JPWO2013018148A1 - 冷凍装置 - Google Patents

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猛 杉本
山下 哲也
哲也 山下
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Abstract

吐出能力を変化させることができ、炭素二重結合を分子構造として有する高温側冷媒を吐出する高温側圧縮機11、高温側凝縮器12、高温側絞り装置13及び高温側蒸発器14を配管接続して、高温側冷媒を循環させる冷媒回路を形成する高温側循環回路10と、二酸化炭素を含む低温側冷媒を吐出する低温側圧縮機21、低温側凝縮器22、低温側絞り装置23及び低温側蒸発器24を配管接続して、低温側冷媒を循環させる冷媒回路を形成する低温側循環回路20と、高温側蒸発器14と低温側凝縮器22とにより構成し、高温側冷媒と低温側冷媒との間の熱交換を行うカスケードコンデンサ30と、圧力検知手段の検知に係る圧力に基づいて、高温側循環回路内の圧力が回路外の圧力に対して負圧にならないように高温側蒸発器14における高温側冷媒の蒸発温度を制御する制御手段40とを備える。

Description

この発明は、冷凍装置に関するものである。特にHFO冷媒等を用いて行うための対応を図るようにしたものである。
近年、オゾン層破壊防止の観点から、冷媒循環(冷凍サイクル)を利用して、対象の冷却等を行う冷凍サイクル装置装置に封入する冷媒として、塩素を含まない冷媒への移行が行われた。ただ、これらの塩素を含まないHFC冷媒(例えばR410A、R404A等)は比較的温暖化係数が高いため、冷凍装置の外へ冷媒が漏れないように冷媒漏れ対策がとられたり、機器の廃棄時には冷媒回収義務が課せられている。しかしながら回収率が不充分であったり、使用時の冷媒漏れもあることから、地球温暖化係数(GWP)の値が小さい冷媒へのさらなる移行が要望されている。GWPの値が小さい冷媒として、例えば、二酸化炭素などの自然冷媒、HFO−1234yf(ハイドロフルオロオレフィン)、HFO−1234ze(テトラフルオロプロペン)のようなHFO(オレフィン系フッ素化合物)系冷媒(以下、HFO冷媒という)等が検討されている。
例えば、従来、HFO冷媒を使用した冷凍装置として、エジェクタと気液分離器とを備えるものがあった(例えば、特許文献1参照)。そして、気液分離器において分離したガス冷媒を圧縮機に戻し、気液分離器において分離した液冷媒を蒸発器において蒸発させた後、エジェクタに吸い込ませるものであった。
特開2010−2134号(第8頁、第1図)
ここで、HFO冷媒は炭素の二重結合をもつ分子構造である。一般に炭素と炭素の二重結合や三重結合という官能基、言いかえるとアルケンやアルキンのような(不飽和炭化水素)は、さまざまな分子が付加反応するという特徴を持っている。このため、従来の多重結合を持たない冷媒に対して、炭素多重結合を持つ冷媒は、多重結合部が開裂しやすく、また、官能基が他の物質と反応しやすく化学的安定性が極端に劣る特性を有している。特に冷媒循環回路内にコンタミ(コンタミネーション)として混入した空気や水分との反応によって冷媒が分解されやすくなる。
また、例えばHFO冷媒において、例えばHFO−1234yfの大気圧における沸点は約−29.4℃、HFO−1234zeの沸点は約−19.0℃と他の冷媒と比べると高い。このため、冬期の外気温度が低いときなど、冷媒循環回路内において特に低圧側となる部分は、回路外の圧力に対して負圧になる可能性が高くなる。そして、冷媒配管に欠陥等がある場合には、冷媒循環回路内に空気、水分が混入するおそれが高くなり、欠陥部分から混入した空気が冷媒と反応して、冷媒の分解が促進され、冷媒循環回路内にスラッジ等が生成される可能性があった。
また、HFO冷媒は沸点が高いため、例えばR404A等のHFC冷媒のように、蒸発温度が−45℃〜−20℃となるように制御し、低温域の冷却に利用することが難しくなる。このため、例えば冷凍食品を保管する用途等の冷凍装置における冷媒として使うことができなかった。
