JP2003052235A - 伸縮式の排出オ−ガ - Google Patents
伸縮式の排出オ−ガInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】排出オ−ガを円滑に伸縮調節できるものとしな
がらも、該排出オ−ガによる被搬送物の排出を円滑に行
えるものとする。 【解決手段】固定筒21内に螺旋翼24を備えた回転軸
筒23を軸装して該回転軸筒23の先端部を固定筒21
内の先端部に設けた軸受25に軸受する。移動筒22内
に移動回転軸27を軸装して該移動回転軸27の先端部
を移動筒22内の先端部に設けた軸受28に軸受する。
移動回転軸27に複数のボス29を軸心方向摺動自在且
つ相対回転不能に嵌合して設ける。ボス29を介して螺
旋翼31を移動回転軸27と一体回転させうるように構
成する。回転軸筒23内の先端部のボス26に移動回転
軸27の基部側を軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に
嵌合させる。
がらも、該排出オ−ガによる被搬送物の排出を円滑に行
えるものとする。 【解決手段】固定筒21内に螺旋翼24を備えた回転軸
筒23を軸装して該回転軸筒23の先端部を固定筒21
内の先端部に設けた軸受25に軸受する。移動筒22内
に移動回転軸27を軸装して該移動回転軸27の先端部
を移動筒22内の先端部に設けた軸受28に軸受する。
移動回転軸27に複数のボス29を軸心方向摺動自在且
つ相対回転不能に嵌合して設ける。ボス29を介して螺
旋翼31を移動回転軸27と一体回転させうるように構
成する。回転軸筒23内の先端部のボス26に移動回転
軸27の基部側を軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に
嵌合させる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、伸縮式の排出オ
−ガに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来公知の、特開昭63−279719
号公報、実開平1−121340号公報および実開平1
−121339号公報には、排出オーガを伸縮可能に構
成する技術が開示されている。 【0003】例えば、特開昭63−279719号公報
には、基部側の固定筒に対して排出口を有する先端側の
移動筒を長手方向摺動自在に嵌合し、前記固定筒内に螺
旋翼を備えた回転軸筒を軸装し、前記移動筒内に移動回
転軸を軸装して該移動回転軸の先端部を移動筒内の先端
部に設けた軸受に軸受すると共に該移動回転軸に線状部
材を空隙を有して螺旋状に巻き掛けて設け、前記回転軸
筒内の先端側に移動回転軸の基部側を螺合させて構成し
た伸縮式の排出オ−ガが記載されている。 【0004】また、実開平1−121340号公報に
は、基部側の固定筒に対して排出口を有する先端側の移
動筒を長手方向摺動自在に嵌合し、前記固定筒内に螺旋
翼を備えた回転軸筒を軸装し、前記移動筒内に移動回転
軸を軸装して該移動回転軸の先端部を移動筒内の先端部
に設けた軸受に軸受すると共に該移動回転軸に螺旋翼を
空隙を有して巻き掛けて設け、前記回転軸筒内の先端側
に移動回転軸の基部側を軸心方向摺動自在且つ相対回転
不能に嵌合させて構成した伸縮式の排出オ−ガが記載さ
れている。 【0005】また、実開平1−121339号公報に
は、基部側の固定筒に対して排出口を有する先端側の移
動筒を長手方向摺動自在に上下段違い状に支持し、前記
固定筒内に螺旋翼を備えた回転軸を軸装して該回転軸の
先端部を固定筒内の先端部に設けた軸受に軸受し、前記
移動筒内に螺旋翼を備えた移動回転軸を軸装して該移動
回転軸の先端部を移動筒内の後端部と先端部とに設けた
軸受に軸受し、前記回転軸の基部側と移動回転軸の基部
側とを軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に連動連結し
た伸縮式の排出オ−ガが記載されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の特開昭63−2
79719号公報に記載された伸縮式の排出オ−ガは、
先端側の移動筒内に軸装される移動回転軸に巻き掛けた
螺旋状の線状部材が、固定筒内に軸装される回転軸筒に
設けた螺旋翼の螺旋ピッチ間に侵入することによって、
排出オ−ガを伸縮可能としたものである。このため、こ
の排出オ−ガを伸長させた状態において、先端側の移動
筒内における搬送作用は該移動筒内に軸装される移動回
転軸に巻き掛けた螺旋状の線状部材の送り作用のみに頼
ることとなる。そして、このような螺旋状の線状部材
は、移動筒内に占める搬送作用面積が小さいため、螺旋
翼に比較して搬送能力が低く、排出オ−ガを伸長させて
排出作業を行う場合、筒内において穀粒等の被搬送物の
詰まりを生じ易い欠点がある。また、固定筒内に軸装さ
れる回転軸筒の先端部が軸受されていないため、特に排
出オ−ガを伸長させて排出作業を行う場合に、回転軸筒
と移動回転軸との回転軸心のブレが大きくなり、螺旋翼
や螺旋状の線状部材が各筒の内面に干渉し易く、円滑な
排出作業を行うことができない欠点がある。 【0007】また、上述の実開平1−121340号公
報に記載された伸縮式の排出オ−ガは、先端側の移動筒
内に軸装される移動回転軸に巻き掛けた螺旋翼を、固定
筒内に軸装される回転軸筒に設けた螺旋翼の螺旋ピッチ
間にこの螺旋翼どうしが重合するように侵入させるため
に、移動回転軸とこの移動回転軸に巻き掛ける螺旋翼と
の間に空隙が設けられている。従って、排出オ−ガの伸
長時において、この先端側の移動筒内に設けられる螺旋
翼は、その先端部のみが移動回転軸に固着支持され、そ
の後端部側は自由端であって、回転軸筒に設けられる螺
旋翼に重合支持されるだけである。このため、排出作業
時において移動回転軸が回転軸筒と共に駆動回転した際
に、先端側の移動筒内に設けられる螺旋翼は、この移動
回転軸に固着された先端部から駆動力の供給を受けるだ
けであって、この先端部以外の螺旋翼は、移動回転軸か
ら駆動力の供給を受けることができない。従って、穀粒
