JP2003055592A - ブラックインクセットおよびそれを用いた記録方法 - Google Patents

ブラックインクセットおよびそれを用いた記録方法

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JP2003055592A
JP2003055592A JP2002165641A JP2002165641A JP2003055592A JP 2003055592 A JP2003055592 A JP 2003055592A JP 2002165641 A JP2002165641 A JP 2002165641A JP 2002165641 A JP2002165641 A JP 2002165641A JP 2003055592 A JP2003055592 A JP 2003055592A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無彩色の再現性に優れたブラックインクセッ
トの提供。 【解決手段】 複数のブラックインク組成物が着色剤と
してカーボンブラックと、マゼンタ顔料と、シアン顔料
とを含んでなるものであり、これら複数のブラックイン
ク組成物におけるカーボンブラックの添加量がそれぞれ
異なっており、かつ、前記複数のブラックインク組成物
の彩度Cの値が全て3以下となるように、前記マゼン
タ顔料と前記シアン顔料とを添加したものであるインク
セットによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、複数のブラックインク組成物を含んでなるブ
ラックインクセットに関する。
【0002】背景技術 黒色からグレー、グレーから白色へと階調が変化する無
彩色画像は、ブラック着色剤の濃度を変えたブラックイ
ンク組成物を複数用いて印刷することにより実現するこ
とができる。一方、ごく薄い濃度のカーボンブラックを
含むブラックインク組成物により印刷された黒色画像を
注意深く目視すると、わずかに黄色みがかった黒色が観
察された。純粋な黒色は無彩色(a*=0、b*=0)を
示すが、印刷された黒色はそれからずれることが観察さ
れたのである。このような現象はカーボンブラックの添
加量を増加させることによって相当程度解決されるが、
その一方で、カーボンブラックの添加量を減少させてい
った場合、このような現象はその減少量に応じて増加す
ることが従来より指摘されていた。
【0003】この現象を防止するため、特開平2000
−318293号公報には、印刷物の黒色再現性を高め
るために、第一のブラックインクと、第一のブラックイ
ンクよりも黒色濃度の高い第二のブラックインクとを組
み合わせて記録媒体にブラック印刷を行う記録方法が提
案されている。
【0004】しかしながら、本発明者らが行った実験に
よれば、カーボンブラックの添加量を変えたブラックイ
ンク組成物を複数用いて、黒色からグレーへ、グレーか
ら白色へと無彩色画像を階調的に印刷した場合、印刷さ
れた色と色との境目に薄い黄色の画像が認められた。こ
のため、本発明者らは、無彩色画像(特にグレー画像)
の再現性をより改善する余地があるものと認識した。
【0005】
【発明の概要】本発明者らは、今般、複数のブラックイ
ンク組成物におけるカーボンブラックの添加量がそれぞ
れ異なっており、かつ、前記複数のブラックインク組成
物の彩度Cの値を全て特定値となるように、マゼンタ
顔料とシアン顔料とを添加した、複数のブラックインク
組成物をインクセットとすることにより、無彩色の色再
現性を改善させることができ、その結果、良好な印刷画
像が実現できる、との知見を得た。
【0006】よって、本発明は、無彩色画像の色と色と
の境目に発生する薄い黄色の画像形成を防止することに
より、無彩色の色再現性に優れたブラックインクセット
の提供をその目的としている。
【0007】そして、本発明による、複数のブラックイ
ンク組成物からなるブラックインクセットは、前記複数
のブラックインク組成物が、着色剤として、カーボンブ
ラックと、マゼンタ顔料と、シアン顔料とを含んでなる
ものであり、前記複数のブラックインク組成物における
カーボンブラックの添加量がそれぞれ異なり、かつ、前
記マゼンタ顔料と前記シアン顔料の添加量が前記複数の
ブラックインク組成物の彩度Cの値を全て3以下とす
る量とされてなるものである。
【0008】
【発明の具体的説明】ブラックインクセット 本発明によるブラックインクセットは、それを構成する
ブラックインク組成物が着色剤としてカーボンブラック
と、マゼンタ顔料と、シアン顔料とを含んでなるもので
ある。そして、複数のブラックインク組成物におけるカ
ーボンブラックの添加量がそれぞれ異なっており、か
つ、複数のブラックインク組成物の彩度Cの値が全て
特定値となるように、マゼンタ顔料とシアン顔料とを添
加したものである。
【0009】本発明によるインクセットによって得られ
