JP6934745B2 - 摺動部品及び摺動部品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、摺動部品及び摺動部品の製造方法に関する。
フッ素樹脂に対し、特定条件のもとで電離放射線を照射することにより形成される架橋フッ素樹脂は、耐摩耗性、耐薬品性、基材との密着性等に優れることから、産業機械分野の摺動部品に幅広く利用されている。例えば自動車用エンジン及び他の産業機械エンジンの軸受、自動車分野の駆動部品、ピストンパッキン等に用いられている。
上記架橋フッ素樹脂を用いた摺動部材として、基材との密着面に非架橋フッ素樹脂層を有し、摺動面近傍に架橋フッ素樹脂層を有する摺動部材が提案されている(特開2017−32141号公報参照)。また、摺動面から基材面までの間に架橋フッ素樹脂層を有する摺動部材も提案されている(特開2017−32142号公報参照)。ここで、本願に係る出願人の特許発明により得られる架橋フッ素樹脂層は、従来の架橋フッ素樹脂層と比べ耐摩耗性や伸長性に顕著に優れており、基材との密着性も良好である(特許第5303769号参照)。
特開2017−32141号公報 特開2017−32142号公報 特許第5303769号公報
しかしながら、架橋フッ素樹脂層をそのまま積層した摺動部品では、使用初期における馴染み性(以下、「初期馴染み性」ともいう。)が悪いため、架橋フッ素樹脂層の剥離や、相手材の急激な摩耗を引き起こすおそれがある。この初期馴染み性が悪い原因は主として、架橋フッ素樹脂層の表面硬度が高いこと及び使用初期の表面粗さが改善しないことにある。一般的には、摺動部品の表面粗さは使用前に最も大きく、使用に伴って小さくなることで改善される。これは、摺動過程での相手材との摩耗によりその摺動面が平滑化されてその面精度が向上するためである。
ところが、架橋フッ素樹脂層を積層した摺動部品では、架橋フッ素樹脂層の使用前のその表面粗さの大きいことと、架橋フッ素樹脂層の耐摩耗性が高いために、界面が平滑化しないことの相加効果により、使用初期においてその摺動面と相手材との動摩擦係数が上昇したままで、馴染みが生じないことにより摩擦係数が低下しない。その結果、架橋フッ素樹脂層は摩耗による表面粗さの改善の前に剥離や相手材の急激な摩耗を引き起こす。また、別部品と嵌合する場合においても、削れにくいため嵌合が困難な場合がある。
このような剥離や相手材の急激な摩耗を防ぎ、通常の摺動部品として要求される、界面の平面平滑性や嵌合性を確保し、摺動部品及びその相手材の製品寿命を延ばすためには、架橋フッ素樹脂層の動摩擦係数を低減させてその初期馴染み性を向上させることが必要である。その具体的な方法として、基材に積層した架橋フッ素樹脂層に研磨等の表面処理を行うことで、あらかじめその表面粗さを小さくして面精度を向上させる方法がある。しかし、この表面処理では時間と手間がかかるために、省コスト化のために新たな方法が求められている。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、使用初期の動摩擦係数の低減により初期馴染み性に優れる摺動部品、及びこのような摺動部品の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る摺動部品は、基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品であって、上記フッ素樹脂層が、架橋度の低い馴染み層を含む。
上記課題を解決するためになされた本発明の別の一態様に係る摺動部品の製造方法は、基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品の製造方法であって、基材にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで架橋フッ素樹脂層を形成する工程と、この架橋フッ素樹脂層の少なくとも一部に酸素雰囲気又は非溶融状態で電離放射線を照射することで、架橋度の低い馴染み層を有するフッ素樹脂層を形成する工程とを備える。
上記課題を解決するためになされた本発明のさらに別の一態様に係る摺動部品の製造方法は、基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品の製造方法であって、基材にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで架橋フッ素樹脂層を形成する工程と、この架橋フッ素樹脂層に架橋度の低い馴染み層を積層することで、架橋度の低い馴染み層を有するフッ素樹脂層を形成する工程とを備える。