等の被搬送物を搬送する際に受ける反力によって、この
移動筒内に設けられる螺旋翼が変形して螺旋ピッチが変
化したり移動回転軸の軸心に対する螺旋翼の外周円の中
心位置がずれたりして、円滑な排出作業を行うことがで
きない欠点がある。また、固定筒内に軸装される回転軸
筒の先端部が軸受されていないため、特に排出オ−ガを
伸長させて排出作業を行う場合に、回転軸筒と移動回転
軸との回転軸心のブレが大きくなり、各螺旋翼が各筒の
内面に干渉し易く、円滑な排出作業を行うことができな
い欠点がある。 【0008】また、上述の実開平1−121339号公
報に記載された伸縮式の排出オ−ガは、基部側の固定筒
に対して排出口を有する先端側の移動筒が上下段違い状
に支持されているため、この排出オ−ガが全体的に大き
な構造物となって、例えばこの排出オ−ガをコンバイン
に搭載した場合には、このコンバインの車高が高くなっ
て小型特殊自動車としての法規制に適合させにくくなる
欠点がある。また、固定筒に軸装される回転軸の基部側
と移動筒に軸装される移動回転軸の基部側とを連動連結
する伝動機構が複雑となって安価に提供できない欠点が
ある。更に、固定筒及び回転軸に対して、移動筒及び移
動回転軸が上下段違い状に配置されるために、例えば穀
粒の排出作業において、穀粒が固定筒内先端部から移動
筒内に流れ込む際に、この移動筒内で回転している移動
回転軸の螺旋翼に衝突して脱ぷが発生し易くなる欠点が
ある。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明は、上述の如き
課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じ
る。即ち、基部側の固定筒21に対して排出口32を有
する先端側の移動筒22を長手方向摺動自在に嵌合し、
前記固定筒21内に螺旋翼24を備えた回転軸筒23を
軸装して該回転軸筒23の先端部を固定筒21内の先端
部に設けた軸受25に軸受し、前記移動筒22内に移動
回転軸27を軸装して該移動回転軸27の先端部を移動
筒22内の先端部に設けた軸受28に軸受すると共に該
移動回転軸27に複数のボス29を軸心方向摺動自在且
つ相対回転不能に嵌合して該ボス29を介して螺旋翼3
1を移動回転軸27と一体回転させうるように構成し、
前記回転軸筒23内の先端部に固定したボス26に移動
回転軸27の基部側を軸心方向摺動自在且つ相対回転不
能に嵌合させて構成したことを特徴とする伸縮式の排出
オ−ガとしたものである。 【0010】これにより、基部側の固定筒21内に軸装
された回転軸筒23を駆動回転させると、先端側の移動
筒22内に軸装された移動回転軸27が該回転軸筒23
内の先端部のボス26との嵌合によって一体回転し、該
回転軸筒23の螺旋翼24と複数のボス29を介して移
動回転軸27と一体回転する螺旋翼31とによって穀粒
等の被搬送物の搬送が行なわれ、この被搬送物は基部側
の固定筒21内から先端側の移動筒22内を経て該移動
筒22の排出口32から外部へ排出される。 【0011】このような排出作業に際し、基部側の固定
筒21に対して先端側の移動筒22を長手方向に摺動さ
せて排出オ−ガを伸縮させ、該移動筒22の排出口32
の位置を変更することができる。そして、例えば、排出
オ−ガを伸長させる場合、固定筒21に対して移動筒2
2を遠ざかる方向に摺動させると、移動筒22内に軸装
された移動回転軸27の基部側が、固定筒21内に軸装
された回転軸筒23内の先端部に固定したボス26から
抜け出す方向へ摺動する。 【0012】この際、移動回転軸27の基部側と回転軸
筒23の先端側とは、回転軸筒23内の先端部に固定し
たボス26部で軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に嵌
合するだけであるため、移動回転軸27の軸心が回転軸
筒26の軸心と多少のずれを起こしても、該移動回転軸
27が回転軸筒26に対して摺動しにくくなるような支
障は生じにくい。 【0013】また、このように排出オ−ガを伸縮させて
も、移動回転軸27の基部側と回転軸筒23の先端側と
はボス26部の嵌合によって相対回転不能の状態を維持
するため、回転軸筒23を駆動回転させることによって
移動回転軸27も一体回転する。 【0014】また、移動回転軸27上に嵌合した複数の
ボス29は、この排出オ−ガの伸長に際して移動回転軸
27上を摺動することとなるが、これら複数のボス29
は移動回転軸27に対して相対回転不能の状態を維持す
るため、移動回転軸27の回転によってこれら複数のボ
ス29を介して螺旋翼31も一体回転する。 【0015】また、このように排出オ−ガを伸長させた
状態においても、移動回転軸27の先端部が移動筒22
内の先端部に設けた軸受28に軸受され、且つ、回転軸
筒23の先端部が固定筒21内の先端部に設けた軸受2
5に軸受されているため、これら移動回転軸27および
回転軸筒23の回転軸心のブレが少なくなる。 【0016】 【発明の効果】この発明によると、排出オ−ガを伸縮さ
せて排出作業位置を該排出オ−ガの長手方向に調節する
ことができるものでありながら、この排出オ−ガを伸長
させた状態においても、移動回転軸27の先端部を移動
筒22内の先端部に設けた軸受28に軸受し且つ回転軸
筒23の先端部を固定筒21内の先端部に設けた軸受2
5に軸受することによって、これら移動回転軸27およ
び回転軸筒23の回転軸心のブレを少なくしてこれら移
動回転軸27および回転軸筒23に備える螺旋翼31,
24による穀粒等の被搬送物の搬送を円滑に行うことが
でき、排出作業の能率を向上させることができる。 【0017】また、このように排出オ−ガを伸縮させる
にあたり、移動回転軸27の基部側と回転軸筒23の先
端側とは、回転軸筒23内の先端部に固定したボス26
部で軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に嵌合するだけ
であるため、移動回転軸27の軸心が回転軸筒26の軸
心と多少のずれを起こしても、該移動回転軸27が回転
軸筒26に対して摺動しにくくなるような支障が生じに
