JP2003049950A - 往復運動用シール材 - Google Patents

往復運動用シール材

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JP2003049950A
JP2003049950A JP2001237872A JP2001237872A JP2003049950A JP 2003049950 A JP2003049950 A JP 2003049950A JP 2001237872 A JP2001237872 A JP 2001237872A JP 2001237872 A JP2001237872 A JP 2001237872A JP 2003049950 A JP2003049950 A JP 2003049950A
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JP
Japan
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fluororesin
tetrafluoroethylene
seal material
modified
modified fluororesin
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JP2001237872A
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English (en)
Inventor
Hiroo Kusano
広男 草野
Yasuaki Yamamoto
康彰 山本
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Publication date
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  • Sealing Devices (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑性および耐摩耗性を改善して寿命を向上
させることができる往復運動用シール材を提供する。 【解決手段】 ふっ素樹脂に電離性放射線を照射して得
られた改質ふっ素樹脂によって構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は往復運動する運動部
材に密着してガスや水、オイルなどの液体を密封する往
復運動用シール材に関し、特に、潤滑性および耐摩耗性
を改善して寿命を向上させた往復運動用シール材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】往復運動する運動部材に密着して液体の
密封を行う、従来の往復運動用シール材として、例え
ば、ふっ素樹脂としてテトラフルオロエチレン系重合体
(以下、PTFEという)に充填材を入れて構成される
ものがある。この往復運動用シール材によると、充填材
を入れることによって耐摩耗性を向上させることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の往復運
動用シール材によると、運動部材の摺動相手面が、例え
ば、Al等の軟質金属である場合、充填材が摺動相手面
を摩耗させ、この摩耗粉によって摩耗が生じ、その結
果、寿命が低下するという問題がある。一方、充填材を
入れないで構成した場合、耐摩耗性が低くなってしま
う。
【0004】従って、本発明の目的は潤滑性および耐摩
耗性を改善して寿命を向上させることができる往復運動
用シール材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を実
現するため、ふっ素樹脂に電離性放射線を照射して得ら
れた改質ふっ素樹脂によって構成することにより潤滑性
および耐摩耗性を改善した往復運動用シール材を提供す
るものである。
【0006】上記改質ふっ素樹脂は、酸素濃度100t
orr以下で、かつふっ素樹脂の融点以上の雰囲気下で
照射線量1kGy〜10MGyの範囲内で電離性放射線
を照射したものであり、これを単独、或いは1〜99重
量%の割合でふっ素樹脂あるいは他の樹脂に含有したも
のであることが望ましい。
【0007】上記改質ふっ素樹脂は、テトラフルオロエ
チレン系共重合体,テトラフルオロエチレン−パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体,又はテト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロイレン系共重
合体,テトラフルオロ−エチレン系共重合体,テトラフ
ルオロエチレン−エチレン系共重合体,あるいはこれら
の混合からなるものであることが望ましい。
【0008】上記改質ふっ素樹脂は、超高分子ポリエチ
レン,ポリエーテルエーテルケトン,あるいはゴムなど
のふっ素樹脂以外の高分子材料に添加されている構成が
望ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の往復運動用シール
材を詳細に説明する。
【0010】本発明の実施の形態の往復運動用シール材
は、ふっ素樹脂に電離性放射線を照射して得られた改質
ふっ素樹脂によって構成されている。
【0011】このふっ素樹脂としては、PTFE、テト
ラフルオロエチレンパーフルオロ(アルキルビニルエー
テル)系重合体(PFA)、あるいはテトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロピレン系重合体(FEP)が挙
げられる。
【0012】上記PTFEの中には、パーフルオロ(ア
ルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、
(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロト
リフルオロエチレン等の共重合性モノマーに基づく重合
単位を0.2モル%以下含有するものも含まれる。ま
た、共重合体形式のふっ素樹脂の場合、その分子構造の
中に少量の第3成分を含むことは有り得る。
【0013】この改質ふっ素樹脂は、酸素濃度100t
orr以下で且つその融点以上に加熱された状態で電離
性放射線を照射線量1kGy〜10MGyの範囲で照射
することにより製造したものを示す。ただし耐摩耗性、
