JP4707345B2 - 配線の修正方法 - Google Patents
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Description
特に、近年その一部もしくは全部に有機材料を用いた素子が、低コスト化や大面積化容易性等の製造上のメリットや無機材料にない機能発現の可能性から注目されている。例えば特許文献1では、光や熱などの物理的外部刺激によりキャリア移動度が変化する有機半導体材料を用いた電界効果型トランジスタが提案されている。
(1)薄膜層を有する基板上にフォトレジスト層を塗布する(レジスト塗布)。
(2)加熱により溶剤を除去する(プリベーク)。
(3)パターンデータに従ってレーザーあるいは電子線を用いて描画されたハードマスクを通して紫外光を照射する(露光)。
(4)アルカリ溶液で露光部のレジストを除去する(現像)。
(5)加熱により未露光部(パターン部)のレジストを硬化する(ポストベーク)。
(6)エッチング液に浸漬またはエッチングガスに暴露し、レジストのない部分の薄膜層を除去する(エッチング)。
(7)アルカリ溶液または酸素ラジカルでレジストを除去する(レジスト剥離)。
各薄膜層を形成後、上記の工程を繰り返すことによって能動素子が完成するが、高価な設備と工程の長さがコストを上昇させる原因となっている。
また、パターニング後に設計ミスが見つかったり設計変更などが生じたりした場合には、フォトリソグラフィー法でパターニングした薄膜層を修正することは困難であり、マスクを修正して、フォトリソグラフィー工程をやり直すことで修正する必要がある。
上記オフセット印刷法では極めて高精度なものを用いてもパターン寸法精度及び位置合わせ精度を合わせたパターン誤差は±10μmで、汎用的なものでは±50μmにも及ぶため、微細なパターン形成には適さない。
プリンタに使用されるレベルの通常のインクジェットヘッドを用いた場合、解像度30μm、位置合わせ精度±15μm程度であるため、やはり微細なパターン形成は困難である。
この方法は表面エネルギーを制御することによってインクに対する濡れ性をコントロールして、インクジェット法の解像度を超えたパターン形成を可能にしている点で優れているが、ポリイミドからなるリブを作製するために以下のような長い工程を必要とするためインクジェット法の利点を損なっている。
(1)ポリイミドプリカーサーを塗布し焼成する(ポリイミド膜形成)。
(2)フォトレジスト層を塗布する(レジスト塗布)。
(3)加熱により溶剤を除去する(プリベーク)。
(4)マスクを通して紫外光を照射する(露光)。
(5)アルカリ溶液で露光部のレジストを除去する(現像)。
(6)加熱により未露光部(パターン部)のレジストを硬化する(ポストベーク)。
(7)酸素プラズマによりレジストのない部分のポリイミド膜を除去する(エッチング)
(8)溶剤でレジストを除去する(レジスト剥離)。
この方法によれば有機分子膜にフォトマスクを介して紫外光を照射するだけで親液部と撥液部とからなるパターンを形成することができるため大幅に工程を短縮することができる。
しかしながら、有機分子膜が非常に薄いこと、親液部においてはこの膜が存在せず基板が露出していることなどから有機分子膜は表面エネルギー制御以外のバルク体としての機能は有しておらず、機能性が低かった。
図2は、本発明の修正方法が適用される配線の形成方法を説明するための図である。図2に示すように、ガラスやポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン等のプラスチック、シリコンウェハ、金属等からなる基板301の上に濡れ性変化層305が形成されている(a)。濡れ性変化層305は熱、紫外線、電子線、プラズマ等のエネルギーの付与によって臨界表面張力が増加し、低表面エネルギー(疎液性)から高表面エネルギー(親液性)へ変化する材料からなる。このような構造を有するポリマーまたはその前駆体を有機溶媒等に溶解または分散した溶液をスピンコート法、ディップコート法、ワイヤーバーコート法、キャスト法等で基板301上に塗布、成膜することにより、濡れ性変化層305が形成されている。
次に濡れ性変化層305にエネルギーを付与する。(b)では一例として濡れ性変化層305表面にマスク306を通して紫外線を照射している。これにより低表面エネルギー部と高表面エネルギー部からなるパターンが形成される。
