JP6249326B2 - 高効率オイルポンプ - Google Patents

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本発明は、オイルポンプ用ローター及びハウジングの噛み合わせ部や摺動部にフッ素樹脂が使用された、耐摩耗性、耐焼付性に優れたオイルポンプに関する。
オイルポンプは、内燃機関において、エンジン内部等の各所にエンジンオイルを圧送するためのポンプである。このオイルポンプには、焼き付き防止のため、インナーローターの歯とアウターローターとの歯との間、インナーローターやアウターローターの端面とハウジングとの間、アウターローター外周面とハウジングとの間にクリアランスが設けられている。
このクリアランス部からは、漏れが生じるためにその漏れ量も考慮して、ポンプの理論吐出量を設定する必要がある。
また、焼き付きの防止方法としては、摩擦係数の低い材料でローター、ハウジングをコーティングすることで回避でき、コーティングの中では、PTFEに代表されるフッ素樹脂は、摩擦係数が極めて低く、耐熱性、耐油性、耐薬品性にも優れるため好ましい。
しかし、フッ素樹脂コーティングは、一般的にオイルポンプの使用環境下では耐摩耗性が十分でないという問題点を有する。この点に対する手段として、フッ素樹脂に電離性放射線を照射することにより耐摩耗性を向上させる方法が知られている(特許文献1)。
フッ素樹脂は、かつては放射線照射により機械特性が低下すると考えられていた。しかし、特定の条件の下で照射することにより機械特性を向上できる。例えば、特許文献2では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)について、酸素不存在下、結晶融点以上の温度、好ましくは340℃前後の温度で、電子線等の電離性放射線を1kGyから10MGy程度の線量で照射すれば、照射による破断伸びや破断強度の劣化が抑制されること、かえって低結晶性でゴム弾性が発現し、降伏点強度が向上することが開示されている。
特許第3566805号公報 特許第3317452号公報
オイルポンプの漏れを低減し、効率向上を図るためにはクリアランスを圧縮することが有効であるが、クリアランスが20μm程度よりも小さくすると焼き付きが発生するため、クリアランスをより小さくすることは困難であった。
そこで、本発明は、基材の表面に、十分な耐摩耗性と低摩擦性、密着性を有するコーティングを施すことで、オイルポンプ内のクリアランスを低減させることを可能とし、オイルポンプの吐出量を理論吐出量に近づけることを課題とする。
発明者らは、前記課題を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、オイルポンプとして、基材に架橋されたフッ素樹脂を形成することで、両者間のクリアランスを小さくできることを見いだした。
すなわち、本発明の要旨は下記[1]〜[4]に存する。
[1]インナーローター、アウターローター、及びハウジングから構成されるオイルポンプにおいて、前記インナーローターの端面、内周面及びこのインナーローターの外周面に設けられる歯の表面、前記アウターローターの端面、外周面及びこのアウターローターの内周面に設けられる歯の表面、前記インナーローター端面と対向する前記ハウジングの内面の部分、アウターローター端面と対向する前記ハウジングの内面の部分、並びに前記アウターローターの外周面と対向する前記ハウジングの内面の部分から選ばれる少なくとも1つの面に架橋されたフッ素樹脂からなる皮膜を有し、前記皮膜を形成した面と対向する面との最小クリアランスが、−10μm以上20μmであるオイルポンプ。
[2]前記皮膜を形成した面と対向する面に皮膜が形成される場合は、前記皮膜の厚みは、5μm以上300μm以下であり、かつ、対向する両面に形成される皮膜の厚みの合計は、10μmを超えて600μm以下であり、前記皮膜を形成した面と対向する面に皮膜が形成されない場合は、前記皮膜の厚みは、10μmを超えて300μm以下である[1]に記載のオイルポンプ。
[3]前記インナーローター及びアウターローターは、金属材である[1]又は[2]に記載のオイルポンプ。