る画像は、無彩色の良好な色再現性を示す。例えば、印
刷物の解析力が要求される白黒画像仕様の印刷物(例え
ば、電子顕微鏡画像、X線解析画像)に利用された場
合、印刷された色と色との境目、無彩色の階調的な色変
化が鮮明に再現される。また、本発明による好ましい態
様によれば、本発明によるインクセットは、カーボンブ
ラック濃度が高いインク組成物とカーボンブラック濃度
が低いインク組成物とを複数組合せることが好ましい。
カーボンブラック濃度が高いインク組成物は黒色画像の
陰影に締まりを与え、カーボンブラック濃度が低いイン
ク組成物はドットの視認できない程度の粒状性に優れた
黒色画像(特に、ハイライト黒色画像)を実現すること
ができる。その結果、無彩色画像の再現性と画像品位と
をさらに向上させることを可能とする。
【0010】1)彩度C の値 本発明にあっては、複数のブラックインク組成物は、そ
の彩度Cの値が全て特定の値を有するように調製され
てなる。より具体的には、ブラックインク組成物はその
彩度Cの値が、好ましくは3以下、より好ましくは0
となるように調製されてなる。そのためには、それぞれ
のブラックインク組成物におけるカーボンブラックの添
加量に対して、マゼンタ顔料とシアン顔料の添加量を適
宜調整した上で添加する。カーボンブラックの添加量
は、ブラックインク組成物の全量に対して0.01〜1
0重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜8重量%の
範囲である。本発明の好ましい態様によれば、カーボン
ブラックの添加量がブラックインク組成物の全量に対し
て1.0重量%以上のブラックインク組成物と、カーボ
ンブラックの添加量がブラックインク組成物の全量に対
して1.0重量%未満のブラックインク組成物とを組み
合わせたブラックインクセットとすることが好ましい。
マゼンタ顔料の添加量は、ブラックインク組成物の全量
に対して0重量%超過5重量%以下の範囲であり、好ま
しくは0重量%超過3重量%以下の範囲である。シアン
顔料の添加量は、ブラックインク組成物の全量に対して
0重量%超過5重量%以下の範囲、好ましくは0重量%
超過3重量%以下の範囲である。本発明においては、複
数のブラックインク組成物の彩度Cの値が全て所望の
特定値となるように、カーボンブラックと、マゼンタ顔
料と、シアン顔料とが、上記の添加量の範囲内で添加さ
れてなるものである。
【0011】2)K値 本発明の好ましい態様によれば、前記複数のブラックイ
ンク組成物の全ての任意の二つのブラックインク組成物
の組合せにおいて、カーボンブラック顔料の添加量が多
いブラックインク組成物の下記の式で表されるK値が他
方のブラックインク組成物のK値よりも小さくなる関係
を満足するインクセットが好ましい。
【数2】 [上記式中、Bkはブラックインク組成物の全量に対し
てのカーボンブラックの添加量を、Mはブラックインク
組成物の全量に対してのマゼンタ顔料の添加量を、C
は、ブラックインク組成物の全量に対しての前記シアン
顔料の添加量を、それぞれ表すものである]ここで、K
値は0〜10の程度の範囲であり、好ましくは0〜5
程度の範囲である。
【0012】3)顔料 本発明におけるブラックインク組成物は、着色剤とし
て、カーボンブラックと、マゼンタ顔料と、シアン顔料
とを用いる。これらの顔料は、特に限定されず、無機顔
料および有機顔料のいずれも使用することができる。無
機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コン
タクト法、ファーネスト法、サーマル法などの方法によ
って製造されたカーボンブラックを使用することができ
る。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、
不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料など
を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、
ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キ
ナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔
料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、
染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染
料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニ
リンブラックなどを使用することができる。
【0013】カーボンブラックの具体例としては、三菱
化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.
