプローブ加えてその熱に
よる膨張によって液滴を吐出させるようなヘッド構成の
もの、あるいは発熱体又は電圧印加によるスパークによ
って気化を起こさせてそれに伴う圧力によって液滴を吐
出させるようなヘッド構成のもの、など公知のインクジ
ェット方式を選択することが出来る。
【0058】駆動機構4は、モータM1、モータM2お
よび図示しない機構構造を備えており、インクジェット
式液滴吐出ヘッド2とともに、X軸方向(図3の横方
向)およびY軸方向(図3の奥行き方向)に搬送可能に
構成されている。モータM1は駆動信号Sxに応じてイ
ンクジェット式液滴吐出ヘッド2をX軸方向に搬送可能
に構成される。モータM2は駆動信号Syに応じてイン
クジェット式液滴吐出ヘッド2をY軸方向に搬送可能に
構成される。
【0059】なお、駆動機構4は基板11に対するイン
クジェット式液滴吐出ヘッド2の位置を相対的に変化可
能な構成を備えていれば十分である。このため上記構成
の他に、基板11がインクジェット式液滴吐出ヘッド2
に対して動くものであっても、インクジェット式液滴吐
出ヘッド2と、基板11とがともに動くものであっても
よい。
【0060】なお、以上の説明は、本発明の説明および
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
【0061】III.原板の非セル領域の疎水性強化処理 本発明の上記したDNAチップの製造方法において、基
板の各セル領域の親水性と該領域の周辺の疎水性とによ
ってDNAプローブの液滴の拡散にじみが抑止されて正
確なDNAプローブのはりつけがなされる。ここで、D
NAチップ用基板の各セル領域を取り巻く部分の疎水性
を原板の段階で強化しておいて、その原板にセル領域を
形成させて基板を作ると、さらに液にじみや液汚れが抑
止されて一層確実なDNAチップの作製が行われる。疎
水性強化処理は原板表面のミクロ区画形成に先だって疎
水性物質を原板表面に接触させて行われる。疎水性強化
処理が行なわれても、活性光の照射又は熱の印加をうけ
ると疎水性有機化合物のほとんどは炭酸ガスと水に変化
して表面の疎水性層が消滅するので、疎水性強化処理の
後に形成されるセル領域の親水性の程度には影響を与え
ることなく、非セル領域のみが選択的に疎水化される。
【0062】以下に、原板の疎水性強化処理の非セル領
域の疎水性強化処理を説明する。疎水性強化手段として
は、原板表面へ疎水性物質(疎水化剤とも呼ぶ)の塗り付
け処理、スプレー処理、気化・凝縮法、気体接触法、浸
漬処理など公知のいずれの方法、方式をも用いることが
できる。しかしながら、簡易である点で、気体接触法が
好ましい。気体接触法は、例えば空気恒温槽内に有機化
合物気体を導入したり、揮発性の有機化合物を導入して
槽内を加温して行うなどを挙げられる。
【0063】<疎水性強化の方法> a.塗り付け処理は、液体及び固体状の疎水化剤に適用
できる疎水層の付与方法であり、疎水化剤が液体の場合
は、直接塗り付けてもよく、また固体の場合や、液体で
あっても場合により、適当な溶剤に溶解あるいは分散し
たりして液状として塗り付け処理を行う。
【0064】塗り付け処理の方法としては、グラビア塗
布、リバース塗布、ホッパー塗布、スリット塗布などの
塗布現像方式など公知の方法が適用できる。また、疎水
化剤を担持した媒体を介して原板上に塗り付け皮膜を形
成させるシート処理が好ましい方式の一つである。この
方法には特登2655337号に記載の方法を挙げるこ
とができる。疎水化剤を担持する媒体には、フェルト、
織物、スリットや細孔を有する金属などを用いることが
できる。この中でも特開平8−290088号、同8−
290087号、同9−138493号公報に記載され
ているスポンジなどによる処理液塗り付けの方法を好ま
しく適用できる。
【0065】塗り付け処理の好ましい塗り付け量は、セ
ルの周辺が少なくともより疎水化する量であればよく、
疎水化剤の濃度などによって異なるが、通常10〜10
0ml/m2 、好ましくは15〜50ml/m2 であ
る。
【0066】b.スプレー処理 スプレー処理すなわち噴霧処理は、塗り付け処理に記し
たと同様に液状あるいは分散液状にした疎水化剤又は疎
水化剤溶液を原板表面に噴霧することによって疎水化を
行う方法である。また、噴霧液量を必要供給液量以上と
して適用表面を流下する余分の疎水化剤あるいは疎水化
剤溶液を循環させて再利用してもよい。疎水化剤あるい
は疎水化剤溶液の噴霧方法、方式、ノズルの数や形状を
問わず、また単一の可動ノズルを移動させながら噴霧し
ても、複数の固定ノズルを用いて噴霧してもよい。ま
た、原板又は母体DNAチップを固定してノズルを移動
させながら噴霧しても、ノズルを固定して原板又は母体
