JP2020046157A - 冷凍装置 - Google Patents

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村越 康司
Yasushi Murakoshi
康司 村越
尚史 大谷
Hisafumi Otani
尚史 大谷
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Abstract

【課題】複数の蒸発器に二酸化炭素冷媒を分流する冷凍装置において、各蒸発器への冷媒の分流に偏りが発生することを回避若しくは抑制する。【解決手段】冷凍装置1は、低元圧縮機21と、低元ガスクーラ23と、高圧膨張弁31と、並列接続された複数の低元蒸発器36と、各蒸発器の冷媒入口側に接続された低圧膨張弁34から構成された低元側冷媒回路6A、6Bを備える。制御装置48は高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の状態を監視し、気液混合状態であると判断した場合、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒回路に冷媒として二酸化炭素を封入して成る冷凍装置に関するものである。
従来より、例えばコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗には、陳列室内にて商品を冷却しながら陳列販売するショーケースが複数台設置されている。各ショーケースには陳列室内を冷却するための蒸発器が設置され、冷媒回路において並列に接続されており、各蒸発器には店外等に設置された冷凍機ユニットの圧縮機から冷媒が分配供給される構成とされていた。
また、近年の地球環境問題からこの種のショーケースにおいても二酸化炭素が冷媒として使用されるようになってきているが、この二酸化炭素を圧縮するためには比較的大型の圧縮機が必要となる。そこで、それぞれ独立した冷媒閉回路を構成する高元側冷媒回路(高段側冷媒回路)と低元側冷媒回路(低段側冷媒回路)とをカスケード接続し、高元側冷媒回路の冷媒を蒸発させて低元側冷媒回路の高圧側冷媒を過冷却することにより、低元側冷媒回路の蒸発器で所要の冷凍能力を得る冷凍装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
係る冷凍装置では各ショーケースの低元側蒸発器(低段側蒸発器)の冷媒過熱度が所定の目標値となるように低圧膨張弁(低段側膨張弁)を制御し、更に、低元側冷媒回路(低段側冷媒回路)の高圧側圧力を調整するための高圧膨張弁(圧力調整用膨張弁)を設け、低元側冷媒回路の高圧側圧力が最適な値となるように高圧膨張弁を制御することで、効率の改善を図っていた。
特開2015−178919号公報
ここで、夏季等には外気温度が高くなるため、低元側冷媒回路(低段側冷媒回路)の高圧膨張弁(圧力調整用膨張弁)と低圧膨張弁(低段側膨張弁)の間の圧力(中圧)は8Mpa〜9Mpaとなり、冷媒(二酸化炭素)は超臨界となる。そのため、高圧膨張弁(圧力調整用膨張弁)を経た冷媒は液状態であり、分流点における冷媒の分流に偏りは少なく、各ショーケースの低元蒸発器(低段側蒸発器)の冷却性能のバラツキは小さい。
しかしながら、冬季等に外気温度が低くなり、高元側冷媒回路(高段側冷媒回路)を停止して低元側冷媒回路(低段側冷媒回路)のみの運転に切り換えても能力が十分となる場合、高圧側圧力も6.5Mpa前後と低くなるため、中圧(高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の圧力)は4Mpa程度に下がる。この状態では中圧の冷媒は気液混合状態となる。
この様子を、図2のp−h線図を用いて説明する。図2は上記の如く冬季に低元側冷媒回路のみの運転となったときの当該低元側冷媒回路のp−h線図を示している。この図、aは低元圧縮機(低段側圧縮機)から吐出された冷媒、bはガスクーラで放熱した冷媒、cは高圧膨張弁(圧力調整用膨張弁)と低圧膨張弁(低段側膨張弁)を経た冷媒、dは低元圧縮機(低段側圧縮機)に吸い込まれた冷媒の状態を示しており、L1は飽和液線を示している。
また、図中でbとcの間は前述した高圧膨張弁(圧力調整用膨張弁)と低圧膨張弁(低段側膨張弁)の間の圧力(中圧)の冷媒を示しているが、この中圧の冷媒が図2にeで示す如く飽和液線L1より下に来ると、冷媒は気液混合状態となる。冷媒が気液混合状態となると、分流点で偏流(分配供給に偏り)が発生し易くなり、その結果、各ショーケースの低元蒸発器(低段側蒸発器)の冷却性能にバラツキが生じる問題があった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、複数の蒸発器に二酸化炭素冷媒を分流する冷凍装置において、各蒸発器への冷媒の分流(分配供給)に偏りが発生することを回避若しくは抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1の発明の冷凍装置は、圧縮機と、ガスクーラと、高圧膨張弁と、並列接続された複数の蒸発器と、各蒸発器の冷媒入口側にそれぞれ接続された低圧膨張弁から構成された冷媒回路を備え、二酸化炭素を冷媒として封入し、高圧膨張弁を経た冷媒を各低圧膨張弁に分流して成るものであって、冷媒回路の運転を制御する制御装置を備え、この制御装置は、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視し、気液混合状態であると判断した場合、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行することを特徴とする。