52、MA7、MA8、MA100、No2200B等が、コロンビア社製の Rav
en5750、5250、5000、3500、1255、700 等が、キャボット社
製のRegal 400R、330R、660R、Mogul L、700、Monarch 800、8
80、900、1000、1100、1300、1400等が、デグッサ社製の Col
or Black FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、 Color Black S15
0、S160、S170、Printex 35、U、V、140U、Special Black 6、5、
4A、4等が挙げられる。マゼンタ顔料の具体例としては、
C.I.ヒ゜ク゛メントレット゛5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、11
2、122、123、168、184、202等が挙げられる。シアン顔料の
具体例としては、C.I.ヒ゜ク゛メントフ゛ルー1、2、3、15:3、15:4、16、
22、60、C.I.ハ゛ットフ゛ルー4、60が挙げられる。また、これら顔
料の粒径は0.3μm以下が好ましく、さらに好ましく
は0.2μm以下である。
【0014】4)分散剤 本発明の好ましい態様によれば、着色剤としての顔料
は、それを分散剤で溶媒中に分散させて得られた顔料分
散液としてブラックインク組成物に添加されるのが好ま
しい。好ましい分散剤としては、従来の顔料分散液を調
製するのに用いられている分散剤、例えば高分子分散
剤、界面活性剤を利用することができる。
【0015】高分子分散剤の好ましい例としては天然高
分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチ
ン、ガゼイン、アルブミンなどのタンパク質類;アラビ
アゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類;サボニンな
どのグルコシド類;アルギン酸およびアルギン酸プロピ
レングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールア
ミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導
体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチル
セルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0016】さらに高分子分散剤の好ましい例として合
成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類;ポリビ
ニルピロリドン類;ポリアクリル酸、アクリル酸−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロ
ニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重
合体などのアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸
アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸
樹脂;スチレン−マレイン酸;スチレン−無水マレイン
酸;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナ
フタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン
共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合
体、酢酸ビニルマレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニ
ルクロトン酸共重合体、酢酸ビニルアクリル酸共重合体
などの酢酸ビニル系共重合体およびこれらの塩が挙げら
れる。これらのなかで、特に疎水性基を持つモノマーと
親水性基を持つモノマーとの共重合体、および、疎水性
基と親水性基とを合わせ持ったモノマーからなる重合体
が好ましく、また上記の塩としては、ジエチルアミン、
アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピ
ルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブ
チルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、
モルホリンなどとの塩が挙げられる。これらの共重合体
は、重量平均分子量が3,000〜30,000程度で
あるのが好ましく、より好ましくは5,000〜15,
000程度である。
【0017】本発明の好ましい態様によれば、高分子分
散剤としては、アクリル酸系水溶性樹脂が好ましい。本
発明におけるアクリル酸系水溶性樹脂は、アクリル酸を
構成成分として含んでなる樹脂であり、好ましくはアク
リル酸を主成分とする樹脂からなるものを好ましくは用
いる。
【0018】本発明におけるアクリル酸系水溶性樹脂の
好ましい具体例としては、例えばアクリル酸共重合物、
メタクリル酸共重合物、アクリル酸・マレイン酸共重合
物、アクリル酸・メタクリル酸共重合物、アクリル酸・
メタクリル酸・アクリル酸エチル共重合物、アクリル酸
・メタクリル酸・アクリロニトリル共重合物、アクリル
酸・n−ブチルメタクリレート共重合物、アクリル酸・
メチルメタクリレート共重合物、アクリル酸アルキルエ
ステル重合物、アクリル酸アルキル・アクリルアミド共
重合物、アクリル酸アルキル・アクリル酸共重合物、ア
クリル酸アルキル・アクリル酸・アルキルアクリルアミ
ド共重合物、アクリル酸アルキル・アクリル酸・イタコ
ン酸共重合物、アクリル酸アルキル・アクリル酸・イタ
コン酸アルキル共重合物、アクリル酸アルキル・アクリ
ル酸・3−ブテン−2,3−トリカルボン酸共重合物、
アクリル酸アルキル・アクリル酸ヒドロキシアルキル共
重合物、アクリル酸アルキル・イタコン酸共重合物、ア
クリル酸アルキル・エチレングリコールジメタクリレー
ト共重合物、アクリル酸アルキル・クロロ酢酸ビニル共