DNAチップを移動させながら噴霧してもよい。このな
かでも特開平8−123001号、同9−160208
号、同9−179272号公報に記載されている疎水化
剤あるいは疎水化剤溶液を噴射する複数のノズル孔が一
定の間隔で原板の搬送方向と交差する方向に沿って直線
状に並べられたノズルとこのノズルを搬送経路上の原板
に向かって変移させるアクチュエーターとを有する疎水
化剤塗り付け装置によって疎水化剤あるいは疎水化剤溶
液を噴霧する方法がとくに好ましい。本発明の方法に適
用されるインクジェット方式の疎水性強化には、静電吐
出型に限らず公知のインクジェットプリンターを使用す
ることができる。
【0067】c.気化・凝縮法 気体接触法は、昇華性の固体疎水化剤あるいは揮発性の
疎水化剤や蒸発しやすい疎水化剤溶液を加熱して気化
し、原板又は母体DNAチップ表面に接触させて疎水化
剤の皮膜を凝縮形成させる方法である。この方法に好都
合な効果をもつ好ましい有機化合物は、沸点が30〜2
00℃にあって、かつ30〜100℃の温度範囲で安定
な有機化合物であり、中でも好ましい沸点範囲は50〜
100°Cである。
【0068】d.気体接触法 疎水化剤が気体の場合、とくに前記したフッ素含有有機
化合物の場合には、印刷原板をこの気体を含んだ雰囲気
のなかに置くことによって高度の疎性強化を行うことが
できる。
【0069】e.浸漬法 浸漬槽を設けて印刷原板を浸漬する方法も用いることが
できる。
【0070】<疎水化剤>本発明において、「疎水性」
とは、原板上で水滴接触角が40度以上、好ましくは6
0度以上であって、セル領域の水滴接触角よりも40度
以上高いことを意味する。このような疎水化剤の要件に
適合する化合物は、有機低分子化合物、有機珪素化合物
の中に見いだされる。
【0071】1)有機低分子化合物 疎水化剤として本発明に用いられる有機低分子化合物
は、有機概念図における有機性/無機性の比が0.7以
上である有機低分子化合物で。ここで、低分子化合物と
呼んでいるのは沸点又は融点を有する化合物という意味
で用いており、そのような化合物を通常分子量は200
0以下、多くは1000以下である。
【0072】有機概念図における有機性/無機性比が
0.7以上の有機低分子化合物は、具体的には脂肪族及
び芳香族炭化水素、脂肪族及び芳香族カルボン酸、脂肪
族及び芳香族アルコール、脂肪族及び芳香族エステル、
脂肪族及び芳香族エーテル、有機アミン類、有機珪素化
合物、また、印刷用インキに添加できることが知られて
いる各種溶剤や可塑剤類の中に見られる。
【0073】好ましい脂肪族炭化水素は、炭素数8〜3
0の、より好ましくは炭素数8〜20の脂肪族炭化水素
であり、好ましい芳香族炭化水素は、炭素数6〜40
の、より好ましくは炭素数6〜20の芳香族炭化水素で
ある。好ましい脂肪族アルコールは、炭素数4〜30
の、より好ましくは炭素数6〜18の脂肪族アルコール
であり、好ましい芳香族アルコールは、炭素数6〜30
の、より好ましくは炭素数6〜18の芳香族アルコール
である。好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数4〜24
の脂肪族カルボン酸であり、より好ましくは炭素数6〜
20の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数4〜12の脂肪
族ポリカルボン酸であり、また、好ましい芳香族カルボ
ン酸は、炭素数6〜30の、より好ましくは炭素数6〜
18の芳香族カルボン酸である。好ましい脂肪族エステ
ルは、炭素数2〜30の、より好ましくは炭素数2〜1
8の脂肪酸エステルであり、好ましい芳香族エステル
は、炭素数8〜30の、より好ましくは炭素数8〜18
の芳香族カルボン酸エステルである。好ましい脂肪族エ
ーテルは、炭素数8〜36の、より好ましくは炭素数8
〜18の芳香族エーテルであり、好ましい芳香族エーテ
ルは、炭素数7〜30の、より好ましくは炭素数7〜1
8の芳香族エーテルである。そのほか、炭素数7〜30
の、より好ましくは炭素数7〜18の脂肪族あるいは芳
香族アミドも用いることができる。
【0074】具体例としては、2,2,4−トリメチル
ペンタン(イソオクタン)、n−ノナン、n−デカン、
n−ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、メチル
ヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2−メチルオク
タンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クメン、ナフタレン、アントラセン、スチレンな
