JP5678492B2 - パターン画像の形成方法 - Google Patents
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Description
下記式(1)及び式(1a)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及び該ポリイミド前駆体を脱水閉環して得られるポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体を含むパターン画像下層膜形成液を基板上に塗布し、乾燥、焼成することでパターン画像下層膜を得る工程と、
得られるパターン画像下層膜に紫外線を照射しパターン画像下層膜の濡れ性を変化させる工程と、
パターン画像形成液が付着したブレードと上記パターン画像下層膜とを相対的に移動させることにより、上記パターン画像下層膜の紫外線照射領域に上記パターン画像形成液を塗布させ、乾燥する工程と、
を有することを特徴とするパターン画像の形成方法。
〔ゲート絶縁膜〕
A−1〜A−25は、基内に脂環構造を有していることから、ゲート絶縁膜の絶縁性が高くなる(リーク電流が少ない)だけでなく、後述する接触角変化に必要な紫外線の照射量を減ずることができるという点からも好適である。特に、A−1〜A−4が好ましい。
また、A−6、A−16、A−18、A−19、A−20、A−21又はA−25などが、接触角変化に必要な紫外線の照射量を減ずることができ、且つ、ポリイミドとした際に溶媒への溶解性が高いことから最も好ましい。また、溶解性の向上と親疎水性の変化に必要な紫外線の照射量の低減を目的に脂環構造を有する4価の有機基を複数種類組み合わせて用いてもよい。
このため、フッ素原子を含有しないアルキレン基などの炭素鎖をスペーサー(式(2)中、X2)として用いることにより、炭素原子数6以下のパーフルオロアルキル基でも高い撥水性を得ることが可能となる。
X2は炭素原子数1〜18の2価の有機基であり、より好ましくは炭素原子数6〜18、最も好ましくは炭素原子数9〜18の2価の有機基である。
式(2)中、上記X2は直接ベンゼン環に結合していてもよいが、結合基を介して結合していてもよい。すなわち、式(2)において、X1としては、単結合、−O−、−COO−、−COS−、−OCO−、−CONH−、−CH2O−が挙げられる。
前記一般式(1)中、B1で表されるフルオロアルキルを有する2価の有機基(式(2)で表される基)は少量でも高い撥水性を付与できる。しかしながら、含有量を多くしすぎると成膜が困難となり、また、紫外線の照射による親疎水性の変化量も小さくなることから、下記B2で表される2価の有機基を併用する。
上記式(1a)中、B2は2価の有機基であり、以下の要件を満たすような有機基が好ましい。
従って、撥水性付与、すなわち、表面自由エネルギーを下げるというという点からは、フルオロアルキル基以外の長鎖アルキル基は必要ない。
なお、長鎖側鎖の導入割合の低減は、接触角変化部位(酸無水物成分)の密度を高めることとなり、感度向上の期待ができるという点からも好ましい。本明細書において、感度とは、露光量(紫外線照射量)当たりの疎水性から親水性への変換度合いを表す。
すなわち、B2で表される2価の有機基は、上記条件を満たし、そして紫外線を効率的に吸収し、接触角変化が効率よく進行するという点から芳香族環を有している方が好ましい。例えば、以下の式(3)〜(5)で表される有機基であることが望ましい。
上記式(3)〜(5)で表されるB2の具体例として、下記B−1〜B−23の2価の有機基が挙げられる。
また、B2で表される2価の有機基は、溶解性、露光量の低減などの点から2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前述したように、前記一般式(1)中、B1基内に含まれるフルオロアルキルは、含有量を多くしすぎると成膜が困難、紫外線の照射による親疎水性の変化量の低下につながることから、上記B2で表される2価の有機基を併用する。
従って、B1とB2の含有割合、すなわち、式(1)中に表されるnと式(1a)中に表されるmの割合は、好ましくは0.005≦(n/(n+m))、最も好ましくは、0.03≦(n/(n+m))の範囲にあることが望ましい。
