JP4652866B2 - 有機トランジスタ - Google Patents

有機トランジスタ Download PDF

Info

Publication number
JP4652866B2
JP4652866B2 JP2005092792A JP2005092792A JP4652866B2 JP 4652866 B2 JP4652866 B2 JP 4652866B2 JP 2005092792 A JP2005092792 A JP 2005092792A JP 2005092792 A JP2005092792 A JP 2005092792A JP 4652866 B2 JP4652866 B2 JP 4652866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating layer
free energy
surface free
alkyl group
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005092792A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006278534A5 (ja
JP2006278534A (ja
Inventor
隆亜 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2005092792A priority Critical patent/JP4652866B2/ja
Publication of JP2006278534A publication Critical patent/JP2006278534A/ja
Publication of JP2006278534A5 publication Critical patent/JP2006278534A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4652866B2 publication Critical patent/JP4652866B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は有機半導体材料を有する有機トランジスタに関するものであり、特にインクジェット描画プロセスを用いた有機トランジスタに関するものである。
近年有機材料を使った有機電子デバイス研究が盛んである。有機材料を薄膜化しデバイスに応用することによって、プロセスの低温化や携帯性に優れ、コスト的にも安価な有機電子デバイスの実現が期待されている。
例えば、有機EL、有機トランジスタ等の有機電子デバイス研究が盛んであるが、なかでも有機トランジスタは、その機能の心臓部である半導体材料自身が有機分子の集合体であり、部分的に共有結合している比較的弱い結合体であるため、プロセスの低温化が期待でき、かつ、フレキシブル性に富み軽量化が可能な為、携帯性に優れている。このため、ペーパーライクディスプレイはもとより、液晶ディスプレイにも応用の可能性があり、近年急速に研究が活発になっている。このような電子デバイス分野への有機電子デバイス応用実現の為の一つの方法として、インクジェット描画プロセスを利用した有機トランジスタ作成方法があげられ、次世代低温プロセス・高携帯性電子デバイスへの応用が期待されている。
有機トランジスタの作製にあたっては様々な方法が挙げられるが、例えば非特許文献1および非特許文献2などにセイコーエプソン社によるピエゾインクジェット描画プロセスと表面自由エネルギー制御による表面マッピングを用いた有機トランジスタの作製方法が記載されている。
一方、非特許文献3において、自己組織化単分子層(self−assembled monolayer、SAM)を用い、UV光を基板背面から露光することによってUV光の当たった部分の表面自由エネルギーを高くし、未露光部の低い表面自由エネルギーとコントラストを付けることによって、自己組織化単分子層(SAM)表面をマッピングし、表面自由エネルギーの高い部分にAgインクを滴下してソース・ドレイン電極を描画し、短チャネルの有機トランジスタを作製するプロセスが開示されている。
また、非特許文献4において、ポリイミドを絶縁膜に用いて、UV光をマスク露光することによって光の当たった部分の表面自由エネルギーを上昇させ、未露光部の低い表面自由エネルギーとコントラストを付けることによって、ポリイミド表面をマッピングし、表面自由エネルギーの高い部分にインクジェットでソース・ドレイン電極を描画し、短チャネルのトランジスタを製造するプロセスが開示されている。
"Science"280、2123、2000年 "Tech Digest of IEDM"p.623、2000年 "Extended Abstracts of the 2003 International Conference on Solid State Devices and Materials"p.222〜223、2003年 "Digest of technical papers AM−LCD 04 OLED−4"p.37〜40
前述した非特許文献3による報告では、自己組織化単分子層(SAM)をUV光によってマッピングする方法では、UV光が200nm以下の真空紫外光でなければ自己組織化単分子層(SAM)の表面自由エネルギーを変化させることは出来ない。従って、高精細な表面自由エネルギーのパターニングを行うためには、200nm以下の真空UV光を備えた非常に高価なステッパーを用いなければならず、有機トランジスタのプロセスとして非現実的である。
また、非特許文献3による報告にあるように、背面露光であれば自己組織化単分子層(SAM)の表面自由エネルギーのパターニングを行うことが出来るが、パターニングするためにゲート電極を利用しているため、ゲート電極はフォトリソグラフィを用いて形成しなければならない。また背面露光を行うために、基板の光吸収性から基板材料に制限があることが予想される。更に、背面露光でゲート電極をマスクとして露光を行うため、高精細なパターニングはやや困難である。