次に上記パターンが形成された濡れ性変化層305の上に金属微粒子を分散した液体や、導電性有機材料を含有する液体が例えばインクジェット法によって供給されることで、高表面エネルギー部のみに導電層303が形成される(c)。
修正前の導電層312を除去した後、少なくとも導電層312が形成されていた部分を加熱することで導電層312が形成されていた高表面エネルギー部を低表面エネルギー部にしているが、この工程を行なわずに修正後の新たな配線パターンにしたがって濡れ性変化層305にエネルギーを付与して高表面エネルギー部を形成した場合、濡れ性変化層305表面には複数の高表面エネルギー部が形成されるため、導電性材料を含有する液体を付与した場合に、修正前のパターンに液体が広がっていってしまう場合があるため好ましくない。
なお、図3では回路ユニット間の配線の修正で説明をしたが、回路ユニット内の配線など基板上の配線の修正に対しても同様に適用できる。例えば配線層上に半導体層を設けた半導体素子の配線層に対して適用することも可能であるし、半導体素子の電極部分を除去して新たに電極層を形成することで電極部分を修正し、その上に半導体層を形成することで半導体素子そのものを修正することも可能である。
γS=γSL+γLcosθ …………(1)
ここで、γSは固体315の表面張力、γSLは固体315と液体(液滴316)の界面張力、γLは液体(液滴316)の表面張力である。
表面張力は表面エネルギーと実質的に同義であり、全く同じ値となる。cosθ=1の時、θ=0°となり、液体(液滴316)は完全に濡れる。この時のγLの値はγS−γSLとなり、これをその固体315の臨界表面張力γCと呼ぶ。γCは表面張力の判っている何種類かの液体を用いて、液体(液滴316)の表面張力と接触角の関係をプロットし、θ=0°(cosθ=1)となる表面張力を求めることにより容易に決定できる(Zismanプロット)。γCの大きい固体315表面には液体(液滴316)が濡れやすく(親液性)、γCの小さい固体315表面には液体(液滴316)が濡れにくい(疎液性)。
ここに、接触角θの測定は液滴法で行うのが簡便である。液滴法には、
(a) 読取顕微鏡を液滴316に向け、顕微鏡内のカーソル線を液滴316の接点に合わせて角度を読取る接線法、
(b) 十字のカーソルを液滴316の頂点に合わせ、一端を液滴316と固体315試料の接する点に合わせた時のカーソル線の角度を2倍することにより求めるθ/2法、
(c) モニター画面に液滴316を映し出し、円周上の1点(できれば頂点)と液滴316と固体315試料との接点(2点)をクリックしてコンピュータで処理する3点クリック法、
がある。(a)→(b)→(c)の順に精度が高くなる。
高表面エネルギー部と低表面エネルギー部とのパターン形状に従って導電性材料を含有する液体が親液性である高表面エネルギー部にのみ確実に付着するためには、表面エネルギー差が大きいこと、言い換えれば、臨界表面張力の差ΔγCが大きいことが必要である。
表1はガラス基板上に種々の材料からなる濡れ性変化層305を形成し、エネルギー付与部と未付与部とのΔγC並びにポリアニリン(水溶液系導電性高分子)の選択付着性を評価したものである。選択付着性はエネルギー付与部と未付与部とからなるパターンの境界を含むエリアにポリアニリン水溶液を滴下し、余分の溶液を除去した後に未付与部に対するポリアニリンの付着(パターン不良)の有無を観察した。
表1より濡れ性変化層305の、低表面エネルギー部の臨界表面張力と高表面エネルギー部の臨界表面張力との差(ΔγC)は10mN/m以上であることが望ましく、15mN/m以上であることがさらに望ましいことが判る。
本実施の形態では半導体層318は濡れ性変化層305の低表面エネルギー部に接するため、その部位の物性が半導体層318の特性に影響を与えると考えられる。図7は図6の構造のTFTを濡れ性変化層(ゲート絶縁膜)305の材料を変えて作製し、その移動度を濡れ性変化層305(エネルギー未付与)の臨界表面張力γCに対してプロットしたものである。図7中、Aは長鎖アルキル基を含むポリイミド、Bはポリビニルフェノール、Cは有機シリカ、DはSiの熱酸化膜、Eはポリイミド、FはSiO2(スパッタ膜)である。ただし、ソース電極317Aとドレイン電極317BとはAu蒸着膜をリフトオフすることにより形成した。図7より移動度はγCが40mN/mを超えると急激に減少することが判る。この結果からTFTを構成する場合には濡れ性変化層の、低表面エネルギー部の臨界表面張力(γC)は40mN/m以下であることが望ましい。