くく、排出オ−ガの伸縮作動を円滑に行わせることがで
きる。 【0018】また、先端側の移動筒22内に設ける螺旋
翼31は、移動回転軸27から該移動回転軸27に軸心
方向摺動自在且つ相対回転不能に嵌合した複数のボス2
9を介して移動回転軸27と一体回転するため、穀粒等
の被搬送物を搬送する際に受ける反力によって、この螺
旋翼31が変形して螺旋ピッチが変化したり移動回転軸
27の軸心に対する螺旋翼31の外周円の中心位置がず
れたりしにくく、該螺旋翼31による穀粒等の被搬送物
の搬送を円滑に行うことができ、排出作業の能率を向上
させることができる。 【0019】また、基部側の固定筒21及び回転軸筒2
3に対して、先端側の移動筒22及び移動回転軸27を
同一軸心上で摺動させることによって排出オ−ガを伸縮
させるものであるため、上述の従来技術のように基部側
の固定筒に対して先端側の移動筒を上下段違い状に支持
する構成に比較して、この排出オ−ガを全体的にコンパ
クトに構成できるうえに、基部側の固定筒21内に軸装
される回転軸筒23の螺旋翼24から先端側の移動筒2
2内に軸装される移動回転軸27の螺旋翼31への穀粒
の引継ぎを円滑に行うことができ、穀粒等の損傷を少な
くすることができる。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により
説明すると、1は機体フレ−ム、2は機体フレ−ム1の
下部位置に設けた走行装置、3は前記機体フレ−ム1の
上方位置に設けた脱穀装置、4は機体フレ−ム1の前方
位置に設けた刈取部である。 【0021】5は前記刈取部4の最先端位置に設けた分
草体、6は分草体5の上方に設けた掻込リール、7は掻
込リール6の下方に設けた刈刃、8は刈取られた穀稈を
集束するオーガ、9は前記刈取部4の後部に設けた搬送
エレベータである。前記脱穀装置3内の上部には脱穀室
10が形成される。11は脱穀室10内に軸装される扱
胴、12は前記扱胴11の主として下方を包囲する扱
網、13は前記脱穀室10の下方に形成した風選室、1
4は前記風選室13内に設けた揺動選別装置、15は前
記風選室13に送風する送風ファン、16は1番コンベ
ア、17は2番コンベアである。 【0022】前記脱穀装置3の側部には、前記1番コン
ベア16により取出された穀物を一時貯留するグレンタ
ンク18を設ける。グレンタンク18には該グレンタン
ク18内の穀物を揚穀する揚穀機構19の下部を取付
け、揚穀機構19の上部には揚穀された穀物を排出する
排出オーガ20の一端(基部)を取付ける。排出オーガ
20は、図示は省略するが、排出オーガ20の他端(先
端)が、シリンダ等の旋回機構により前記揚穀機構19
の軸心を中心に水平回転自在であって、かつ、オーガ上
下シリンダ等の上下動機構により上下動自在に前記揚穀
機構19に取付けられる。 【0023】しかして、前記排出オーガ20は、一端側
(基部側)の固定筒21と他端側(先端側)の移動筒2
2とに分割形成し、移動筒22の基端部を固定筒21の
先端部外周に嵌合させ、移動筒22は固定筒21に対し
て搬送方向に移動可能に構成して排出オーガ20全体長
を伸縮させるように形成する。 【0024】図2において、23は前記固定筒内に軸装
した回転軸筒、24は該回転軸筒23の外周に位置不動
に固定した固定螺旋翼(螺旋翼)である。前記回転軸筒
23の先端部は前記固定筒内の先端部に設けた軸受25
により支持される。前記回転軸筒23内の先端部には、
スプラインボス(ボス)26を固定する。該スプライン
ボス26には移動回転軸27の基端部を挿入係合させ
る。移動回転軸27の先端部は前記移動筒22内の先端
部に設けた軸受28に軸支する。 【0025】前記移動回転軸27の外周には、該移動回
転軸27の軸心方向に摺動のみ自在にボス29を複数嵌
合させる。ボス29は移動回転軸27の外周に形成した
スプライン突条30に係合させる。スプライン突条30
は前記スプラインボス26に係合させ、前記移動回転軸
27およびボス29を回転軸筒23と共に回転させる。 【0026】前記ボス29には弾性部材により形成した
伸縮螺旋翼(螺旋翼)31を固定する。32は移動筒2
2の先端部下面に形成した排出口、33は排出口32の
上部の移動回転軸27に固定した排出体である。34は
移動筒22を伸縮させる伸縮装置であり、本実施例では
伸縮用シリンダにより構成され、該伸縮用シリンダ34
の基部は前記固定筒21の外面に固定し、伸縮用シリン
ダ34のロッド35の先端を移動筒22の基端部外面に
取付ける。 【0027】図1において、36は脱穀装置3の前側側
部に設けた運転席、37は運転席36に設けた手動伸縮
スイッチ(手動伸縮操作具)である。該手動伸縮スイッ
チ37は前記伸縮用シリンダ34のソレノイドバルブ3
8を、「伸長」、「停止」、「短縮」、に切替える(図
4)。39は伸長ソレノイド、40は短縮ソレノイドで
ある。 【0028】前記伸縮用シリンダ34には排出オーガ2
0の長さを検知する検知手段43を設け、検知手段43
は伸縮用シリンダ34のロッド35によりオン・オフさ
れる最伸長位置検知スイッチ44と最短縮位置検知スイ
ッチ45とにより構成される。 【0029】しかして、運転席36の側部には、排出オ
ーガ20の移動筒22の途中部分を支持する格納支持装
置41が設けられており、前記格納支持装置41の近傍
には格納スイッチ42を設ける。該格納スイッチ42と
検知手段43と伸縮用シリンダ34とを接続し、格納ス
イッチ42は、移動筒22が伸長状態で格納支持装置4
1に支持されると、自動的にソレノイドバルブ38の短
縮ソレノイド40をオンにして、伸縮用シリンダ34を
自動的に短縮させる。 【0030】即ち、排出オーガ20が伸長状態では最短
縮位置検知スイッチ45がオフになっており、この移動
筒22が伸長状態で格納支持装置41に支持されると、
格納スイッチ42はオンになり伸縮用シリンダ34を自
動的に短縮させる。なお、前記手動伸縮スイッチ37は
前記格納スイッチ42に優先させる。 【0031】図5は、第2実施例であり、運転席36に
は排出オーガ20のクラッチを入切させる排出オーガク
