JPH07213420A - 電磁誘導加熱式容器 - Google Patents

電磁誘導加熱式容器

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JPH07213420A
JPH07213420A JP985494A JP985494A JPH07213420A JP H07213420 A JPH07213420 A JP H07213420A JP 985494 A JP985494 A JP 985494A JP 985494 A JP985494 A JP 985494A JP H07213420 A JPH07213420 A JP H07213420A
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JP
Japan
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container
container body
magnetic layer
stress relaxation
induction heating
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JP985494A
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Inventor
Shinichiro Kawakami
伸一郎 川上
Chuichi Watanabe
忠一 渡辺
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Original Assignee
Toshiba Home Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱的な影響による磁性体層の剥離やクラック
の発生を緩和させる。 【構成】 熱伝導性の良好なアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金をプレス加工または鋳造加工して、容器本体
11を形成する。この容器本体11の側部12の下方および底
部13に、磁性体層14を溶射形成する。容器本体11の底部
13から側部12の間に形成された曲面部18に、磁性体層14
が部分的に存在しない分離部17を設ける。 【効果】 曲面部18に集中する容器本体11と磁性体層14
との熱膨張差による応力を、分離部17により緩和でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に電磁誘導加熱式の
炊飯器に用いられる電磁誘導加熱式容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電磁誘導式炊飯器に用い
られる容器は、熱伝導性の良好な容器本体たるアルミニ
ウム部材と、磁性体層たるステンレス層とのクラッド材
により形成され、容器に対向して設けられた誘導コイル
に高周波電流を供給することにより、アルミニウム部材
の外側に形成されたステンレス層を発熱し、この熱を内
側のアルミニウム部材で容器全体に伝達しながら、容器
内の被炊飯物を加熱するようにしていた。しかし、誘導
コイルによって実際に有効に発熱されるステンレス層
は、誘導コイルに対向する一部分に限られ、それ以外の
部分は機能的に全くあるいは殆ど不要であるため、容器
自体の重量が不要なステンレス層によって増加し、使い
勝手が悪くなるという不具合を有していた。
【0003】このような不具合に対処する一手段とし
て、実開昭61−65692号公報には、発熱に必要な
容器たる煮炊具の底部にのみ、鉄などの磁性体層を溶射
コーティングしたものが開示されているが、炊飯器にお
ける容器の場合、磁性体層を底部にのみ設けると、炊飯
時の加熱量が少なくなり、かつ、容器内の水の対流によ
る熱伝達も遅くなるため、結果的に容器内の温度上昇の
差が大きくなって、ご飯の炊き上がりに大きなむらを生
じる。そこで、炊飯器用の電磁誘導加熱式容器において
は、誘導コイルに対向する容器本体の外側底部および側
部に鉄などの磁性体層を溶射形成し、底部のみならず側
部から容器を加熱することによって、炊飯時における発
熱量を増やし、かつ、側部からの発熱により容器内の水
の対流を促進させて、ご飯の炊き上がりのむらを小さく
するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術における
容器では、アルミニウム部材からなる容器本体と鉄から
なる磁性体層との熱膨張率が個々に異なるため、加熱時
アルミニウムの場合には圧縮応力,鉄の場合には引張応
力を生じる。こうした応力は、平坦状に形成された容器
の底部では容器本体が若干凸状に変形して緩和される
が、円弧状に形成された容器の底部から側部にかけての
部分は容易に変形し難い形状のため、この部分の周辺に
