JP4860954B2 - コンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法、表示素子、表示装置、半導体演算素子およびコンピュータ - Google Patents
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Description
半導体演算回路の例を図13に示す。図13において、p-ch、n-chは、それぞれ正孔輸送材を用いたトランジスタと、電子輸送材を用いたトランジスタを示している。これはNOT演算回路の例であるが、この他にも、図14(a)に例示されるように、OR、NAND、NOR、XOR演算回路等を構成すべく複数のトランジスタ400が層間絶縁膜501、502、503、504を介して集積・接続されている。すなわち、図14(a)の上下方向において層間絶縁膜502、503、504の一部を貫通して形成された接続孔511(以下、「コンタクトホール511」という)に形成された微細な配線電極510が、また層間絶縁膜501〜504上(図において層間絶縁膜501、502間、層間絶縁膜502、503間、層間絶縁膜503、504間の各界面上)に左右方向に延びて形成された微細な配線電極515が、図14(b)に示すトランジスタ400のソース電極403、ドレイン電極404にそれぞれ接続されることにより、高集積化した半導体演算素子が構成される。なお、図14(b)に示したトランジスタ400において、401はゲート電極を、402はゲート絶縁膜を、405は半導体をそれぞれ表している。
(1) 基板202上に、第一の導電性材料層201を形成
(2) 基板202および第一の導電性材料層201上に、有機絶縁材料層203を形成
(3) 有機絶縁材料層203上に、SiO2層204を形成
(4) SiO2層204上に、感光性材料層205を形成
(5) 露光マスク206を介してUVでマスク露光し、コンタクトホールの形状をパターニング
(6) 感光性材料層205エッチング
(7) SiO2層204エッチング
(8) 洗浄・乾燥
(9) 有機絶縁材料層203’成膜・形成
(10) 有機絶縁材料層203’上に、SiO2層204’を形成
(11) SiO2層204’上に、感光性材料層205’を形成した後、露光マスク206’を介してUVでマスク露光し、第二の導電性材料層の形状をパターニング
(12) 感光性材料層205’エッチング
(13) SiO2層204’エッチング
(14) 洗浄・乾燥
(15) ドライエッチングにより、有機絶縁材料層203’の薄膜を除去
(16) 第二の導電性材料層207を形成
(17) CMP(化学的機械研磨)
図17(a)において、層間絶縁膜311をエッチングしてコンタクトホール315(配線溝315)を形成し、さらに1次配線層310の図示しない保護膜をエッチングして、コンタクトホール315が形成されるための孔、配線が形成されるための配線溝が形成される。次に、図17(b)に概念的に示すように、金属と半導体の相互拡散による半導体基板中への金属の拡散進入を防ぐためのバリアメタルを埋め込み、次いで、孔および配線溝部に上部電極320になる例えば銅を埋め込みCMPにより余剰な銅を研磨することで、コンタクトホール315または配線もしくは配線電極である上部電極320を形成する。
これについて、図14(a)、(b)、図15から分かるように、コンタクトホール511,712/層間絶縁膜501〜505,705は、電極材料上だけでなく、トランジスタがある場合は半導体材料層上に成膜・形成される。
また、特開2004−193197号公報(特許文献3)記載の絶縁材料をパターニングする方法では、絶縁膜上に電極を形成するための方法として、フォトリソプロセスを用いているため、煩雑なプロセスが必要であるという問題点を有していた。
また、化学的機械研磨の工程を無くすとともに、絶縁膜材料の選定が限定されることなく有機半導体材料を使用しても損傷を与えない溶剤・溶媒を用いてコンタクトホール/層間絶縁膜を形成することが可能なコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法、表示素子、表示装置、半導体演算素子およびコンピュータを提供することを第二の目的としている。
請求項1記載の発明では、第一の導電性材料層と半導体層との上に、電気絶縁性材料層を第一の導電性材料層上の一部を除き形成した後、該一部を含む前記電気絶縁性材料層上に第二の導電性材料層を形成し、第一と第二の導電性材料層が前記一部を介し電気的に接続されるコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、第一の導電性材料層上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる低臨界表面張力層を形成し、第一の導電性材料層上における前記低臨界表面張力層の前記コンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、低臨界表面張力部を形成する工程と、その後、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有し、かつ、前記半導体層を冒さない第一の絶縁材料層を前記低臨界表面張力部以外に少なくとも一層形成した後、さらに前記低臨界表面張力部を避けた第一の絶縁材料層上に、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料層を形成する工程と、その後、前記低臨界表面張力部を避けた第二の絶縁材料層上に疎水性材料層を形成した後、前記低臨界表面張力部および第二の絶縁材料層上の前記疎水性材料層の一部領域にエネルギーの付与を行うことにより、前記低臨界表面張力部を除去するとともに前記疎水性材料層の前記一部領域を除去して、第一の導電性材料層上に開口する前記コンタクトホールを形成し、かつ、前記疎水性材料層が除去された前記一部領域の第二の絶縁材料層上に、第二の導電性材料層の非形成部位と比較して高臨界表面張力部を形成する工程と、その後、前記コンタクトホールおよび前記高臨界表面張力部上に第二の導電性材料層を形成する工程とを含み、第一と第二の導電性材料層が、第一と第二の絶縁材料層を挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、第一の導電性材料層と半導体層との上に、電気絶縁性材料層を第一の導電性材料層上の一部を除き形成した後、該一部を含む前記電気絶縁性材料層上に第二の導電性材料層を形成し、第一と第二の導電性材料層が前記一部を介し電気的に接続されるコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、第一の導電性材料層上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる低臨界表面張力層を形成し、第一の導電性材料層上における前記低臨界表面張力層