ラッチ操作レバー47を設け、排出オーガクラッチ操作
レバー47の近傍にクラッチ入感知スイッチ46を設け
る。クラッチ入感知スイッチ46は、排出オーガクラッ
チ操作レバー47を切操作するとオンになり、伸縮用シ
リンダ34を短縮させて、移動筒22を短縮させる。 【0032】図6は排出オーガ20の他の実施例であ
り、伸縮螺旋翼31を伸縮螺旋翼31aおよび伸縮螺旋
翼31bの二条螺旋に形成し、伸縮螺旋翼31aおよび
伸縮螺旋翼31bは、それぞれ形状記憶合金により形成
する。伸縮螺旋翼31aは、成形時には、大ピッチに形
成し、伸縮螺旋翼31bは、成形時小ピッチに形成され
る。 【0033】そして、伸縮螺旋翼31aに通電すると、
伸縮螺旋翼31aが元の大ピッチに復元して移動筒22
を伸長させ、伸縮螺旋翼31bに通電すると、伸縮螺旋
翼31bが元の小ピッチに復元して移動筒22を短縮さ
せる。したがって、伸縮螺旋翼31aおよび伸縮螺旋翼
31bの基端部を固定してあるボス29は移動回転軸2
7に固定されている。 【0034】次に作用を述べる。本発明は前記の構成で
あり、運転席36の側部の格納支持装置41に短縮状態
の排出オーガ20の移動筒22の途中部分を支持させて
走行し、圃場に到着すると、機体を前進させ、分草体5
で分草し、掻込リール6により穀稈を掻込み、刈刃7の
摺動で穀稈を刈取り、脱穀装置3に穀稈を供給し、脱穀
装置3内で脱穀して、刈取脱穀作業を行ない、グレンタ
ンク18内に一定量の穀物が脱穀されると、機体を圃場
近傍に待機中の軽トラックまで移動させる。 【0035】次に、排出オーガ20をオーガ上下シリン
ダにより上動させ、その後回動シリンダにより揚穀機構
19を中心に固定筒21の取付部を回転させると、移動
筒22の排出口32は任意の位置に位置する。次に、手
動伸縮スイッチ37を操作してソレノイドバルブ38の
伸長ソレノイド39をオンにすると、伸縮用シリンダ3
4のロッド35が伸長し、移動筒22が固定筒21に対
して伸長して、移動筒22の排出口32を軽トラックの
タンク上方位置に位置させる。 【0036】この状態で、揚穀機構19および排出オー
ガ20を作動させると、揚穀機構19がグレンタンク1
8内の穀物を揚穀し、揚穀された穀物は回転する回転軸
筒23の固定螺旋翼24により搬送される。回転軸筒2
3の回転により移動筒22内の移動回転軸27が回転
し、ボス29を回転させ、各ボス29に固定されている
伸縮螺旋翼31が回転するので、固定筒21から移動筒
22を通って伸縮螺旋翼31により搬送され、排出口3
2より軽トラックのタンクに排出する。 【0037】しかして、前記作業が終了してグレンタン
ク18内が空になると、排出オーガ20の移動筒22の
途中部分を格納支持装置41に支持させて格納し、次の
脱穀作業に備えるが、このとき、移動筒22の短縮を忘
れることがある。そこで、伸縮用シリンダ34には検知
手段43を設け、伸縮用シリンダ34内には、最伸長位
置検知スイッチ44と最短縮位置検知スイッチ45とが
設けられ、格納支持装置41の近傍には格納スイッチ4
2が設けられているから、排出作業終了後、排出オーガ
20が伸長状態で格納支持装置41に格納すると、最短
縮位置検知スイッチ45がオフのままであるので、格納
スイッチ42はオンになり伸縮用シリンダ34を自動的
に短縮させ、最短縮位置検知スイッチ45がオンになる
と、伸縮用シリンダ34の短縮を自動的に停止させる。 【0038】しかして、排出オーガ20を格納させて刈
取作業穀物の排出作業が終了すると、前記のように刈取
脱穀作業および排出作業を反復する。図5の第2実施例
では、運転席36にクラッチ入感知スイッチ46が設け
られ、クラッチ入感知スイッチ46は排出オーガクラッ
チ操作レバー47を切操作するとオンになって、自動的
にソレノイドバルブ38の短縮ソレノイド40をオンに
し、自動的に伸縮用シリンダ34を短縮させて移動筒2
2を短縮させ、移動筒22が最短縮位置に至ると、最短
縮位置検知スイッチ45が伸縮用シリンダ34の短縮を
停止させ、移動筒22の短縮させることの忘れを防止す
る。 【0039】なお、排出オーガクラッチ操作レバー47
を切操作したときクラッチ入感知スイッチはオンになる
が、手動伸縮スイッチ37とクラッチ入感知スイッチ4
6との関係は手動伸縮スイッチ37が優先しており、手
動伸縮スイッチ37による移動筒22の位置合せ中は、
排出オーガクラッチ操作レバー47を切にしていても手
動伸縮スイッチ37により移動筒22を伸縮可能である
から、支障はない。 【0040】また、排出作業中はクラッチ入感知スイッ
チがオフであり、排出作業が終了して、次の脱穀作業を
行なうときに、排出オーガクラッチ操作レバー47を切
操作するとクラッチ入感知スイッチがオンになるから、
自動的に移動筒22を短縮させる。それゆえ、安全かつ
円滑に排出オーガ20を格納できる。 【0041】図6の実施例では、伸縮螺旋翼31を伸縮
螺旋翼31aおよび伸縮螺旋翼31bの二条螺旋に形成
し、伸縮螺旋翼31aおよび伸縮螺旋翼31bは、それ
ぞれ形状記憶合金により形成し、伸縮螺旋翼31aは成
形時大ピッチに形成し、伸縮螺旋翼31bは成形時小ピ
ッチに形成してあるから、伸縮螺旋翼31aに通電して
加熱すると、伸縮螺旋翼31aは元の大ピッチに復元し
て移動筒22を伸長させ、伸縮螺旋翼31bに通電して
加熱すると、伸縮螺旋翼31bが元の小ピッチに復元し
て移動筒22を短縮させ、伸縮螺旋翼31aおよび伸縮
螺旋翼31bのいずれか一方に通電することにより移動
筒22を伸縮させて位置合わせを行なう。 【0042】そして、前記格納スイッチ42がオンにな
ると、伸縮螺旋翼31bに通電させて自動的に移動筒2
2を短縮させる。
−ガに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来公知の、特開昭63−279719
号公報、実開平1−121340号公報および実開平1
−121339号公報には、排出オーガを伸縮可能に構
成する技術が開示されている。 【0003】例えば、特開昭63−279719号公報
には、基部側の固定筒に対して排出口を有する先端側の
移動筒を長手方向摺動自在に嵌合し、前記固定筒内に螺
