JP2020073640A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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拓未 西山
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Abstract

【課題】地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性と性能を有する冷凍サイクル装置の提供。【解決手段】圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器および膨張弁を含む冷凍回路を備え、回路内に封入されている冷媒は、R32、R1234yfおよびHFO1123の三成分を含有し、質量比率の三角座標組成図において、三成分の質量比率を(R32の質量%、R1234yfの質量%、HFO1123の質量%)で表したとき、点B(0、100、0)と点C(0、57、43)とを結ぶ第1直線、点Bと点A(31、69、0)とを結ぶ第2直線、点Cと点Aとを結び、HFO1123の成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに「y=−0.0002x3+0.0284x2−1.9477x+50.834」[境界条件y≧0,y≦26.7]で表される曲線によって囲まれる範囲内にあり、三成分の全ての質量比率が0質量%より大きい、冷凍サイクル装置。【選択図】図10

Description

本発明は、冷凍サイクル装置に関する。
従来、空気調和機、冷凍機などに用いられる冷媒としては、クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などが用いられていた。しかし、CFC、HCFCなどの塩素を含む冷媒は、成層圏のオゾン層への影響(地球温暖化への影響)が大きいため、現在、使用が規制されている。
このため、冷媒として、塩素を含まずオゾン層への影響が少ないハイドロフルオロカーボン(HFC)を用いるようになっている。このようなHFCとしては、例えば、ジフルオロメタン(フッ化メチレン、フロン32、HFC−32、R32などとも呼ばれる。以下、「R32」と呼ぶ。)などが知られている(例えば、特許文献1:特許第3956589号公報参照)。他のHFCとしては、テトラフルオロエタン、R125(1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン)なども知られている。特に、R410A(R32とR125の擬似共沸混合冷媒)は、冷凍能力が高いため広く使用されている。
しかし、地球温暖化係数(GWP)が675であるR32などの冷媒も地球温暖化の原因となる可能性が指摘されている。このため、さらにGWPが小さく、オゾン層への影響が少ない冷媒の開発が望まれている。
地球温暖化への影響が少なく、かつ熱サイクルシステムの充分なサイクル性能を得ることのできる冷媒(熱サイクル用作動媒体)として、GWPが約0.3であるトリフルオロエチレン(1,1,2−トリフルオロエテン、HFO1123などとも呼ばれる。以下、「HFO1123」と呼ぶ。)を含有する冷媒が知られている(例えば、特許文献2:国際公開第2012/157764号参照)。なお、HFO1123は、大気中のOHラジカルによって分解されやすい炭素−炭素二重結合を有しているため、オゾン層への影響が少ないと考えられている。
また、HFO1123、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、HFO−1234yf、R1234yfなどとも呼ばれる。以下、「R1234yf」と呼ぶ。)、および、R32を含有する冷媒も知られており、また、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234ze、R1234zeなどとも呼ばれる。以下、「R1234ze」と呼ぶ。)も知られている(例えば、特許文献3:国際公開第2015/115550号参照)。
特許第3956589号公報 国際公開第2012/157764号 国際公開第2015/115550号
特許文献2および3に記載の冷媒に用いられるHFO1123は、従来用いられていたR410A、R22、R407Cなどと比べて作動圧力が高くなる。なお、「作動圧力」とは、冷凍サイクル(装置)を作動させるために必要な圧力である。また、R410A、R22、R407Cなどの従来の冷媒のうちでは、R410Aは作動圧力が最も高い冷媒に属する。
このため、従来の冷媒を使用している既存の冷凍サイクル装置において、冷媒をHFO1123を多く含む冷媒に入れ替えると、作動時の圧力を高くする必要がある。しかし、既存の冷凍サイクル装置は、R410Aの作動圧力程度までは耐圧性を備えているが、R410Aの作動圧力よりも高い圧力に対する耐圧性を有していない可能性があるため、特に耐圧の面で冷凍サイクル装置の信頼性が低下してしまうという問題がある。
