JP2003056948A - 減圧装置 - Google Patents

減圧装置

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JP2003056948A
JP2003056948A JP2001242711A JP2001242711A JP2003056948A JP 2003056948 A JP2003056948 A JP 2003056948A JP 2001242711 A JP2001242711 A JP 2001242711A JP 2001242711 A JP2001242711 A JP 2001242711A JP 2003056948 A JP2003056948 A JP 2003056948A
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繁樹 伊藤
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照之 堀田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒減圧時の冷媒流動音が室内に伝播しにく
くなり、且つ、圧力検出器、冷媒充填弁等の機能部品の
車両等への搭載性を向上させる。 【解決手段】 配管ブロック27を貫通するように第1
通路穴29を設け、第1通路穴29の一端側を冷媒出口
部29aとし、第1通路穴29内に冷媒減圧用の絞り部
6を配置し、第1通路穴29の他端側に圧力検出器7を
配置し、また、配管ブロック27に、第1通路穴29に
対して直交する方向に延びて絞り部6と圧力検出器7と
の中間部位にて第1通路穴29と連通する第2通路穴3
1を設け、第2通路穴31に冷凍サイクルの凝縮器2出
口側から高圧冷媒が流入する冷媒入口部31aを構成
し、更に、絞り部6を固定絞り6bにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力検出器、冷媒
充填弁等の機能部品を一体化した減圧装置に関するもの
で、車両空調用冷凍サイクル装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、実開昭55−144268号公報
においては、車両空調用冷凍サイクル装置における減圧
装置として温度式膨張弁を用いるとともに、この温度式
膨張弁に圧力スイッチを一体化することが記載されてい
る。
【0003】この従来技術では、温度式膨張弁の冷媒通
路をL状に形成し、このL状冷媒通路の一端側を高圧冷
媒が流入する冷媒入口部とし、そして、L状冷媒通路の
他端側を膨張弁の弁部で減圧された後の低圧冷媒が流出
する冷媒出口部としている。更に、L状冷媒通路におい
て冷媒入口部の同軸上の延長方向に圧力スイッチのため
の冷媒圧力導入通路を形成し、この冷媒圧力導入通路を
通して圧力スイッチ内部に冷媒入口部の冷媒圧力(減圧
前の高圧圧力)を導入する構成になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、温度式膨張弁
は蒸発器出口冷媒の過熱度を感知する必要であるので、
車室内に配置される蒸発器近傍位置に設置しなければな
らない。このため、温度式膨張弁による冷媒減圧(絞
り)作用に伴って発生する冷媒流動音が車室内に伝播し
やすいという問題がある。
【0005】本発明は上記点に鑑みて、冷媒減圧(絞
り)作用に伴って発生する冷媒流動音が室内に伝播しに
くい減圧装置を提供することを目的とする。
【0006】また、本発明は、圧力検出器、冷媒充填弁
等の機能部品を減圧装置に一体化して、これらの機能部
品の車両等への搭載性を向上するとともに、これらの機
能部品を含む減圧装置全体のコスト低減を図ることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、配管ブロック(27)
を貫通するように第1通路穴(29)を設け、第1通路
穴(29)の一端側を冷媒出口部(29a)として構成
するとともに、第1通路穴(29)内に冷媒減圧用の絞
り部(6)を配置し、第1通路穴(29)の他端側に冷
凍サイクルの機能部品(7、37)を配置し、また、配
管ブロック(27)に、第1通路穴(29)に対して直
交する方向に延びて絞り部(6)と機能部品(7、3
7)との中間部位にて第1通路穴(29)と連通する第
2通路穴(31)を設け、第2通路穴(31)に冷凍サ
イクルの凝縮器(2)出口側から高圧冷媒が流入する冷
媒入口部(31a)を構成し、更に、絞り部(6)を固
定絞り(6b)もしくは冷媒入口部(31a)側の高圧
冷媒の状態に応動する可変絞り(6p、6q)により構
成したことを特徴とする。
【0008】これによると、絞り部(6)を固定絞り
(6b)もしくは冷媒入口部(31a)側の高圧冷媒の
状態に応動する可変絞り(6p、6q)により構成して
いるから、従来の温度式膨張弁のように、蒸発器出口冷
媒の過熱度を感知する必要がない。そのため、絞り部
(6)を室内の蒸発器近傍に配置する必要がなく、室外
の凝縮器(2)近傍に絞り部(6)を配置できる。その
結果、絞り部(6)での冷媒減圧(絞り)作用に伴って
発生する冷媒流動音が室内に伝播しにくくなり、室内の
静粛化に貢献できる。
【0009】また、第1通路穴(29)の一端側を冷媒
出口部(29a)として構成するとともに、第1通路穴
(29)内に冷媒減圧用の絞り部(6)を配置し、第1
通路穴(29)の他端側に冷凍サイクルの機能部品
(7、37)を配置しているから、第1通路穴(29)
内にその他端側から絞り部(6)を挿入した後に、第1
通路穴(29)の他端側の開口部をサイクル機能部品
(7、37)自身を利用して封止できる。従って、絞り
部(6)の挿入用開口部の封止ための専用の蓋部材が不
要となり、その分、コスト低減を図ることができる。
【0010】また、絞り部(6)を内蔵する配管ブロッ
ク(27)に機能部品(7、37)を一体化して、この
配管ブロック(27)と機能部品(7、37)とを一度
に車両等に搭載できるから、搭載作業性がよい。
【0011】更に、冷凍サイクルの機能部品(7、3
7)に導入される冷媒は凝縮器(2)にて冷却され温度
低下した後の冷媒であるから、圧縮機吐出ガス冷媒に比
較して大幅に温度が低くなっている。そのため、機能部
品(7、37)の樹脂部材等が高温劣化せず、長期間に
わたって機能部品(7、37)の信頼性を維持できる。
