JP2020094698A - 冷凍装置 - Google Patents

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Eiji Kumakura
英二 熊倉
岡本 哲也
Tetsuya Okamoto
哲也 岡本
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    • F25B43/02Arrangements for separating or purifying gases or liquids; Arrangements for vaporising the residuum of liquid refrigerant, e.g. by heat for separating lubricants from the refrigerant

Abstract

【課題】冷媒回路に不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒が冷凍機油とともに封入された冷凍装置において、不均化反応を起こすおそれを少なくして、安定した運転を行えるようにする。【解決手段】冷凍装置(1)の冷媒回路(10)は、冷凍機油を溜める油溜まり部(21b)と、圧縮機(21)の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たす場合に油溜まり部(21b)に溜まった冷凍機油を油冷却器(44)で冷却して圧縮機(21)に供給する油インジェクション回路(41)と、を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置に関する。
従来より、冷凍装置の冷媒回路に封入される冷媒として、オゾン層の破壊を防止するために、HFC−32(ジフルオロメタン)や、HFC−32及びHFC−125(ペンタフルオロエタン)の混合物からなるHFC−410A、等が使用されている。しかし、これらの冷媒は、GWP(地球温暖化係数)が大きいという問題がある。
これに対して、特許文献1(国際公開第2012/157764号)に示されたHFO−1123(1、1、2−トリフルオロエチレン)を含む冷媒は、オゾン層及び地球温暖化に対する影響が少ないことが知られている。そして、特許文献1では、このような冷媒を冷凍機油とともに冷媒回路に封入して空気調和装置を構成することが示されている。
しかし、特許文献1に示された冷媒は、高圧、高温の条件下で何らかのエネルギーが付与されると、不均化反応(自己分解反応)を起こす性質を有している。そして、冷媒回路で冷媒が不均化反応を起こすと、急激な圧力上昇や急激な温度上昇が発生し、これにより、冷媒回路を構成する機器や配管が損傷してしまい、安定した運転を行えないおそれがある。特に、圧縮機から吐出された冷媒は、高圧、高温の状態になるため、不均化反応を起こすおそれが高い。
本発明の課題は、冷媒回路に不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒が冷凍機油とともに封入された冷凍装置において、不均化反応を起こすおそれを少なくして、安定した運転を行えるようにすることにある。
第1の観点にかかる冷凍装置は、圧縮機、放熱器、膨張機構及び蒸発器が接続されることによって構成された冷媒回路を有しており、不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒が冷凍機油とともに冷媒回路に封入されている。そして、ここでは、冷媒回路が、冷凍機油を溜める油溜まり部と、圧縮機の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たす場合に油溜まり部に溜まった冷凍機油を油冷却器で冷却して圧縮機に供給する油インジェクション回路と、を有している。ここで、油インジェクション回路からの冷凍機油は、圧縮機の吸入側に供給されてもよいし、圧縮機の圧縮行程の途中に供給されてもよい。
ここでは、上記のように、油溜まり部及び油インジェクション回路を有しているため、圧縮機の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前に、冷凍機油を冷却して圧縮機に供給することができ、圧縮機の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えることができる。
これにより、ここでは、圧縮機の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えることで不均化反応を起こすことを未然に防ぎ、安定した運転を行うことができる。
第2の観点にかかる冷凍装置は、第1の観点にかかる冷凍装置において、油溜まり部が、圧縮機の底部である。
ここでは、上記のように、圧縮機の底部を油溜まり部にしているため、圧縮機の底部に溜まった冷凍機油を冷却して圧縮機に供給することができる。このため、ここでは、油インジェクション回路を通じて圧縮機に供給される冷凍機油を溜めるための別容器が不要となる。
第3の観点にかかる冷凍装置は、第1の観点にかかる冷凍装置において、冷媒回路が、圧縮機の吐出側における冷媒中から冷凍機油を分離する油分離器をさらに有している。そして、ここでは、油溜まり部が、油分離器の底部である。
ここでは、上記のように、圧縮機の吐出側に設けられる油分離器の底部を油溜まり部にしているため、油分離器に溜まった冷凍機油を冷却して圧縮機に供給することができる。このため、ここでは、油インジェクション回路を通じて圧縮機に供給される冷凍機油を溜めるための別容器が不要となる。
第4の観点にかかる冷凍装置は、第3の観点にかかる冷凍装置において、油分離器には、分離された冷凍機油を圧縮機に戻す油戻し回路が接続されており、油インジェクション回路が、油溜まり部から冷凍機油を抜き出すように油分離器に接続されている。ここで、油戻し回路は、油インジェクション回路が接続された高さ位置よりも上側の高さ位置から冷凍機油を抜き出すように油分離器に接続されている。