本発明は、初期馴染み性に優れる摺動部品、及びこのような摺動部品の製造方法を提供することができる。
図1は、第1実施形態の摺動部品を説明するための模式断面図である。 図2は、図1の摺動部品の製造方法において第1形成工程後の状態を説明するための模式的断面図である。 図3は、第2実施形態の摺動部品を説明するための模式断面図である。 図4は、図2の摺動部品の製造方法において第1形成工程後の状態を説明するための模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る摺動部品は、基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品であって、上記フッ素樹脂層が、架橋度の低い馴染み層を含む。
当該摺動部品は、フッ素樹脂層の架橋度が低い馴染み層により、使用初期の相手材との動摩擦係数が低減される。この結果、当該摺動部品は優れた初期馴染み性を示すことができる。
上記馴染み層の架橋度が、この馴染み層の表面から厚さ方向に漸増していることが好ましい。このような架橋度の漸増により、馴染み層の硬度はその表面が相対的に低くなってその厚さ方向に徐々に増加する。この結果、フッ素樹脂層は耐摩耗性を保持しつつ相手材との動摩擦係数が低減され、当該摺動部品は優れた初期馴染み性を示すことができる。ここで動摩擦係数が低減される理由は、馴染み層に含まれる架橋フッ素樹脂の主鎖が切断されることで馴染み層の硬度が低下して軟質化し、相手材への面圧が下がるためと考えられる。
上記馴染み層が、非架橋フッ素樹脂層であることが好ましい。このように馴染み層が非架橋フッ素樹脂層であることにより、使用初期における相手材との動摩擦係数が低減され、当該摺動部品は優れた初期馴染み性を示すことができる。ここで動摩擦係数が低減される理由は、馴染み層に含まれる非架橋フッ素樹脂が使用初期の摩耗により相手材へと移行し、当該摺動部品の摺動面と相手材との潤滑性を高めるためと推測される。
上記基材が、金属基材であることが好ましい。このように金属基材を用いることにより優れた加工性、伝熱性等に加えて、優れた初期馴染み性を示す当該摺動部品を得ることができる。
本発明の別の一態様に係る摺動部品の製造方法は、基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品の製造方法であって、基材にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで架橋フッ素樹脂層を形成する工程と、この架橋フッ素樹脂層の少なくとも一部に酸素雰囲気又は非溶融状態で電離放射線を照射することで、架橋度の低い馴染み層を有するフッ素樹脂層を形成する工程とを備える。
当該摺動部品の製造方法は、基材に積層したフッ素樹脂を主成分とする材料に電離放射線を照射した後、形成された架橋フッ素樹脂層に、酸素雰囲気又は非溶融状態のもとで再び電離放射線を照射することにより、馴染み層における架橋度が、この馴染み層の表面から厚さ方向に漸増している馴染み層を形成することができる。従って、当該摺動部品の製造方法は、耐摩耗性を保持しつつも優れた初期馴染み性を示す当該摺動部品を製造することができる。
上記酸素雰囲気又は非溶融状態で照射する電離放射線の加速電圧は、0.3MeV以上1.0MeV以下が好ましい。このように電離放射線の加速電圧が上記範囲内とすることにより、馴染み層はその架橋度がその表面から厚さ方向に漸増することを示しつつも、顕著な耐摩耗性を保持することができる。従って、当該摺動部品の製造方法は、顕著な耐摩耗性と優れた初期馴染み性を示す当該摺動部品を製造することができる。
本発明のさらに別の一態様に係る摺動部品の製造方法は、基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品の製造方法であって、基材にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで架橋フッ素樹脂層を形成する工程と、この架橋フッ素樹脂層に架橋度の低い馴染み層を積層することで、架橋度の低い馴染み層を有するフッ素樹脂層を形成する工程とを備える。
当該摺動部品の製造方法は、基材に積層したフッ素樹脂を主成分とする材料に電離放射線を照射した後、形成された架橋フッ素樹脂層に、非架橋フッ素樹脂を積層することにより、馴染み層である非架橋フッ素樹脂層を形成することができる。従って、当該摺動部品の製造方法は、優れた初期馴染み性を示す当該摺動部品を製造することができる。