応力が集中し、磁性体層の剥離やクラックが発生しやす
い。また、前述の実開昭61−65692号公報には、
底板の変形を防止するための切割溝が煮炊具の底部に形
成されてはいるが、これでは最も熱による応力の集中し
やすい煮炊具の底部から側部にかけての磁性体層の剥離
やクラックの発生を防ぐことはできない。
【0005】そこで本発明は、容器全体にわたって熱的
な影響による磁性体層の剥離やクラックの発生を緩和す
ることのできる電磁誘導加熱式容器を提供することを目
的とする。
【0006】また本発明は、容器全体にわたって熱的な
影響による磁性体層の剥離やクラックの発生をなくすこ
とのできる電磁誘導加熱式容器を提供することを目的と
する。
【0007】また本発明は、加熱能力を極力維持しつ
つ、容器の全体にわたって熱的な影響による磁性体層の
剥離やクラックの発生を緩和することのできる電磁誘導
加熱式容器を提供することを目的とする。
【0008】また本発明は、容器本体と磁性体層との密
着強度を高めることの可能な電磁誘導加熱式容器を提供
することを目的とする。
【0009】また本発明は、外観性および清掃性を高め
ることのできる電磁誘導加熱式容器を提供することを目
的とする。
【0010】また本発明は、応力を特定箇所に集中させ
ることなく均等に緩和することが可能な電磁誘導加熱式
容器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、容器本体の底
部と側部に磁性体層を溶射形成した電磁誘導加熱式容器
において、前記容器本体と前記磁性体層との熱膨張差に
よる応力を緩和する応力緩和部を前記容器本体の底部か
ら側部の間に形成された曲面部に設けたものである。
【0012】前記応力緩和部は、前記磁性体層のない分
離部からなることが好ましい。また、前記応力緩和部は
前記磁性体層を他の部分よりも薄く形成した肉薄部から
なることが好ましい。また、前記応力緩和部は前記容器
本体に溝部を形成したものであることが好ましい。ま
た、前記応力緩和部は前記容器本体に凸部を形成したも
のであることが好ましい。また、前記応力緩和部は前記
曲面部に沿って円環状に設けられたものであることが好
ましい。また、前記応力緩和部は前記曲面部に直交して
放射状に設けられたものであることが好ましい。
【0013】
【作用】上記構成により、曲面部に特に集中する容器本
体と磁性体層との熱膨張差による応力を、この部分に設
けられた応力緩和部により緩和できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の各実施例を添付図面を参照し
て説明する。図1乃至図5は本発明の第1実施例を示す
ものであり、図1は後述する本発明の他の実施例にも共
通して用いられる炊飯器の全体構成を示している。この
図1において、1は上面を開口した器本体、2は器本体
1の内部に設けられた有底筒状をなす樹脂製の内枠であ
り、この内枠2の外側の側面下部と底部中心寄りに、誘
導コイル3がコイル支持枠4によって取付け固定され
る。5は内枠2の内部に形成された容器収容部であり、
この容器収容部5に有底筒状の容器6が挿脱自在に収容
される。容器6の温度は内枠2の側面下部に設けられた
温度センサ7によって検知され、この検出温度に基づき
制御ユニット8が誘導コイル3の通断電を制御して、容
器6を適性な温度に保つ。なお、9は器本体1および容
器6の上部開口を開閉自在に覆う蓋体である。
【0015】次に、容器6の構成を図2乃至図5をも含
めて詳述する。なお、これらの説明は、後述する各実施
例と共通するものである。11は熱伝導性の良好なアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金をプレス加工または鋳造
加工して得られた厚さ3mmの容器本体であり、この容
器本体11の側部12の下方および底部13に、前記器本体1
内の誘導コイル3に対向して鉄を溶射剤とした厚さ約1
mmの磁性体層14が溶射形成される。この磁性体層14
は、鉄のみならずニッケルあるいはステンレスなどの各
種磁性材料を用いてもよい。また、磁性体層14を溶射し
た部分は、非磁性体層たる容器本体11の外側に磁性体層
14が形成された構造を有している。15は容器本体11の内
側表面と、磁性体層14が溶射されていない部分の容器本
体11の外側表面とを覆う非粘着性のフッ素樹脂層であ
り、このフッ素樹脂層15により容器6の耐蝕性、清掃性
を向上させるようにしている。また、磁性体層14の外側
表面には、ポリエーテルサルフォン樹脂などを防錆層16
として塗布形成する。なお、この防錆層16はアルミニウ
ム,アルミニウム合金,アルミニウム酸化物あるいはそ
の他の耐蝕性材料を溶射してもよい。
【0016】容器6の母材となる容器本体11の厚さは、
この容器本体11をプレス加工により形成した場合には
1.5乃至3mm程度、アルミダイカストにより形成し