ここでは、上記のように、油インジェクション回路が接続された高さ位置よりも上側の高さ位置から冷凍機油を抜き出すように油戻し回路を油分離器に接続しているため、油分離器のうち油戻し回路が接続された高さ位置よりも下側の部分を油溜まり部として機能させることができる。このため、ここでは、油分離器で分離された冷凍機油を圧縮機に戻す油戻し回路の機能を損なうことなく、油インジェクション回路を通じて圧縮機に供給される冷凍機油を油分離器の底部に溜めることができる。
第5の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第4の観点のいずれかにかかる冷凍装置において、油冷却器に冷凍機油の冷却源となる空気を送るファンをさらに有している。
ここでは、空冷式の油冷却器によって冷凍機油を冷却することができる。
第6の観点にかかる冷凍装置は、第5の観点にかかる冷凍装置において、ファンが、放熱器又は蒸発器にも空気を送る。
ここでは、放熱器又は蒸発器に空気を送るファンと油冷却器に空気を送るファンとを兼用することができる。そして、この構成は、空冷式の冷凍装置の場合に好ましい。
第7の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第6の観点のいずれかにかかる冷凍装置において、冷媒回路の動作を制御する制御部をさらに有しており、油インジェクション回路が制御部によって制御される油流量調節弁を有している。そして、制御部は、圧縮機の吐出側における冷媒の温度に応じて油流量調節弁の開度を制御する。
ここでは、上記のように、油インジェクション回路に油流量調節弁を設けて圧縮機の吐出側における冷媒の温度に応じて開度を制御することによって、圧縮機の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えるのに適した量の冷凍機油を圧縮機に供給することができる。このため、ここでは、油インジェクション回路から圧縮機の吐出側における冷媒の温度上昇を確実に抑えることができる。
第8の観点にかかる冷凍装置は、第1〜第7の観点のいずれかにかかる冷凍装置において、冷媒が、HFO−1123を含んでいる。
HFO−1123は、不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素の一種であり、沸点等がHFC−32やHFC−410Aに近い性質を有している。このため、HFO−1123を含む冷媒は、HFC−32やHFC−410Aの代替冷媒として使用することができる。
このように、ここでは、HFO−1123を含む冷媒を、HFC−32やHFC−410Aの代替冷媒として使用するとともに、圧縮機の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えることで不均化反応を起こすことを未然に防ぎ、安定した運転を行うことができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、圧縮機の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前に、油溜まり部に溜まった冷凍機油を油インジェクション回路によって冷却して圧縮機に供給してすることができるため、圧縮機の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えることで不均化反応を起こすことを未然に防ぎ、安定した運転を行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる冷凍装置としての空気調和装置の概略構成図である。 冷媒が不均化反応を起こす圧力及び温度の関係を示す図である。 圧縮機の概略断面図である。 冷媒が不均化反応を起こす前の条件としての閾温度を示す図である。 変形例1にかかる冷凍装置としての空気調和装置の概略構成図である。 変形例2にかかる冷凍装置としての空気調和装置の概略構成図である。 変形例2における油分離器の概略縦断面図である。 変形例3にかかる冷凍装置としての空気調和装置の概略構成図である。 変形例4にかかる冷凍装置としての空気調和装置の概略構成図である。
以下、本発明にかかる冷凍装置の実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる冷凍装置の実施形態の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(1)基本構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる冷凍装置としての空気調和装置1の概略構成図である。
<全体>
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房や暖房を行うことが可能な装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット3と、室外ユニット2と室内ユニット3を接続する液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5と、室外ユニット2及び室内ユニット3の構成機器を制御する制御部19と、を有している。そして、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット3と、が冷媒連絡管4、5を介して接続されることによって構成されている。冷媒回路10には、冷媒とともに冷凍機油が封入されている。
<室内ユニット>
室内ユニット3は、室内に設置されており、冷媒回路10の一部を構成している。室内ユニット3は、主として、室内熱交換器31と、室内ファン32と、を有している。
室内熱交換器31は、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を通じて室外ユニット2とやりとりされる冷媒と室内空気との熱交換を行う熱交換器である。室内熱交換器31の液側は、液冷媒連絡管4に接続されており、室内熱交換器31のガス側は、ガス冷媒連絡管5に接続されている。
室内ファン32は、室内空気を室内熱交換器31に送るファンである。室内ファン32は、室内ファン用モータ32aによって駆動される。
<室外ユニット>
室外ユニット2は、室外に設置されており、冷媒回路10の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、油分離器22と、四路切換弁23と、室外熱交換器24と、膨張機構としての膨張弁25と、室外ファン26と、を有している。