旋翼を備えた回転軸筒を軸装し、前記移動筒内に移動回
転軸を軸装して該移動回転軸の先端部を移動筒内の先端
部に設けた軸受に軸受すると共に該移動回転軸に線状部
材を空隙を有して螺旋状に巻き掛けて設け、前記回転軸
筒内の先端側に移動回転軸の基部側を螺合させて構成し
た伸縮式の排出オ−ガが記載されている。 【0004】また、実開平1−121340号公報に
は、基部側の固定筒に対して排出口を有する先端側の移
動筒を長手方向摺動自在に嵌合し、前記固定筒内に螺旋
翼を備えた回転軸筒を軸装し、前記移動筒内に移動回転
軸を軸装して該移動回転軸の先端部を移動筒内の先端部
に設けた軸受に軸受すると共に該移動回転軸に螺旋翼を
空隙を有して巻き掛けて設け、前記回転軸筒内の先端側
に移動回転軸の基部側を軸心方向摺動自在且つ相対回転
不能に嵌合させて構成した伸縮式の排出オ−ガが記載さ
れている。 【0005】また、実開平1−121339号公報に
は、基部側の固定筒に対して排出口を有する先端側の移
動筒を長手方向摺動自在に上下段違い状に支持し、前記
固定筒内に螺旋翼を備えた回転軸を軸装して該回転軸の
先端部を固定筒内の先端部に設けた軸受に軸受し、前記
移動筒内に螺旋翼を備えた移動回転軸を軸装して該移動
回転軸の先端部を移動筒内の後端部と先端部とに設けた
軸受に軸受し、前記回転軸の基部側と移動回転軸の基部
側とを軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に連動連結し
た伸縮式の排出オ−ガが記載されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上述の特開昭63−2
79719号公報に記載された伸縮式の排出オ−ガは、
先端側の移動筒内に軸装される移動回転軸に巻き掛けた
螺旋状の線状部材が、固定筒内に軸装される回転軸筒に
設けた螺旋翼の螺旋ピッチ間に侵入することによって、
排出オ−ガを伸縮可能としたものである。このため、こ
の排出オ−ガを伸長させた状態において、先端側の移動
筒内における搬送作用は該移動筒内に軸装される移動回
転軸に巻き掛けた螺旋状の線状部材の送り作用のみに頼
ることとなる。そして、このような螺旋状の線状部材
は、移動筒内に占める搬送作用面積が小さいため、螺旋
翼に比較して搬送能力が低く、排出オ−ガを伸長させて
排出作業を行う場合、筒内において穀粒等の被搬送物の
詰まりを生じ易い欠点がある。また、固定筒内に軸装さ
れる回転軸筒の先端部が軸受されていないため、特に排
出オ−ガを伸長させて排出作業を行う場合に、回転軸筒
と移動回転軸との回転軸心のブレが大きくなり、螺旋翼
や螺旋状の線状部材が各筒の内面に干渉し易く、円滑な
排出作業を行うことができない欠点がある。 【0007】また、上述の実開平1−121340号公
報に記載された伸縮式の排出オ−ガは、先端側の移動筒
内に軸装される移動回転軸に巻き掛けた螺旋翼を、固定
筒内に軸装される回転軸筒に設けた螺旋翼の螺旋ピッチ
間にこの螺旋翼どうしが重合するように侵入させるため
に、移動回転軸とこの移動回転軸に巻き掛ける螺旋翼と
の間に空隙が設けられている。従って、排出オ−ガの伸
長時において、この先端側の移動筒内に設けられる螺旋
翼は、その先端部のみが移動回転軸に固着支持され、そ
の後端部側は自由端であって、回転軸筒に設けられる螺
旋翼に重合支持されるだけである。このため、排出作業
時において移動回転軸が回転軸筒と共に駆動回転した際
に、先端側の移動筒内に設けられる螺旋翼は、この移動
回転軸に固着された先端部から駆動力の供給を受けるだ
けであって、この先端部以外の螺旋翼は、移動回転軸か
ら駆動力の供給を受けることができない。従って、穀粒
等の被搬送物を搬送する際に受ける反力によって、この
移動筒内に設けられる螺旋翼が変形して螺旋ピッチが変
化したり移動回転軸の軸心に対する螺旋翼の外周円の中
心位置がずれたりして、円滑な排出作業を行うことがで
きない欠点がある。また、固定筒内に軸装される回転軸
筒の先端部が軸受されていないため、特に排出オ−ガを
伸長させて排出作業を行う場合に、回転軸筒と移動回転
軸との回転軸心のブレが大きくなり、各螺旋翼が各筒の
内面に干渉し易く、円滑な排出作業を行うことができな
い欠点がある。 【0008】また、上述の実開平1−121339号公
報に記載された伸縮式の排出オ−ガは、基部側の固定筒
に対して排出口を有する先端側の移動筒が上下段違い状
に支持されているため、この排出オ−ガが全体的に大き
な構造物となって、例えばこの排出オ−ガをコンバイン
に搭載した場合には、このコンバインの車高が高くなっ
て小型特殊自動車としての法規制に適合させにくくなる
欠点がある。また、固定筒に軸装される回転軸の基部側
と移動筒に軸装される移動回転軸の基部側とを連動連結
する伝動機構が複雑となって安価に提供できない欠点が
ある。更に、固定筒及び回転軸に対して、移動筒及び移
動回転軸が上下段違い状に配置されるために、例えば穀
粒の排出作業において、穀粒が固定筒内先端部から移動
筒内に流れ込む際に、この移動筒内で回転している移動
回転軸の螺旋翼に衝突して脱ぷが発生し易くなる欠点が
ある。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明は、上述の如き
課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じ
る。即ち、基部側の固定筒21に対して排出口32を有
する先端側の移動筒22を長手方向摺動自在に嵌合し、
前記固定筒21内に螺旋翼24を備えた回転軸筒23を
軸装して該回転軸筒23の先端部を固定筒21内の先端
部に設けた軸受25に軸受し、前記移動筒22内に移動
回転軸27を軸装して該移動回転軸27の先端部を移動
筒22内の先端部に設けた軸受28に軸受すると共に該
移動回転軸27に複数のボス29を軸心方向摺動自在且
つ相対回転不能に嵌合して該ボス29を介して螺旋翼3
1を移動回転軸27と一体回転させうるように構成し、
前記回転軸筒23内の先端部に固定したボス26に移動
回転軸27の基部側を軸心方向摺動自在且つ相対回転不