どの芳香族炭化水素;ドデシルアルコール、オクチルア
ルコール、n−オクタデシルアルコール、2−オクタノ
ール、ラウリルアルコール1価アルコール;ヘキシレン
グリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコ
ール;ベンジルアルコール、4−ヒドロキシトルエン、
フェネチルアルコール、1−ナフトール、2−ナフトー
ル、カテコール、フェノールなどの芳香族アルコール;
酪酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸、カプリン
酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪族1価カルボ
ン酸;安息香酸、2−メチル安息香酸、4−メチル安息
香酸などの芳香族カルボン酸;酢酸エチル、酢酸イソブ
チル、酢酸−n−ブチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、酪酸メチル、アクリル酸メチル、しゅう
酸ジメチル、琥珀酸ジメチル、クロトン酸メチルなどの
脂肪族エステル;安息香酸メチル、2−メチル安息香酸
メチルなどの芳香族カルボン酸エステル;イミダゾー
ル、2,2−ジメチルイミダゾール、4−メチルイミダ
ゾール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、シクロヘ
キシルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、トリエチレ
ンテトラミン、オクチルアミン、フェネチルアミンなど
の有機アミン;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、ベンゾフェノンなどのケトン類、メトキシベン
ゼン、エトキシベンゼン、メトキシトルエン、ラウリル
メチルエーテル、ステアリルメチルエーテルなどのエー
テル及びステアリルアミド、ベンゾイルアミド、アセト
アミドなどのアミド類が挙げられる。そのほか、沸点が
前記の好ましい範囲にあるエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、シクロヘキサノン、ブチルセロソルブ、セ
ロソルブアセテートなどの有機溶剤も使用することがで
きる。
【0075】また、印刷用インキの成分であるアマニ
油、大豆油、けし油、サフラワー油などの油脂類、燐酸
トリブチル、燐酸トリクレシル、フタール酸ジブチル、
ラウリン酸ブチル、フタール酸ジオクチル、パラフィン
ワックスなどの可塑剤も挙げられる。
【0076】また、長鎖脂肪酸と長鎖一価アルコールの
エステル、すなわちワックスも、疎水性で適当に低融点
であって、光熱変換性の微粒子の近傍で光照射によって
生じた熱によって融解してその領域を疎水性化する好ま
しい低分子有機化合物である。ワックスは、50〜20
0°Cで溶融するものが好ましく、その例としては、原
料などによってカルナバワックス、カスターワックス、
マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、
セラックろう、パームろう、蜜ろう等と呼ばれているい
ずれをも用いることができる。ワックス類のほかに、オ
レイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸などの固体酸;
ベヘン酸銀、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸マ
グネシウムなどの長鎖脂肪酸の金属塩などの微粒子分散
物も用いることができる。
【0077】有機低分子化合物の中でもペルフルオロ化
合物は、疎水化を効果的に行うので好都合である。好ま
しいペリフルオロ化合物としては、下記の化合物が挙げ
られる。ペルフルオロ酢酸、ペルフルオロ酪酸、ペルフ
ルオロバレリン酸、ペルフルオロカプリン酸、ペルフル
オロヘプタン酸、ペルフルオロカプロン酸、ペルフルオ
ロカプリル酸などのペルフルオロ脂肪族カルボン酸;ペ
ルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフル
オロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミ
ン、ペルフルオロヘキシルエーテル、ペルフルオロドデ
カンなどのペリフルオロ炭化水素;ペルフルオロブタノ
ール、ペルフルオロペンタノール、ペルフルオロヘキサ
ノール、ペルフルオロオクタノール、ペルフルオロドデ
シルアルコールなどのペリフルオロ脂肪族アルコール。
【0078】2)有機珪素化合物 好ましい有機珪素化合物は、印刷原板の親水・親油材料