圧縮機21は、冷媒を圧縮するための機器であり、例えば、容積式の圧縮要素(図1においては、図示せず)が圧縮機用モータ21aによって回転駆動される圧縮機が使用される。圧縮機21の吸入側には、吸入管11が接続されており、圧縮機21の吐出側には、吐出管12が接続されている。吸入管11は、四路切換弁22に接続されている。
油分離器22は、圧縮機21の吐出側における冷媒中から冷凍機油を分離するための機器である。油分離器22は、吐出管12に設けられている。ここで、吐出管12は、圧縮機21の吐出側における冷媒を油分離器22に送る第1吐出管12aと、油分離器22において冷凍機油が分離された後の冷媒を下流側(ここでは、四路切換弁23)に送る第2吐出管12bと、を有している。油分離器22には、冷媒中から分離された冷凍機油を圧縮機21に戻す油戻し回路22aが接続されている。ここで、油戻し回路22aは、吸入管11に接続されている。このため、ここでは、油分離器22において冷媒中から分離された冷凍機油は、油戻し回路22aを通じて圧縮機21の吸入側に戻されるようになっている。
室外熱交換器24は、液冷媒連絡管4及びガス冷媒連絡管5を通じて室内ユニット3とやりとりされる冷媒と室外空気との熱交換を行う熱交換器である。室外熱交換器24の液側には、液冷媒管15に接続されており、室外熱交換器24のガス側は、第1ガス冷媒管13に接続されている。液冷媒管15は、液冷媒連絡管4に接続されている。第1ガス冷媒管13は、四路切換弁22に接続されている。
膨張弁25は、冷媒を減圧する電動弁であり、液冷媒管15に設けられている。
四路切換弁23は、冷媒回路10における冷媒の循環方向を切り換える弁機構である。四路切換弁23は、室外熱交換器24を冷媒の放熱器として機能させる場合(以下、「放熱状態」とする)に、圧縮機21の吐出側(ここでは、吐出管12)と室外熱交換器24のガス側(ここでは、第1ガス冷媒管13)とを接続し、かつ、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入管11)とガス冷媒連絡管5側(ここでは、第2ガス冷媒管14)とを接続する(図1の四路切換弁23の実線を参照)。ここで、第2ガス冷媒管14は、四路切換弁23及びガス冷媒連絡管5に接続されている。また、四路切換弁23は、室外熱交換器24を冷媒の蒸発器として機能させる場合(以下、「蒸発状態」とする)に、圧縮機21の吐出側(ここでは、吐出管12)とガス冷媒連絡管5側(ここでは、第2ガス冷媒管14)とを接続し、かつ、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入管11)と室外熱交換器23のガス側(ここでは、第1ガス冷媒管13)とを接続する(図1の四路切換弁23の破線を参照)。
室外ファン26は、室外空気を室外熱交換器24に送るファンである。室外ファン26は、室外ファン用モータ26aによって駆動される。
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管4、5は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、冷媒回路10の一部を構成している。
<制御部>
制御部19は、室外ユニット2や室内ユニット3に設けられた制御基板等(図示せず)が通信接続されることによって構成されている。尚、図1においては、便宜上、室外ユニット2や室内ユニット3とは離れた位置に図示している。制御部19は、空気調和装置1(ここでは、室外ユニット2や室内ユニット3)の構成機器21、23、25、26、31、32等の制御、すなわち、空気調和装置1全体の運転制御を行うようになっている。
<冷媒回路に封入される冷媒>
冷媒回路10には、不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒が冷凍機油とともに封入されている。このような冷媒として、オゾン層及び地球温暖化への影響がともに少なく、OHラジカルによって分解されやすい炭素−炭素二重結合を有するエチレン系のフッ化炭化水素(ヒドロフルオロオレフィン)がある。そして、ここでは、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)の中でも、沸点等がHFC−32やHFC−410Aに近い性質を有しており、優れた性能を有するHFO−1123を含む冷媒が採用されている。このため、HFO−1123を含む冷媒は、HFC−32やHFC−410Aの代替冷媒として使用することができるものである。
例えば、HFO−1123を含む冷媒として、HFO−1123単独、又は、HFO−1123と他の冷媒との混合物が使用される。そして、HFO−1123と他の冷媒との混合物としては、HFO−1123とHFC−32との混合物がある。ここで、HFO−1123とHFC−32の組成(wt%)は、40:60である。また、HFO−1123、HFC−32及びHFO−1234yf(2、3、3、3−テトラフルオロプロペン)の混合物がある。ここで、HFO−1123、HFC−32及びHFO−1234yfの組成(wt%)は、40:44:16である。
このようなHFO−1123を含む冷媒では、性能を向上させる成分としてHFCの一種であるHFC−32が混合されているが、オゾン層及び地球温暖化への影響ができるだけ少なくなるように、炭素数が5以下のHFCとすることが好ましい。具体的には、HFC−32の他、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、HFC−125、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、ヘプタフルオロプロパン、ペンタフルオロブタン、ヘプタフルオロブタン等がある。これらの中でオゾン層及び地球温暖化への影響がともに少なくできるものとしては、HFC−32、1、1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1、1、2、2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、及び、1、1、1、2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)がある。