JP5506638B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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この発明は、家庭用・業務用冷凍冷蔵庫、超低温フリーザ、冷凍冷蔵ショーケース冷却システム等に利用できる冷凍装置に関するものである。特に、複数の冷凍サイクル装置(冷媒循環回路)を多段構成した多元冷凍装置に関するものである。
従来より、例えば高温側(高段側、一次側)となる冷凍サイクル装置(以下、高温側サイクルという)と低温側(低段側、二次側)となる冷凍サイクル装置(以下、低温側サイクルという)とをそれぞれ形成して多段で構成した冷凍装置がある(ここでは二段構成の二元冷凍装置であるものとする)。このような冷凍装置では、例えば低温側サイクルにおける冷媒の凝縮による凝縮熱と高温側サイクルにおける冷媒の蒸発による蒸発熱とを熱交換しながら、最終段となる低温側サイクルの蒸発器において冷却対象等との熱交換を行うことにより、連携した冷凍運転を行っている。これにより、低温側サイクルの蒸発器において、マイナス数十度の低温度の蒸発熱を効率良く得ることができる。
このような二元冷凍装置において、高温側サイクルが循環に用いる冷媒としてR22(HCFC、ハイドロクロロフルオロカーボン)を用い、低温側サイクルが循環に用いる冷媒として二酸化炭素(CO2 )を用いるものがある(例えば、特許文献1参照)。また、高温側サイクルが循環に用いる冷媒として炭化水素系冷媒を用い、低温側サイクルが循環に用いる冷媒として二酸化炭素を用いるものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−190917号公報(第14頁、第1図) 特許第3604973号公報(第4頁、第1図)
以上のような従来の二元冷凍装置においては、高温側サイクルにおいて循環する冷媒としてR22、炭化水素系冷媒を用いている。ここで、R22はオゾン破壊係数が0でないフロンを含む冷媒である。また、炭化水素系冷媒は可燃性の冷媒であるため、冷凍装置に充填できる冷媒量に制限が設けられている(例えば150g以下等)。このため、スーパーマーケット等で使用する業務用の冷凍装置には冷媒量が足りない可能性が高く、このような冷凍装置に炭化水素系冷媒を使用することが困難であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、全体として効率のよい冷却運転を行いつつ、環境負荷を低減することができる冷凍装置を得るものである。
この発明に係る冷凍装置は、高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置及び高温側蒸発器を配管接続して、高温側冷媒を循環させる高温側循環回路を形成する高温側サイクル装置と、低温側圧縮機、低温側凝縮器、低温側絞り装置及び低温側蒸発器を配管接続して、二酸化炭素を低温側冷媒として循環させる低温側循環回路を形成する低温側サイクル装置と、高温側蒸発器と低温側凝縮器とにより構成し、高温側冷媒と低温側冷媒との間の熱交換を行うカスケードコンデンサとを備え、高温側サイクル装置には、高温側冷媒の地球温暖化係数と冷媒充填量との積が、高温側サイクル装置における総合等価温暖化因子と低温側サイクル装置における総合等価温暖化因子との総計の30%以下となるように選定された高温側冷媒が充填されるものである。
この発明の冷凍装置によれば、高温側サイクル装置と低温側サイクル装置とを二段構成とした二元冷凍装置とし、低温側冷媒を二酸化炭素とし、高温側冷媒については、高温側冷媒のGWPと高温側サイクル10に充填する冷媒充填量との積の値が、高温側サイクル10と低温側サイクル20とにおけるTEWIの総計(和)の30%以下になるように、高温側冷媒が選定され、高温側冷媒及び低温側冷媒の冷媒量が充填されるようにしたので、冷媒循環回路を2つに分けて一体的に冷却を行うことで、1種類の冷媒と冷媒量で目的の温度帯で冷却する場合に比べて、2種類の冷媒と量を選定して段階的に冷却するで、それぞれの冷媒循環回路において制御しようとする蒸発温度に適した冷媒の種類、量の選定幅が拡げることができる。このとき、高温側冷媒のGWPと高温側サイクル10に充填する冷媒充填量との積の値が、総合等価温暖化因子との総計の30%以下となるように高温側冷媒のGWPと冷媒充填量とすることで、従来のHFC冷媒を用いた単段構成の冷凍装置(単段冷凍サイクル回路)と同程度のCOPの値を維持しつつ、TEWIの値が比較的小さい冷凍装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1における冷凍装置の構成を表す図である。 