一方、非特許文献4による、ポリイミド絶縁膜をUV光によってマッピングする方法では、チャネル界面に存在する材料と絶縁膜が一体となっている。この場合、チャネル部に配向性のある有機半導体を塗布した場合、配向制御をすることができず、半導体材料が持つ十分な電気的性能を引き出すことができない。また254nmのUV光で表面自由エネルギーのパターニングを行う様にポリイミドを設計することが可能であるが、絶縁性特性が低下する場合がある。
本発明では、露光機のUV光波長として一般的な254nmのUV光で表面自由エネルギーのパターニングが可能であり、その結果、安価なアライナーで高精細な表面自由エネルギーのパターニングを行い、短チャネルで高い電気的特性を持った有機トランジスタ構造を実現することを目的としている。さらに、本発明では、配向性を制御する機能を持つ層と、絶縁性に優れた材料をそれぞれ分離し、短チャネルで高い電気的特性を持った有機トランジスタ構造を実現することを目的としている。
また更に本発明では、基板上に基板絶縁層を設け、真空プロセスやフォトリソグラフィを用いずに、基板絶縁層を254nmのUV光で表面自由エネルギーの高精細なパターニングを行い、ゲート電極を正確に形成することを目的としている。
本発明は、基板と、基板とゲート電極間に位置する基板絶縁層と、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース・ドレイン電極と、有機半導体層によって構成されるボトムゲート構造の有機トランジスタにおいて、前記ゲート絶縁層上層下層の二層構造からなり、前記基板絶縁層は、表面自由エネルギーが低い第1の部分と、表面自由エネルギーが高い第2の部分とを有し、前記第2の部分上にはインクジェット描画法によりゲート電極が形成されており、前記ゲート絶縁層の前記上層は、表面自由エネルギーが低い第3の部分と、表面自由エネルギーが高い第4の部分とを有し、前記第4の部分上にはインクジェット描画法によりソース・ドレイン電極が形成されており、前記第1の部分の表面自由エネルギー及び前記第3の部分の表面自由エネルギーは前記ゲート絶縁層の前記下層より低く、前記第2の部分及び前記第4の部分の表面自由エネルギーは50mN/m以上であることを特徴とする有機トランジスタにある。
また、本発明は、前記第1の部分及び前記第3の部分の表面自由エネルギーの水素結合成分が1.0mN/m以下であり、前記下層表面自由エネルギーの水素結合成分が2.0mN/m以上であり、前記第2の部分及び前記第4の部分の表面自由エネルギーの水素結合成分が5.0mN/m以上であることを特徴とする有機トランジスタにある。
なお、表面自由エネルギーは、拡張フォーケスの式から、分散成分、極性成分、水素結合成分の3成分に規定されている。
さらに、本発明は、前記基板絶縁層及び前記上層側鎖にアルキル基を有するポリイミドであり前記下層側鎖にアルキル基を有しないポリイミドであることを特徴とする有機トランジスタにある。
また、本発明は、前記基板絶縁層及び前記上層側鎖にアルキル基を有するポリイミドであり、かつ前記下層無機材料絶縁層であることを特徴とする有機トランジスタにある。
また、本発明は、前記基板絶縁層膜厚及び前記上層膜厚が、前記下層膜厚より薄いことを特徴とする有機トランジスタにある。
また、本発明は、前記基板絶縁層膜厚及び前記上層膜厚が2nm以上200nm以下であり、かつ前記下層膜厚が100nm以上であることを特徴とする有機トランジスタにある。
本発明によれば、有機トランジスタの構成において、基板絶縁膜として側鎖にアルキル基を有する有機絶縁層を形成し、この基板絶縁層上のゲート以外の部分をマスクしゲート部分のみにDeep UV光を照射することで、ゲート部分の表面自由エネルギーは高く、ゲート以外の部分は表面自由エネルギーを低くコントロールすることが出来、その表面自由エネルギーの分布を用いてインクジェット法を用いてゲートの精密制御が可能になる。
また、ゲート絶縁層として側鎖にアルキル基を有する有機絶縁層と有しない絶縁層の二層構造絶縁層を形成し、このゲート絶縁層上のチャネル部分をマスクしてDeep UV光を照射することで、チャネル部分の表面自由エネルギーは低く、チャネル以外の部分は表面自由エネルギーを高くコントロールすることが出来、その表面自由エネルギーの分布を用いてインクジェット法を用いてチャネルの精密制御が可能になる。
またアルキル基を有しない絶縁層によって、側鎖にアルキル基を有する絶縁層の耐圧低下、Vthの増大をカバーし、高耐圧・低リーク電流・高性能の信頼性の高いトランジスタを実現できる。また、側鎖にアルキル基を有する絶縁膜にラビング処理を行ったり、偏向UV光を照射したりすることで、チャネル部分の配向膜上に形成した有機半導体層を一方向に並べ、非常に高い移動度実現できる配向構造を実現することが可能である。
またこの構造を利用して、優れた有機トランジスタを実現することができる。また、本発明の有機トランジスタは、ペーパーライクディスプレイ、有機IDタグ、有機EL等様々な電子デバイスへの応用が期待できる。
有機トランジスタのチャネル形成と移動度の向上の手法として本発明者は、紫外線で分解可能な低表面自由エネルギーの有機物に着目した。これは、紫外線で分解する前の表面自由エネルギーは低く、分解した後では表面自由エネルギーが高くなるものである。ゲート上の有機物はマスクで保護されるため低表面自由エネルギーで、その近傍の部分は紫外線で有機物が分解されて表面自由エネルギーが高くなることにより、インクジェット等の描画方法でソース、ドレイン電極を導電性インクで描画するときにインクが低表面自由エネルギーの部分でせき止められるために非常に高精度にチャネル長を規定することが可能となる。
また同様に、基板上のゲートに相当する部分の有機物は紫外線で有機物が分解されて表面自由エネルギーが高くなり、その近傍の部分はマスクで保護されるために表面自由エネルギーは低く保持されるために、ゲート電極を描画する際にインクが高表面自由エネルギーの部分に広がり、低表面自由エネルギーの部分で堰き止められるため、高精度にゲート電極を形成することが可能になる。