本発明における、パターン画像下層膜であるゲート絶縁膜は、後述するパターン画像形成液である電極形成液の付着性から、その表面自由エネルギーは35mN/m以下であるのが好ましい。この表面自由エネルギーが高いと紫外線未照射領域に電極形成液が付着していまいパターン画像である電極を得るのができなくなる。高精細なパターン画像を描く場合、電極形成液が紫外線照射領域によりより付着しやすくなることから、より好ましくは30mN/m以下である。
上記のポリイミド前駆体及び/又は該ポリイミド前駆体を脱水閉環して得られるポリイミドを溶媒に溶かし得られるゲート絶縁膜形成液を基板上に塗布する。塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットなどの方法でその後、次いで、ホットプレートまたはオーブン等で熱処理することにより、パゲート絶縁膜を形成することができる。
ポリイミド前駆体及び/又はポリイミド前駆体を脱水閉環して得られるポリイミドを溶かす溶媒としては、特に限定されるものではないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、γ−ブチロラクトン等の良溶媒が挙げられる。これらの溶媒は一種単独で用いても混合して用いてもよく、さらに、アルコール類、ケトン類、炭化水素などの貧溶媒を前記良溶媒と混合して用いてもよい。
ゲート絶縁膜形成液に用いる前記ポリイミド前駆体及び/又はポリイミドの分子量は、取扱いの容易さ、膜形成した際の耐溶剤性等の安定性の点から、重量平均分子量(GPCによる測定結果)で2,000〜200,000が好ましく、より好ましくは5,000〜50,000であるものを用いることが望ましい。
焼成温度は、ポリイミド前駆体の熱イミド化を促進する点から、180℃〜250℃が好ましく、プラスチック基板上に成膜するという点からは180℃以下であることがより好ましい。
焼成は2段階以上の温度にて行うことができ、段階的に焼成することで得られる膜の均一性をより高めることができる。
ゲート絶縁膜の濡れ性を変化させる工程は、好ましくは一般的な高圧水銀ランプから照射される光を、クロムマスク(フォトマスク)を介してゲート絶縁膜に照射する方法を用いることができる。ゲート絶縁膜の形成方法は、紫外線を照射で、ゲート絶縁膜を構造変化させる必要があることから、紫外線の波長は好ましくは200〜400nm、特には、200〜300nmが好ましい。光源は、高圧水銀ランプのほかに、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどを用いることが可能である。上記クロムマスクの材質は石英であることが好ましいが、紫外線を十分に透過するのであれば、他の材質を用いることも可能である。
上記クロムマスクに描かれるパターンは、通常、クロムマスクは紫外線を透過させるので形成しようとする画像パターンのネガパターンとなり、例えば、ゲート絶縁膜に配線を描く場合は、配線を形成したい場所に紫外線が照射されるようにクロムマスクが設計される。
電極形成液は、既知のブレードコーター装置を使用して行われる。この場合、ソース/ドレイン電極の形成液はブレードに対して濡れ広がる必要があり、電極形成液の接触角が10度以下、より好ましくは5度以下である。ブレードの刃渡りが短いと、1回の塗布で基板の全体をカバーできず、数回に分けて塗布する必要が生じるため、ブレードの刃渡りは、ゲート絶縁が成膜された基板の長辺(もしくは短辺)と同等の長さであることが好ましい。ブレードの材質は特に限定されるものではないが、金属、ガラス、プラスチック、セラミックなどを用いることが可能である。加工の容易性などの点から金属が好ましい。ブレードの形状は刃先が直線であれば特に限定されるものではない。
なお、ブレードの刃先は必要に応じて切り込みを入れることも可能である。ブレードに液を付着させる方法は特に限定されないが、簡易的には電極形成液を入れた容器に、ブレードの先端を漬けるなどすればよい。
電極形成液が付着したブレードを、紫外線処理を施したゲート絶縁膜にブレードが触れないように接近させる(図1参照)。このとき、電極形成液はブレードとゲート絶縁膜の両方に接する形となる。この状態を保ったまま、ブレード(もしくはゲート絶縁膜)を横方向に移動させる。ブレードと基板のなす角度θ(図2参照)は、好ましくは1度〜89度、より好ましくは、10度〜60度、特に好ましくは40〜50度である。
ブレードとゲート絶縁膜が離れすぎると、電極形成液がゲート絶縁膜と接しない恐れがあり、逆に、近すぎるとブレードがゲート絶縁膜と接触する恐れがあることから、ブレードとゲート絶縁膜の空隙は0.1mm〜2mmが好ましい。より好ましくは、0.1mm〜1.5mmである。