た場合には2乃至5mm程度であるが、溶射される磁性
体層14の厚さは、0.5乃至1.5mm程度であること
が好ましい。これは、磁性体層14の厚さが0.5mm未
満の場合、電磁誘導による発熱量が低下するためであ
る。図20は磁性体層14の厚さと効率との関係をグラフ
にしたものであり、従来の炊飯器における容器に用いら
れてきた厚さ1.55mmのアルミニウムと厚さ0.5
5mmのステンレスとのクラッド材で形成したものと、
厚さ3mmのアルミニウム製の容器本体11に厚さ1.0
mm,0.75mm,0.5mmの鉄を溶射して形成し
たものとの試験結果がそれぞれ示されている。また、同
図において、横軸は誘導コイル3に印加する電流の周波
数、縦軸は入力電力に対する誘導コイル3の高周波電力
出力の割合を効率として示している。この結果、磁性体
層14の厚さが0.75mmと1.0mmの場合には、ア
ルミニウムとステンレスとのクラッド材と略同等の効率
を得ることができるが、磁性体層14の厚さが0.5mm
になると、効率が低下することがわかる。但し、比較的
発熱量を多く必要としない電磁誘導加熱式の容器に対し
ては、磁性体層14の厚さが0.5mm未満のものでも、
実用上支障はない。また、容器本体11がアルミダイカス
トにより成形された場合、この容器本体11の厚さを均一
にせずとも加工できるため、熱伝達性を高めるために、
磁性体層14を溶射する部分を他の部分より厚く形成して
もよい。ここまでの説明が、以下に示す本発明の各実施
例に共通する容器6の構成である。
【0017】再度図2乃至図5に戻り、容器6に関しそ
の構成を説明する。なお、以下の説明は本実施例特有の
ものである。17は前記磁性体層14が部分的に存在しない
応力緩和部たる磁性体層14の分離部であり、この分離部
17は容器本体11の底部13から側部12の間に形成された円
弧状をなす曲面部18の略中央に沿って、底部13からみて
図3のように円環状に設けられている。また、分離部17
の表面には防錆層16が塗布形成されており、磁性体層14
の厚さ分が凹んでいる。なお、19は側部12の上端に形成
された円環状のフランジ部である。
【0018】上記構成において、炊飯器の誘導コイル3
に高周波電流を印加して、誘導加熱により器本体1に収
容された容器6の磁性体層14を発熱させると、熱は母材
たる容器本体11の非磁性体層に伝達され、容器本体11お
よび磁性体層14は共に加熱される。これら容器本体11と
磁性体層14とは異なる物質で形成されるため、それぞれ
の熱膨張率も異なり、例えば、本実施例のように容器本
体11を構成するアルミニウムは、磁性体層14を構成する
鉄よりも熱膨張係数が約2倍程度大きい。このため、容
器本体11と磁性体層14との熱膨張差により、磁性体層14
の溶射された部分に応力が発生する。しかしながら本実
施例では、最も応力の集中する部分、すなわち、底部13
から側部12にかけての曲面部18に、磁性体層14のない分
離部17が形成されているため、特に曲面部18周辺の容器
本体11と磁性体層14との熱膨張差による応力発生がなく
なる。つまり、分離部17は熱的な影響による応力を緩和
する応力緩和部として作用し、これにより、磁性体層14
の剥離やクラックを防ぐことができる。
【0019】以上のように、この第1実施例では、本発
明の請求項1に対応して、容器本体11と磁性体層14との
熱膨張差による応力を緩和する分離部17を容器本体11の
底部13から側部12の間に形成された曲面部18に設けたこ
とにより、曲面部18に特に集中する容器本体11と磁性体
層14との熱膨張差による応力を、この部分に設けられた
分離部17により緩和することができる。したがって、容
器6の全体にわたって熱的な影響による磁性体層14の剥
離やクラックの発生を防止することができる。また、本
実施例は、請求項2に対応して、応力緩和部が磁性体層
14のない分離部17からなるため、分離された各磁性体層
14は互いに応力による影響を受けずに済むことになる。
したがって、曲面部18における応力の集中はこの部分で
完全に遮断され、容器6の全体にわたり熱的な影響によ
る磁性体層14の剥離やクラックの発生をなくすことが可
能となる。さらに、本実施例は請求項6に対応して、応
力緩和部たる分離部17を曲面部18に沿って円環状に形成
しているため、応力を特定箇所に集中させることなく均
等に緩和することが可能となる。
【0020】次に、本発明の第2実施例を図6乃至図8
に基づき説明する。なお、この第2実施例における容器
6を収容する炊飯器の構成は、前述の図1と全く同一で
あり、その詳細な説明は省略する。また、前記第1実施
例の中で示した各実施例に共通する部分の詳細な説明も
省略する。本実施例は、図1において容器6の構成のみ
が異なるものである。
【0021】図6乃至図8において、18は容器本体11の
底部13から側部12の間に形成された円弧状をなす曲面部
であり、この曲面部18に沿って容器本体11に応力緩和部