尚、HFO−1123への混合に際しては、これらのHFCを1種類だけ混合させてもよいし、2種類以上を混合させてもよい。また、HFO−1123に混合させる冷媒としては、分子中のハロゲンの割合が多く、燃焼性が抑えられたヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)を混合させてもよい。具体的には、1−クロロ−2、3、3、3−テトラフルオロプロペン(HCFO−1224yd)、1−クロロ−2、2−ジフルオロエチレン(HCFO−1122)、1、2−ジクロロフルオロエチレン(HCFO−1121)、1−クロロ−2−フルオロエチレン(HCFO−1131)、2−クロロ−3、3、3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)、及び、1−クロロ−3、3、3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)がある。これらの中で優れた性能を有するものとしては、HCFO−1224ydがあり、また、高い臨界温度、耐久性及び成績係数が優れたものとしては、HCFO−1233zdがある。尚、HFO−1123への混合に際しては、これらのHCFOやHCFCを1種類だけ混合させてもよいし、2種類以上を混合させてもよい。さらに、HFO−1123に混合させる冷媒として、他の炭化水素やCFOなどを使用してもよい。
また、不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素は、HFO−1123に限定されるものではなく、他のHFOであってもよい。例えば、3、3、3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)、1、3、3、3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、2−フルオロプロペン(HFO−1261yf)、HFO−1234yf、1、1、2−トリフルオロプロペン(HFO−1243yc)、1、2、3、3、3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、トランス−1、3、3、3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(E))、及び、シス−1、3、3、3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(Z))のうち、不均化反応を起こす性質を有するエチレン系のフッ化炭化水素を使用してもよい。また、不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素として、炭素−炭素二重結合を有するエチレン系のフッ化炭化水素ではなく、炭素−炭素三重結合を有するアセチレン系のフッ化炭化水素であって不均化反応を起こす性質を有するものを使用してもよい。
(2)基本動作
空気調和装置1では、基本動作として、冷房運転及び暖房運転が行われる。尚、冷房運転及び冷房運転は、制御部19によって行われる。
<冷房運転>
冷房運転時は、四路切換弁23が放熱状態(図1の実線で示される状態)に切り換えられる。冷媒回路10において、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、油分離器22に送られる。油分離器22に送られた高圧のガス冷媒は、油分離器22において、冷凍機油が分離され、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器24に送られる。一方、油分離器22において分離された冷凍機油は、油戻し回路22aを通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。室外熱交換器24に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。室外熱交換器24において放熱した高圧の液冷媒は、膨張弁25に送られる。膨張弁25に送られた高圧の液冷媒は、膨張弁25によって冷凍サイクルの低圧まで減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒になる。膨張弁25で減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、室内熱交換器31に送られる。室内熱交換器31に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却され、その後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。室内熱交換器31において蒸発した低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管5及び四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
<暖房運転>
暖房運転時には、四路切換弁23が蒸発状態(図1の破線で示される状態)に切り換えられる。冷媒回路10において、冷凍サイクルの低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルの高圧になるまで圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、油分離器22に送られる。油分離器22に送られた高圧のガス冷媒は、油分離器22において、冷凍機油が分離され、四路切換弁23及びガス冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器31に送られる。一方、油分離器22において分離された冷凍機油は、油戻し回路22aを通じて、圧縮機21の吸入側に戻される。室内熱交換器31に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器31において、室内ファン32によって冷却源として供給される室内空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。