電極形成液は、ゲート絶縁膜に塗布した後、そこに含まれる溶媒を蒸発させることで、電極パターンを形成することができる液であり、例えば、電荷輸送性物質が少なくとも一種の溶媒に溶解もしくは均一に分散したものが挙げられる。ここで、電荷輸送性とは導電性と同義であり、正孔輸送性、電子輸送性、正孔および電子の両電荷輸送性のいずれかを意味する。
上記の電荷輸送性物質としては、正孔または電子を輸送可能な導電性を有していれば、特に限定されない。その例としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属微粒子やカーボンブラック、フラーレン類、カーボンナノチューブなどの無機材料や、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリフルオレン若しくはこれらの誘導体など有機π共役ポリマーなどが挙げられる。
また、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素などの溶媒も有機系の電荷輸送性物質の溶解性に優れる点から好ましいが、これらは、本発明のゲート絶縁膜へのダメージが少ない範囲において使用することが好ましい。
なかでも、溶媒としては、成膜中の溶媒の揮発を防止する点から、水や、ノルマルブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、イソアミルアルコール、オクタノールなどのアルコール類、ジアセトンアルコールなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルなどのエーテル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などの高沸点(100℃以上)の極性溶媒が好ましい。
電極形成液における電荷輸送性物質の濃度は、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、最も好ましくは1〜5質量%である。
本発明に係る電極形成液の具体例としては、Baytron(登録商標) P(ポリエチレンジオキシチオフェン、バイエル社製)などの導電性ポリマー溶液、ドータイトXA−9069(藤倉化成社製)、AGIN−W4A(住友電工製)、NPS−J(ハリマ化成社製)、L−Ag1TeH(アルバック)などの銀微粒子分散液などが挙げられる。
ソース/ドレイン電極のパターン形成方法を用いた有機薄膜トランジスタの具体的に製造する場合、下記のようにして行われる。
ゲート電極が形成された基板に、ゲート絶縁膜形成液を塗布し、焼成することでゲート絶縁膜を得る。ゲート絶縁膜の成膜方法は特に限定されないが、スピンコート法、ダイコーター、スリットコーター、インクジェットなどを用いることができる。膜厚は、絶縁性と有機薄膜トランジスタの駆動電圧の兼ね合いから100nm〜2μmの範囲が好ましい。乾燥温度は、成膜性の点から40℃〜100℃の範囲が好ましい。焼成は残存溶媒の除去、イミド化反応のための工程であり、好ましくは150℃〜230℃である。乾燥と焼成はホットプレート、オーブンなどを用いることが可能である。
ゲート絶縁膜に対して紫外線をパターン状に照射する方法は前述の通りである。本発明のゲート絶縁膜は、紫外線の照射によってその表面エネルギーが徐々に上昇し、十分な照射量とともに飽和する。この表面エネルギーの上昇は、電極形成液の接触角の低下をもたらし、結果として紫外線照射部における電極形成液の濡れ性が向上する。
ソース/ドレイン電極は、ゲート絶縁膜上に電極形成液を塗布し、パターン形状を形成した後に、溶媒を蒸発させることで作製される。溶媒の蒸発方法としては特に限定されるものではないが、ホットプレートやオーブンを用いて、適切な雰囲気下、即ち大気、窒素等の不活性ガス、真空中等で蒸発を行い、均一な成膜面を得ることが可能である。
最後に、有機FETの活性層である、ペンタセン、ポリチオフェンなどの有機半導体材料を成膜することにより完成する。有機半導体材料の成膜方法は特に限定されないが、例えば真空蒸着や溶液をスピンコート法、キャスト法、インクジェットプリント法やスプレー塗布法などが挙げられる。