なお、特許文献3に記載の冷媒の組成比率範囲は、成績係数および冷凍能力(共に、410Aに対する相対性能)を考慮して設定されたものである。このため、作動圧力については考慮されておらず、特許文献3に記載の組成比率範囲は作動圧力が従来の冷媒よりも高くなる範囲を含んでいる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能を有する冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器および膨張弁を含む冷凍回路を備える。冷凍回路内に冷媒が封入されており、冷媒は、R32、R1234yfおよびHFO1123の三成分を含有し、三成分の質量比率を三角座標で表した組成図において、三成分の質量比率が、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ89質量%、11質量%および0質量%であることを示す点Aと、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ51質量%、49質量%および0質量%であることを示す点Bとを結ぶ第1直線、点Bと、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ51質量%、27質量%および22質量%であることを示す点Cとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結び、R1234yfの成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに下記式(1)[境界条件y≧0,y≦19.1]で表される第1曲線によって囲まれる範囲内にあり、三成分の全ての質量比率が0質量%より大きい。

y=0.0000268168x−0.0021756190x+0.0709089095x−0.5115229095x−0.4473576993 ・・・(1)

また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器および膨張弁を含む冷凍回路を備える。冷凍回路内に冷媒が封入されており、冷媒は、R32、R1234zeおよびHFO1123の三成分を含有し、三成分の質量比率を三角座標で表した組成図において、三成分の質量比率が、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ94質量%、6質量%および0質量%であることを示す点Aと、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ80質量%、20質量%および0質量%であることを示す点Bとを結ぶ第1直線、点Bと、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ80質量%、12質量%および8質量%であることを示す点Cとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結び、R1234zeの成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに下記式(2)[境界条件y≧0,y≦6.93]で表される第1曲線によって囲まれる範囲内にあり、三成分の全ての質量比率が0質量%より大きい。

y=0.0076x+0.5253x−3.4259 ・・・(2)

また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器および膨張弁を含む冷凍回路を備える。冷凍回路内に冷媒が封入されており、冷媒は、R32、R1234yfおよびHFO1123の三成分を含有し、三成分の質量比率を三角座標で表した組成図において、三成分の質量比率が、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、100質量%および0質量%であることを示す点Bと、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、57質量%および43質量%であることを示す点Cとを結ぶ第1直線、点Bと、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ31質量%、69質量%および0質量%であることを示す点Aとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結び、HFO1123の成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに下記式(3)[境界条件y≧0,y≦26.7]で表される曲線によって囲まれる範囲内にあり、三成分の全ての質量比率が0質量%より大きい。

y=−0.0002x+0.0284x−1.9477x+50.834 ・・・(3)

また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器および膨張弁を含む冷凍回路を備える。冷凍回路内に冷媒が封入されており、冷媒は、R32、R1234zeおよびHFO1123の三成分を含有し、三成分の質量比率を三角座標で表した組成図において、三成分の質量比率が、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、100質量%および0質量%であることを示す点Bと、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、52質量%および48質量%であることを示す点Cとを結ぶ第1直線、点Bと、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ41質量%、59質量%および0質量%であることを示す点Aとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結び、HFO1123の成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに下記式(4)[境界条件y≧0,y≦35.3]で表される曲線によって囲まれる範囲内にあり、三成分の全ての質量比率が0質量%より大きい。