本発明で用いる紫外線の波長としては、有機物を分解できる波長であればよいが、細かいパターンを作れる点や装置コスト的な面から254nm程度の波長の紫外線が好適に用いられる。
これらの有機物のなかでも高分子配向膜は、ラビング処理や偏光紫外線照射によって配向規制力を生じ、チャネル部界面の有機半導体分子を配向させることも可能であり、このことで移動度の向上など有機トランジスタ特性の向上を図ることが出来るため好ましい。本発明に用いられる高分子配向膜の例としては、アルキル基を側鎖にもつポリイミドを挙げることができる。
一方、アルキル基を側鎖にもつポリイミドなどの高分子配向膜は、配向制御をすることに主眼がおかれて開発されたものであり、ゲート絶縁膜としての性能は不十分なものが多い。
そこで、ゲート上には絶縁性に優れた、側鎖にアルキル基を有しないポリイミドやポリオレフィンなどの高分子系の絶縁膜やSiO2 やTa25 等の無機酸化物系の絶縁膜を成膜し、その上に紫外線で分解可能な低表面自由エネルギーの有機物であるアルキル基を側鎖にもつポリイミドなどの高分子配向膜を積層し、更に基板上にも紫外線で分解可能な低表面自由エネルギーの有機物であるアルキル基を側鎖にもつポリイミドなどの高分子配向膜をことにより、上記高精度ゲート電極形成、絶縁性、高精度チャネル長規定、配向制御によるトランジスタ特性向上を全て満足させることが可能であることを見いだした。
中でも高分子配向膜と同様の骨格を持つ高分子絶縁膜は、配向膜との密着性が良好であるのでフレキシブルな基板上に有機トランジスタを形成する場合には好ましく用いることができる。
本発明者らは、本発明に至るにあたって以下のような実験検討を行ったので、その詳細について説明する。
(実験1)
絶縁層A〜Fにおけるアルキル基の密度、表面自由エネルギー(表面E)、表面自由エネルギー水素結合項、撥水性、リーク電流の関係を表1に示す。
(注1)撥水性の評価は、下記を示す。
◎:非常によく水をはじく。
○:比較的水をはじく。
×:水をはじかない。
(注2)リークの評価は、下記を示す。
◎:リーク電流が非常に小さく絶縁層として全く問題ない。
○:リーク電流が比較的小さく絶縁層として問題ない。
△:リーク電流が比較的大きいがかろうじて絶縁層として用いることができる。
×:リーク電流が大きく絶縁層に用いることができない。
表面自由エネルギーが小さくなるとリーク電流が大きくなる傾向があり、表面自由エネルギーで45mN/m程度がリーク電流が問題とならない限界値であった。この場合の表面自由エネルギーの各成分は、水素結合項が小さいほどリーク電流が大きくなる傾向があり、水素結合項で2.0mN/m程度がリーク電流が問題とならない限界値であった。また、リーク電流が問題とならなかった絶縁層にはすべてアルキル基は含まれていなかった。一方、表面自由エネルギーが低い絶縁層はリーク電流上で問題があるものの、表面自由エネルギーのパターニングによって電極の打ち分けを行うためには、十分に表面自由エネルギーが低い必要があり、40mN/m程度が限界であった。このときに、水素結合項は表面自由エネルギーが低いほど減少し、表面自由エネルギーのパターニングによって電極の打ち分けを行うためには水素結合項で1.0mN/m程度が限界であり、これ以上低い方が望ましかった。表面自由エネルギーが低い材料にはアルキル基が含まれており、アルキル基の増加と共に表面自由エネルギーが下がり、水素結合項も減少する傾向にあった。アルキル基の密度が最も少ない材料で40mN/m、水素結合項で1.0mN/mであった。
以上のことから、本発明における有機トランジスタにおいては、UV光によって構造が変化していないチャネル部において、表面自由エネルギーでは40mN/m以下の絶縁層と45mN/m以上の絶縁層の二重構造であり、表面自由エネルギーの水素結合項では1.0mN/m以下の絶縁層と2.0mN/m以上の絶縁層の二重構造であり、更に側鎖にアルキル基を有する絶縁層と有しない絶縁層の二重構造と規定している。また、ゲート電極の打ち分け上、ゲート部分において表面自由エネルギーでは基板とゲート電極間に設けられた基板絶縁層は40mN/m以下であり、表面自由エネルギーの水素結合項では1.0mN/m以下に規定している。
(実験2)
側鎖にアルキル基を有する絶縁層の表面自由エネルギーを部分的に変化させて、インクジェット法を用いて水の液滴の打ち分けの実験を行った。表面自由エネルギーが十分に低く初期の接触角95°を示す絶縁層に対して、UV光を照射し表面自由エネルギーを部分的に上昇させて接触角が減少した部分に水の液滴をインクジェット法で滴下して、着弾後の液滴が表面自由エネルギーの低い部分を乗り越えないかどうかを判断した。表2にその結果を示す。
表2に示すように、UV光照射部の水の接触角が30°以下の場合は表面自由エネルギーの低い部分で完全に停止し、打ち分けが十分に可能であった(表中の◎)。40°、50°でも打ち分けは可能であったが、液滴が着弾後に液滴が乗り越えるケースも発生した(表中の○)。60°では液滴が着弾後に乗り越えるケースが増加したが、かろうじて打ち分けられる場合もあった(表中の△)が、70°以上ではほぼ全ての液滴が表面自由エネルギーの低い部分を乗り越えてしまった(表中の×)。
従って、水の接触角で60°以下が着弾後の液滴を停止できる限界としている。水の接触角が60°以下になる時の254nmのUV光の照射量は図4に示すように外挿値からおおよそ10J/cm2 以上であり、この時の表面自由エネルギーは図5に示すように外挿値からおおよそ総合で50mN/m以上、また図6に示すように水素結合項でおおよそ5mN/m以上である。
以上のことから、本発明における有機トランジスタ上のソース・ドレイン電極、及びゲート電極に接する絶縁層の表面自由エネルギーは50mN/m以上であり、水素結合項において、5mN/m以上と規定している。
(実験3)