[4]前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる群から選ばれる1種以上である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のオイルポンプ。
この発明によると、基材の表面に、十分な耐摩耗性と低摩擦性、密着性を有する架橋したフッ素樹脂をコーティングすることでオイルポンプロータが焼き付きをおこすことなくクリアランスを小さくできる。その結果、オイルポンプの吐出量を理論吐出量に近づけることができる。
この発明にかかるオイルポンプの例を示す正面図である。 図1のa−a断面図である。 歯間のチップクリアランスの説明図である。 サイドクリアランス圧縮効果確認評価結果である。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。なお、本発明はこの形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない限り、他の形態へ変更することができる。
この発明にかかるオイルポンプ1は、図1に示すような、インナーローター2、及びアウターローター3からなるオイルポンプ用ローター、並びにポンプボディ4A及びポンプカバー4Bからなるハウジング4から構成されるポンプである。このオイルポンプ1は、シャフト穴7に通されたシャフト(図示せず)でインナーローター2の回転を制御する。そして、吸入ポート5から吸入したオイルをインナーローター2及びアウターローター3の間に供給し、インナーローター2の回転によって、前記オイルがインナーローター2及びアウターローター3の間を移動し、そして、吐出ポート6から前記オイルが送り出すポンプである。
前記のオイルポンプ用ローターは、金属材からなる。この金属材としては、鉄系、非鉄金属系の金属材等があげられる。
上記のオイルポンプ1の所定箇所には、架橋されたフッ素樹脂からなる皮膜が形成される。
このフッ素樹脂は、フッ素を含有する樹脂であり、表層を形成するフッ素樹脂としては、機械的強度や耐薬品性に優れるという点で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、又はテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等が好ましく、この中でも、低摩擦性に優れたPTFEがより好ましい。また、この発明の趣旨を損ねない範囲で、他の成分を前記フッ素樹脂に含ませてもよい。例えば、PTFEの中には、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン、(パーフルオロアルキル)エチレン、あるいはクロロトリフルオロエチレン等の共重合性モノマーに基づく重合単位を微量含有させてもよい。又、2種以上のフッ素樹脂の混合物であってもよい。
このフッ素樹脂からなる皮膜は、前記金属材と密着しなければならない。この皮膜が、剥がれてしまい基材が露出してしまうと、焼き付きを生じることや、漏れ量が増加するおそれがある。
このため、焼結体との密着性を高めるため、フッ素樹脂と焼結体とを同時に電離性放射線を照射する。架橋がされない場合又は架橋が不十分である場合は、耐摩耗性が低く、又、フッ素樹脂の機械的強度が低下し、摺動部材として使用できない。照射は、通常、1kGyから1500kGy程度の線量で行われる。
この耐摩耗性については、圧力を加えながら円筒をサンプル上に置いて回転させ摩耗の程度を測定するスラスト摩耗試験(リングオンディスク式摩耗試験(JIS K−7218準拠))が行われることも多い。特に、この試験方法において急激な摩耗が生じる圧力(P)と回転速度(V)の乗数(限界PV値)により耐摩耗性と動摩擦係数(μ)の評価が行われる場合が多くなっている。本発明のコーティングは、限界PV値が非常に高いものであり(300MPa・m/分以上)、滑り性(ドライ状態での動摩擦係数 0.2以下)もよく、優れた耐摩耗性と低い動摩擦係数を有するものである。
上記特定の架橋されたフッ素樹脂からなる皮膜を前記のオイルポンプ1に形成する箇所としては、図2に示すような、次の1)〜5)の少なくとも1つがあげられる。なお、図2においては、下記の1)〜5)の全てを記載しているが、全てに設けることが必須ではなく、少なくとも1箇所形成すればよい。