なお、臨界表面張力(γC)が20mN/mより小さいと、ほとんどの溶媒をはじいてしまうため、半導体層318を塗布によって形成する場合には、臨界表面張力(γC)は20mN/m以上であることが望ましい。
また濡れ性変化は大きいが成膜性に問題がある材料を用いることが可能となるため選択できる材料が多くなる。具体的には、一方の材料の濡れ性変化はより大きいが凝集力が強いため成膜することが困難な材料である場合に、この材料を成膜性の良いもう一方の材料と混合することで、上記濡れ性変化層を容易に作製することが可能となる。
本発明の濡れ性変化層の断面模式図を図8に示す。例えば、濡れ性変化層305は、第二の材料402よりも電気絶縁性に優れた第一の材料401から構成される層上に、第一の材料よりも濡れ性変化に優れた第二の材料からなる層が明確に分離され積層された構造となっている。なお膜厚方向の矢印の向かう方向が濡れ性変化層305の表面方向である。
このような構造は、第一の材料からなる層を作製した後に第二の材料からなる層を順次積層して作製することが可能である。作製方法としては、真空蒸着などの真空プロセスを用いることも可能であるし、溶剤を用いた塗布プロセスを使用することも可能である。
また、第一の材料と第二の材料を混合した溶液を基板に塗布、乾燥することにより、作製することも可能である。これは第二の材料の極性が相対的に小さい場合、相対的に分子量の小さい場合などでは、乾燥時に溶媒が蒸発するまでの間に第二の材料が表面側に移行し層を形成する。なお塗布プロセスを用いた場合は、図9の断面模式図に示されるように、第一の材料401からなる層と第二の材料402からなる層は、界面によって明確に分離されない場合が多い。
本発明において、相対的に電気絶縁性に優れた第一の材料と相対的に濡れ性変化の大きい第二の材料の組成割合である第一/第二は、重量比で50/50〜99/1である。第二の材料の重量比が増加するにつれ濡れ性変化層の電気絶縁性が低くなり絶縁層としては不向きとなる。一方で第一の材料の重量比が増すと濡れ性変化が小さくなるため、導電層のパターニングが良好でなくなる。それゆえ両者の混合比は望ましくは60/40〜95/5、更に望ましくは70/30〜90/10である。
なお図8の断面模式図に示すように、第一の材料401からなる層と第二の材料402からなる層は界面によって明確に分離されていなくてもよい。また図9あるいは図10に示されるように、膜厚方向に対して所定の濃度分布で前記第一及び第二の材料401,402が混在していてもよい。2種類以上の材料から濡れ性変化層が構成されている場合は、2層以上の積層構造からなっていても構わないし、層構造を持たずに膜厚方向に対して所定の濃度分布で材料が混在していてもよい。
疎水性基としては、末端構造が−CF2CH3、−CF2CF3、−CF(CF3)2、−C(CF3)3、−CF2H、−CFH2等である基が挙げられる。分子鎖同士を配向しやすくするためには炭素鎖長の長い基が好ましく、炭素数4以上のものがより好ましい。さらには、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロアルキル基(以下、「Rf基」と記す。)が好ましく、特に炭素数4〜20のRf基が好ましく、とりわけ、炭素数6〜12のRf基が好ましい。Rf基は直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造の方が好ましい。さらに、疎水性基は、アルキル基の水素原子の実質的に全てがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基が好ましい。パーフルオロアルキル基はCnF2n+1−(ただし、nは4〜16の整数)で表わされる基が好ましく、特に、nが6〜12の整数である場合の該基が好ましい。パーフルオロアルキル基は直鎖構造であっても分岐構造であってもよく、直鎖構造が好ましい。
上記材料については特許第2796575号公報等に詳しく記載されて周知であり、加熱状態で液体又は固体と接触させたときに親液性となり、空気中で加熱すると疎液性となる性質を有する。即ち、(接触媒体の選択と)熱エネルギーの付与によって臨界表面張力を変化させることができる。
