JP2010007874A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮機1と、第1熱交換器9と、減圧装置8と、第2熱交換器5と、を接続した冷媒回路を有し、作動流体として炭素の2重結合を持つHFC冷媒を使用し、圧縮機1の吐出側と吸入側を短絡接続して作動流体を流すバイパス回路を備えた。
【選択図】図1
Description
しかし近年では、オゾン層の保護に加えて、地球温暖化防止の重要性が高まってきており、冷凍サイクル装置の作動流体として、オゾン層を破壊しないだけでなく、地球温暖化係数が小さい冷媒が求められるようになってきている。
地球温暖化係数が小さい冷媒の例として、自然系冷媒である二酸化炭素や炭化水素が挙げられる。
また、作動流体として炭化水素を使用した場合には、炭化水素は可燃性が強いため、冷媒が漏れた際でも炭化水素濃度を低く抑えるように、冷凍サイクル内に封入する冷媒量を少量に限定する。
また、炭化水素は可燃性が強いため、冷媒として封入できる冷媒量が50g程度と少なく、冷凍能力が小さい装置でなければ使用することが難しい。
このため、冷媒回路中に空気や水などが存在すると、作動流体である冷媒の2重結合が重合反応を起こして別の物質に変化する。このことが原因となり、次に述べるような課題が生じる。
特に、外気温度が低いときに暖房サイクルで圧縮機を起動すると、吸入圧力が降下して大気圧以下の圧力(負圧)になる場合が発生する。熱交換器や配管の接続部等の冷媒回路に漏れ箇所が存在する状態で、冷媒の圧力が負圧になると、大気中の空気や水分が冷媒回路内に侵入する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
本実施の形態1に係る冷媒回路では、冷媒を圧縮する圧縮機1、冷媒の流れ方向を切り換える四方弁2、室内熱交換器5、絞り量が固定の毛細管または/および絞り量を任意に調整できる電動膨張弁から成る減圧装置8、室外熱交換器9が、冷媒の配管によって順次接続されている。
3は主に液相の冷媒が流れる液管に接続され、冷媒を室外機に封止するための液管閉止弁、4は冷媒の乾き度が0.5以下で主に液相の冷媒が流れる液管延長配管、6は冷媒の乾き度が0.5以上で気相の冷媒が流れるガス管延長配管、7は冷媒を室外機に封入する際に使用するチャージポート付きで、主に気相の冷媒が流れるガス管に接続され、冷媒を室外機に封止するための閉止弁である。
圧縮機1の出口配管12と、減圧装置8〜室外熱交換器9間の配管とは、電磁開閉弁10と毛細管11からなるバイパス回路でバイパスされている。電磁開閉弁10の動作については、後述の図2で改めて説明する。
暖房モード動作時(実線)は、圧縮機1から吐出された高圧高温の冷媒が室内熱交換器5に供給され、室内熱交換器5が暖房として動作する。冷房モード動作時(点線)は、冷媒の流れがこの逆向きになる。
なお、四方弁2が動作するためには、少なくとも所定の最低動作圧力が必要である。
また、「遮断手段」は、電磁開閉弁10が相当する。
次に、冷媒としてハイドロフルオロオレフィン(CF3CF=CH2)を用いることに起因して生じる課題について説明する。
このため、冷媒回路中に空気が侵入すると、空気中の酸素と炭素2重結合が反応して重合物が生成され、先に説明したような、冷凍サイクル装置の性能低下が発生する。以下、冷媒回路中に空気が侵入する可能性がある状況について説明する。
同様に、冷房運転を行った場合も、吸引側の冷媒は室内熱交換器5から熱を受け取るので、吸引側の冷媒温度は大気圧以上の圧力での蒸発温度に達し、吸気圧力は負圧にならない。
圧縮機1に溜まり込んだ冷媒が吐出され、圧縮機1以外の冷媒回路中に存在する冷媒量が十分な量になれば、負圧運転は解消される。しかし、それまでの間は負圧運転が続くため、冷媒回路の減圧装置8〜圧縮機1の吸入までの途中経路に漏れ箇所が存在していると、空気が冷媒回路内に侵入する。
そこで、圧縮機1の出口配管12を、電磁開閉弁10等からなるバイパス回路で吸入側にバイパスすることで、圧縮機1が安定運転時と同じ、冷媒のマイナス24℃での飽和圧力で吸入した場合に必要な冷媒量を供給し、吸入圧力が負圧とならないようにする。
また、圧縮機1からバイパスされた冷媒は減圧装置8を通過してきた冷媒と混合され、室外熱交換器9を通過するため、圧縮機1から吐出された冷媒は全て室外熱交換器を通過して空気から熱を奪う仕事をするため、バイパスした冷媒を直接圧縮機1の吸入に戻す場合に比べて、バイパス分だけ多い量の熱を熱交換器で空気から奪うことができ、早く冷凍サイクル内の熱量を高くすることができる。