を含有する層の表面を効果的に疎水化する疎水化剤であ
る。この目的に用いられる有機珪素化合物としては、オ
ルガノポリシロキサン、オルガノシラン及びフッ素含有
珪素化合物を挙げることができる。 a.オルガノポリシロキサン リ オルガノポリシロキサンは、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイルなどで代表され
る化合物であり、とくに重合度が12以下のオルガノポ
リシロキサン類が好ましい。これらの好ましいオルガノ
ポリシロキサンはシロキサン結合単位当たり1〜2個の
有機基が結合しており、その有機基は、炭素数が1〜1
8のアルキル基及びアルコキシ基、炭素数が2〜18の
アルケニル基及びアルキニル基、炭素数が6〜18のア
リール基、炭素数が7〜18のアラルキル基、炭素数が
5〜20の脂環式基である。また、これらの有機置換基
には、さらにハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキ
シ基が置換してもよい。また、上記のアリール基、アラ
ルキル基、脂環式基には、上記の炭素数の範囲でメチル
基、エチル基又はプロピル基などの低級アルキル基がさ
らに置換していてもよい。
【0079】本発明に使用できる好ましい有機珪素化合
物の具体例は、下記の化合物であるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。好ましいポリオルガノシロ
キサン類としては、炭素数1〜5のアルキル基を有す
るジアルキルシロキサン基、炭素数1〜5のアルコキ
シ基を有するジアルコキシシロキサン基、炭素数1〜
5のアルコキシ基とフェニル基を有するアルコキシフェ
ニルシロキサン基及びエトキシメトキシシロキサン基
又はメトキシエトキシシロキサン基のうち、少なくとも
一つを繰り返し単位として含み、重合度が2〜12、よ
り好ましくは2〜10のポリオルガノシロキサンであ
る。また、その端末基は、炭素数1〜5のアルキル基、
アミノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のヒドロキアル
キル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基である。より好
ましい端末基は、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、メ
トキシ基及びエトキシ基である。その中でも好ましいシ
ロキサン化合物は、重合度が2〜10のジメチルポリシ
ロキサン、重合度が2〜10のジメチルシロキサン−メ
チルフェニルシロキサン共重合物、重合度が2〜8のジ
メチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合物、重
合度が2〜8のジメチルシロキサン−モノメチルシロキ
サン共重合物でこれらのポリシロキサン化合物の端末は
トリメチルシラン基である。そのほか、1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、
1,5−ビス(3−アミノプロピル)ヘキサメチルトリ
シロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、1,5−ジブチル−1,1,
3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,
1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ジクロロ
トリシロキサン、3−(3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)−1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチル−
トリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンなどが挙
げられる。
【0080】特に好ましい汎用化合物として、いわゆる
シリコーンオイルがあり、ジメチルシリコーンオイル
(市販品では、例えばシリコーンKF96(信越化学工
業(株)製)、メチルフェニルシリコーンオイル(市販
品では、例えばシリコーンKF50(信越化学工業
(株)製)、メチルハイドロジェンシリコーンオイル
(市販品では、例えばシリコーンKF99(信越化学工
業(株)製)が挙げられる。
【0081】b.オルガノシラン 疎水化剤として用いることができるオルガノシラン化合
物としては、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシ
ルトリ−t−ブトキシシラン、n−オクタデシルトリメ
トキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、
ジメトキシジエトキシシランなどのシラン化合物も挙げ
られる。
【0082】c.フッ素含有有機珪素化合物 フッ素含有有機基を置換基として有するシラン、シラノ
ール及びシロキサン化合物も疎水化剤として用いること
ができる。好ましいフッ素含有有機珪素化合物には、ポ
リフルオロアルキル基(3、3、3−トリフルオロプロ
ピル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロブチル
基、トリフルオロエチル基、トリフルオロペンチル基、
3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフルオロヘ
キシル基)、トリフルオロアシロキシ基(トリフルオロ
アセトキシ基、2、2、2−トリフルオロエトキシ
基)、トリフルオロアシル基(トリフルオロアセチル
基)、トリフルオロアルキルスルフォン基(トリフルオ
ロメタンスルフォン基、3、3、3−トリフルオロプロ
ピルスルフォン基)を有機置換基として有するシラン、
シラノール及びシロキサン化合物が挙げられる。
【0083】具体例としては、メチル−3、3、3−ト
リフルオロプロピルジクロロシラン、トリメチルシリル
トリフルオロメタンスルフォネート、トリフルオロアセ
トキシトリメチルシラン、3、3、4、4、5、5、
6、6、6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、
ジメトキシメチル−3、3、3−トリフルオロプロピル
シラン、3、3、3−トリフルオロプロピルシラン−ト
リメトキシシラン、3、3、4、4、5、5、6、6、
6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、3−
トリフルオロアセトキシトリメトキシシラン、1、3、
5−トリス(3、3、3−トリフルオロプロピル)−
1、3、5−トリメチルシクロトリシロキサン、1、
3、5、7−テトラキス(3、3、3−トリフルオロプ
ロピル)−1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラ
シロキサン、1、1、3、5、5−ペンタ(3、3、3
−トリフルオロプロピル)−1、3、5−トリメチルト
リシロキサン、1、1、3、5、7、7−ヘキサ(3、
3、3−トリフルオロプロピル)−1、3、5、7−テ
トラメチルテトラシロキサン、メチル−3、3、3−ト
リフルオロプロピルシランジオール、3、3、4、4、
5、5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルシラントリ
オール、3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフ
ルオロヘキシルメチルシランジオール、ペンタフルオロ
エトキシシラントリオール、トリフルオロメチルシラン
トリオール、3、3、3−トリフルオロプロピルオトキ
シシラントリオール。
【0084】好ましい化合物は、メチル−3、3、3−
トリフルオロプロピルジクロロシラン、3、3、4、
4、5、5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルトリク
ロロシラン、3、3、3−トリフルオロプロピルシラン
−トリメトキシシラン、3、3、4、4、5、5、6、
6、6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、
1、3、5−トリス(3、3、3−トリフルオロプロピ
ル)−1、3、5−トリメチルシクロトリシロキサン、
メチル−3、3、3−トリフルオロプロピルシランジオ
ール、3、3、4、4、5、5、6、6、6−ノナフル
オロヘキシルシラントリオール、3、3、4、4、5、
5、6、6、6−ノナフルオロヘキシルメチルシランジ
オール、ペンタフルオロエトキシシラントリオール、ト
リフルオロメチルシラントリオール、3、3、3−トリ
フルオロプロピルオトキシシラントリオール。これらの
有機珪素化合物は、市販されており、たとえば信越化学
工業(株)から入手できる。又は入手したクロロシラン
を加水分解してシラノールとしたり、あるいは、加水分
解縮合によってポリオルガノシロキンを合成できる。
【0085】疎水化剤は、有機低分子化合物のみ、有機
珪素化合物のみ、あるいはそれらの混合物でもよく、さ
らに両者の親和性を高めるなどの目的の第3成分を含ん
でいてもよい。
【0086】疎水化剤は、溶液や分散液とするためにエ
チレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノ
ン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブ
アセテート、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、アクリロニトリルなどの有機溶剤に混合又は分散し
て使用することもできる。
【0087】
【実施例】以下、実施例によって本発明の実施の形態を
さらに示すが、本発明はこれらに限定されない。 〔実施例1〕石英ガラスの原板を真空蒸着装置内に入れ
て、全圧2.0x10-2Paになるように分圧70%の
酸素ガスの条件下でチタン金属片を電熱加熱して、ガラ
ス原板上に蒸着により酸化チタン薄膜を形成させた。こ
の薄膜の結晶成分はX線解析法によって無定型/アナタ
ーゼ/ルチル結晶構造の比が1.5/6.5/2であ
り、TiO2薄膜の厚さは200nm(2000オングス
トローム)であった。原板表面の水に対する接触角をCo
ntact Angle Meter CA-D(協和界面科学(株)製)を用
いて空中水滴法で表面の水に対する接触角を測定したと
ころ、いずれの部分も48〜55度の間にあった。
【0088】次いで、作製されるべきDNAチップのセ
ルのサイズ及び配列と同じサイズ及び配列の透過部パタ
ンを有するフォトマスクを上記のチタン蒸着膜を施した
原板上に密着して重ね、US10焼き付け用光源装置ユ
ニレックURM600形式GH60201X(ウシオ電
気工業(株)製)を用いてフォトマスクを通して原板表
面に光強度50mW/cm2 のもとで10秒間の活性光
照射を行なって、DNAチップ用基板を作製した。基板
表面のセル領域すなわち照射領域の水に対する接触角を
Contact Angle Meter CA-D(協和界面科学(株)製)を
用いて空中水滴法で測定したところ、いずれのセル領域
も7〜9度の間にあった。
【0089】この基板を用いて、図3を用いて前記した
装置によって、DNAプローブ貯留槽22にDNAプロ
ーブ10を貯留し、そのDNAプローブ10をパイプ2
3を介してインクジェット式液滴吐出ヘッド2に導き、
制御回路3からの制御信号によって原板11上のセル領
域13に、DNAプローブ10の液滴16を吐出させて
セルを形成させた.DNAチップの設計に従って吐出先
のセル領域に応じてDNAプローブの種類を変えて上記
のDNAプローブのはり付け操作を繰り返して行なっ
た。DNAプローブがセル領域からはみ出ることなく、
正確で精度の優れたDNAチップを、迅速で簡単な操作
で作製することが出来た。
【0090】〔実施例2〕石英ガラス板を真空蒸着装置
中にセットして全圧0.01Paの真空下で亜鉛を10
0nm(1000オングストローム)の厚みに蒸着し
た。これを空気中600°Cで2時間酸化処理してガラ
ス板の片面に酸化亜鉛の薄膜を形成させた。この酸化亜
鉛薄膜付き原板を用いた以外は実施例1と同様にしてD
NAチップ用基板を作製した。Contact Angle Meter CA
-D(協和界面科学(株)製)を用いて空中水滴法で測定
した基板表面の照射領域の水に対する接触角は、いずれ
も7〜9度の間にあり、非照射領域は、52〜55度で
あった。
【0091】この基板を用いて、実施例1と同じインク
ジェット方式でDNAチップを精度よく、迅速で簡単な
操作で作製することが出来た。
【0092】〔実施例3〕市販の厚み200ミクロンの
ポリイミドフィルム(商品名カプトン,東レ・デュポン
社製)をCsLa2NbTi210の化学量論比に相当す
るセシウムエトキシド、チタンブトキシド、ランタンイ
ソブトキシド、ニオブエトキシドを含む20%のエタノ
ール溶液に浸漬して表面を加水分解したのち280°C
に加熱してポリイミドフィルム支持体表面にCsLa2
NbTi210の厚み100nm(1000オングスト
ローム)の薄膜を形成させた。このCsLa2NbTi2
10薄膜付きのフレキシブル原板を用いた以外は実施例
1と同様にしてDNAチップ用基板を作製した。Contact
Angle Meter CA-D(協和界面科学(株)製)を用いて
空中水滴法で測定した基板表面の照射領域の水に対する
接触角は、いずれも7〜9度の間にあり、非照射領域
は、52〜55度であった。
【0093】この基板を用いて、実施例1と同じインク
ジェット方式でDNAチップを精度よく、迅速で簡単な
操作で作製することが出来た。
【0094】〔実施例4〕実施例1において、活性光の
照射をユニレックスURM600によって面露光方式で
行う代わりに、ヘリウムカドミウムレーザーを用いて走
査露光によって行なった。照射に用いたヘリウムカドミ
ウムレーザーは、発振波長を325nmに有しており、