能に嵌合させて構成したことを特徴とする伸縮式の排出
オ−ガとしたものである。 【0010】これにより、基部側の固定筒21内に軸装
された回転軸筒23を駆動回転させると、先端側の移動
筒22内に軸装された移動回転軸27が該回転軸筒23
内の先端部のボス26との嵌合によって一体回転し、該
回転軸筒23の螺旋翼24と複数のボス29を介して移
動回転軸27と一体回転する螺旋翼31とによって穀粒
等の被搬送物の搬送が行なわれ、この被搬送物は基部側
の固定筒21内から先端側の移動筒22内を経て該移動
筒22の排出口32から外部へ排出される。 【0011】このような排出作業に際し、基部側の固定
筒21に対して先端側の移動筒22を長手方向に摺動さ
せて排出オ−ガを伸縮させ、該移動筒22の排出口32
の位置を変更することができる。そして、例えば、排出
オ−ガを伸長させる場合、固定筒21に対して移動筒2
2を遠ざかる方向に摺動させると、移動筒22内に軸装
された移動回転軸27の基部側が、固定筒21内に軸装
された回転軸筒23内の先端部に固定したボス26から
抜け出す方向へ摺動する。 【0012】この際、移動回転軸27の基部側と回転軸
筒23の先端側とは、回転軸筒23内の先端部に固定し
たボス26部で軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に嵌
合するだけであるため、移動回転軸27の軸心が回転軸
筒26の軸心と多少のずれを起こしても、該移動回転軸
27が回転軸筒26に対して摺動しにくくなるような支
障は生じにくい。 【0013】また、このように排出オ−ガを伸縮させて
も、移動回転軸27の基部側と回転軸筒23の先端側と
はボス26部の嵌合によって相対回転不能の状態を維持
するため、回転軸筒23を駆動回転させることによって
移動回転軸27も一体回転する。 【0014】また、移動回転軸27上に嵌合した複数の
ボス29は、この排出オ−ガの伸長に際して移動回転軸
27上を摺動することとなるが、これら複数のボス29
は移動回転軸27に対して相対回転不能の状態を維持す
るため、移動回転軸27の回転によってこれら複数のボ
ス29を介して螺旋翼31も一体回転する。 【0015】また、このように排出オ−ガを伸長させた
状態においても、移動回転軸27の先端部が移動筒22
内の先端部に設けた軸受28に軸受され、且つ、回転軸
筒23の先端部が固定筒21内の先端部に設けた軸受2
5に軸受されているため、これら移動回転軸27および
回転軸筒23の回転軸心のブレが少なくなる。 【0016】 【発明の効果】この発明によると、排出オ−ガを伸縮さ
せて排出作業位置を該排出オ−ガの長手方向に調節する
ことができるものでありながら、この排出オ−ガを伸長
させた状態においても、移動回転軸27の先端部を移動
筒22内の先端部に設けた軸受28に軸受し且つ回転軸
筒23の先端部を固定筒21内の先端部に設けた軸受2
5に軸受することによって、これら移動回転軸27およ
び回転軸筒23の回転軸心のブレを少なくしてこれら移
動回転軸27および回転軸筒23に備える螺旋翼31,
24による穀粒等の被搬送物の搬送を円滑に行うことが
でき、排出作業の能率を向上させることができる。 【0017】また、このように排出オ−ガを伸縮させる
にあたり、移動回転軸27の基部側と回転軸筒23の先
端側とは、回転軸筒23内の先端部に固定したボス26
部で軸心方向摺動自在且つ相対回転不能に嵌合するだけ
であるため、移動回転軸27の軸心が回転軸筒26の軸
心と多少のずれを起こしても、該移動回転軸27が回転
軸筒26に対して摺動しにくくなるような支障が生じに
くく、排出オ−ガの伸縮作動を円滑に行わせることがで
きる。 【0018】また、先端側の移動筒22内に設ける螺旋
翼31は、移動回転軸27から該移動回転軸27に軸心
方向摺動自在且つ相対回転不能に嵌合した複数のボス2
9を介して移動回転軸27と一体回転するため、穀粒等
の被搬送物を搬送する際に受ける反力によって、この螺
旋翼31が変形して螺旋ピッチが変化したり移動回転軸
27の軸心に対する螺旋翼31の外周円の中心位置がず
れたりしにくく、該螺旋翼31による穀粒等の被搬送物
の搬送を円滑に行うことができ、排出作業の能率を向上
させることができる。 【0019】また、基部側の固定筒21及び回転軸筒2
3に対して、先端側の移動筒22及び移動回転軸27を
同一軸心上で摺動させることによって排出オ−ガを伸縮
させるものであるため、上述の従来技術のように基部側
の固定筒に対して先端側の移動筒を上下段違い状に支持
する構成に比較して、この排出オ−ガを全体的にコンパ
クトに構成できるうえに、基部側の固定筒21内に軸装
される回転軸筒23の螺旋翼24から先端側の移動筒2
2内に軸装される移動回転軸27の螺旋翼31への穀粒
の引継ぎを円滑に行うことができ、穀粒等の損傷を少な
くすることができる。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により
説明すると、1は機体フレ−ム、2は機体フレ−ム1の
下部位置に設けた走行装置、3は前記機体フレ−ム1の
上方位置に設けた脱穀装置、4は機体フレ−ム1の前方
位置に設けた刈取部である。 【0021】5は前記刈取部4の最先端位置に設けた分
草体、6は分草体5の上方に設けた掻込リール、7は掻
込リール6の下方に設けた刈刃、8は刈取られた穀稈を
集束するオーガ、9は前記刈取部4の後部に設けた搬送
エレベータである。前記脱穀装置3内の上部には脱穀室
10が形成される。11は脱穀室10内に軸装される扱
胴、12は前記扱胴11の主として下方を包囲する扱
網、13は前記脱穀室10の下方に形成した風選室、1
4は前記風選室13内に設けた揺動選別装置、15は前
記風選室13に送風する送風ファン、16は1番コンベ
ア、17は2番コンベアである。 【0022】前記脱穀装置3の側部には、前記1番コン
ベア16により取出された穀物を一時貯留するグレンタ
ンク18を設ける。グレンタンク18には該グレンタン
ク18内の穀物を揚穀する揚穀機構19の下部を取付
け、揚穀機構19の上部には揚穀された穀物を排出する