実験1,2の結果から表面自由エネルギーが40mN/m以下の基板絶縁層上にUVでパターニングして表面自由エネルギーが50mN/m以上のゲート電極となる部分を形成し、どの程度のゲート電極幅まで打ち分け可能か検討を行った。溶媒は水で検討を行った。図13のようにゲート電極部分と同時にゲート電極両側にゲート電極幅より十分に大きい部分を表面自由エネルギーが高くなるようにUV露光してパターニングを行い、ゲート電極両側の部分にインクジェットで水を滴下した。水はゲート電極となる部分の表面自由エネルギーが周辺より十分に高いためにゲート電極部分に濡れ広がる。ゲート電極幅が20μm程度では十分にパターニング可能であったが、ゲート電極幅が細くなるほど、よくパターニングできなくなった。実験においては3μm程度までは滴下した水は塗れ広がったが、1μmでは上手く濡れ広げることが出来なかった。
(実験4)
図7に示すように、側鎖にアルキル基を有する絶縁層は濃度を減少させると共に膜厚は減少するが、2nmまで薄膜化が可能であった。また図8に示すように、膜厚を変化させた絶縁層に254nmで30J/cmのUV光を照射したところ2nmでも十分な水の接触角変化を観測できた。このことから、側鎖にアルキル基を有する絶縁層の厚さは薄膜化の可能な2nm以上と規定している。
また、側鎖にアルキル基を有しない絶縁層に関しては、表3に示すように絶縁耐圧上で十分な性能を持たせるために100nm以上の膜厚が必要であった。
(実験5)
上層の側鎖にアルキル基を有する絶縁層と、下層のアルキル基を有しない絶縁層の膜厚を変えてTFTの電気特性を評価した。半導体層はP3HTを用いた。絶縁膜はトータルの膜厚を500nmとして、上層と下層の絶縁層の比率を変えた。図10は、それぞれの絶縁層の膜厚とVthの関係を示したものである。上層の側鎖にアルキル基を有する絶縁層が200nmを超えるとVthが急激に大きくなっていることが分かる。
以下、実施の形態を示し、本発明を詳細に説明する。
本発明は、基板と、基板絶縁層と、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース・ドレイン電極と、有機半導体層を含み、その基板絶縁層としてアルキル基を持った絶縁層を有し、ゲート絶縁層として側鎖にアルキル基を持った絶縁層とアルキル基を持たない絶縁層の積層体を有する、優れた機能を持った有機トランジスタを作製するものである。このゲート絶縁層の積層体は、膜厚方向に連続的に組成が変化しても良いし、分離された多層構造であっても良い。
本実施例においては基板絶縁層に側鎖にアルキル基を持った絶縁層を、ゲート絶縁層に側鎖にアルキル基を持った絶縁層とアルキル基を持たない絶縁層の積層体を用いた優れた有機トランジスタの作製を行った例を示す。
本発明におけるアルキル基を有しない絶縁層には、有機無機に関わらず、絶縁性を示すあらゆる材料を用いることができるが、特に有機系であればアルキル基を持たないポリイミドやポリアミド及びポリアミドイミド、ポリオレフィン、無機系であればSiO2 やTa25 などの絶縁性の高い材料を用いることが望ましい。
また、側鎖にアルキル基を有する有機絶縁層には、絶縁性を示すあらゆる材料を用いることができる。特に表面自由エネルギーが低く、ラビング処理や偏向紫外線などにより一軸配向規制力を発生し、かつ、表面エネルギーに変化を持たせて、電極描画の際にマッピングし易くするために、紫外線によって破壊されやすい結合を有するポリイミドやポリアミド、ポリアミドイミド、PVP(ポリビニルフェノール)などの有機系高分子材料を用いるのが望ましい。
本発明における基板絶縁層、及び、二層構造のゲート絶縁層の形成は、スピンコート法やインクジェット描画法、オフセット印刷、スクリーン印刷など様々な方法で容易に作製可能である。またゲート電極、ソース・ドレイン電極もインクジェット描画法やスクリーン印刷法など様々な方法で形成可能である。いずれの成膜方法も本発明の有機トランジスタにおいて十分に機能する薄膜を作成することが可能である。
本発明における基板絶縁層はどのような厚みでも構わないが、デバイスのフレキシブル性を損なわない程度の厚さであることが望ましい。また、本発明における二層構造のゲート絶縁層は、デバイス特性上の知見から絶縁性を十分に保持できる範囲内でできるだけ薄く形成されることが望ましい。アルキル基を有しない絶縁層は、ゲート電圧を低電圧で効果的に用いるために1μm程度以下が望ましい。一方、側鎖にアルキル基を有する絶縁層は配向規制力と表面エネルギーパターニングに必要な十分な厚さがあれば良く、膜として形成可能な2nm以上が望ましい。また、側鎖にアルキル基を有する絶縁層は、電気的特性上200nm以下が望ましい。
さらに、本発明における二重構造のゲート絶縁層は、その役割上、アルキル基を有しない絶縁層が高い絶縁性が求められるため、アルキル基を有しない絶縁層が側鎖にアルキル基を有する絶縁層より厚いことが望ましい。
本発明における有機半導体層には、低分子系、高分子系様々な材料が挙げられ、公知のあらゆる材料を用いることができるが、P3HTやF8T2などの高分子系半導体材料は特に有機溶媒に比較的溶解しやすく、インクジェット法で描画が容易で、かつ一軸方向に並べることでその特性向上が期待でき、本発明のプロセスに用いるのに適している。また、ホッピング伝導が主体で分子が垂直に並んだ場合に高移動度を示すペンタセンやルブレン、ポルフィリンなどの低分子材料も、前駆体溶液を有機溶媒に溶解したり、低分子そのものを特殊な有機溶媒で処理することで溶解し、インクジェット法などで描画することが可能であり、本発明のプロセスに用いることが可能である。
図に沿って本発明における、側鎖にアルキル基を有する有機絶縁層の基板絶縁層を設け、側鎖にアルキル基を有する有機絶縁層とアルキル基を有しない絶縁層の二層構造のゲート絶縁層を設けた有機トランジスタについて簡単に説明する。図1は本発明を最も良く表わすボトムゲート型有機トランジスタ構造の一実施態様を示す断面図である。図1に示されるように、基板10上にアルキル基を有する基板絶縁層11が設けられ、その上にゲート電極12が一部分にのみ形成される。その上にアルキル基を有しないゲート絶縁層13が形成され、その上に側鎖にアルキル基を有するゲート絶縁層14が形成される。その上にソース・ドレイン電極15がチャネル長を隔てて部分的に積層され、さらにチャネル部を覆うように有機半導体層16が部分的に形成される。図2は配向規制力を付与するラビング処理を示す説明図、図3は配向規制力を付与する偏向UV光照射の概念図である。