レーザの照射面におけるビーム半径、及び発振間隔と走
査速度を制御して、照射スポットが母体DNAチップと
セルのサイズ及び配列が一致するようにして照射を行な
った。
【0095】レーザー光の照射条件は下記の通りであ
る。 レーザ−出力 : 200 mW ビーム半径 : 50.0μm 走査速度 : 1.7m/sec 出力 : 700mJ/cm2 発光間隔 : 7 μsec Contact Angle Meter CA-D(協和界面科学(株)製)を
用いて空中水滴法で測定した基板表面の照射領域の水に
対する接触角は、いずれも7〜9度の間にあり、非照射
領域は、52〜55度であった。
【0096】この基板を用いて、実施例1と同じインク
ジェット方式でDNAチップを精度よく、迅速で簡単な
操作で作製することが出来た。
【0097】〔実施例5〕実施例3で作製したフレキシ
ブルフィルム支持体付きの原板を溶融型熱転写装置を用
いて、複製するべき加熱スポットのサイズと配列が、作
製されるべきDNAチップのセルのサイズ及び配列が一
致するようにして局部加熱を行なった。すなわち、ワー
クステーション(感熱プリンタ)でフレキシブルフィルム
上に複製するべき親水性領域(加熱部)と疎水性領域
(非加熱部)の繰り返しを電気的画像信号に変換して感
熱ヘッドを駆動させて原板表面に母体チップのセルの形
状及びサイズに対応したスポット状の接触加熱を行なっ
た。感熱プリンターは、Ta−SiO2 発熱低抗体上
にサイアロン耐摩耗保護層を設けた500μm×500
μmの感熱ヘッドを250μm間隔に並べた感熱プリン
ターで、感熱ヘッドは20msec通電によって450
°Cに達する加熱能力を持っており、走査速度を40m
sec/mに設定した。Contact Angle Meter CA-D(協
和界面科学(株)製)を用いて空中水滴法で測定した基
板表面の接触加熱領域の水に対する接触角は、いずれも
7〜9度の間にあり、非加熱領域は、52〜55度であ
った。
【0098】この基板を用いて、実施例1と同じインク
ジェット方式でDNAチップを精度よく、迅速で簡単な
操作で作製することが出来た。
【0099】〔実施例6〕実施例1に記載の方法によっ
て、石英ガラス板上に蒸着により厚さ200nm(20
00オングストローム)の酸化チタン薄膜を形成させ
た。空気恒温槽中にペルフルオロ酢酸入りの平皿を置
き、温度を90℃に保って空気恒温槽内の空気をペルフ
ルオロ酢酸蒸気で飽和させた。次いでこの中に上記の酸
化チタン薄膜付きのガラス板を挿入して10分間その温
度に置いた後、ガラス板を取り出してDNAチップ用基
板作成用の原板とした。この原板の ContactAngle Met
er CA-D(協和界面科学(株)製)を用いて空中水滴法
で測定した水に対する接触角は、88〜93度であっ
た。この原板を用いたこと以外は実施例1と同じ操作に
よってDNAチップ用基板を作製した。基板表面の照射
領域の水に対する接触角は、いずれも7〜9度の間にあ
り、非照射領域は、上記した値と変わらず、88〜93
度であった。
【0100】この基板を用いて、実施例1と同じインク
ジェット方式でDNAチップを精度よく、迅速で簡単な
操作で作製することが出来た。
【0101】〔実施例7〕実施例1に記載の方法による
石英ガラス板上に蒸着により厚さ200nm(2000
オングストローム)の酸化チタン薄膜を形成させた原板
を1規定硝酸銀水溶液に5秒間浸漬したのち、原板を引
き上げて直ちにフェ―リング溶液に10秒間浸漬した。
原板を引き上げて再び硝酸銀水溶液とフェ―リング溶液
への浸漬を繰返した。フェ―リング溶液としては、硫酸
銅五水塩69.2g/L水溶液と、酒石酸カリウムナト
リウム346g/Lと水酸化ナトリウム100g/Lの
混合水溶液とを使用直前に当量混合して調製したものを
用いた。原板表面には、銀微粒子が沈積したことが表面
色の黒色化によって認められた。この銀微粒子 担持酸
化チタン薄膜付きのガラス板をDNAチップ用基板作成
用の原板とした。この原板の Contact Angle Meter CA
-D(協和界面科学(株)製)を用いて空中水滴法で測定
した水に対する接触角は、48〜53度であった。この
原板を用いたこと以外は実施例1と同じ操作によってD
NAチップ用基板を作製した。基板表面の照射領域の水
に対する接触角は、いずれも7〜9度の間にあり、非照
射領域は、上記した値と変わらず、48〜53度であっ
た。
【0102】この基板を用いて、実施例1と同じインク
ジェット方式でDNAチップを精度よく、迅速で簡単な
操作で作製することが出来た。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように原板上に活性光の照