このようにして、製造された有機FETは、製造工程が大幅に削減可能であり、さらには、インクジェット塗布同等の短いチャネル長の有機薄膜トランジスタが作製可能であるため、活性層として低移動度の有機半導体材料を用いた場合においても大電流を取り出すことが可能となる。このようにしえ得られる有機薄膜トランジスタは優れた電気絶縁性を有している。
[数平均分子量及び重量平均分子量の測定]
以下の合成例に従い得られるポリイミド前駆体の数平均分子量(以下、Mnと称する)及び重量平均分子量(以下、Mwと称する)は、GPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)によって下記の装置及び測定条件にて測定し、ポリエチレングリコール(又はポリエチレンオキシド)換算値として算出した。
GPC装置:昭和電工社製 Shodex(登録商標)(GPC−101)
カラム:昭和電工社製 Shodex(登録商標)(KD803、KD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド
(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:
東ソー社製 TSK標準ポリエチレンオキシド(分子量:約900,000、150,000、100,000、30,000)
ポリマー・ラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量:約12,000、4,000、1,000)。
ポリイミド膜の膜厚は、カッターナイフで膜の一部を剥離し、その段差を全自動微細形状測定機(ET4000A、小坂研究所社製)を用い、測定力を10μN、掃引速度を0.1mm/secとして測定することにより求めた。
[紫外線の照射]
紫外線は、高圧水銀ランプを光源として波長254nmの光を通すバンドパスフィルタを介してポリイミド膜上に照射した。
なお、ポリイミド膜上の露光量の算出にあたり、紫外線の照度は、照度計(OAI社製 MODEL306)に波長253.7nmにピーク感度を持つDeep UV用のプローブを装着し測定した。
得られた照度は45〜50mW/cm2であった。得られた照度に露光時間を乗じて露光量(J/cm2)とした。
接触角の測定は、恒温恒湿環境(25℃±2℃、50%RH±5%)において、全自動接触角計 CA−W(協和界面化学社製)を使用し測定した。
水の接触角は、液量3μl、着液後5秒間静止してから測定した。
ヨウ化メチレンの接触角は、液量1μl、着液後5秒間静止してから測定した。
銀インクの接触角は、液量1μl、着液後31秒間静止してから測定した。
[表面エネルギーの測定]
表面エネルギーは水とヨウ化メチレンの接触角を下記式に代入することで求めた。
(1+cosθ)×γL=2(γSd×γLp)1/2 +2(γSd×γLp)1/2
γL=γLd+γLp
γS=γSd+γSp
θ:塗膜上の液体の接触角
γL:液体の表面張力
γLd:液体の表面張力分散項
γLp:液体の表面張力極性項
γS:塗膜の表面張力
γSd:塗膜の表面張力分散項
γSp:塗膜の表面張力極性項
水の表面張力(γL=72.8、γLd=29.1、γLp=43.7)(dyn/cm)
ジヨードメタンの表面張力(γL=50.8、γLd=46.8、γLp=4.0)(dyn/cm)
塗膜の表面エネルギー:γS=γSd+γSp
窒素気流下中、100mLの4つ口フラスコに、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(以後、BAPP)5.1764g(0.01261mol)、DA−1 0.2411g(0.00039mol)、を入れ、NMP 36.77gに溶解させた後、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物(以後TDA)5.1764g(0.012571mol)を加え、これを50℃で24時間攪拌して重合反応を行った。得られたポリアミド酸の溶液をNMPで8質量%に希釈した。
この溶液130gにイミド化触媒として無水酢酸11.6g、ピリジン5.4gを加え、50℃で3時間反応させポリイミド溶液を得た。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿をろ別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。このポリイミド粉末は1H−NMRより90%以上イミド化されていることを確認した。この粉末4gをγ−ブチロラクトン 52.67gとジプロピレングリコールモノメチルエーテル10gの混合溶媒に溶解させて、ポリイミド(PI−1)の6質量%溶液を得た。