【0012】請求項2に記載の発明では、配管ブロック
(27)を貫通するように第1通路穴(29)を設け、
第1通路穴(29)の一端側を冷媒出口部(29a)と
して構成するとともに、第1通路穴(29)内に冷媒減
圧用の絞り部(6)を配置し、第1通路穴(29)の他
端側に冷凍サイクルの機能部品(7、37)を配置し、
また、配管ブロック(27)に、第1通路穴(29)に
対して直交する方向に延びて絞り部(6)と機能部品
(7、37)との中間部位にて第1通路穴(29)と連
通する第2通路穴(31)を設け、第2通路穴(31)
に冷媒入口部(31a)を構成し、冷媒入口部(31
a)が冷凍サイクルの凝縮器(2)の出口コネクタ部
(26)に接続されるように、配管ブロック(27)を
出口コネクタ部(26)に直接組み付けたことを特徴と
する。
【0013】これにより、絞り部(6)を内蔵する配管
ブロック(27)を凝縮器(2)の出口コネクタ部(2
6)に直接組み付けるから、絞り部(6)での冷媒減圧
(絞り)作用に伴って発生する冷媒流動音が室内に伝播
しにくくなり、室内の静粛化に貢献できる。また、同時
に、減圧装置の配管ブロック(27)に凝縮器出口冷媒
配管のコネクタ機能の役割を兼務させることができる。
【0014】その他に請求項2によると、請求項1と同
様に、絞り部(6)の挿入用開口部の封止ための専用の
蓋部材が不要となる。また、減圧装置の配管ブロック
(27)と機能部品(7、37)とを一度に車両等に搭
載できるから、搭載作業性がよい。また、凝縮器(2)
にて冷却され温度低下した後の冷媒が冷凍サイクルの機
能部品(7、37)に導入されるから、長期間にわたっ
て機能部品(7、37)の信頼性を維持できる。
【0015】請求項3に記載の発明では、配管ブロック
(27)を貫通するように第1通路穴(29)を設け、
第1通路穴(29)の一端側を冷媒出口部(29a)と
して構成するとともに、第1通路穴(29)内に冷媒減
圧用の絞り部(6)を配置し、第1通路穴(29)の他
端側に冷凍サイクルの機能部品(7、37)を配置し、
また、配管ブロック(27)に、第1通路穴(29)に
対して直交する方向に延びて絞り部(6)と機能部品
(7、37)との中間部位にて第1通路穴(29)と連
通する第2通路穴(31)を設け、第2通路穴(31)
に冷媒入口部(31a)を構成し、冷媒入口部(31
a)を冷凍サイクルの凝縮器(2)の出口側冷媒配管
(35)に接続して配管ブロック(27)を凝縮器
(2)近傍に配置したことを特徴とする。
【0016】これにより、凝縮器(2)の出口側冷媒配
管(35)の途中に絞り部(6)を内蔵する配管ブロッ
ク(27)を配置できるから、配管ブロック(27)の
配置場所の選択の自由度が増加する。しかも、配管ブロ
ック(27)を凝縮器(2)近傍に配置するから、請求
項1、2と同様に絞り部(6)での冷媒減圧(絞り)作
用に伴って発生する冷媒流動音が室内に伝播しにくくな
り、室内の静粛化に貢献できる。
【0017】その他に請求項3によると、請求項1、2
と同様に、絞り部(6)の挿入用開口部の封止ための専
用の蓋部材が不要となる。また、減圧装置の配管ブロッ
ク(27)と機能部品(7、37)とを一度に車両等に
搭載できるから、搭載作業性がよい。また、凝縮器
(2)にて冷却され温度低下した後の冷媒が冷凍サイク
ルの機能部品(7、37)に導入されるから、長期間に
わたって機能部品(7、37)の信頼性を維持できる。
【0018】請求項4に記載の発明では、絞り部(6)
は第1通路穴(29)内に他端側から挿入され、第1通
路穴(29)内にて冷媒出口部(29a)側の部位に絞
り部(6)の位置決めをする段部(29c)が形成され
ていることを特徴とする。
【0019】これにより、第1通路穴(29)内に絞り
部(6)を挿入すると、絞り部(6)を所定位置に簡単
確実に位置決めできる。
【0020】請求項5に記載の発明では、第1通路穴
(29)内にて絞り部(6)の直前部位に、第2通路穴
(31)からの冷媒中の異物を除去するフィルタ部材
(6g)を配置し、第1通路穴(29)内部におけるフ
ィルタ部材(6g)の下流側空間が機能部品(7、3
7)内に連通することを特徴とする。
【0021】これにより、1つの共通のフィルタ部材
(6g)を用いて、絞り部(6)の閉塞防止の効果と、
機能部品(7、37)への異物侵入防止効果を発揮でき
る。
【0022】請求項6に記載の発明のように、フィルタ
部材(6g)を第1通路穴(29)の内壁面に沿って円
筒状に形成すれば、フィルタ部材(6g)のフィルタ
(濾過)面積を拡大でき、フィルタ部材(6g)の目詰
まりが発生しにくくなり、フィルタ寿命を延ばすことが
できる。
【0023】請求項7に記載の発明では、第1通路穴
(29)内にて絞り部(6)の直後の部位に絞り部
(6)から噴出する冷媒流れを衝突させて消音作用を果
たす消音部材(6e)を配置したことを特徴とする。
【0024】これにより、消音部材(6e)によって絞
り部(6)からの高速噴出流れによる冷媒流動音を積極
的に低減できる。
【0025】請求項8に記載の発明では、第1通路穴
(29)内にて絞り部(6)の直後の部位に絞り部
(6)から噴出する冷媒流れを衝突させて消音作用を果
たす消音部材(6e)を配置し、絞り部(6)とフィル
タ部材(6g)と消音部材(6e)とを一体化した状態
にて第1通路穴(29)内に挿入することを特徴とす
る。
【0026】これにより、絞り部(6)とフィルタ部材
(6g)と消音部材(6e)の三者を一体化状態にて第
1通路穴(29)内に簡単に組み付けできる。
【0027】請求項9に記載の発明のように、機能部品
は、具体的には絞り部(6)の上流側の冷媒圧力を検出
する圧力検出器(7)である。
【0028】これにより、圧力検出器(7)の搭載性向
上、信頼性向上の効果を発揮できる。なお、圧力検出器
(7)としては電気接点を開閉する圧力スイッチタイプ
のもの、冷媒圧力変化に応じて電気抵抗値のような電気
的特性が変化する圧力センサタイプの何れでも良い。
【0029】特に、圧力スイッチタイプのものを圧力検
出器(7)として用いる場合には、電気接点(7i)を
開閉する反転板(7h)の反転動作時の冷媒圧力振動が
騒音の原因となるが、圧力検出器(7)に隣接して絞り
部(6)が配置されているから、反転板(7h)の反転
動作時の冷媒圧力振動が室内側の冷媒配管(34)に伝
達することを絞り部(6)によって防止できる。このた
め、圧力検出器(7)側に冷媒圧力振動の伝達防止用の