クリープ特性、弾性特性からこのオイルシールに用いる
場合は10kGy以上が望ましい。
【0014】また電離性放射線の照射を行うに際して
は、ふっ素樹脂をその融点以上に加熱し、特に結晶融点
よりも10〜30℃高い範囲内に抑えることが望まし
い。例えば、ふっ素樹脂としてPTFEを使用を使用す
る場合には、この材料の結晶融点よりも高い330〜3
60℃に、PFAでは315〜345℃に、FEPでは
280〜310℃に樹脂を加熱した状態で電離性放射線
を照射することが望ましい。
【0015】雰囲気の酸素濃度を100torr以下と
したは、照射時に酸素が多量に存在すると架橋が抑制
し、分解が進んでしまうため、極力少なくすることが望
ましく、好ましくは10torr以下が望ましい。
【0016】上記条件で作製する改質ふっ素樹脂は、架
橋反応により融点が低下していく。ただし、酸素の存在
量や照射線量、照射温度により架橋反応を阻害し、十分
な反応が起こらない場合があり、前述の耐摩耗性、耐ク
リープ性、弾性を実現するためには融点が2℃以上降下
したものが必要であり、製品の裕度を考慮すると5℃以
下降下したものが望ましい。また、他樹脂、充填材の添
加などについては、前述した通り、汚染、相手金属の損
傷、クリープ特性、摩擦係数から極力添加しないことが
望ましいか、その環境、用途に応じて添加しても良い。
【0017】ここで、上記改質ふっ素樹脂の改質PTF
Eのクリープ性、耐摩耗性について図1および図2に示
した。
【0018】図1は従来のふっ素樹脂と改質ふっ素樹脂
をASTMD621に準拠した方法で200℃時クリー
プを評価した結果である。これから従来のクリープ性を
改善した変性PTFEよりも、高温時でも耐クリープ性
を保持していることが分かる。
【0019】また、図2はスラスト型摩擦摩耗試験装置
を使用し、JISK7218に準拠し、ステンレスの円
筒状リング(外径25.6mm,内径20.6mm)に
サンプルをリング状に接着し、それぞれのサンプルに対
し4kg/cm2の圧力を加え、円盤状相手材(アル
ミ)に対し、速度125m/minの条件のもとに行っ
た。その摩耗量から比摩耗量を算出した結果である。こ
れから相手材が軟質の金属であるアルミ材でも耐摩耗性
を保持し、従来材料と比較しても著しく向上しているこ
とが分かる。
【0020】次に、改質ふっ素樹脂(PTFE)および
従来材料についてシールエレメントのみを替え、評価を
行った。
【0021】図3は評価試験の様子を示す。この図にお
いて、回転軸1の外周にエレメント2が配置されるよう
に、エレメント2およびゴムパッキン4を内側メタル5
と外側メタル6で挟持した状態でハウジング7内に圧入
し、エレメント2の外周にエレメント2を回転軸1に押
し付けるスプリング3を配置し、以下の(1)〜(7)
の試験条件に基づき回転軸1を回転させたときのエレメ
ント2の摩耗深さ、オイル漏れ、および電流値を調べ
た。エレメント2には改質ふっ素樹脂と、比較のために
純PTFE、ガラス繊維20%含有強化PTFE、およ
びゴム材を用いた。 (1)往復距離:30cm (2)往復速度:10s/1回 (3)シャフト:S45C (4)粗さ:0.8S (5)密封圧力:2kg/cm2 (6)密封オイル:ATFオイル (7)評価時間:100h
【0022】表1は実験結果を示す。表1から分かるよ
うに、改質ふっ素樹脂は従来のエレメント材質のPTF
Eにくらべ耐久性、シール性が向上しているだけでな
く、ゴム、超高分子ポリエチレンと比較し、耐久性、低
摩擦係数が高い。
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の往復運動用
シール材によると、ふっ素樹脂に電離性放射線を照射し
て得られた改質ふっ素樹脂によって構成したため、潤滑
性および耐摩耗性を改善して寿命を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における改質ふっ素樹脂と
従来の樹脂のクリープ性を検討した結果を示すグラフ。
【図2】本発明の実施の形態における改質ふっ素樹脂と
従来の樹脂の摩耗特性を検討した結果を示すグラフ。
【図3】本発明の実施の形態における改質ふっ素樹脂と
従来の樹脂の耐久性および摩耗係数を試験した時の様子
を示す説明図。
【符号の説明】
1 回転軸 2 エレメント 3 スプリング 4 ゴムパッキン 5 内側メタル 6 外側メタル 7 ハウジング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/10 C08L 71/10 Fターム(参考) 3J043 AA11 CB14 DA02 4F070 AA24 HA04 HB14 4J002 AC00X BB03X BD15W CH09X GJ02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ふっ素樹脂に電離性放射線を照射して得
    られた改質ふっ素樹脂によって構成することにより潤滑
    性および耐摩耗性を改善したことを特徴とする往復運動
    用シール材。
  2. 【請求項2】 前記改質ふっ素樹脂は、酸素濃度100
    torr以下で、かつ前記ふっ素樹脂の融点以上の雰囲
    気下で照射線量1kGy〜10MGyの範囲内で電離性
    放射線を照射したものであり、これを単独、或いは1〜
    99重量%の割合でふっ素樹脂あるいは他の樹脂に含有
    したものである請求項1記載の往復運動用シール材。
  3. 【請求項3】 前記改質ふっ素樹脂は、テトラフルオロ
    エチレン系共重合体,テトラフルオロエチレン−パーフ
    ルオロ(アルキルビニルエーテル)系共重合体,又はテ
    トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロイレン系共
    重合体,テトラフルオロ−エチレン系共重合体,テトラ
    フルオロエチレン−エチレン系共重合体,あるいはこれ
    らの混合からなるものである請求項1,あるいは2記載
    の往復運動用シール材。
  4. 【請求項4】 前記改質ふっ素樹脂は、超高分子ポリエ
    チレン,ポリエーテルエーテルケトン,あるいはゴムな
    どのふっ素樹脂以外の高分子材料に添加されている構成
    の請求項1,2,あるいは3記載の往復運動用シール
    材。
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