JP2003051375A - 電磁誘導加熱調理器用の被加熱調理器具 - Google Patents

電磁誘導加熱調理器用の被加熱調理器具

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JP2003051375A
JP2003051375A JP2001240796A JP2001240796A JP2003051375A JP 2003051375 A JP2003051375 A JP 2003051375A JP 2001240796 A JP2001240796 A JP 2001240796A JP 2001240796 A JP2001240796 A JP 2001240796A JP 2003051375 A JP2003051375 A JP 2003051375A
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cooker
magnetic metal
metal layer
heating
heated
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JP2001240796A
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Ryuji Nagata
隆二 永田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱時、本体底面の上反りを低減し、加熱を
効率よく行うことができる電磁誘導加熱調理器に用いる
被加熱調理器具を提供することを目的とする。 【解決手段】 非磁性金属材料よりなる本体11の底部
裏面に磁性金属層12を分割して配することによって、
加熱時、非磁性金属材料とともに、溶着した磁性金属が
移動することで、アルミニウム合金の膨張を妨げること
がなくなり、本体11底部の上反りを低減し、加熱を効
率よく行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導加熱調理
器、特にそれに用いる被加熱調理器具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電磁誘導加熱調理器に用
いる被加熱調理器具としては、例えば、特開平10−1
46278号公報および特開平8−103369号公報
に記載されているようなものがあった。図11は前記特
開平10−146278号公報、図12は前記特開平8
−103369号公報に記載された従来の電磁誘導加熱
調理器、特にそれに用いる被加熱調理器具の断面図を示
すものである。
【0003】図11および図12において、1は磁力線
を発生する加熱コイル、2はアルミニウム合金等の非磁
性金属材料で成形した被加熱調理器具、3は前記被加熱
調理器具底部の表面に溶射により形成した鉄などの磁性
金属層である。
【0004】ここで、図11に記載の特開平10−14
6278号公報は、磁性金属層を、前記加熱コイル1よ
り発生する磁力線の磁束密度が高い帯域を厚くし、周縁
方向に向かって連続的に薄くしたものである。また、図
12に記載の特開平8−103369号公報は、磁性金
属層を、底面および外側底面から側面下部外周にかけて
リング状に分割して設けたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の構成では、アルミニウム合金等の非磁性金属材料で
成形した被加熱調理器具の底部に、一体となった鉄など
の磁性金属層が溶着しているため、加熱時、被加熱調理
器具の材料であるアルミニウム合金の熱膨張が被加熱調
理器具に溶着した鉄層の熱膨張より大きいため、加熱コ
イルから離れる方向に上反りして、加熱コイルと被加熱
調理器具底部表面に溶射した磁性金属層の距離が離れる
ため、加熱コイルから発生する磁力線が磁性金属層2を
通過する数が減り、磁性金属層に発生する渦電流が減少
するため、被加熱調理器具の加熱量は減る。
【0006】また、誘導加熱制御において、加熱コイル
と被加熱調理器具底部表面に溶射した磁性金属層の距離
が離れると、磁力線を発生するために、スイッチングを