請求項2の発明の冷凍装置は、高元側冷媒回路と、低元側冷媒回路と、高元側冷媒回路の冷媒を蒸発させて低元側冷媒回路の高圧側冷媒を冷却するカスケード熱交換器とを備え、少なくとも低元側冷媒回路には二酸化炭素を冷媒として封入して成るものであって、低元側冷媒回路は、圧縮機と、ガスクーラと、高圧膨張弁と、並列接続された複数の蒸発器と、各蒸発器の冷媒入口側にそれぞれ接続された低圧膨張弁を有し、高圧膨張弁を経た冷媒を各低圧膨張弁に分流すると共に、高元側冷媒回路及び低元側冷媒回路の運転を制御する制御装置を備え、この制御装置は、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視し、気液混合状態であると判断した場合、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行することを特徴とする。
請求項3の発明の冷凍装置は、上記発明において制御装置は、高元側冷媒回路及び低元側冷媒回路の双方を運転する二元冷凍運転と、低元側冷媒回路のみを運転する単元冷凍運転とを有し、外気温度が所定値より低い場合に単元冷凍運転を実行すると共に、当該単元冷凍運転において中圧上昇制御を実行することを特徴とする。
請求項4の発明の冷凍装置は、上記各発明において高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力及び温度を検出する中圧圧力センサ及び中圧温度センサを備え、制御装置は、中圧圧力センサと中圧温度センサの出力に基づいて、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視することを特徴とする。
請求項5の発明の冷凍装置は、上記各発明において制御装置は、常には圧縮機と高圧膨張弁の間の高圧側圧力に基づき、最適な当該高圧側圧力を目標値として高圧膨張弁を制御し、各蒸発器の出口側の冷媒過熱度に基づき、各低圧膨張弁を制御する通常制御を実行しており、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒が気液混合状態であると判断した場合に、中圧上昇制御を実行することを特徴とする。
請求項6の発明の冷凍装置は、上記発明において制御装置は、外気温度とそのときの最適な高圧側圧力との関係を示す情報を予め保有しており、外気温度に基づいて高圧側圧力の目標値を算出することを特徴とする。
請求項7の発明の冷凍装置は、請求項5又は請求項6の発明において制御装置は、中圧上昇制御においては高圧膨張弁の弁開度を拡張し、低圧膨張弁の弁開度を縮小させることで、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させることを特徴とする。
請求項8の発明の冷凍装置は、上記発明において制御装置は、中圧上昇制御で高圧膨張弁の弁開度を拡張し、低圧膨張弁の弁開度を縮小させた後、通常制御に復帰することを特徴とする。
請求項9の発明の冷凍装置は、上記各発明において制御装置は、圧縮機を起動した後、所定時間経過したことを条件として中圧上昇制御を実行することを特徴とする。
請求項1又は請求項2の発明によれば、並列接続された複数の蒸発器の冷媒入口側にそれぞれ接続された低圧膨張弁に、高圧膨張弁を経た二酸化炭素冷媒を分流して供給する冷凍装置において、制御装置が、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視し、気液混合状態であると判断した場合、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行するようにしたので、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の中圧の冷媒が気液混合状態となった場合、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の圧力を上昇させて液状態とし、各低圧膨張弁に分流することができるようになる。
これにより、各蒸発器に分流する冷媒に偏りが発生して冷却性能にバラツキが発生する不都合を回避若しくは抑制することができるようになり、各蒸発器にて安定した冷却性能を発揮することができるようになる。
このとき、請求項2の発明の如く高元側冷媒回路と低元側冷媒回路をカスケード接続して成る冷凍装置の場合には、請求項3の発明の如く低元側冷媒回路のみによる単元冷凍運転を実行するときに中圧上昇制御を実行することで、効果的に低元側冷媒回路の各蒸発器における冷却性能のバラツキを解消することができるようになる。
また、請求項4の発明の如く高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力及び温度を検出する中圧圧力センサ及び中圧温度センサを設け、制御装置が、中圧圧力センサと中圧温度センサの出力に基づいて、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視するようにすれば、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒が気液混合状態となったことを的確に判断して、効果的に中圧上昇制御を実施し、確実に液状態とすることができるようになる。
また、請求項5の発明の如く制御装置が、常には圧縮機と高圧膨張弁の間の高圧側圧力に基づき、最適な当該高圧側圧力を目標値として高圧膨張弁を制御し、各蒸発器の出口側の冷媒過熱度に基づき、各低圧膨張弁を制御する通常制御を実行するようにすれば、高圧側冷媒の比エンタルピ差を確保し、冷却能力の向上と効率の改善を図ることができるようになるが、その場合には、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒が気液混合状態であると判断した場合に、中圧上昇制御を実行する。