高温側サイクル10と低温側サイクル20とのモリエル線図を表す図である。 冷蔵温度域における冷媒条件が異なる各冷凍装置のCOPを表す図である。 冷蔵温度域における冷媒条件が異なる各冷凍装置のTEWIを表す図である。 冷凍温度域における冷媒条件が異なる各冷凍装置のCOPを表す図である。 冷凍温度域における冷媒条件が異なる各冷凍装置のTEWIを表す図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における冷凍装置の構成を表す図である。図1に示すように、本実施の形態の冷凍装置は二元冷凍装置として説明する。二元冷凍装置は、高温側サイクル10と低温側サイクル20とを有し、それぞれ独立して冷媒を循環させる冷媒循環回路を構成する。そして、2つの冷媒循環回路を多段構成するために、高温側蒸発器14と低温側凝縮器22とを、それぞれ通過する冷媒間での熱交換を可能に結合させて構成したカスケードコンデンサ(冷媒間熱交換器)30を設けている。ここで、温度の高低、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、システム、装置等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
また、図1において、高温側サイクル10は、高温側圧縮機11と、高温側凝縮器12と、高温側絞り装置13と、高温側蒸発器14とを直列に冷媒配管で接続し、冷媒循環回路(以下、高温側循環回路という)を構成している。一方、低温側サイクル20は、低温側圧縮機21と、低温側中間冷却器25と、低温側凝縮器22と、低温側絞り装置23と、低温側蒸発器24とを冷媒配管で接続し、冷媒循環回路(以下、低温側循環回路という)を構成している。
このような構成の二元冷凍装置において、高温側循環回路を循環する冷媒(以下、高温側冷媒という)として、例えばR410A、R32、R404A、HFO−1234yf、プロパン、イソブタン、二酸化炭素、アンモニアなどが用いられる。また、低温側循環回路を循環する冷媒(以下、低温側冷媒という)には地球温暖化に対する影響が小さい二酸化炭素(CO2 )を用いる。高温側冷媒及び低温側冷媒については後に詳しく説明する。
次に二元冷凍装置の各構成機器についてさらに詳細に説明する。高温側サイクル10の高温側圧縮機11は、高温側冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。ここで、例えばインバータ回路等により回転数を制御し、高温側冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成するとよい。高温側凝縮器12は、送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等と高温側冷媒との間で熱交換を行い、高温側冷媒を凝縮させて液状の冷媒にする(凝縮液化させる)ものである。
減圧弁、膨張弁等の高温側絞り装置13は、高温側冷媒を減圧して膨張させるものである。例えば前述した電子式膨張弁等の流量制御手段で構成することが最適であるが、毛細管(キャピラリ)等の冷媒流量調節手段で構成してもよい。高温側蒸発器14は、熱交換により高温側冷媒を蒸発させて気体(ガス)状の冷媒にする(蒸発ガス化させる)ものである。ここでは、カスケードコンデンサ30において低温側冷媒との熱交換を行う。
一方、低温側サイクル20の低温側圧縮機21は、低温側冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。低温側圧縮機21についても、例えばインバータ回路等を有し、低温側冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成するとよい。低温側凝縮器22は、熱交換により低温側冷媒を凝縮液化させるものである。ここでは、カスケードコンデンサ30において高温側冷媒との熱交換を行う。
減圧弁、膨張弁等の低温側絞り装置23は、低温側冷媒を減圧して膨張させるものである。例えば前述した電子式膨張弁等の流量制御手段で構成することが最適であるが、毛細管等の冷媒流量調節手段で構成してもよい。ここで、本実施の形態では制御手段40からの指示に基づいて開度調整を行う流量制御手段で構成しているものとする。例えば、低温側絞り装置23が冷媒流量調節手段である場合において、冷媒流量調節手段を必要としないときの圧力損失の低減等をはかるため、例えば低温側絞り装置23と並列にバイパス配管(図示せず)を設けるようにしてもよい。そして、冷媒流量調節手段を必要としない場合には、バイパス配管に冷媒を流すように切り替えることができるように構成してもよい。