ここで、「主成分」とは、質量基準で最も含有量の多い成分を意味し、好ましくは50質量%以上含まれる成分を意味する。また、「架橋度」とは、フッ素樹脂における三次元架橋構造の含有量を意味する。例えば架橋による三次元架橋構造を形成している場合は、その架橋度は高くなり、逆に未架橋フッ素樹脂である場合や、架橋フッ素樹脂の主鎖が切断されて三次元架橋構造が破壊される場合は、その架橋度は低くなる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係る摺動部品及び摺動部品の製造方法について詳説する。
<摺動部品>
当該摺動部品は、基材及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品であって、上記フッ素樹脂層が架橋度の低い馴染み層を含む。
上記基材の材質としては、後述するフッ素樹脂の溶融状態における熱安定性を示す材質を用いることができる。例えばアルミニウム、鉄、銅、ステンレス等の金属;
酸化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タングステン等のセラミックス;
フッ素ゴム、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマー等のゴム材料;
ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の耐熱性樹脂などが挙げられる。
とりわけ上記基材の材質には、加工性、伝熱性等の観点から金属が好ましい。さらに、金属には合金を用いることもでき、加工性、軽量性、低コスト性等の観点から、アルミニウム、アルミニウム合金、JIS−3003、3004、3005のMnを含んだアルミニウム合金が好ましい。
上記フッ素樹脂は、未架橋フッ素樹脂と架橋フッ素樹脂をともに含む。
上記フッ素樹脂とは、高分子鎖の繰り返し単位を構成する炭素原子に結合する水素原子の少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ素原子を有する有機基(以下、「フッ素原子含有基」ともいう)で置換されたものを意味する。フッ素原子含有基は、直鎖状、分岐状又は環状の有機基中の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子で置換されたものであり、例えばフルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、フルオロポリエーテル基等が挙げられる。
「フルオロアルキル基」とは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を意味し、例えばパーフルオロアルキル基等が挙げられる。具体的なフルオロアルキル基としては、例えばアルキル基の全ての水素原子がフッ素原子で置換された基、アルキル基の末端の1つの水素原子以外の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基等が挙げられる。
「フルオロアルコキシ基」とは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルコキシ基を意味し、例えばパーフルオロアルコキシ基等が挙げられる。具体的なフルオロアルコキシ基としては、例えばアルコキシ基の全ての水素原子がフッ素原子で置換された基、アルコキシ基の末端の1つの水素原子以外の全ての水素原子がフッ素原子に置換された基等が挙げられる。
「フルオロポリエーテル基」とは、繰り返し単位としてオキシアルキレン単位を有し、末端にアルキル基又は水素原子を有する1価の基であって、このアルキレンオキシド鎖又は末端のアルキル基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基を意味する。例えば繰り返し単位として複数のパーフルオロアルキレンオキシド鎖を有するパーフルオロポリエーテル基等が挙げられる。
上記フッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)又はこれらの混合物が挙げられる。溶融成形性の観点からFEPまたはPFA単独が好ましく、優れた耐摩耗性の観点からPTFE単独が好ましい。
上記フッ素樹脂層に含まれる架橋フッ素樹脂の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。この架橋フッ素の含有量は99質量%であってもよい。この含有量を上記下限以上とすることで、フッ素樹脂層は顕著な耐摩耗性を示すことができる。逆にこの含有量が上記下限未満とすると、フッ素樹脂層に含まれる架橋フッ素樹脂量が不十分となり、フッ素樹脂層は顕著な耐摩耗性を示せないおそれがある。