1)前記インナーローター2の端面2aと、これと対向する前記ハウジング4の内面の部分4aの少なくとも一方。
2)前記アウターローター3の端面3bと、これと対向する前記ハウジング4の内面の部分4bの少なくとも一方。
3)前記アウターローター3の外周面3cと、これと対向する前記ハウジング4の内面の部分4cの少なくとも一方。
4)前記インナーローターの外周面に設けられる歯の表面2dと、これと対向する(噛み合う)前記アウターローターの内周面に設けられる歯の表面3dの少なくとも一方。
5)前記インナーローター2の内周面2e。
なお、図2で前記皮膜が形成されていない部分があるが、ここには、必要に応じて、前記皮膜を設けてもよい。
前記フッ素樹脂からなる皮膜の厚みは、前記皮膜を形成した面と対向する面に皮膜が形成される場合、すなわち、前記の1)〜4)のそれぞれに記載の組合せにおいて、両方に皮膜を形成した場合においては、5μm以上がよく、10μm以上が好ましい。さらに、対向する両面に形成される皮膜の厚みの合計は、10μmを超えることがよく、20μm以上が好ましい。これらの条件を満たさない場合は、後述するように、焼き付きが生じるおそれのある場合がある。
一方、厚みの上限は、300μmがよく、100μmが好ましい。さらに、対向する両面に形成される皮膜の厚みの合計の上限は、600μmがよく、200μm以下が好ましい。これらの条件を満たさない場合は、耐摩耗性が不十分となりやすい。
また、前記皮膜を形成した面と対向する面に皮膜が形成されない場合、すなわち、前記の1)〜4)のそれぞれに記載の組合せにおいて、一方のみに皮膜を形成した場合、及び5)の場合においては、10μm以上がよく、20μm以上が好ましい。コーティングが薄すぎると、基材の凹凸や片当たりにより、基材が露出してしまう可能性があり、後述するように、焼き付きが生じるおそれのある場合がある。一方、厚みの上限は、300μmがよく、100μmが好ましい。コーティングは厚く塗布すると焼成時にクラックが発生したり、材料収縮により基材との密着性が低下したりするため、好ましくない。
前記の皮膜を形成した面と対向する面との最小クリアランス、すなわち、前記の1)〜4)のそれぞれに記載の組合せにおける、前記の皮膜を形成した一方の面と他方の面との最小の隙間の幅は、下記の所定の範囲を有することがよい。
このクリアランスとは、前記の1)〜2)の場合においては、「(ハウジングのローター室の深さ)−(ローター幅の値)」をいい、前記の3)の場合においては、「(ハウジングのローター室の径)−(アウターローターの外径)」をいう。なお、ハウジングローター室の深さや径、ローター幅、アウターローターの外径には、前記皮膜の厚みを含む。
また、前記の4)の場合においては、チップクリアランスの距離をいう。具体的には、両方の歯の表面に前記皮膜が形成されている場合は、その対向する歯の表面の皮膜の外表面間のチップクリアランスの距離をいい、片方のみに前記皮膜が形成されている場合は、一方の歯の表面の皮膜の表面と対向する歯の表面とのチップクリアランスの距離をいう。なお、チップクリアランスを以下に規定する。図3に示すように、インナーローター歯先とアウターローター歯先とを突き合わせた状態でインナーローター中心とアウターローターの中心を偏心軸上に設置し、その歯先のクリアランスが最大になるようにインナーローターの中心をアウターローターの中心に向けて移動させて、反対側の歯面を接触させる。その時のインナーローター歯先とアウターローター歯先との間の距離bをチップクリアランスとする(なお、図3においては、皮膜を表記していない。)。
各クリアランスの最小値は、−10μm以上がよく、0μm以上が好ましい。前記皮膜は、弾性があり、また、摩擦等により、削られる場合がある。このため、前記皮膜の厚み(対向する面の両方に設けられる場合は、両方の皮膜の厚みの合計値)の分まで食い込んでもよく、オイルポンプの構成部材そのものの表面同士が接触しない範囲でクリアランスを設定すればよい。このため、クリアランスの最小値の下限は、マイナスの値に設定される場合がある。このクリアランスの最小値の下限が−10μmより小さいと、オイルポンプの構成部材同士が直接接触し、焼き付きが生じたり、初期の駆動トルクが増大してしまうおそれがある。