これにより、室内空気は加熱され、その後に、室内に供給されることで室内の暖房が行われる。室内熱交換器31で放熱した高圧の液冷媒は、液冷媒連絡管4を通じて、膨張弁25に送られる。膨張弁25に送られた高圧の液冷媒は、膨張弁25によって冷凍サイクルの低圧まで減圧されて、低圧の気液二相状態の冷媒になる。膨張弁25で減圧された低圧の気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器24に送られる。室外熱交換器24に送られた低圧の気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器24において、室外ファン26によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って蒸発して、低圧のガス冷媒になる。室外熱交換器24で蒸発した低圧のガス冷媒は、四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
(3)冷媒の不均化反応への対策(吐出冷媒の温度上昇を抑制するための構成)
上記のような不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒は、高圧、高温の条件下で何らかのエネルギーが付与されると、不均化反応を起こすおそれがある。図2は、冷媒が不均化反応を起こす圧力及び温度の関係を示す図である。図2の曲線は、冷媒が不均化反応を起こす圧力及び温度の境界を示しており、この曲線上及び上側の領域では冷媒が不均化反応を起こし、この曲線よりも下側の領域では冷媒が不均化反応を起こさないことを示している。そして、冷媒回路10において、冷媒の圧力や温度が高圧、高温になり、図2の曲線上及び上側の不均化反応を起こす領域まで達すると、冷媒回路10で冷媒が不均化反応を起こして、急激な圧力上昇や急激な温度上昇が発生し、これにより、冷媒回路10を構成する機器や配管が損傷してしまい、安定した運転が行えないおそれがある。
特に、圧縮機21から吐出された冷媒は、高圧、高温の状態になるため、不均化反応を起こすおそれが高い。
そこで、ここでは、以下に説明するように、冷媒回路10に、冷凍機油を溜める油溜まり部と、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たす場合に油溜まり部に溜まった冷凍機油を油冷却器で冷却して圧縮機21に供給する油インジェクション回路と、を設けるようにしている。
<構成及び制御>
冷媒回路10は、上記のように、冷凍機油を溜める油溜まり部21bと、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たす場合に油溜まり部21bに溜まった冷凍機油を油冷却器44で冷却して圧縮機21に供給する油インジェクション回路41と、を有している。
油溜まり部21bは、ここでは、圧縮機21の底部に形成されている。具体的には、圧縮機21は、図3に示すように、円筒形状のケーシング21c内に、スクロール式の圧縮要素21d及び圧縮機用モータ21aが収容された密閉式構造の圧縮機である。尚、圧縮要素21dは、スクロール式の圧縮要素に限定されるものではなく、ロータリ式等の他の容積式の圧縮要素であってもよい。この圧縮機21では、吸入管11が圧縮要素21dに直接的に低圧のガス冷媒を吸入させるように接続されており、吐出管12が圧縮要素21dで圧縮された後の高圧のガス冷媒をケーシング21c内の空間を通じて吐出させるように接続されている。このため、圧縮機21は、ケーシング21c内の空間が圧縮要素21dで圧縮された高圧のガス冷媒で満たされる型、いわゆる、高圧ドーム型の圧縮機を構成している。そして、ここでは、ケーシング21cの底部が、高圧のガス冷媒と同じ圧力の冷凍機油を溜める油溜まり部21bを形成している。
油インジェクション回路41は、室外ユニット2に設けられており、主として、油インジェクション管42と、油インジェクション弁43と、油冷却器44と、油キャピラリチューブ45と、を有している。
油インジェクション管42は、その一端が油溜まり部21bから冷凍機油を抜き出すように圧縮機21に接続されており、他端が冷凍機油を圧縮機21の吸入側に供給するように吸入管11に接続されている。
油インジェクション弁43は、制御部19によって開閉状態が制御される電磁弁であり、油インジェクション管42に設けられている。
油冷却器44は、油インジェクション管42を流れる冷凍機油を冷却する熱交換器である。ここで、油冷却器44は、空気との熱交換によって冷凍機油を冷却する熱交換器である。具体的には、油冷却器44は、室外ファン26によって室外熱交換器24に送られる室外空気の通風路に配置されており、冷凍機油と室外空気との熱交換によって冷凍機油を冷却するようになっている。すなわち、室外熱交換器24に室外空気を送る室外ファン26は、油冷却器44にも冷凍機油の冷却源となる空気も送るようになっている。尚、油冷却器44は、室外熱交換器24と別体の熱交換器であってもよいし、室外熱交換器24と一体の熱交換器であってもよい。また、油冷却器44は、油インジェクション弁43が閉状態にされている際に油冷却器44に冷凍機油が溜まることを極力防ぐために、油インジェクション弁43の下流側に配置されている。但し、油冷却器44の容積が小さい等の理由で油冷却器44に溜まり得る冷凍機油の量が少量である場合には、油冷却器44が油インジェクション弁43の上流側に配置されていてもよい。
油キャピラリチューブ45は、油インジェクション管42を流れる冷凍機油を減圧する機構である。ここで、油キャピラリチューブ45は、油冷却器44の下流側に配置されており、これにより、油溜まり部21bから抜き出された冷凍機油を極力減圧せずに高い温度で油冷却器44に流入させることによって冷却効果を高めるようにしている。但し、冷凍機油が減圧された後であっても十分な冷却効果が得られる場合には、油キャピラリチューブ45が油冷却器44の上流側に配置されていてもよい。
また、室外ユニット2には、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度を検出する吐出冷媒センサ49が設けられている。