このとき、請求項6の発明の如く制御装置に、外気温度とそのときの最適な高圧側圧力との関係を示す情報を予め保有させておき、外気温度に基づいて高圧側圧力の目標値を算出するようにすれば、通常制御において高圧膨張弁により、円滑に高圧側圧力を最適な値に制御することが可能となる。
また、請求項7の発明の如く制御装置が、中圧上昇制御においては高圧膨張弁の弁開度を拡張し、低圧膨張弁の弁開度を縮小させることで、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させるようにすれば、高圧膨張弁により高圧側圧力を最適な目標値に制御し、低圧膨張弁により各蒸発器の出口側の冷媒過熱度を適正に制御しながら、高圧膨張弁と低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させ、各蒸発器における冷却性能のバラツキを解消することが可能となる。
この場合、請求項8の発明の如く制御装置が、中圧上昇制御で高圧膨張弁の弁開度を拡張し、低圧膨張弁の弁開度を縮小させた後、通常制御に復帰するようにすれば、中圧上昇制御で各蒸発器に分流する冷媒の偏りを解消した後、速やかに通常制御に戻って以後安定した運転を継続することができるようになる。
更に、請求項9の発明の如く制御装置が、圧縮機を起動した後、所定時間経過したことを条件として中圧上昇制御を実行するようにすれば、起動直後の不安定な状態で気液混合状態と判断してしまい、不必要な中圧上昇制御を実行してしまう不都合を回避することができるようになる。
本発明を適用した一実施例の冷凍装置の冷媒回路図である。 図1の冷凍装置の低元側冷媒回路のp−h線図である。 図1の冷凍装置の制御装置による低元側冷媒回路の高圧側圧力の目標値の算出動作を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明を適用した一実施例の冷凍装置1の冷媒回路図である。実施例の冷凍装置1は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗に設置された複数台のショーケース2に、店外に設置された冷凍機ユニット3から冷媒を供給するものであり、一台の高元側冷媒回路4と、複数(実施例では二系統)の低元側冷媒回路6A、6Bとがカスケード接続された二元冷凍装置である。
実施例の高元側冷媒回路4は、例えばスクロール圧縮機から成る高元圧縮機7と、この高元圧縮機7の吐出配管8に接続された高元ガスクーラ11と、この高元ガスクーラ11の出口配管12に接続された高元膨張弁13と、この高元膨張弁13の出口配管14に接続された第1の高元蒸発器16Aと、この第1の高元蒸発器16Aの出口配管17Aに接続された第2の高元蒸発器16Bとを備えており、この第2の高元蒸発器16Bの出口配管17Bが高元圧縮機7の吸込配管18に接続されて冷凍サイクルが構成されている。この高元側冷媒回路4には、二酸化炭素が冷媒として所定量封入されている。
一方、低元側冷媒回路6A、6Bは何れも同一の構成である。即ち、実施例の低元側冷媒回路6A(低元側冷媒回路6Bも同様)は、これもスクロール圧縮機から成る圧縮機としての低元圧縮機21と、この低元圧縮機21の吐出配管22に接続されたガスクーラとしての低元ガスクーラ23と、低元ガスクーラ23の出口配管27に接続された過冷却用熱交換器28と、この過冷却用熱交換器28の出口配管29に接続された高圧膨張弁31と、この高圧膨張弁31の出口配管32から分流点P1、P2において分岐した分岐配管33A、33Bにそれぞれ接続された低圧膨張弁34、34と、各低圧膨張弁34、34の出口に入口配管35がそれぞれ接続された蒸発器としての低元蒸発器36、36とを備えている。
即ち、低圧膨張弁34は低元蒸発器36の冷媒入口側に接続されており、出口配管32に対してこれら低圧膨張弁34と低元蒸発器36の直列回路が、複数並列に接続されたかたちとなる。そして、これら低圧膨張弁34及び低元蒸発器36が各ショーケース2内にそれぞれ設置されるものである。尚、図1ではショーケース2を二台のみ示すが、実際には更に多数のショーケース2が設けられ、低圧膨張弁34や低元蒸発器36も更に多数存在し、出口配管32から分岐点において分岐する分岐配管もそれぞれに対して存在しているものとするものとする。
そして、各ショーケース2内の低元蒸発器36の出口配管40にはそれぞれ電磁弁37が接続され、各電磁弁37の出口配管38が入口配管42にて合流し、この入口配管42がアキュムレータ39に接続され、このアキュムレータ39の出口側が低元圧縮機21の吸込配管41に接続されて冷凍サイクルが構成されている。アキュムレータ39は所定容量を有するタンクである。尚、分岐配管33A(分岐配管33Bも同様)は低元蒸発器36の出口配管40と熱交換関係とされ、両者で内部熱交換器45が構成されている。また、各低元側冷媒回路6A、6Bにも、二酸化炭素が冷媒として所定量封入されている。
そして、高元側冷媒回路4の第1の高元蒸発器16Aと低元側冷媒回路6Aの過冷却用熱交換器28とが熱交換関係に設けられて第1のカスケード熱交換器43Aが構成され、高元側冷媒回路4の第2の高元蒸発器16Bと低元側冷媒回路6Bの過冷却用熱交換器28とが熱交換関係に設けられて第2のカスケード熱交換器43Bが構成されている。また、出口配管32と出口配管38が冷凍機ユニット3から各ショーケース2に渡る配管となる。