重合物、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミ
ド共重合物、アクリル酸アルキル・ジビニルベンゼン共
重合物、アクリル酸アルキル・ビニルピリジン共重合
物、アクリル酸アルキル・マレイン酸アルキル共重合
物、アクリル酸アルキル・メタクリル酸共重合物、アク
リル酸アルキル・メタクリル酸・ジアリルフタレート共
重合物、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル共重合物、アクリル酸エ
チル・メタクリル酸グリシジル・アクリルアミド−スチ
レン共重合物、アクリル酸オクチル・メタクリル酸メチ
ル・イタコン酸トリフェニル共重合物、アクリル酸オク
チル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸トリフェニル
共重合物、アクリル酸オクチル・メタクリル酸メチル・
マレイン酸トリフェニル共重合物、アクリル酸トリブロ
モフェニル重合物、アクリル酸トリプロモフェニル・ク
ロロスチレン共重合物、およびこれらの塩(例えばL
i、Na、K、Ca、Mg、Al等の金属塩)が挙げら
れ、これらの一種または二種以上の樹脂を用いることが
できる。これらの樹脂は、慣用方法によって製造するこ
とができる。または市販されている樹脂を用いることも
できる。これら樹脂は、上記した共重合の態様によって
は制限されず、例えばブロック共重合体、グラフト共重
合体、ランダム共重合体、またはこれらの混合物であっ
てもよい。
【0019】また、分散剤として好ましい界面活性剤の
例としては、脂肪酸塩類、高級アルキルジカルボン酸
塩、高級アルコール硫酸エステル塩類、高級アルキルス
ルホン酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥
珀酸エステル塩、ナフテン酸塩、液体脂肪油硫酸エステ
ル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類などの陰イオン
界面活性剤;脂肪酸アミン塩、第四アンモニウム塩、ス
ルホニウム塩、ホスホニウムなどの陽イオン界面活性
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキ
シエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエ
ステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエス
テル類などの非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
上記した界面活性剤はインク組成物に添加されること
で、界面活性剤としての機能をも果たすことは当業者で
あれば理解するであろう。分散剤の添加量は、ブラック
インク組成物の全重量に対して0.01〜10重量%程
度が好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%程度
である。
【0020】5)水、水溶性有機溶媒 本発明の好ましい態様によれば、ブラックインク組成物
は、水および水溶性有機溶媒を含んでなることができ
る。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留
水等の純水、または超純水を用いることができる。
【0021】水溶性有機溶媒は、好ましくは低沸点有機
溶剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピル
アルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t
ert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタ
ノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好まし
い。低沸点有機溶媒の添加量は、ブラックインク組成物
の全重量に対して1〜30重量%程度が好ましく、より
好ましくは2〜10重量%程度である。
【0022】また、本発明の好ましい態様によれば、ブ
ラックインク組成物はさらに高沸点有機溶媒を含んでな
ることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい例とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオ
グリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価
アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエー
テル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル、などの多価
アルコールのアルキルエーテル類;2−ピロリドン、N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、トリエタノールアミンなどがあげられ
る。
【0023】この中でも沸点が180℃以上の水溶性有
機溶媒の利用が好ましい。沸点が180℃以上の水溶性
有機溶媒の使用はインク組成物の保水性と湿潤性をもた
らす。この結果、インク組成物を長期間保管しても着色
剤の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実現
できる。さらに、開放状態(室温で空気に触れている状
態)で放置しても流動性と再分散性を長時間維持するイ
ンク組成物が実現できる。さらに、インクジェット記録
方法においては、印刷中もしくは印刷中断後の再起動時
にノズルの目詰まりが生じることもなく、高い吐出安定
性が得られる。
【0024】沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の例
としては、エチレングリコール(沸点:197℃;以下
括弧内は沸点を示す)、プロピレングリコール(187
℃)、ジエチレングリコール(245℃)、ペンタメチ
レングリコール(242℃)、トリメチレングリコール
(214℃)、2−ブテン−1,4−ジオール(235