そして、ここでは、上記の基本動作(ここでは、冷房運転や暖房運転)時において、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす条件を満たす前の条件を満たす場合に、油インジェクション弁43が閉状態から開状態になるように作動することによって、油溜まり部21bに溜まった冷凍機油を油冷却器44で冷却して圧縮機21(ここでは圧縮機21の吸入側)に供給する。
ここで、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす条件を満たす前の条件としては、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度が、冷媒が不均化反応を起こす温度の下限値(すなわち、図2において、冷媒が不均化反応を起こす圧力及び温度の境界を示す曲線上の温度値)に対して余裕を持った温度に対応する閾温度THとすることができる。例えば、閾温度THは、図4に示すように、冷媒が不均化反応を起こす圧力及び温度の境界を示す曲線(実線)よりも下側の曲線(破線)を基準にした温度値とすることができる。例えば、閾温度THは、冷媒回路10の最高使用圧力PXにおいて冷媒が不均化反応を起こす前の温度の基準値とすることができる。ここで、冷媒が不均化反応を起こす前の条件を示す曲線(破線)は、冷媒が不均化反応を起こす条件を示す曲線(実線)の圧力及び温度よりも10%〜30%程度小さい圧力や温度になるように設定される。また、この温度値が冷媒回路10の最高使用温度TXに近い場合には、閾温度THが最高使用温度TXであってもよい。尚、冷媒回路10の最高使用温度TX及び最高使用圧力PXは、冷媒回路10(すなわち、冷媒回路10を構成する機器や配管)の設計強度上の観点で規定された使用上限の圧力及び温度である。
そして、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度(ここでは、吐出冷媒センサ49によって検出される冷媒の温度)が閾温度THに達するまでは、制御部19によって、油インジェクション弁43が閉状態にされる(図4の油インジェクション弁閉の領域を参照)。すなわち、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度が閾温度THに達するまでは、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たさないため、油インジェクション回路41を使用することなく、上記の基本動作が行われる。
しかし、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度が閾温度THに達すると、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たすため、制御部19によって、油インジェクション弁43が開状態にされる(図4の油インジェクション弁開の領域を参照)。そうすると、油溜まり部21bから冷凍機油が抜き出される。油溜まり部21bから抜き出された冷凍機油は、油冷却器44において、室外ファン26によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って冷却される。油冷却器44において冷却された冷凍機油は、油キャピラリチューブ45で減圧された後に、圧縮機21(ここでは、圧縮機21の吸入側)に供給される。圧縮機21においては、冷却された冷凍機油を冷媒にインジェクションすることによって冷却されるため、圧縮機21から吐出される冷媒の温度が低下する。ここで、冷凍機油の混合による冷媒の温度低下の程度は、供給される冷凍機油の温度や流量等によって変化する。例えば、圧縮機21において圧縮される冷媒の流量の5〜15%程度の流量の冷凍機油を油冷却器44において冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮温度近くの温度まで冷却した後に圧縮機21に供給すると、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を5〜20℃程度低下させることができる。その後、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度が閾温度THよりも低下すると、制御部19によって、油インジェクション弁43が閉状態にされて、油インジェクション回路41を使用することなく、上記の基本動作が行われる状態に復帰する。すなわち、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度が閾温度THに達すると、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たすため、油インジェクション回路41が使用されて、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えつつ、上記の基本動作が行われる。
<特徴>
ここでは、上記のように、圧縮機21、放熱器24、31、膨張機構25、及び、蒸発器31、24が接続されることによって構成された冷媒回路10に不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒を冷凍機油とともに封入した冷凍装置1において、冷媒回路10に、冷凍機油を溜める油溜まり部21bと、油インジェクション回路41と、を設けている。ここで、油インジェクション回路41は、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たす場合に油溜まり部21bに溜まった冷凍機油を油冷却器44で冷却して圧縮機21に供給する。
このため、ここでは、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前に、冷凍機油を冷却して圧縮機21に供給することができ、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えることができる。
これにより、ここでは、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えることで不均化反応を起こすことを未然に防ぎ、安定した運転を行うことができる。