さらに、疎水性基としては、フッ素原子を含まない−CH2CH3、−CH(CH3)2、−C(CH3)3等の末端構造を有する基を挙げることができる。この場合にも、分子鎖同士を配向しやすくするためには炭素鎖長の長い基が好ましく、炭素数4以上のものがより好ましい。疎水性基は直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造の方が好ましい。上記アルキル基はハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基又は炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。Rの結合部位が多いほど表面エネルギーが低く(臨界表面張力が小さく)、疎液性となると考えられる。紫外線照射等によって、結合の一部が切断される、或いは、配向状態が変化するために臨界表面張力が増加し、親液性になるものと推察される。
また、濡れ性変化層を2種類以上の材料から構成する場合においては、耐熱性、耐溶剤性、親和性を考慮すると、側鎖に疎水性基を有する高分子材料以外の材料もポリイミドからなることが望ましい。
上述したように、上記(1)〜(5)の疎水性基を含むポリイミドは単独で用いても良いし、他の材料と混合し用いても良い。ただし、混合して用いる場合は、耐熱性、耐溶剤性、親和性を考慮すると、混合する材料もポリイミドであることが望ましい。
また上記(1)〜(5)で示されない疎水性基を含むポリイミドを用いることもできる。
導電性材料を含有する液体を濡れ性変化層305表面に付与する方法として、スピンコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法等の各種塗布法を用いることができるが、濡れ性変化層の表面エネルギーの影響を受けやすくするためには、より小さな液滴を供給できるインクジェット法が特に好ましい。プリンタに使用されるレベルの通常のヘッドを用いた場合、インクジェット法の解像度は30μm、位置合わせ精度は±15μm程度であるが、濡れ性変化層305における表面エネルギーの差を利用することにより、それよりも微細なパターンを形成することが可能となる。
また本発明は、前記の配線の修正方法で修正したことを特徴とする電子素子を提供する。このような電子素子は、さらなる配線の修正が必要な場合でも、低コストで配線の修正を行うことができる。
図6に示したような構造の電子素子(TFT)を図12に示すように基板上に複数個作製し、ソースおよびドレイン電極取り出しパッド319および320には第一の素子Aのみを接続した。
まず、ガラス基板301上に膜厚60nmのAlを真空蒸着し、フォトリソエッチングにより40μmの幅に加工し、ゲート電極317Cを形成した。
次に、ゲート絶縁膜を兼ねる濡れ性変化層305として、焼成後に下記式(1)ならびに(2)で表される構造体となる前駆体を溶解した混合溶液((1)/(2)の質量比=0.05)を、スピンコート法にて塗布し280℃で焼成して成膜した。
(1) UVランプを用い、250nmの光の強度が5mW/cm2となるように光源と基板との距離を調整し、照射時間を変化させることにより(250nmの波長に対する)照射量を変え、水に対する接触角の変化を観測した。図13は紫外線照射量と水に対する接触角の関係を示したものである。未照射時には接触角が90°を超え疎水性(撥水性)であるが、照射量10J/cm2以上では20°程度に低下し親水性に変化している。この変化を誘起するのに有効な光の波長に合わせた光源を用いることによって照射量をさらに小さくすることが可能であると考えられる。
(2) 上記紫外線を9J/cm2照射した場合と未照射の場合において、表面エネルギーの異なる数種類の液体の接触角を測定した。図14は液体の表面張力と接触角の関係を示したものである。図14から臨界表面張力は未照射の場合に約24mN/m、紫外線照射した場合に約45mN/mであることが判る。
続いて、インクジェット法を用いて、導電性高分子であるPEDOT/PPSの水溶液を濡れ性変化層305上に供給し、乾燥させてソース電極層317Aおよびドレイン電極層317Bを形成した。
最後に、下記化学式(3)に示すようなスキームより合成した有機半導体よりなる重合体1をトルエンに溶解した溶液をスピンコート法にて塗布し、乾燥させて半導体層318を形成した。
示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は117℃であった。GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は8500、重量平均分子量は20000であった。
以上より、簡便に基板上の配線を修正することができた。