y=2.16319E−05−3.47400E−03+2.21550E−01−7.61233E+00x+1.24171E+02 ・・・(4)
本発明によれば、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能を有する冷凍サイクル装置を提供することができる。
実施形態1に係る冷凍サイクル装置を示す概略構成図である。 実施形態1に係る(R32/HFO1123/R1234yf)を示す三角組成図である。 実施形態1に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。 実施形態1の変形例に係る冷媒の組成範囲(R32/HFO1123/R1234yf)を示す三角組成図である。 実施形態1の変形例に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。 実施形態2に係る冷媒の組成範囲(R32/HFO1123/R1234ze)を示す三角組成図である。 実施形態2に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。 実施形態2の変形例に係る冷媒の組成範囲(R32/HFO1123/R1234ze)を示す三角組成図である。 実施形態2の変形例に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。 実施形態3に係る冷媒の組成範囲(R32/HFO1123/R1234yf)を示す三角組成図である。 実施形態3に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。 実施形態4に係る冷媒の組成範囲(R32/HFO1123/R1234ze)を示す三角組成図である。 実施形態4に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
まず、本実施形態の冷凍サイクル装置の概要について簡単に説明する。図1は、実施形態1に係る冷凍サイクル装置を示す概略構成図である。冷凍サイクル装置は、圧縮機1と、冷房時と暖房時の流れ方向を切替える流路切替弁2と、室外熱交換器3と、膨張弁4と、室内熱交換器5とを含む冷凍回路を備える。なお、冷房と暖房を切替える必要のない冷凍サイクル装置においては、流路切替弁2は必要ない。
冷房時において、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス状冷媒は、流路切替弁2(実線で示す流路)を経由して室外熱交換器3へと流入し、そこで凝縮する。室外熱交換器3で凝縮した液状冷媒は、膨張弁4を経由して室内熱交換器5に流入し、そこで蒸発(気化)する。最後に、室内熱交換器5にて蒸発したガス状冷媒は、流路切替弁2(実線で示す流路)を経由して圧縮機1へ戻る。このように、冷房時において、冷媒は、冷凍サイクル装置の冷凍回路内を図1に示す実線矢印の方向に循環する。
一方、暖房時においては、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス状冷媒は、流路切替弁2(点線で示す流路)を経由して室内熱交換器5へと流入し、そこで凝縮する。室内熱交換器5で凝縮した液状冷媒は、膨張弁4を経由して室外熱交換器3へと流入し、そこで蒸発(気化)する。室外熱交換器3で蒸発した冷媒は、流路切替弁2(点線で示す流路)を経由して圧縮機1へ戻る。このように、暖房時において、冷媒は、冷凍サイクル装置の冷凍回路内を図1に示す破線矢印の方向に循環する。
なお、上記構成は、冷房および暖房運転を実施可能な冷凍サイクル装置の最小構成要素である。本実施形態の冷凍サイクル装置は、さらに、気液分岐器、レシーバー、アキュームレータ、高低圧熱交換器等の他の機器を備えていてもよい。
(冷媒)
次に、本実施形態において、冷凍回路内に封入される冷媒について説明する。該冷媒は、R32、HFO1123およびR1234yfの三成分を本発明に規定される組成範囲内で含んでいる。
図2は、冷媒中に含まれる三成分(R32、HFO1123およびR1234yf)の組成比率(質量比率)を示す三角座標で表された組成図(三角組成図)である。該三成分の質量比率は、図2において、点Aと点Bを結ぶ第1直線、点Bと点Aとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結ぶ第1曲線によって囲まれる範囲(図2の斜線部)内にある。なお、上記範囲は、第2直線および第1曲線上の組成比率を含み、第1直線上の組成比率は含まない。
点Aは、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ89質量%、11質量%および0質量%であること(以下、このような組成比率を「R32/R1234yf/HFO1123=89/11/0質量%」と記載する)を示す。点Bは、組成比率が「R32/R1234yf/HFO1123=51/49/0質量%」であることを示す。点Cは、組成比率が、「R32/R1234yf/HFO1123=51/27/22質量%」であることを示す。
点Cと点Aとを結ぶ第1曲線は、点Cと点Aとを結び、R1234yfの成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに上記式(1)[境界条件y≧0,y≦19.1]で表される。なお、第1曲線は、作動圧力(65℃での飽和圧力)がR410Aと同等になる線(境界線)である。