得られたポリイミド(PI−1)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=20,970、Mw=51,220であった。
窒素気流下中、100mLの4つ口フラスコに、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)3.35g(0.0167mol)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(AMF) 1.616g(0.00446mol)、11−(パーフルオロ−n−ヘキシル)−n−ウンデシル(APC11−6F) 0.697g(0.001116mol)を入れ、NMP 49.44gに溶解させた後、TDA 6.698g(0.0223mol)を加え、これを50℃で24時間攪拌して重合反応を行った。得られたポリアミド酸の溶液をNMPで8質量%に希釈した。
この溶液130gにイミド化触媒として無水酢酸22.1g、ピリジン10.3gを加え、50℃で3時間反応させポリイミド溶液を得た。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿をろ別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。このポリイミド粉末は1H−NMRより90%以上イミド化されていることを確認した。この粉末4gをγ−ブチロラクトン 30gとジプロピレングリコールモノメチルエーテル 6gの混合溶媒に溶解させて、ポリイミド(PI−2)の10質量%溶液を得た。
得られたポリイミド(PI−2)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=13,900、Mw=28,400であった。
窒素気流下中、100mLの4つ口フラスコに、BAPP 3.4728g(8.46mmol)、DA−2 0.3037g(0.54mmol)を入れ、NMP 36.25gに溶解させた後、TDA 2.6214g(8.73mmol)を加え、これを50℃で24時間攪拌して重合反応を行った。得られたポリアミド酸の溶液をNMPで8質量%に希釈した。
この溶液30gにイミド化触媒として無水酢酸11g、ピリジン5.2gを加え、50℃で3時間反応させポリイミド溶液を得た。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿をろ別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。このポリイミド粉末は1H−NMRより90%以上イミド化されていることを確認した。この粉末2.1gをγ−ブチロラクトン 27.1gとジプロピレングリコールモノメチルエーテル5.3gの混合溶媒に溶解させて、ポリイミド(PI−2)の6質量%溶液を得た。
得られたポリイミド(PI−2)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=16,400、Mw=39,400であった。
窒素気流下中、100mLの4つ口フラスコに、BAPP 3.6206g(8.82mmol)、DA−3 0.1192g(0.18mmol)を入れ、NMP 36.05gに溶解させた後、TDA 2.6214g(8.73mmol)を加え、これを50℃で24時間攪拌して重合反応を行った。得られたポリアミド酸の溶液をNMPで8質量%に希釈した。
この溶液30gにイミド化触媒として無水酢酸11g、ピリジン5.2gを加え、50℃で3時間反応させポリイミド溶液を得た。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿をろ別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。このポリイミド粉末は1H−NMRより90%以上イミド化されていることを確認した。この粉末2.1gをγ−ブチロラクトン 27.1gとジプロピレングリコールモノメチルエーテル 5.3gの混合溶媒に溶解させて、ポリイミド(PI−2)の6質量%溶液を得た。
得られたポリイミド(PI−2)の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)はそれぞれMn=20,200、Mw=51,400であった。