以下、バイパス回路を用いた負圧回避動作について、図2を用いて説明する。
まず始めに、圧縮機1の吐出と吸入の圧力を同等にするための調整動作を行い、その後に暖房動作を開始する。また、吸入圧力が負圧になることを回避するため、バイパス回路を用いた動作を行う。以下、図2の各ステップについて説明する。
制御部は、圧縮機1の吐出と吸入の圧力を同じにするために、四方弁2に通電して冷房方向へ切り替えるよう試みる。
吐出と吸入の圧力差がある場合には、四方弁2は冷房の位置に切り替わり、圧力差が解消される。圧力差がない場合には四方弁2は切り替わらず、暖房の位置のままとなる。
本ステップで吐出と吸入の圧力が同等になるよう調整され、以後のステップでは暖房動作を行う。
制御部は、四方弁2に通電して暖房方向へ切り替えるよう試みる。ただし、本ステップの時点では吐出と吸入の圧力差がないため、四方弁2は切り替わらない。以後のステップS205において、吐出と吸入の圧力差が所定の最低動作圧力に達した時点で、四方弁2が暖房側に切り替わる。
(S203)
制御部は、電磁開閉弁10を閉じた状態で、圧縮機1を起動する。
制御部は、四方弁2が暖房側になっているか否かを判定する。ステップS203で圧縮機1を起動した時点で四方弁2が暖房側になっていれば、ステップS206へ進む。同時点で四方弁2が冷房側になっていれば、ステップS205へ進む。
(S205)
吐出と吸入の圧力差が四方弁2の最低作動圧力差に到達した時点で、四方弁2は冷房の位置から暖房の位置に切り替わる。
なお、ステップS203で電磁開閉弁10を閉じているのは、本ステップにおいて吐出と吸入の圧力差が四方弁2の最低作動圧力差に速やかに達するよう配慮したものであることを付言しておく。
制御部は、電磁開閉弁10を開く。これにより、圧縮機1から吐出された冷媒は、毛細管11で流量が調整された上で室外熱交換器9の入口15に流れ、室外熱交換器9を通過した後に、圧縮機1に吸入される。
本ステップの動作により、圧縮機1の吸入側へ速やかに冷媒を供給することができる。
制御部は、所定時間経過後、電磁開閉弁10を閉じる。
圧縮機1に溜まり込んだ冷媒が冷媒回路中に吐出されると、圧縮機1に吸入される冷媒の不足も解消される。したがって、以後の動作では、電磁開閉弁10を開けておく必要はない。
なお、電磁開閉弁10を閉じることで、圧縮機1から吐出された冷媒が全て室内熱交換器5を通過することになるので、冷媒の熱量を全て暖房に使うことができるようになる。この観点からも、圧縮機1内の冷媒が吐出された時点で、電磁開閉弁10を閉じることが望ましい。
これにより、室内熱交換器5の温度を早く上昇させ、暖房の立ち上がり性を向上する効果もある。
本発明において、冷媒として用いる物質は、ハイドロフルオロオレフィン(CF3CF=CH2)に限定されるものではない。
実施の形態1で説明した構成と動作を、炭素2重結合を有するその他のHFC冷媒に適用しても、同様な効果を得ることができる。また炭素2重結合を有するHFC冷媒を含む混合冷媒に適用してもよい。
Claims (5)
- 圧縮機と、第1熱交換器と、減圧装置と、第2熱交換器と、
を接続した冷媒回路を有し、
作動流体として炭素の2重結合を持つHFC冷媒を使用し、
前記圧縮機の吐出側と吸入側を短絡接続して前記作動流体を流すバイパス回路を備えた
ことを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 前記バイパス回路は、
前記圧縮機の吐出側出口を、前記減圧装置と前記第1熱交換器との間へ接続する
ことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。 - 前記バイパス回路を閉じて前記作動流体が前記バイパス回路を流れないようにする遮断手段と、
前記遮断手段の動作を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷凍サイクル装置。 - 前記制御部は、
前記圧縮機が起動した後に前記遮断手段を開放して前記作動流体が前記バイパス回路を流れるようにし、
所定時間が経過した後に前記遮断手段を閉じる
ことを特徴とする請求項3記載の冷凍サイクル装置。 - 前記制御部は、
前記作動流体が前記第2熱交換器を暖房動作させるサイクルで前記冷媒回路を流れるときに、
前記遮断手段を開放して前記作動流体が前記バイパス回路を流れるようにする
ことを特徴とする請求項4記載の冷凍サイクル装置。
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