を構成する円環状の溝部21が形成される。また、この溝
部21には容器本体11の表面に対し所定の傾斜角度を有す
る傾斜面22が両側に形成される。傾斜面22は、容器本体
11の表面積を極力大きくするためのものである。溝部21
の表面には磁性体層14が溶射形成されているが、この溝
部21の表面に溶射された磁性体層14は、他の部分、例え
ば側部12や底部13などの表面における磁性体層14よりも
薄い応力緩和部を構成する肉薄部23を形成している。本
実施例では、容器本体11に溝部21を形成し、この溝部21
に他の部分と同量の磁性体層14を溶射することによって
肉薄部23を形成しているが、溝部21を設けずに曲面部18
にそのまま磁性体層14を溶射した後、部分的に磁性体層
14を切削して肉薄部23を形成してもよい。肉薄部23を含
む磁性体層14の表面には、防錆層16が塗布形成される。
なお、19は側部12の上端に形成された円環状のフランジ
部である。
【0022】上記構成において、炊飯器の誘導コイル3
に高周波電流を印加して、誘導加熱により器本体1に収
容された容器6の磁性体層14を発熱させると、熱は母材
たる容器本体11の非磁性体層に伝達され、容器本体11お
よび磁性体層14は共に加熱される。このため、容器本体
11と磁性体層14との熱膨張差により、磁性体層14の溶射
された部分に応力が発生するが、曲面部18には他の部分
よりも磁性体層14の薄い肉薄部23が形成されるため、特
に曲面部18周辺の容器本体11と磁性体層14との熱膨張差
による応力発生が緩和される。
【0023】以上のように、第2実施例は、本発明の請
求項3に対応して、他の部分よりも磁性体層14を薄く形
成した肉薄部23により応力緩和部を構成したものである
から、磁性体層14は容器本体11の側部12下方および底部
13の全体に溶射される。したがって、磁性体層14の溶射
面積は応力緩和部のないものと同等であり、しかも、曲
面部18に特に集中する容器本体11と磁性体層14との熱膨
張差による応力を、この部分に設けられた肉薄部23によ
って緩和することができるため、容器6の加熱能力を極
力維持しつつ、容器6の全体にわたって熱的な影響によ
る磁性体層14の剥離やクラックの発生を緩和することが
可能となる。また、本実施例は、請求項4に対応して、
容器本体11に溝部21を形成して応力緩和部を構成したも
のであり、これによって母材たる容器本体11の表面積を
増やして、単に平面に磁性体層14を溶射した場合に比べ
て、容器本体11と磁性体層14との密着強度を高めること
ができる。この場合、溝部21の両側に傾斜面22を形成す
ることが好ましく、容器本体11の表面積を一層増やし
て、さらに容器本体11と磁性体層14との密着強度を高め
ることができる。さらに、この溝部21に他の部分と同量
の磁性体層14を溶射することによって、後で削り加工等
を行わずに、肉薄部23を簡単に形成することができる。
また、本実施例は、応力緩和部たる肉薄部23を曲面部18
に沿って円環状に形成しているため、応力を特定箇所に
集中させることなく均等に緩和することが可能となる。
【0024】次に、本発明の第3実施例および第4実施
例を、図9乃至図12および図13乃至図16に基づき
説明する。なお、この第3実施例および第4実施例にお
ける容器6を収容する炊飯器の構成は、前述の図1と全
く同一であり、その詳細な説明は省略する。また、前記
第1実施例の中で示した各実施例に共通する部分の詳細
な説明も省略する。本実施例は、図1において容器6の
構成のみが異なるものである。
【0025】図9乃至図12に示す第3実施例では、磁
性体層14が部分的に存在しない応力緩和部たる磁性体層
14の分離部17が複数設けられている。この分離部17は容
器本体11の底部13から側部12の間に形成された円弧状を
なす曲面部18に直交するように、約60゜間隔で設けら
れている。なお、19は側部12の上端に形成された円環状
のフランジ部である。
【0026】一方、図13乃至図16に示す第4実施例
では、容器本体11に応力緩和部を構成する溝部21が複数
形成される。この溝部21には、前記第2実施例と同様
に、容器本体11の表面に対し所定の傾斜角度を有する傾
斜面22が両側に形成される。溝部21の表面には、側部12
や底部13などの表面に溶射された磁性体層14よりも薄い
応力緩和部を構成する肉薄部23が形成される。この肉薄
部23は容器本体11の底部13から側部12の間に形成された
円弧状をなす曲面部18に直交するように、約60゜間隔
で設けられる。肉薄部23を含む磁性体層14の表面には、
防錆層16が塗布形成される。また、19は側部12の上端に
形成された円環状のフランジ部である。
【0027】これらの第3実施例および第4実施例で
は、誘導加熱により容器6の磁性体層14が発熱され、容
器本体11および磁性体層14が共に加熱されるようになる