行っているスイッチング素子にかかる電圧が上昇するた
め、素子の耐圧をこえないように、電圧リミッタを設け
てある。したがって、被加熱調理器具の上反りにより、
加熱コイルと被加熱調理器具底部表面に溶射した磁性金
属層の距離が離れ、スイッチング素子にかかる電圧が電
圧リミッタを超えると、誘導加熱が制限され、所望の加
熱量が得られなくなり、加熱を効率よく行うことができ
ないという課題を有していた。
【0007】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、加熱時、被加熱調理器具の上反りを低減し、加熱を
効率よく行うことができる電磁誘導加熱調理器に用いる
被加熱調理器具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の電磁誘導加熱調理器に用いる被加熱
調理器具は、本体を非磁性金属材料により形成し、前記
本体の底部裏面には磁性金属層を分割して配したもので
ある。
【0009】これによって、加熱時、本体の材料である
非磁性金属材料のアルミニウム合金の膨張とともに、溶
着した磁性金属の鉄層が移動することで、アルミニウム
合金の膨張を妨げることがなくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、加熱コ
イルにより誘導加熱する被加熱調理器具を非磁性金属材
料により形成し、前記被加熱調理器具の底部裏面には磁
性金属層を分割して配することにより、加熱時、本体の
材料である非磁性金属材料のアルミニウム合金の膨張と
ともに、溶着した磁性金属の鉄層が移動することで、ア
ルミニウム合金の膨張を妨げることがなくなり、加熱
時、本体底面の上反りを低減し、加熱を効率よく行うこ
とができる。
【0011】請求項2に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の磁性金属層を、キューリー点温度を有する感温
磁性金属層とすることにより、熱膨張差が特に大きくな
る、加熱コイルより発生する磁力線の磁束密度が高い帯
域で、本体底面の部分的な高温度部の温度を抑え、熱膨
張差が低減でき、加熱時、本体底面の上反りを低減し、
加熱を効率よく行うことができるとともに、本体底面の
加熱時の温度分布をよくすることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、特に、請求項1
および請求項2に記載の本体の底部裏面に凹形状を設
け、前記凹形状内部に磁性金属層を設けることにより、
磁性金属層の溶着接触面を増し、磁性金属層の溶着力を
増すことができ、加熱冷却による、本体の材料である非
磁性金属材料のアルミニウム合金と、溶着した磁性金属
の鉄層の膨張収縮差による、磁性金属層の剥がれを軽減
することができる。また、凹形状により、被加熱調理器
具の底部を補強し、反り応力を抑えることができ、加熱
を効率よく行うことができる。
【0013】請求項4に記載の発明は、特に、請求項1
〜3のいずれか1項に記載の被加熱調理器具の底部に端
面外周を曲面とした脚部を複数個突設することにより、
加熱時、本体底部の上反りをしても、脚部端面外周の曲
面により被加熱調理器具の着地位置が変化し、着地位置
から磁性金属層までの距離の拡大を低減し、加熱を効率
よく行うことができる。
【0014】請求項5に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の磁性金属層の分割部を加熱コイルより発生する
磁力線の磁束密度が高い帯域に設けることにより、熱膨
張差が特に大きくなる、加熱コイルより発生する磁力線
の磁束密度が高い帯域で、被加熱調理器具の部分的な高
温度部の発生を抑え、熱膨張差が低減でき、加熱時、被
加熱調理器具の上反りを低減し、加熱を効率よく行うこ
とができるとともに、被加熱調理器具の加熱時の温度分
布をよくすることができる。
【0015】請求項6に記載の発明は、特に、請求項1
および請求項5に記載の磁性金属層の分割部を加熱コイ
ル巻線の法線方向に設けることにより、加熱時、被加熱
調理器具の材料である非磁性金属材料のアルミニウム合
金の膨張とともに、溶着した磁性金属の鉄層がより移動
し易くなることで、アルミニウム合金の膨張を妨げるこ