そこで、引用文献1に記載した冷凍装置では、低圧側が負圧になる範囲を減らし、また低温域での使用を可能にして温度範囲を拡大するために、気液分離器とエジェクタとを備える。そして、気液分離器が分離した気相状態の冷媒を圧縮機に導き、液相の冷媒をエジェクタに吸引させるようにする。エジェクタにより冷媒循環回路における低圧側の圧力が高くなるようにすることで、冷媒循環回路内に空気、水等が混入するおそれを低減させ、蒸発温度を低くして冷却できる温度範囲を拡大できるようにした。
しかし、エジェクタによる昇圧を行って約5〜10K分程度である。一方、HFO−1234yfの沸点が約−29.4℃であるため、たとえ10K分の昇圧ができたとしても蒸発温度は約−39.4℃となる。また、冷媒循環回路内の一部が負圧になる可能性が残っており、例えば、冷媒配管に欠陥等がある場合は、冷媒循環回路内に空気、水分等が入ることで、冷媒の分解等が懸念され、冷凍食品を保存するような低温域での使用が難しかった。
また、エジェクタ内部で流速が大きく変化するため、効率を確保するためにはエジェクタ構造の精密な加工精度が要求される。このため、広範囲な冷凍能力を要求される分野については、さまざまな容量のエジェクタを開発しなければならず、開発期間、開発コスト等が負担となっていた。
そこで、この発明は、GWPが低く、炭素多重結合の分子構造を有するHFO冷媒等を用いつつ、スラッジ等の発生を抑え、また、冷却温度帯域が広く、低温域の冷却に利用できるような冷凍装置を提供するものである。
この発明に係る冷凍装置は、吐出能力を変化させることができ、炭素二重結合を分子構造として有する高温側冷媒を吐出する高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置及び高温側蒸発器を配管接続して、高温側冷媒を循環させる冷媒循環回路を形成する高温側循環回路と、二酸化炭素を含む低温側冷媒を吐出する低温側圧縮機、低温側凝縮器、低温側絞り装置及び低温側蒸発器を配管接続して、低温側冷媒を循環させる冷媒循環回路を形成する低温側循環回路と、高温側蒸発器と低温側凝縮器とにより構成し、高温側冷媒と低温側冷媒との間の熱交換を行うカスケードコンデンサと、圧力検知手段の検知に係る圧力に基づいて、高温側循環回路内の圧力が回路外の圧力に対して負圧にならないように高温側蒸発器における高温側冷媒の蒸発温度を制御する制御手段とを備える。
この発明によれば、高温側循環回路を循環する高温側冷媒を炭素二重結合を分子構造として有する冷媒とし、低温側循環回路を循環する低温側冷媒を二酸化炭素冷媒とし、高温側蒸発器の蒸発温度が高温側冷媒の沸点以下とならないようにしたので、高温側循環回路内が負圧にならずにすみ、空気等が高温側循環回路内に流入するのを防ぐことができる。また、高温側循環回路の蒸発温度が高くても、低温側循環回路において低温域まで冷却することができ、冷却温度帯域の拡大をはかることができる。また、GWPが低く、効率がよい冷凍装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1における冷凍装置の構成を表す図である。 高温側冷媒の蒸発温度と高温側循環回路10における冷凍能力との関係を表す図である。 この発明の実施の形態2における冷凍装置の構成を表す図である。 この発明の実施の形態3における高温側凝縮器12と高温側絞り装置13との関係を表す図である。 各種方式の冷凍条件でのCOPの比較である。 各種方式の冷凍条件でのTEWI(総合等価温暖化因子)の比較である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における冷凍装置の構成を表す図である。ここでは、冷凍サイクル装置の一例として二段の冷媒循環回路で構成する二元冷凍措置について説明する。図1に示すように、本実施の形態における二元冷凍装置は、高温側循環回路10と低温側循環回路20とを有し、それぞれ独立して冷媒を循環させる冷媒循環回路を構成する。そして、2つの冷媒循環回路を多段構成にするために、高温側蒸発器14と低温側凝縮器22とを、それぞれ通過する冷媒間での熱交換を可能に結合させて構成したカスケードコンデンサ(冷媒間熱交換器)30を設けている。そして、二元冷凍装置全体の運転制御を行う制御手段40を有する。ここで、以下で説明する温度、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、システム、装置等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