上記フッ素樹脂層の平均厚さの下限としては、1μmであり、3μmが好ましく、4μmがさらに好ましく、5μmが特に好ましい。一方、上記フッ素樹脂層の平均厚さの上限としては、150μmであり、70μmが好ましく、50μmがさらに好ましく、30μmが特に好ましい。この平均厚さを上記範囲内とすることで、フッ素樹脂層は優れた耐摩耗性を示すことができる。上記フッ素樹脂層の平均厚さが上記下限未満とすると、フッ素樹脂層の耐摩耗性が不十分となるおそれがあり、逆に上記フッ素樹脂層の平均厚さが上記上限を超えると、フッ素樹脂層にクラックや剥離が生じるおそれがある。
上記フッ素樹脂層は、架橋フッ素樹脂以外の添加剤を含むことができる。例えば有機充填剤、無機充填剤、着色剤、可塑剤、安定剤、熱伝導性フィラー、樹脂繊維等が挙げられる。ここでフッ素樹脂層に高い耐摩耗性を要求する場合は、添加剤を含まないことが好ましい。
上記フッ素樹脂層は、基材の外面の少なくとも一部に形成されていればよく、その外面の全面に形成されてもよい。
上記架橋度は、馴染み層の表面の少なくとも一部において低くなればよい。これにより、馴染み層と相手材との動摩擦係数を低減して優れた初期馴染み性を示すことができる。以下、馴染み層の実施形態について詳説する。
<摺動部品の第1実施形態>
第1実施形態の摺動部品について図1を参酌しつつ以下説明する。この摺動部品1は、平板状の基材2と、基材2の表面に積層されるフッ素樹脂層3とを有している。フッ素樹脂層3は、最表面に馴染み層5を有している。この馴染み層5の最表面が摺動面として用いられる。また、馴染み層5は、この馴染み層5よりも基材2側のフッ素樹脂層3の内側層4に比べて架橋度が低い。この馴染み層5は、その架橋度がこの馴染み層5の表面から厚さ方向に漸増している。馴染み層5は、後述するように一度架橋された架橋フッ素樹脂層に表面側から電離放射線を照射することで架橋が切断され、架橋度が厚方向に漸増している。なお、図1は、当該摺動部品1を模式的に説明する断面図であり、馴染み層5における黒点は架橋が切断された状態を模式的に示している。
上記架橋度は、馴染み層5の表面で最も低いことが好ましい。このように馴染み層5の表面を最も低い架橋度とすることにより、その硬度が最も低くなって相手材との面圧をより低下させることができる。この結果として、動摩擦係数が効果的に低減されて初期馴染み性をさらに向上させることができる。
<摺動部品の第1実施形態の製造方法>
次に、第1実施形態における当該摺動部品1の製造方法について図1及び図2を参酌しつつ説明する。当該摺動部品1の製造方法は、基材2、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層3を備える摺動部品1の製造方法であって、基材2にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで、図2に示すように架橋フッ素樹脂層7を形成する工程(第1形成工程)と、この架橋フッ素樹脂層7の少なくとも一部に酸素雰囲気又は非溶融状態で電離放射線を照射することで、架橋度の低い馴染み層5を有するフッ素樹脂層3を形成する工程(第2形成工程)とを備える。
上記第1形成工程は、基材2にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層して、この材料に無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線の照射により、架橋フッ素樹脂層7を形成する工程である(図2参照)。上記積層方法としては、特に限定されないが、例えば水系媒体中にフッ素樹脂粒子がコロイド状に分散したフッ素樹脂ディスパージョンを塗工する方法や、粉体のフッ素樹脂による塗工方法が挙げられる。
上記無酸素雰囲気は、具体的には酸素濃度の上限が100ppmであり、10ppmが好ましい。酸素濃度を上記上限以下とすることで、未架橋フッ素樹脂を効率的に架橋させることができる。逆に酸素濃度が100ppmを超えると、架橋反応よりもフッ素樹脂の主鎖の切断が優先して生じるおそれがある。また上記酸素濃度の下限としては、例えば0.1ppmが挙げられる。
上記酸素濃度を実現する方法としては、例えば密閉した照射領域から真空間引きした後、窒素ガス等の不活性ガスを流す方法が挙げられる。
上記溶融状態の温度は、フッ素樹脂の融点よりも高い温度である。具体的にはフッ素樹脂の融点より0℃以上30℃未満の高い温度が好ましい。逆にフッ素樹脂の融点よりも30℃以上に加熱すると、フッ素樹脂の熱分解が生じるおそれがある。
上記フッ素樹脂の融点とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温速度で昇温したときに融解ピークとして検出される結晶融点を意味する。例えばPTFEの融点は327℃、PFAは310℃である。また2種以上のフッ素樹脂を混合して用いる場合は、それらフッ素樹脂のうち最も高い融点である。