実施例1で修正した基板を使い、次のことを実施した。まず、平均粒径1μmのアルミナの粒子を気流によってノズルから噴射させ、素子Bと電極取り出しパッドとの間の配線部に当てることで、配線部を除去した。次に基板全体を280℃で加熱して除去した配線部の高表面エネルギー部を低表面エネルギー状態にした。次に位置あわせしたフォトマスクを介して紫外線を9J/cm2照射することで、電極取り出しパッド319および320と素子Cの電極との間に高表面エネルギー部を形成した。次にインクジェット法を用いて、PEDOT/PPSの水溶液を新たに形成した高表面エネルギー部に供給し、乾燥させて電極取り出しパッド319および320と素子Cのソース、ドレイン電極とを電気的に接続した。TFT特性を測定したところ、素子Bと同等の特性を得ることができた。
以上より、簡便に基板上の配線を修正することができた。
実施例2で修正した基板を使い、次のことを実施した。まず、平均粒径1μmのアルミナの粒子を280℃に加熱した気流によってノズルから噴射させ、素子Cと電極取り出しパッドとの間の配線部に当てることで、配線部を除去した。これにより配線部の除去と、除去した配線部の高表面エネルギー部を低表面エネルギー状態にする工程が同時に完了した。次に位置あわせしたフォトマスクを介して紫外線を9J/cm2照射することで、電極取り出しパッド319および320と素子Dの電極との間に高表面エネルギー部を形成した。次にインクジェット法を用いて、PEDOT/PPSの水溶液を新たに形成した高表面エネルギー部に供給し、乾燥させて電極取り出しパッド319および320と素子Dのソース、ドレイン電極とを電気的に接続した。TFT特性を測定したところ、素子Cと同等の特性を得ることができた。
以上より、さらに簡便に基板上の配線を修正することができた。
実施例3で修正した基板を使い、次のことを実施した。まず、平均粒径0.5μmのアルミナの粒子をスポンジ表面に接着剤で固定して研削工具を作製した。次にこの研削工具を素子Dと電極取り出しパッドとの間の配線部に当てて毎秒50回のスピードでこすることとで配線部を除去した。摩擦熱によって温度が高くなり、配線部の除去と、除去した配線部の高表面エネルギー部を低表面エネルギー状態にする工程が同時に完了した。次に位置あわせしたフォトマスクを介して紫外線を9J/cm2照射することで、電極取り出しパッド319および320と素子Eの電極との間に高表面エネルギー部を形成した。次にインクジェット法を用いて、PEDOT/PPSの水溶液を新たに形成した高表面エネルギー部に供給し、乾燥させて電極取り出しパッド319および320と素子Eのソース、ドレイン電極とを電気的に接続した。TFT特性を測定したところ、素子Dと同等の特性を得ることができた。
以上より、簡便に基板上の配線を修正することができた。
303 導電層
305 濡れ性変化層
310,311,313 回路ユニット
312,314 導電層
318 半導体層
317A,317B,317C 電極
319 電極取り出しパッド
Claims (5)
- 基板上に濡れ性変化層を形成する工程と、
前記濡れ性変化層に紫外線を照射することで、低表面エネルギー部と高表面エネルギー部とを形成する工程と、
前記濡れ性変化層の高表面エネルギー部に導電層を形成する工程と、
前記濡れ性変化層の高表面エネルギー部に形成された導電層のうち不要な部分を除去する工程と、
当該除去された導電層が形成されていた前記濡れ性変化層の高表面エネルギー部を加熱して新たな低表面エネルギー部を形成する工程と、
当該新たな低表面エネルギー部に、新たな配線パターンに従って紫外線を照射し、新たな高表面エネルギー部を形成する工程と、
当該新たな高表面エネルギー部に導電層を形成する工程とを有することを特徴とする配線の修正方法。 - 前記導電層のうち不要な部分を除去する工程が、溶剤によるふき取りであることを特徴とする請求項1に記載の配線の修正方法。
- 前記導電層のうち不要な部分を除去する工程が、除去が微小な粒子を気流によって吹き付ける方法であることを特徴とする請求項1に記載の配線の修正方法。
- 前記導電層のうち不要な部分を除去する工程が、研削であることを特徴とする請求項1に記載の配線の修正方法。
- 前記濡れ性変化層の高表面エネルギー部に導電層を形成する工程および/または前記新たな高表面エネルギー部に導電層を形成する工程は、導電性材料を含有する液体を前記濡れ性変化層の表面に付与する方法が、インクジェット法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の配線の修正方法。
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