図1において、高温側循環回路10は、高温側圧縮機11と、高温側凝縮器12と、高温側絞り装置13と、高温側蒸発器14とを直列に冷媒配管で接続した冷媒循環回路を構成している。一方、低温側循環回路20は、低温側圧縮機21と、低温側凝縮器22と、第一の低温側絞り装置23と、低温側蒸発器24とを直列に冷媒配管で接続した冷媒循環回路を構成している。
ここで、高温側循環回路を循環する冷媒(以下、高温側冷媒という)として、例えば炭素2重結合を含む、HFO−1234yf、HFO−1234ze等のHFO(テトラフルオロプロペン)冷媒を用いるものとする。ここでは単一のHFO冷媒とするが、例えばHFO−1234yfとR32とを混合した混合冷媒を高温側冷媒としてもよい。また、低温側循環回路を循環する冷媒(以下、低温側冷媒という)として、二酸化炭素(CO)を含む冷媒(二酸化炭素冷媒)を用いるものとする。
高温側循環回路10の高温側圧縮機11は、高温側冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。ここで、本実施の形態の高温側圧縮機11は、例えばインバータ回路等により運転周波数を制御し、高温側冷媒の吐出量を調整(能力可変)できるタイプの圧縮機である。高温側凝縮器12は、例えば送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等と高温側冷媒との間で熱交換を行い、高温側冷媒を凝縮液化させるものである。
減圧弁、膨張弁等の高温側絞り装置13は、高温側冷媒を減圧して膨張させるものである。例えば電子式膨張弁等の流量制御手段で構成することが最適であるが、毛細管(キャピラリ)、感温式膨張弁等の冷媒流量調節手段で構成してもよい。高温側蒸発器14は、熱交換により高温側冷媒を蒸発ガス化させるものである。例えば、ここではカスケードコンデンサ30において高温側冷媒が通過する伝熱管等が高温側蒸発器14となって、低温側冷媒との熱交換を行うものとする。
一方、低温側循環回路20の低温側圧縮機21は、低温側冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。低温側圧縮機21についても、例えばインバータ回路等を有し、低温側冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成するとよい。また、低温側凝縮器22は、熱交換により低温側冷媒を凝縮液化させるものである。例えば、ここではカスケードコンデンサ30において低温側冷媒が通過する伝熱管等が低温側凝縮器22となって、高温側冷媒との熱交換を行うものとする。
減圧弁、膨張弁等の低温側絞り装置23は、低温側冷媒を減圧して膨張させるものである。例えば電子式膨張弁等の流量制御手段で構成することが最適であるが、毛細管等の冷媒流量調節手段で構成してもよい。ここで、低温側絞り装置23は制御手段40からの指示に基づいて開度調整を行う流量制御手段で構成しているものとする。例えば、低温側絞り装置23開度調整ができない冷媒流量調節手段である場合において、絞り機能を最小化し、圧力損失の低減等をはかるため、例えば低温側絞り装置23と並列にバイパス配管(図示せず)を設けるようにしてもよい。そして、冷媒流量調節手段を必要としない場合には、バイパス配管に冷媒を流すように切り替えることができるように構成してもよい。
低温側蒸発器24は、例えば送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、ブライン等と低温側冷媒との間で熱交換を行い、低温側冷媒を蒸発ガス化させるものである。低温側冷媒との熱交換により、冷却対象物等を直接又は間接に冷却する。