<実施例1>
ITO付きガラス基板(2.5cm角、厚み0.7mm)に、合成例1で調製したPI−1の溶液を0.2μm孔フィルタを付けたシリンジで滴下し、スピンコート法により塗布した。その後大気下で、80℃のホットプレートで5分間加熱処理し、有機溶媒を揮発させ、次いで180℃のホットプレートで30分間焼成し、膜厚約400nmのポリイミド膜を得た。このポリイミド膜にフォトマスク(ラインアンドスペース:100μm、50μm、40μm、30μm、25μm、20μm)を介して紫外線10J/cm2を照射し、ポリイミドの一部を親水化し、紫外線処理基板を得た。
次いで、直方体形状のガラス製のブレード(縦3cm、横3cm、厚み0.7mm)の一辺を電極形成液に漬け、電極形成液を付着させた。電極形成液は、銀微粒子を グルコールエーテル溶剤に分散させた液(粘度20mPa・s、表面張力35mN/m)である。
このときブレードと紫外線処理基板の空隙は、0.5mmになるように調整した。
次いで、ホットプレートを用いて80℃、5分の条件で溶媒を乾燥し、ホットプレートを用いて180℃、120分の条件で焼成し銀電極を得た。
得られた銀電極を図5(ラインアンドスペース25μm)に示す。
本発明の電極形成方法を用いることで、ラインアンドスペース100μm、50μm、40μm、30μm、25μmの電極を形成することができた。ただし、ラインアンドスペースが20μmの電極は、紫外線未照射部に液が残り(ラインとラインの間が繋がり)目的のパターンを得ることが出来なかった。
本発明の電極形成方法を用いることで微細電極の形成が可能であることが確認された。
PI−1溶液の代わりにPI−2の溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして紫外線処理基板を得、次いで銀電極を得た。これにより、ラインアンドスペース100μm、50μm、40μm、30μm、25μmの電極を形成することができた。ただし、ラインアンドスペースが20μmの電極は、紫外線未照射部に液が残り(ラインとラインの間が繋がり)目的のパターンを得ることが出来なかった。
本発明の電極形成方法を用いることで微細電極の形成が可能であることが確認された。
PI−1溶液の代わりにPI−3の溶液を用い、かつ紫外線の照射を5J/cm2とした以外は、実施例1と同様にして紫外線処理基板を得、次いで銀電極を得た。これにより、ラインアンドスペース100μm、50μm、40μm、30μm、25μmの電極を形成することができた。ただし、ラインアンドスペースが20μmの電極は、紫外線未照射部に液が残り(ラインとラインの間が繋がり)目的のパターンを得ることが出来なかった。本発明の電極形成方法を用いることで微細電極の形成が可能であることが確認された。
PI−1溶液の代わりにPI−4の溶液を用い、かつ紫外線の照射を5J/cm2とした以外は、実施例1と同様にして紫外線処理基板を得、次いで銀電極を得た。これにより、ラインアンドスペース100μm、50μm、40μm、30μmの電極を形成することができた。ただし、ラインアンドスペースが25μm、20μmの電極は、紫外線未照射部に液が残り(ラインとラインの間が繋がり)目的のパターンを得ることが出来なかった。
本発明の電極形成方法を用いることで微細電極の形成が可能であることが確認された。
ITO付きガラス基板(2.5cm角、厚み0.7mm)に、合成例1〜4で調製したPI−1〜PI−4の溶液を0.2μm孔フィルタを付けたシリンジで滴下し、スピンコート法により塗布した。その後大気下で、80℃のホットプレートで5分間加熱処理し、有機溶媒を揮発させ、
次いで、180℃のホットプレートで30分間焼成し、膜厚約400nmのポリイミド膜を得た。得られたポリイミド膜について、上記銀インク(電極形成液)、水、ヨウ化メチレンの接触角、及び表面自由エネルギーを測定した。結果を表1に示す。
実施例1と同じ方法を用いて紫外線処理基板を得た。 次いで、紫外線処理基板上に実施例1で用いたものと同じ銀微粒子分散液をスピンコート法を用いて塗布した。塗布条件は一段目500rpm、5秒、二段目2000rpm、20秒とし、スピンコート完了後、そのままの状態で1分間待った後、ホットプレートを用いて80℃5分の条件で乾燥し、ホットプレートを用いて180℃、120分の条件で焼成し銀電極を得た。
ラインアンドスペース100μm、50μm、40μm、30μm、25μm、20μmの全てにおいて、紫外線未照射部に液が残り(ラインとラインの間が繋がり)目的のパターンを得ること出来なかった。