℃)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(243
℃)、2−メチル−2,4ーペンタンジオール(197
℃)、N−メチル−2−ピロリドン(202℃)、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(257〜260
℃)、2−ピロリドン(245℃)、グリセリン(29
0℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル
(243℃)、ジプロピレングリコールモノエチルグリ
コール(198℃)、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル(190℃)、ジプロピレングリコール(2
32℃)、トリエチレングリコルモノメチルエーテル
(249℃)、テトラエチレングリコール(327
℃)、トリエチレングリコール(288℃)、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル(230℃)、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル(202℃)、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル(194℃)が挙
げられる。沸点が200℃以上であるものが好ましい。
これら水溶性有機溶媒は単独または2種以上混合して使
用することができる。
【0025】これら高沸点有機溶媒の含有量は、ブラッ
クインク組成物の全重量に対して好ましくは1〜30重
量%程度であり、より好ましくは2〜20重量%程度で
ある。
【0026】6)界面活性剤 本発明の好ましい態様によれば、ブラックインク組成物
は界面活性剤をさらに含んでなることができる。界面活
性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤(例えば
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフ
ェートのアンモニウム塩など)、ノニオン性界面活性剤
(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)、両性界
面活性剤(例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−
N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N−
ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩、N,N,N
−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベ
タイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシ
エチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、2−アル
キル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイ
ミダゾリニウムベタイン)等が挙げられる。これらは単
独または二種以上を併用することができる。
【0027】本発明のより好ましい態様によれば、ブッ
ラクインク組成物はグリコールエーテル類および/また
はアセチレングリコール系界面活性剤をさらに含んでな
ることが好ましい。
【0028】グリコールエーテル類は、上記した水溶性
有機溶媒としても用いられるものである。その具体例と
しては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エ
チレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキ
シブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレング
リコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレン
グリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−
プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−is
o−プロピルエーテルなどが挙げあれ、これらの一種ま
たは二種以上の混合物として用いることができる。
【0029】本発明においては、アセチレングリコール
系界面活性剤をさらに含んでなるのが好ましい。この添
加によってインク組成物の記録媒体への浸透性が高くで
き、種々の記録媒体においてにじみの少ない印刷が期待
できる。本発明において用いられるアセチレングリコー
ル系界面活性剤の好ましい具体例としては、下記の式
(I)で表わされる化合物が挙げられる。
【化1】 [上記式中、m+nは0以上50以下であり、R、R
、R、およびRは独立してアルキル基(好ましく
は炭素数6以下のアルキル基)を表す]
【0030】上記の式(I)で表される化合物の中で特
に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシ
ン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチ
ン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシ
ン−3オールなどが挙げられる。上記の式(I)で表さ
れるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を
利用することも可能であり、その具体例としてはサーフ
ィノール104、82、465、485、またはTG
(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より
入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010
(以上 日信化学社製 商品名)が挙げられる。界面活
性剤の添加量はブラックインク組成物の全重量に対して
0.01〜10重量%程度であり、より好ましくは0.