一方、このクリアランスの最小値の上限は、20μmがよく、10μmが好ましい。20μmより大きいと、オイルポンプの吐出量のロスが大きくなる傾向がある。
次に、前記皮膜の形成方法について述べる。なお、以下において、前記のフッ素樹脂からなる皮膜が形成される構成部材の表面(インナーローター2、アウターローター3、ハウジング4の箇所(前記の1)〜5)の少なくとも1箇所))を「部材表面」と称する場合がある。
先ず、図1に示すような形状のインナーローター2及びアウターローター3を形成する。
次いで、前記部材表面にフッ素樹脂を被覆して皮膜を形成する。この皮膜を施す方法としては、フッ素樹脂のフィルムを被せる方法、粉体塗装する方法、例えばフッ素樹脂粉末を静電塗装する方法やフッ素樹脂粉末をスプレーする方法、又、フッ素樹脂ディスパージョン(フッ素樹脂の粉体を分散媒中に均一に分散した液体)を塗布して分散媒を乾燥して除去する方法等を挙げることができる。
中でも、フッ素樹脂ディスパージョンを塗布する方法は、均一な厚みのフッ素樹脂皮膜を容易に形成できる点で好ましい方法である。溶剤に可溶なフッ素樹脂の場合は、フッ素樹脂溶液を塗布して溶剤を乾燥して除去する方法も採用できるが、PTFE等の溶剤に不溶な樹脂の場合は適用できない。
フッ素樹脂ディスパージョンを塗布する方法による場合は、分散媒としては、水と乳化剤、水とアルコール、水とアセトン、または水とアルコールとアセトンの混合溶媒などを用いることができる。フッ素樹脂ディスパージョンを塗布した後は、風乾あるいは熱風乾燥することにより分散媒を乾燥して除去する。分散媒の乾燥、除去によりフッ素樹脂粉末からなる膜が形成される。
前記の塗布等によりフッ素樹脂の塗布膜が形成された後、フッ素樹脂の融点以上に加熱する焼成が行われ、フッ素樹脂粉末間が融着し、フッ素樹脂からなる皮膜が形成される。焼成は、好ましくは350〜400℃の温度範囲で行われる。乾燥工程を特に設けず、焼成の工程で分散媒の除去を行うことも可能である。
続いて、このようにして形成されたフッ素樹脂皮膜の表面に、電離性放射線を照射してフッ素樹脂皮膜の架橋が行われる。フッ素樹脂と部材表面の材料の組合せとして適当なものを選定すると、この架橋の際に、フッ素樹脂皮膜と部材表面の密着性も向上する。
架橋を施す際には、無酸素雰囲気下、具体的には酸素濃度1000ppm以下、好ましくは10ppm以下の雰囲気に置き、フッ素樹脂の結晶融点〜400℃程度の温度範囲、好ましくは結晶融点より0〜30℃高い温度範囲に保ちながら、フッ素樹脂膜の表面に電離性放射線を照射する。照射線量の範囲は、通常1kGy〜1500kGy、好ましくは100kGy〜1000kGyである。
このとき前記の焼成と電離性放射線照射を同時に実施してもよい。雰囲気の温度が低すぎるとフッ素樹脂の架橋反応は起こりにくく、雰囲気温度が高すぎる場合、特に400℃を越えるとフッ素樹脂の熱分解が促進されて材料特性が低下するため好ましくない。また、照射線量が1kGy未満であると架橋反応が不十分で特性の向上が期待できず、1500kGyを越えるとフッ素樹脂の分解が生じやすくなり好ましくない。
フッ素樹脂の架橋に用いられる電離性放射線としては、電子線、高エネルギーイオン線等の荷電粒子線、ガンマ線、X線等の高エネルギー電磁波、中性子線等が挙げられるが、電子線発生装置は比較的安価で又大出力の電子線が得られるとともに架橋度の制御が容易であるので、電子線が好ましく用いられる。
本発明のオイルポンプは、特定の部材表面に皮膜を密着させるので、その位置のクリアランスをより小さくすることができ、吐出漏れ量を抑制することができ、オイルポンプの吐出量を理論吐出量に近づけることができる。
以下に、この発明について実施例を用いて説明する。まず、評価方法について説明する。
<評価方法>
[サイドクリアランス圧縮効果確認評価]