上記電離放射線は、例えばγ線、電子線、X線、中性子線、高エネルギーイオン線等が挙げられる。架橋効率や照射装置の操作性の観点から、電子線が好ましい。
上記電離放射線の照射線量の下限としては、0.01kGyが好ましく、1kGyがより好ましい。一方、上記電離放射線の照射線量の上限としては、1000kGyが好ましく、500kGyがより好ましい。照射線量を上記範囲内とすることにより十分量のフッ素樹脂が架橋され、架橋フッ素樹脂層は優れた耐摩耗性を示すことができる。この照射線量が上記下限未満であると架橋されるフッ素樹脂量が不十分となって、架橋フッ素樹脂層は優れた耐摩耗性を示さないおそれがある。逆にこの照射線量が上記上限を超えると、過剰な架橋により架橋フッ素樹脂層はその伸長性が損なわれてクラックを生じるおそれがある。
上記第2形成工程は、第1形成工程によって形成された架橋フッ素樹脂層7の少なくとも一部に酸素雰囲気又は非溶融状態で電離放射線を照射することで、架橋度の低い馴染み層5を有するフッ素樹脂層3を形成する工程である(図1参照)。上述した未架橋フッ素樹脂を架橋させる条件とは異なる条件のもと、電離放射線を照射することにより架橋フッ素樹脂の主鎖が切断されて架橋度を低い馴染み層5が形成され、同時にこの馴染み層5の架橋度がその表面から厚さ方向に漸増する構造が得られる。なお、第2形成工程における電離放射線の照射は、酸素雰囲気且つ非溶融状態で行うことが可能である。
上記酸素雰囲気は、具体的には酸素濃度の下限が100ppmであることが好ましい。例えば空気中の酸素濃度下でもよい。酸素濃度を上記下限以上とすることで、酸素と電離放射線の照射で生じたラジカルが反応して酸化反応が起こり、架橋フッ素樹脂の主鎖が切断される。その結果、三次元架橋構造が破壊されて架橋度を低下させることができる。
上記非溶融状態の温度は、フッ素樹脂をその融点より60℃未満の温度である。例えばこのような電離放射線の照射を常温(20℃〜25℃)で行うことができる。
上記第2形成工程における電離放射線は、上述した電離放射線を用いることができる。
上記電離放射線の加速電圧の下限としては、0.3MeVが好ましい。一方、この電離放射線の加速電圧の上限としては、1.0MeVが好ましい。この電離放射線の加速電圧の上記範囲内とすることで、好適な架橋度の漸増を示しつつ優れた耐摩耗性を有する馴染み層を形成することができる。この電離放射線の加速電圧が上記下限未満であると、馴染み層の表面から厚さ方向への電離放射線の透過が不十分となって有意な架橋度の漸増ができないおそれがある。逆にこの電離放射線の加速電圧が上記上限を超えると、その厚さ方向への電離放射線の透過が過度となって、フッ素樹脂層の架橋度が全体的に低下し、フッ素樹脂層の耐摩耗性を著しく損なうおそれがある。
上記電離放射線の照射線量の下限としては、12.5kGyが好ましい。一方、この電離放射線の照射線量の上限としては、300kGyが好ましい。この電離放射線の照射線量を上記範囲内とすることで、馴染み層の表面硬度が低下して優れた初期馴染み性を示すことができる。この電離放射線の照射線量が上記下限未満であると、架橋フッ素樹脂の主鎖を十分に切断できないことから、その表面硬度が十分に低下せず初期馴染み性が向上しないおそれがある。逆にこの電離放射線の照射線量が上記上限を超えると、架橋フッ素樹脂の主鎖を過度に切断し、その表面硬度が大きく低下してフッ素樹脂層の耐摩耗性を著しく損なうおそれがある。
<摺動部品の第2実施形態>
第2実施形態の摺動部品について図3を参酌しつつ以下説明する。この摺動部品11は、第1実施形態と同様に、基材12と、基材12の表面に積層されるフッ素樹脂層13を有している。フッ素樹脂層13は、表面側に馴染み層15を有している。馴染み層15は、この馴染み層15よりもフッ素樹脂層13の基材12側の本体層14に比べて架橋度が低い。つまり、フッ素樹脂層13は、基材12側の本体層14と、この本体層14の表面に積層される馴染み層15とを有している。
上記馴染み層15は、非架橋フッ素樹脂層から構成されている。上記非架橋フッ素樹脂層とは、非架橋フッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を意味する。
上記非架橋フッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)又はこれらの混合物が挙げられる。
上記非架橋フッ素樹脂の種類は、フッ素樹脂層に含まれる架橋フッ素樹脂の種類と同一であることが好ましい。これにより馴染み層とフッ素樹脂層との密着性がより好適となり、優れた馴染み層を形成することができる。