図中、44は各低元側冷媒回路6A、6Bの低元圧縮機21の吐出配管22に取り付けられた高圧圧力センサであり、低元圧縮機21から吐出された高圧側冷媒の圧力を検出する。また、46は高元圧縮機7の吐出配管8に取り付けられた圧力センサであり、高元側冷媒回路4の高圧側圧力を検出する。47は第2の高元蒸発器16Bの出口配管17Bに取り付けられた温度センサであり、第2の高元蒸発器16Bを出た冷媒の温度を検出する。
更に、54、56は各低元側冷媒回路6A、6Bの高圧膨張弁31の出口配管32に取り付けられた中圧圧力センサ、中圧温度センサである。中圧圧力センサ54は高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の圧力である中圧、実施例では高圧膨張弁31と分流点P1の間の冷媒の圧力(中圧)を検出する。また、中圧温度センサ56は高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の温度、実施例では同じく高圧膨張弁31と分流点P1の間の冷媒の温度を検出する。
更にまた、57及び58は各ショーケース2の低元蒸発器36の入口配管35と出口配管40にそれぞれ取り付けられた入口温度センサ及び出口温度センサである。各温度センサ57、58の温度差から低元蒸発器36の出口側の冷媒過熱度Shを把握することができるものである。
図中51、52は第1及び第2のガスクーラ用送風機であり、第1のガスクーラ用送風機51は高元ガスクーラ11に通風して空冷し、第2のガスクーラ用送風機52は低元ガスクーラ23に通風して空冷する。また、図中53は外気温度を検出する外気温度センサである。
更に、図中48は冷凍装置1の制御装置である。尚、制御装置48は実際には冷凍機ユニット3側の制御装置と、ショーケース2側の制御装置と、店舗に設けられた統合制御装置から構成され、それら相互にデータの送受信を行い、連携して冷凍装置1の運転を制御するものであるが、ここではそれらを制御装置48として纏めて表す。
制御装置48は、各センサ44、46、47、53、54、56等の出力に基づいて高元側冷媒回路4の高元圧縮機7の運転周波数、高元膨張弁13の弁開度、低元側冷媒回路6A、6Bの低元圧縮機21の運転周波数、高圧膨張弁31の弁開度、各ガスクーラ用送風機51、52の運転を制御する。
また、各ショーケース2の入口温度センサ57と出口温度センサ58が検出する低元蒸発器56の入口側と出口側の冷媒の温度差から低元蒸発器36の出口側の冷媒過熱度Shを把握し、低圧膨張弁34の弁開度を制御する。更に、ショーケース2の陳列室内の温度やそこに吹き出される冷媒の温度等に基づいて電磁弁37を制御する。
以上の構成で、次に実施例の冷凍装置1の動作を説明する。実施例の制御装置48は冷凍装置1の通常制御と中圧上昇制御を有しており、更に、通常制御において二元冷凍運転と単元冷凍運転の二つの運転モードを有している。また、中圧上昇制御はこの単元冷凍運転において実行される。
(1)二元冷凍運転(通常制御)
先ず、制御装置48により通常制御における二元冷凍運転について説明する。例えば夏季等に外気温度センサ53が検出する外気温度が所定値AT1(例えば、20℃等)以上である場合、制御装置48は高元側冷媒回路4と低元側冷媒回路6A、6Bの双方を運転する二元冷凍運転を実行する。
この二元冷凍運転において、制御装置48により高元側冷媒回路4の高元圧縮機7、低元側冷媒回路6A、6Bの低元圧縮機21、各ガスクーラ用送風機51、52が運転されると、高元圧縮機7で圧縮された高温高圧の冷媒(二酸化炭素)が吐出配管8に吐出され、高元ガスクーラ11に流入する。高元ガスクーラ11に流入した冷媒は、ガスクーラ用送風機51により超臨界状態で冷却され、温度が低下する。
高元ガスクーラ11で冷却された冷媒は、出口配管12を経て高元膨張弁13に流入し、そこで絞られた後(減圧)、出口配管14から第1のカスケード熱交換器43Aを構成する第1の高元蒸発器16Aに流入して蒸発し、第1の低元側冷媒回路6Aの過冷却用熱交換器28を流れる冷媒を冷却する(過冷却)。また、第1の高元蒸発器16Aを出た冷媒は出口配管17Aを経て第2のカスケード熱交換器43Bを構成する第2の高元蒸発器16Bに流入して蒸発し、第2の低元側冷媒回路6Bの過冷却用熱交換器28を流れる冷媒を冷却する(過冷却)。そして、この第2の高元蒸発器16Bを出た冷媒は、出口配管17Bを経て吸込配管18から高元圧縮機7に吸い込まれる循環を繰り返す。
一方、第1の低元側冷媒回路6A(第2の低元側冷媒回路6Bも同様)の低元圧縮機21で圧縮された高温高圧の冷媒(二酸化炭素)は吐出配管22に吐出され、低元ガスクーラ23に流入する。この低元ガスクーラ23に流入した冷媒は、ガスクーラ用送風機52により超臨界状態で冷却され、温度が低下した後、出口配管27を経て第1のカスケード熱交換器43A(第2の低元側冷媒回路6Bの場合は第2のカスケード熱交換器43B)を構成する過冷却用熱交換器28に流入する。
この過冷却用熱交換器28に流入した冷媒は、第1の高元蒸発器16A(第2の低元側冷媒回路6Bの場合は第2の高元蒸発器16B)内で蒸発する高元側冷媒回路4の冷媒により冷却(過冷却)されて更に温度が低下した後、出口配管29を経て高圧膨張弁31に至る。