以下、実施例において詳細な具体例を示す。
実施例1
基板絶縁層として側鎖にアルキル基を有する絶縁層を設け、ゲート絶縁層として側鎖にアルキル基を有する絶縁層とアルキル基を有しない二層構造の絶縁層を設けたボトムゲート型の有機トランジスタを、ゲート電極、ソース・ドレイン電極、及び有機半導体層の形成方法としてインクジェット描画法を用いて作製した例を挙げる。
ガラス基板上に基板絶縁層として、アルキル基の側鎖を持つ低表面エネルギーのポリイミドを30nmの厚さにスピンコートで形成し、210℃のオーブンで60分間焼成を行った。次に、アルキル基を側鎖に持つポリイミド表面をフォトマスクでマスクし、図12の断面図のようにゲートを形成したい部分をゲート電極の幅20μm、ゲート電極の長さ1.5mmで254nmのDeep UV光を用いてアライナー(ウシオ電機製 UX3000)でパターン露光した。254nmのUV光を露光することにより、ポリイミドは大きく表面エネルギーが変化する。特に側鎖にアルキル基をもった表面自由エネルギーの低いポリイミドはその変化が大きい。
図5及び図6に254nmのUV光照射量とアルキル基を側鎖に持つポリイミドの表面自由エネルギーの関係を示す。UV光露光量によって特に水素結合項が大きく上昇する。図4に同じポリイミド材料における254nmのUV光照射量と水の接触角の関係を示す。図4に示すようにUV光照射によって水の接触角は95°から10°まで変化する。
254nmのUV光でゲートとなる部分以外をマスクで遮光してゲートとなる部分を露光した後、ゲート電極をインクジェット描画法を用いて形成を行った。電極材料には金ナノ粒子を水系の溶液に分散した物を用い(以下金ナノインクと呼ぶ)、金ナノインクを図13に示すようにゲートとなる低表面エネルギーのポリイミド上にインクジェット描画で塗布したところ、表面エネルギーが38mN/mと非常に低い為、金ナノインクはゲートとなるポリイミド表面に塗れ広がり、ゲート周辺部の表面自由エネルギーは低く保持されているため、ゲート部分のみに均一に広がって安定化した。
この状態で210℃のオーブンで120分焼成を行い、ゲート電極となる金ナノ粒子を粒子同士融着して金属化して電極化した。このゲート電極上にアルキル基を有しないゲート絶縁層として、ポリイミド(日産化学製 SE812)を約300nmの厚さになるようにスピンナーで塗布し300℃、30分焼成して形成した。この上に、側鎖にアルキル基を有するゲート絶縁層として、アルキル基の側鎖を持つ低表面エネルギーのポリイミド(試作サンプル)を30nm、オフセット印刷で形成し210℃のオーブンで60分焼成を行った。
二層構造のゲート絶縁層の形成後、図2に示すようなラビング機において、コットン製のラビングローラーを用いて1000rpmでラビング処理を行い、配向処理を行った。ラビング終了後、基板の洗浄を行い、254nmのUV光でチャネルとなる部分のみをマスクで遮光して露光した後、ソース・ドレイン電極をインクジェット描画法を用いて形成を行った。電極材料には金ナノ粒子インクを用い、この溶液をチャネルとなる低表面エネルギーのポリイミドの両側にインクジェット描画で塗布したところ、表面エネルギーが38mN/mと非常に低い為、金ナノインクはチャネルとなるポリイミドで堰き止められ、上層の両側では塗れ広がって安定化した。図9に実際に金ナノインクをインクジェット法で描画した後の写真を示す。図9のように5μmのチャネル長でもソース・ドレインとなる金ナノインクがチャネルの両側に広がり、チャネルがきれいに形成されているのがわかる。この状態で210℃のオーブンで120分焼成を行い、ソース・ドレインとなる金ナノ粒子を粒子同士融着して金属化して電極化した。
次に、チャネルとなる低表面エネルギーのポリイミド上に半導体層としてポルフィリン前駆体をトルエン溶媒に溶かしたものをインクジェットで描画法し、200℃のオーブンで60分焼成を行って結晶化させた。半導体層の膜厚は100nmとした。半導体膜の配向状態を偏向顕微鏡で確認したところ、明暗差が出てラビングした方向に配向していた。またチャネル長は5μmであった。さらにその上に絶縁層に用いたのと同じポリイミドを保護膜としてスピンコートにて500nm形成し250℃のオーブンで60分焼成を行った。
形成したボトムゲート型の有機トランジスタ上のゲート、ソース・ドレインに配線を行った。真空中で半導体パラメーターアナライザーを用いて形成した有機トランジスタの特性を測定したところ、0.2cm2 /Vs程度の高い移動度を持ち、ゲート電圧に対し良好な飽和特性を示した。
実施例2
ゲート配線上の下層の絶縁膜をポリイミドからプラズマCVDのSiO2 に変えた以外は、実施例1と同様にボトムゲート型の有機トランジスタ作製を行った。SiO2 の成膜条件は、TEOS/He/O2 =185sccm/100sccm/3500sccm、反応圧力800mtorr、基板温度330℃、膜厚300nmとした。
真空中で半導体パラメーターアナライザーを用いて形成した有機トランジスタの特性を測定したところ、0.3cm2 /Vsの移動度であった。
本実施例においてはガラス基板を用いているが、Si基板などの他のあらゆる無機系材料を用いることが可能である。また、高分子系の材料を用いることも可能であり、特に液晶性ポリマーなどはその低熱膨張性と高耐熱性から、本発明の有機トランジスタに適している。
本実施例においては、ゲート電極材料としてAuを用い、Auナノインクをインクジェット法で直接必要な場所に印刷して形成しているが、導電性金属材料としては、Agナノ粒子を用いた低温焼成型Agナノインク、あるいはAgが150℃で酸化還元反応を起こすことを利用した酸化銀と有機銀化合物を組み合わせた低温焼成型Agインクなども挙げられる。これらの材料は150℃、60分程度の焼成で金属Agに近い十分な低抵抗を示し、ゲート電極をインクジェット法やスクリーン印刷法などの印刷プロセスで形成する際に材料として望ましい。またAuやAg以外にもPtなどナノ粒子化による低温焼成化が可能なあらゆる導電性材料を用いた低温焼成型導電性インクやペーストを用いることが可能である。