とがなくなり、加熱時、本体底部の上反りを低減し、加
熱を効率よく行うことができる。
【0016】請求項7に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の磁性金属層の角部を鈍角もしくは曲率形状とす
ることにより、加熱冷却による、本体の材料である非磁
性金属材料のアルミニウム合金と、溶着した磁性金属の
鉄層の膨張収縮差による、磁性金属層の剥がれを軽減す
ることができる。また、清掃時、角部の引っ掛かりが軽
減され、清掃性を向上することができる。
【0017】請求項8に記載の発明は、特に、請求項1
に記載の本体の内底面外周が内底面中央部より高い形状
とすることにより、加熱コイルから離れる方向に上反り
する応力を分力することができ、上反りを抑え、加熱を
効率よく行うことができる。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0019】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例における電磁誘導加熱調理器、特にそれに用いる被加
熱調理器具の断面図を示すものである。図2は被加熱調
理器具の底面図である。
【0020】図1において、11はダイカスト用アルミ
ニウム合金などの非磁性金属材料で成型した本体、12
は本体11底部の表面に形成した磁性金属層、13は磁
性金属層の外周部に設けた脚部である。なお、図2に示
すように、磁性金属層12は、鉄などを材料とし、前記
被加熱調理器具の底部表面に、プラズマ溶射やアーク溶
射したもので、マスク治具により、所望の部分に磁性金
属層12を分割して配したものである。14は被加熱調
理器具下方に配した、偏平な円環状の加熱コイルで、中
心部に温度センサー15が配設されている。16は被加
熱調理器具を置載する、ガラス、セラミックスなどより
なる平板状のトッププレートで、裏面に温度センサー1
5が当接するようにしている。17は上面に開口を有す
る耐熱樹脂製のケースで、この開口を塞ぐようにトップ
プレート16を装着している。18は制御回路内の、加
熱コイルより磁力線を発生するために、スイッチングを
行っているスイッチング素子である。19は、前記ケー
スを勘合支持するベースで、前記ケースおよびトッププ
レートとともに、制御回路および加熱コイルとセンサー
を内蔵している。
【0021】以上のように構成された電磁誘導加熱調理
器、特にそれに用いる被加熱調理器具について、以下そ
の動作、作用を説明する。
【0022】まず、トッププレートの上に置載された被
加熱調理器具は、加熱コイルより発生する磁力線によ
り、磁性金属層に渦電流を生じて加熱される。
【0023】このとき、アルミニウム合金等の非磁性金
属材料で成形した本体11の底部に、一体となった鉄な
どの磁性金属層12が溶着しているため、加熱時、被加
熱調理器具の材料であるアルミニウム合金の熱膨張が被
加熱調理器具に溶着した鉄層の熱膨張より大きいため、
加熱コイルから離れる方向に上反りする。
【0024】物性値としては、被加熱調理器具1の材料
である非磁性金属材料のアルミニウム合金の膨張率は2
6.4x10-6、溶着した磁性金属層12の鉄層の膨張
率は14.4x10-6であり、熱時、約倍の膨張とな
る。
【0025】ここで、加熱コイルと被加熱調理器具底部
表面に溶射した磁性金属層の距離と被加熱調理器具の加
熱については、距離が離れるほど、加熱コイルから発生
する磁力線が磁性金属層12を通過する数が減り、磁性
金属層に発生する渦電流が減少するため、被加熱調理器
具の加熱量は減る。
【0026】また、誘導加熱制御において、加熱コイル
と被加熱調理器具底部表面に溶射した磁性金属層の距離
が離れると、磁力線を発生するために、スイッチングを
行っているスイッチング素子にかかる電圧が上昇するた
め、素子の耐圧をこえないように、電圧リミッタを設け
てある。したがって、被加熱調理器具の上反りにより、
加熱コイルと被加熱調理器具底部表面に溶射した磁性金
属層の距離が離れ、スイッチング素子にかかる電圧が電
圧リミッタを超えると、誘導加熱が制限され、所望の加
熱、すなわち、所望の消費電力が得られなくなる。