絞り部を特別に設ける必要がない。
【0030】請求項10に記載の発明では、絞り部
(6)に圧力検出器(7)を一体化した状態にて絞り部
(6)と圧力検出器(7)を配管ブロック(27)に組
み付けることを特徴とする。
【0031】これにより、絞り部(6)に圧力検出器
(7)を一度にまとめて効率よく配管ブロック(27)
に組み付けることができる。
【0032】請求項11に記載の発明のように、機能部
品は、具体的には冷凍サイクル内に冷媒を充填するため
の充填弁(37)であってもよい。これにより、冷媒充
填の機能を減圧装置部に一体化できる。
【0033】請求項12に記載の発明のように、充填弁
(37)のハウジング(37a)を配管ブロック(2
7)に一体成形すれば、部品点数削減によるコスト低減
効果を発揮できる。
【0034】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0035】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は第1実施
形態の減圧装置を組み付けた凝縮器部分の斜視図であ
り、図2は図1の凝縮器の冷媒通路構成を示す概略断面
図であり、図3は図1、2の凝縮器および減圧装置を含
む冷凍サイクルの構成図である。最初に、図3に基づい
て本発明を適用した車両空調用冷凍サイクル装置の概要
を説明すると、圧縮機1は電磁クラッチ1a等を介して
車両エンジン(図示せず)によりベルト駆動される。圧
縮機1から吐出された高圧のガス冷媒は凝縮器2に流入
し、ここで、外気と熱交換して冷却され、凝縮する。
【0036】なお、凝縮器2は車両走行による走行風を
受けて冷却される部位、具体的には車両エンジンルーム
内の最前部等に配置され、走行風および冷却ファン3の
送風空気により冷却される。冷却ファン3は電動モータ
3aにより駆動される電動式のものである。
【0037】凝縮器2には、凝縮器2の熱交換部の途中
から凝縮過程にある気液2相冷媒が分岐して導入される
気液分離器4が一体に備えられている。この気液分離器
4は上下方向に延びる細長のタンク形状を有し、液冷媒
とガス冷媒の密度差を利用して冷媒の気液を分離するも
のである。気液分離器4は、そのタンク内空間の下方部
に液冷媒を溜めてガス冷媒を凝縮器2の熱交換部の途中
に戻すようになっている。
【0038】減圧装置5は凝縮器2で通過した冷媒を低
圧の気液2相状態に減圧するためのものであり、本例で
はオリフィス、ノズル、キャピラリーチューブ等の固定
絞りで構成される絞り部6を有し、この絞り部6に高圧
圧力を検出する圧力検出器7を一体化している。なお、
凝縮器2および減圧装置5の具体的構成は後述する。
【0039】蒸発器8は図示しない空調室内ユニットの
ケース内に配置され、減圧装置5を通過した低圧冷媒を
図示しない空調用送風機の送風空気から吸熱して蒸発さ
せるものである。蒸発器8を内蔵する空調室内ユニット
は、車室内の計器盤内側等に配置される。蒸発器8で冷
却された冷風は周知のごとく図示しないヒータコア部で
温度調整された後に車室内へ吹き出す。蒸発器8で蒸発
したガス冷媒は圧縮機1に吸入される。
【0040】次に、凝縮器2の具体的構成を図1、2に
より説明する。なお、図1と図2ではその左右方向が逆
転している。凝縮器2は水平方向に延びて冷媒流路を構
成する多数本の偏平チューブ10とこれに接合されるコ
ルゲートフィン11とから構成される熱交換部を有して
いる。
【0041】この熱交換部の左右両側にヘッダタンク
(サイドタンク)12、13を上下方向に配置し、偏平
チューブ10の左右の端部をそれぞれヘッダタンク1
2、13の内部に連通させている。
【0042】ヘッダタンク12、13の内部空間はそれ
ぞれ仕切り板14、15により上下に仕切られている。
さらに、ヘッダタンク12側では、仕切り板14の下方
部位であって、且つ、ヘッダタンク13内の仕切り板1
5と同一高さの部位に、絞り16を有する板部材17を
配置してある。この板部材17と仕切り板15の上側に
第1熱交換部2aを構成し、その下側に第2熱交換部2
bを構成している。
【0043】一方のヘッダタンク12は冷媒入口側であ
り、アルミニュウム製の入口ジョイント18がヘッダタ
ンク12の上部にろう付け等により固定されている。こ
の入口ジョイント18には配管側ジョイントブロック1
9がボルト20により締め付け固定される。この配管側
ジョイントブロック19には、圧縮機1の吐出冷媒が流
れる吐出側冷媒配管21がろう付け等により固定され
る。
【0044】冷媒入口側のヘッダタンク12には、上下
方向に延びる細長のタンク形状からなる気液分離器4が
一体に接合される。ヘッダタンク12と気液分離器4と
の隔壁に第1連通路(吐出冷媒バイパス通路)22を設
け、この第1連通路22により、ヘッダタンク12の上
部入口空間(入口ジョイント18が連通している空間)
を気液分離器4の上部空間に連通させている。
【0045】また、気液分離器4の外部にパイプ材によ
り構成される第2連通路(ガス冷媒戻し通路)23を設
け、この第2連通路23により気液分離器4内の上部の
ガス冷媒域をヘッダタンク12の下部空間(板部材17
の下側空間)に連通させている。また、ヘッダタンク1
2と気液分離器4との隔壁に第3連通路(液冷媒戻し通
路)24を設け、この第3連通路24により、気液分離
器4内の下部の液冷媒貯留域をヘッダタンク12の下部
空間に連通させている。更に、ヘッダタンク12と気液
分離器4との隔壁に第4連通路(気液2相冷媒入口通
路)25を設け、この第4連通路25によりヘッダタン
ク12の中間部空間(仕切り板14と板部材17との間
の空間)を気液分離器4内に連通させている。
【0046】他方のヘッダタンク13は冷媒出口側であ
り、アルミニュウム製の出口ジョイント26がヘッダタ
ンク13の下部にろう付け等により固定されている。こ
の出口ジョイント26に、減圧装置5の配管ブロック2
7がボルト28により締め付け固定される。ここで、入
口ジョイント18、出口ジョイント26および減圧装置
5は凝縮器2の冷却空気流れ方向Aに対して凝縮器2の
上流側(車両前方側)に配置されている。
【0047】なお、凝縮器2の偏平チューブ10、コル
ゲートフィン11、ヘッダタンク12、13、入口ジョ
イント18、出口ジョイント26、および気液分離器4
等はアルミニュウムの一体ろう付けにより一体に接合す
ることができる。
【0048】圧縮機1の吐出冷媒は、吐出冷媒配管2