尚、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えるという観点では、冷凍機油をインジェクションするのではなく、冷媒回路10を循環する液冷媒の一部をバイパスしてインジェクションすることも考えられる。しかし、液冷媒をインジェクションすると、液冷媒がバイパスされることで空調能力が低下してしまう。また、圧縮機21においては、インジェクションされた液冷媒も圧縮する必要があるため、圧縮機動力が増大して、運転効率が低下することになる。これに対して、ここでは、冷凍機油をインジェクションしているため、液冷媒をインジェクションする場合のような空調能力や運転効率の低下がない点で優れている。
また、ここでは、油インジェクション回路41からの冷凍機油を圧縮機21の吸入側に供給しているが、これに限定されるものではなく、圧縮機21の圧縮行程の途中に供給してもよい。
また、ここでは、上記のように、圧縮機21の底部を油溜まり部21bにしているため、油インジェクション回路41を通じて圧縮機21に供給される冷凍機油を溜めるための別容器が不要となる。
また、ここでは、上記のように、油冷却器44に冷凍機油の冷却源となる空気(ここでは、室外空気)を送るファン26が設けられている。また、ここでは、ファン26が冷媒の放熱器や蒸発器として機能する室外熱交換器24に空気を送る室外ファンである。
このため、ここでは、空冷式の油冷却器44によって冷凍機油を冷却することができる。また、ここでは、冷媒の放熱器や蒸発器として機能する室外熱交換器24に空気を送る室外ファン26を油冷却器44に空気を送るファンとして兼用することができる。そして、この構成は、空気調和装置1のような空冷式の冷凍装置の場合に好ましい。
尚、空気調和装置1が水冷式の冷凍装置である場合には、油冷却器44の冷却源を水にしてもよい。
また、不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒として、HFO−1123を含む冷媒を使用すれば、HFC−32やHFC−410Aの代替冷媒とすることができるとともに、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えることで不均化反応を起こすことを未然に防ぎ、安定した運転を行うことができる。
(4)変形例1
上記実施形態(図1参照)では、油インジェクション回路41を流れる冷凍機油を減圧する機構として油キャピラリチューブ45を採用しているが、冷凍機油を減圧する機構は油キャピラリチューブ45に限定されるものではない。
ここでは、図5に示すように、油キャピラリチューブ45に代えて、制御部19によって開度が制御される油流量調節弁46を採用している。ここで、油流量調節弁46は電動弁からなる。
この構成では、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度に応じて油流量調節弁46の開度を制御することができ、これにより、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えるのに適した量の冷凍機油を圧縮機21に供給することができる。例えば、閾温度THに対する圧縮機21の吐出側における冷媒の温度の温度差が大きい場合には、油流量調節弁46の開度を大きくし、温度差が小さい場合には、油流量調節弁46の開度を小さくすることができる。
これにより、ここでは、油インジェクション回路41から圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を確実に抑えることができる。また、油インジェクション弁43の開閉状態を制御するだけの場合に比べて、圧縮機21にインジェクションされる冷凍機油の流量を緩やかに変化させることができ、安定運転に寄与することができる。
尚、上記のように、油インジェクション回路41に油流量調節弁46を設ける場合には、油インジェクション弁43を省略して、油流量調節弁46の開度制御だけで、冷凍機油のインジェクションを行うようにしてもよい。
(5)変形例2
上記実施形態(図1参照)では、圧縮機21の底部を油溜まり部21bとしているが、油溜まり部は圧縮機21の底部に限定されるものではない。
ここでは、図6及び図7に示すように、圧縮機21の吐出側に設けられる油分離器22の底部を油溜まり部22bとしている。そして、油インジェクション回路41は、油溜まり部22bから冷凍機油を抜き出すように油分離器22に接続されている。このため、ここでは、油インジェクション回路41が、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たす場合に油溜まり部22bに溜まった冷凍機油を油冷却器44で冷却して圧縮機21に供給するようになっている。このように、ここでは、油分離器22の底部を油溜まり部22bとして使用しているため、油インジェクション回路41を通じて圧縮機21に供給される冷凍機油を溜めるための別容器が不要となる。
また、ここで油分離器22には、上記実施形態と同様に、分離された冷凍機油を圧縮機22に戻す油戻し回路22aも接続されているが、油戻し回路22aは、油インジェクション回路41が接続された高さ位置よりも上側の高さ位置から冷凍機油を抜き出すように油分離器22に接続されている。すなわち、ここでは、油分離器22のうち油戻し回路22aが接続された高さ位置よりも下側の部分が油溜まり部22bとして機能するようになっている。このため、ここでは、油分離器22で分離された冷凍機油を圧縮機21に戻す油戻し回路22aの機能を損なうことなく、油インジェクション回路41を通じて圧縮機21に供給される冷凍機油を油分離器22の底部に溜めることができる。
(6)変形例3
上記変形例2(図6参照)では、油インジェクション回路41を流れる冷凍機油を減圧する機構として油キャピラリチューブ45を採用しているが、冷凍機油を減圧する機構は油キャピラリチューブ45に限定されるものではない。
ここでは、図8に示すように、油キャピラリチューブ45に代えて、変形例1(図5参照)と同様の油流量調節弁46を採用してもよい。