排出オーガ20の一端(基部)を取付ける。排出オーガ
20は、図示は省略するが、排出オーガ20の他端(先
端)が、シリンダ等の旋回機構により前記揚穀機構19
の軸心を中心に水平回転自在であって、かつ、オーガ上
下シリンダ等の上下動機構により上下動自在に前記揚穀
機構19に取付けられる。 【0023】しかして、前記排出オーガ20は、一端側
(基部側)の固定筒21と他端側(先端側)の移動筒2
2とに分割形成し、移動筒22の基端部を固定筒21の
先端部外周に嵌合させ、移動筒22は固定筒21に対し
て搬送方向に移動可能に構成して排出オーガ20全体長
を伸縮させるように形成する。 【0024】図2において、23は前記固定筒内に軸装
した回転軸筒、24は該回転軸筒23の外周に位置不動
に固定した固定螺旋翼(螺旋翼)である。前記回転軸筒
23の先端部は前記固定筒内の先端部に設けた軸受25
により支持される。前記回転軸筒23内の先端部には、
スプラインボス(ボス)26を固定する。該スプライン
ボス26には移動回転軸27の基端部を挿入係合させ
る。移動回転軸27の先端部は前記移動筒22内の先端
部に設けた軸受28に軸支する。 【0025】前記移動回転軸27の外周には、該移動回
転軸27の軸心方向に摺動のみ自在にボス29を複数嵌
合させる。ボス29は移動回転軸27の外周に形成した
スプライン突条30に係合させる。スプライン突条30
は前記スプラインボス26に係合させ、前記移動回転軸
27およびボス29を回転軸筒23と共に回転させる。 【0026】前記ボス29には弾性部材により形成した
伸縮螺旋翼(螺旋翼)31を固定する。32は移動筒2
2の先端部下面に形成した排出口、33は排出口32の
上部の移動回転軸27に固定した排出体である。34は
移動筒22を伸縮させる伸縮装置であり、本実施例では
伸縮用シリンダにより構成され、該伸縮用シリンダ34
の基部は前記固定筒21の外面に固定し、伸縮用シリン
ダ34のロッド35の先端を移動筒22の基端部外面に
取付ける。 【0027】図1において、36は脱穀装置3の前側側
部に設けた運転席、37は運転席36に設けた手動伸縮
スイッチ(手動伸縮操作具)である。該手動伸縮スイッ
チ37は前記伸縮用シリンダ34のソレノイドバルブ3
8を、「伸長」、「停止」、「短縮」、に切替える(図
4)。39は伸長ソレノイド、40は短縮ソレノイドで
ある。 【0028】前記伸縮用シリンダ34には排出オーガ2
0の長さを検知する検知手段43を設け、検知手段43
は伸縮用シリンダ34のロッド35によりオン・オフさ
れる最伸長位置検知スイッチ44と最短縮位置検知スイ
ッチ45とにより構成される。 【0029】しかして、運転席36の側部には、排出オ
ーガ20の移動筒22の途中部分を支持する格納支持装
置41が設けられており、前記格納支持装置41の近傍
には格納スイッチ42を設ける。該格納スイッチ42と
検知手段43と伸縮用シリンダ34とを接続し、格納ス
イッチ42は、移動筒22が伸長状態で格納支持装置4
1に支持されると、自動的にソレノイドバルブ38の短
縮ソレノイド40をオンにして、伸縮用シリンダ34を
自動的に短縮させる。 【0030】即ち、排出オーガ20が伸長状態では最短
縮位置検知スイッチ45がオフになっており、この移動
筒22が伸長状態で格納支持装置41に支持されると、
格納スイッチ42はオンになり伸縮用シリンダ34を自
動的に短縮させる。なお、前記手動伸縮スイッチ37は
前記格納スイッチ42に優先させる。 【0031】図5は、第2実施例であり、運転席36に
は排出オーガ20のクラッチを入切させる排出オーガク
ラッチ操作レバー47を設け、排出オーガクラッチ操作
レバー47の近傍にクラッチ入感知スイッチ46を設け
る。クラッチ入感知スイッチ46は、排出オーガクラッ
チ操作レバー47を切操作するとオンになり、伸縮用シ
リンダ34を短縮させて、移動筒22を短縮させる。 【0032】図6は排出オーガ20の他の実施例であ
り、伸縮螺旋翼31を伸縮螺旋翼31aおよび伸縮螺旋
翼31bの二条螺旋に形成し、伸縮螺旋翼31aおよび
伸縮螺旋翼31bは、それぞれ形状記憶合金により形成
する。伸縮螺旋翼31aは、成形時には、大ピッチに形
成し、伸縮螺旋翼31bは、成形時小ピッチに形成され
る。 【0033】そして、伸縮螺旋翼31aに通電すると、
伸縮螺旋翼31aが元の大ピッチに復元して移動筒22
を伸長させ、伸縮螺旋翼31bに通電すると、伸縮螺旋
翼31bが元の小ピッチに復元して移動筒22を短縮さ
せる。したがって、伸縮螺旋翼31aおよび伸縮螺旋翼
31bの基端部を固定してあるボス29は移動回転軸2
7に固定されている。 【0034】次に作用を述べる。本発明は前記の構成で
あり、運転席36の側部の格納支持装置41に短縮状態
の排出オーガ20の移動筒22の途中部分を支持させて
走行し、圃場に到着すると、機体を前進させ、分草体5
で分草し、掻込リール6により穀稈を掻込み、刈刃7の
摺動で穀稈を刈取り、脱穀装置3に穀稈を供給し、脱穀
装置3内で脱穀して、刈取脱穀作業を行ない、グレンタ
ンク18内に一定量の穀物が脱穀されると、機体を圃場
近傍に待機中の軽トラックまで移動させる。 【0035】次に、排出オーガ20をオーガ上下シリン
ダにより上動させ、その後回動シリンダにより揚穀機構
19を中心に固定筒21の取付部を回転させると、移動
筒22の排出口32は任意の位置に位置する。次に、手
動伸縮スイッチ37を操作してソレノイドバルブ38の
伸長ソレノイド39をオンにすると、伸縮用シリンダ3
4のロッド35が伸長し、移動筒22が固定筒21に対
して伸長して、移動筒22の排出口32を軽トラックの
タンク上方位置に位置させる。 【0036】この状態で、揚穀機構19および排出オー
ガ20を作動させると、揚穀機構19がグレンタンク1
8内の穀物を揚穀し、揚穀された穀物は回転する回転軸
筒23の固定螺旋翼24により搬送される。回転軸筒2
3の回転により移動筒22内の移動回転軸27が回転
し、ボス29を回転させ、各ボス29に固定されている
伸縮螺旋翼31が回転するので、固定筒21から移動筒
22を通って伸縮螺旋翼31により搬送され、排出口3