また、カスケードコンデンサ30は、前述した高温側蒸発器14と低温側凝縮器22との機能を有し、高温側冷媒と低温側冷媒とを熱交換可能にする冷媒間熱交換器である。例えばプレート熱交換器、二重管熱交換器等で構成する。カスケードコンデンサ30を介して高温側循環回路と低温側循環回路とを多段構成にし、冷媒間の熱交換を行うようにすることで、独立した冷媒循環回路を連携させることができる。
制御手段40は、高温側循環回路10および低温側循環回路20の状態を監視し、二元冷凍装置における冷却運転等の動作を制御する。例えば高温側圧縮機11、高温側絞り装置13、低温側圧縮機21、低温側絞り装置23等の動作を制御する。特に本実施の形態では、高温側蒸発器14の蒸発温度が目標蒸発温度以上となるように制御する。また、低圧圧力センサー41は、高温側圧縮機11の吸入側の圧力(低圧圧力)を検知する。
次に、二元冷凍装置の冷却運転時における各構成機器の動作等を、各冷媒循環回路を循環する冷媒の流れに基づいて説明する。まず、高温側循環回路10の冷却運転時の動作について説明する。高温側圧縮機11は、高温側冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は高温側凝縮器12へ流入する。高温側凝縮器12は、送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等と高温側冷媒との間で熱交換を行い、高温側冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した高温側冷媒は高温側絞り装置13を通過する。高温側絞り装置13は、通過する凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は高温側蒸発器14(カスケードコンデンサ30)に流入する。高温側蒸発器14は、低温側冷媒との熱交換により高温側冷媒を蒸発ガス化する。蒸発ガス化した高温側冷媒を高温側圧縮機11が吸入し、吐出する。
高温側循環回路10では、上述したように高温側冷媒としてHFO冷媒を用いている。HFO冷媒において、例えばHFO−1234zeは、沸点が約−19℃である。したがって、高温側蒸発器14における高温側冷媒の蒸発温度が沸点より低い環境下における低圧側の配管等内は、配管外の圧力(大気圧)に対して負圧となる。そこで、高温側蒸発器14の蒸発温度がHFO冷媒の沸点以下にならないようにする。このため、例えば、高温側蒸発器14の目標蒸発温度を−15℃に設定し、制御手段40は、低圧圧力センサー41の検知に係る圧力に基づいて、高温側蒸発器14の蒸発温度が例えば−15℃以上になるように高温側圧縮機11の運転周波数を制御する。このような高温側冷媒の状態においては、冷媒循環回路(配管)内の圧力が、回路外の圧力に対して高いため、配管外から配管内に空気等の異物が侵入することを防ぎ、スラッジの発生を抑えることができる。
また、制御手段40は、高温側圧縮機11の起動時には、最低の運転周波数で起動させるようにし、高温側循環回路10内における圧力差が小さい状態にして、低圧側における圧力が比較的高くなるようにする。そして、高温側蒸発器14における高温側冷媒の蒸発温度が目標蒸発温度以上となる範囲で徐々に圧力を下げていく。起動時において、低圧側の圧力を急に下げないようにして、冷媒循環回路内が負圧にならないようにすることで、起動時においても空気等の異物が侵入することを防ぎ、スラッジの発生を抑えることができるようにすることができる。
一方、低温側循環回路20の低温側圧縮機21は、低温側冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は低温側凝縮器22(カスケードコンデンサ30)に流入する。低温側凝縮器22は、高温側冷媒との熱交換により低温側冷媒を凝縮液化する。凝縮液化した低温側冷媒は低温側絞り装置23を通過する。そして低温側絞り装置23は凝縮液化した低温側冷媒を減圧する。減圧した低温側冷媒は低温側蒸発器24に流入する。低温側蒸発器24は、冷却対象と低温側冷媒との間で熱交換を行い、低温側冷媒を蒸発ガス化する。このとき、冷却対象は直接又は間接に冷却される。そして、低温側蒸発器24を流出した低温側冷媒を低温側圧縮機21が吸入し、吐出する。このように、HFO冷媒を用いた高温側循環回路10における蒸発温度が−15℃以上であっても、低温側循環回路20において、低温側蒸発器24における冷媒の蒸発温度を例えば−45℃等として低温域での冷却を行うことができる。