1、配管側ジョイントブロック19を経て入口ジョイン
ト18からヘッダタンク12の上部空間内に流入する。
その後、冷媒は第1熱交換部2aの上側の偏平チューブ
10を水平方向に通過してヘッダタンク13の上部空間
に流入する。そして、ヘッダタンク13の上部空間で冷
媒は矢印aのようにUターンして、第1熱交換部2aの
下側の偏平チューブ10を水平方向に通過し、ヘッダタ
ンク12の中間部空間(仕切り板14と板部材17との
間の空間)に流入する。
【0049】ここから冷媒の主流は板部材17の絞り1
6を通過してヘッダタンク12の下部空間に流入し、更
に、冷媒は第2熱交換部2bの偏平チューブ10を矢印
bのように通過してヘッダタンク13の下部空間に流入
する。ヘッダタンク13の下部空間の冷媒は出口ジョイ
ント26から減圧装置5側へ向かう。以上は凝縮器2に
おける冷媒の主流路であり、これに対して、気液分離器
4に対して以下の補助流路による冷媒流れが起きる。
【0050】先ず、ヘッダタンク12の上部空間内に流
入した吐出冷媒の一部が矢印cのように第1連通路22
によって分岐され気液分離器4内の上部に直接流入す
る。また、ヘッダタンク12の中間部空間に流入した凝
縮過程の気液2相冷媒の一部が矢印dのように第4連通
路25によって気液分離器4内に直接流入する。
【0051】そして、気液分離器4内にて気液分離され
たガス冷媒は、気液分離器4の上部から矢印eのように
第2連通路23に取り出され、この第2連通路23によ
ってガス冷媒はヘッダタンク12の下部空間に導かれ、
主流路の冷媒に混合する。その後、ガス冷媒は第2熱交
換部2bにて冷却され、凝縮する。このように、気液分
離器4は凝縮過程の気液2相冷媒の気液分離を分離し
て、ガス冷媒をサイクル主流路に戻す高圧側アキュムレ
ータの機能を発揮する。
【0052】また、気液分離器4内の底部側の液冷媒の
一部を矢印fのように第3連通路24によってヘッダタ
ンク12の下部空間に戻しているので、気液分離器4内
の底部側に溜まる液冷媒中のオイルを確実にサイクル主
流路に戻すことができる。
【0053】ところで、入口ジョイント18からの吐出
冷媒の一部が第1連通路22によって気液分離器4内の
上部に直接流入して気液分離器4内の液冷媒と熱交換す
るので、圧縮機吐出冷媒の過熱度を気液分離器4内にフ
ィードバックして、気液分離器4内に溜まる液冷媒量を
調整できる。これにより、サイクル循環冷媒流量を調整
して、圧縮機吐出冷媒の過熱度を調整できる。
【0054】そして、圧縮機1での圧縮過程は基本的に
断熱圧縮による等エントロピ変化であるから、吐出ガス
冷媒の状態が決まると、モリエル線図上で等エントロピ
線により圧縮機1吸入側冷媒の状態、すなわち、吸入側
冷媒の過熱度が決まる。従って、気液分離器4内に溜ま
る液冷媒量を圧縮機吐出冷媒の過熱度変化に対応して調
整することにより、吸入側冷媒の過熱度を制御すること
が可能となる。
【0055】次に、本実施形態の要部をなす減圧装置5
の具体的構成を図4、図5により説明すると、減圧装置
5は、配管ブロック27と、この配管ブロック27に内
蔵される固定絞りで構成される絞り部6と、圧力検出器
7とに大別される。
【0056】配管ブロック27はアルミニュウム等の金
属により略直方体状(図1参照)に成形されており、配
管ブロック27には第1通路穴29が開けてある。この
第1通路穴29は、配管ブロック27を貫通するように
切削加工された円形穴である。第1通路穴29の一端側
(図4の左端側)を冷媒出口部29aとして構成すると
ともに、第1通路穴29の中央部に絞り部6を配置し、
第1通路穴29の他端側(図4の右端側)に圧力検出器
7を配置している。
【0057】また、配管ブロック27には、第1通路穴
29に対して直交する方向に突出する円筒部30が一体
に成形され、この円筒部30の中心部に第2通路穴31
が開けてある。この第2通路穴31は、第1通路穴29
に対して直交する方向に延びて、絞り部6と圧力検出器
7との中間部位にて第1通路穴29と連通する。この第
2通路穴31も切削加工された円形穴である。第2通路
穴31において第1通路穴29との連通部と反対側に位
置する開口端部(図4の上端部)を冷媒出口部31aと
して構成する。
【0058】円筒部30の外周面の円周方向に凹状溝3
2を形成し、この凹状溝32にOリング(弾性シール
材)33を嵌合している。配管ブロック27の円筒部3
0を凝縮器2の出口ジョイント26の冷媒通路穴26a
内に挿入して、このOリング33を冷媒通路穴26aの
内周面に圧着することにより、出口ジョイント26と配
管ブロック27との結合部をシールするようになってい
る。
【0059】図5は絞り部6単体の構成を示すもので、
樹脂製の円柱状本体部6aを有し、この円柱状本体部6
aの中心部に、固定絞りを構成する小径の金属製オリフ
ィスチューブ6bをインサート成形にて一体に固定して
いる。なお、円柱状本体部6aの外周面の円周方向に凹
状溝6cを形成し、この凹状溝6cにOリング(弾性シ
ール材)6dを嵌合し、このOリング6dを第1通路穴
29の内周面に圧着するようになっている。
【0060】円柱状本体部6aの軸方向の一端側(図4
の左端側)はオリフィスチューブ6bの下流側であり、
オリフィスチューブ6bから噴出する高速冷媒を衝突さ
せて消音作用を果たす網目状の消音部材6eが樹脂にて
円柱状本体部6aと一体成形されている。この消音部材
6eは、円柱状本体部6aの端面から突き出すオリフィ
スチューブ6bの下流端周囲を取り囲むように成形され
る。
【0061】さらに、円柱状本体部6aの端面から一体
に突き出すコ字状の枠体部6fにより網目状の消音部材
6eを支持するようになっている。従って、オリフィス
チューブ6bから噴出した高速冷媒は消音部材6eの網
目状の隙間を通過した後、第1通路穴29の冷媒出口部
29aに向かう。
【0062】また、円柱状本体部6aの軸方向の他端側
(図4の右端側)はオリフィスチューブ6bの上流側で
あり、ここには冷媒中の異物を除去するためのフィルタ
部材6gが配置してある。このフィルタ部材6gは樹脂
にて円柱状本体部6aと一体成形された細かい網目状の
部材である。このフィルタ部材6gは第1通路穴29の
内周面に沿って円筒状に成形され、第2通路穴31と第
1通路穴29との連通部を覆うようになっている。
【0063】また、フィルタ部材6gの円筒形状により
円柱状本体部6aの端面から突き出すオリフィスチュー