この高圧膨張弁31で低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側冷媒は絞られ、出口配管32経て冷凍機ユニット3から出る。出口配管32を流れる冷媒は分流点P1、P2において各分岐配管33A、33Bに分流され、各ショーケース2に入る。分岐配管33A、33Bに分流された冷媒は内部熱交換器45を経て各ショーケース2の低圧膨張弁34に流入し、そこで絞られた後、入口配管35から低元蒸発器36に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で各ショーケース2の陳列室内は所定の温度に冷却される。
そして、これらショーケース2の低元蒸発器36を出た冷媒は出口配管40が構成する内部熱交換器45を通り、電磁弁37(ショーケース2を冷却する場合、電磁弁37は開放されているものとする)、出口配管38を経て合流し、入口配管42からアキュムレータ39に流入する。アキュムレータ39に流入した冷媒はそこで気液分離され、ガス冷媒が吸込配管41を経て低元圧縮機21に吸い込まれる循環を繰り返す。
制御装置48は、温度センサ47が検出する第2の高元蒸発器17Bを出た冷媒の温度に基づいて高元圧縮機7の運転周波数を制御する。このとき、制御装置48は各カスケード熱交換器43A、43Bにおいて低元側冷媒回路6A、6Bの高圧側冷媒の所要の過冷却がとれるように高元圧縮機7の運転周波数を制御する。
また、制御装置48は、圧力センサ46が検出する高元側冷媒回路4の高圧側圧力に基づいて高元膨張弁13の弁開度を後述する低元側冷媒回路6A、6Bの高圧膨張弁31と同様に制御することにより、高元側冷媒回路4の高圧側圧力を後述するのと同様の適正な値(高元側冷媒回路4の高圧側圧力の目標値)に制御する。また、通常制御では、制御装置48は入口温度センサ57と出口温度センサ58が検出する低元蒸発器36の入口側の冷媒と出口側の冷媒の温度差から低元蒸発器36の出口側の冷媒過熱度Shを把握し、所定の目標値Shs(目標とする冷媒過熱度:入口側と出口側の冷媒の温度差にして例えば5〜10deg)となるように低圧膨張弁34の弁開度を制御する。
このように、各カスケード熱交換器43A、43Bの高元蒸発器16A、16Bにおいて高元側冷媒回路4の冷媒を蒸発させ、過冷却用熱交換器28を流れる各低元側冷媒回路6A、6Bの高圧側冷媒を過冷却することにより、二酸化炭素を冷媒として使用する場合に、夏季等の外気温度が高い環境においても、各冷媒回路4、6A、6Bの圧縮機7、21として比較的大型(大能力)の圧縮機を使用すること無く、各ショーケース2の低元蒸発器36において所要の冷却能力を得ることが可能となる。
また、カスケード熱交換器43A、43Bは、低元ガスクーラ23、23を出た冷媒を過冷却するので、低元ガスクーラ23、23で冷却された低元側冷媒回路6A、6Bの二酸化炭素冷媒をカスケード熱交換器43A、43Bにて更に過冷却することになり、更なる冷却能力を改善を図ることができるようになる。
次に、図3を参照しながら、制御装置48による各低元側冷媒回路6A、6Bの高圧膨張弁31の弁開度による高圧側圧力の最適値制御について説明する。通常制御では、制御装置48は外気温度センサ53が検出する外気温度に基づいて低元側冷媒回路6A、6Bの最適な高圧側圧力を算出し、それを目標値として各高圧膨張弁31の弁開度を制御する。
この場合、制御装置48は外気温度とそのときの低元側冷媒回路6A(6B)の最適な高圧側圧力との関係を示す情報を予め保有している。ここで、本発明において高圧側圧力の最適値とは、効率COPが最大、若しくは、それに近い値となる低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側圧力を意味する。図3中の近似式(y=0.1347x+5.4132)はこの低元側冷媒回路6A(6B)の最適な高圧側圧力と外気温度との関係を示す情報である。図3の横軸(x)は外気温度、縦軸(y)は当該冷凍装置1の低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側圧力(低元圧縮機21から吐出された高圧側冷媒の圧力)の最適値であり、この近似式は予め実験により求めておく。
制御装置48はこの近似式を用い、外気温度からそのときの最適な高圧側圧力(高圧側圧力の最適値)を算出して、当該算出した高圧側圧力を目標値として設定する。例えば、外気温度+20℃のときの目標値(最適な高圧側圧力)は8.1MPa程となり、+30℃のときの目標値は9.5MPa程となる。
制御装置48は冷凍装置1の起動から所定時間(例えば、10分)待機した後、圧力センサ44が検出する現在の高圧側圧力を検知し、高圧側圧力の目標値(最適な高圧側圧力)と現在の高圧側圧力(現在値)との差(目標値−現在値)の絶対値(abs)が所定値(例えば0.1MPa)以下か否か判断し、差が所定値以下である(差が無いか、小さい)場合には、高圧膨張弁31の弁開度を変更しない(高圧膨張弁31の弁開度は維持される)。
一方、高圧側圧力(現在値)が低く、高圧側圧力の目標値と現在の高圧側圧力(現在値)との差(目標値−現在値)の絶対値が所定値より大きい場合、制御装置48は高圧膨張弁31の弁開度を所定パルス(XXpls)縮小する。これにより、低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側冷媒は、カスケード熱交換器43A(43B)の過冷却用熱交換器28を出たところでより堰き止められるかたちとなるので、低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側圧力は上昇する。