と、容器本体11と磁性体層14との熱膨張差により、磁性
体層14の溶射された部分に応力が発生する。このとき、
応力の最も集中する曲面部18に分離部17あるいは肉薄部
23が形成されるため、特に曲面部18周辺の容器本体11と
磁性体層14との熱膨張差による応力発生が緩和される。
【0028】この第3実施例および第4実施例における
容器6は、請求項7に対応して、応力緩和部たる分離部
17あるいは肉薄部23が曲面部18に直交して放射状に設け
られているため、応力を特定箇所に集中させることなく
均等に緩和することが可能となる。
【0029】図17および図18は、本発明の第5実施
例および第6実施例を示すものである。これらの第5実
施例および第6実施例における容器6を収容する炊飯器
の構成は、前述の図1と全く同一であり、その詳細な説
明は省略する。また、前記第1実施例の中で示した各実
施例に共通する部分の詳細な説明も省略する。本実施例
は、図1において容器6の構成のみが異なるものであ
る。
【0030】図17における容器6は、容器本体11の曲
面部18に台形状の凸部25を突出形成し、この凸部25によ
り磁性体層14の分離部17を設けており、それ以外の構成
は前記第1実施例と同一である。また、図18における
容器6は、容器本体11の曲面部18に同じく台形状の凸部
26を突出形成し、この凸部26により磁性体層14の肉薄部
23を設けており、それ以外の構成は前記第2実施例と同
一である。磁性体層14を溶射した後、切削により磁性体
層14の表面を凸部25の頂部と同一高さに形成すれば、図
17に示す分離部17が得られ、磁性体層14の表面を凸部
26の頂部よりも若干高く形成すれば、図18に示す肉薄
部23が得られる。この場合、請求項5に対応して、容器
本体に凸部25,26を形成して応力緩和部を構成したもの
であり、分離部17および肉薄部23が他の部分と同一高さ
に形成されるため、容器6の外面に凹凸部がなく、外観
性および清掃性を高めつつ、容器6の全体にわたって熱
的な影響による磁性体層14の剥離やクラックの発生を緩
和することができる。
【0031】図19は本発明の第7実施例を示すもので
ある。この第7実施例に示す容器6において、応力緩和
部31が容器本体11の底部13から曲面部18に放射状かつ円
環状に複数設けられている点以外は、前述の第1実施例
あるいは第2実施例と全く同一の構成を有している。こ
の応力緩和部31は第1実施例に示す分離部17であっても
よく、また、第2実施例に示す肉薄部23であってもよ
い。放射状あるいは円環状の応力緩和部31を複数組み合
わせることによって、容器6の全体にわたって熱的な影
響による磁性体層14の剥離やクラックの発生を一層緩和
することができる。
【0032】図21および図22は上記各実施例におけ
る分離部17および肉薄部23の製造方法を示すものであ
る。41は鉄等の各種溶射材を放射状に吹き付ける移動可
能な溶射ガン、42はマスキング部材であり、溶射ガン41
を適宜移動させることにより、溶射ガン41から容器本体
11に均一量の磁性体層14が溶射されるようになってい
る。マスキング部材42は溶射ガン41と母材たる容器本体
11との間に設けられているが、このマスキング部材42と
容器本体11との隙間量を調節することにより、簡単に分
離部17あるいは肉薄部23を選択的に形成することができ
る。すなわち、図21に示すように、マスキング部材42
と容器本体11との隙間量を大きくすると、磁性体層14の
一部に肉薄部23が形成され、図22に示すように、マス
キング部材42と容器本体11との隙間量を小さくすると、
磁性体層14が全く溶射されない分離部17が形成される。
【0033】図23および図24は、本発明の他の変形
例を示すものである。図23に示す容器6は、平面状の
容器本体11の表面に磁性体層14の分離部17を形成したも
のであり、また、図24に示す容器6は、溝部21を形成
した一部凹状の容器本体11に磁性体層14の分離部17を形
成したものであるが、各磁性体層14の端部14Aがいずれ
も傾斜形成される点が注目される。すなわち、図23お
よび図24に示すように、分離部17を形成する際に、磁
性体層14の端部14Aを傾斜形成すると、この端部14Aに
おける応力集中を防ぐことができ、磁性体層14の剥離防
止に一層の効果がある。
【0034】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変
形実施が可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明は、請求項1に対応して、容器本
体の底部と側部に磁性体層を溶射形成した電磁誘導加熱
式容器において、前記容器本体と前記磁性体層との熱膨
張差による応力を緩和する応力緩和部を前記容器本体の
底部から側部の間に形成された曲面部に設けたものであ
り、容器全体にわたって熱的な影響による磁性体層の剥