上記二つの実施例においては、アルキル基を有しない絶縁層にポリイミドとSiO2 の二種類を用いているが、Al23 やTa25 などの無機系絶縁材料も使用可能である。また本発明においてはSiO2 は真空成膜を用いて成膜を行っているが、無機系の塗布型絶縁膜をスピンコートやオフセット印刷などで塗布し、焼成する方法も可能である。また、有機系絶縁材料としてポリイミド以外に、ポリアミド、ポリアミドイミドなどもスピンコートやオフセット印刷などで塗布が可能であり、絶縁性が高くかつリーク電流が低く、使用可能である。
本実施例においては、有機半導体層を並べるために、側鎖にアルキル基を持つポリイミド膜をラビングしているが、図3に示すような偏光紫外線装置を用いて、ポリイミド膜に偏向紫外線を照射することで有機半導体層を並べることも可能である。ポリイミド膜は紫外線によって主鎖骨格のイミド構造の開裂が起こるため、偏向した紫外線を照射することで光の偏向方向にイミド構造が残り、一方向に配向規制力が発生する。ソース・ドレイン電極形成後に側鎖にアルキル基をもったポリイミド膜に偏向紫外線を照射することで、ポリイミド膜上に形成した有機半導体層を一方向に並べることが可能になる。
また本実施例においては、ソース・ドレイン電極の導電性材料に金ナノ粒子を分散させた溶液を用いているが、Ptなどのナノ粒子化による低温焼成が可能なあらゆる高導電性金属ナノ粒子分散溶液を用いることが可能である。またインクジェット描画で塗布可能なPEDOT・PSS溶液などの有機系導電性材料も使用可能である。
本実施例においては半導体層にポルフィリンを用いているが、ペンタセンやルブレンの低分子半導体材料の可溶性前駆体や、材料そのものが可溶性の低分子半導体材料を用いることも可能である。低分子系材料の場合はホッピング伝導が主体であり、分子が基板に対して垂直であるとπ電子の重なりによって電子ホッピングの確率が高まり、より伝導度が高くなる傾向がある。一方で、高分子系の有機半導体材料としてP3HTやF8T2などを用いることも可能であるが、配向性の観点からみると低分子系の材料よりもやや効果が小さくなる。
比較例1
基板上に基板絶縁層としてアルキル基を有する絶縁層を設けない以外は、実施例1と同様にボトムゲート型の有機トランジスタ作製を行った。ガラス基板上にゲートとなるAuインクを直接インクジェットで描画し、ゲート電極を形成した。アルキル基を有する基板絶縁層が無く表面自由エネルギーのパターニングがされていない為、Auインクは塗れ広がらず、30μm程度のドット形状が繋がったものになり、高さも大きくばらつき一定にはならなかった。この状態で210℃のオーブンで120分焼成を行い、ゲート電極となる金ナノ粒子を粒子同士融着して金属化して電極化した。
このゲート電極上にアルキル基を有しないゲート絶縁層として、ポリイミド(日産化学製 SE812)を約300nmの厚さになるようにスピンナーで塗布し300℃、30分焼成して形成した。この上に、側鎖にアルキル基を有するゲート絶縁層として、アルキル基の側鎖を持つ低表面エネルギーのポリイミド(試作サンプル)を30nm、オフセット印刷で形成し210℃のオーブンで60分焼成を行った。
二層構造のゲート絶縁層の形成後、図2に示すようなラビング機において、コットン製のラビングローラーを用いて1000rpmでラビング処理を行い、配向処理を行った。ラビング終了後、基板の洗浄を行い、254nmのUV光でチャネルとなる部分のみをマスクで遮光して露光した後、ソース・ドレイン電極をインクジェット描画法を用いて形成を行った。電極材料には金ナノ粒子インクを用い、この溶液をチャネルとなる低表面エネルギーのポリイミドの両側にインクジェット描画で塗布したところ、表面エネルギーが38mN/mと非常に低い為、金ナノインクはチャネルとなるポリイミドで堰き止められ、上層の両側では塗れ広がって安定化した。この状態で210℃のオーブンで120分焼成を行い、ソース・ドレインとなる金ナノ粒子を粒子同士融着して金属化して電極化した。
次に、チャネルとなる低表面エネルギーのポリイミド上に半導体層としてポルフィリン前駆体をトルエン溶媒に溶かしたものをインクジェットで描画法し、200℃のオーブンで60分焼成を行って結晶化させた。半導体層の膜厚は100nmとした。半導体膜の配向状態を偏向顕微鏡で確認したところ、明暗差が出てラビングした方向に配向していた。またチャネル長は5μmであった。さらにその上に絶縁層に用いたのと同じポリイミドを保護膜としてスピンコートにて500nm形成し250℃のオーブンで60分焼成を行った。
形成したボトムゲート型の有機トランジスタ上のゲート、ソース・ドレインに配線を行った。真空中で半導体パラメーターアナライザーを用いて形成した有機トランジスタの特性を測定したところ、ゲート電極の幅や高さが大きくばらつき一定でないため、一定の電界を印可することが出来ず、安定なトランジスタ特性が得られなかった。
本発明の有機トランジスタは、高耐圧・低リーク電流・高性能の信頼性の高いトランジスタを実現できるので、ペーパーライクディスプレイ、有機IDタグ、有機EL等の電子デバイスへ利用することができる。