図3は、実施形態1に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。図3では、三成分中のR32の比率が一定のときにおいて、三成分中のR1234yfの比率と冷凍サイクル装置のAPF比率(冷媒としてR410Aを用いたときのAPF値に対するAPF値の比率)との関係を示すグラフを描いている。APF(通年エネルギー消費効率:Annual Performance Factor)は、JIS C9612−2013に基づき測定した評価結果から、式:APF=(冷房期間総合空調負荷+暖房期間総合空調負荷)/(冷房期間消費電力量+暖房期間消費電力量)に基づいて算出した。
また、図3では、冷媒の作動圧力(65℃での飽和圧力)がR410Aと等しくなる境界線(AとBを結ぶ曲線、および、AとCを結ぶ曲線)を併せて示している。冷媒の65℃での飽和圧力は、圧力計によって測定した。2つの境界線の間(AとBを結ぶ曲線とAとCを結ぶ曲線との間)の領域が、冷媒の作動圧力(65℃での飽和圧力)がR410A低くなる領域である。なお、その領域外では、冷媒の作動圧力がR410Aより高くなってしまう。
図3では、R32の比率が、45質量%、51質量%、66質量%、70質量%および89質量%のときのグラフを例示しているが、実際には45〜89質量%の間の多数の冷媒についてグラフを作成し、各々のグラフについての作動圧力(65℃での飽和圧力)がR410Aと等しくなる境界点をフィッティングすることで、上記境界線を作成した。
なお、図3において、HFO1123の比率は、100質量%からR32とR1234yfの合計比率を差し引いた値になる。したがって、図3における二軸座標上の点は図2の三軸座標上の点と一対一で対応している。そして、図3における点A〜点Cは、それぞれ図2における点A〜点Cに対応する。また、図3において点Aと点Bを結ぶ曲線は、図2において点Aと点Bを結ぶ第1直線に対応し、図3において点Bと点Cを結ぶ曲線は、図2において点Bと点Cを結ぶ第2直線に対応する。さらに、図3において点Cと点Aを結ぶ曲線は、図2において点Cと点Aを結ぶ第1曲線に対応する。したがって、図3の斜線部は図2の斜線部に対応している。
図3から、冷媒の作動圧力がR410Aより低くなる領域において、三成分中のR32の比率が51質量%〜89質量%の範囲にある場合は、冷媒のAFP比がR1234yfが0質量%であるとき(R32とHFO1123との2種混合冷媒)のAPF比と同等以上になっていることが分かる。これに対して、R32の組成比率が51質量%未満の場合(例えば、図3に示す一番下のグラフに示されるR32の比率が45質量%である場合)は、冷媒のAPF比がR1234yfが0質量%であるときのAPF比よりも小さくなっている。
このことから、冷媒の組成比率が図3の斜線部(すなわち、図2の斜線部)内にある場合、冷媒の作動圧力が従来の冷媒(R410A)より低く、かつR32とHFO1123の2種混合冷媒と同等以上の性能が得られることが分かる。
このように、冷媒の作動圧力をR410Aの作動圧力より低くすることで、冷凍サイクル装置の耐圧面での信頼性を維持または向上させることができる。例えば、R410Aが使用されていた既存の空気調和用の冷凍サイクル装置(例えば、ヒートポンプ式冷凍サイクル装置)に対して、R410Aの代わりに上記冷媒を用いた場合でも、冷凍サイクル装置の耐圧面での信頼性を維持することができる。
また、冷媒の組成が図2の斜線部の範囲内であるとき、該冷媒のGWPは、R410AのGWP(2090)に対して71%〜83%低減される。なお、R1234yfのGWPは4である。したがって、本実施形態の冷凍サイクル装置は、地球温暖化への影響が少ない。
以上のことから、本実施形態の冷凍サイクル装置は、本発明に規定される組成を有する冷媒を用いているため、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能(R32とHFO1123との2種混合冷媒の性能以上)を有するものであることが分かる。
なお、作動圧力が比較的低いR1234yfの組成比率を増やすことで、R32とHFO1123との混合冷媒よりも圧縮機からの吐出される冷媒の温度を低下させることができる。これにより、耐熱性についての圧縮機の信頼性を向上することができる。
また、冷媒の作動圧力が低いため、高外気温下において凝縮温度を高くすることができ、出力可能な能力を向上させることができる。すなわち、信頼性を確保可能な圧力を上限とした場合、冷媒の作動圧力が低くなると、凝縮温度が上昇する。凝縮温度が上昇して、高外気温下での空気との温度差が大きくなると、能力が向上する。
なお、本実施形態において用いられる冷媒は、上記三成分のみからなる三成分混合冷媒であってもよく、さらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、R290、R1270、R134a、R125等または他のHFCが挙げられる。他の成分の配合比率等は、本実施形態の主要な効果を妨げない範囲内において設定される。
また、冷媒は、さらに冷凍機油を含有してもよい。冷凍機油としては、例えば、一般に用いられる冷凍機油(エステル系潤滑油、エーテル系潤滑油、フッ素系潤滑油、鉱物系潤滑油、炭化水素系潤滑油等)が挙げられる。その場合、冷媒との相溶性および安定性等の面で優れている冷凍機油を選択することが好ましい。
また、冷媒は、例えば過酷な使用条件において高度の安定性を要求される場合などには、必要に応じて安定剤をさらに含有してもよい。安定剤は熱および酸化に対する冷媒の安定性を向上させる成分である。安定剤としては、従来から冷凍サイクル装置に用いられる公知の安定剤、例えば、耐酸化性向上剤、耐熱性向上剤、金属不活性剤等が挙げられる。
また、冷媒は、さらに重合禁止剤を含んでいてもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンメチルエーテル、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