例えば、高温側循環回路10の高温側蒸発器14の蒸発温度について、低温側蒸発器24における低温側冷媒の蒸発温度を、冷蔵用(例えば−10℃)に設定して冷凍装置を運転する場合には、高温側蒸発器14における高温側冷媒の蒸発温度は8〜10℃程度になる。また、低温側蒸発器24における低温側冷媒の蒸発温度を、冷凍用(例えば−40℃)に設定して冷凍装置を運転する場合には、高温側蒸発器14における高温側冷媒の蒸発温度は−15〜−10℃程度になる。このため、冷凍用に設定して運転する方が、高温側蒸発器14における蒸発温度と例えばHFO−1234zeの沸点(約−19℃)との差が小さくなる。そこで、ここでは、冷凍用として運転を行う場合の制御等について説明する。
図2は高温側冷媒の蒸発温度と高温側循環回路10における冷凍能力との関係を表す図である。図2では、高温側蒸発器14における冷媒の蒸発温度を横軸とする。また、高温側圧縮機11と高温側凝縮器12との能力を組み合わせた冷凍能力を縦軸とする。
例えば、外気温度が35℃(夏場)の場合に、目標の冷凍能力を得るため、高温側蒸発器14における冷媒の蒸発温度が−15℃となるように能力を設定したとする。図2に示すように、外気35℃における冷凍能力線図A1と高温側蒸発器14の能力線図Bとの交点においては、蒸発温度−15℃で冷凍能力C1で運転している。
一方、中間期、冬期等においては、高温側凝縮器12の凝縮温度が下がる。このため、例えば外気が20℃の場合における、高温側圧縮機11と高温側凝縮器12とを組み合わせた冷凍能力は、図2に示すように、外気35℃の冷凍能力と比べて大きくなる(冷凍能力線図A2)。このため、冷凍能力線図A2と高温側蒸発器14の能力線図Bとの交点においては、蒸発温度−15℃より低い温度Dで冷凍能力C2で運転することになる。このとき、場合によってはHFO1234zeの沸点を下回ることになる。このとき、例えば目標とする蒸発温度が−15℃となるように高温側圧縮機11の運転周波数を下げて冷凍能力を低下させる。これにより、高温側蒸発器14の蒸発温度−15℃を維持することができる。このとき、冷凍能力はC2からC1に落とすことになるが、目標の冷凍能力は夏場の35℃を基準に選定しているため、冷凍能力不足になることはない。
以上のように、実施の形態1の冷凍装置によれば、高温側循環回路10の高温側冷媒をHFO冷媒とし、低温側循環回路20の低温側冷媒を二酸化炭素冷媒とする二元冷凍装置で構成し、高温側蒸発器14の蒸発温度がHFO冷媒の沸点以下とならないようにしたので、高温側循環回路10内が負圧にならずにすみ、空気等が高温側循環回路10内に流入するのを防ぎ、スラッジの発生を抑えることができる。また、高温側循環回路10の蒸発温度が高くても、低温側循環回路20において低温域まで冷却することができ、冷却温度帯域の拡大をはかることができる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2における冷凍装置の構成を表す図である。図3において、図1と同じ符号を付している機器は、実施の形態1で説明した機器と同じ動作等を行う。
本実施の形態での冷凍装置は、低温側圧縮機21と低温側凝縮器22との間に補助コンデンサ(中間冷却器)25を有している。補助コンデンサ25は、ガスクーラまたは凝縮器として機能し、例えば送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等と低温側冷媒との間で熱交換を行い、所定温度に冷却して、低温側凝縮器22において低温側冷媒を凝縮液化させる補助を行うものである。ここで、補助コンデンサ25では、低温側冷媒を凝縮液化できなくてもよく、少なくとも低温側冷媒から熱(顕熱)を奪うようにすることで低温側冷媒を一定温度まで冷却させることができればよい。ここで、送風機等には、高温側凝縮器12に空気等を供給する送風機等を共通して用いてもよい。