本発明の側鎖にアルキル基を有する絶縁層とアルキル基を有しない絶縁層の二層構造絶縁層を備えた場合のボトムゲートタイプの有機トランジスタの断面図である。 本発明のラビングによる配向制御の概念図である。 本発明に適用される偏向UV光による配向制御の概念図である。 本発明の実験の説明に適用される、254nmUV光照射量に対するアルキル基を側鎖に持つポリイミドの水の接触角の変化を示す図である。 本発明の実験の説明に適用される、254nmUV光照射量に対するアルキル基を側鎖に持つポリイミドの総合表面自由エネルギーの変化を示す図である。 本発明の実験の説明に適用される、254nmUV光照射量に対するアルキル基を側鎖に持つポリイミドの表面自由エネルギー各成分の変化を示す図である。 本発明の実験の説明に適用される、アルキル基を側鎖に持つポリイミドの原液濃度と膜厚の関係を示す図である。 本発明の実験の説明に適用される、254nmUV光照射に対するアルキル基を側鎖に持つポリイミドの水の接触角変化の膜厚依存を示す図である。 本発明の実施例の説明に適用される、254nmUV光照射でチャネル長=5μmになるように表面自由エネルギーがマッピングされたポリイミド上へのAuナノインクのインクジェット描画後の粒子構造を示す光学顕微鏡写真である。 本発明にともなう実験で、トランジスタの絶縁膜を側鎖にアルキル基を有するポリイミドとアルキル基を持たないポリイミドの積層構造で形成し、それぞれの膜厚を変化させて、Vthへの影響を調べた実験結果を示す図である。 本発明における、UV光を用いた配向膜の表面エネルギー制御を行う工程を示す図である。 本発明における、UV光を用いた基板絶縁層の表面エネルギー制御を行う工程を示す図である。 本発明における、UV光を用いた基板絶縁層の表面エネルギー制御後に、ゲート電極をインクジェットで形成する工程を示す図である。
符号の説明
10 有機トランジスタを形成する基板
11 基板絶縁層
12 ゲート電極
13 アルキル基を有しないゲート絶縁層
14 側鎖にアルキル基を有するゲート絶縁層
15 ソース・ドレイン電極
16 有機半導体層
17 ラビングローラー
18 UV光偏光
19 偏光フィルター
20 UV光ランプ
21 ガラス基板
22 基板絶縁層塗布部
23 ゲート絶縁層

Claims (6)

  1. 基板と、基板とゲート電極間に位置する基板絶縁層と、ゲート電極と、ゲート絶縁層と、ソース・ドレイン電極と、有機半導体層によって構成されるボトムゲート構造の有機トランジスタにおいて、前記ゲート絶縁層上層下層の二層構造からなり、前記基板絶縁層は、表面自由エネルギーが低い第1の部分と、表面自由エネルギーが高い第2の部分とを有し、前記第2の部分上にはインクジェット描画法によりゲート電極が形成されており、前記ゲート絶縁層の前記上層は、表面自由エネルギーが低い第3の部分と、表面自由エネルギーが高い第4の部分とを有し、前記第4の部分上にはインクジェット描画法によりソース・ドレイン電極が形成されており、前記第1の部分の表面自由エネルギー及び前記第3の部分の表面自由エネルギーは前記ゲート絶縁層の前記下層より低く、前記第2の部分及び前記第4の部分の表面自由エネルギーは50mN/m以上であることを特徴とする有機トランジスタ。
  2. 前記第1の部分及び前記第3の部分の表面自由エネルギーの水素結合成分が1.0mN/m以下であり、前記下層表面自由エネルギーの水素結合成分が2.0mN/m以上であり、前記第2の部分及び前記第4の部分の表面自由エネルギーの水素結合成分が5.0mN/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタ。
  3. 前記基板絶縁層及び前記上層側鎖にアルキル基を有するポリイミドであり前記下層側鎖にアルキル基を有しないポリイミドであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機トランジスタ。
  4. 前記基板絶縁層及び前記上層側鎖にアルキル基を有するポリイミドであり、かつ前記下層無機材料絶縁層であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機トランジスタ。
  5. 前記基板絶縁層膜厚及び前記上層膜厚が、前記下層膜厚より薄いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の有機トランジスタ。
  6. 前記基板絶縁層膜厚及び前記上層膜厚が2nm以上200nm以下であり、かつ前記下層膜厚が100nm以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の有機トランジスタ。
JP2005092792A 2005-03-28 2005-03-28 有機トランジスタ Expired - Fee Related JP4652866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005092792A JP4652866B2 (ja) 2005-03-28 2005-03-28 有機トランジスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005092792A JP4652866B2 (ja) 2005-03-28 2005-03-28 有機トランジスタ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009206368A Division JP5017339B2 (ja) 2009-09-07 2009-09-07 有機トランジスタの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006278534A JP2006278534A (ja) 2006-10-12
JP2006278534A5 JP2006278534A5 (ja) 2007-01-25
JP4652866B2 true JP4652866B2 (ja) 2011-03-16

Family

ID=37213007

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005092792A Expired - Fee Related JP4652866B2 (ja) 2005-03-28 2005-03-28 有機トランジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4652866B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5167707B2 (ja) 2006-08-04 2013-03-21 株式会社リコー 積層構造体、多層配線基板、アクティブマトリックス基板、並びに電子表示装置