の前記コンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、低臨界表面張力部を形成する工程と、その後、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有し、かつ、前記半導体層を冒さない第一の絶縁材料層を前記低臨界表面張力部以外に少なくとも一層形成した後、さらに前記低臨界表面張力部を避けた第一の絶縁材料層上に、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料層を成膜するための第二の絶縁材料であって、少なくとも第一の材料と第二の材料とからなり、第一の材料は、第二の材料と比較してエネルギーの付与によって臨界表面張力が大きく変化する機能を、第二の材料は、臨界表面張力変化以外の電気絶縁性機能をそれぞれ有し、第一および第二の材料は、その膜厚形成方向に前記各材料配合の濃度分布を持ち、最表層部における第一の材料の重量比濃度が、第二の材料のそれよりも高い第二の絶縁材料を成膜して第二の絶縁材料層を形成する工程と、その後、前記低臨界表面張力部および第二の絶縁材料層の一部領域にエネルギーの付与を行うことにより、前記低臨界表面張力部を除去して、第一の導電性材料層上に開口する前記コンタクトホールを形成し、かつ、第二の絶縁材料層上の前記一部領域に、第二の導電性材料層の非形成部位と比較して高臨界表面張力部を形成する工程と、その後、前記コンタクトホールおよび前記高臨界表面張力部上に第二の導電性材料層を形成する工程とを含み、第一と第二の導電性材料層が、第一と第二の絶縁材料層を挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、前記高臨界表面張力部と第二の絶縁材料層表面との臨界表面張力の差が、10mN/m以上であることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項7記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、前記紫外線照射を行う際の酸素濃度を、大気雰囲気を超える濃度としたことを特徴とする。
請求項10記載の発明では、請求項9記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、第一の材料が、疎水性基を含む高分子材料からなることを特徴とする。
請求項11記載の発明では、請求項10記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、前記疎水性基を含む高分子材料が、ポリイミドを含む高分子材料からなることを特徴とする。
請求項13記載の発明では、請求項12記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、凸版を用いる印刷法、孔版を用いる印刷法、平版を用いる印刷法、凹版を用いる印刷法、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つであることを特徴とする。
請求項14記載の発明では、請求項12記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、インクジェット法であることを特徴とする。
本発明によれば、従来法(例えばデュアルダマシン法等)と比較して、基本的な電子素子である電極や配線電極を構成するコンタクトホール/層間絶縁膜を形成・製造する工程全体の短縮化、簡素化を図ることができるとともに、コストダウンを図ることができ、また化学的機械研磨の工程を無くすとともに、絶縁材料の選定が限定されることなく有機半導体材料を使用しても損傷を与えない溶剤・溶媒を用いてコンタクトホール/層間絶縁膜を形成することができる(請求項1ないし14)。
本発明によれば、従来よりも安価な表示装置を提供することができる(請求項16)。
本発明によれば、従来よりも安価な半導体演算素子を提供することができる(請求項17)。
本発明によれば、従来よりも安価なコンピュータを提供することができる(請求項18)。
なお、「発明を実施するための最良の形態」において、第1の実施形態の変形例1を「参考例1」と、第3の実施形態の変形例2を「参考例2」と、それぞれ読み替えることとする。
まず、本発明の第1の実施形態に係るコンタクトホール/層間絶縁膜の基本的な形成方法の概要を説明する。本実施形態に係るコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法の概要は、基板上に形成された第一の導電性材料層と半導体層との上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料層と臨界表面張力が異なる低臨界表面張力層を形成し、第一の導電性材料層上における低臨界表面張力層のコンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、低臨界表面張力部を形成する工程と、その後、低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有し、かつ、半導体層を冒さない第一の絶縁材料層を低臨界表面張力部以外に少なくとも一層形成した後、さらに低臨界表面張力部を避けた第一の絶縁材料層上に、低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料層を形成する工程と、その後、低臨界表面張力部を避けた第二の絶縁材料層上に疎水性材料層を形成した後、低臨界表面張力部および第二の絶縁材料層上の疎水性材料層の一部領域にエネルギーの付与を行うことにより、低臨界表面張力部を除去するとともに疎水性材料層の一部領域を除去して、第一の導電性材料層上に開口するコンタクトホールを形成し、かつ、疎水性材料層が除去された一部領域の第二の絶縁材料層上に、第二の導電性材料層の非形成部位と比較して高臨界表面張力部を形成する工程と、その後、コンタクトホールおよび高臨界表面張力部に第二の導電性材料層を形成する工程とを含み、第一と第二の導電性材料層が、第一と第二の絶縁材料層を挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本実施形態に係るコンタクトホール/層間絶縁膜の作製プロセス(製造工程)の概要は、図1(a)に示すように、第一の導電性材料が基板2上に成膜して形成された第一の導電性材料層1上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる低臨界表面張力材料を成膜して低臨界表面張力層3を形成し、第一の導電性材料層1上における低臨界表面張力層3のコンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、低臨界表面張力部3aを形成する工程(図1(b)〜(c))と、その後、低臨界表面張力部3aよりも高い臨界表面張力を有し、かつ、図1では省略している半導体層を冒さない第一の絶縁材料を成膜して第一の絶縁材料層5を、低臨界表面張力部3a以外に少なくとも一層形成した後、さらに低臨界表面張力部3aを避けた第一の絶縁材料層5上に低臨界表面張力部3aよりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料を成膜して第二の絶縁材料層6を形成する工程(図1(d)〜(e))と、その後、低臨界表面張力部3aを避けた第二の絶縁材料層6上に疎水性材料を成膜して疎水性材料層9を形成する工程(図1(f))と、その後、低臨界表面張力部3aおよび第二の絶縁材料層6上の疎水性材料層9の一部領域にエネルギーの付与を行うことにより、該領域・部位の臨界表面張力(表面エネルギー)を向上させて、低臨界表面張力部3aを除去するとともに疎水性材料層9の一部領域を除去して、第一の導電性材料層1上に開口するコンタクトホール10を形成し、かつ、疎水性材料層9が除去された一部領域の第二の絶縁材料層6上に、第二の導電性材料層7の非形成部位と比較して高臨界表面張力部9bを形成する工程と、その後、コンタクトホール10および高臨界表面張力部9上に第二の導電性材料を成膜して第二の導電性材料層7を形成する工程(図1(g)〜(i))とを含み、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが、第一の絶縁材料層5と第二の絶縁材料層6を挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とする。
先ず、図1(a)に示すように、ガラスやポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン等のプラスチック、シリコンウェハ等からなる基板2上に、第一の導電性材料を成膜して第一の導電性材料層1を形成する。
第一の導電性材料層1を形成した結果の具体例としては、例えば従来例で説明したような半導体演算素子としてのトランジスタのソース電極やドレイン電極、あるいは表示装置を構成する表示素子の画素電極等が挙げられる。
ここで、エネルギーの付与によって低臨界表面張力部3aを含む低臨界表面張力層3が除去されない場合は、コンタクトホールが形成される部位に、導電性に寄与しない材料が残存するため、第一と第二の導電性材料層1,7の接触抵抗が大きくなる場合がある。この様な場合は、例えば図1(h)の形状を形成後、第一と第二の導電性材料層1,7間に数10V〜数100Vの電圧を印加することにより、第一と第二の導電性材料層1,7の接触抵抗を低減する等のプロセスを追加し、低臨界表面張力層3が完全に除去されなくとも、実使用上問題のない接触抵抗に抑えることも可能である。
さらに、疎水性基は、アルキル基の水素原子の実質的に全てがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基が好ましい。パーフルオロアルキル基は、CnF2n+1−(ただし、nは4〜16の整数)で表わされる基が好ましく、特に、nが6〜12の整数である場合の該基が好ましい。パーフルオロアルキル基は、直鎖構造であっても分岐構造であってもよく、直鎖構造が好ましい。上記アルキル基はその一部がハロゲン、芳香環で置換されていても良い。
また、Si元素を含まず、かつ、撥水性材料からなるものとしては、炭素数が4以上の比較的長いアルキル鎖、オキシアルキル鎖、パーフルオロカーボン鎖、フルオロカーボン鎖を少なくとも一つ有し、片方の分子末端に基板表面と相互作用するメルカプト基、カルボキシル基、リン酸基等の官能基が存在する化合物も適用可能である。また、複数の分子種からなる複合タイプの自己組織化膜でも良い。また、中心から次々と枝分かれしていくデンドリマー構造の高分子が基板表面に形成されたものも、自己組織化膜とする。
このように、低臨界表面張力層3を構成する材料が、Si元素を含まず、かつ、疎水性基を含む撥水性材料からなる自己組織化膜であることにより、基板2上および第一の導電性材料層1上に自発的に単分子膜が形成されているため、高精細なパターニングが可能となる。また、エネルギーの付与によって簡単に除去可能となる。
このため半導体層を、極性の低い有機溶媒に溶解可能な材料薄膜上に成膜する際、この材料に対し損傷を与えることなく、成膜することが可能となる。
水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒としては、エタノール、メタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶媒、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール等のセロソルブ系溶媒、N-メチルモルフィリンオキシド等のアミンオキシド系溶媒等が挙げられるが、半導体層がこれらの溶媒に冒されないことが前提となる。
フォトマスク4の黒塗色部はUVを遮る遮蔽部であり、白色部はUVが通過する開口部である。これは、図1(g)に示すフォトマスク8および後述する図5(c)、(g)に示すフォトマスク4A、フォトマスク8A等でも同様である)。
なお、上記利点を望まなくても良いのであれば、エネルギーの付与としては、例えば熱、電子線、プラズマ等のエネルギーを付与するものであっても良い(後述する例でも同様)。
また、水酸基、一級アミノ基、二級アミノ基の少なくとも一つを有する材料としては、ポリビニルアルコール、またナイロン6、ナイロン12等のナイロン系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール系化合物、デンプン、セルロース、メトキシセルロース、酢酸セルロース等の多糖類およびその誘導体材料が挙げられる。本発明における水酸基は、カルボキシル基中の水酸基も含む。
第一の絶縁材料層5、第二の絶縁材料層6は、その界面に接着層を設けて各薄膜間の密着力を向上させることも可能である。従って、図示しない半導体層に損傷を与えることなく層間絶縁膜/コンタクトホールを形成することが可能となる。
ここで、γSは固体111の表面張力、γSLは固体111と液体(液滴112)の界面張力、γLは液体(液滴112)の表面張力である。
(a)読取顕微鏡を液滴112に向け、顕微鏡内のカーソル線を液滴112の接点に合わせて角度を読取る接線法、
(b)十字のカーソルを液滴112の頂点に合わせ、一端を液滴112と固体111試料の接する点に合わせた時のカーソル線の角度を2倍することにより求めるθ/2法、
(c)モニター画面に液滴112を映し出し、円周上の1点(できれば頂点)と液滴112と固体111試料の接点(2点)をクリックしてコンピュータで処理する3点クリック法がある。(a)→(b)→(c)の順に精度が高くなる。
表1中、A:マルカリンカーM(丸善化学)、B:RN−1024(日産化学)、C:AG−7000(旭硝子)D:PIA−X491−E01(チッソ)である。
図1(f)に示したように、疎水性材料を第二の絶縁材料層6上に成膜して疎水性材料層9を形成する。従って、図16に示した従来法と比較して、非常に簡便な方法でコンタクトホール/層間絶縁膜の形成が可能となるため、製造コストの大幅な低減が可能となる。
疎水性材料例としては、低臨界表面張力層3の形成材料とほぼ同様に、炭素数が4以上の比較的長いアルキル鎖、オキシアルキル鎖、または末端構造が−CF2CH3、−CF2CF3、−CF(CF3)2、−C(CF3)3、−CF2H、−CFH2等であるフルオロカーボン基を有している材料を挙げられる。また、炭素数4以上のものがより好ましい。さらには、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロアルキル基(Rf基)が好ましく、特に炭素数4〜20のRf基が好ましく、そのうちでも取り分け、炭素数6〜12のRf基が好ましい。Rf基は直鎖構造であっても分岐構造であっても良いが、直鎖構造の方が好ましい。
また、疎水性材料例としては、炭素数が4以上の比較的長いアルキル鎖、オキシアルキル鎖、パーフルオロカーボン鎖、フルオロカーボン鎖を少なくとも一つ有し、片方の分子末端に基板表面と相互作用するメルカプト基、カルボキシル基、リン酸基等の官能基が存在する化合物も適用可能である。また、複数の分子種からなる複合タイプの自己組織化膜でも良い。また、中心から次々と枝分かれしていくデンドリマー構造の高分子が基板表面に形成されたものも、自己組織化膜とする。
このように、疎水性材料層9を構成する材料が、疎水性基を含む疎水性材料からなる自己組織化膜であることにより、第二の絶縁材料層6上に自発的に単分子膜が形成されているため、高精細なパターニングが可能となる。また、エネルギーの付与によって簡単に除去可能となる。
1導電性材料を溶媒に溶解したもの、
2導電性材料の前駆体若しくは前駆体を溶媒に溶解したもの)、
3導電性材料粒子を溶媒に分散したもの、
4導電性材料の前駆体粒子を溶媒に分散したもの、
等をいう。より具体的には、Ag、Au、Ni等の金属微粒子を有機溶媒や水に分散したものやドープドPANI (ポリアニリン)やPEDOT (ポリエチレンジオキシチオフェン)にPSS(ポリスチレンスルホン酸)をドープした導電性高分子の水溶液等を例示することができる。
導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法が、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つである場合、コンタクトホール/層間絶縁膜の電子素子作製時間が大幅に短縮可能となり、また印刷装置を必要としないため、製造コストの大幅低減が可能となる。
導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法が、インクジェット法である場合、疎水性材料層9に上述したように形成された高臨界表面張力部9bのみに導電層を形成可能となる。
また、化学的機械研磨の工程を無くすとともに、絶縁膜材料の選定が限定されることなく有機半導体材料を使用しても損傷を与えない溶剤・溶媒を用いてコンタクトホール/層間絶縁膜を形成することが可能なコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を提供できるとともに、コストの減少および信頼性の向上を図れる。
図4および図15に、第2の実施形態を示す。
図4には、第1の実施形態のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を使用して形成されたコンタクトホール/層間絶縁膜等の電子素子を用いた表示素子の一例としての液晶表示素子61の配線図を、図15には、括弧を付して示すように、第1の実施形態のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を使用して形成されたコンタクトホール/層間絶縁膜等の電子素子(具体的には図15に括弧を付して示すコンタクトホール10、第二の導電性材料層7でもある画素電極7)を用いた一例としての表示素子61を備えた表示装置60の断面構成図を示す。
図4において、階調信号線64からは各々の画素の階調に従って各能動素子68(例えばTFT)を介して各液晶セル67に電圧が印加されている。走査線65からは一ラインごとに順次オン/オフの信号電圧が各能動素子68を介して印加され、一画面の走査が終了した後、次画面の走査が開始される。動画対応の場合、この間隔は50Hz以上(1/50sec以下)であることが望ましい。保持容量としての各コンデンサ66は、一画面から次画面の走査に移るまでの時間、階調信号の電圧を充電する機能を有する。能動素子68において、Sは第一の電極としてのソース電極を、Dは第二の電極としてのドレイン電極を、Gは第三の電極としてのゲート電極をそれぞれ示す。
変形例1に係るコンタクトホール/層間絶縁膜の基本的な作製プロセス(製造工程)の概要は、第1の実施形態のそれと比較して、第1に、図5(a)に示すように、コンタクトホールが形成されない領域・部位の、基板2上に成膜・形成された第一の導電性材料層1上にのみ、上記半導体材料を成膜して半導体層11が形成されている点、第2に、図5(b)に示すように、半導体層11上にのみ、該半導体層11を冒さない第一の絶縁材料層5を少なくとも一層形成した後、コンタクトホールを形成すべき部位の第一の導電性材料層1上にのみ、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料1と臨界表面張力が異なる材料層である低臨界表面張力層3を形成し、その後、図5(c)、(d)に示すように、第一の導電性材料層1上における低臨界表面張力層3のコンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、コンタクトホールを形成すべき部位に低臨界表面張力部3aを形成する工程を有している点、第3に、低臨界表面張力部3aを避けた第一の導電性材料層1上および第一の絶縁材料層5上に、低臨界表面張力部3aよりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料を成膜して第二の絶縁材料層6を形成する(図5(e))点が主に相違する。
その他の工程は、第1の実施形態と実質的に同様である。すなわち、図5(e)に示すように、さらに低臨界表面張力部3aを避けた第二の絶縁材料層6上に疎水性材料を成膜して疎水性材料層9を形成する工程(図5(f))と、その後、低臨界表面張力部3aおよび第二の絶縁材料層6上の疎水性材料層9の一部領域にエネルギーの付与を行うことにより、該領域・部位の臨界表面張力(表面エネルギー)を向上させて、低臨界表面張力部3aを除去するとともに疎水性材料層9の一部領域を除去して、第一の導電性材料層1上に開口するコンタクトホール10を形成し、かつ、疎水性材料層9が除去された一部領域の第二の絶縁材料層6上に、第二の導電性材料層7の非形成部位と比較して高臨界表面張力部9bを形成する工程(図5(g)〜(h))と、その後、コンタクトホール10および高臨界表面張力部9b上に第二の導電性材料を成膜して第二の導電性材料層7を形成する工程(図5(i))とを含み、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが、第二の絶縁材料層6を挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とするものである。
変形例1における第一の絶縁材料層5は、上述したように半導体層をカバーすることが目的であるため、必ずしも図1等に示すように、コンタクトホール近傍まで正確にパターニングされている必要は無い。換言すれば、本変形例の場合、第一の絶縁材料層5は、上記各種印刷法等により半導体層11を覆う程度にパターニングされれば良く、高精度なパターニングは一般に不要である。
低臨界表面張力層3も、上記各種印刷法等によりコンタクトホール形成部近傍にパターニングされていれば良い。この低臨界表面張力層3がUV照射によって高い臨界表面張力を持つような材料に変化する場合は、必ずしも図5(d)のようにUV照射によって低臨界表面張力層3が除去されている必要は無く、コンタクトホール形成部位のみ低臨界表面張力部3aとなっていれば良い。
図5(c)で使用されるフォトマスク4Aは、図1(b)で使用されたフォトマスク4と比較して、上述した半導体層11がUV露光により劣化する場合である点を考慮して、半導体層11上を覆う第一の絶縁材料層5およびコンタクトホールが形成される部位である低臨界表面張力層3を覆うように形成されている点のみ相違する。同様に、図5(g)で使用されるフォトマスク8Aは、図1(g)で使用されたフォトマスク8と比較して、上述した半導体層11がUV露光により劣化する場合である点を考慮して、コンタクトホール10および高臨界表面張力部9bが形成される部位である疎水性材料層9上を覆うように形成されている点のみ相違する。
図6に、第3の実施形態に係るコンタクトホール/層間絶縁膜の基本的な作製プロセス(製造工程)を示す。第3の実施形態は、図1ないし図3に示した第1の実施形態と比較して、図1(f)に示した疎水性材料層9を形成する工程を除去するとともに、図1(e)に示した第二の絶縁材料層6を形成する工程に代えて、後で詳述するように少なくとも第一の材料と第二の材料とからなる第二の絶縁材料を成膜して第二の絶縁材料層6Aを形成する工程を有する点が主に相違する。これ以外の工程は、第1の実施形態と基本的に同様である。
第二の絶縁材料層6Aは、その断面模式図例を図7(a)〜図7(e)に示すように、第二の絶縁材料層6Aが少なくとも第一の材料51と第二の材料52からなり、第一の材料51は、第二の材料52と比べてエネルギーの付与によって臨界表面張力が大きく変化する機能を有し、第二の材料52は、臨界表面張力変化以外の機能、別言すれば濡れ性変化以外の機能を有し、図中矢印で示す膜厚方向に対して材料の濃度分布を持っていても良い。なお、図7(a)においては、第二の材料52の図における濃度が第一の材料51よりも濃いように示されているが、これは両者を識別するためのものであって材料自体の濃度を表すものでないことを付記しておく。
本実施形態においては、第二の絶縁材料層6Aが、少なくとも第一の材料51と第二の材料52からなり、エネルギーの付与によって第一の材料51の臨界表面張力の変化する割合が、第二の材料52のそれと比べて大きく、第二の材料52の電気絶縁性は、第一の材料のそれと比べて高くなるように構成しても良い。これにより、電気絶縁性に優れ、かつ、第二の導電性材料層7を微細パターニング可能な第二の絶縁材料層6Aを提供することが可能となる。
一方で、第二の材料52の重量比が増すと濡れ性変化が小さくなるため、第二の導電性材料層7のパターニングが良好でなくなる。それ故に、両者の混合比は望ましくは60/40〜95/5、さらに望ましくは70/30〜90/10である。また、第二の絶縁材料層6Aの体積固有抵抗値は、1×1012Ω・cm前後からそれ以上であることが好ましい。
具体的には、図8の概念図に示すように、ポリイミドや(メタ)アクリレート等の骨格を有する主鎖Lに直接あるいは図示しない結合基を介して疎水性基を有する化合物が主鎖L中、または側鎖Rに結合しているものを挙げることができる。
さらに、疎水性基としては、フッ素原子を含まない−CH2CH3、−CH(CH3)2、−C(CH3)3等の末端構造を有する基を挙げることができる。この場合にも、分子鎖同士を配向しやすくするためには炭素鎖長の長い基が好ましく、炭素数4以上のものがより好ましい。疎水性基は直鎖構造であっても分岐構造であっても良いが、直鎖構造の方が好ましい。上記アルキル基はハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していても良い。Rの結合部位が多いほど表面エネルギーが低く(臨界表面張力が小さく)、疎液性となると考えられる。UV照射等によって、結合の一部が切断される、あるいは配向状態が変化するために臨界表面張力が増加し、親液性になるものと推察される。
ポリイミド材料の成膜法は、図9に例示されるポリアミック酸を塗布後、加熱により図10に例示されるポリイミドとなる。このポリアミック酸は、極性溶媒に可溶であり、塗布成膜することが可能となる。図9および図10中、Xは芳香環、脂環を表している。
さらに一般的にポリイミド材料の比誘電率は、絶縁材料として一般的なSiO2の比誘電率よりも低く、層間絶縁膜として好適である。
本実施形態で用いられる疎水性基を有するポリイミドは、例えば以下の化1〜化5で示される化学式の構造の何れかを持つことができる。
これらの材料についての詳細は、特開2002−162630号、特開2003−96034号、特開2003−267982号公報等に詳しく記載されている。またこれら疎水性基の主鎖骨格を構成するテトラカルボン酸二無水物については、脂肪族系、脂環式、芳香族系など種々の材料を用いることが可能である。具体的には、ピロメリット酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物などである。この他特開平11−193345号、特開平11−193346号、特開平11−193347号公報等に詳しく記載されている材料についても用いることが可能である。
また上記化1〜化5で示されない疎水性基を含むポリイミドを用いることもできる。
図11(a)の原理的な模式図に示すように、第二の絶縁材料層6Aの表面にフォトマスク8を通してUVを照射する。これにより、図11(b)に示すように、低臨界表面張力部6Aaと高臨界表面張力部6Abとからなる濡れ性パターンが形成される。UVとしては、100nmから300nmの比較的短い波長の光が含まれるのが望ましい。図11において、12は第一の導電性材料層1の具体例としての電極である。このように、本実施形態における臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与が、UV照射である。従って、微細なパターンを容易に形成可能となる。
導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法が、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つである場合、電子素子としてのコンタクトホール/層間絶縁膜作製時間が大幅に短縮可能となり、また印刷装置を必要としないため、製造コストの大幅低減が可能となる。
導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法が、インクジェット法である場合、高臨界表面張力部6Abのみに導電層を形成可能となる。
図6(h)に示す工程を経て得られた電子素子としてのコンタクトホール/層間絶縁膜作製後、第一と第二の導電性材料層1、7間に電圧を印加する工程(プロセス)が付加されている。従って、第一と第二の導電性材料層1、7間の接続抵抗を下げることが可能となる。これは、低臨界表面張力層3等が、除去しきれずに残存し第一と第二の導電性材料層1、7間の抵抗が電子素子の実使用上問題となり得る場合においても、電圧の印加によりこれらが破壊されるためである。前記電圧は、電子素子としてのコンタクトホール/層間絶縁膜および図示を省略した半導体層全体が破壊されない程度に高圧の電圧を印加することが望ましい。
また、化学的機械研磨の工程を無くすとともに、絶縁膜材料の選定が限定されることなく有機半導体材料を使用しても損傷を与えない溶剤・溶媒を用いてコンタクトホール/層間絶縁膜を形成することが可能なコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を提供できるとともに、コストの減少および信頼性の向上を図れる。
以上説明したとおり、第3の実施形態においても、図4および図15に示した第2の実施形態と同様に構成することができる(以下、便宜的に「第4の実施形態」という)。すなわち、図4には、第3の実施形態のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を使用して形成されたコンタクトホール/層間絶縁膜等の電子素子を用いた表示素子の一例としての液晶表示素子61の配線図を、図15には、括弧を付して示すように、第3の実施形態のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を使用して形成されたコンタクトホール/層間絶縁膜等の電子素子(具体的には図15に括弧を付して示すコンタクトホール10、第二の導電性材料層7でもある画素電極7)を用いた一例としての表示素子61を備えた表示装置60の断面構成図を示す。
上述したとおり、第4の実施形態の表示素子および表示装置によれば、従来よりも製造工程を低減して工程の短縮化が可能となり、安価な表示素子、ひいては安価な表示装置を提供可能となる。
変形例2に係るコンタクトホール/層間絶縁膜の基本的な作製プロセス(製造工程)の概要は、第3の実施形態のそれと比較して、第1に、図12(a)に示すように、コンタクトホールが形成されない領域・部位の、基板2上に成膜・形成された第一の導電性材料層1上にのみ、上記半導体材料を成膜して半導体層11が形成されている点、第2に、図12(b)に示すように、半導体層11上にのみ、該半導体層11を冒さない第一の絶縁材料層5を少なくとも一層形成した後、コンタクトホールを形成すべき部位の第一の導電性材料層1上にのみ、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料1と臨界表面張力が異なる材料層である低臨界表面張力層3を形成し、その後、図12(c)、(d)に示すように、第一の導電性材料層1上における低臨界表面張力層3のコンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、コンタクトホールを形成すべき部位に低臨界表面張力部3aを形成する工程を有している点、第3に、低臨界表面張力部3aを避けた第一の導電性材料層1上および第一の絶縁材料層5上に、低臨界表面張力部3aよりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料を成膜して第二の絶縁材料層6を形成する点が主に相違する。
その他の工程は、第3の実施形態と実質的に同様である。すなわち、図12(e)に示すように、さらに低臨界表面張力部3aを避けた第一の絶縁材料層5上および第一の絶縁材料層5上に、低臨界表面張力部3aよりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料層6Aを成膜するための第二の絶縁材料であって、少なくとも第一の材料と第二の材料とからなり、第一の材料は、第二の材料と比較してエネルギーの付与によって臨界表面張力が大きく変化する機能を、第二の材料は、臨界表面張力変化以外の電気絶縁性機能をそれぞれ有し、第一および第二の材料は、その膜厚形成方向に前記各材料配合の濃度分布を持ち、最表層部における第一の材料の重量比濃度が、第二の材料のそれよりも高い第二の絶縁材料を成膜して第二の絶縁材料層6Aを形成する工程(図12(f))と、その後、第二の絶縁材料層6A上における第二の導電性材料層を形成すべき領域および低臨界表面張力部3aのみにエネルギーの付与を行うことにより、該領域・部位の臨界表面張力(表面エネルギー)を向上させて低臨界表面張力部3aを除去して、第一の導電性材料層1上に開口するコンタクトホール10を形成し、かつ、第二の絶縁材料層6A上の一部領域に、第二の導電性材料層の非形成部位(低臨界表面張力部6Aa)と比較して高臨界表面張力部6Abを形成する工程(図12(g))と、その後、コンタクトホール10および高臨界表面張力部6Ab上に第二の導電性材料を成膜して第二の導電性材料層7を形成する工程(図12(h))とを含み、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが、第二の絶縁材料層6Aを挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とするものである。
変形例2における第一の絶縁材料層5は、上述したように半導体層をカバーすることが目的であるため、必ずしも図6に示すように、コンタクトホール近傍まで正確にパターニングされている必要は無い。換言すれば、本変形例の場合、第一の絶縁材料層5は、上記各種印刷法等により半導体層11を覆う程度にパターニングされれば良く、高精度なパターニングは一般に不要である。
低臨界表面張力層3も、上記各種印刷法等によりコンタクトホール形成部近傍にパターニングされていれば良い。この低臨界表面張力層3がUV照射によって高い臨界表面張力を持つような材料に変化する場合は、必ずしも図12(d)のようにUV照射によって低臨界表面張力層3が除去されている必要は無く、コンタクトホール形成部位のみ低臨界表面張力部3aとなっていれば良い。
図12(c)で使用されるフォトマスク4Aは、図6(b)で使用されたフォトマスク4と比較して、上述した半導体層11がUV露光により劣化する場合である点を考慮して、半導体層11上を覆う第一の絶縁材料層5およびコンタクトホールが形成される部位である低臨界表面張力層3を覆うように形成されている点のみ相違する。同様に、図12(f)で使用されるフォトマスク8Aは、図6(f)で使用されたフォトマスク8と比較して、上述した半導体層11がUV露光により劣化する場合である点を考慮して、コンタクトホール10および高臨界表面張力部16Abが形成される部位である第二の絶縁材料層6A上を覆うように形成されている点のみ相違する。
図5の工程フローに従い、ガラス製の基板2上に第一の導電性材料としてCr/Au電極(20nm/80nm)をメタルマスク(図示せず)にてパターニング蒸着し、第一の導電性材料層1として膜厚100nmのCr/Au薄膜を形成した。このとき、図14(a)、(b)に示すような、配線電極近傍に半導体材料があることを想定し、化6に示す有機半導体材料を図5(a)に示すようにパターニング塗布した。
第一の絶縁材料層5としては、アルコール可溶性ナイロンを脱水したメタノール中に溶解し、半導体層11上にフレキソ印刷法にて成膜し形成した。
低臨界表面張力層3としては、チッソ社製の「PIA−X491−E01」(撥水性ポリイミド)をフレキソ印刷法にて、コンタクトホール形成部近傍にパターニング塗布後加熱焼成し、波長250nmの紫外光(9mW/cm2)を10分間照射し、図5(d)に示すとおりの低臨界表面張力部3aを形成した。
第二の絶縁材料層6としては、日産化学社製の「0A−1003」(アルコキシシラン系材料)に増粘剤を添加して約2000cpsとし、スクリーン印刷法にて図5(e)に示すとおり、低臨界表面張力部3a以外の部位に成膜し形成した。
疎水性材料層9としては、チッソ社製の「PIA−X491−E01」(撥水性ポリイミド)をフレキソ印刷法によって図5(f)に示すように成膜して形成し、波長250nmの紫外光(9mW/cm2)を1.5時間照射して、図5(h)に示すように低臨界表面張力部3aを除去すると同時に、高臨界表面張力部9bを形成した。
第二の導電性材料層7としては、Agナノメタルインクを図5(i)に示すように、インクジェット法にて成膜し形成した。
(1)半導体層11の目視評価
有機半導体層成膜直後と、全プロセス完了後の半導体層11の状態を目視にて比較した。
(2)第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7との抵抗値について、コンタクトホール形成部(図5(a)に示す左側)とコンタクトホール非形成部(図5(a)に示す右側)とを比較した。
各々の抵抗値を測定し、コンタクトホール形成部/コンタクトホール非形成部の抵抗値比を算出した。その結果を表2に示す。
図12の工程フローに従い、実施例1の第二の絶縁材料層6に代えて、第二の絶縁材料層6Aとしてチッソ社製の「PIA−X562」(撥水性ポリイミド)を採用し、疎水性材料を用いなかった以外は、実施例1と同様の材料仕様・条件等で実験を行った。その結果を上記表2に示す。
実施例2において、第一の絶縁材料層5を形成しなかった以外は、実施例2と同様の材料仕様・条件等で実験を行った。その結果を上記表2に示す。
また、上記表2における抵抗値比の測定結果から、実施例1および2については実使用上全く問題が無いレベルであるが、比較例1については抵抗値の測定が不能であるため採用できないことが分かった。
上記表2の総合評価より、実施例1および2については実使用上全く問題が無い合格レベルで採用できるが、比較例1については不合格で採用できないことが分かった。
2 基板
3 低臨界表面張力層
3a 低臨界表面張力部
4、4A、8、8A フォトマスク
5 第一の絶縁材料層
6、6A 第二の絶縁材料層
6Ab 高臨界表面張力部
7 第二の導電性材料層
9 疎水性材料層
9a 低臨界表面張力部
9b 高臨界表面張力部
10 コンタクトホール
11 半導体層
12 電極
13 層間絶縁膜
51 第一の材料
52 第二の材料
60 表示装置
61 表示素子
68 能動素子(TFT)
Claims (18)
- 第一の導電性材料層と半導体層との上に、電気絶縁性材料層を第一の導電性材料層上の一部を除き形成した後、該一部を含む前記電気絶縁性材料層上に第二の導電性材料層を形成し、第一と第二の導電性材料層が前記一部を介し電気的に接続されるコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
第一の導電性材料層上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる低臨界表面張力層を形成し、第一の導電性材料層上における前記低臨界表面張力層の前記コンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、低臨界表面張力部を形成する工程と、
その後、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有し、かつ、前記半導体層を冒さない第一の絶縁材料層を前記低臨界表面張力部以外に少なくとも一層形成した後、さらに前記低臨界表面張力部を避けた第一の絶縁材料層上に、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料層を形成する工程と、
その後、前記低臨界表面張力部を避けた第二の絶縁材料層上に疎水性材料層を形成した後、前記低臨界表面張力部および第二の絶縁材料層上の前記疎水性材料層の一部領域にエネルギーの付与を行うことにより、前記低臨界表面張力部を除去するとともに前記疎水性材料層の前記一部領域を除去して、第一の導電性材料層上に開口する前記コンタクトホールを形成し、かつ、前記疎水性材料層が除去された前記一部領域の第二の絶縁材料層上に、第二の導電性材料層の非形成部位と比較して高臨界表面張力部を形成する工程と、
その後、前記コンタクトホールおよび前記高臨界表面張力部上に第二の導電性材料層を形成する工程とを含み、
第一と第二の導電性材料層が、第一と第二の絶縁材料層を挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 第一の導電性材料層と半導体層との上に、電気絶縁性材料層を第一の導電性材料層上の一部を除き形成した後、該一部を含む前記電気絶縁性材料層上に第二の導電性材料層を形成し、第一と第二の導電性材料層が前記一部を介し電気的に接続されるコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
第一の導電性材料層上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる低臨界表面張力層を形成し、第一の導電性材料層上における前記低臨界表面張力層の前記コンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、低臨界表面張力部を形成する工程と、
その後、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有し、かつ、前記半導体層を冒さない第一の絶縁材料層を前記低臨界表面張力部以外に少なくとも一層形成した後、さらに前記低臨界表面張力部を避けた第一の絶縁材料層上に、前記低臨界表面張力部よりも高い臨界表面張力を有する第二の絶縁材料層を成膜するための第二の絶縁材料であって、少なくとも第一の材料と第二の材料とからなり、第一の材料は、第二の材料と比較してエネルギーの付与によって臨界表面張力が大きく変化する機能を、第二の材料は、臨界表面張力変化以外の電気絶縁性機能をそれぞれ有し、第一および第二の材料は、その膜厚形成方向に前記各材料配合の濃度分布を持ち、最表層部における第一の材料の重量比濃度が、第二の材料のそれよりも高い第二の絶縁材料を成膜して第二の絶縁材料層を形成する工程と、
その後、前記低臨界表面張力部および第二の絶縁材料層の一部領域にエネルギーの付与を行うことにより、前記低臨界表面張力部を除去して、第一の導電性材料層上に開口する前記コンタクトホールを形成し、かつ、第二の絶縁材料層上の前記一部領域に、第二の導電性材料層の非形成部位と比較して高臨界表面張力部を形成する工程と、
その後、前記コンタクトホールおよび前記高臨界表面張力部上に第二の導電性材料層を形成する工程とを含み、
第一と第二の導電性材料層が、第一と第二の絶縁材料層を挟持した状態で電気的に接続されていることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項1または2記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
第一の絶縁材料層が、水または水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒に可溶であり、かつ、その骨格中に水酸基、一級アミノ基、二級アミノ基の少なくとも一つを有する材料からなることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項1ないし3の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記低臨界表面張力層を構成する材料が、Si元素を含まず、かつ、撥水性材料からなることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項1ないし4の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記低臨界表面張力部と第一の導電性材料層表面との臨界表面張力の差が、10mN/m以上であることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項1ないし5の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記高臨界表面張力部と第二の絶縁材料層表面との臨界表面張力の差が、10mN/m以上であることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項1ないし6の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記エネルギーの付与が、紫外線照射であることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項7記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記紫外線照射を行う際の酸素濃度を、大気雰囲気を超える濃度としたことを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項2記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
第二の材料の電気絶縁性は、第一の材料のそれと比較して高いことを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項9記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
第一の材料が、疎水性基を含む高分子材料からなることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項10記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記疎水性基を含む高分子材料が、ポリイミドを含む高分子材料からなることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項1ないし11の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
第一と第二の導電性材料層の少なくとも一方が、導電性材料を含有する液体を付与されて形成されることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項12記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、凸版を用いる印刷法、孔版を用いる印刷法、平版を用いる印刷法、凹版を用いる印刷法、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つであることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜形成方法。 - 請求項12記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法において、
前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、インクジェット法であることを特徴とするコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法。 - 請求項1ないし14の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を使用して形成されたコンタクトホール/層間絶縁膜を用いたことを特徴とする表示素子。
- 請求項15記載の表示素子を備えたことを特徴とする表示装置。
- 請求項1ないし14の何れか一つに記載のコンタクトホール/層間絶縁膜の形成方法を使用して形成されたコンタクトホール/層間絶縁膜を用いたことを特徴とする半導体演算素子。
- 請求項17記載の半導体演算素子を備えたことを特徴とするコンピュータ。
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