1〜5重量%程度である。
【0031】7)その他の成分 本発明の好ましい態様によれば、ブラックインク組成物
は、三級アミン、水酸化アルカリ、アルギン酸誘導体、
糖および糖の誘導体をさらに含んでなることができる。
これらの成分の添加は、インク組成物に対して湿潤性、
分散安定性、ノズルの目詰まり安定性、を付与する。
【0032】三級アミンの例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、トリ
イソプロパノールアミン、ブチルジエタノールアミン等
が挙げられる。これらは単独または混合して使用されて
よい。三級アミンの添加量はブラックインク組成物の全
重量に対して0.01〜10重量%程度が好ましく、よ
り好ましくは、0.1〜5重量%程度である。
【0033】水酸化アルカリの例としては、水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムであり、その
添加量はブラックインク組成物の全重量に対して0.0
1〜5重量%程度が好ましく、より好ましくは0.05
〜3重量%程度である。
【0034】アルギン酸誘導体の好ましい例としては、
アルギン酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カ
リウム塩)アルギン酸有機塩(例えば、トリエタノール
アミン塩)、アルギン酸アンモニウム塩、等が挙げられ
る。アルギン酸誘導体の添加量は、ブラックインク組成
物の全重量に対して0.001〜5重量%程度であり、
より好ましくは0.01〜3重量%程度である。
【0035】糖の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ
糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげ
られ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトー
ス、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトー
ス、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マル
トース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレ
ハロース、マルトトリオース、などがあげられる。ここ
で、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シ
クロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在す
る物質を含む意味に用いることとする。また、これらの
糖の誘導体としては、前記した糖類の還元糖[(例え
ば、糖アルコール(一般式HOCH (CHOH)
CHOH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表さ
れる]、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸な
ど)、アミノ酸、チオ糖などがあげられる。特に糖アル
コールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソル
ビットなどが挙げられる。糖または糖の誘導体の添加量
はブラックインク組成物の全重量に対して、0.1〜2
0重量%程度が好ましく、より好ましくは1〜10重量
%程度である。
【0036】本発明によるインク組成物は、防腐剤、p
H調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、キレート化剤、など
をさらに添加することができる。防腐剤の例としては、
安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウ
ム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウ
ム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、
1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社の
プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGX
L、プロキセルXL−2、プロキセルTN)などがあげ
れる。さらに、pH調整剤、溶解助剤、または酸化防止
剤の例としては、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン
類およびそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモ
ニウム、四級アンモニウム水酸化物(テトラメチルアン
モニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
リチウムなどの炭酸塩類その他燐酸塩など、あるいはN
−メチル−2−ピロリドン、尿素、チオ尿素、テトラメ
チル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネ
ートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウ
レット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類な
ど、L−アスコルビン酸およびその塩を挙げることがで
きる。また、キレート化剤としては、エチレンジアミン
四酢酸(EDTA)が挙げられる。
【0037】カラーインクセット 本発明の別の態様によれば、本発明によるブラックイン
クセットにおける複数のブラックインク組成物と、他の
インク組成物とを含んでなる、カラーインクセットが提
供される。他のインク組成物は、その着色剤および他の
組成については、印刷方法を勘案して適宜決定されてよ
い。本発明の好ましい別の態様によれば、上記した本発
明による複数のブラックインク組成物と、マゼンタイン
ク組成物、シアンインク組成物、またはイエローインク
組成物とを組み合わせたカラーインクセットが提供され
る。本発明のより好ましい態様によれば、ライトマゼン
タインク組成物、ライトシアンインク組成物、またはラ
イトイエローインク組成物、とを上記したカラーインク
セットを組み合わせたカラーインクセットが提供され
る。なお、マゼンタインク組成物およびシアンインク組
成物におけるそれぞれの顔料は、本発明におけるブラッ
クインク組成物の説明においてで述べたものと様であっ
てよい。イエローインクに使用される顔料としては、C.