(冷凍サイクル装置)
本実施形態の冷凍サイクル装置は、空気調和用の冷凍サイクル装置(空気調和機)であることが好ましい。R410Aは、従来、主に空気調和機に用いられていた冷媒であり、本実施形態の冷凍サイクル装置に用いられる冷媒は、R410Aの作動圧力より低い作動圧力を有するものである。このため、特に空気調和用の冷凍サイクル装置について、耐圧性の面で信頼性を維持できるからである。
空気調和用の冷凍サイクル装置(空気調和機)としては、例えば、ルームエアコン、パッケージエアコン、ビル用マルチエアコン、ウィンドウ型エアコンおよびモバイルエアコン等が挙げられる。
空気調和用の冷凍サイクル装置においては、AFP(通年エネルギー消費効率)などの一定期間における総合的なエネルギー効率を考慮した期間効率が最大となるように、空気の流れ方向に対する冷媒の流れ方向が設定されることが好ましい。これにより、空気調和用に用いられる冷凍サイクル装置の実際の消費エネルギー効率(性能)を向上させることができる。具体的に、期間効率が最大となるように、空気の流れ方向に対する冷媒の流れ方向を設定する方法について、以下に説明する。
まず、空気の流れ方向に対する冷媒の流れ方向が反対方向である場合(以下、このような流れ方向を「対向流」と呼ぶ。)は、空気の流れ方向に対する冷媒の流れ方向が同じ方向である場合(以下、このような流れ方向を「並行流」と呼ぶ。)に比べて、性能が高くなる。したがって、一定期間のうち使用比率が高く、熱交換量が最も多い部分が対向流となるように、空気の流れ方向に対する冷媒の流れ方向を設定すれば、冷凍サイクル装置の期間効率を高めることができる。
したがって、冷房が主体である空気調和機(ビル用マルチエアコン等)の場合、室外熱交換器(蒸発器)での熱交換量が最も多くなる。このため、期間効率が最大となるようにするためには、室外熱交換器(蒸発器)側が対向流、室内熱交換器(凝縮器)側が並行流となるよう設計されていることが好ましい。
また、暖房主体の空気調和機(ルームエアコン、パッケージエアコン等)の場合、室内熱交換器(凝縮時)での熱交換量が最も多くなる。このため、期間効率が最大となるようにするためには、室外熱交換器(蒸発時)側が並行流、室内熱交換器(凝縮時)側が対向流となるよう設計されていることが好ましい。
また、冷房および暖房の可逆運転が可能な空気調和機(ルームエアコン等)の場合は、例えば、一般に年間を通して暖房の消費エネルギーは冷房より多いと考えられている。なお、このため、AFPの係数は、年間を通して使用エネルギー量が多い暖房について大きい値に設定されている。このように、暖房の消費エネルギーは冷房より多い場合は、期間効率が最大となるようにするためには、暖房主体の空気調和機と同様に、室外熱交換器(蒸発時)側が並行流、室内熱交換器(凝縮時)側が対向流となるよう設計されていることが好ましい。
一方、ある期間を通じて冷房の消費エネルギーが暖房より多い場合は、冷房主体の空気調和機と同様に、室外熱交換器(蒸発器)側が対向流、室内熱交換器(凝縮器)側が並行流となるよう設計されていることが好ましい。
なお、特許文献3(国際公開第2015/115550号)では、冷暖房を切替える用途の冷凍サイクル装置(例えばルームエアコン等)についての具体的な記載はなく、期間効率は考慮されていない。
なお、上記の設計は、ローレンツサイクルまたは六方弁等を組み合わせることで、冷房時および暖房時の両方の場合に、室外熱交換器または室内熱交換器のいずれか一方において対向流となるようにする場合(室内外片方対向流化サイクル)の設計である。
また、ローレンツサイクルと六方以上の多方弁等とを組み合わせることで、冷房時および暖房時の両方の場合に、室外熱交換器または室内熱交換器の両方において対向流となるよう設計してもよい(室内外両方対向流化サイクル)。この場合、最もエネルギー効率の高い設計となる。
なお、逆止弁や三方弁等を組み合わせることで、例えば、冷暖時に、室外熱交換器および室内熱交換器のいずれか一方または両方において、熱交換器の一部または全部で常に対向流となるよう設計してもよい(一部対向流時:部分対向流化サイクル、全部対向流時:完全対向流化サイクル)。
[実施形態1の変形例]
本変形例は、冷媒の組成が実施形態1の範囲内でさらに限定されている点で、実施形態1とは異なる。それ以外の基本構成は実施形態1と同じであるため、重複する説明については省略する。本変形例では、冷媒の作動圧力が従来の冷媒よりも低くなることに加え、R410Aの性能以上の性能(実施形態1よりも高い性能)を得ることができる。
図4は、本変形例に係る冷媒中の三成分(R32、HFO1123およびR1234yf)の組成比率を示す三角組成図である。該三成分の質量比率は、図4において、点Aと点Dを結ぶ第3直線、点Dと点Eとを結ぶ第4直線、および、点Eと点Aとを結ぶ第2曲線によって囲まれる範囲(図4の斜線部)内にある。なお、上記範囲は、第4直線および第2曲線上の組成比率を含み、第3直線上の組成比率は含まない。
点Aは、組成比率が「R32/R1234yf/HFO1123=89/11/0質量%」であることを示す(図2と同様)。点Dは、組成比率が「R32/R1234yf/HFO1123=66/34/0質量%」であることを示す。点Eは、組成比率が、「R32/R1234yf/HFO1123=70/21/9質量%」であることを示す。
点Eと点Aとを結ぶ第2曲線は、点Cと点Aとを結び、R1234yfの成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに上記式(1)[境界条件y≧0,y≦7.8]で表される。なお、第2曲線は、作動圧力(65℃での飽和圧力)がR410Aと同等になる線(境界線)である。