ブ6bの上流端周囲を取り囲むようになっている。更
に、円柱状本体部6aの端面から複数本の支柱部6hが
一体に突き出しており、この複数本の支柱部6hにより
網目状の消音部材6eの円周方向の複数箇所を支持する
ようになっている。複数本の支柱部6hの先端部にはリ
ング状の仕切り板6iが一体成形され、この仕切り板6
iが第1通路穴29の内周面に密着するようになってい
る。
【0064】この結果、絞り部6の外周部の軸方向の両
端部がOリング6dと仕切り板6iによりシールされ
る。そして、この軸方向の両端部のシール部の中間に第
2通路穴31が位置しているので、凝縮器2の出口冷媒
は第2通路穴31から必ずフィルタ部材6gを通過して
矢印gのようにL字状に屈曲して、第1通路穴29内の
オリフィスチューブ6bの上流側に流入する。
【0065】リング状の仕切り板6iの中心部には連通
穴6jが開けてあるので、フィルタ部材6gの下流側
(内側)空間は連通穴6jを通して第1通路穴29の右
側端部、すなわち、圧力検出器7への圧力導入部6kに
連通している。第1通路穴29のうち、圧力導入部6k
を構成する右側端部には雌ねじ29bが形成してあり、
この雌ねじ29bに、圧力検出器7の金属製本体ハウジ
ング7aの円筒状先端部7bをねじ込んで締め付け固定
している。
【0066】本体ハウジング7aに備えたOリング(弾
性シール材)7cにより本体ハウジング7aと配管ブロ
ック27の端面との間をシールしている。円筒状先端部
7bの中心部に設けた圧力導入通路7dにより本体ハウ
ジング7aの内側空間が第1通路穴29の圧力導入部6
kに連通している。
【0067】本体ハウジング7aは樹脂製のスイッチハ
ウジング7eにかしめ等の手段にて一体に結合されてい
る。この本体ハウジング7aとスイッチハウジング7e
との結合部にはダイヤフラム7fの外周縁部がOリング
(弾性シール材)7gを介在してシール固定されてい
る。ダイヤフラム7fは圧力導入通路7dから導入され
る冷媒圧力(サイクル高圧圧力)の変化に応じて図4の
左右方向に変位する圧力応動部材である。
【0068】スイッチハウジング7e内には、このダイ
ヤフラム7fの変位に対応して反転する複数(図示例は
3種類)の反転板7hと、この反転板7hの反転動作に
より開閉される電気接点7iが備えてある。
【0069】図4の圧力検出器7はトリプル圧力スイッ
チの例を示しており、サイクル高圧圧力が第1所定圧力
以下に低下した「異常低圧」の状態を示すスイッチ信号
と、サイクル高圧圧力が第1所定圧力よりも十分高い第
2所定圧力以上に上昇した「異常高圧」の状態を示すス
イッチ信号と、サイクル高圧圧力が第1所定圧力と第2
所定圧力との中間の第3所定圧力に上昇した状態を示す
スイッチ信号とを発生するようになっている。
【0070】「異常低圧」の状態を示すスイッチ信号と
「異常高圧」の状態を示すスイッチ信号は、電磁クラッ
チ1aへの通電を遮断して、圧縮機1を停止させる圧縮
機制御信号に用いる。また、中間の第3所定圧力に上昇
した状態を示すスイッチ信号は、凝縮器冷却ファン3の
駆動用電動モータ3aの印加電圧を高めて、冷却ファン
3を高速回転させる冷却ファン制御信号に用いる。
【0071】次に、減圧装置5部分の組付方法を図6に
て説明すると、配管ブロック27は図6に示す断面形状
に切削加工され、第1通路穴29において冷媒出口部2
9a寄りの部位に、絞り部6の位置決めを行う段部29
cが内径方向へ突出するように形成してある。
【0072】そして、配管ブロック27において第1通
路穴29の冷媒出口部29aの内周に低圧冷媒配管34
の先端部を矢印B方向から挿入し、この配管34の先端
部をろう付け等により配管ブロック27の端面に一体に
接合する。
【0073】次に、図5に示す絞り部6を矢印Bと反対
方向Cから第1通路穴29内に挿入する。このとき、絞
り部6の円柱状本体部6aの端面が第1通路穴29の段
部29cに突き当たることにより、絞り部6の挿入位置
が位置決めされる。その後に、圧力検出器7の本体ハウ
ジング7aの円筒状先端部7bを矢印C方向から第1通
路穴29の雌ねじ29bにねじ込んで締め付け固定す
る。
【0074】なお、冷凍サイクルの運転時には、絞り部
6の前後に発生する冷媒圧力差によって常に絞り部6が
段部29cに押し付けられるので、絞り部6の位置は固
定される。
【0075】次に、上述した第1実施形態による作用効
果について説明する。
【0076】(1)図1、4に示すように、凝縮器出口
の高圧冷媒を低圧状態に減圧する絞り部6を車両エンジ
ンルーム(車室外)に配置される凝縮器2近傍に配置し
ているから、絞り部6での減圧(絞り)作用に伴う冷媒
流動音が車室内に到達しにくくなり、車室内の静粛化に
とって非常に有利である。
【0077】(2)絞り部6の円柱状本体部6aに網目
状の消音部材6eを一体成形して、オリフィスチューブ
6b出口側の冷媒流路の急拡大を抑制するとともに、オ
リフィスチューブ6bから噴出する高速冷媒流を網目状
の消音部材6eに衝突させて高速冷媒流(ジェットコ
ア)を破壊することにより、消音作用を果たすことがで
きる。これにより、車室内に到達する冷媒流動音をより
一層低減できる。
【0078】(3)第1通路穴29内に絞り部6を矢印
C方向から挿入するために必要となる、第1通路穴29
の右側開口部を圧力検出器7自身を利用して封止でき
る。すなわち、圧力検出器7の本体ハウジング7aの円
筒状先端部7bをOリング7cを介して第1通路穴29
の雌ねじ29bにねじ込んで締め付け固定することによ
り第1通路穴29の右側開口部を確実に封止できる。従
って、絞り部6の挿入用開口部の封止ための専用の蓋部
材が不要となる。
【0079】(4)低圧冷媒配管34を接合した配管ブ
ロック27に絞り部6を内蔵させ、この配管ブロック2
7を凝縮器2のヘッダタンク13の出口ジョイント26
に直接固定しているから、減圧装置5の配管ブロック2
7に凝縮器出口側の配管接続の機能を兼務させることが
できる。その場合に、配管ブロック27の第2通路穴3
1に冷媒入口部31aを設け、第2通路穴31から第1
通路穴29へとL字状に冷媒が屈曲して流れるから、配
管ブロック27を出口ジョイント26に直接固定する構
成であっても、第1通路穴29の冷媒出口部29aと反
対側の端部に圧力検出器7の配置スペースを容易に確保
できる。
【0080】(5)圧力検出器7は冷凍サイクルの高圧
圧力を検出するものであるから、圧縮機1と凝縮器2と