I.ヒ゜ク゛メントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、9
5、97、98、109、110、114、128、129、138、150、151、154、155、18
0、185等が挙げられる。さらに、シアンインク組成物、
マゼンタインク組成物、イエローインク組成物におけ
る、分散剤、水溶性有機溶媒、界面活性剤等、の添加成
分およびその添加量についてもまた、本発明によるブラ
ックインク組成物の説明において述べたものと同様であ
ってよい。
【0038】インク組成物の製造 本発明によるインク組成物は、前記成分を適切な方法で
分散、混合することによって製造することができる。顔
料と、分散剤と、水とを分散機(例えば、ボールミル、
サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータミ
ル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジ
ナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混合し
て、均一な分散液を調製する。次に、残部の水と、水溶
性有機溶媒と、界面活性剤等の残りの成分を加えてさら
に混合攪拌してインク溶液を調製する。充分に攪拌した
後に、目詰まりの原因となる粗大粒子および異物を除去
するためにろ過を行って目的のインク組成物を得る。
【0039】インクカートリッジ 本発明によるインク組成物がインクジェット記録方法に
用いられる場合には、インク組成物は、収納容器に納め
られてインクジェット記録装置に装填される。この様な
収納容器の具体例としては、一色または多色からなるイ
ンクカートリッジが挙げられる。インクカートリッジ
は、インクをインクパック等に装填封入して用いる。イ
ンクが複数に存在する場合には、それぞれのインク毎に
インクパック等に収納して、インクカートリッジを構成
してもよい。インクパックは、円筒状、楕円状、直方体
状、正方体状等の形態を有してなるものである。その形
態を構成する成分の具体例としては、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、イオン交
換樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、不飽和ポリエチレン、フッ素樹脂等からな
る合成樹脂フィルム、アルミニウムフィルム等の金属フ
ィルム、が挙げられる。各形態に形成する場合、上記の
フィルムを一種または二種以上用いて、単層または積層
させることによって行うことができる。
【0040】記録方法 本発明によるインクセットは、インク組成物を用いた画
像記録方法に用いることができる。インク組成物を用い
た記録方法には、例えば、ペン等による筆記具による記
録方法、インクジェット記録方法、スクリーン印刷、そ
の他各種の印刷方法が挙げられる。本発明は、特にイン
ク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させ
て印刷を行うインクジェット記録方法に好ましく用いら
れる。特に、インクジェット記録方法を用いることによ
り本発明によるインクセットのインク組成物を適切に組
み合わせて記録媒体に印刷することができる。本発明に
よるブラックインクセットを用いて記録媒体に印刷する
ことによって、優れた無彩色画像、特にグレー画像、の
色再現性を達成することができ、その結果、良好な印刷
画像を得ることができる。
【0041】
【実施例】本発明は以下の実施例によって説明される
が、本発明はこれら実施例に限定されて解釈されるもの
ではない。
【0042】インク組成物の調製 下記表1および表2に示す組成表に従って、ブラックイ
ンク組成物を調製した。まず、顔料と分散剤とを混合
し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ(直
径1.7mm、混合物の1.5倍量(重量))とともに
2時間分散させた。その後ガラスビーズを取り除き、他
の添加物を加え、常温で20分間撹拌した。5μmのメ
ンブランフィルターでろ過して、インク組成物を得た。
なお、表1および表2における「水溶性樹脂」は、スチ
レン−アクリル酸共重合体(分子量15000,酸価1
00)を、「EDTA」は、エチレンジアミン四酢酸を、
「Bk」はブラックインクを、表す。また、表中の数値は
重量%を示す。
【表1】
【表2】
【0043】インク評価試験 上記で調整したブラックインク組成物をインクジェット
プリンタPM−770C(セイコーエプソン株式会社
製)の専用インクカートリッジに充填した。専用インク
カートリッジは6つのインク室を有しており、この6つ
のインク室にBk1〜Bk6までのブラックインクを充填し
たものを「例」とし、Bk11〜Bk16までのブラックイン
クを充填したものを「比較例」とした。評価試験1:黒色再現性評価 上記インクセットにおける各インク組成物を出力して、
濃いグレー画像から薄いグレー画像をベタ出力で印刷し
た(duty=100%)。印刷は専用記録媒体(光沢
フィルム:セイコーエプソン株式会社製)を用いた。出