低温側蒸発器24は、送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、ブライン等と低温側冷媒との間で熱交換を行い、低温側冷媒を蒸発ガス化するものである。低温側冷媒との熱交換により、冷却対象(冷蔵又は冷凍対象)は、直接又は間接に冷却されることになる。
低温側中間冷却器(補助コンデンサ)25は、ガスクーラまたは凝縮器として機能し、例えば送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等と低温側冷媒との間で熱交換を行い、低温側凝縮器22において低温側冷媒を凝縮液化させる補助を行うものである。低温側中間冷却器25では、低温側冷媒を凝縮液化できなくてもよく、少なくとも低温側冷媒から熱(顕熱)を奪うようにすることで低温側冷媒を一定温度まで冷却させることができればよい。ここで、送風機等には、高温側凝縮器12に空気等を供給する送風機等を共通して用いてもよい。
また、カスケードコンデンサ30は、高温側蒸発器14と低温側凝縮器22とを結合し、高温側冷媒と低温側冷媒とを熱交換可能にする。例えばプレート熱交換器、二重管熱交換器等で構成する。カスケードコンデンサ30により二段構成にし、冷媒間の熱交換を行うことで、独立した冷媒循環回路を連携して制御することができる。本実施の形態のカスケードコンデンサ30は、高温側冷媒と低温側冷媒とにおける熱交換に係る熱量が等しいものとする。
例えば、単段構成の冷凍装置(カスケードコンデンサ30による多段構成を行うことなく、圧縮機、凝縮器、絞り装置及び蒸発器を配管接続した冷媒循環回路を構成した冷凍装置)において、冷媒として二酸化炭素を用いると、作動圧がきわめて高くなる。また、COP(Coefficient Of Performance:成績係数。冷凍装置を運転するのに必要な単位動力当たりの冷凍能力の割合)が後述するように悪化する。
そこで、本実施の形態では、オゾン破壊係数が0で不燃性を有するHFC(ハイドロフルオロカーボン)類冷媒、HFO(ハイドロフルオロオレフィン)類冷媒の単一冷媒又は混合冷媒を高温側冷媒とする。さらに、高温側冷媒のGWP(Global Warming Potential:地球温暖化係数。以下、温暖化係数という)と高温側サイクル10に充填した(封入されている)冷媒充填量との積及び低温側サイクル20における低温側冷媒である二酸化炭素の冷媒充填量の総計が、TEWI(Total Equivalent Warming Impact :総合等価温暖化因子)の21%以下になるように、高温側冷媒を選定し、高温側冷媒及び低温側冷媒の冷媒充填量を決定するものである。これにより、作動圧を低く抑え、二酸化炭素特有の低温域における良好な熱交換性を有効に活用することができるようにする。そして、TEWIを単段構成の冷凍装置と同等以下にする。
次に図1に基づいて、二元冷凍装置の冷却運転について説明する。以下で説明する機器の動作については、二元冷凍装置全体の運転制御を行う制御手段(図示せず)が行うものとする。まず、高温側サイクル10の冷却運転時の動作について説明する。高温側圧縮機11は、高温側冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は高温側凝縮器12に流入する。
高温側凝縮器12は、送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等との熱交換により高温側冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した高温側冷媒は高温側絞り装置13を通過する。そして高温側絞り装置13は凝縮液化した高温側冷媒を減圧させる。減圧した高温側冷媒は高温側蒸発器14(カスケードコンデンサ30)に流入する。
高温側蒸発器14は、低温側冷媒との熱交換により高温側冷媒を蒸発ガス化させる。高温側蒸発器14を流出した高温側冷媒は高温側圧縮機11に吸入される。
次に、低温側サイクル20の冷却運転時の動作について説明する。低温側圧縮機21は、低温側冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は低温側中間冷却器25へ流入する。
低温側中間冷却器25は、送風機、ポンプ等(図示せず)から供給される空気、水等と冷媒との間で熱交換を行って、例えば低温側冷媒を所定温度に冷却させる。低温側中間冷却器25を流れ出た冷媒は、低温側凝縮器22(カスケードコンデンサ30)に流入する。