各実施例又は比較例で得られたインナーローター及びアウターローターを用いて、図1に示すオイルポンプを作成した(ローター体格:φ80×10L、理論吐出量:11cm/rev)。次いで、サイドクリアランス(インナーローター2の端面2aと、これと対向するハウジング4の内面の部分4aの両方、及びアウターローター3の端面3bと、これと対向するハウジング4の内面の部分4bの両方)のクリアランスを所定の大きさとし、その他のクリアランスはチップクリアランス0.11mm ボディクリアランス0.14mmに固定して評価を実施した。
このオイルポンプを用いて、油種ATF(JWS−3324)、油温120℃、吐出圧1.0MPa、回転数500〜7000rpmでポンプを回転させ、下記の基準で全効率を測定した。
全効率:容積効率×機械効率×100(%)
(実施例1〜3)
厚さ10mmの鉄系焼結材料(2.0%Cu−0.8%C−Fe)上に、フッ素ディスパージョン(ダイキン(株)製:EK−3700、樹脂名:PTFE)を塗布し乾燥後、380℃×10分で窒素雰囲気化にて焼成して、厚さ20μmのフッ素樹脂膜がコートされたインナーローター及びアウターローターを得た。その後、窒素雰囲気下(酸素濃度:5PPM)、330℃に加温し、日新電気(株)製照射装置(サガトロン:加速電圧1.13MeV)で300kGyの照射を行った。
得られたインナーローター及びアウターローターを用いて、サイドクリアランス圧縮効果確認評価を行った。
なお、サイドクリアランス圧縮効果確認評価を行う際のサイドクリアランスの最小値は、実施例1で−10μm、実施例2で0μm、実施例3で20μmとした。
比較例1としてサイドクリアランスを−20μmとした以外は実施例と同じインナーローター及びアウターローターを用意した。
比較例2としてコーティングを施さずサイドクリアランスを30μmとしたインナーローター及びアウターローターを用意した。
サイドクリアランス圧縮効果確認評価の結果を図4に示す。なお、比較例1においては、初期回転トルクが大きすぎたため、試験を行うことが不可能であった。
試験結果から、サイドクリアランスが−10μm以上20μm以下において、焼き付きがなく全効率も良好であることがわかる。特に、サイドクリアランスが−10μm以上0μm以下の場合は全効率が非常に良好である。
1 オイルポンプ
2 インナーローター
2a インナーローターの端面
2d インナーローターの歯の表面
2e インナーローターの内周面
3 アウターローター
3b アウターローターの端面
3c アウターローターの外周面
3d アウターローターの歯の表面
4 ハウジング
4A ポンプボディ
4B ポンプカバー
4a、4b、4c ハウジングの内面の部分
5 吸入ポート
6 吐出ポート
7 シャフト穴

Claims (5)

  1. インナーローター、アウターローター、及びハウジングから構成されるオイルポンプにおいて、
    前記インナーローターの端面、前記アウターローターの端面、前記インナーローター端面と対向する前記ハウジングの内面の部分、アウターローター端面と対向する前記ハウジングの内面の部分から選ばれる少なくとも1つの面に架橋されたフッ素樹脂からなる皮膜を有し、
    油種ATF、油温120℃、吐出圧力1.0MPa、回転数2000rpmでポンプを回転させたときに50%以上の全効率を有するように、前記皮膜を形成した面と対向する面との最小クリアランス−10μm以上10μm以下に設定しかつ前記皮膜の厚みを20μm以上100μm以下に設定したことを特徴とするオイルポンプ。
  2. 前記皮膜は、リングオンディスク式摩耗試験(JIS K7218)で測定される限界PV値が300MPa・m/分以上とされ、かつ、ドライ状態での動摩擦係数が0.2以下とされている請求項1に記載のオイルポンプ。
  3. 前記最小クリアランスが、−10μm以上0μm以下である請求項1または2に記載のオイルポンプ。
  4. 前記インナーローター及びアウターローターは、金属材である請求項1〜のいずれか1項に記載のオイルポンプ。
  5. 前記フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜のいずれか1項に記載のオイルポンプ。
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