上記非架橋フッ素樹脂層とフッ素樹脂層との剥離強度の下限としては、10N/cmが好ましい。この剥離強度を上記下限以上とすることで、馴染み層におけるフッ素樹脂の相手材への移行量がより増加すると考えられ、馴染み層と相手材との潤滑性を良好にすることができる。逆にこの剥離強度が上記下限未満とすると、フッ素樹脂の相手材への移行量が不十分となる可能性があり、馴染み層と相手材との潤滑性が向上しないおそれがある。なお、剥離強度とは、JIS−K−6854−2(1999年)の「接着剤―剥離接着強さ試験方法―第2部:180度剥離」に準拠する試験方法により得られる剥離強度を意味する。
<摺動部品の第2実施形態の製造方法>
次に、第2実施形態における当該摺動部品11の製造方法について図3及び図4を参酌しつつ説明する。当該摺動部品11の製造方法は、基材12、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層13を備える摺動部品11の製造方法であって、基材12にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで、図4に示すように架橋フッ素樹脂層14(本体層14)を形成する工程(第1形成工程)と、この架橋フッ素樹脂層14に架橋度の低い馴染み層15を積層することで、架橋度の低い馴染み層15を有するフッ素樹脂層13を形成する(第3形成工程)工程とを備える。
上記第1形成工程は、すでに上述した工程により行うことができる。
上記第3形成工程は、架橋フッ素樹脂層14(本体層14)に非架橋フッ素樹脂を積層する工程である。積層方法については特に限定されないが、例えば上述した水系媒体中にフッ素樹脂粒子がコロイド状に分散したフッ素樹脂ディスパージョンを塗工する方法や、粉体のフッ素樹脂による塗工方法が挙げられる。
<その他の実施形態>
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更に含まれることが意図される。
当該摺動部品の製造に際し、フッ素樹脂を主成分とする材料からフッ素樹脂層を形成する工程の前に、基材とフッ素樹脂層との密着性を高める観点から基材に表面処理を行ってもよい。例えば化学的又は電気化学的エッチング処理、サンドブラスト処理等が挙げられる。また、耐熱性が要求されない限りにおいて、表面処理に代えてプライマー層を形成してもよい。
当該摺動部品がシートやロール等である場合において、基材に積層されるフッ素樹脂層の形状はシート状であってもよい。またその形状は特に限定されない。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験例1>
厚さ2mmのアルミニウム合金板(A3003)の片面に電解エッチングを行った後、PFAを平均膜厚40μmで塗工して、20分間の360℃加熱処理により焼成した。次いで、このアルミニウム合金板に320℃、酸素濃度10ppm以下の無酸素雰囲気下において、加速電圧1.0MeV、照射線量300kGyで電子線を照射し、アルミニウム合金板上のPFAを架橋させた。これにより、架橋フッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品を得た。さらに、このフッ素樹脂層にPFAを平均膜厚40μmで塗工して、20分間の360℃加熱処理により焼成した。これにより、馴染み層として非架橋フッ素樹脂層を備えた試験例1の摺動部品を得た。
<試験例2>
架橋フッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品の作成までは試験例1を同様にして、さらに、この摺動部品に常温(20℃〜25℃)、酸素雰囲気下において、加速電圧0.3MeV、照射線量12.5kGyで電子線を照射した。これにより、フッ素樹脂層に含まれる馴染み層がその表面から厚さ方向に漸増している試験例2の摺動部品を得た。
<試験例3>
電子線の照射の際の加速電圧を1.0MeVに変更した以外は、試験例2と同様にして試験例3の摺動部品を得た。
<試験例4>
電子線の照射の際の照射線量を300kGyに変更した以外は、試験例3と同様にして試験例4の摺動部品を得た。
<試験例5>
試験例1において、基材にPFAを塗工して焼成する工程で留めることにより、非架橋フッ素樹脂層を有する試験例5の摺動部品を得た。
<試験例6>
試験例5において、さらに加速電圧1.0MeV、照射線量300kGyで電子線を照射する工程を行ってPFAを架橋することにより、架橋フッ素樹脂層を有する試験例6の摺動部品を得た。
[評価]
(引っかき硬度)