【0027】磁性金属層12は厚さや材質により発熱量
が異なるが、一般にこの種の調理器においては、所定の
発熱量を得るには、鉄の場合0.5〜1.0mmの溶射
厚が必要である。
【0028】したがって、被加熱調理器具の底部表面の
所望の部分にプラズマ溶射やアーク溶射して、磁性金属
層12を分割して配することにより、加熱時、本体11
の材料である非磁性金属材料のアルミニウム合金の膨張
とともに、溶着した磁性金属層12の鉄層が移動するこ
とで、アルミニウム合金の膨張を拘束する力が弱まり、
本体11の加熱コイルから離れる方向への上反りの量が
低減される。図3に、加熱時の本発明(図3a)と従来
(図3b)の膨張と反りの状態の違いを示す。
【0029】以上のように、本実施例においては、被加
熱調理器具の底部表面の所望の部分にプラズマ溶射やア
ーク溶射して、磁性金属層12を分割して配することに
より、加熱時、被加熱調理器具11の材料である非磁性
金属材料のアルミニウム合金の膨張とともに、溶着した
磁性金属層12の鉄層が移動することで、アルミニウム
合金の膨張を拘束する力を弱わめ、被加熱調理器具の加
熱コイルから離れる方向への上反りの量を低減すること
となり、所望の加熱を確実に行うことができるととも
に、加熱を効率よく行うことができる。
【0030】なお、本実施例の磁性金属層をキューリー
点温度を有する感温磁性金属層とすることにより、熱膨
張差が特に大きくなる、加熱コイルより発生する磁力線
の磁束密度が高い帯域で、被加熱調理器具の部分的な高
温度部の温度を抑え、熱膨張差が低減でき、加熱時、被
加熱調理器具の上反りを低減し、加熱を効率よく行うこ
とができるとともに、被加熱調理器具の加熱時の温度分
布をよくすることができる。
【0031】なお、本実施例では、分割数16の角形磁
性金属層にておこなったが、磁性金属層は、2以上に分
割されていれば上記効果を得ることができ、分割数、分
割形状は、被加熱調理器具の形状(例えば丸形、角形な
ど)にあわせ、任意の分割数および分割形状に設定でき
る。
【0032】(実施例2)図4は、本発明の第2の実施
例における電磁誘導加熱調理器、特にそれに用いる被加
熱調理器具の断面図を示すものである。
【0033】図4において、実施例1の構成と異なると
ころは、本体11の底部表面に凹形状20を設け、前記
凹形状21内部に磁性金属層を設けた点である。
【0034】以上のように構成された電磁誘導加熱調理
器、特にそれに用いる被加熱調理器具について、以下そ
の動作、作用を説明する。
【0035】まず、トッププレートの上に置載された被
加熱調理器具は、加熱コイルより発生する磁力線によ
り、磁性金属層に渦電流を生じて加熱される。実使用に
おいては、加熱調理後、清掃する際、水をかけたり、水
につけたりして、調理物の付着を剥がれやすくすること
がある。特に高温加熱調理した直後に、冷たい水の中
に、本体11をつけると、膨張していた本体11および
底部表面に溶射した磁性金属層が急激に収縮し、熱膨張
率差があるため、溶着部が剥がれやすい。
【0036】ここで、本体11の底部裏面に凹形状を設
け、前記凹形状内部に磁性金属層を設けることにより、
磁性金属層の溶着接触面を増し、磁性金属層の溶着力を
増すことができる。また、底部の凹形状が、反り応力に
対する補強の役割を果たすことができる。
【0037】以上のように、本実施例においては、本体
11の底部裏面に凹形状を設け、前記凹形状内部に磁性
金属層を設けることにより、磁性金属層の溶着接触面を
増し、磁性金属層の溶着力を増すことができ、加熱冷却
による、本体11の材料である非磁性金属材料のアルミ
ニウム合金と、溶着した磁性金属の鉄層の膨張収縮差に
よる、磁性金属層の剥がれを軽減することができ、ま
た、反り応力に対して補強されるため、反りが抑えら
れ、安定した加熱を行うことができる。
【0038】(実施例3)図5は、本発明の第3の実施
例における電磁誘導加熱調理器、特にそれに用いる被加
熱調理器具の断面図を示すものである。
【0039】図5において、実施例1の構成と異なると
ころは、本体11の底部に端面外周を曲面21とした脚
部を複数個突設を設けた点である。
【0040】以上のように構成された電磁誘導加熱調理