低温側凝縮器22は、高温側冷媒との熱交換により低温側冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した低温側冷媒は低温側絞り装置23を通過する。そして低温側絞り装置23は凝縮液化した低温側冷媒を減圧させる。減圧した低温側冷媒は低温側蒸発器24に流入する。低温側蒸発器24は、冷却対象と低温側冷媒との間で熱交換を行い、低温側冷媒を蒸発ガス化させる。このとき、冷却対象は直接又は間接に冷却される。そして、低温側蒸発器24を流出した低温側冷媒は低温側圧縮機21に吸入される。
図2は高温側サイクル10と低温側サイクル20における冷媒圧力とエンタルピーとの関係を示すモリエル線図を表す図である。例えば、低温側凝縮器22における凝縮温度と高温側蒸発器14における蒸発温度との差(図2ではΔTで表す)が大きくなると、効率(COP)が低下する。そこで、前述のように低温側中間冷却器25を低温側凝縮器22(カスケードコンデンサ30)の前に設置し、低温側冷媒が所定温度になるように冷却する。これにより、低温側凝縮器22における凝縮温度と高温側蒸発器14における蒸発温度との差が小さくなるようにして(図2においてはΔTを所定範囲内に収めるようにして)、COPを向上させることが可能となる。
図3は冷蔵温度域における冷媒の条件が異なる冷凍装置によるCOPを表す図である。また、図4は冷蔵温度域における冷媒の条件が異なる冷凍装置によるTEWIを表す図である。図3及び図4では、単段構成の冷媒装置においては、冷媒をR404A(温暖化係数3922:一般的な業務用冷却装置)、二酸化炭素(温暖化係数1)とによりそれぞれ冷却運転を行った場合を表している。また、二元冷凍装置においては、高温側冷媒をR404A、低温側冷媒を二酸化炭素としたもの、高温側冷媒をR410A(温暖化係数2088)、低温側冷媒を二酸化炭素としたものによりそれぞれ冷却運転を行った場合を表している。
そして、図3については、R404Aを冷媒とする単段構成の冷凍装置におけるCOPを100%として、他の冷凍装置の冷却運転におけるCOPの割合を表している。同様に、図4については、二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置を二酸化炭素におけるTEWIを100%として、他の冷凍装置の冷却運転におけるTEWIの割合を表している。また、運転に係る条件は、外気温度が32℃、例えばショーケースなどの負荷側(低温側)となる蒸発器における蒸発温度を−10℃(冷蔵条件)、冷凍能力を約30kWとする。また、単段構成の冷凍装置、低温側サイクル20における延長配管を100mする。このとき、液管径(液冷媒が通過する管の径)をφ19.05mm、ガス管径(ガス冷媒が通過する管の径)をφ38.1mmとする)とする。
ここで、上述したTEWIは次式(1)にて計算することができる。ここで、(1)の各パラメータについて、TEWIは総合等価温暖化因子(kgCO2 )を表す。また、GWPは温暖化係数、mは冷媒循環回路への冷媒充填量(kg)、Lは年間冷媒漏れ率(%)、nは機器運転年数を表す。αは廃棄時における冷媒回収率を表す。そして、Wは年間消費電力量(kWh/年)、βは電力のCO2 排出原単価を表す。
TEWI=GWP×m×L×n+GWP×m×(1−α)+n×W×β …(1)
本実施の形態では、また、年間冷媒漏れ率Lについては、単段構成の冷凍装置及び二元冷凍装置の低温側サイクル20においては、設置時に現地での延長配管を考慮して16%とする。一方、二元冷凍サイクルの高温側サイクル10は現地で配管をせず閉じた冷媒回路となるため2%とする。また、機器運転年数nを15年とし、廃棄時冷媒回収率αを30%とする。そして、排出原単価βを0.41kgCO2 /kWh)とする。
以上の値に基づき、高温側サイクル10における高温側冷媒の温暖化係数をGWP(H)、冷媒充填量mをm1、年間消費電力量WをW1とすると、高温側サイクル10に係る総合等価温暖化因子TEWI(H)は次式(2)で表されることになる。
TEWI(H)=GWP(H)×m1+6.15×W1 …(2)
同様に、低温側サイクル20における二酸化炭素の冷媒充填量mをm2、年間消費電力量W2とすると、低温側サイクル20に係る総合等価温暖化因子TEWI(L)は次式(3)で表される。
TEW1(L)=3.1×m2+6.15×W2 …(3)
以上より、二元冷凍装置における総合等価温暖化因子TEWIの総計は、次式(4)で表される。ここで、3.1×m2は、他の項に比べてかなり小さな値となるため、省略してもよい。
TEWI=GWP(H)×m1+3.1×m2+6.15×(W1+W2) …(4)