図5は、本変形例に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。グラフの説明については、図3と同様であるため、ここでは繰り返さない。
図5から、冷媒の組成比率が図5の斜線部(すなわち、図4の斜線部)内にある場合、実施形態1と同様に、冷媒の作動圧力が従来の冷媒(R410A)より低くなることがわかる。また、APF比(対R410A)が100%以上であることから、R410Aの性能以上の性能が得られることが分かる。
なお、冷媒の組成が図4の斜線部の範囲内であるとき、該冷媒のGWPは、R410AのGWPに対して71%〜79%低減される。
したがって、本変形例の冷凍サイクル装置は、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能(R410Aの性能以上)を有するものである。
[実施形態2]
本実施形態は、冷媒中の三成分のうちR1234yfの代わりにR1234zeを用いる点で、実施形態1とは異なる。それ以外の基本構成は実施形態1と同じであるため、重複する説明については省略する。
図6は、本実施形態に係る冷媒中の三成分(R32、HFO1123およびR1234ze)の組成比率を示す三角組成図である。該三成分の質量比率は、図6において、点Aと点Bを結ぶ第1直線、点Bと点Cとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結ぶ第1曲線によって囲まれる範囲(図6の斜線部)内にある。なお、上記範囲は、第2直線および第1曲線上の組成比率を含み、第1直線上の組成比率は含まない。
点Aは、組成比率が「R32/R1234ze/HFO1123=94/6/0質量%」であることを示す。点Bは、組成比率が「R32/R1234ze/HFO1123=80/20/0質量%」であることを示す。点Cは、組成比率が、「R32/R1234ze/HFO1123=80/12/8質量%」であることを示す。
点Cと点Aとを結ぶ第1曲線は、R1234zeの成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに上記式(2)[境界条件y≧0,y≦6.93]で表される。なお、第1曲線は、作動圧力(65℃での飽和圧力)がR410Aと同等になる線(境界線)である。
図7は、本実施形態に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。グラフの説明については、図3と同様であるため、ここでは繰り返さない。
図7から、冷媒の組成比率が図7の斜線部(すなわち、図6の斜線部)内にある場合、冷媒の作動圧力が従来の冷媒(R410A)より低く、かつR32とHFO1123の2種混合冷媒と同等以上の性能が得られることが分かる。
また、冷媒の組成が図6の斜線部の範囲内であるとき、該冷媒のGWPは、R410AのGWPに対して70%〜74%低減される。なお、R1234zeのGWPは6である。
以上のことから、本実施形態の冷凍サイクル装置は、本発明に規定される組成を有する冷媒を用いているため、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能(R32とHFO1123との2種混合冷媒の性能以上)を有するものであることが分かる。
なお、作動圧力が比較的低いR1234zeの組成比率を増やすことで、R32とHFO1123との混合冷媒よりも圧縮機からの吐出される冷媒の温度を低下させることができる。これにより、圧縮機の信頼性を向上することができる。
また、作動圧力が比較的低いR1234zeの組成比率を増やすことで冷媒の作動圧力が低下する。このため、高外気温下において凝縮温度を高くすることができ、出力可能な能力を向上させることができる。すなわち、信頼性を確保可能な圧力を上限とした場合、冷媒の作動圧力が低くなると、凝縮温度が上昇する。凝縮温度が上昇して、高外気温下での空気との温度差が大きくなると、能力が向上する。
[実施形態2の変形例]
本変形例は、冷媒の組成が実施形態2の範囲内でさらに限定されている点で、実施形態2とは異なる。それ以外の基本構成は実施形態2と同じであるため、重複する説明については省略する。本変形例では、冷媒の作動圧力が従来の冷媒よりも低くなることに加え、R410Aの性能以上の性能(実施形態2よりも高い性能)を得ることができる。
図8は、本変形例に係る冷媒中の三成分(R32、HFO1123およびR1234ze)の組成比率を示す三角組成図である。該三成分の質量比率は、図8において、点Aと点Dを結ぶ第3直線、点Dと点Eとを結ぶ第4直線、および、点Eと点Aとを結ぶ第2曲線によって囲まれる範囲(図8の斜線部)内にある。なお、上記範囲は、第4直線および第2曲線上の組成比率は含み、第3直線上の組成範囲は含まない。
点Aは、組成比率が「R32/R1234ze/HFO1123=94/6/0質量%」であることを示す(図6と同様)。点Dは、組成比率が「R32/R1234ze/HFO1123=83/17/0質量%」であることを示す。点Eは、組成比率が、「R32/R1234ze/HFO1123=84/11/5質量%」であることを示す。
点Eと点Aとを結ぶ第2曲線は、R1234zeの成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに上記式(2)[境界条件y≧0,y≦4.33]で表される。なお、第2曲線は、作動圧力(65℃での飽和圧力)がR410Aと同等になる線(境界線)である。
図9は、本変形例に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。グラフの説明については、図3と同様であるため、ここでは繰り返さない。