一方、現在の低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側圧力(現在値)が高く、差(目標値−現在値)が所定値(0.1MPa)以下である場合、制御装置48は高圧膨張弁31の弁開度を所定パルス(XXpls)拡張する。これにより、カスケード熱交換器43A(43B)の過冷却用熱交換器28を出た低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側冷媒は、より流れ易くなるので、低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側圧力は低下する。
以上を繰り返して制御装置48は高圧膨張弁31により低元側冷媒回路6A(6B)の高圧側圧力を最適な値に制御する。即ち、低元側冷媒回路6A、6Bに高圧膨張弁31を設け、制御装置48により低元側冷媒回路6A、6Bの高圧側圧力に基づき、最適な当該高圧側圧力を目標値として高圧膨張弁31を制御するようにしたので、低元側冷媒回路6A、6Bの高圧側冷媒の比エンタルピ差を確保し、冷却能力の向上と効率の改善を図ることができるようになる。
特に、制御装置48に外気温度とそのときの最適な高圧側圧力との関係を示す情報(近似式)を予め保有させておき、外気温度に基づいて高圧側圧力の目標値を算出するようにしたので、高圧膨張弁31により円滑に低元側冷媒回路6A、6Bの高圧側圧力を最適な値に制御することが可能となる。
(2)単元冷凍運転(通常制御)
一方、例えば冬季等に外気温度センサ53が検出する外気温度が前述した所定値AT1より低い場合、制御装置48は高元側冷媒回路4の運転を停止し、低元側冷媒回路6A、6Bのみを運転する単元冷凍運転に切り換える。この単元冷凍運転における低元側冷媒回路6A、6Bの通常運転は前述した二元冷凍運転の場合の通常運転と同様であるが、高元側冷媒回路4の運転は停止しているので、各カスケード熱交換器43A、43Bの過冷却用熱交換器28における低元側冷媒回路6A、6Bの過冷却は行われない。
冬季等には各ショーケース2における負荷も低下するため、低元側冷媒回路6A、6Bのみの運転で冷却性能は十分となるからである。
(3)単元冷凍運転における中圧上昇制御
前述した如く、二元冷凍運転が行われる夏季等には、外気温度が高くなるために低元側冷媒回路6A、6Bの高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の圧力(中圧)は8Mpa〜9Mpaとなり、冷媒(二酸化炭素)は超臨界となる。そのため、高圧膨張弁31を経た冷媒は液状態であり、出口配管32の各分流点P1、P2における冷媒の分流に偏りは少なく、各ショーケース2の低圧膨張弁34には略均等に冷媒が分配供給されるので、低元蒸発器36の冷却性能のバラツキも小さくなる。
一方、冬季等に外気温度が低くなり、冷凍装置1が単元冷凍運転に切り換わると、低元側冷媒回路6A、6Bの高圧側圧力も6.5Mpa前後と低くなるため、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の圧力(中圧)は4Mpa程度に低下してくる。この状態では図2の中圧の冷媒はeで示す如く飽和液線L1より下に来るようになり、冷媒は気液混合状態となる。冷媒が気液混合状態となると、分流点P1、P2で偏流(分配供給に偏り)が発生し易くなり、その結果、各ショーケース2の低元蒸発器36の冷却性能にバラツキが生じてくる。
そこで、制御装置48はこの単元冷凍運転においては、中圧圧力センサ54と中圧温度センサ56の出力に基づき、それらが検出する高圧膨張弁31と分流点P1の間の冷媒の圧力と温度を常に監視しており、高圧膨張弁31と分流点P1の間の冷媒の状態が図2中でeに示す如く飽和液線L1より下となった場合、気液混合状態であると判断し、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行する。但し、制御装置48は低元圧縮機21の起動から所定時間(例えば15分等)が経過していることを条件として中圧上昇制御を実行し、経過していない場合には中圧上昇制御の実行を禁止する。
この中圧上昇制御で制御装置48は、前述した通常制御における高圧膨張弁31の弁開度を拡張する方向に補正し、且つ、低圧膨張弁34の弁開度は縮小する方向に補正する。即ち、制御装置48は通常制御において制御されている高圧膨張弁31の弁開度に、所定パルス(X1hospls)加え、低圧膨張弁34の弁開度には所定パルス(−X2hospls)加える。
これにより、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の圧力(中圧)は上昇するので、図2において冷媒の状態はeからfに移動し、飽和液線L1より上にくる。この状態では冷媒は液状態となるので、分流点P1、P2における冷媒の偏流は解消されるようになる。但し、前述した各値X1hospls、及び、−X2hosplsは、中圧上昇制御を行っても低元側冷媒回路6A、6Bの高圧側圧力が前述した最適な目標値となり、低元蒸発器36の出口側の冷媒過熱度Shが目標値となる値を予め実験により求めておくものとする。
尚、制御装置48は係る中圧上昇制御で高圧膨張弁31の弁開度を拡張し、低圧膨張弁34の弁開度を縮小させた後は、通常制御に復帰する。冷媒の状態が一旦液状態になれば、その後は少なくとも所定期間、冷媒の偏流は解消されるからである。