2より軽トラックのタンクに排出する。 【0037】しかして、前記作業が終了してグレンタン
ク18内が空になると、排出オーガ20の移動筒22の
途中部分を格納支持装置41に支持させて格納し、次の
脱穀作業に備えるが、このとき、移動筒22の短縮を忘
れることがある。そこで、伸縮用シリンダ34には検知
手段43を設け、伸縮用シリンダ34内には、最伸長位
置検知スイッチ44と最短縮位置検知スイッチ45とが
設けられ、格納支持装置41の近傍には格納スイッチ4
2が設けられているから、排出作業終了後、排出オーガ
20が伸長状態で格納支持装置41に格納すると、最短
縮位置検知スイッチ45がオフのままであるので、格納
スイッチ42はオンになり伸縮用シリンダ34を自動的
に短縮させ、最短縮位置検知スイッチ45がオンになる
と、伸縮用シリンダ34の短縮を自動的に停止させる。 【0038】しかして、排出オーガ20を格納させて刈
取作業穀物の排出作業が終了すると、前記のように刈取
脱穀作業および排出作業を反復する。図5の第2実施例
では、運転席36にクラッチ入感知スイッチ46が設け
られ、クラッチ入感知スイッチ46は排出オーガクラッ
チ操作レバー47を切操作するとオンになって、自動的
にソレノイドバルブ38の短縮ソレノイド40をオンに
し、自動的に伸縮用シリンダ34を短縮させて移動筒2
2を短縮させ、移動筒22が最短縮位置に至ると、最短
縮位置検知スイッチ45が伸縮用シリンダ34の短縮を
停止させ、移動筒22の短縮させることの忘れを防止す
る。 【0039】なお、排出オーガクラッチ操作レバー47
を切操作したときクラッチ入感知スイッチはオンになる
が、手動伸縮スイッチ37とクラッチ入感知スイッチ4
6との関係は手動伸縮スイッチ37が優先しており、手
動伸縮スイッチ37による移動筒22の位置合せ中は、
排出オーガクラッチ操作レバー47を切にしていても手
動伸縮スイッチ37により移動筒22を伸縮可能である
から、支障はない。 【0040】また、排出作業中はクラッチ入感知スイッ
チがオフであり、排出作業が終了して、次の脱穀作業を
行なうときに、排出オーガクラッチ操作レバー47を切
操作するとクラッチ入感知スイッチがオンになるから、
自動的に移動筒22を短縮させる。それゆえ、安全かつ
円滑に排出オーガ20を格納できる。 【0041】図6の実施例では、伸縮螺旋翼31を伸縮
螺旋翼31aおよび伸縮螺旋翼31bの二条螺旋に形成
し、伸縮螺旋翼31aおよび伸縮螺旋翼31bは、それ
ぞれ形状記憶合金により形成し、伸縮螺旋翼31aは成
形時大ピッチに形成し、伸縮螺旋翼31bは成形時小ピ
ッチに形成してあるから、伸縮螺旋翼31aに通電して
加熱すると、伸縮螺旋翼31aは元の大ピッチに復元し
て移動筒22を伸長させ、伸縮螺旋翼31bに通電して
加熱すると、伸縮螺旋翼31bが元の小ピッチに復元し
て移動筒22を短縮させ、伸縮螺旋翼31aおよび伸縮
螺旋翼31bのいずれか一方に通電することにより移動
筒22を伸縮させて位置合わせを行なう。 【0042】そして、前記格納スイッチ42がオンにな
ると、伸縮螺旋翼31bに通電させて自動的に移動筒2
2を短縮させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるコンバインの全
体側面図である。 【図2】この発明の実施の形態における伸長状態の要部
の縦断側面図である。 【図3】この発明の実施の形態における短縮状態の要部
の縦断側面図である。 【図4】この発明の実施の形態における回路図である。 【図5】この発明の実施の形態における第2実施例のコ
ンバインの全体側面図である。 【図6】この発明の実施の形態における第3実施例の要
部の縦断側面図である。 【図7】この発明の実施の形態における説明図である。 【図8】この発明に実施の形態における説明図である。 【符号の説明】 21 固定筒 22 移動筒 23 回転軸筒 24 固定螺旋翼(螺旋翼) 25 軸受 26 スプラインボス(ボス) 27 移動回転軸 28 軸受 29 ボス 31 伸縮螺旋翼(螺旋翼) 32 排出口
体側面図である。 【図2】この発明の実施の形態における伸長状態の要部
の縦断側面図である。 【図3】この発明の実施の形態における短縮状態の要部
の縦断側面図である。 【図4】この発明の実施の形態における回路図である。 【図5】この発明の実施の形態における第2実施例のコ
ンバインの全体側面図である。 【図6】この発明の実施の形態における第3実施例の要
部の縦断側面図である。 【図7】この発明の実施の形態における説明図である。 【図8】この発明に実施の形態における説明図である。 【符号の説明】 21 固定筒 22 移動筒 23 回転軸筒 24 固定螺旋翼(螺旋翼) 25 軸受 26 スプラインボス(ボス) 27 移動回転軸 28 軸受 29 ボス 31 伸縮螺旋翼(螺旋翼) 32 排出口
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基部側の固定筒21に対して排出口32
を有する先端側の移動筒22を長手方向摺動自在に嵌合
し、前記固定筒21内に螺旋翼24を備えた回転軸筒2
3を軸装して該回転軸筒23の先端部を固定筒21内の
先端部に設けた軸受25に軸受し、前記移動筒22内に
移動回転軸27を軸装して該移動回転軸27の先端部を
移動筒22内の先端部に設けた軸受28に軸受すると共
に該移動回転軸27に複数のボス29を軸心方向摺動自
在且つ相対回転不能に嵌合して該ボス29を介して螺旋
翼31を移動回転軸27と一体回転させうるように構成
し、前記回転軸筒23内の先端部に固定したボス26に
移動回転軸27の基部側を軸心方向摺動自在且つ相対回
転不能に嵌合させて構成したことを特徴とする伸縮式の
排出オ−ガ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002228622A JP3587832B2 (ja) | 2002-08-06 | 2002-08-06 | 伸縮式排出オーガの回転軸支持構造 |
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