力されたグレー画像パターンは分光光度計(GRETA
G SPM:GRETAG社製)を用いて測定し、CI
Eで規定されている色差表示法のL表色系の
座標を求めた。その際の条件は、光源D50、光源フィ
ルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は2°とし
た。また、彩度Cは下記式に規定する数式にaおよ
びbの色相値をプロットして算出した。L、a
、Cの測定結果は下記表3に示した通りであっ
た。
【数3】
【表3】
【0044】評価試験2:画像品質評価 上記インクセットにおける各インク組成物を出力して、
女性の画像をモノクロ印刷した(女性の画像対象として
は、ISO/JIS−SCID高精細カラーディジタル
標準画像データ/財団法人日本規格協会:ファイル名
「n1.tif」を用いた)。そして、印刷した画像の
陰、人の毛髪等の画像の陰影部分を目視で評価した。そ
の結果、例のインクセットで形成された画像では、髪の
毛の生え際の濃淡に質感があり、また濃度の低い出力領
域(明るい画像部分)でドットが見えず、優れた黒色画
像が再現されていた。一方、比較例のインクセットで形
成された画像では、黒色の濃い部分で無彩色に近い黒が
実現されたが、黒色の薄い部分で赤味と黄味を帯びた画
像が形成され、階調性のある黒色画像は再現できなかっ
た。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のブラックインク組成物からなるブラ
    ックインクセットであって、 前記複数のブラックインク組成物が、着色剤として、カ
    ーボンブラックと、マゼンタ顔料と、シアン顔料とを含
    んでなるものであり、 前記複数のブラックインク組成物におけるカーボンブラ
    ックの添加量がそれぞれ異なり、かつ、前記マゼンタ顔
    料と前記シアン顔料の添加量が前記複数のブラックイン
    ク組成物の彩度Cの値を全て3以下とする量とされて
    なる、インクセット。
  2. 【請求項2】前記複数のブラックインク組成物のうち少
    なくとも二つのブラックインク組成物の彩度Cの値が
    0となるようにされた、請求項1に記載のインクセッ
    ト。
  3. 【請求項3】前記複数のブラックインク組成物の全ての
    任意の二つのブラックインク組成物の組合せにおいて、
    カーボンブラック顔料の添加量が多いブラックインク組
    成物の下記の式で表されるK値が、他方のブラックイン
    ク組成物のK値よりも小さくなる関係を満足する、請求
    項1または2に記載のインクセット。 【数1】 [上記式中、 Bkはブラックインク組成物の全量に対してのカーボン
    ブラックの添加量を、 Mはブラックインク組成物の全量に対してのマゼンタ顔
    料の添加量を、 Cは、ブラックインク組成物の全量に対しての前記シア
    ン顔料の添加量を、それぞれ表すものである]
  4. 【請求項4】前記複数のブラックインクのKの値が0〜
    10の範囲にある、請求項3に記載のインクセット。
  5. 【請求項5】カーボンブラックの添加量がブラックイン
    ク組成物の全量に対して、0.01〜10重量%であ
    る、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクセッ
    ト。
  6. 【請求項6】インクジェット記録方法に用いられる、請
    求項1〜5のいずれか一項に記載のインクセット。
  7. 【請求項7】前記インクジェット記録方法がインク組成
    物の液滴を吐出して、該液滴を記録媒体に付着させて印
    刷を行う方法である、請求項6に記載のインクセット。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれか一項に記載のイン
    クセットを一体に収容してなるインクカートリッジ。
  9. 【請求項9】請求項1〜5のいずれか一項に記載のイン
    クセットを用いて、記録媒体にグレー画像を印刷する記
    録方法。
  10. 【請求項10】前記記録方法がインクジェット記録方法
    である、請求項9に記載の記録方法。
  11. 【請求項11】前記インクジェット記録方法がインク組
    成物の液滴を吐出して、該液滴を記録媒体に付着させて
    印刷を行う方法である、請求項10に記載の記録方法。
  12. 【請求項12】請求項9〜11のいずれか一項に記載の
    記録方法によって印刷された、印刷物。
  13. 【請求項13】ブラックインク組成物と、イエローイン
    ク組成物、マゼンタインク組成物、またはシアンインク
    組成物とを含んでなる、カラーインクセットであって、 前記ブラックインク組成物が、請求項1〜5に記載され
    た複数のブラックインクインク組成物である、インクセ
    ット。
  14. 【請求項14】ライトイエローインク組成物、ライトマ
    ゼンタインク組成物、またはライトシアンインク組成物
    をさらに含んでなる、請求項13に記載のインクセッ
    ト。
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