の間の高圧冷媒配管に圧力検出器7を配置することもで
きるが、この配置場所であると、高温の圧縮機吐出ガス
冷媒が圧力検出器7内に導入されるので、圧力検出器7
の樹脂部材等の高温劣化が生じて検出精度が低下すると
いう不具合が発生する。しかし、本実施形態の場合に
は、凝縮器2で冷却されて凝縮(温度低下)した後の高
圧液冷媒が圧力検出器7に導入されるから、圧力検出器
7の樹脂部材等の高温劣化を回避でき、圧力検出器7の
検出精度に対する信頼性を確保できる。
【0081】(6)減圧装置5の配管ブロック27内の
絞り部6において、固定絞りをなすオリフィスチューブ
6bの上流側にフィルタ部材6gを配置し、第2通路穴
31からの冷媒流れがフィルタ部材6gを通過した後に
オリフィスチューブ6b内に流入するから、冷媒中の異
物をオリフィスチューブ6bの直前にてフィルタ部材6
gにより除去できる。そのため、オリフィスチューブ6
bが冷媒中の異物により詰まることを防止できる。
【0082】ここで、フィルタ部材6gよりも上流側に
圧力検出器7が位置すると、圧力検出器7の圧力導入通
路7dがフィルタ部材6gの捕捉した異物により詰まっ
たり、あるいは、樹脂製のダイヤフラム7fが異物の付
着により損傷するという不具合が生じるが、本実施形態
によると、フィルタ部材6gの下流側空間に圧力検出器
7の圧力導入通路7dを連通させており、フィルタ部材
6gの上流側部位と圧力導入通路7dとの間はリング状
の仕切り板6iにより遮断しているから、フィルタ部材
6gの捕捉した異物が圧力導入通路7d側へ侵入するこ
とがない。
【0083】従って、1つのフィルタ部材6gを、固定
絞りをなすオリフィスチューブ6bの閉塞防止および圧
力検出器7側への異物侵入防止のために共用できる。
【0084】(7)圧力検出器7においては、ダイヤフ
ラム7fが圧力導入通路7dからの冷媒圧力(サイクル
高圧圧力)の変化に応じて変位すると反転板7hが反転
動作して、電気接点7iを開閉するのであるが、反転板
7hの反転動作に伴ってダイヤフラム7fが変位して、
冷媒の圧力振動が起こり、この冷媒の圧力振動が冷媒配
管に伝わって車室内へ騒音が伝播することがある。そこ
で、従来の圧力検出器7では、通常、圧力導入通路7d
に図7に示すように絞り7jを形成し、反転板7hの反
転動作に伴う冷媒の圧力振動が冷媒配管側へ伝わること
を防止しているが、本実施形態によると、圧力検出器7
の圧力導入通路7dの直後の部位に固定絞りをなすオリ
フィスチューブ6bが位置しているから、反転板7hの
反転動作に伴う冷媒の圧力振動が、車室内に向かって配
管される低圧冷媒配管34側へ伝わることをオリフィス
チューブ6bにて防止できる。
【0085】従って、従来の圧力検出器7における圧力
導入通路7dの絞り7jを廃止でき、圧力検出器7の本
体ハウジング7aの加工(切削)コストを低減できる。
【0086】なお、第1実施形態では、圧力検出器7と
して電気接点7iを開閉するスイッチタイプのものにつ
いて説明したが、冷媒圧力の変化に応じて電気的特性、
例えば、電気抵抗が変化する圧力センサを圧力検出器7
として使用してもよいことはもちろんである。
【0087】(第2実施形態)第1実施形態では、減圧
装置5の配管ブロック27内に配置される絞り部6とし
て、固定絞りをなすオリフィスチューブ6bのみを使用
しているが、第2実施形態では、絞り部6として固定絞
りと可変絞りとを組み合わせている。
【0088】図8は第2実施形態による絞り部6であ
り、本体部6a’は樹脂にて円筒状に成形されている。
この円筒状本体部6a’には、第1実施形態と同様に、
Oリング6dを嵌合する凹状溝6c、フィルタ部材6
g、連通穴6jを有するリング状の仕切り板6i等が一
体成形されている。配管ブロック27の第2通路穴31
からの冷媒が矢印gのようにフィルタ部材6gを通過し
てL字状に流れる。
【0089】フィルタ部材6gの下流側において、円筒
状本体部6aの内側空間の中心部に円柱状の固定弁座6
nを設け、この固定弁座6nに対して円筒状の弁体6p
を軸方向に移動可能に配置している。この円筒状弁体6
pは中心部に通路穴6qを有し、且つ、弾性手段をなす
コイルばね6rによって常に固定弁座6n側に押圧され
るようになっている。
【0090】従って、フィルタ部材6gの内側空間の冷
媒圧力、すなわち、サイクル高圧圧力とコイルばね6r
のばね力とが釣り合う位置に円筒状弁体6pが移動し
て、固定弁座6nと円筒状弁体6pとの間隔が変化し、
これにより、通路穴6qの開度を変化させる。すなわ
ち、円筒状弁体6pは定差圧弁であり、弁体6pの前後
の差圧がコイルばね6rのばね力により決まる一定値に
維持されるように弁体6pが変位する。
【0091】そして、円筒状本体部6aの下流端部の中
心部にノズル、オリフィス等の固定絞り6b’を設けて
いる。従って、第2実施形態では、冷媒流れの上流側に
位置する可変絞り(円筒状弁体6p、通路穴6q)と、
冷媒流れの下流側に位置する固定絞り6b’とを組み合
わせていることになる。
【0092】第2実施形態によると、サイクル高圧圧力
の変化に応動する可変絞りを固定絞り6b’に組み合わ
せているので、サイクル循環冷媒流量の調整特性を第1
実施形態よりも改善できる。
【0093】なお、減圧装置5の配管ブロック27内に
配置される絞り部6として、サイクル高圧冷媒の状態に
応動する可変絞りのみを使用してもよい。例えば、凝縮
器2の出口冷媒の圧力と温度に応動して弁開度を調整す
る過冷却度制御弁を可変絞りとして用いてもよい。
【0094】この過冷却度制御弁も、図8の第2実施形
態による絞り部6もともにサイクル高圧冷媒の状態に応
動する可変絞りであるから、温度式膨張弁と異なり、凝
縮器2近傍に配置できる。従って、減圧作用に伴う冷媒
流動音が車室内へ伝播しにくいので、車室内の静粛化に
有利である。
【0095】(第3実施形態)第1実施形態では、減圧
装置5の配管ブロック27を凝縮器2のヘッダタンク1
3の出口ジョイント26にボルト28により直接固定し
ているが、第3実施形態では、減圧装置5の配管ブロッ
ク27を冷媒配管途中に配置する。
【0096】図9は第3実施形態を示すものであり、高
圧液冷媒配管35の上流端部を配管側ジョイント36に
ろう付けにより接合し、この配管側ジョイント36を凝
縮器2のヘッダタンク13の出口ジョイント26にボル
ト28により締め付け固定している。高圧液冷媒配管3
5の下流端部も配管ブロック27の第2冷媒通路穴31