図9から、冷媒の組成比率が図9の斜線部(すなわち、図8の斜線部)内にある場合、実施形態2と同様に、冷媒の作動圧力が従来の冷媒(R410A)よりも低くなることがわかる。また、APF比が100%以上であることから、R410Aの性能以上の性能が得られることが分かる。
なお、冷媒の組成が図8の斜線部の範囲内であるとき、該冷媒のGWPは、R410AのGWPに対して70%〜73%低減される。
したがって、本変形例の冷凍サイクル装置は、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能(R410Aの性能以上)を有するものである。
[実施形態3]
(冷媒)
本実施形態に係る冷凍サイクル装置は、冷媒の作動圧力が実施形態1とは別の従来の冷媒(R404A)よりも低くなるように、冷媒中の三成分の組成比率が設定されている点で、実施形態1とは異なる。それ以外の基本構成は実施形態1と同じであるため、重複する説明については省略する。
なお、R404Aは、ペンタフルオロエタン(R125)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)および1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)の擬似共沸混合冷媒である。
図10は、本実施形態に係る冷媒中の三成分(R32、HFO1123およびR1234yf)の組成比率を示す三角組成図である。該三成分の質量比率は、図10において、点Aと点Bを結ぶ第1直線、点Bと点Cとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結ぶ第1曲線によって囲まれる範囲(図10の斜線部)内にある。なお、上記範囲は、第1曲線上の組成比率を含み、第1直線および第2直線上の組成比率は含まない。
点Bは、組成比率が「R32/R1234yf/HFO1123=0/100/0質量%」であることを示す。点Cは、組成比率が「R32/R1234yf/HFO1123=0/57/43質量%」であることを示す。点Aは、組成比率が、「R32/R1234yf/HFO1123=31/69/0質量%」であることを示す。
点Cと点Aとを結ぶ第1曲線は、HFO1123の成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに上記式(3)[境界条件y≧0,y≦26.7]で表される。なお、第1曲線は、作動圧力(65℃での飽和圧力)がR404Aと同等になる線(境界線)である。
図11は、本実施形態に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。なお、図11は、冷凍機についてのグラフである。冷凍機は冷房と暖房の切替がないため、性能は期間効率(APFなど)ではなく、エネルギー消費効率(Coefficient of Performance:COP)を測定した。
なお、COPは、蒸発能力および消費電力の値から、式:冷房COP=蒸発能力(kW)/消費電力(kW)により求めることができる。それ以外のグラフの説明については、図3と同様であるため、ここでは繰り返さない。
図11から、冷媒の組成比率が図11の斜線部(すなわち、図10の斜線部)内にある場合、冷媒の作動圧力が従来の冷媒(R404A)よりも低く、かつR32とHFO1123の2種混合冷媒(およびR404A)と同等以上の性能が得られることが分かる。
また、冷媒の組成が図10の斜線部の範囲内であるとき、該冷媒のGWPは、R404AのGWP(3920)に対して90%〜100%低減される。なお、R1234yfのGWPは6である。
以上のことから、本実施形態の冷凍サイクル装置は、本発明に規定される組成を有する冷媒を用いているため、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能(R32とHFO1123との2種混合冷媒の性能以上)を有するものであることが分かる。
(冷凍サイクル装置)
本実施形態の冷凍サイクル装置は、冷凍用の冷凍サイクル装置(冷凍機)であることが好ましい。R404Aは、従来、主に冷凍機に主に使用されていた冷媒であり、本実施形態の冷凍サイクル装置に用いられる冷媒は、R404Aの作動圧力より低い作動圧力を有するものである。このため、特に冷凍機用の冷凍サイクル装置について、耐圧性の面で信頼性を維持できるからである。
冷凍用の冷凍サイクル装置(冷凍機)としては、例えば、冷蔵庫、冷水機、製氷機、ターボ冷凍機、チラー(チリングユニット)、スクリュー冷凍機、冷凍冷蔵ユニット、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、自動販売機等が挙げられる。
本実施形態の冷凍サイクル装置の動作の一例について、説明する。なお、本実施形態の冷凍サイクル装置(冷凍機)は、冷房と暖房の切替がないため、流路切替弁2が不要である。このため、図1に示す冷凍サイクル装置に対して、冷媒の循環方向を変更するための流路切替弁2がなく、図1に実線で示す流路を冷媒が循環する点で、実施形態1の冷凍サイクル装置と異なる。
図1(流路切替弁2以外の部分)を参照して、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス状冷媒は、室外熱交換器(凝縮器)3へ流入し、そこで凝縮する。室外熱交換器3で凝縮した液状冷媒は、膨張弁4を経由して室内熱交換器(蒸発器)5に流入し、そこで液状冷媒が蒸発(気化)する。最後に、室内熱交換器5にて蒸発したガス状冷媒は、圧縮機1へ戻る。