この構成においても、上記変形例1と同様に、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度に応じて油流量調節弁46の開度を制御することができ、これにより、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑えるのに適した量の冷凍機油を圧縮機21に供給することができる。
(7)変形例4
上記変形例2、3(図6、8参照)では、油インジェクション回路41を通じて油分離器22の油溜まり部22bに溜まっている冷凍機油を圧縮機21に供給する場合、及び、油インジェクション回路41を使用しない場合のいずれにおいても、油戻し回路22aを通じて油分離器22の油溜まり部22bに溜まっている冷凍機油を圧縮機21に戻すようになっている。しかし、この場合には、油戻し回路22aを通じて圧縮機21に戻る冷凍機油の分だけ、油インジェクション回路41を通じて圧縮機21に供給される冷凍機油の量が減少するため、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑える効果がいくらか損なわれるおそれがある。
そこで、ここでは、図9に示すように、制御部19によって開閉状態が制御される油戻し弁22cを油戻し回路22aに設けるようにしている。ここで、油戻し弁22cは電磁弁又は電動弁からなる。
この構成では、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たすかどうか(油インジェクション回路41を使用するかどうか)によって、油戻し回路22aを使用するかどうかを制御することができる。具体的には、油インジェクション回路41を使用しない場合には、油戻し弁22cを開状態に制御して油戻し回路22aを使用し、油インジェクション回路41を通じて油分離器22の油溜まり部22bに溜まっている冷凍機油を圧縮機21に供給する場合には、油戻し弁22cを閉状態に制御して油戻し回路22aを使用しないようにすることができる。
これにより、ここでは、圧縮機21の吐出側における冷媒が不均化反応を起こす前の条件を満たす場合(油インジェクション回路41を使用する場合)に、油戻し回路22aを使用しないようにして、圧縮機21の吐出側における冷媒の温度上昇を抑える効果が損なわれないようにすることができる。
(8)変形例5
上記実施形態及び変形例1〜4では、冷房運転及び暖房運転を行う冷暖切替可能な空気調和装置1を例に挙げて、本発明を適用した例を説明したが、本発明を適用可能な冷凍装置は、これに限定されるものではなく、冷房専用の空気調和装置や室内ユニット3が複数接続された室内マルチ式の空気調和装置等のような他の型式の空気調和装置にも適用可能である。
本発明は、冷媒回路に不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒が冷凍機油とともに封入された冷凍装置に対して、広く適用可能である。
1 空気調和装置(冷凍装置)
10 冷媒回路
19 制御部
21 圧縮機
21b 油溜まり部
22 油分離器
22a 油戻し回路
22b 油溜まり部
24 室外熱交換器(放熱器、蒸発器)
25 膨張弁(膨張機構)
26 室外ファン(ファン)
31 室内熱交換器(蒸発器、放熱器)
41 油インジェクション回路
44 油冷却器
46 油流量調節弁
国際公開第2012/157764号

Claims (8)

  1. 圧縮機(21)、放熱器(24、31)、膨張機構(25)及び蒸発器(31、24)が接続されることによって構成された冷媒回路(10)を有しており、不均化反応を起こす性質のフッ化炭化水素を含む冷媒が冷凍機油とともに前記冷媒回路に封入された冷凍装置において、
    前記冷媒回路は、前記冷凍機油を溜める油溜まり部(21b、22b)と、前記圧縮機の吐出側における前記冷媒が前記不均化反応を起こす前の条件を満たす場合に前記油溜まり部に溜まった前記冷凍機油を油冷却器(44)で冷却して前記圧縮機に供給する油インジェクション回路(41)と、を有している、
    冷凍装置(1)。
  2. 前記油溜まり部(21b)は、前記圧縮機の底部である、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記冷媒回路は、前記圧縮機の吐出側における前記冷媒中から前記冷凍機油を分離する油分離器(22)をさらに有しており、
    前記油溜まり部(22b)は、前記油分離器の底部である、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  4. 前記油分離器には、分離された前記冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し回路(22a)が接続されており、
    前記油インジェクション回路は、前記油溜まり部から前記冷凍機油を抜き出すように前記油分離器に接続されており、
    前記油戻し回路は、前記油インジェクション回路が接続された高さ位置よりも上側の高さ位置から前記冷凍機油を抜き出すように前記油分離器に接続されている、
    請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記油冷却器に前記冷凍機油の冷却源となる空気を送るファン(26)をさらに有している、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  6. 前記ファンは、前記放熱器又は前記蒸発器にも前記空気を送る、
    請求項5に記載の冷凍装置。
  7. 前記冷媒回路の動作を制御する制御部(19)をさらに有しており、
    前記油インジェクション回路は、前記制御部によって制御される油流量調節弁(46)を有しており、
    前記制御部は、前記圧縮機の吐出側における前記冷媒の温度に応じて前記油流量調節弁の開度を制御する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  8. 前記冷媒は、HFO−1123を含んでいる、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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