そして、実験等により、図3、図4に示すように、従来のような、R404Aを冷媒とする単段構成の冷凍装置と比較していった結果、冷蔵温度域においては、上記において選定した高温側冷媒のGWPと冷媒充填量との積が、高温側サイクル10、低温側サイクル20のTEWIの総計の21%以下になる条件を満たす高温側冷媒と冷媒量が高温側サイクル10充填されていることが望ましいことがわかった。また、低温側冷媒は二酸化炭素とすることで、一般的なショーケースなどに使用しているR404Aを冷媒とする単段構成の冷凍装置と同等以上のCOPを確保できる。また、二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置と同等以下のTEWIを達成することができる。
ここで、二酸化炭素の温暖化係数は1であるため、TEWIの観点からは、二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置にすればいいように思える。しかし、図3に示すように、R404Aを冷媒とした単段構成の冷凍装置を運転した場合のCOPと比較すると、約84%となっている。一方、冷媒がR404Aである単段構成の冷凍装置は、一般的なショーケース対応でCOPはいいとしても、図4に示すように、TEWIは、二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置に比べてかなり大きな値となる。
そこで、COP、TEWIとも満足するような冷凍装置として、二元冷凍装置の構成を考える。二元冷凍装置の高温側冷媒としてR404Aを選定した場合は、冷媒充填量を11kg以下にする。また、高温側冷媒としてR410Aを選定した場合は、冷媒充填量を21kg以下にする。これにより、R404Aを冷媒とした単段構成の冷凍装置を運転した場合よりもCOPが大きく、二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置と同等以下のTEWIにすることができる。ここで、本実施の形態の二元冷凍装置を二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置と比較した場合、装置構成の違い等により、少なくとも下限値は0.04%より大きくなる。
ここで、上述した図3及び図4では、例えば、二元冷凍装置における高温側冷媒がR404Aの場合には冷媒充填量を12.2kgとしている。また、高温側冷媒がR410Aの場合にも冷媒充填量を12.2kgとしている。
また、高温側冷媒がR410Aの場合は蒸発潜熱が170kJ/kgであり、R404A(蒸発潜熱140kJ/kg)と比較して大きい。したがって、冷凍装置内の液配管径、吸入配管径及び高温側凝縮器12の伝熱管径を小さくする(例えばφ約6〜8mm)ことができる。このため、冷媒充填量をさらに低減することができ、TEWIをさらに小さくすることが可能である。また、高温側冷媒として用いるR410Aは、一般の空気調和装置で用いる冷媒である。このため、構成機器、配管等の部材については、空気調和装置の部材を利用することができるため、冷凍装置における製造コストを抑えることができる。
以上のように、本実施の形態の冷凍装置によれば、高温側サイクル10と低温側サイクル20とをカスケードコンデンサ30を介して二段構成とした二元冷凍装置とし、低温側冷媒を二酸化炭素とし、高温側冷媒については、高温側冷媒のGWPと高温側サイクル10に充填する冷媒充填量との積の値が、高温側サイクル10と低温側サイクル20とにおけるTEWIの総計(和)の21%以下になるような高温側冷媒と冷媒量が高温側サイクル10に充填されるようにしたので、2つの冷媒循環回路で段階的に目的の温度帯に制御することで、HFC冷媒を用いた単段構成の冷凍装置と同程度のCOPを維持又はそれ以上として効率をよくすることができる。そして、その組み合わせにおいて、TEWIの総計の21%以下にすることで、TEWIが小さい冷凍装置を得ることができる。そして、このとき、オゾン破壊係数が0で、不燃性を有するHFC類冷媒、HFO類冷媒の単一冷媒又は混合冷媒とすることで、環境負荷を低くし、安全な冷凍装置を得ることができる。さらに、上記のような高温側冷媒の選定により、高温側凝縮器12の伝熱管の径を、例えばφ約6〜8mmとすることで、配管径を小さくすることができ、また、空気調和装置の部材を利用することができるため、冷凍装置における製造コストを抑えることができる。また、低温側圧縮機21と低温側凝縮器22との間に低温側中間冷却器25を設け、低温側凝縮器22における凝縮液化の補助を行うようにしたので、二元冷凍装置全体のCOPを向上させることができる。
実施の形態2.