WO2009011445A1 (en) * 2007-07-18 2009-01-22 Ricoh Company, Ltd. Laminate structure, electronic device, and display device
JP5332145B2 (ja) * 2007-07-18 2013-11-06 株式会社リコー 積層構造体、電子素子、電子素子アレイ及び表示装置
JP2009026900A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Ricoh Co Ltd 積層構造体、電子素子及びそれらの製造方法、表示装置
JP2009026901A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Ricoh Co Ltd 積層構造体、電子素子、電子素子アレイ及び表示装置
JP2010010296A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Ricoh Co Ltd 有機トランジスタアレイ及び表示装置
JP2011216647A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法、機能性素子の製造方法および半導体素子の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05346585A (ja) * 1991-10-30 1993-12-27 Canon Inc 液晶素子
JP2005051199A (ja) * 2003-07-17 2005-02-24 Seiko Epson Corp 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、電子回路、表示装置および電子機器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05346585A (ja) * 1991-10-30 1993-12-27 Canon Inc 液晶素子
JP2005051199A (ja) * 2003-07-17 2005-02-24 Seiko Epson Corp 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタの製造方法、電子回路、表示装置および電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006278534A (ja) 2006-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4502382B2 (ja) 有機トランジスタ
US7485576B2 (en) Method of forming conductive pattern, thin film transistor, and method of manufacturing the same
US8440518B2 (en) Method for manufacturing a pattern formed body, method for manufacturing a functional element, and method for manufacturing a semiconductor element
JP4652866B2 (ja) 有機トランジスタ
JP5168845B2 (ja) 積層構造体、積層構造体を用いた電子素子、これらの製造方法、電子素子アレイ及び表示装置
JP5121264B2 (ja) 積層構造体及びその製造方法
JP2005310962A (ja) 積層構造体、積層構造体を用いた電子素子、これらの製造方法、電子素子アレイ及び表示装置
JP2008524839A (ja) 電子デバイスアレイ
JP2008066567A (ja) 配線パターンとこれを用いた電子素子、有機半導体素子、積層配線パターンおよび積層配線基板
JP2009212127A (ja) 有機トランジスタの製造方法および有機トランジスタ
WO2009011445A1 (en) Laminate structure, electronic device, and display device
JP5017338B2 (ja) 有機トランジスタの製造方法
JP5332145B2 (ja) 積層構造体、電子素子、電子素子アレイ及び表示装置
JP2011259001A (ja) パターン形成体の製造方法、機能性素子の製造方法および半導体素子の製造方法
US7960207B2 (en) Organic thin film transistor and method of fabricating the same
JP5449736B2 (ja) ボトムゲート型有機薄膜トランジスタ及びその製造方法
WO2010034815A1 (en) Method for forming self-aligned electrodes
JP2006060113A5 (ja)
JP2011187750A (ja) 有機薄膜トランジスタの製造方法、有機薄膜トランジスタレイの製造方法及び表示装置の製造方法
JP5017339B2 (ja) 有機トランジスタの製造方法
JP2009026901A (ja) 積層構造体、電子素子、電子素子アレイ及び表示装置
JP2010199285A (ja) 配線基板の製造方法、電子素子および表示装置
JP5103982B2 (ja) 有機半導体素子の製造方法
JP5729540B2 (ja) 電界効果型トランジスタ及びその製造方法
JP5055844B2 (ja) 有機薄膜トランジスタ及び有機薄膜トランジスタの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061204

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100609

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees