JP4907873B2 - 電子素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子素子の製造方法に関し、さらに詳しくは、無機材料系・有機材料系半導体電子素子、表示素子等の多層配線を必要とする電子素子(具体的には電極の配線)全般に適用可能な電子素子の製造方法に関するものである。
近年のVLSI、ULSIのように、半導体演算素子等の電子素子の高集積化が求められるに伴い、素子の多層化および微細配線技術の重要性が増してきている。
半導体演算回路の例を図12に示す。図12において、p-ch、n-chは、それぞれ正孔輸送材を用いたトランジスタと、電子輸送材を用いたトランジスタを示している。これはNOT演算回路の例であるが、この他にも、図13(a)に例示されるように、OR、NAND、NOR、XOR演算回路等を構成すべく複数のトランジスタ400が層間絶縁膜501、502、503、504を介して集積・接続されている。すなわち、図13(a)の上下方向において層間絶縁膜502、503、504の一部を貫通して形成された接続孔511(以下、「コンタクトホール511」という)に形成された微細な配線電極510が、また層間絶縁膜501〜504上(図において層間絶縁膜501、502間、層間絶縁膜502、503間、層間絶縁膜503、504間の各界面上)に左右方向に延びて形成された微細な配線電極515が、図13(b)に示すトランジスタ400のソース電極403、ドレイン電極404にそれぞれ接続されることにより、高集積化した半導体演算素子が構成される。なお、図13(b)に示したトランジスタ400において、401はゲート電極を、402はゲート絶縁膜を、405は半導体をそれぞれ表している。
また、図14に示すように、例えば反射型液晶素子等の表示装置600を構成する表示素子610においては、例えばTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)等の能動素子である電子素子420を非表示側に配置し、画素電極602が層間絶縁膜505上に形成され、この画素電極602と透明導電膜603の図示しない電極間に電圧が印加されることにより表示素子610が画像の表示を行う。高精細な表示を行うためには、画素電極602が層間絶縁膜505上に微細に形成されている必要があり、さらにコンタクトホール512により電極どうしが接続されている必要がある。図14において、430は電子素子420を形成するための第一の基板を、440は電子素子420をアレイ状に配置した電子素子アレイを、601は透明導電膜603を形成するための第二の基板をそれぞれ示す。また、電子素子420(TFT)において、411はゲート電極を、412はゲート絶縁膜を、413はソース電極を、414はドレイン電極を、415は半導体をそれぞれ示している。
図14において、符号に括弧を付した表示装置60、表示素子61、コンタクトホール62および画素電極63は、従来例と区別するためのものであり、これらについては本発明の実施形態で説明する。
図19に、コンタクトホールの形成・位置状態を分かりやすく図示した表示装置700の一部を示す。同図において、表示装置700を構成する表示素子710においては、非表示面側に、例えばTFT等の能動素子である電子素子720を配置し、画素電極702(第二の導電性材料層)が層間絶縁膜705上に形成され、この画素電極702と透明電極703との間に電圧が印加されることにより、表示素子710が画像の表示を行う。高精細な表示を行うためには、画素電極702が層間絶縁膜705上に微細に形成されている必要があり、さらにコンタクトホール712により電極702,704どうし(第一と第二の導電性材料層どうし)が接続されている必要がある。図19において、701は電子素子720等を形成するための基板を、704は第二の導電性材料層を、破線で囲んで示す部位の符号706は保持容量をそれぞれ示す。なお、電子素子720は、図13に示した電子素子420(TFT)と基本的に同じものである。
一般に電極の微細形成方法として、以下のプロセスA:(1)〜(7)ステップに示されるフォトリソグラフィー法を用いたフォトリソプロセスが挙げられる。
(1)薄膜層を有する基板上にフォトレジスト層を塗布する(レジスト塗布)。
(2)加熱により溶剤を除去する(プリベーク)。
(3)パターンデータに従ってレーザーあるいは電子線を用いて描画されたハードマスクを通して紫外光を照射する(露光)。
(4)アルカリ溶液で露光部のレジストを除去する(現像)。
(5)加熱により未露光部(パターン部)のレジストを硬化する(ポストベーク)。
(6)エッチング液に浸漬またはエッチングガスに暴露し、レジストのない部分の薄膜層を除去する(エッチング)。
(7)アルカリ溶液または酸素ラジカルでレジストを除去する(レジスト剥離)。
しかし、この様な長い工程を必要とするため製造コストの増加といった問題を有していた。
この問題を解決するため、特開2002−261048号公報にはオルガノシロキサンを電極形成面に塗布し、UV露光により電極を配線する部位のみを親水化し、ここに超微粒子の金コロイド液、PEDOT溶液といった導電性インクをインクジェットにより塗布する方法が開示されている。この電極形成面が層間絶縁膜上であった場合、フォトリソグラフィー法よりも簡単なプロセスで電極パターンを微細形成することが可能となる。
コンタクトホール形成においても、前記プロセスAが適用可能であるが、長い工程を必要とするため、簡便なコンタクトホール形成法が考案されている。この例として、特開2003−7818号公報には、図15に示す方法が開示されている。
すなわち、図15には、1次配線層310と、層間絶縁膜311と、感光性シラザン膜312と、ビーム313とが示されている。1次配線層310は、半導体装置のまとまった機能ブロックを相互接続する配線310aと、配線間を絶縁するための層間絶縁膜310bと、配線310aで使用する配線材料が層間絶縁膜311へ拡散するのを防止するための保護膜310cとを有する。なお、図15に示す各符号は、前記特開2003−7818号公報の図1に示されている各符号に数値「300」を加えたものに相当する。
層間絶縁膜311は、配線間を絶縁するための膜である。感光性シラザン膜312は、感光性シラザンの膜からなり、感光性シラザンは、光酸発生材と増感剤を加えてポジ型の感光性を持たせたMSZ(Methylsilazane)であり、電子線や紫外線を照射し、膜中に光酸(H+)を発生させて、MSZを構成しているSi−N結合をきり、HOを吸収させ、TMAH(tetra−methl−ammonium hydroxide)溶液で現像処理することで、感光した部分の膜をエッチングする。また、N雰囲気中で400℃程度の熱処理により、光分解性のないMSQ(methylsilsesquiaxane)に変化させることにより、エッチングのストップ層として機能することが可能となる。
ビーム313は、電子線または紫外線であり感光性シラザン膜312に照射する。図15において省略しているが、まず、シリコン基板に、例えば所望のMOSトランジスタを形成し、このMOSトランジスタとの配線のための1次配線層310が形成されているとする。
図15(a)に示すように、1次配線層310の上面に層間絶縁膜311を成膜する。ここで、形成する層間絶縁膜311は、後の接続孔または配線溝を形成するための絶縁膜となるため、膜厚は、接続孔の深さと同じであるかまたは配線の深さ以上となる。次いで、層間絶縁膜311の上面に感光性シラザン膜312を形成する。
次に、図15(b)に示すように、ビーム313を感光性シラザン膜312に照射する。このとき、ビーム313は、層間絶縁膜311に形成する接続孔または配線溝となるような形状のマスクに通し、感光性シラザン膜312に照射する。次いで、感光性シラザン膜312の照射によって感光した部分を、TMAH溶液で現像処理して取り除きパターンニングする。さらに、N雰囲気中で400℃の熱処理を行うことにより、MSZをMSQ化、すなわちエッチングのストップ層として機能させる。
次に、図15(c)に示すように、層間絶縁膜311をエッチングして接続孔または配線溝を形成し、さらに1次配線層310の保護膜310cをエッチングして、接続孔が形成されるための孔、配線が形成されるための配線溝が形成される。次に、図16に概念的に示すように、金属と半導体の相互拡散による半導体基板中への金属の拡散進入を防ぐためのバリアメタルを埋め込み、次いで、孔および配線溝部に上部電極320になる例えば銅を埋め込みCMP(化学的機械研磨)により余剰な銅を研磨することで、接続孔315または配線もしくは配線電極である上部電極320を形成する。また上記の手順を、所望の回数繰り返すことにより多層配線層を形成し、半導体装置の多層配線を完成するというものである。
図16に、前記CMPの最も簡単なプロセス概念図を示す。図16(a)〜(c)において、300は配線310aを含む一次配線層310を形成するための基板を、315は接続孔(コンタクトホール)または配線溝を示している。なお、保護膜310cの図示は省略している。
また、図13、図14から分かるように、層間絶縁膜501〜505は電極材料上だけでなく、トランジスタがある場合は半導体材料層上に成膜・形成される。
一方、近年半導体材料として、有機材料を用いた素子が、低コスト化や大面積化容易性等の製造上のメリットや無機材料にない機能発現の可能性から注目されている。例えば、特開平7−86600号公報では、光や熱などの物理的外部刺激によりキャリア移動度が変化する有機半導体材料を用いた電界効果型トランジスタが提案されている。また、特開2003−318196号公報でも、有機半導体材料を用いた電界効果型トランジスタが提案されている。
層間絶縁膜材料としては、例えば特開平5−36627号公報に開示されているように、SiOが用いられている。
コンタクトホール形成においては、前述したものの他に、フォトリソプロセスを用いたヴィアホール(以下、「コンタクトホール」と言い替える)/層間絶縁膜形成方法が、例えば特開2001−168191号公報で開示されている。これは、半導体装置の製造方法に係る技術であり、半導体製品に適用されているデュアルダマシン法の一種であり、図20に示す工程と同様のプロセスを経て製造される。図20では、一部工程が省略されていて、形成する材料層等の名称を分かりやすく変更して示しているが、主な工程は次のようである。
(1) 基板202上に、第一の導電性材料層201を形成
(2) 基板202および第一の導電性材料層201上に、有機絶縁材料層203を形成
(3) 有機絶縁材料層203上に、SiO層204を形成
(4) SiO層204上に、感光性材料層205を形成
(5) 露光マスク206を介してUVでマスク露光し、コンタクトホールの形状をパターニング
(6) 感光性材料層205エッチング
(7) SiO層204エッチング
(8) 洗浄・乾燥
(9) 有機絶縁材料層203’成膜・形成
(10) 有機絶縁材料層203’上に、SiO層204’を形成
(11) SiO層204’上に、感光性材料層205’を形成した後、露光マスク206’を介してUVでマスク露光し、第二の導電性材料層の形状をパターニング
(12) 感光性材料層205’エッチング
(13) SiO層204’エッチング
(14) 洗浄・乾燥
(15) ドライエッチングにより、有機絶縁材料層203’の薄膜を除去
(16) 第二の導電性材料層207を形成
(17) CMP
さらに、特開2004−193197号公報等には、濡れ性の差を利用して絶縁材料をパターニングする方法として、基板密着性をUVで変化させ、絶縁材料をパターニングし、層間絶縁膜を形成する方法が開示されている。
特開2002−261048号公報 特開2003−7818号公報 特開平7−86600号公報 特開平5−36627号公報 特開2001−168191号公報 特開2003−318196号公報 特開2004−193197号公報 特許第2796575号公報
しかしながら、特開2002−261048号公報(特許文献1)記載の技術では、オルガノシロキサン自体には絶縁性という機能が無いため、絶縁材料塗布→オルガノシロキサン塗布→露光といったステップを踏む必要があった。多層構造を作製する場合、1層作製する際の作製ステップが少しでも多くなると、作製プロセスの全体の大幅な工程増加を招くという問題点を有していた。
特開2003−7818号公報(特許文献2)の図15および図16に示した製造方法では、化学的機械研磨によって上部電極320が図17および図18に示す様な形状、つまり上部電極320の中央部近傍がほぼU字状に凹んだり、傾斜した形状になりやすく、平坦度が確保しにくくなってしまい、これに電気的に接続される電極等との接続不良や信頼性の低下となりやすい問題点を有していた。なお、図16(c)に示されている上部電極320の研磨後の状態が望ましいことを付記しておく。
また、特開2003−7818号公報記載の技術は、コンタクトホール315を形成する際において簡便な方法であるが、それでもなお、層間絶縁膜311のエッチング、一次配線層310の保護膜310cのエッチングといったプロセスが必要であり、このプロセスの多さが製造コスト増加の原因となっており、さらに400℃という高温が必要であるため、基板等の材料選択に大きな制約があった。これは、特開2003−318196号公報(特許文献6)でも同様である。
特開平7−86600号公報(特許文献3)記載の技術における有機半導体材料は、トルエン、THF、キシレン等極性の小さい有機溶媒に溶解して塗布成膜する場合があり、この様な溶剤を用いて層間絶縁膜を成膜した場合、有機半導体材料層に対して損傷を与えるといった問題を有していた。
特開平5−36627号公報(特許文献4)に開示されているように、層間絶縁膜材料としてSiOを用いた場合、SiOは高い絶縁耐圧を有しているため、層間絶縁膜として信頼性が高い材料である反面、一般にスパッタ等の真空製膜プロセスにて成膜・形成する必要があるため、装置コストの増加を招くといった問題点がある。
この問題はSi、SiON等を用いた場合も同様であるため、スピンコート等の塗布プロセスで成膜可能で、かつ、高い絶縁耐圧を有する材料が望まれていた。また、層間絶縁膜においては、配線遅延の原因となる寄生容量を小さくすることが必要である。この配線遅延はLSI等半導体演算素子の動作周波数低下の原因であるため、SiOよりも比誘電率の小さい材料(ε=3.9未満)が望まれていた。
特開2001−168191号公報(特許文献5)記載のコンタクトホール/層間絶縁膜形成方法では、フォトリソプロセスを利用したものであるため、高精細なパターニングが可能となるが、図20に示したように非常に長いプロセスが必要となり、コスト増加の原因となっていた。
また、このプロセス中において(17)で使用されているCMPのプロセスとしては、図16(a)〜(c)に示されているCMPと同様であり、前述したと同様に、化学的機械研磨によって上部電極320に相当する第二の導電性材料層207の上面が図17および図18に示した上部電極320と同様な形状になりやすく、平坦度が確保しにくくなってしまい、これに電気的に接続される電極等との接続不良や信頼性の低下となりやすい問題点も有している。
さらに、特開2004−193197号公報(特許文献7)記載の絶縁材料をパターニングする方法では、絶縁膜上に電極を形成するための方法として、フォトリソプロセスを用いているため、煩雑なプロセスが必要であるという問題点を有している。
従って、本発明は、上述した事情に鑑みて前記各問題点を解決するためになされたものであり、半導体演算素子や表示素子等の電子素子の高集積化の下で、基本的な電子素子である電極や配線電極を形成・製造する工程全体の短縮化、簡素化を図れる電子素子の製造方法を提供することを主な目的としている。
また、化学的機械研磨の工程を無くすとともに、高温処理が不要で基板等の材料選択に大きな制約を与えることなく、有機半導体材料を使用しても損傷を与えず、かつ、層間絶縁膜材料としてスピンコート等の周知の塗布プロセスで成膜・形成可能で、高い絶縁耐圧を有する材料を用いて製作でき、なおかつ、配線遅延の原因となる寄生容量を小さくしてSiOよりも比誘電率の小さい材料を用いて製造できる電子素子の製造方法を提供することも目的としている。
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項毎の発明では、以下のような特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明では、少なくとも第一の導電性材料上に、絶縁性材料層が積層され、さらにその上に第二の導電性材料が積層されて、かつ、第一と第二の導電性材料の一部が電気的に接続されている電子素子の製造方法において、第一の導電性材料上に、エネルギーの付与によって形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部と、エネルギーの非付与部分に形成されるより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部とに臨界表面張力が変化する材料層であるパターニング層を形成する工程と、前記パターニング層における第一と第二の導電性材料層が電気的に接続されるべき第一の部位以外にエネルギーを付与することによって、前記高表面エネルギー部を第一の部位以外に、前記低表面エネルギー部を第一の部位に選択的に形成する工程と、エネルギーの付与によって形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部と、エネルギーの非付与部分に形成されるより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部とに臨界表面張力が変化する機能と絶縁機能とを有する絶縁性濡れ変化材料を含有した液体を、エネルギー付与後の前記パターニング層上に付与することにより、第一の部位以外の前記高表面エネルギー部に前記液体を付着させて、絶縁性濡れ変化材料層を第一の部位以外に形成する工程と、前記絶縁性濡れ変化材料層の一部分と第一の部位にエネルギーを付与することによって、前記高表面エネルギー部に対応した第二の部位を第一の部位に連通して形成する工程と、少なくとも第二の部位上に、導電性材料を含有する液体を付与することにより、エネルギー付与後の前記絶縁性濡れ変化材料層の前記高表面エネルギー部に前記液体を付着させて、第二の導電性材料を形成する工程とを含み、第一と第二の導電性材料が、前記絶縁性材料層を挟持した状態で、第一の部位で電気的に接続されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明では、少なくとも第一の導電性材料上に、絶縁性材料層が積層され、さらにその上に第二の導電性材料が積層されて、かつ、第一と第二の導電性材料の一部が電気的に接続されている電子素子の製造方法において、第一の導電性材料上に、エネルギーの付与によって除去可能であって、エネルギーの非付与部分にはより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部が形成され、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料層であるリムーバルパターニング層を形成する工程と、前記リムーバルパターニング層における第一と第二の導電性材料層が電気的に接続されるべき第一の部位以外にエネルギーを付与することによって、第一の部位以外の前記リムーバルパターニング層を除去するとともに、前記低表面エネルギー部を第一の部位に選択的に形成する工程と、エネルギーの付与によって形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部と、エネルギーの非付与部分に形成されるより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部とに臨界表面張力が変化する機能と絶縁機能とを有する絶縁性濡れ変化材料を含有した液体を、前記低表面エネルギー部である第1の部位および第一の導電性材料層上に付与することにより、第一の部位以外の第一の導電性材料層上に前記液体を付着させて、絶縁性濡れ変化材料層を第一の部位以外に形成する工程と、前記絶縁性濡れ変化材料層の一部分と第一の部位にエネルギーを付与することによって、前記高表面エネルギー部に対応した第二の部位を第一の部位に連通して形成する工程と、少なくとも第二の部位上に、導電性材料を含有する液体を付与することにより、エネルギー付与後の前記絶縁性濡れ変化材料層の前記高表面エネルギー部に前記液体を付着させて、第二の導電性材料を形成する工程とを含み、第一と第二の導電性材料が、前記絶縁性材料層を挟持した状態で、第一の部位で電気的に接続されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の電子素子の製造方法において、前記パターニング層または前記リムーバルパターニング層が自己組織化膜であることを特徴とする。
請求項4記載の発明では、請求項1ないし3の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記電子素子作製後、第一と第二の導電性材料間に電圧を印加する工程を付加したことを特徴とする。
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記パターニング層、前記絶縁性濡れ変化材料層または前記リムーバルパターニング層の形成に用いる溶剤が、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有していることを特徴とする。
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記低表面エネルギー部の臨界表面張力と前記高表面エネルギー部の臨界表面張力との差が、10mN/m以上であることを特徴とする。
請求項7記載の発明では、請求項1ないし6の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記絶縁性濡れ変化材料層が、二種類以上の材料からなることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の電子素子の製造方法において、前記絶縁性濡れ変化材料層が、少なくとも第一の材料と第二の材料からなり、前記エネルギーの付与によって第一の材料の臨界表面張力の変化する割合が、第二の材料のそれと比べて大きく、第二の材料の電気絶縁性は、第一の材料のそれと比べて高いことを特徴とする。
請求項9記載の発明では、請求項7または8記載の電子素子の製造方法において、前記絶縁性濡れ変化材料層が、誘電率を持つ、少なくとも第一の材料と第二の材料からなり、前記エネルギーの付与によって第一の材料の臨界表面張力の変化する割合が、第二の材料のそれと比べて大きく、第二の材料の誘電率は、第一の材料のそれと比べて低いことを特徴とする。
請求項10記載の発明では、請求項1ないし9の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記絶縁性濡れ変化材料層が、側鎖に疎水性基を有する高分子材料を含むことを特徴とする。
請求項11記載の発明では、請求項10記載の電子素子の製造方法において、前記側鎖に疎水性基を有する高分子材料は、ポリイミドを含む高分子材料からなることを特徴とする。
請求項12記載の発明では、請求項1ないし11の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与が、紫外線照射であることを特徴とする。
請求項13記載の発明では、第一の導電性材料上に、絶縁性の材料層が積層され、さらにその上に第二の導電性材料が積層されて、かつ、第一と第二の導電性材料の一部がコンタクトホールを介して電気的に接続される電子素子の製造方法において、第一の導電性材料上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料層である絶縁材料パターニング層を形成し、第一の導電性材料上の前記絶縁材料パターニング層の前記コンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、撥水部を形成する工程と、その後、絶縁性材料層を第一の導電性材料上の前記撥水部以外に形成した後、前記絶縁性材料層および前記撥水部上に、エネルギーの付与によって除去可能である低表面エネルギー層を形成する工程と、
その後、前記撥水部を含む前記低表面エネルギー層上であって第二の導電性材料層を形成すべき領域のみにエネルギーの付与を行うことにより、該領域の表面エネルギーを向上させて前記低表面エネルギー層を除去し、この上に導電性材料を含有する液体を付与し付着させて、第二の導電性材料を形成する工程とを含み、第一と第二の導電性材料が、前記絶縁性材料層を挟持した状態で、前記コンタクトホールとなる前記撥水部を介して電気的に接続されていることを特徴とする。
ここで、「第一の導電性材料上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料層である絶縁材料パターニング層を形成し」とは、第一の導電性材料上の全面に、一旦、絶縁材料パターニング層を形成した後、これを選択的に除去する場合も含むことを意味する。絶縁材料パターニング層は、上位概念用語で「第一の材料層」と、絶縁性材料層は、上位概念用語で「第二の材料層」と、低表面エネルギー層は、上位概念用語で「第三の材料層」とそれぞれ呼ぶことができる(以下同様)。
請求項14記載の発明では、請求項13記載の電子素子の製造方法において、前記絶縁材料パターニング層および前記低表面エネルギー層を構成する材料が、Si元素を含まず、かつ、疎水性基を含む自己組織化膜であることを特徴とする。
請求項15記載の発明では、請求項13または14記載の電子素子の製造方法において、前記絶縁材料パターニング層の形成に用いる溶剤が、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有していることを特徴とする。
請求項16記載の発明では、請求項13ないし15の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記撥水部と第一の導電性材料との表面エネルギーの差が、10mN/m以上であることを特徴とする。
請求項17記載の発明では、請求項13ないし16の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記低表面エネルギー層と前記絶縁性材料層との表面エネルギーの差が、10mN/m以上であることを特徴とする。
請求項18記載の発明では、請求項13ないし17の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、前記エネルギーの付与が、紫外線照射であることを特徴とする。
請求項19記載の発明では、請求項18記載の電子素子の製造方法において、前記紫外線照射を行う際の酸素濃度を、大気雰囲気を超える濃度としたことを特徴とする。
請求項20記載の発明では、請求項13ないし19の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、第一と第二の導電性材料層が電気的に接続される工程を有することを特徴とする
請求項21記載の発明では、請求項ないし20の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、第一の導電性材料層が、導電性材料を含有する液体を付与されて形成されることを特徴とする。
請求項22記載の発明では、請求項21記載の電子素子の製造方法において、前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、凸版を用いる印刷法、孔版を用いる印刷法、平版を用いる印刷法、凹版を用いる印刷法、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つであることを特徴とする。
請求項23記載の発明では、請求項21記載の電子素子の製造方法において、前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、インクジェット法であることを特徴とする。
本発明によれば、前記課題および従来の諸問題点を解決して新規な電子素子の製造方法を提供することができる。主な発明の効果を挙げれば次のとおりである。
本発明によれば、コンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続される構造を非常に簡単に製造することができる(請求項1)。
本発明によれば、絶縁性濡れ変化材料層の一部分と第一の部位にエネルギーを付与することによって、臨界表面張力の異なる第二の部位を第一の部位に連通して形成する工程によって、第二の部位の形成とリムーバルパターニング層の除去とが同時に行われるため、非常に簡単な工程で、コンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続される構造を非常に簡単に製造することができる(請求項2)。
本発明によれば、従来法(例えばデュアルダマシン法)と比較して、非常に簡便な方法で絶縁膜を介して電極どうしを接続可能とするコンタクトホールを非常に簡単に形成できるため、製造コストの大幅な低減ができる。また、請求項1および2と比較して、絶縁性材料層と低表面エネルギー層との各構成材料選択の自由度を広げることができる(請求項13)。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を含む本発明の実施形態および実施例を説明する。各実施形態および各実施例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等ならびに同一の材料からなる材料層等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態および各実施例等のそれと区別するものとする。
なお、「発明を実施するための最良の形態」の欄において、後述する第2の実施形態を「参考例」と、後述する第3の実施形態を「第2の実施形態」と、後述する第4の実施形態を「第3の実施形態」と、それぞれ読み替えることとする。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電子素子の基本的な作製プロセスおよび電子素子の構成の概要を説明する。
本実施形態に係る電子素子の基本的な作製プロセス(製造工程)の概要は、図1(a)〜図1(g)に示すように、第一の導電性材料で基板2の上に成膜・形成された第一の導電性材料層1上に、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する材料層であるパターニング層3を選択的に成膜・形成するとともに、臨界表面張力の異なる第一の部位Aを、第一の導電性材料層1と後述する第二の導電性材料が電気的に接続されるべき部位に形成する工程(図1(b)、図1(c))と、その後、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する機能と絶縁機能とを有する材料層である絶縁性濡れ変化材料層5を第一の部位A以外に成膜・形成する工程(図1(d))と、その後、絶縁性濡れ変化材料層5の一部分にエネルギーを付与することによって、臨界表面張力の異なる第二の部位Bを第一の部位Aに連通して形成する工程(図1(e)、(f))と、第二の部位B上に第二の導電性材料で第二の導電性材料層7を形成する工程(図1(g))とを含み、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが、絶縁性材料層としての絶縁性濡れ変化材料層5(低表面エネルギー部5aおよび高表面エネルギー5b)を挟持した状態で、第一の部位Aのみで電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、図1は、同図(f)、(g)に良く示されているように、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7との一部が、絶縁性材料層としての絶縁性濡れ変化材料層5を挟持した状態で、第一の部位Aのみで電気的に接続することを可能とするコンタクトホールの形成方法およびそれによって得られたコンタクトホールも示していることはいうまでもない。
上述した電子素子の製造方法によって得られた電子素子は、図1(g)に示すように、第一の導電性材料層1上に形成される材料層であって、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する材料を含み、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが電気的に接続されるべき第一の部位Aに連通して形成されるより臨界表面張力の小さい低表面エネルギー部3aと、より臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部3bとを有するパターニング層3(図1(b)に示すパターニング層3と区別するため図1(g)に括弧を付して示す)と、パターニング層3上に形成される材料層であって、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する(以下、「濡れ性変化」というときがある)機能と絶縁機能とを備え、少なくとも第一の部位Aに連通した第二の部位Bに形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー5b部と、より臨界表面張力の小さい低表面エネルギー部5aとを有する絶縁性濡れ変化材料層5(図1(d)に示す絶縁性濡れ変化材料層5と区別するため図1(g)に括弧を付して示す)と、少なくとも第二の部位Bに形成された第二の導電性材料層7とを具備し、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが、絶縁性材料層としての絶縁性濡れ変化材料層5(低表面エネルギー部5aおよび高表面エネルギー5b)を挟持した状態で、第一の部位Aのみで電気的に接続されていることを特徴とするものである。
以下、上記工程の詳細、上記各材料等の詳細および変形例について説明を加える。各工程や材料に共通する技術事項は、説明の便宜上から適宜の箇所でまとめて説明する。
先ず、図1(a)に示すように、ガラスやポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン等のプラスチック、シリコンウェハ、金属等からなる基板2上に、第一の導電性材料で形成された第一の導電性材料層1を成膜・形成する。
第一の導電性材料層1の基板2上への成膜・形成の仕方としては、導電性材料を含有する液体を付与・塗布されて形成される。このため、製造プロセスが簡便であって、かつ、微細構造を有する電子素子を提供可能となる。導電性材料を含有する液体の付与方法は、平版印刷法・凸版印刷法・凹版印刷法・孔版印刷法等、公知の印刷法が適用可能である。
導電性材料を含有する液体は、クロム(Cr)、Ta(タンタル)、チタン(Ti)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、金(Au)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag)、錫(Sn)等の金属、あるいは(1)ポリアセチレン系導電性高分子、ポリパラフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体等のポリフェニレン系導電性高分子、(2)ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンおよびその誘導体、ポリフランおよびその誘導体等の複素環系導電性高分子、ならびに(3)ポリアニリンおよびその誘導体等のイオン性導電性高分子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の導電性高分子を溶媒に分散または溶解した塗工液が用いられる。
第一の導電性材料層1を成膜・形成した結果の具体例としては、例えば従来例で説明したような半導体演算素子としてのトランジスタのソース電極やドレイン電極、あるいは表示装置を構成する表示素子の画素電極等が挙げられる。
次いで、図(b)に示すように、第一の導電性材料層1上に、エネルギー(紫外線)の付与によって臨界表面張力が変化するパターニング層3を選択的に成膜・形成するとともに、臨界表面張力の異なる第一の部位Aを、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7が電気的に接続されるべき部位に形成する工程が行われる。
パターニング層3および絶縁性濡れ変化材料層5を構成する材料は、低表面エネルギー材料であり、エネルギー付与によって高表面エネルギーに変化する材料である。この詳細は、さらに後で説明を加える。
パターニング層3は、Si元素を含まず、かつ疎水性基を含む自己組織化膜である。自己組織化膜は、基板2上および第一の導電性材料層1上に自発的に単分子膜が形成されているため、高精細なパターニングが可能となる。また、エネルギーの付与によって簡単に除去可能となる。
ここでSi元素を含まず、かつ疎水性基を含む自己組織化膜とは、脂肪酸などの界面活性剤分子、炭化水素鎖、またはフルオロアルキル基の末端に−SHが付与されたアルカンチオール類などの有機イオウ化合物、アルキルフォスフェート類などの有機リン酸化合物などが挙げられる。分子構造の一般的な共通性は、炭素数が5以上の比較的長いアルキル鎖、オキシエチレン鎖、フルオロカーボン鎖を有し、片方の分子末端に基板表面と相互作用するメルカプト基、カルボキシル基、リン酸基等の官能基が存在することである。また1分子中にこれらアルキル鎖、オキシエチレン鎖、フルオロカーボン鎖が、複合したタイプのものなどでも良い。また、複数の分子種から成る複合タイプの自己組織化膜でも良い。また、中心から次々と枝分かれしていくデンドリマー構造の高分子が基板表面に形成されたものも、本発明における自己組織化膜とする。
適用可能なアルカンチオールとしては、化1の一般式で表される化合物が好適である。
Figure 0004907873
化1の化学式において、XはCH−、CF−、CN−、ハロゲン基、ビニル基またはフェニル基であり、RおよびZは、HまたはFであり、mおよびnは、1<m+n<30を満たす整数、Yは−CH−、CF−、−CO−または−NH−である。
パターニング層3、絶縁性濡れ変化材料層5の成膜・形成に用いる溶剤は、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有している。このため、パターニング層3、絶縁性濡れ変化材料層5を、極性の低い有機溶媒に溶解する材料層上に成膜する際、これに対し損傷を与えることなく、成膜することが可能となる。
溶媒としては、エタノール、メタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系溶媒、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール等のセロソルブ系溶媒等が挙げられる。
本実施形態においてパターニング層3、絶縁性濡れ変化材料層5が塗布可能な材料であった場合、その成膜方法としては、凸版を用いる印刷法として、例えばフレキソ印刷、孔版を用いる印刷法として、例えばスクリーン印刷、平版を用いる印刷法として、例えばオフセット印刷、凹版を用いる印刷法として、例えばグラビア印刷、またスピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法といった方法によって成膜される。
臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与は、紫外線照射が好適である。従って、微細なパターンを容易に形成可能となる。パターニング層3の表面に露光マスク4を通して紫外線を照射する。これによりと高表面エネルギー部とからなるパターンが形成される。紫外線としては100nmから300nmの比較的短い波長の光が含まれるのが望ましい。露光マスク4の黒塗色部は紫外線を遮る遮蔽部であり、白色部は紫外線が通過する開口部である(図1(e)に示す露光マスク6および後述する第3および第4の実施形態でも同様である)。
なお、上記利点を望まなくてもよいのであれば、エネルギーの付与としては、例えば熱、電子線、プラズマ等のエネルギーを付与するものであってもよい(後述する例でも同様)。
パターニング層3、絶縁性濡れ変化材料層5には、紫外線照射によるエネルギーの付与によってより臨界表面張力の小さい低表面エネルギー部3a、5aと、より臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部3b、5bとが形成され、低表面エネルギー部3a、5aの臨界表面張力と高表面エネルギー部3b、5bの臨界表面張力との差が、10mN/m以上であることが肝要である。この内容を、図2〜図4および表1を参照して説明する。
図2は、本実施形態の図1(c)に示す工程および図1(f)に示す工程における状態を原理的構成例を使って説明する断面模式図である。図1(c)に示す工程におけるパターニング層3変化後の低表面エネルギー部3aおよび高表面エネルギー部3bには括弧を付さずに、これと反対に図1(f)に示す工程における絶縁性濡れ変化材料層5変化後の低表面エネルギー部5aおよび高表面エネルギー部5bには括弧を付して、両者を区別するものとする。
図2において、まず、パターニング層3の低表面エネルギー部3aおよび高表面エネルギー部3bについて説明する。例えば基板(図示せず)上に形成されたパターニング層3をベースとして、この上に絶縁性濡れ変化材料層5が成膜・形成されている。パターニング層3は、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する材料からなる層であって、本実施形態では、少なくとも臨界表面張力の異なる2つの部位として、より臨界表面張力の大きな高表面エネルギー部3bと、より臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部3aとを有している。ここに、図示例の2つの高表面エネルギー部3b間は、例えば、1〜5μm程度の微小ギャップに設定されている。そして、絶縁性濡れ変化材料層5に対して高表面エネルギー部3bの部位が形成されている。
パターニング層3は、前述したように、熱、紫外線、電子線、プラズマ等のエネルギーを与えることによって、臨界表面張力が変化する材料からなる層で、エネルギー付与前後での臨界表面張力の変化量が大きいものが好ましい。このような材料の場合、パターニング層3の一部分にエネルギーを付与し、高表面エネルギー部3bと低表面エネルギー部3aとからなる臨界表面張力の異なるパターンを形成することにより、絶縁性濡れ変化材料を含有する液体が、高表面エネルギー部3bには付着しやすく(親液性)、低表面エネルギー部3aには付着しにくく(疎液性もしくは撥水性)なるため、パターン形状に従って絶縁性濡れ変化材料を含有する液体が親液性である高表面エネルギー部3bに選択的に付着して、すなわち図1(d)に示すように第一の部位A以外の高表面エネルギー部3bに付着し、それを固化することにより絶縁性濡れ変化材料層5が成膜・形成される。
次に、絶縁性濡れ変化材料層5の低表面エネルギー部5aおよび高表面エネルギー部5bについて説明する。例えば基板および第一の導電性材料層1(図示せず)上に形成されたパターニング層3をベースとして、この上に絶縁性濡れ変化材料層5が成膜・形成されている。絶縁性濡れ変化材料層5は、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する材料からなる層であって、本実施形態では、少なくとも臨界表面張力の異なる2つの部位として、より臨界表面張力の大きな高表面エネルギー部5bと、より臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部5aとを有している。ここに、図示例の2つの高表面エネルギー部5b間は、例えば、1〜5μm程度の微小ギャップに設定されている。そして、第二の導電性材料層7に対して高表面エネルギー部5bの部位が形成されている。
パターニング層3と同様に、絶縁性濡れ変化材料層5は、熱、紫外線、電子線、プラズマ等のエネルギーを与えることによって、臨界表面張力が変化する材料からなる層で、エネルギー付与前後での臨界表面張力の変化量が大きいものが好ましい。このような材料の場合、絶縁性濡れ変化材料層5の一部分にエネルギーを付与し、高表面エネルギー部5bと低表面エネルギー5aとからなる臨界表面張力の異なるパターンを形成することにより、導電性材料を含有する液体が、高表面エネルギー部5bには付着しやすく(親液性)、低表面エネルギー部5aには付着しにくく(疎液性)なるため、パターン形状に従って導電性材料を含有する液体が親液性である高表面エネルギー部5bに選択的に付着し、それを固化することにより第二の導電性材料層7が形成される。
ここで、固体表面に対する液体の濡れ性(付着性)について付言する。図3は固体111表面上で液滴112が接触角θで平衡状態にある時の模式図で、ヤングの式(1)が成立する。
γS=γSL+γLcosθ …………(1)
ここで、γSは固体111の表面張力、γSLは固体111と液体(液滴112)の界面張力、γLは液体(液滴112)の表面張力である。
表面張力は表面エネルギーと実質的に同義であり、全く同じ値となる。cosθ=1の時、θ=0°となり、液体(液滴112)は完全に濡れる。この時のγLの値はγS−γSLとなり、これをその固体111の臨界表面張力γCと呼ぶ。γCは表面張力の分っている何種類かの液体を用いて、液体(液滴112)の表面張力と接触角の関係をプロットし、θ=0°(cosθ=1)となる表面張力を求めることにより容易に決定できる(Zismanプロット)。γCの大きい固体111表面には液体(液滴112)が濡れやすく(親液性)、γCの小さい固体111表面には液体(液滴112)が濡れにくい(疎液性)。
ここに、接触角θの測定は液滴法で行うのが簡便である。液滴法には、
(a)読取顕微鏡を液滴112に向け、顕微鏡内のカーソル線を液滴112の接点に合わせて角度を読取る接線法、
(b)十字のカーソルを液滴112の頂点に合わせ、一端を液滴112と固体111試料の接する点に合わせた時のカーソル線の角度を2倍することにより求めるθ/2法、
(c)モニター画面に液滴112を映し出し、円周上の1点(できれば頂点)と液滴112と固体111試料の接点(2点)をクリックしてコンピュータで処理する3点クリック法がある。(a)→(b)→(c)の順に精度が高くなる。
図4は、後述(実施例1)の材料(側鎖付ポリイミド)をパターニング層3および絶縁性濡れ変化材料層5に用い、紫外線未照射部と紫外線照射部とのZismanプロットを行ったものである。図から紫外線未照射部の臨界表面張力γCは約24mN/m、紫外線照射部の臨界表面張力γC′は約45mN/mであり、その差ΔγCは約21mN/mであることが分かる。
高表面エネルギー部3b、5bと低表面エネルギー部3a、5aとのパターン形状に従って絶縁性濡れ変化材料を含有する液体が、親液性である高表面エネルギー部3b、5bにのみ確実に付着するためには、表面エネルギー差が大きいこと、言い換えれば、臨界表面張力の差ΔγCが大きいことが必要である。
表1はガラス基板上に種々の材料からなるパターニング層3および絶縁性濡れ変化材料層5を形成し、エネルギー付与部と未付与部とのΔγCおよびポリアニリン(水溶液系導電性高分子)の選択付着性を評価したものである。選択付着性はエネルギー付与部と未付与部とからなるパターンの境界を含むエリアにポリアニリン水溶液を滴下し、余分の溶液を除去した後に未付与部に対するポリアニリンの付着(パターン不良)の有無を観察した。なお、表1中、A:マルカリンカーM(丸善化学)、B:RN−1024(日産化学)、C:AG−7000(旭硝子)、D:焼成後に化2ならびに化3の化学式で表されるポリイミド混合物である。
Figure 0004907873
Figure 0004907873
Figure 0004907873
表1よりパターニング層3、絶縁性濡れ変化材料層5の、低表面エネルギー部3a、5aの臨界表面張力と高表面エネルギー部3b、5bの臨界表面張力との差(ΔγC)は10mN/m以上であることが望ましく、15mN/m以上であることがさらに望ましいことが分かる。
従って、高表面エネルギー部3b、5bと低表面エネルギー部3a、5aとのパターン形状に従って導電性材料を含有する液体を親液性である高表面エネルギー部3b、5bにのみ確実に付着させるためには、表面エネルギー差が大きいこと、言い換えれば、これらのエネルギー部間の臨界表面張力の差が大きいことが必要であるが、この差を10mN/m以上とすることにより、確実に導電性材料含有の液体、すなわち絶縁性濡れ変化材料層5や第二の導電性材料を付着させることができる。
絶縁性濡れ変化材料層5の機能・特性について、さらに詳述する。
上述したとおり、絶縁性濡れ変化材料層5の成膜・形成に用いる溶剤は、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有している。ここで、水と任意の比率で溶解可能な溶媒の、絶縁性濡れ変化材料用の溶媒全体に占める割合は、30vol%(体積%)以上が望ましい。さらに望ましくは90vol%以上が望ましい。
絶縁性濡れ変化材料層5は、単一の材料からなるものであってもよいし、二種類以上の材料からなるものであってもよい。絶縁性濡れ変化材料層5を二種類以上の材料から形成した場合、異なった特性を持つ材料を用いることで、絶縁性濡れ変化材料層5に濡れ性変化以外の特性を持たせることが可能となる。
この例として、濡れ性変化は大きいが成膜性に問題がある材料を用いることが可能となるため選択できる材料が多くなる。具体的には、図5に断面模式的に示すように、絶縁性濡れ変化材料層5は、第一の材料51の濡れ性変化はより大きいが凝集力が強いため成膜することが困難な材料である場合に、この材料を成膜性のよい第二の材料52と混合することで、上記濡れ性変化層を容易に作製することが可能となる。
また、図6(a)〜(e)に示すように、絶縁性濡れ変化材料層5が少なくとも第一の材料51と第二の材料52からなり、第一の材料51は、第二の材料52と比べてエネルギーの付与によって臨界表面張力が大きく変化する機能を有し、第二の材料52は、濡れ性変化以外の機能を有し、図中矢印で示す膜厚方向に対して材料の濃度分布を持っていてもよい。なお、図6(a)においては、第二の材料52の図における濃度が第一の材料51よりも濃いように示されているが、これは両者を識別するためのものであって材料自体の濃度を表すものでないことを付記しておく。
本実施形態において、さらに望ましくは、最表層部における第一の材料51の濃度は100%に近いことが好ましい。このため、濡れ性変化機能を確実に発現可能となる。図5に示したような構造は、第一の材料51からなる層を作製した後に第二の材料52からなる層を順次積層して作製することが可能である。作製方法としては、真空蒸着などの真空プロセスを用いることも可能であるし、溶剤を用いた塗布プロセスを使用することも可能である。
図6(b)に示す構造を得るためのプロセスとして、第一の材料51と第二の材料52とを混合した溶液を基板に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。これは第一の材料51の極性が第二の材料52と比較して小さい場合、または第一の材料51の分子量が小さい場合などでは、乾燥時に溶媒が蒸発するまでの間に第一の材料51が表面側に移行し層を形成する。なお塗布プロセスを用いた場合は、図1に示したように、絶縁性濡れ変化材料層5の第一の材料51からなる層と第二の材料52からなる層は、界面によって明確に分離されない場合が多いが、本実施形態においては、最表層部における第一の材料51の濃度が第二の材料52の濃度よりも高ければ適用可能である。また図6(c)、図6(d)、図6(e)に示すように、膜厚方向に対して所定の濃度分布で第一および第二の材料51、52が混在していてもよい。
三種類以上の材料から絶縁性濡れ変化材料層5が構成されている場合は、三層以上の積層構造からなっていても構わないし、層構造を持たずに膜厚方向に対して所定の濃度分布で材料が混在していてもよい。
本実施形態においては、絶縁性濡れ変化材料層5が、少なくとも第一の材料51と第二の材料52からなり、エネルギーの付与によって第一の材料51の臨界表面張力の変化する割合が、第二の材料52のそれと比べて大きく、第二の材料52の電気絶縁性は、第一の材料のそれと比べて高くなるように構成してもよい。これにより、電気絶縁性に優れ、かつ、微細な導電層パターンを形成可能な積層構造体を提供することが可能となる。
この場合、電気絶縁性に優れた第二の材料52とエネルギーの付与によって臨界表面張力が大きく変化する第一の材料51の組成割合である第二/第一は、重量比で50/50〜99/1である。第一の材料51の重量比が増加するにつれ絶縁性濡れ変化材料層5の電気絶縁性が低くなり、電子素子の絶縁層としては不向きとなる。一方、第二の材料52の重量比が増すと濡れ性変化が小さくなるため、導電層のパターニングが良好でなくなる。それ故に、両者の混合比は望ましくは60/40〜95/5、さらに望ましくは70/30〜90/10である。また、絶縁性濡れ変化材料層5の体積固有抵抗値は、1×1012Ω・cm前後からそれ以上であることが好ましい。
本実施形態においては、絶縁性濡れ変化材料層5が、誘電率を持つ、少なくとも第一の材料51と第二の材料52からなり、エネルギーの付与によって第一の材料51の臨界表面張力の変化する割合が、第二の材料52のそれと比べて大きく、第二の材料52の誘電率は、第一の材料51のそれと比べて低くなるように構成してもよい。
従って、図13(a)、図14の様な層間絶縁膜500〜505を形成する際、配線遅延の原因となる寄生容量を小さくすることが可能となる。配線遅延はLSI等の半導体演算素子の動作周波数低下の原因となるため、これにより動作周波数の高い半導体演算素子を作製可能となる。本発明における低誘電率とは、一般的に絶縁膜として用いられているSiOの比誘電率:ξ=3.9未満を指す。
また、絶縁性濡れ変化材料層5を形成する絶縁性濡れ変化材料には、側鎖に疎水性基を有する高分子材料を用いるのが望ましい。エネルギーの付与によって臨界表面張力が大きく変化する絶縁性濡れ変化材料が、側鎖に疎水性基を有する高分子材料を含むものである。従って、エネルギーの付与によって、撥水部と親水部の差が大きくなるため、絶縁性濡れ変化材料層5上に微細に電極パターニングされた積層構造体を作製可能となる。
具体的には、図7の概念図に示すように、ポリイミドや(メタ)アクリレート等の骨格を有する主鎖Lに直接あるいは図示しない結合基を介して疎水性基を有する側鎖Rが結合しているものを挙げることができる。
疎水性基としては、末端構造が−CFCH、−CF2CF、−CF(CF)、−C(CF)、−CFH、−CFH等である基が挙げられる。分子鎖同士を配向しやすくするためには炭素鎖長の長い基が好ましく、炭素数4以上のものがより好ましい。さらには、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロアルキル基(以下、「Rf基」と記す)が好ましく、特に炭素数4〜20のRf基が好ましく、とりわけ、炭素数6〜12のRf基が好ましい。Rf基は直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造の方が好ましい。さらに、疎水性基は、アルキル基の水素原子の実質的に全てがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基が好ましい。パーフルオロアルキル基はC2n+1−(ただし、nは4〜16の整数)で表わされる基が好ましく、特に、nが6〜12の整数である場合の該基が好ましい。パーフルオロアルキル基は直鎖構造であっても分岐構造であってもよく、直鎖構造が好ましい。
上記材料については特開平3−178478号公報等に詳しく記載されて周知であり、加熱状態で液体または固体と接触させたときに親液性となり、空気中で加熱すると疎液性となる性質を有する。すなわち、(接触媒体の選択と)熱エネルギーの付与によって臨界表面張力を変化させることができる。
さらに、疎水性基としては、フッ素原子を含まない−CHCH、−CH(CH)、−C(CH)等の末端構造を有する基を挙げることができる。この場合にも、分子鎖同士を配向しやすくするためには炭素鎖長の長い基が好ましく、炭素数4以上のものがより好ましい。疎水性基は直鎖構造であっても分岐構造であってもよいが、直鎖構造の方が好ましい。上記アルキル基はハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。Rの結合部位が多いほど表面エネルギーが低く(臨界表面張力が小さく)、疎液性となると考えられる。紫外線照射等によって、結合の一部が切断される、あるいは配向状態が変化するために臨界表面張力が増加し、親液性になるものと推察される。
前記側鎖に疎水性基を有する高分子材料は、ポリイミドを含む高分子材料からなるものが望ましい。ポリイミドは、電気絶縁性、耐薬品性、耐熱性に優れているため、絶縁性濡れ変化材料層5上に電極層等を形成する際に、溶媒や焼成による温度変化によって、膨潤したりクラックが入るといったことがない。従って、積層構造体において、電気絶縁性に優れ、かつ、作製プロセス中に損傷をうけず、信頼性の高い絶縁性濡れ変化材料層5を形成することが可能となる。また、ポリイミド材料の成膜は、化4の化学式に例示されるポリアミック酸を塗布後、加熱により化5の化学式に例示されるポリイミドとなる。このポリアミック酸は、極性の高い化合物であるため、絶縁性濡れ変化材料層5の形成に用いる溶剤が、上述した水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒に可溶であり、極性の低い有機溶媒に溶解する材料層上に塗布することが可能となる。
Figure 0004907873
Figure 0004907873
また、絶縁性濡れ変化材料層5を二種類以上の材料から構成する場合においては、耐熱性、耐溶剤性、親和性を考慮すると、側鎖に疎水性基を有する高分子材料以外の材料もポリイミドからなることが望ましい。
さらに一般的にポリイミド材料の比誘電率は、絶縁材料として一般的なSiOの比誘電率よりも低く、層間絶縁膜として好適である。
本実施形態で用いられる側鎖に疎水性基を有するポリイミドの疎水性基は、例えば以下の化6〜化10で示される化学式の構造の何れかを持つことができる。
Figure 0004907873
ここで、Xは−CH−または−CHCH−であり、Aは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは1〜4個のフッ素で置換された1,4−フェニレンであり、A、AおよびAはそれぞれ独立して単結合、1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまたは1〜4個のフッ素で置換された1,4−フェニレンであり、B、B、Bはそれぞれ独立して単結合または−CHCH−であり、Bは炭素数1〜10までのアルキレンであり、R、R、R、R、およびRはそれぞれ独立して炭素数が1〜10までのアルキルであり、pは1以上の整数である。
Figure 0004907873
化7の化学式において、T、UおよびVはそれぞれ独立してベンゼン環またはシクロヘキサン環であり、これらの環上の任意のHは炭素数1〜3のアルキル、炭素数1〜3のフッ素置換アルキル、F、ClまたはCNで置換されていてもよく、mおよびnはそれぞれ独立して0〜2の整数であり、hは0〜5の整数であり、RはH、F、Cl、CNまたは1価の有機基であり、mが2の場合の2個のUまたはnが2の場合の2個のVはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
Figure 0004907873
化8の化学式において、連結基ZはCH、CFH、CF、CHCHまたはCFOであり、環Yは1,4−シクロへキシレンまたは1〜4個のHがFまたはCHで置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、A〜Aはそれぞれ独立して単結合、1,4−シクロへキシレンまたは1〜4個のHがFまたはCHで置き換えられてもよい1,4−フェニレンであり、B〜Bはそれぞれ独立して単結合、炭素数1〜4のアルキレン、酸素原子、炭素数1〜3のオキシアルキレンまたは炭素数1〜3のアルキレンオキシであり、RはH、任意のCHがCFで置き換えられてもよい炭素数1〜10のアルキル、または1個のCHがCFで置き換えられてもよい炭素数1〜9のアルコキシもしくはアルコキシアルキルであり、ベンゼン環に対するアミノ基の結合位置は任意の位置である。但し、ZがCHである場合には、B〜Bのすべてが同時に炭素数1〜4のアルキレンであることはなく、ZがCHCHであって、環Yが1,4−フェニレンである場合には、AおよびAがともに単結合であることはなく、またZがCFOである場合には、環Yが1,4−シクロへキシレンであることはない。
Figure 0004907873
化9の化学式において、R2は水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、ZはCH基であり、mは0〜2であり、環Aはベンゼン環またはシクロヘキサン環であり、lは0または1であり、各Yは独立に酸素原子またはCH基であり、各nは独立に0または1である。
Figure 0004907873
化10の化学式において、各Yは独立に酸素原子またはCH基であり、R3、R4は独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基またはパーフルオロアルキル基であり、少なくとも一方は炭素数3以上のアルキル基、またはパーフルオロアルキル基であり、各nは独立に0または1である。
これらの材料についての詳細は、特開2002−162630号、特開2003−96034号、特開2003−267982号公報等に詳しく記載されている。またこれら疎水性基の主鎖骨格を構成するテトラカルボン酸二無水物については、脂肪族系、脂環式、芳香族系など種々の材料を用いることが可能である。具体的には、ピロメリット酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物などである。この他特開平11−193345号、特開平11−193346号、特開平11−193347号公報等に詳しく記載されている材料についても用いることが可能である。
上述したように、上記化6〜化10の疎水性基を含むポリイミドは単独で用いてもよいし、他の材料と混合し用いてもよい。ただし、混合して用いる場合は、耐熱性、耐溶剤性、親和性を考慮すると、混合する材料もポリイミドであることが望ましい。
また上記化6〜化10で示されない疎水性基を含むポリイミドを用いることもできる。
本実施形態における絶縁性濡れ変化材料層5の厚さは、30nm〜3μmが好ましく、50nm〜1μmがさらに好ましい。これより薄い場合にはバルク体としての特性(絶縁性、ガスバリア性、防湿性等)が損なわれ、これより厚い場合には表面形状が悪化するため好ましくない。
図1(e)に示したように、絶縁性濡れ変化材料層5の一部分にエネルギーとしての紫外線照射を付与することによって、低表面エネルギー部5aおよび高表面エネルギー部5bを形成する工程を補足説明する。
図8(a)の原理的な模式図に示すように、絶縁性濡れ変化材料層の表面に露光マスク6を通して紫外線を照射する。これにより、図8(b)に示すように、低表面エネルギー部5aと高表面エネルギー部5bとからなる濡れ性パターンが形成される。紫外線としては、100nmから300nmの比較的短い波長の光が含まれるのが望ましい。図8において、9は第一の導電性材料層1の具体例としての電極である。このように、本実施形態における臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与が、紫外線照射である。従って、微細なパターンを容易に形成可能となる。
次に、第二の部位B上に第二の導電性材料で第二の導電性材料層7を形成する際の図1(f)〜図1(g)間に行われる導電性材料を含有する液体を塗布し成膜する工程を補足説明する。第二の導電性材料を含有する液体の付与方法は、第一の導電性材料層1を成膜するときと同様に、平版印刷法・凸版印刷法・凹版印刷法・孔版印刷法等、公知の印刷法が適用可能である。導電性材料を含有する液体の具体例は、第一の導電性材料層1を成膜するときに説明したのと同様である。
ここで、第一の導電性材料層1を含め第二の導電性材料層7は、望ましくは導電性材料を含有する液体を加熱、紫外線照射等によって固化することによって得られる層である。なお、導電性材料を含有する液体とは、
1導電性材料を溶媒に溶解したもの、
2導電性材料の前駆体若しくは前駆体を溶媒に溶解したもの)、
3導電性材料粒子を溶媒に分散したもの、
4導電性材料の前駆体粒子を溶媒に分散したもの、
等をいう。より具体的には、Ag、Au、Ni等の金属微粒子を有機溶媒や水に分散したものやドープドPANI (ポリアニリン)やPEDOT (ポリエチレンジオキシチオフェン)にPSS(ポリスチレンスルホン酸)をドープした導電性高分子の水溶液等を例示することができる。
本実施形態において導電性材料は、一部上述したように、凸版を用いる印刷法として、例えばフレキソ印刷、孔版を用いる印刷法として、例えばスクリーン印刷、平版を用いる印刷法として、例えばオフセット印刷、凹版を用いる印刷法として、例えばグラビア印刷、またスピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法といった塗布方法によって成膜される。このため、蒸着法等の真空成膜プロセスと比較し、製造コストを低減することが可能となる。
導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法が、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つである場合、電子素子作製時間が大幅に短縮可能となり、また印刷装置を必要としないため、製造コストの大幅低減が可能となる。
導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法が、インクジェット法である場合、高表面エネルギー部5bのみに導電層を形成可能となる。
図9(a)、(b)に示すように、電極配線の微細化に伴い形成すべき各電極の電極間距離L1が小さくなり、導電性材料を付与する際に図9(c)に示すように各電極が短絡する場合が生じる。本実施形態では、インクジェット法を用いて電極間距離L1を確保しながら高表面エネルギー部5bにのみ導電性材料を付与することが可能となるため、短絡を生じたりすることなく、このような微細加工において信頼性の高い製造プロセスを提供することが可能となる。
図1(g)に示すように、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7との間にパターニング層が残存しているが、パターニング層3の低表面エネルギー部3aの抵抗が問題となる場合、換言すればパターニング層3が自己組織膜(単分子膜)でない場合は、図1(f)に示した工程の後、パターニング層3の低表面エネルギー部3aを、第二の部位Bの表面エネルギーが変化しないようにエッチングしてから第二の導電性材料層7としての第二電極層を成膜する。例えば、絶縁性濡れ変化材料が耐溶剤性良好であり、パターニング層3が耐溶剤性が低い場合、その溶剤を用いてエッチングすることが可能である。
パターニング層3が自己組織膜(単分子膜)である場合には、非常に薄い膜であることから実質的な電気絶縁性の役割が無く、電気的に問題なく導通するので、パターニング層3の低表面エネルギー部3aの抵抗が問題となることはない。
図1(g)に示す工程を経て得られた電子素子作製後、第一と第二の導電性材料層1、7間に電圧を印加する工程(プロセス)が付加されている。従って、第一と第二の導電性材料層1、7間の接続抵抗を下げることが可能となる。これは、パターニング層3、図11に示すリムーバルパターニング層8等が、除去しきれずに残存し第一と第二の導電性材料層1、7間の抵抗が電子素子の実使用上問題となり得る場合においても、電圧の印加によりこれらが破壊されるためである。前記電圧は、電子素子全体が破壊されない程度に高圧の電圧を印加することが望ましい。
このように、本実施形態によれば、従来と比較して電子素子の製造工程を低減可能となり、コンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続されている構造(例えば配線電極)を非常に簡単に製造可能となる。
また、後述する図21に示す第4の実施形態におけるコンタクトホール・電子素子の形成・製造プロセスと比較して、低表面エネルギー層の成膜・形成が不要であり、コンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続されている構造を、第4の実施形態のプロセスよりもさらに簡単に製造できる。
(第2の実施形態)
図10および図19に、第2の実施形態を示す。
図10には、第1の実施形態のコンタクトホールの形成方法を使用して形成されたコンタクトホール、電子素子の製造方法およびこれを使用して得られた電子素子(具体的には図14に括弧を付して示すコンタクトホール62、画素電極63)を用いた表示素子の一例としての液晶表示素子61の配線図を、図14には同液晶表示素子61を備えた表示装置60の表示部の構成を示す。
図19には、第1の実施形態のコンタクトホールの形成方法を使用して形成されたコンタクトホール、電子素子の製造方法およびこれを使用して得られた電子素子(具体的には図19に示すコンタクトホール712、画素電極702)を用いた一例としての表示素子710を備えた表示装置700の断面構成図を示す。
図10において、階調信号線64からは各々の画素の階調に従って各能動素子68(例えばTFT)を介して各液晶セル67に電圧が印加されている。走査線65からは一ラインごとに順次オン/オフの信号電圧が各能動素子68を介して印加され、一画面の走査が終了した後、次画面の走査が開始される。動画対応の場合、この間隔は50Hz以上(1/50sec以下)であることが望ましい。各コンデンサ66は、一画面から次画面の走査に移るまでの時間、階調信号の電圧を充電する機能を有する。能動素子68において、Sは第一の電極としてのソース電極を、Dは第二の電極としてのドレイン電極を、Gは第三の電極としてのゲート電極をそれぞれ示す。
図14において、上述したような電子素子アレイ440を構成する基板430と透明導電膜603を有する第二の基板601との間に表示素子610が設けられ、電子素子420(TFT)によって画素電極を兼ねるドレイン電極414上の表示素子610がスイッチングされる。第二の基板601としては、ガラスやポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン等のプラスチックを用いることができる。表示素子610としては液晶、電気泳動、有機EL等の方式を用いることができる。
このように電子素子アレイ440上に表示素子610が積層される反射型液晶素子等においては、電子素子アレイ440上に層間絶縁膜505を設け、コンタクトホール62を通じて層間絶縁膜505上に設けた画素電極63が、電子素子420のドレイン電極414と接続される。
上述したとおり、本実施形態の表示素子および表示装置によれば、従来よりも製造工程を低減して工程の短縮化が可能となり、安価な表示素子、ひいては安価な表示装置を提供可能となる。
第1の実施形態の電子素子の製造方法およびこれを使用して得られた電子素子は、LSI、VLSI、ULSI、ひいてはマイクロコンピュータやホストコンピュータ、ワークステーションあるいはパーソナルコンピュータを構成する半導体素子であるトランジスタ、ダイオードを接続する配線電極やコンタクトホールとして適用できる。これにより、従来よりも製造工程を低減して工程の短縮化が可能となり、安価な半導体演算素子を提供することが可能となる。動作周波数向上のため、層間絶縁膜には低誘電率材料を用いることが好ましい。
上述したとおり、第1および第2の実施形態によれば、半導体演算素子や表示素子等の電子素子の高集積化の下で、最も基本的な電子素子である電極や配線電極およびコンタクトホールを作製する製造工程を低減してプロセス(工程)全体の短縮化、簡素化を図ることができるとともに、装置コストを低減することができる。また、適宜の箇所に記載した利点および効果も奏する。
図1の工程フローに従い実施した実施例1について説明する。
図1の工程フローに従い、ガラス製の基板2上に第一の導電性材料としてCr/Au電極をメタル製の露光マスク(図示せず)にてパターニング蒸着し、第一の導電性材料層1として膜厚100nmのCr/Au薄膜を形成した。次にパターニング層3として、焼成後に化11および上記化2の化学式で表される構造体となる前駆体を溶解した混合溶液を、スピンコート法にて塗布し180℃で焼成し、膜厚50nmのパターニング層3を成膜・形成した。
Figure 0004907873
パターニング層3に付与するエネルギーとして、UVランプを用い、波長250nmの紫外線で、その照射・強度が9mW/cmとなるように光源と基板2との距離を調整して照射し、第一の部位A、低表面エネルギー部3aを形成した。
次に、絶縁性濡れ変化材料層5として、上記化2と化12の化学式で表される構造体となる前駆体を溶解した混合溶液を、インクジェット法にて塗布し280℃で焼成して、膜厚200nmの絶縁性濡れ変化材料層5を成膜・形成した。
Figure 0004907873
次に、絶縁性濡れ変化材料層5に付与するエネルギーとして、上記と同様にUVランプを用い、波長250nmの紫外線で、その照射・強度が9mW/cmとなるように光源と基板2との距離を調整して照射して、第二の部位Bおよび高表面エネルギー部5bを形成した。ここにインクジェット法を用いて、導電性高分子であるPEDOT/PPSの水溶液を絶縁性濡れ変化材料層5の第二の部位Bおよび高表面エネルギー部5bに供給し、第二の導電性材料層7を成膜・形成した。次に、第一と第二の導電性材料層1、7間に10Vの直流電圧を印加しこの時の抵抗を評価した。この時の抵抗の計測値は、12KΩであった。
実施例1と同様の製造条件・工程で第二の導電性材料層7を形成した後、第一と第二の導電性材料層1、7間に1000V の直流電圧を3秒間印加した後、実施例1と同様に抵抗を評価した。抵抗の評価は、実施例1で得られた値を1.0とした場合の相対値として算出した。
実施例1のパターニング層3の材料を、化13の化学式で表される化合物材料とし、これをエタノールに溶解し、第一の導電性材料層1を成膜した基板2をこのエタノール溶液中に浸漬したこと以外は、実施例1と同様の製造条件・工程で実験を行い、抵抗を評価した。
Figure 0004907873
後述する第4の実施形態における図21の工程フローに従い、実施例1と同様に、ガラス製の基板2上に第一の導電性材料としてCr/Au電極をメタル製の露光マスク(図示せず)にてパターニング蒸着し、第一の導電性材料層1として膜厚100nmのCr/Au薄膜を形成した。次に絶縁材料パターニング層10として化13の化学式で表される化合物をエタノールに溶解し、第一の導電性材料層1を成膜した基板2を上記エタノール溶液中に浸漬し、絶縁材料パターニング層10を成膜・形成した。
次に、絶縁材料パターニング層10に付与するエネルギーとして、上記と同様にUVランプを用い、波長250nmの紫外線で、その照射・強度が3mW/cmとなるように光源と基板2との距離を調整して照射し、撥水部11を形成した。次に、絶縁性材料層12として、上記化2で表される構造体となる前駆体を溶解した混合溶液を、インクジェット法にて塗布し210℃で焼成して、膜厚200nmの絶縁性材料層12を成膜・形成した。
次に、化13の化学式で表される化合物をエタノールに溶解し、絶縁性材料層12を成膜した基板2を上記エタノール溶液中に浸漬し、低表面エネルギー層13を成膜・形成した。これに照射するエネルギーとして、上記と同様にUVランプを用い、波長250nmの紫外線で、その照射・強度が9mW/cmとなるように光源と基板2との距離を調整して照射し、照射部の臨界表面張力を向上させた。この時の紫外線照射部と非照射部の表面エネルギーの差は、約12mN/mであった。ここにインクジェット法を用いて、導電性高分子であるPEDOT/PPSの水溶液を撥水部11および低表面エネルギー層13除去部の絶縁性材料層12上に供給し、第二の導電性材料層7を成膜・形成した。次に、第一と第二の導電性材料層1、7間に実施例1と同様に10Vの直流電圧を印加しこの時の抵抗を評価した。
(比較例1)
実施例1の絶縁性濡れ変化材料層5を、上記化3の化学式で表される絶縁性濡れ変化材料とした以外は、実施例1と同様の製造条件・工程で実験を行った。
(比較例2)
実施例1の絶縁性濡れ変化材料層5を、上記化2の化学式で表される絶縁性濡れ変化材料とした以外は、実施例1と同様の製造条件・工程で実験を行った。
実施例1〜4ならびに比較例1および2の評価結果を表2にまとめて示す。
Figure 0004907873
表2の評価結果から、実施例1〜4が実用範囲内で本来の目的を達成しており、実施例3,4は最も抵抗値が低く測定不可レベルであるため最良であり、実施例2がその次に良く、次いで実施例1が優れていることが容易に分かる。比較例1および2は、実用範囲外であり、本発明の目的を達成することができないことが分かった。
(第3の実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施形態に係る電子素子の基本的な作製プロセスおよび電子素子の構成の概要を説明する。
本実施形態に係る電子素子の基本的な作製プロセス(製造方法)の概要は、図11(a)〜図11(g)に示すように、第一の導電性材料で基板2の上に成膜・形成された第一の導電性材料層1上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料層であるリムーバルパターニング層8を選択的に成膜・形成するとともに、臨界表面張力の異なる第一の部位A’を、第一と第二の導電性材料層1、7が電気的に接続されるべき部位に形成する工程(図11(b)〜(c))と、その後、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する機能と絶縁機能とを有する材料層である絶縁性濡れ変化材料層5を第一の部位A’以外に成膜・形成する工程(図11(d))と、その後、絶縁性濡れ変化材料層5の一部分と第一の部位A’にエネルギーを付与することによって、臨界表面張力の異なる第二の部位B’を第一の部位A’に連通して形成する工程(図11(e)〜(f))と、少なくとも第二の部位B’上に第二の導電性材料で第二の導電性材料層7を形成する工程とを含み、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7が、絶縁性材料層としての絶縁性濡れ変化材料層5(低表面エネルギー部5aおよび高表面エネルギー部5b)を挟持した状態で、第一の部位A’で電気的に接続されていることを特徴とするものである。
また、図11は、同図(f)、(g)に良く示されているように、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7との一部が、絶縁性材料層としての絶縁性濡れ変化材料層5を挟持した状態で、第一の部位A’のみで電気的に接続することを可能とするコンタクトホールの形成方法およびそれによって得られたコンタクトホールも示していることはいうまでもない。
上述した電子素子の製造方法によって得られた電子素子は、図11(g)に示すように、第一の導電性材料層1上に形成される材料層であって、エネルギーの付与によって除去され、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料を含み、第一と第二の導電性材料層1、7が電気的に接続されるべき第一の部位A’に連通して形成されるより臨界表面張力の小さい低表面エネルギー部8aと、より臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部(図11(g)では除去されていて図示せず)とを有するリムーバルパターニング層8(図11(g)では除去されていて図示せず)と、リムーバルパターニング層8上に形成される材料層であって、エネルギーの付与によって臨界表面張力が変化する(濡れ性変化)機能と絶縁機能とを備え、少なくとも第一の部位A’に連通した第二の部位B’に形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部5bと、より臨界表面張力の小さい低表面エネルギー部5aとを有する絶縁性濡れ変化材料層5(図11(d)に示す絶縁性濡れ変化材料層5と区別するため図11(g)に括弧を付して示す)と、第二の部位B’と第一の部位A’を連通して形成された第二の導電性材料層7とを具備し、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが、絶縁性材料層としての絶縁性濡れ変化材料層5(低表面エネルギー部5aおよび高表面エネルギー5b)を挟持した状態で、第一の部位A’のみで電気的に接続されていることを特徴とするものである。
第3の実施形態のコンタクトホールの形成方法および電子素子の製造方法は、第1の実施形態のそれと比較して、パターニング層3の成膜・形成に代えて、特に図11(b)に示すように、リムーバルパターニング層8を成膜・形成することが主に相違し、これ以外は第1の実施形態と同様である。以下、第3の実施形態に係るコンタクトホールおよびその形成方法、ならびに電子素子およびその製造方法について、第1の実施形態のそれと相違する点を中心に説明する。
リムーバルパターニング層8は、低表面エネルギー材料であり、図11(c)に示すように、エネルギー付与によって選択的に除去され、低表面エネルギー部8aである第一の部位A’が形成される。ここで、第一の導電性材料層1表面および基板2が第一の部位A’よりも高表面エネルギーなので、第一の部位A’以外のところに絶縁性濡れ変化材料層5が成膜・形成される。
この絶縁性濡れ変化材料層5を、図11(d)のように基板2の全面ではなく一部に成膜・形成したい場合は、基板2表面の濡れ性を制御することで達成可能である。
リムーバルパターニング層8は、パターニング層3と同様に自己組織化膜で形成してもよい。自己組織化膜は、基板2上および第一の導電性材料層1上に自発的に単分子膜が形成されているため、高精細なパターニングが可能となる。また、エネルギーの付与によって簡単に除去可能となる。自己組織化膜を得る化合物の詳細例は、第1の実施形態で説明したと同様である。
リムーバルパターニング層8に用いる溶剤は、パターニング層3、絶縁性濡れ変化材料層5の成膜・形成に用いる溶剤と同様に、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有している。このため、リムーバルパターニング層8を、極性の低い有機溶媒に溶解する材料層上に成膜する際、これに対し損傷を与えることなく、成膜することが可能となる。
本実施形態においてリムーバルパターニング層8、絶縁性濡れ変化材料層5が塗布可能な材料であった場合、その成膜方法としては、凸版を用いる印刷法として、例えばフレキソ印刷、孔版を用いる印刷法として、例えばスクリーン印刷、平版を用いる印刷法として、例えばオフセット印刷、凹版を用いる印刷法として、例えばグラビア印刷、またスピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法といった方法によって成膜される。
臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与は、第1の実施形態で説明したと同様に、紫外線照射が好適である。従って、微細なパターンを容易に形成可能となる。紫外線の波長、照射量等は第1の実施形態で説明したと同様である。
図11(b)に示すリムーバルパターニング層8は、図11(c)に示すように、紫外線照射によるエネルギー付与によって図示しない高表面エネルギー部が選択的に除去され、低表面エネルギー部8aである第一の部位A’が形成される。第1の実施形態で説明したと同様に、より臨界表面張力の小さい低表面エネルギー部8aの臨界表面張力と前記高表面エネルギー部の臨界表面張力との差が、10mN/m以上であることが肝要である。この内容は、図2において、例えばパターニング層3、絶縁性濡れ変化材料層5に代えて、リムーバルパターニング層8とし、かつ、低表面エネルギー部3aおよび5aに代えて、低表面エネルギー部8aとし、高表面エネルギー部3bおよび5bに代えて、図示しない高表面エネルギー部とし、図2〜図4で説明した内容を考慮すれば容易に理解できる。
リムーバルパターニング層8は、パターニング層3と同様に、熱、紫外線、電子線、プラズマ等のエネルギーを与えることによって、臨界表面張力が変化する材料からなる層で、エネルギー付与前後での臨界表面張力の変化量が大きいものが好ましい。このような材料の場合、リムーバルパターニング層8の一部分にエネルギーを付与し、これによって図示しない除去された高表面エネルギー部と低表面エネルギー部8aとからなる臨界表面張力の異なるパターンを形成することにより、絶縁性濡れ変化材料を含有する液体が、図示しない除去された高表面エネルギー部には付着しやすく(親液性)、低表面エネルギー部8aには付着しにくく(疎液性)なるため、パターン形状に従って絶縁性濡れ変化材料を含有する液体が親液性である前記高表面エネルギー部に選択的に付着し、それを固化することにより絶縁性濡れ変化材料層5が形成される。
第1の実施形態と同様に、図11(g)に示す工程を経て得られた電子素子作製後、第一と第二の導電性材料層1、7間に電圧を印加する工程(プロセス)が付加されている。従って、第一と第二の導電性材料層1、7間の接続抵抗を下げることが可能となる。これは、リムーバルパターニング層8等が、除去しきれずに残存し第一と第二の導電性材料層1、7間の抵抗が電子素子の実使用上問題となり得る場合においても、電圧の印加によりこれが破壊されるためである。前記電圧は、電子素子全体が破壊されない程度に高圧の電圧を印加することが望ましい。
本実施形態の第一の導電性材料層1および第二の導電性材料層7の少なくとも一方は、第1実施形態と同様に、導電性材料を含有する液体を付与・塗布さえて成膜・形成される。このため、製造プロセスが簡便であってかつ微細構造を有するコンタクトホールおよび電子素子を提供可能となる。導電性材料を含有する液体の付与方法および導電性材料を含有する液体の詳細例は、第1の実施形態と同様であるためその説明を省略する。
本実施形態では第1の実施形態と同様に、導電性材料は、凸版を用いる印刷法として、例えばフレキソ印刷、孔版を用いる印刷法として、例えばスクリーン印刷、平版を用いる印刷法として、例えばオフセット印刷、凹版を用いる印刷法として、例えばグラビア印刷といった塗布方法によって成膜される。このため、蒸着法等の真空成膜プロセスと比較し、製造コストを低減することが可能となる。あるいは、第一の導電性材料層1および第二の導電性材料層7の導電性材料を含有する液体の少なくとも一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法を、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つとすることができる。従って、電子素子作製時間が大幅に短縮可能となり、また印刷装置を必要としないため、製造コストの大幅低減が可能となる。
また、上記した付与方法に限らず、導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法を、インクジェット法とすることもできる。従って、高表面エネルギー部のみに導電層を形成可能となる。
本実施形態では、図11(e)のプロセスにより第二の部位B’の形成とリムーバルパターニング層8の除去が同時に行われるため、非常に簡便なプロセスでコンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続されている構造(例えば配線電極)を作製可能となる。また、第1の実施形態と同様に、従来と比較して電子素子の製造工程を低減可能となり、コンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続されている構造(例えば配線電極)を非常に簡単に製造可能となる。
また、後述する図21に示す第4の実施形態におけるコンタクトホール・電子素子の形成・製造プロセスと比較して、低表面エネルギー層の成膜・形成が不要であり、コンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続されている構造を、第4の実施形態のプロセスよりもさらに簡便に作製できる。
第3の実施形態においても、そのコンタクトホールの形成方法およびこれを使用して得られたコンタクトホールならびに電子素子の製造方法およびこれを使用して得られた電子素子(具体的には図14に括弧を付して示すコンタクトホール62、画素電極63)を用いて、表示素子の一例としての液晶表示素子61、表示装置60を構成できることはいうまでもない。
同様に、第3の実施形態においては、そのコンタクトホールの形成方法およびこれを使用して得られたコンタクトホールならびに電子素子の製造方法およびこれを使用して得られた電子素子は、LSI、VLSI、ULSI、ひいてはマイクロコンピュータやホストコンピュータ、ワークステーションあるいはパーソナルコンピュータを構成する半導体素子であるトランジスタ、ダイオードを接続する配線電極やコンタクトホールとして適用して、上述の利点や効果を奏することはいうまでもない。
また、図11に示した工程フローに従って、実施例1〜3と同様の実施例を構成できることはいうまでもない。
上述したとおり、第3の実施形態によれば、半導体演算素子や表示素子等の電子素子の高集積化の下で、最も基本的な電子素子である電極や配線電極およびコンタクトホールを作製する製造工程の低減、プロセス(工程)全体の短縮化、簡素化を図ることができるとともに、装置コストを低減することができる。また、適宜の箇所に記載した利点および効果も奏する。
(第4の実施形態)
次に、図21を参照して、本発明の第4の実施形態に係るコンタクトホールおよび電子素子の基本的な作製プロセス、コンタクトホールおよび電子素子の構成の概要を説明する。
本実施形態に係るコンタクトホールおよび電子素子の基本的な作製プロセス(形成・製造方法)の概要は、図21(a)〜図21(h)に示すように、第一の導電性材料で基板2の上に成膜・形成された第一の導電性材料層1上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料層である絶縁材料パターニング層10を選択的に成膜・形成し、第一の導電性材料1上の絶縁材料パターニング層10のコンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、撥水部11を形成する工程(図21(b)〜(c))と、その後、絶縁性材料層12を第一の導電性材料層1上の撥水部11以外に形成した後、絶縁性材料層12および撥水部11上に、エネルギーの付与によって除去可能である低表面エネルギー層13を形成する工程(図21(d)〜(e))と、その後、撥水部11を含む低表面エネルギー層13上であって第二の導電性材料層を形成すべき領域のみにエネルギーの付与を行うことにより、該領域の表面エネルギーを向上させて低表面エネルギー層13を除去し、この上に第二の導電性材料層7を形成する工程(図21(f)〜(g))とを含み、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7の一部が、絶縁性材料層12を挟持した状態で、コンタクトホール14となる撥水部11(図21(g)では撥水部11が除去されている状態を示す)を介して電気的に接続することを可能とすることを特徴とするものである。
図21(g)において、符号12bは、紫外線照射によって低表面エネルギー層13が除去され、絶縁性材料層12が露出して形成された高表面エネルギー部を示す。
また、図21(h)に示すように、コンタクトホール14部に第二の導電性材料層7が充填されていることにより、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7とが、コンタクトホール14を介して電気的に接続されていることを特徴とするものでもある。
上述したコンタクトホールの形成・製造方法によって得られたコンタクトホール14は、図21(g)に良く示されているように、第一の導電性材料層1上に形成される材料層であって、エネルギーの付与によって除去され、かつ、第一の導電性材料1と臨界表面張力が異なる材料を含み、第一の導電性材料1上の絶縁材料パターニング層10のコンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、撥水部11が成膜・形成される絶縁材料パターニング層10(図21(g)では除去されていて図示せず)と、第一の導電性材料層1上の撥水部11以外に成膜・形成される絶縁性材料層12と、絶縁性材料層12および撥水部11上に成膜・形成される材料層であって、エネルギーの付与によって除去可能である低表面エネルギー層13と、エネルギーの付与によって除去された低表面エネルギー層13の一部と撥水部11を連通して形成される第二の導電性材料層7とを具備し、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7の一部が、絶縁性材料層13を挟持した状態で、撥水部11を介して接続されていることが特徴である。また、図21(h)に良く示されているように、第一の導電性材料層1と第二の導電性材料層7の一部が電気的に接続して電子素子を形成していることも特徴である。
第4の実施形態におけるコンタクトホールおよび電子素子の形成・製造方法は、第3の実施形態のそれらと比較して、図11(d)に示した絶縁性濡れ変化材料層5の成膜・形成に代えて、特に図21(d)、(e)に示すように、絶縁性材料層12と低表面エネルギー層13とを成膜・形成することが主に相違し、これ以外は第3の実施形態とほぼ同様である。
本実施形態において絶縁材料パターニング層10、絶縁性材料層12、低表面エネルギー層13が塗布可能な材料であった場合、その成膜方法としては、凸版を用いる印刷法として、例えばフレキソ印刷、孔版を用いる印刷法として、例えばスクリーン印刷、平版を用いる印刷法として、例えばオフセット印刷、凹版を用いる印刷法として、例えばグラビア印刷、またスピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法といった方法によって成膜される。
以下、第4の実施形態に係るコンタクトホールおよびその形成方法、ならびに電子素子およびその製造方法について、第1や第3の実施形態と相違する点を中心に説明する。
絶縁材料パターニング層10および低表面エネルギー層13を構成する材料は、図1に示したパターニング層3や図11に示したリムーバルパターニング層8と同様に、Si元素を含まず、かつ、疎水性基を含む自己組織化膜である。このため、エネルギーの付与によって絶縁材料パターニング層10および低表面エネルギー層13が除去されやすくなり、第一と第二の導電性材料層1、7間の接触抵抗が低減されて、絶縁性材料層12および第二の導電性材料層7の微細なパターニングが可能となる。Si元素を含まず、かつ、疎水性基を含む自己組織化膜の詳細は、第1および第3の実施形態と同様である。
ここで、絶縁材料パターニング層10および低表面エネルギー層13が除去されない場合は、コンタクトホール14部に、導電性に寄与しない材料が残存するため、第一と第二の導電性材料層1、7の接触抵抗が大きくなる場合がある。このような場合は、例えば図21(h)の形状を形成後、第一と第二の導電性材料層1、7間に数10〜数100Vの電圧を印加することにより、第一と第二の導電性材料層1、7の接触抵抗を低減する等のプロセスを追加しても良い。絶縁材料パターニング層10および低表面エネルギー層13が除去されなくとも、これらの薄膜を膜厚数nmレベルとして形成することで、実使用上問題のない接触抵抗に抑えることも可能である。
絶縁材料パターニング層10の成膜・形成に用いる溶剤は、第1および第3の実施形態の絶縁性濡れ変化材料層5の形成に用いる溶剤と同様に、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有している。このため絶縁材料パターニング10層を、極性の低い有機溶媒に溶解可能な材料薄膜上に成膜する際、この材料に対し損傷を与えることなく、成膜することが可能となる。有機溶媒の化合物の詳細例は、第1および第3の実施形態のそれと同様である。
水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒が、絶縁材料パターニング層10を形成する材料を溶解する溶媒全体に占める割合は、第1および第3の実施形態のそれと同様に、30vol%以上が望ましい。さらに望ましくは90vol%以上が望ましい。
本実施形態の絶縁材料パターニング層10においては、少なくとも撥水部11と第一の導電性材料層1との表面エネルギーの差が、10mN/m以上であることが肝要である。高表面エネルギー部と低表面エネルギー部とのパターン形状に従って、絶縁材料パターニング層10を構成する絶縁性材料を含有する液体を親液性である高表面エネルギー部(第一の導電性材料層1)にのみ確実に付着させるためには、表面エネルギー差が大きいことが必要であるが、この差を10mN/m以上とすることにより、確実に絶縁性材料を含有した液体を、パターニングさせることができる。
本実施形態における臨界表面張力については、上記ヤングの式(1)が成立し、上述したように定義される。図3において、括弧を付して示す符号2は、ガラス製の基板2を表している。
表3は、ガラス製の基板2上に成膜した各々の材料A、B、C、D(表1で説明したものと同様である)の、低表面エネルギー部の臨界表面張力と高表面エネルギー部の臨界表面張力との差(ΔγC)、および高分子材料(ポリアニリン)の選択付着性を評価したものである。選択付着性はエネルギー付与部と未付与部とからなるパターンの境界を含むエリアにポリアニリン水溶液を滴下し、余分の溶液を除去した後に未付与部に対するポリアニリンの付着(パターン不良)の有無を観察した。
表3より、ΔγCは10mN/m以上であることが望ましく、15mN/m以上であることがさらに望ましいことが分かる。この値を達成するための手段として、絶縁材料パターニング層10を構成する材料が、上述した自己組織化膜の材料のように疎水性基を含むこと以外に、第一の導電性材料層1が高表面エネルギー材料であることが挙げられる。
Figure 0004907873
本実施形態の低表面エネルギー層13においては、少なくとも低表面エネルギー層13と絶縁性材料層12との表面エネルギーの差が、10mN/m以上であることが肝要である。
高表面エネルギー部12bと低表面エネルギー部(低表面エネルギー層13)とのパターン形状に従って第二の導電性材料層7を構成する材料を含有する液体を、高表面エネルギー部12bにのみ確実に付着させるためには、表面エネルギー差が大きいことが必要であるが、この差を10mN/m以上とすることにより、確実に第二の導電性材料を含有した液体を、パターニングさせることができる。この値を達成するための手段として、絶縁材料パターニング層12を構成する材料が、上述した自己組織化膜の材料のように疎水性基を含むこと以外に、絶縁性材料層12が、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)、ナイロン等のように、分子内に−OH基、−NH−基等の活性プロトンを含んでおり、高表面エネルギーとなっていることが挙げられる。
臨界表面張力を変化させるエネルギーの付与は、第1および第3の実施形態で説明したと同様に、紫外線照射が好適である。従って、露光マスク4、6を通して紫外線(UV)を照射することにより、微細なパターンを容易に形成可能となる。紫外線の波長、照射量等は第1の実施形態で説明したと同様に、100nmから300nmまでの比較的短い波長の光が含まれるのが望ましい。
紫外線照射においては、その照射工程における酸素濃度を、大気雰囲気を超える濃度としている。このため、絶縁材料パターニング層10、低表面エネルギー層13の除去速度を向上させることが可能となる。これは紫外線照射によって、絶縁材料パターニング層10、低表面エネルギー層13を除去する場合は、オゾン酸化によって分解反応が進行する要因が大きいためである。酸素濃度としては、好ましくはほぼ100%の環境が望ましいが、絶縁材料層12が紫外線照射によって破壊されるような場合においては、酸素濃度を適宜調節する必要がある。
図21(f)に示す紫外線照射工程において、特に上記の酸素濃度を適用することが好ましい。図21(b)に示す紫外線照射工程においては、撥水部11が形成されればよいのであって、絶縁材料パターニング層10が、図21(c)に示すように撥水部11以外の領域において全て除去されている必要はない。
本実施形態の第一の導電性材料層1および第二の導電性材料層7の少なくとも一方は、第1および第3の実施形態と同様に、導電性材料を含有する液体を付与・塗布さえて成膜・形成される。このため、製造プロセスが簡便であってかつ微細構造を有するコンタクトホールおよび電子素子を提供可能となる。導電性材料を含有する液体の付与方法および導電性材料を含有する液体の詳細例は、第1および第3の実施形態と同様であるためその説明を省略する。
本実施形態では第1および第3の実施形態と同様に、導電性材料は、凸版を用いる印刷法として、例えばフレキソ印刷、孔版を用いる印刷法として、例えばスクリーン印刷、平版を用いる印刷法として、例えばオフセット印刷、凹版を用いる印刷法として、例えばグラビア印刷といった塗布方法によって成膜される。このため、蒸着法等の真空成膜プロセスと比較し、製造コストを低減することが可能となる。あるいは、第一の導電性材料層1および第二の導電性材料層7の導電性材料を含有する液体の少なくとも一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法を、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つとすることができる。従って、電子素子作製時間が大幅に短縮可能となり、また印刷装置を必要としないため、製造コストの大幅低減が可能となる。
また、上記した付与方法に限らず、導電性材料を含有する液体の一方を、濡れ性パターンが形成された材料表面に付与する方法を、インクジェット法とすることもできる。従って、高表面エネルギー部12bのみに導電層を形成可能となる。
図9(a)、(b)に括弧を付して示すように、電極配線の微細化に伴い形成すべき各電極の電極間距離L1が小さくなり、導電性材料を付与する際に図9(c)に示すように各電極が短絡する場合が生じる。本実施形態では、インクジェット法を用いて電極間距離L1を確保しながら、紫外線照射によって低表面エネルギー層13が除去され、絶縁性材料層12が露出して形成された高表面エネルギー部12bにのみ導電性材料を付与することが可能となるため、短絡を生じたりすることなく、このような微細加工において信頼性の高い製造プロセスを提供することが可能となる。
本実施形態によれば、図20に示した従来法と比較して、非常に簡便な方法でコンタクトホールを形成し絶縁膜を介して電極どうしが接続されている構造(例えば配線電極:電子素子)の製造を非常に簡単に製造可能となるため、製造コストの大幅な低減が可能である。また、第1および第3実施形態における絶縁性濡れ変化材料層5の成膜・形成のための一つの工程に対して、これとほぼ同様の機能を持った成膜・形成を行うために絶縁性材料層12と低表面エネルギー層13との二つの工程を必要としたが、反面、絶縁性材料層12と低表面エネルギー層13との各構成材料選択の幅に関しては、絶縁性濡れ変化材料層5のそれと比べてはるかに広く、材料選択の自由度を広げることが可能となった。
第4の実施形態においても、そのコンタクトホールの形成方法およびこれを使用して得られたコンタクトホールならびに電子素子の製造方法およびこれを使用して得られた電子素子(具体的には図14に括弧を付して示すコンタクトホール62、画素電極63)を用いて、表示素子の一例としての液晶表示素子61、表示装置60を構成できることはいうまでもない。
同様に、第4の実施形態においては、そのコンタクトホールの形成方法およびこれを使用して得られたコンタクトホールならびに電子素子の製造方法およびこれを使用して得られた電子素子は、LSI、VLSI、ULSI、ひいてはマイクロコンピュータやホストコンピュータ、ワークステーションあるいはパーソナルコンピュータを構成する半導体素子であるトランジスタ、ダイオードを接続する配線電極やコンタクトホールとして適用して、上述の利点や効果を奏することはいうまでもない。
また、図21に示した工程フローに従って、実施例4と同様の実施例を構成できることはいうまでもない。
上述したとおり、第4の実施形態によれば、半導体演算素子や表示素子等の電子素子の高集積化の下で、最も基本的な電子素子である電極や配線電極およびコンタクトホールを作製する製造工程の低減、プロセス(工程)全体の短縮化、簡素化を図ることができるとともに、装置コストを低減することができる。また、適宜の箇所に記載した利点および効果も奏する。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態や実施例等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態や実施例等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および目的・用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の第1の実施形態に係る電子素子の作製プロセスを示す工程図である。 パターニング層、絶縁性濡れ変化材料層等における、低表面エネルギー部の臨界表面張力と低表面エネルギー部のそれとの差が、10mN/m以上であることを説明するための模式的な断面図である。 固体表面に対する液体の濡れ性を説明するための、固体表面上で液滴が接触角θで平衡状態にある時の様子を示す模式図である。 側鎖付ポリイミドを濡れ性変化層に用いた場合の、紫外線未照射部と紫外線照射部とのZismanプロットを行った結果を示す表面張力−接触角特性図である。 絶縁性濡れ変化材料層を、第一の材料と第二の材料とを混合して作製することを示す簡略的な断面図である。 (a)は、絶縁性濡れ変化材料層が膜厚方向に対して材料の濃度分布を持つ第一の材料と第二の材料からなることを、(b)は、第一の材料と第二の材料とを混合した溶液を基板に塗布し乾燥する方法を、(c)、(d)、(e)は、膜厚方向に対して所定の濃度分布で第一および第二の材料が混在していてもよいことを、それぞれ示す簡略的な断面図である。 絶縁性濡れ変化材料として、側鎖に疎水性基を有する高分子材料(ポリイミドや(メタ)アクリレート等)の化学構造を示す要部の図である。 絶縁性濡れ変化材料層の表面に紫外線を照射して、低表面エネルギー部と高表面エネルギー部とからなる濡れ性パターンの形成を説明する簡略的な断面図である。 絶縁性濡れ変化材料層上に形成された高表面エネルギー部の濡れ性パターンにおける電極間距離の有無・良否を説明する簡略的な断面図である。 液晶表示素子の配線図である。 本発明の第2の実施形態に係る電子素子の作製プロセスを示す工程図である。 従来技術を説明するためのトランジスタの回路図である。 (a)は半導体演算回路等を構成すべく複数のトランジスタが層間絶縁膜を介して配線電極・コンタクトホール等で電気的に接続された状態を示す簡略的な拡大断面図、(b)はトランジスタの拡大断面図である。 従来例および参考例における液晶表示装置を構成する反射型液晶素子周りの要部の断面図である。 従来技術における半導体装置の多層配線を完成するプロセスを示す工程図である。 従来技術における接続孔、配線、配線電極(上部電極)を形成するプロセスを示す模式的な工程図である。 図16において、化学的機械研磨によって上部電極を仕上げた表面部状態を示す簡略的な断面図である。 図16において、化学的機械研磨によって上部電極を仕上げた表面部状態を示す簡略的な断面図である。 参考例における表示装置の要部の断面図である。 従来例におけるコンタクトホール、電子素子の作製プロセスを示す工程図である。 本発明の第3の実施形態に係る電子素子の作製プロセスを示す工程図である。
符号の説明
1 第一の導電性材料層
2 基板
3 パターニング層
3a 低表面エネルギー部
3b 高表面エネルギー部
4、6 露光マスク
5 絶縁性濡れ変化材料層
5a 低表面エネルギー部
5b 高表面エネルギー部
7 第二の導電性材料層
8 リムーバルパターニング層
8a 低表面エネルギー部
10 絶縁材料パターニング層
11 撥水部
12 絶縁性材料層
12b 高表面エネルギー部
13 低表面エネルギー層(低表面エネルギー部)
14 コンタクトホール
51 第一の材料
52 第二の材料
60 表示装置
61 表示素子
A、A’ 第一の部位
B、B’ 第二の部位

Claims (23)

  1. 少なくとも第一の導電性材料上に、絶縁性材料層が積層され、さらにその上に第二の導電性材料が積層されて、かつ、第一と第二の導電性材料の一部が電気的に接続されている電子素子の製造方法において、
    第一の導電性材料上に、エネルギーの付与によって形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部と、エネルギーの非付与部分に形成されるより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部とに臨界表面張力が変化する材料層であるパターニング層を形成する工程と、
    前記パターニング層における第一と第二の導電性材料層が電気的に接続されるべき第一の部位以外にエネルギーを付与することによって、前記高表面エネルギー部を第一の部位以外に、前記低表面エネルギー部を第一の部位に選択的に形成する工程と、
    エネルギーの付与によって形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部と、エネルギーの非付与部分に形成されるより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部とに臨界表面張力が変化する機能と絶縁機能とを有する絶縁性濡れ変化材料を含有した液体を、エネルギー付与後の前記パターニング層上に付与することにより、第一の部位以外の前記高表面エネルギー部に前記液体を付着させて、絶縁性濡れ変化材料層を第一の部位以外に形成する工程と、
    記絶縁性濡れ変化材料層の一部分と第一の部位にエネルギーを付与することによって、前記高表面エネルギー部に対応した第二の部位を第一の部位に連通して形成する工程と、
    少なくとも第二の部位上に、導電性材料を含有する液体を付与することにより、エネルギー付与後の前記絶縁性濡れ変化材料層の前記高表面エネルギー部に前記液体を付着させて、第二の導電性材料を形成する工程とを含み、
    第一と第二の導電性材料が、前記絶縁性材料層を挟持した状態で、第一の部位で電気的に接続されていることを特徴とする電子素子の製造方法。
  2. 少なくとも第一の導電性材料上に、絶縁性材料層が積層され、さらにその上に第二の導電性材料が積層されて、かつ、第一と第二の導電性材料の一部が電気的に接続されている電子素子の製造方法において、
    第一の導電性材料上に、エネルギーの付与によって除去可能であって、エネルギーの非付与部分にはより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部が形成され、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料層であるリムーバルパターニング層を形成する工程と、
    前記リムーバルパターニング層における第一と第二の導電性材料層が電気的に接続されるべき第一の部位以外にエネルギーを付与することによって、第一の部位以外の前記リムーバルパターニング層を除去するとともに、前記低表面エネルギー部を第一の部位に選択的に形成する工程と、
    エネルギーの付与によって形成されるより臨界表面張力の大きい高表面エネルギー部と、エネルギーの非付与部分に形成されるより臨界表面張力の小さな低表面エネルギー部とに臨界表面張力が変化する機能と絶縁機能とを有する絶縁性濡れ変化材料を含有した液体を、前記低表面エネルギー部である第1の部位および第一の導電性材料層上に付与することにより、第一の部位以外の第一の導電性材料層上に前記液体を付着させて、絶縁性濡れ変化材料層を第一の部位以外に形成する工程と、
    記絶縁性濡れ変化材料層の一部分と第一の部位にエネルギーを付与することによって、前記高表面エネルギー部に対応した第二の部位を第一の部位に連通して形成する工程と、
    少なくとも第二の部位上に、導電性材料を含有する液体を付与することにより、エネルギー付与後の前記絶縁性濡れ変化材料層の前記高表面エネルギー部に前記液体を付着させて、第二の導電性材料を形成する工程とを含み、
    第一と第二の導電性材料が、前記絶縁性材料層を挟持した状態で、第一の部位で電気的に接続されていることを特徴とする電子素子の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の電子素子の製造方法において、
    前記パターニング層または前記リムーバルパターニング層が自己組織化膜であることを特徴とする電子素子の製造方法。
  4. 請求項1ないし3の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記電子素子作製後、第一と第二の導電性材料間に電圧を印加する工程を付加したことを特徴とする電子素子の製造方法。
  5. 請求項1ないし4の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記パターニング層、前記絶縁性濡れ変化材料層または前記リムーバルパターニング層の形成に用いる溶剤が、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有していることを特徴とする電子素子の製造方法。
  6. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において
    前記低表面エネルギー部の臨界表面張力と前記高表面エネルギー部の臨界表面張力との差が、10mN/m以上であることを特徴とする電子素子の製造方法。
  7. 請求項1ないし6の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記絶縁性濡れ変化材料層が、二種類以上の材料からなることを特徴とする電子素子の製造方法。
  8. 請求項7記載の電子素子の製造方法において、
    前記絶縁性濡れ変化材料層が、少なくとも第一の材料と第二の材料からなり、
    前記エネルギーの付与によって第一の材料の臨界表面張力の変化する割合が、第二の材料のそれと比べて大きく、第二の材料の電気絶縁性は、第一の材料のそれと比べて高いことを特徴とする電子素子の製造方法。
  9. 請求項7または8記載の電子素子の製造方法において、
    前記絶縁性濡れ変化材料層が、誘電率を持つ、少なくとも第一の材料と第二の材料からなり、
    前記エネルギーの付与によって第一の材料の臨界表面張力の変化する割合が、第二の材料のそれと比べて大きく、第二の材料の誘電率は、第一の材料のそれと比べて低いことを特徴とする電子素子の製造方法。
  10. 請求項1ないし9の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記絶縁性濡れ変化材料層が、側鎖に疎水性基を有する高分子材料を含むことを特徴とする電子素子の製造方法。
  11. 請求項10記載の電子素子の製造方法において、
    前記側鎖に疎水性基を有する高分子材料は、ポリイミドを含む高分子材料からなることを特徴とする電子素子の製造方法。
  12. 請求項1ないし11の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記エネルギーの付与が、紫外線照射であることを特徴とする電子素子の製造方法。
  13. 第一の導電性材料上に、絶縁性の材料層が積層され、さらにその上に第二の導電性材料が積層されて、かつ、第一と第二の導電性材料の一部がコンタクトホールを介して電気的に接続される電子素子の製造方法において、
    第一の導電性材料上に、エネルギーの付与によって除去可能であり、かつ、第一の導電性材料と臨界表面張力が異なる材料層である絶縁材料パターニング層を形成し、第一の導電性材料上の前記絶縁材料パターニング層の前記コンタクトホールを形成すべき部位以外にエネルギーの付与を行うことにより、撥水部を形成する工程と、
    その後、絶縁性材料層を第一の導電性材料上の前記撥水部以外に形成した後、前記絶縁性材料層および前記撥水部上に、エネルギーの付与によって除去可能である低表面エネルギー層を形成する工程と、
    その後、前記撥水部を含む前記低表面エネルギー層上であって第二の導電性材料層を形成すべき領域のみにエネルギーの付与を行うことにより、該領域の表面エネルギーを向上させて前記低表面エネルギー層を除去し、この上に導電性材料を含有する液体を付与し付着させて、第二の導電性材料を形成する工程とを含み、
    第一と第二の導電性材料が、前記絶縁性材料層を挟持した状態で、前記コンタクトホールとなる前記撥水部を介して電気的に接続されていることを特徴とする電子素子の製造方法
  14. 請求項13記載の電子素子の製造方法において、
    前記絶縁材料パターニング層および前記低表面エネルギー層を構成する材料が、Si元素を含まず、かつ、疎水性基を含む自己組織化膜であることを特徴とする電子素子の製造方法
  15. 請求項13または14記載の電子素子の製造方法において、
    前記絶縁材料パターニング層の形成に用いる溶剤が、水と任意の比率で溶解可能な有機溶媒を含有していることを特徴とする電子素子の製造方法
  16. 請求項13ないし15の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記撥水部と第一の導電性材料との表面エネルギーの差が、10mN/m以上であることを特徴とする電子素子の製造方法
  17. 請求項13ないし16の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記低表面エネルギー層と前記絶縁性材料層との表面エネルギーの差が、10mN/m以上であることを特徴とする電子素子の製造方法
  18. 請求項13ないし17の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    前記エネルギーの付与が、紫外線照射であることを特徴とする電子素子の製造方法
  19. 請求項18記載の電子素子の製造方法において、
    前記紫外線照射を行う際の酸素濃度を、大気雰囲気を超える濃度としたことを特徴とする電子素子の製造方法
  20. 請求項13ないし19の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    第一と第二の導電性材料層が電気的に接続される工程を有することを特徴とする電子素子の製造方法
  21. 請求項1ないし20の何れか一つに記載の電子素子の製造方法において、
    第一の導電性材料層が、導電性材料を含有する液体を付与されて形成されることを特徴とする電子素子の製造方法
  22. 請求項21記載の電子素子の製造方法において、
    前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、凸版を用いる印刷法、孔版を用いる印刷法、平版を用いる印刷法、凹版を用いる印刷法、スピンコート法、ディッピング法、ブレードコート法、スプレー塗工法の何れか一つであることを特徴とする電子素子の製造方法
  23. 請求項21記載の電子素子の製造方法において、
    前記導電性材料を含有する液体を付与する方法が、インクジェット法であることを特徴とする電子素子の製造方法。
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