器、特にそれに用いる被加熱調理器具について、以下そ
の動作、作用を説明する。
【0041】まず、トッププレートの上に置載された被
加熱調理器具は、加熱コイルより発生する磁力線によ
り、磁性金属層に渦電流を生じて加熱される。
【0042】加熱時、本体11底部が上反りをしても、
図6に示すように(図6aは従来のもの、図6bは本実
施例のものを示す)、脚部端面外周の曲面により本体1
1の着地位置が変化し、着地位置から磁性金属層までの
距離の拡大を低減することができる。
【0043】以上のように、本実施例においては、本体
11の底部に端面外周を曲面とした脚部を複数個突設す
ることにより、加熱時、本体11が上反りをしても、脚
部端面外周の曲面により本体11の着地位置が変化し、
着地位置から磁性金属層までの距離の拡大を低減し、加
熱を効率よく行うことができる。
【0044】(実施例4)図7は、本発明の第4の実施
例における電磁誘導加熱調理器の加熱コイルの断面図
と、加熱コイルから発生する磁束密度の分布と、被加熱
調理器具の断面図と、本体11底部の温度分布を示すも
のである。
【0045】図7において、実施例1の構成と異なると
ころは、磁性金属層の分割部a22を加熱コイルより発
生する磁力線の磁束密度が高い帯域に設けた点である。
【0046】以上のように構成された電磁誘導加熱調理
器、特にそれに用いる被加熱調理器具について、以下そ
の動作、作用を説明する。
【0047】まず、トッププレートの上に置載された被
加熱調理器具は、加熱コイルより発生する磁力線によ
り、磁性金属層に渦電流を生じて加熱される。熱膨張差
が特に大きくなる、加熱コイルより発生する磁力線の磁
束密度が高い帯域に、磁性金属層の分割部a22を設け
ているため、通常、部分的な高温度部となる磁力線の磁
束密度が高い帯域で、磁性金属層がないため加熱され
ず、部分的な高温度部の発生を抑え、熱膨張差が低減で
き、加熱時、本体11底部の上反りを低減することがで
きる。
【0048】以上のように、磁性金属層の分割部a22
を加熱コイルより発生する磁力線の磁束密度が高い帯域
に設けることにより、熱膨張差が特に大きくなる、加熱
コイルより発生する磁力線の磁束密度が高い帯域で、本
体11底部の部分的な高温度部の温度を抑え、熱膨張差
が低減でき、加熱時、本体底部11の上反りを低減し、
加熱を効率よく行うことができるとともに、本体11底
部の加熱時の温度分布をよくすることができる。
【0049】なお、図8に示すように、磁性金属層の分
割部b23を加熱コイル形状の法線方向にも設けること
により、加熱時、本体11の材料である非磁性金属材料
のアルミニウム合金の膨張とともに、溶着した磁性金属
の鉄層がより移動し易くなることで、アルミニウム合金
の膨張を妨げることがなくなり、加熱時、本体11底部
の上反りを低減し、加熱を効率よく行うことができる。
【0050】また、本実施例の磁性金属層の角部24を
曲率形状とすることにより、加熱冷却による、本体11
底部の材料である非磁性金属材料のアルミニウム合金
と、溶着した磁性金属の鉄層の膨張収縮差による、磁性
金属層の剥がれを軽減することができる。また、清掃
時、角部の引っ掛かりが軽減され、清掃性を向上するこ
とができる。
【0051】なお、角部24の形状は鈍角の場合も、上
記と同じ効果となる。
【0052】(実施例5)図9は、本発明の第5の実施
例における電磁誘導加熱調理器、特にそれに用いる被加
熱調理器具の断面図を示すものである。
【0053】図9において、実施例1の構成と異なると
ころは、本体11の内底面外周25が内底面中央部26
より高い形状とした点である。
【0054】以上のように構成された電磁誘導加熱調理
器、特にそれに用いる被加熱調理器具について、以下そ
の動作、作用を説明する。
【0055】まず、トッププレートの上に置載された被
加熱調理器具は、加熱コイルより発生する磁力線によ
り、磁性金属層に渦電流を生じて加熱される。
【0056】加熱時、本体11底部が上反り応力が発生
しても、図10に示すように(図10aは従来のもの、
図10bは本実施例のものを示す)、加熱コイルから離
れる方向に上反りする応力を分力することができ、上反
りを抑えることができる。