の冷媒入口部31aにろう付けにより接合する。第3実
施形態の他の点は第1実施形態と同じである。
【0097】第3実施形態では、減圧装置5の配管ブロ
ック27を凝縮器2の冷却空気流れ方向Aに対して凝縮
器2の上流側に配置しているが、車両エンジンルーム内
において、減圧装置5の配管ブロック27を他の部位、
例えば、凝縮器2よりも後方側の部位等に配置すること
も可能である。
【0098】(第4実施形態)第4実施形態は上記第3
実施形態の変形であり、図10、 図11に示すよう
に、減圧装置5の配管ブロック27に、冷媒の充填弁3
7を追加している。この充填弁37は冷凍サイクル内に
冷媒を充填するときに使用するサービス用の機能部品で
ある。
【0099】第4実施形態では、第2冷媒通路穴31を
配管ブロック27を貫通するように穴開け加工してい
る。そして、第2冷媒通路穴31の一端側を冷媒入口部
31aとし、この冷媒入口部31aに高圧液冷媒配管3
5の下流端部をろう付けにより接合する。また、第2冷
媒通路穴31の他端側を充填弁37の取付部31bと
し、この取付部31bに設けた雌ねじに、充填弁37の
ハウジング37aをOリング(弾性シール材)37bを
介してねじ込み、ハウジング37aを配管ブロック27
に対して気密に締め付け固定している。
【0100】ここで、充填弁37のハウジング37aは
略円筒状であり、その内部に一方向弁(サービスバル
ブ)37cを内蔵している。この一方向弁37cは、冷
媒を封入した冷媒缶(図示せず)の充填口部をハウジン
グ37aに装着すると、冷媒缶の冷媒封入圧が一方向弁
37cの開弁方向(図11の下方向)に作用して一方向
弁37cが図11の下方向に移動して開弁する。これに
より、冷媒缶内の冷媒を充填弁37から配管ブロック2
7を通してサイクル内へ充填できる。
【0101】なお、一方向弁37cはその開弁方向の力
が加わらないときは図示しないばね手段のばね力および
サイクル内冷媒圧力により閉弁方向(図11の上方向)
の力を常時受けて、一方向弁37cのOリング(弾性シ
ール材)37dが弁座部に圧着して閉弁状態を維持する
ようになっている。
【0102】第4実施形態によると、サイクル機能部品
として、圧力検出器7の他に冷媒の充填弁37をも減圧
装置5の配管ブロック27に一体化してるから、減圧装
置5、圧力検出器7および冷媒充填弁37の三者を一度
にまとめて車両に搭載することができ、車両搭載作業を
より一層効率的に行うことができる。
【0103】なお、第4実施形態において、圧力検出器
7と冷媒充填弁37の取付位置を入れ替えて、高圧液冷
媒配管35の延長上に圧力検出器7を配置し、絞り部6
の延長上に冷媒充填弁37を配置するようにしてもよ
い。
【0104】(第5実施形態)第5実施形態は上記第4
実施形態の変形であり、図12に示すように、冷媒充填
弁37のハウジング37aを減圧装置5の配管ブロック
27に一体成形するようにしたものである。これによ
り、単体部品としてのハウジング37aを廃止でき、部
品点数の削減効果を発揮できる。
【0105】なお、第5実施形態の考え方を圧力検出器
7に適用して、圧力検出器7の金属製の本体ハウジング
7aを減圧装置5の配管ブロック27に一体成形するよ
うにしてもよい。
【0106】(第6実施形態)第1実施形態では、図6
に示すように、減圧装置5の配管ブロック27の第1通
路穴29内に先ず絞り部6を矢印C方向から挿入し、そ
の後に、圧力検出器7を再度矢印C方向から第1通路穴
29の端部の雌ねじ29bにねじ込むようにしているの
で、絞り部6と圧力検出器7を配管ブロック27に対し
て別々に2段階に組み付けることになる。
【0107】これに対し、第6実施形態では図13に示
すように、絞り部6と圧力検出器7を予め一体化してお
き、絞り部6と圧力検出器7を配管ブロック27に対し
て一度に組み付けるようにしたものである。
【0108】具体的には、圧力検出器7の金属製本体ハ
ウジング7aの円筒状先端部7bに軸方向へ突出する複
数本の係止爪片7kを一体に形成する。一方、絞り部6
の本体部6aのうち、フィルタ部材6gよりも先端側
に、連通穴6jを有する円筒状の連結部6sを一体成形
し、この連結部6sの外周面にリング状の係止溝6tを
形成する。そして、複数本の係止爪片7kの先端部をこ
の係止溝6t内にかしめることにより、絞り部6と圧力
検出器7を一体化している。
【0109】従って、絞り部6を先に配管ブロック27
の第1通路穴29内に挿入し、続いて、圧力検出器7の
金属製本体ハウジング7aの円筒状先端部7bの雄ねじ
部を配管ブロック27の第1通路穴29の雌ねじ29b
にねじ込むことにより、絞り部6と圧力検出器7を配管
ブロック27に対して一度に組み付けることができる。
なお、第6実施形態では、絞り部6と圧力検出器7を一
体化しているから、絞り部6の位置決めが不要となる。
そのため、第1通路穴29内の位置決め用の段部29c
は廃止できる。
【0110】(第7実施形態)第1実施形態では、図3
に示すように、凝縮器2にアキュムレータ機能を果たす
気液分離器(高圧側アキュムレータ)4を備える冷凍サ
イクルに本発明の減圧装置5を適用する場合について説
明したが、第7実施形態は図14に示すように、圧縮機
1の吸入側に気液分離器(低圧側アキュムレータ)4a
を備える冷凍サイクルに本発明の減圧装置5を適用する
ものである。図14の冷凍サイクルにおいても上述の各
実施形態を同様に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の減圧装置を含む凝縮器
部の斜視図である。
【図2】図1の凝縮器の冷媒通路構成を示す概略断面図
である。
【図3】第1実施形態の冷凍サイクル図である。
【図4】第1実施形態の減圧装置部分の断面図である。
【図5】第1実施形態の減圧装置における絞り部の一部
を半断面した斜視図である。
【図6】第1実施形態の減圧装置の組付説明図である。
【図7】従来の圧力検出器の断面図である。
【図8】第2実施形態による減圧装置の絞り部の断面図
である。
【図9】第3実施形態による減圧装置の車両搭載状態を
示す凝縮器部の斜視図である。
【図10】第4実施形態による減圧装置の車両搭載状態
を示す凝縮器部の斜視図である。
【図11】第4実施形態による減圧装置の断面図であ
る。
【図12】第5実施形態による減圧装置の断面図であ
る。
【図13】第6実施形態により減圧装置の絞り部と圧力
検出器とを一体化した状態を示す断面図である。