補助コンデンサ25を設けることにより、カスケードコンデンサ30(低温側凝縮器22と高温側蒸発器14)において高温側冷媒と低温側冷媒との熱交換に係る熱量(熱交換量)少なくすることができる。このため、高温側循環回路10の高温側冷媒の量を少なくすることができる。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3における高温側凝縮器12と高温側絞り装置13との関係を表す図である。ここでは、高温側凝縮器12と高温側絞り装置13との間の配管接続ができるだけ短くなるように配置等する。例えば、図4に示すように、熱交換器と絞り装置とを一体として構成する弁一体型熱交換器16を用いてもよい。高温側凝縮器12と高温側絞り装置13とをこのような関係を有する配置をすることで、高温側循環回路10内において高温側冷媒が液状の冷媒(液冷媒)となる部分の容積を極力少なくすることができる。液冷媒は冷媒密度が高いので、液冷媒として循環回路を流れる部分を少なくすることで、高温側循環回路10内の冷媒量を少なくすることができる。
図5は低温域(冷凍領域)における冷媒の条件が異なる冷凍装置によるCOPを表す図である。また、図6は低温域における冷媒の条件が異なる冷凍装置によるTEWI(Total Equivalent Warming Impact )を表す図である。図5及び図6では、1つの冷媒循環回路で構成する単段構成の冷媒装置においては、冷媒をR404A(GWP:3922。一般的な業務用冷却装置)、二酸化炭素(GWP:1)とによりそれぞれ冷却運転を行った場合を表している。また、二元冷凍装置においては、高温側冷媒をR404A、低温側冷媒を二酸化炭素としたもの、高温側冷媒をHFO−1234yf(GWP:6)、低温側冷媒を二酸化炭素としたものによりそれぞれ冷却運転を行った場合を表している。
そして、図5については、R404Aを冷媒とする単段構成の冷凍装置におけるCOPを100%として、他の冷凍装置の冷却運転におけるCOPの割合を表している。同様に、図6については、二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置を二酸化炭素におけるTEWIを100%として、他の冷凍装置の冷却運転におけるTEWIの割合を表している。また、運転に係る条件は、外気温度が32℃、例えばショーケースなどの負荷側(低温側)となる蒸発器における蒸発温度を−10℃(冷蔵条件)、冷凍能力を約30kWとする。また、単段構成の冷凍装置、低温側循環回路20における延長配管を100mとする。このとき、液管径(液冷媒が通過する管の径)をφ19.05mm、ガス管径(ガス冷媒が通過する管の径)をφ38.1mmとする)とする。
ここで、上述したTEWIは次式(1)にて計算することができる。ここで、(1)の各パラメータについて、TEWIは総合等価温暖化因子(kgCO)を表す。また、GWPは温暖化係数、mは冷媒循環回路への冷媒充填量(kg)、Lは年間冷媒漏れ率(%)、nは機器運転年数を表す。αは廃棄時における冷媒回収率を表す。そして、Wは年間消費電力量(kWh/年)、βは電力のCO排出原単価を表す。
TEWI=GWP×m×L×n+GWP×m×(1−α)+n×W×β …(1)
本実施の形態では、また、年間冷媒漏れ率Lについては、単段構成の冷凍装置及び二元冷凍装置の低温側循環回路20においては、設置時に現地での延長配管を考慮して16%とする。一方、二元冷凍サイクルの高温側循環回路10は現地で配管をせず閉じた冷媒循環回路となるため2%とする。また、機器運転年数nを15年とし、廃棄時冷媒回収率αを30%とする。そして、排出原単価βを0.41kgCO/kWh)とする。
低温域において、高温側冷媒をHFO−1234yfとし、低温側冷媒を二酸化炭素冷媒とした二元冷凍装置は、図5に示すように、COPについては、現在、低温域で一般に使われるR404Aを用いた単段の冷凍装置と比較して約19%改善している。また、図6に示すように、TEWIについては、二酸化炭素冷媒を用いた単段の冷凍装置よりも小さくすることができる。そして、R404Aを用いた単段の冷凍装置と比較して約30%低減している。
実施の形態4.