離やクラックの発生を緩和することができる。
【0036】また本発明は、請求項2に対応して、前記
応力緩和部が前記磁性体層のない分離部からなるもので
あり、容器全体にわたって熱的な影響による磁性体層の
剥離やクラックの発生をなくすことができる。
【0037】また本発明は、請求項3に対応して、前記
応力緩和部が前記磁性体層を他の部分よりも薄く形成し
た肉薄部からなるものであり、加熱能力を極力維持しつ
つ、容器の全体にわたって熱的な影響による磁性体層の
剥離やクラックの発生を緩和することができる。
【0038】また本発明は、請求項4に対応して、前記
応力緩和部が前記容器本体に溝部を形成したものであ
り、容器本体と磁性体層との密着強度を高めることがで
きる。
【0039】また本発明は、請求項5に対応して、前記
応力緩和部が前記容器本体に凸部を形成したものであ
り、外観性および清掃性を高めることができる。
【0040】また本発明は、請求項6に対応して、前記
応力緩和部が前記曲面部に沿って円環状に設けられたも
のであり、応力を特定箇所に集中させることなく均等に
緩和することが可能となる。
【0041】また本発明は、請求項7に対応して、前記
応力緩和部が前記曲面部に直交して放射状に設けられた
ものであり、応力を特定箇所に集中させることなく均等
に緩和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例に適用される炊飯器の断面図
である。
【図2】本発明の第1実施例を示す容器の断面図であ
る。
【図3】図2の容器を底部から見た平面図である。
【図4】図2のA部拡大図である。
【図5】図2のB部拡大図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す容器の断面図であ
る。
【図7】図6の容器を底部から見た平面図である。
【図8】図6のC部拡大図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す容器の断面図であ
る。
【図10】図9の容器を底部から見た平面図である。
【図11】図9のD部拡大図である。
【図12】図10のF−F線断面図である。
【図13】本発明の第4実施例を示す容器の断面図であ
る。
【図14】図13の容器を底部から見た平面図である。
【図15】図13のE部拡大図である。
【図16】図14のG−G線断面図である。
【図17】本発明の第5実施例を示す要部の断面図であ
る。
【図18】本発明の第6実施例を示す要部の断面図であ
る。
【図19】本発明の第7実施例を示す容器を底部から見
た平面図である。
【図20】磁性体層の厚さと効率との関係を示すグラフ
である。
【図21】肉薄部の製造方法を示す概略説明図である。
【図22】分離部の製造方法を示す概略説明図である。
【図23】本発明の他の実施例を示す要部の断面図であ
る。
【図24】本発明の他の実施例を示す要部の断面図であ
る。
【符号の説明】
11 容器本体 12 側部 13 底部 14 磁性体層 17 分離部(応力緩和部) 18 曲面部 21 溝部(応力緩和部) 23 肉薄部(応力緩和部) 25,26 凸部 31 応力緩和部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体の底部と側部に磁性体層を溶射
    形成した電磁誘導加熱式容器において、前記容器本体と
    前記磁性体層との熱膨張差による応力を緩和する応力緩
    和部を前記容器本体の底部から側部の間に形成された曲
    面部に設けたことを特徴とする電磁誘導加熱式容器。
  2. 【請求項2】 前記応力緩和部は前記磁性体層のない分
    離部からなることを特徴とする請求項1に記載の電磁誘
    導加熱式容器。
  3. 【請求項3】 前記応力緩和部は前記磁性体層を他の部
    分よりも薄く形成した肉薄部からなることを特徴とする
    請求項1に記載の電磁誘導加熱式容器。
  4. 【請求項4】 前記応力緩和部は前記容器本体に溝部を
    形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の
    電磁誘導加熱式容器。
  5. 【請求項5】 前記応力緩和部は前記容器本体に凸部を
    形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の
    電磁誘導加熱式容器。
  6. 【請求項6】 前記応力緩和部は前記曲面部に沿って円
    環状に設けられたものであることを特徴とする請求項1
    に記載の電磁誘導加熱式容器。
  7. 【請求項7】 前記応力緩和部は前記曲面部に直交して
    放射状に設けられたものであることを特徴とする請求項
    1に記載の電磁誘導加熱式容器。
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