【図14】第7実施形態の冷凍サイクル図である。
【符号の説明】
2…凝縮器、5…減圧装置、6…絞り部、6b…オリフ
ィスチューブ(固定絞り)、7…圧力検出器、26…出
口ジョイント、27…配管ブロック、29…第1通路
穴、29a…冷媒出口部、31…第2通路穴、31a…
冷媒入口部。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管ブロック(27)を貫通するように
    第1通路穴(29)を設け、 前記第1通路穴(29)の一端側を冷媒出口部(29
    a)として構成するとともに、前記第1通路穴(29)
    内に冷媒減圧用の絞り部(6)を配置し、前記第1通路
    穴(29)の他端側に冷凍サイクルの機能部品(7、3
    7)を配置し、 また、前記配管ブロック(27)に、前記第1通路穴
    (29)に対して直交する方向に延びて前記絞り部
    (6)と前記機能部品(7、37)との中間部位にて前
    記第1通路穴(29)と連通する第2通路穴(31)を
    設け、前記第2通路穴(31)に冷凍サイクルの凝縮器
    (2)出口側から高圧冷媒が流入する冷媒入口部(31
    a)を構成し、 更に、前記絞り部(6)を固定絞り(6b)もしくは前
    記冷媒入口部(31a)側の高圧冷媒の状態に応動する
    可変絞り(6p、6q)により構成したことを特徴とす
    る減圧装置。
  2. 【請求項2】 配管ブロック(27)を貫通するように
    第1通路穴(29)を設け、 前記第1通路穴(29)の一端側を冷媒出口部(29
    a)として構成するとともに、前記第1通路穴(29)
    内に冷媒減圧用の絞り部(6)を配置し、前記第1通路
    穴(29)の他端側に冷凍サイクルの機能部品(7、3
    7)を配置し、 また、前記配管ブロック(27)に、前記第1通路穴
    (29)に対して直交する方向に延びて前記絞り部
    (6)と前記機能部品(7、37)との中間部位にて前
    記第1通路穴(29)と連通する第2通路穴(31)を
    設け、前記第2通路穴(31)に冷媒入口部(31a)
    を構成し、 前記冷媒入口部(31a)が冷凍サイクルの凝縮器
    (2)の出口コネクタ部(26)に接続されるように、
    前記配管ブロック(27)を前記出口コネクタ部(2
    6)に直接組み付けたことを特徴とする減圧装置。
  3. 【請求項3】 配管ブロック(27)を貫通するように
    第1通路穴(29)を設け、 前記第1通路穴(29)の一端側を冷媒出口部(29
    a)として構成するとともに、前記第1通路穴(29)
    内に冷媒減圧用の絞り部(6)を配置し、前記第1通路
    穴(29)の他端側に冷凍サイクルの機能部品(7、3
    7)を配置し、 また、前記配管ブロック(27)に、前記第1通路穴
    (29)に対して直交する方向に延びて前記絞り部
    (6)と前記機能部品(7、37)との中間部位にて前
    記第1通路穴(29)と連通する第2通路穴(31)を
    設け、前記第2通路穴(31)に冷媒入口部(31a)
    を構成し、 前記冷媒入口部(31a)を冷凍サイクルの凝縮器
    (2)の出口側冷媒配管(35)に接続して前記配管ブ
    ロック(27)を前記凝縮器(2)近傍に配置したこと
    を特徴とする減圧装置。
  4. 【請求項4】 前記絞り部(6)は前記第1通路穴(2
    9)内に前記他端側から挿入され、前記第1通路穴(2
    9)内にて前記冷媒出口部(29a)側の部位に前記絞
    り部(6)の位置決めをする段部(29c)が形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    つに記載の減圧装置。
  5. 【請求項5】 前記第1通路穴(29)内にて前記絞り
    部(6)の直前部位に、前記第2通路穴(31)からの
    冷媒中の異物を除去するフィルタ部材(6g)を配置
    し、 前記第1通路穴(29)内部における前記フィルタ部材
    (6g)の下流側空間が前記機能部品(7、37)内に
    連通することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    1つに記載の減圧装置。
  6. 【請求項6】 前記フィルタ部材(6g)を前記第1通
    路穴(29)の内壁面に沿って円筒状に形成したことを
    特徴とする請求項5に記載の減圧装置。
  7. 【請求項7】 前記第1通路穴(29)内にて前記絞り
    部(6)の直後の部位に前記絞り部(6)から噴出する
    冷媒流れを衝突させて消音作用を果たす消音部材(6
    e)を配置したことを特徴とする請求項1ないし6のい
    ずれか1つに記載の減圧装置。
  8. 【請求項8】 前記第1通路穴(29)内にて前記絞り
    部(6)の直後の部位に前記絞り部(6)から噴出する
    冷媒流れを衝突させて消音作用を果たす消音部材(6
    e)を配置し、 前記絞り部(6)と前記フィルタ部材(6g)と前記消
    音部材(6e)とを一体化した状態にて前記第1通路穴
    (29)内に挿入することを特徴とする請求項5または
    6に記載の減圧装置。
  9. 【請求項9】 前記機能部品は、前記絞り部(6)の上
    流側の冷媒圧力を検出する圧力検出器(7)であること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の
    減圧装置。
  10. 【請求項10】 前記絞り部(6)に前記圧力検出器
    (7)を一体化した状態にて前記絞り部(6)と前記圧
    力検出器(7)を前記配管ブロック(27)に組み付け
    ることを特徴とする請求項9に記載の減圧装置。
  11. 【請求項11】 前記機能部品は、冷凍サイクル内に冷
    媒を充填するための充填弁(37)であることを特徴と
    する請求項1ないし8のいずれか1つに記載の減圧装
    置。
  12. 【請求項12】 前記充填弁(37)のハウジング(3
    7a)を前記配管ブロック(27)に一体成形したこと
    を特徴とする請求項11に記載の減圧装置。
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