【0057】以上のように、本実施例においては、本体
11の内底面外周が内底面中央部より高い形状とするこ
とにより、加熱コイルから離れる方向に上反りする応力
を分力することができ、上反りを抑え、加熱を効率よく
行うことができる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜8に記載の発
明によれば、反りを抑制し加熱を効率よく行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電磁誘導加熱調理器
用の被加熱調理器具の断面図
【図2】本発明の実施例1における被加熱調理器具の底
面図
【図3】(a)従来例における被加熱調理器具の加熱時
の膨張と反りの状態を示す概略図 (b)本発明の実施例1における被加熱調理器具の加熱
時の膨張と反りの状態を示す概略図
【図4】本発明の実施例2における電磁誘導加熱調理
器、および被加熱調理器具の断面図
【図5】本発明の実施例3における電磁誘導加熱調理
器、および被加熱調理器具の断面図
【図6】(a)従来例における被加熱調理器具の加熱時
の膨張と反りの状態を示す概略図 (b)本発明の実施例3における被加熱調理器具の加熱
時の膨張と反りの状態を示す概略図
【図7】本発明の実施例4における電磁誘導加熱調理器
の加熱コイルの断面図と、加熱コイルから発生する磁束
密度の分布と、被加熱調理器具の断面図と、被加熱調理
器具の温度分布の関係を示す概略図
【図8】本発明の実施例4における電磁誘導加熱調理器
の加熱コイルと被加熱調理器具の底面図を示す概略図
【図9】本発明の実施例5における電磁誘導加熱調理
器、および被加熱調理器具の断面図
【図10】(a)従来例における被加熱調理器具の加熱
時の膨張と反りの状態を示す概略図 (b)本発明の実施例5における被加熱調理器具の加熱
時の膨張と反りの状態を示す概略図
【図11】従来の電磁誘導加熱調理器および被加熱調理
器具の断面図
【図12】従来の電磁誘導加熱調理器および被加熱調理
器具の断面図
【符号の説明】
1、14 加熱コイル 2、11 被加熱調理器具 3、12 磁性金属層 13 脚部 15 温度センサー 16 トッププレート 17 ケース 18 スイッチング素子 19 ベース 20 凹形状 21 曲面 22 分割部a 23 分割部b 24 角部 25 内底面外周 26 内底面中央部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体を非磁性金属材料により形成し、前
    記本体の底部裏面には磁性金属層を分割して配した電磁
    誘導加熱調理器の被加熱調理器具。
  2. 【請求項2】 磁性金属層は、キューリー点温度を有す
    る感温磁性金属層とした請求項1記載の電磁誘導加熱調
    理器用の被加熱調理器具。
  3. 【請求項3】 本体の底部裏面に凹形状を設け、前記凹
    形状内部に磁性金属層を設けてなる請求項1または請求
    項2記載の電磁誘導加熱調理器用の被加熱調理器具。
  4. 【請求項4】 本体の底部に、端面外周を曲面とした脚
    部を複数個突設した請求項1〜3いずれか1項に記載の
    電磁誘導加熱調理器用の被加熱調理器具。
  5. 【請求項5】 加熱コイルより発生する磁力線の磁束密
    度が高い帯域に、磁性金属層の分割部を設けた請求項1
    記載の電磁誘導加熱調理器用の被加熱調理器具。
  6. 【請求項6】 加熱コイル巻線の法線方向に磁性金属層
    の分割部を設けた請求項1または請求項5記載の電磁誘
    導加熱調理器用の被加熱調理器具。
  7. 【請求項7】 磁性金属層の角部は鈍角もしくは曲率形
    状とした請求項1記載の電磁誘導加熱調理器用の被加熱
    調理器具。
  8. 【請求項8】 本体の内底面外周が内底面中央部より高
    い形状とした請求項1記載の電磁誘導加熱調理器用の被
    加熱調理器具。
JP2001240796A 2001-08-08 2001-08-08 電磁誘導加熱調理器用の被加熱調理器具 Pending JP2003051375A (ja)

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