射又は熱の印加によって親水性のセル領域を施したDN
Aチップ用の基板を用いると、DNAプローブをセル領
域にはり付ける際に、セル領域からのプローブの液にじ
みや混じり合いが無く、高精度のDNAチップを得率よ
く製造できる。また、基板の作製の際に原板に予め疎水
性強化処理を施すことによって、複製の精度を一層向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各セル及びセル領域が配列したDNAチップ
用基板を示す模式図である。
【図2】 本発明のDNAチップ用基板にインクジェッ
ト方式でDNAプローブをはり付ける過程を示す模式図
である。
【図3】 本発明のインクジェット方式のDNAチップ
作製装置の一形態を示す構成図である。
【符号の説明】
2 インクジェット式液滴吐出ヘッド 3 制御手段 4 駆動手段 10 DNAプローブ 11 DNAチップ用基板 12 原板 13 セル領域 14 疎水性領域(非セル領域) 15 セル 16 液滴 15’形成過程のセル 16’消滅過程の液滴 22 DNAプローブ貯留槽 23 パイプ M1 モータ M2 モータ Sh 制御信号 Sx 駆動信号 Sy 駆動信号
フロントページの続き Fターム(参考) 2G042 AA01 BD19 CB03 FB05 HA08 4B024 AA11 AA20 CA09 HA12 4B029 AA07 AA23 BB20 CC10 FA12 GA03 GB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性であって光又は熱の作用によって
    親水性となる表面を有する原板上に複数の親水性微小領
    域を配列させてなり、該親水性微小領域がDNAプロー
    ブを受容するセル領域を構成していることを特徴とする
    DNAチップ用基板。
  2. 【請求項2】 親水性微小領域の水に対する接触角が3
    0度以下であって、かつ該微小領域を取り囲む疎水性表
    面の水に対する接触角よりも少なくとも40度低いこと
    を特徴とする請求項1に記載のDNAチップ用基板。
  3. 【請求項3】 表面が、TiO2、RTiO3(Rはアル
    カリ土類金属原子)、AB2-xx3-xx10(Aは水
    素原子又はアルカリ金属原子、Bはアルカリ土類金属原
    子又は鉛原子、Cは希土類原子、Dは周期律表の5A族
    元素に属する金属原子、Eは同じく4A族元素に属する
    金属原子、xは0〜2の任意の数値を表す)、Sn
    2、ZrO2、Bi23,ZnO及びFeOy(y=1
    〜1.5)で表される酸化鉄、から選ばれる金属酸化物
    の少なくとも一つによって構成されていることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のDNAチップ用基板。
  4. 【請求項4】 原板の疎水性表面に活性光の照射又は熱
    を印加を施すことによって該表面上に所定の大きさと形
    状を有する複数の配列した親水性微小領域を形成させる
    ことを特徴とするDNAチップ用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 親水性微小領域の形成が、光源と基板と
    の間にフォトマスクを介してなされる活性光の照射、レ
    ーザー光の間歇発光による走査露光、熱ヘッドの走査に
    よる熱の印加及び光熱変換性の輻射線の照射のいずれか
    によって行われることを特徴とする請求項4に記載のD
    NAチップ用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 原板の表面に疎水性有機化合物による処
    理を施した後、活性光の照射又は熱の印加によって親水
    性微小領域を形成させることを特徴とする請求項4又は
    5に記載のDNAチップ用基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 疎水性であって光又は熱の作用によっ
    て親水性となる表面を有する原板上に複数の親水性微小
    領域を配列させたDNAチップ用基板を用い、該親水性
    微小領域にDNAプローブを受容させることを特徴とす
    るDNAチップの製造方法。
  8. 【請求項8】 原板上に配列した複数の親水性微小領域
    に、DNAプローブを含む液滴をインクジェット方式に
    よって受容させることを特徴とする請求項7に記載のD
    NAチップの製造方法。
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