得られた各試験例の摺動部品について、JIS−K−5600−5−4(1999年)の「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)」に基づき、引っかき硬度を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
(限界PV値及び動摩擦係数)
得られた各試験例について、JIS−K−7218(1986年)の「プラスチックの滑り摩耗試験方法」に準拠し、スラスト摩耗試験(リングオンディスク式摩耗評価)に基づき、耐摩耗性を評価した。具体的には、試験サンプル上に金属の円筒(外形/内径=11.5/7.4のS45C円筒)を載せ、所定の荷重(面圧P)を加えた状態で、試験サンプルを所定の速度(回転速度V)で回転させた。ドライの潤滑条件下で、一定の回転速度V=1800rpmのもと、面圧Pを増加させていくことにより、限界PV値(急激な摩耗によりサンプルが破壊される直前のPV値)を測定した。また、円筒に生じる反動トルクにより動摩擦係数を測定した。これらの測定結果を表1に示す。
Figure 0006934745
表1に示すように、試験例5と試験例6の結果は、PFAを架橋することで耐摩耗性の指標である限界PV値は顕著に増加するものの、動摩擦係数も増加して初期馴染み性が悪化したことを示している。しかし、架橋PFAであっても馴染み層を備えた試験例1から試験例4は、いずれも動摩擦係数が試験例5と同程度にまで低減されており、この結果は初期馴染み性が向上したことを示している。特に、試験例1及び試験例2は、優れた初期馴染み性を有しつつも優れた耐摩耗性を保持していたことを示している。また、馴染み層の架橋度に漸増がある試験例2から試験例4は、引っかき硬度の顕著な低下と耐摩耗性の低減が確認された。このことは、電子線の加速電圧や照射線量を変更することで、摺動部品の用途に応じた所望の硬度や耐摩耗性を得ることができることを示唆している。
以上のように、本発明の摺動部品は、顕著な耐摩耗性を有しつつも優れた初期馴染み性を示す。このため、本発明の摺動部品は、軸受、パッキン、ロール、シート等で高い摩耗性と良好な初期馴染み性が要求される幅広い分野で好適に用いることができる。
1 摺動部品
2 基材
3 フッ素樹脂層
4 内側層
5 馴染み層
7 架橋フッ素樹脂層
11 摺動部品
12 基材
13 フッ素樹脂層
14 本体層
15 馴染み層

Claims (6)

  1. 基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品であって、
    上記フッ素樹脂層が、上記基材側に架橋フッ素樹脂層を含み、表面側に馴染み層を含み、
    上記馴染み層の架橋度が上記架橋フッ素樹脂層よりも低く、
    上記馴染み層の架橋度が、この馴染み層の表面から厚さ方向に漸増している摺動部品。
  2. 基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品であって、
    上記フッ素樹脂層が、上記基材側に架橋フッ素樹脂層を含み、表面側に馴染み層を含み、
    上記馴染み層が、非架橋フッ素樹脂層である摺動部品。
  3. 上記基材が、金属基材である請求項1又は請求項2に記載の摺動部品。
  4. 基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品の製造方法であって、
    基材にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで架橋フッ素樹脂層を形成する工程と、
    この架橋フッ素樹脂層の少なくとも一部に酸素雰囲気又は非溶融状態で電離放射線を照射することで、架橋度の低い馴染み層を有するフッ素樹脂層を形成する工程と
    を備える摺動部品の製造方法。
  5. 上記酸素雰囲気又は非溶融状態で照射する電離放射線の加速電圧が、0.3MeV以上1.0MeV以下である請求項4に記載の摺動部品の製造方法。
  6. 基材、及びフッ素樹脂を主成分とするフッ素樹脂層を備える摺動部品の製造方法であって、
    基材にフッ素樹脂を主成分とする材料を積層し、この材料に対し無酸素雰囲気かつ溶融状態で電離放射線を照射することで架橋フッ素樹脂層を形成する工程と、
    この架橋フッ素樹脂層に上記架橋フッ素樹脂層よりも架橋度の低い馴染み層を積層することで、上記架橋フッ素樹脂層よりも架橋度の低い馴染み層を有するフッ素樹脂層を形成する工程と
    を備える摺動部品の製造方法。
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