なお、冷凍機は、冷房と暖房の切替がないため、室内熱交換器および室外熱交換器(凝縮器および蒸発器)の両方において、空気の流れ方向に対する冷媒の流れ方向の関係が対向流となるように設計されることが好ましい。
[実施形態4]
本実施形態は、冷媒中の三成分のうちR1234yfの代わりにR1234zeを用いる点で、実施形態3とは異なる。それ以外の基本構成は実施形態3と同じであるため、重複する説明については省略する。
図12は、本実施形態に係る冷媒中の三成分(R32、HFO1123およびR1234ze)の組成比率を示す三角組成図である。該三成分の質量比率は、図12において、点Aと点Bを結ぶ第1直線、点Bと点Cとを結ぶ第2直線、および、点Cと点Aとを結ぶ第1曲線によって囲まれる範囲(図12の斜線部)内にある。なお、上記範囲は、第1曲線上の組成比率を含み、第1直線および第2直線上の組成比率は含まない。
点Aは、組成比率が「R32/R1234ze/HFO1123=0/52/48質量%」であることを示す。点Bは、組成比率が「R32/R1234ze/HFO1123=0/100/0質量%」であることを示す。点Cは、組成比率が、「R32/R1234ze/HFO1123=41/59/0質量%」であることを示す。
点Cと点Aとを結ぶ第1曲線は、HFO1123の成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに上記式(4)[境界条件y≧0,y≦35.3]で表される。なお、第1曲線は、作動圧力(65℃での飽和圧力)がR404Aと同等になる線(境界線)である。
図13は、本実施形態に係る冷媒の組成範囲での性能を示すグラフである。グラフの説明については、図11と同様であるため、ここでは繰り返さない。
図13から、冷媒の組成比率が図13の斜線部(すなわち、図12の斜線部)内にある場合、冷媒の作動圧力が従来の冷媒(R404A)より低く、かつR32とHFO1123の2種混合冷媒(およびR404A)と同等以上の性能が得られることが分かる。
また、冷媒の組成が図12の斜線部の範囲内であるとき、該冷媒のGWPは、R404AのGWPに対して86%〜100%低減される。
以上のことから、本実施形態の冷凍サイクル装置は、本発明に規定される組成を有する冷媒を用いているため、地球温暖化の影響が少なく、十分な信頼性を有し、かつ十分な性能(R32とHFO1123との2種混合冷媒の性能以上)を有するものであることが分かる。
1 圧縮機、2 流路切替弁、3 室外熱交換器、4 膨張弁、5 室内熱交換器。

Claims (3)

  1. 圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器および膨張弁を含む冷凍回路を備え、
    前記冷凍回路内に冷媒が封入されており、
    前記冷媒は、R32、R1234yfおよびHFO1123の三成分を含有し、
    前記三成分の質量比率を三角座標で表した組成図において、
    前記三成分の質量比率が、
    R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、100質量%および0質量%であることを示す点Bと、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、57質量%および43質量%であることを示す点Cとを結ぶ第1直線、
    前記点Bと、R32、R1234yfおよびHFO1123がそれぞれ31質量%、69質量%および0質量%であることを示す点Aとを結ぶ第2直線、および、
    前記点Cと前記点Aとを結び、HFO1123の成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに下記式(3)[境界条件y≧0,y≦26.7]で表される曲線
    によって囲まれる範囲内にあり、
    前記三成分の全ての質量比率が0質量%より大きい、冷凍サイクル装置。

    y=−0.0002x+0.0284x−1.9477x+50.834 ・・・(3)
  2. 圧縮機、室外熱交換器、室内熱交換器および膨張弁を含む冷凍回路を備え、
    前記冷凍回路内に冷媒が封入されており、
    前記冷媒は、R32、R1234zeおよびHFO1123の三成分を含有し、
    前記三成分の質量比率を三角座標で表した組成図において、
    前記三成分の質量比率が、
    R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、100質量%および0質量%であることを示す点Bと、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ0質量%、52質量%および48質量%であることを示す点Cとを結ぶ第1直線、
    前記点Bと、R32、R1234zeおよびHFO1123がそれぞれ41質量%、59質量%および0質量%であることを示す点Aとを結ぶ第2直線、および、
    前記点Cと前記点Aとを結び、HFO1123の成分をX軸とし、該X軸に対して垂直方向をy軸としたときに下記式(4)[境界条件y≧0,y≦35.3]で表される曲線
    によって囲まれる範囲内にあり、
    前記三成分の全ての質量比率が0質量%より大きい、冷凍サイクル装置。

    y=2.16319E−05−3.47400E−03+2.21550E−01−7.61233E+00x+1.24171E+02 ・・・(4)
  3. 冷凍用である、請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
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