図5は実施の形態2に係る冷凍温度域における冷媒の条件が異なる冷凍装置によるCOPを表す図である。また、図6は実施の形態2に係る冷凍温度域における冷媒の条件が異なる冷凍装置によるTEWIを表す図である。例えば冷凍食品などを保存するための冷凍温度域について、図3及び図4に示す比較と同様の比較を行う。
ここで、運転に係る条件は、例えばショーケースなどの負荷側(低温側)となる蒸発器における蒸発温度を−40℃(冷凍条件)、冷凍能力を約10kWとする。また、図3及び図4の場合と同様に、外気温度が32℃、単段構成の冷凍装置、低温側サイクル20における延長配管を100mする。このとき、液管径(液冷媒が通過する管の径)をφ19.05mm、ガス管径(ガス冷媒が通過する管の径)をφ38.1mmとする)とする。
例えばHFC冷媒による単段構成の冷凍装置と二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置とのCOPの差は、冷凍条件の方が大きくなる。このため、二元冷凍装置で高温側冷媒のGWPと冷媒充填量との積が冷蔵条件の場合より緩和される。
そこで、高温側冷媒のGWPと冷媒充填量との積が、高温側サイクル10、低温側サイクル20のTEWIの総計の30%以下になるように、高温側冷媒と冷媒充填量を選定する。また、低温側冷媒は二酸化炭素とすることで、一般的なショーケースなどに使用しているR404Aを冷媒とする単段構成の冷凍装置と同等以上のCOPを確保できる。また、二酸化炭素を冷媒とする単段構成の冷凍装置と同等以下のTEWIを達成することができる。ここで、図5、図6における二元冷凍装置の高温側冷媒の冷媒充填量を14kgとしている。
また、高温側冷媒がR410Aの場合は、前述したように蒸発潜熱がR404Aと比較して大きい。このため、冷凍装置内の液配管径、吸入配管径ならびに高温側凝縮器12の伝熱管径を小さくすることができ、冷媒充填量を低減し、TEWIを更に小さくすることが可能である。また、通常の空気調和装置の構成機器、配管等の部材については、空気調和装置の部材を利用することができるため、冷凍装置における製造コストを抑えることができる。
上述の実施の形態は、二元冷凍装置で説明したが、多段構成の多元冷凍装置にも適用することができる。
10 高温側サイクル、11 高温側圧縮機、12 高温側凝縮器、13 高温側絞り装置、14 高温側蒸発器、20 低温側サイクル、21 低温側圧縮機、22 低温側凝縮器、23 低温側絞り装置、24 低温側蒸発器、25 低温側中間冷却器、30 カスケードコンデンサ。

Claims (5)

  1. 高温側圧縮機、高温側凝縮器、高温側絞り装置及び高温側蒸発器を配管接続して、高温側冷媒を循環させる高温側循環回路を形成する高温側サイクル装置と、
    低温側圧縮機、低温側凝縮器、低温側絞り装置及び低温側蒸発器を配管接続して、二酸化炭素を低温側冷媒として循環させる低温側循環回路を形成する低温側サイクル装置と、
    前記高温側蒸発器と前記低温側凝縮器とにより構成し、前記高温側冷媒と前記低温側冷媒との間の熱交換を行うカスケードコンデンサとを備え、
    高温側サイクル装置には、前記高温側冷媒の地球温暖化係数と冷媒充填量との積が、前記高温側サイクル装置における総合等価温暖化因子と前記低温側サイクル装置における総合等価温暖化因子との総計の30%以下となるように選定された前記高温側冷媒が充填されることを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記低温側蒸発器における蒸発温度域に基づいて、前記総合等価温暖化因子の総計に対する前記高温側冷媒の地球温暖化係数と冷媒充填量との積の割合が決定されることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  3. 前記低温側圧縮機と前記低温側凝縮器との間に、前記低温側冷媒が所定温度になるように冷却させる低温側中間冷却器をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷凍装置。
  4. 前記高温側凝縮器を構成する伝熱管の径をφ6〜8mmとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍装置。
  5. 前記高温側冷媒として、HFC類冷媒及びHFO類冷媒の少なくとも一方の単一冷媒又は混合冷媒を選定し、前記冷媒充填量を充填することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷凍装置。
JP2010256913A 2010-11-17 2010-11-17 冷凍装置 Active JP5506638B2 (ja)

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