例えば、上述の実施の形態1等においては、高温側蒸発器14の蒸発温度の制御において、高温側圧縮機11の運転周波数制御について説明したが、例えば高温側絞り装置13の開度制御により蒸発温度の制御等をするようにしてもよい。
10 高温側循環回路、11 高温側圧縮機、12 高温側凝縮器、13 高温側絞り装置、14 高温側蒸発器、16 弁一体型凝縮器、20 低温側循環回路、21 低温側圧縮機、22 低温側凝縮器、23 低温側絞り装置、24 低温側蒸発器、30 カスケードコンデンサ、40 制御手段、41 低圧圧力センサー。
近年、オゾン層破壊防止の観点から、冷媒循環(冷凍サイクル)を利用して、対象の冷却等を行う冷凍サイクル装置に封入する冷媒として、塩素を含まない冷媒への移行が行われた。ただ、これらの塩素を含まないHFC冷媒(例えばR410A、R404A等)は比較的温暖化係数が高いため、冷凍装置の外へ冷媒が漏れないように冷媒漏れ対策がとられたり、機器の廃棄時には冷媒回収義務が課せられている。しかしながら回収率が不充分であったり、使用時の冷媒漏れもあることから、地球温暖化係数(GWP)の値が小さい冷媒へのさらなる移行が要望されている。GWPの値が小さい冷媒として、例えば、二酸化炭素などの自然冷媒、HFO−1234yf(ハイドロフルオロオレフィン)、HFO−1234ze(テトラフルオロプロペン)のようなHFO(オレフィン系フッ素化合物)系冷媒(以下、HFO冷媒という)等が検討されている。
図1において、高温側循環回路10は、高温側圧縮機11と、高温側凝縮器12と、高温側絞り装置13と、高温側蒸発器14とを直列に冷媒配管で接続した冷媒循環回路を構成している。一方、低温側循環回路20は、低温側圧縮機21と、低温側凝縮器22と、低温側絞り装置23と、低温側蒸発器24とを直列に冷媒配管で接続した冷媒循環回路を構成している。

Claims (5)

  1. 炭素多重結合を分子構造として有する高温側冷媒を吐出する、能力可変の高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置及び高温側蒸発器を配管接続して、高温側冷媒を循環させる冷媒循環回路を形成する高温側循環回路と、
    二酸化炭素を含む低温側冷媒を吐出する低温側圧縮機、低温側凝縮器、低温側絞り装置及び低温側蒸発器を配管接続して、低温側冷媒を循環させる冷媒循環回路を形成する低温側循環回路と、
    前記高温側蒸発器と前記低温側凝縮器とにより構成し、前記高温側冷媒と前記低温側冷媒との間の熱交換を行うカスケードコンデンサと、
    前記高温側圧縮機の吸入側の圧力を検知する圧力検知手段と、
    該圧力検知手段の検知に係る圧力に基づいて、前記高温側循環回路内の圧力が回路外の圧力に対して負圧にならないように、前記高温側蒸発器における前記高温側冷媒の蒸発温度を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記低温側圧縮機と前記低温側凝縮器との間に、前記低温側冷媒が所定温度になるように冷却させる補助コンデンサをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 高温側凝縮器と高温側絞り装置との間の配管が一体となるように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍装置。
  4. 前記制御手段は、前記圧力検知手段の検知に係る圧力に基づいて、高温側圧縮機の運転周波数を制御して、前記高温側蒸発器における前記高温側冷媒の蒸発温度が所定温度以上となるように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍装置。
  5. 前記制御手段は、最低の運転周波数で前記高温側圧縮機を起動させてから前記運転周波数を高めていくように駆動することを特徴とする請求項4に記載の冷凍装置。
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