このように、本発明では並列接続された複数の低元蒸発器36の冷媒入口側にそれぞれ接続された低圧膨張弁34に、高圧膨張弁31を経た二酸化炭素の冷媒を分流して供給する冷凍装置1において、制御装置48が、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の状態を監視し、気液混合状態であると判断した場合、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行するようにしたので、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の中圧の冷媒が気液混合状態となった場合、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の圧力を上昇させて液状態とし、各低圧膨張弁34に分流することができるようになる。
これにより、各低元蒸発器36に分流する冷媒に偏りが発生して冷却性能にバラツキが発生する不都合を回避若しくは抑制することができるようになり、各低元蒸発器36にて安定した冷却性能を発揮することができるようになる。
このとき、実施例の如く冷凍装置1が高元側冷媒回路4と低元側冷媒回路6A、6Bをカスケード接続して成る場合には、低元側冷媒回路6A、6Bのみによる単元冷凍運転を実行するときに中圧上昇制御を実行することで、効果的に低元側冷媒回路6A、6Bの各低元蒸発器36における冷却性能のバラツキを解消することができるようになる。
また、実施例では高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の圧力及び温度を検出する中圧圧力センサ54及び中圧温度センサ56を設け、制御装置48が、中圧圧力センサ54と中圧温度センサ56の出力に基づいて、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の状態を監視するようにすれば、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒が気液混合状態となったことを的確に判断して、効果的に中圧上昇制御を実施し、確実に液状態とすることができるようになる。
また、実施例の如く制御装置48が、常には低元圧縮機21と高圧膨張弁31の間の高圧側圧力に基づき、最適な当該高圧側圧力を目標値として高圧膨張弁31を制御し、各低元蒸発器36の出口側の冷媒過熱度Shに基づき、各低圧膨張弁34を制御する通常制御を実行するようにすれば、高圧側冷媒の比エンタルピ差を確保し、冷却能力の向上と効率の改善を図ることができるようになる。そして、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒が気液混合状態であると判断した場合に、中圧上昇制御を実行するとよい。
その場合、実施例の如く制御装置48に、外気温度とそのときの最適な高圧側圧力との関係を示す情報を予め保有させておき、外気温度に基づいて高圧側圧力の目標値を算出するようにすれば、通常制御において高圧膨張弁31により、円滑に高圧側圧力を最適な値に制御することが可能となる。
また、実施例では制御装置48が中圧上昇制御においては高圧膨張弁31の弁開度を拡張し、低圧膨張弁34の弁開度を縮小させることで、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の圧力を上昇させるようにしているので、高圧膨張弁31により高圧側圧力を最適な目標値に制御し、低圧膨張弁34により各低元蒸発器36の出口側の冷媒過熱度Shを適正に制御しながら、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の圧力を上昇させ、各低元蒸発器36における冷却性能のバラツキを解消することが可能となる。
この場合、実施例の如く制御装置48が、中圧上昇制御で高圧膨張弁31の弁開度を拡張し、低圧膨張弁34の弁開度を縮小させた後、通常制御に復帰するようにすれば、中圧上昇制御で各低元蒸発器36に分流する冷媒の偏りを解消した後、速やかに通常制御に戻って以後安定した運転を継続することができるようになる。
更に、実施例の如く制御装置48が、低元圧縮機21を起動した後、所定時間経過したことを条件として中圧上昇制御を実行するようにすれば、起動直後の不安定な状態で気液混合状態と判断してしまい、不必要な中圧上昇制御を実行してしまう不都合を回避することができるようになる。
尚、実施例では二元冷凍装置を採り上げて本発明を説明したが、それに限らず、請求項2、請求項3以外の発明は、実施例の低元側冷媒回路のみの所謂単元の冷凍装置においても有効である。また、実施例では冷凍装置1が単元冷凍運転を実行するときに中圧上昇制御を行うようにしたが、二元冷凍運転を行っているときにも高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の状態を監視して、中圧上昇制御を実行してもよい。
更に、実施例では高圧膨張弁31と分流点P1の間の冷媒の圧力と温度を検出する中圧圧力センサ54と中圧温度センサ56を用いて中圧の冷媒の状態を監視するようにしたが、請求項4以外の発明では例えば高圧圧力センサ44他のセンサを用いて判断するようにしてもよい。但し、実施例の如き中圧圧力センサ54と中圧温度センサ56を用いれば、高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の間の冷媒の状態を直接把握し、円滑に中圧上昇制御を実行することができるようになる。
更にまた、実施例では中圧上昇制御において、制御装置48により所定の値X1hospls、及び、−X2hosplsを高圧膨張弁31と低圧膨張弁34の弁開度に加えるようにしたが、それに限らず、中圧の冷媒の状態に応じて、弁開度に加える値をリニアに変更するようにしてもよい。その場合には、例えば飽和液線L1より下にきている度合が大きい場合には、より上昇させる方向に変更することになる。
ここで、実施例では単一の高元側冷媒回路4と二系統の低元側冷媒回路6A、6Bとをカスケード接続した冷凍装置1で本発明を説明したが、それに限らず、単一の低元側冷媒回路と高元側冷媒回路をカスケード接続した冷凍装置でもよい。また、実施例ではショーケースを冷却する冷凍装置1に本発明を適用したが、それに限らず、自動販売機等を冷却する冷凍装置にも本発明は有効である。
1 冷凍装置
2 ショーケース
3 冷凍機ユニット
4 高元側冷媒回路
6A、6B 低元側冷媒回路
7 高元圧縮機
11 高元ガスクーラ
13 高元膨張弁
16A、16B 高元蒸発器
21 低元圧縮機
23 低元ガスクーラ
28 過冷却熱交換器
31 高圧膨張弁
34 低圧膨張弁
36 低元蒸発器
44 高圧圧力センサ
48 制御装置
53 外気温度センサ
54 中圧圧力センサ
56 中圧温度センサ
57 入口温度センサ
58 出口温度センサ

Claims (9)

  1. 圧縮機と、ガスクーラと、高圧膨張弁と、並列接続された複数の蒸発器と、各蒸発器の冷媒入口側にそれぞれ接続された低圧膨張弁から構成された冷媒回路を備え、二酸化炭素を冷媒として封入し、前記高圧膨張弁を経た冷媒を前記各低圧膨張弁に分流して成る冷凍装置において、
    前記冷媒回路の運転を制御する制御装置を備え、
    該制御装置は、前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視し、気液混合状態であると判断した場合、前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行することを特徴とする冷凍装置。
  2. 高元側冷媒回路と、低元側冷媒回路と、前記高元側冷媒回路の冷媒を蒸発させて前記低元側冷媒回路の高圧側冷媒を冷却するカスケード熱交換器とを備え、少なくとも前記低元側冷媒回路には二酸化炭素を冷媒として封入して成る冷凍装置において、
    前記低元側冷媒回路は、圧縮機と、ガスクーラと、高圧膨張弁と、並列接続された複数の蒸発器と、各蒸発器の冷媒入口側にそれぞれ接続された低圧膨張弁を有し、前記高圧膨張弁を経た冷媒を前記各低圧膨張弁に分流すると共に、
    前記高元側冷媒回路及び前記低元側冷媒回路の運転を制御する制御装置を備え、
    該制御装置は、前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視し、気液混合状態であると判断した場合、前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させる中圧上昇制御を実行することを特徴とする冷凍装置。
  3. 前記制御装置は、前記高元側冷媒回路及び前記低元側冷媒回路の双方を運転する二元冷凍運転と、前記低元側冷媒回路のみを運転する単元冷凍運転とを有し、外気温度が所定値より低い場合に前記単元冷凍運転を実行すると共に、
    当該単元冷凍運転において前記中圧上昇制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
  4. 前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒の圧力及び温度を検出する中圧圧力センサ及び中圧温度センサを備え、
    前記制御装置は、前記中圧圧力センサと前記中圧温度センサの出力に基づいて、前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒の状態を監視することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の冷凍装置。
  5. 前記制御装置は、常には前記圧縮機と前記高圧膨張弁の間の高圧側圧力に基づき、最適な当該高圧側圧力を目標値として前記高圧膨張弁を制御し、前記各蒸発器の出口側の冷媒過熱度に基づき、前記各低圧膨張弁を制御する通常制御を実行しており、
    前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒が気液混合状態であると判断した場合に、前記中圧上昇制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の冷凍装置。
  6. 前記制御装置は、外気温度とそのときの前記最適な高圧側圧力との関係を示す情報を予め保有しており、前記外気温度に基づいて前記高圧側圧力の目標値を算出することを特徴とする請求項5に記載の冷凍装置。
  7. 前記制御装置は、前記中圧上昇制御においては前記高圧膨張弁の弁開度を拡張し、前記低圧膨張弁の弁開度を縮小させることで、前記高圧膨張弁と前記低圧膨張弁の間の冷媒の圧力を上昇させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 前記制御装置は、前記中圧上昇制御で前記高圧膨張弁の弁開度を拡張し、前記低圧膨張弁の弁開度を縮小させた後、前記通常制御に復帰することを特徴とする請求項7に記載の冷凍装置。
  9. 前記制御装置は、前記圧縮機を起動した後、所定時間経過したことを条件として前記中圧上昇制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載の冷凍装置。
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WO2023223559A1 (ja) * 2022-05-20 2023-11-23 三菱電機株式会社 二元冷凍装置の室外機および二元冷凍装置

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