ポリイミドの膜厚を500nm、紫外線の照射量を4J/cm2とした以外は実施例1と同じ方法を用いて銀電極を形成した。ただし、用いたフォトマスクは実施例1とは異なり、有機トランジスタのソース/ドレイン電極を形成するためのパターンが描かれている(チャネル長25μm、チャネル幅2mm)。
ここで、ITO電極はゲート電極、紫外線処理膜はゲート絶縁膜、銀電極はソース/ドレイン電極として機能する。
次いで、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(以後、P3HTと略す)を2質量%の濃度でキシレンに溶解してP3HTの塗布溶液を調製し、該塗布溶液を前述のポリイミド膜上にスピンコート法を用い、酸素濃度0.5ppm以下の窒素雰囲気下で塗布した。
上述の通り得られた有機薄膜トランジスタの電気特性を、ゲート電圧に対するドレイン電流の変化を測定することにより評価した。
詳細には、ソース・ドレイン電圧(VD)を−30Vとして、ゲート電圧(VG)を+30Vから−30Vまで、2Vステップで変化させ、電流が十分安定するまで1秒間電圧を保持した後の値をドレイン電流の測定値として記録した。なお測定には、半導体パラメータアナライザー HP4156C(アジレント・テクノロジー社製)を用いた。
ゲート電圧をマイナスに印加したとき、ドレイン電流の大幅な増加が見られており、P3HTはp型半導体として動作していることを確認した(図7)。
ID=WCμ(VG−VT)2/2L
上記式において、Wはトランジスタのチャネル幅、Lはトランジスタのチャネル長、Cはゲート絶縁膜の静電容量、VTはトランジスタの閾値電圧、μは移動度である。P3HTの移動度μをこの式を元に計算したところ、3.4×10−3cm2/Vsとなった。また、閾値電圧は17V、オン状態とオフ状態の比(オン/オフ比)は104のオーダーであった。
なお、有機薄膜トランジスタ電気特性は、周辺の湿度および活性物質の影響を取り除くために、素子完成後、速やかに真空中(真空度5×10−2Pa以下)に移し、30分ほど放置させた後、真空度5×10−2Pa以下を保ったまま測定した。本発明の電極形成方法を用いて良好な有機TFTが製造可能であることが確認した。
2 紫外線照射領域
3 ブレード
4 電極形成液
5 基板
6 ゲート電極
7 ソース・ドレイン電極
8 有機半導体
Claims (9)
- 下記式(1)及び式(1a)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体及び該ポリイミド前駆体を脱水閉環して得られるポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の重合体を含むパターン画像下層膜形成液を基板上に塗布し、乾燥、焼成することでパターン画像下層膜を得る工程と、
得られるパターン画像下層膜に紫外線を照射しパターン画像下層膜の濡れ性を変化させる工程と、
パターン画像形成液が付着したブレードと上記パターン画像下層膜とを相対的に移動させることにより、上記パターン画像下層膜の紫外線照射領域に上記パターン画像形成液を付着させ、乾燥する工程と、
を有することを特徴とするパターン画像の形成方法。
- 前記パターン画像形成液が、電荷輸送性物質を溶解又は分散させた極性溶媒液であり、かつ25〜50mN/mの表面張力を有する請求項1に記載のパターン画像の形成方法。
- 前記パターン画像形成液が付着したブレードと前記パターン画像下層膜を有する基板とを、0.1〜2mm/秒の速度にて相対移動させる請求項1又は2に記載のパターン画像の形成方法。
- 前記パターン画像下層膜が、35mN/m以下の表面自由エネルギーを有する請求項1〜3のいずれかに記載のパターン画像の形成方法。
- 前記式(1a)中、B2が下記式(3)〜(5)からなる群より選択される少なくとも一種の基である、請求項1〜5のいずれかに記載のパターン画像の形成方法。
- 前記基板がゲート電極の基板であり、前記パターン画像下層膜がゲート絶縁膜であり、かつ前記形成されるパターン画像がソース/ドレイン電極である請求項1〜7のいずれかに記載のパターン画像の形成方法。
- 請求項8に記載の形成方法で形成したソース/ドレイン電極を具備した有機薄膜トランジスタ。
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