JP2003049039A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2003049039A
JP2003049039A JP2001239479A JP2001239479A JP2003049039A JP 2003049039 A JP2003049039 A JP 2003049039A JP 2001239479 A JP2001239479 A JP 2001239479A JP 2001239479 A JP2001239479 A JP 2001239479A JP 2003049039 A JP2003049039 A JP 2003049039A
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JP
Japan
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vinyl chloride
monomer
resin composition
weight
acrylate
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JP2001239479A
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English (en)
Inventor
Hideya Takenishi
英也 竹西
Hideki Inoue
秀樹 井上
Seiichi Hitomi
誠一 人見
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、熱安定性等
の物性のバランスに優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提
供することを目的とする。 【解決手段】 単独重合体のガラス転移温度が−140
℃以上0℃未満である(メタ)アクリレートモノマー及
び、これと共重合可能なラジカル重合性モノマー100
重量部と、多官能性モノマー0.1〜10重量部とから
なるアクリル系共重合体1〜50重量%に対し、塩化ビ
ニル系モノマー99〜50重量%をグラフト共重合して
得られる塩化ビニル系樹脂と、融点が90℃以上である
錫系安定剤とからなる塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂は、機械的強
度、耐候性、耐薬品性に優れた特性を有する材料として
多くの用途に用いられている。しかし、このような塩化
ビニル系樹脂は、硬質用に用いると耐衝撃性に劣るとい
う欠点を有しており、種々の改良方法が提案されてい
る。例えば、耐衝撃性や耐候性を必要とする用途には、
改質剤を混合する方法などが提案されている。
【0003】しかし、塩化ビニル系樹脂に上記の改質剤
を混合した場合、改質剤添加量の増加に伴って耐衝撃性
は向上するが、逆に、引張強度や曲げ弾性等の機械的強
度は低下する傾向がある。このため、耐衝撃性と機械的
強度(引張強度など)等に優れるとともに、これら物性
のバランスにも優れた塩化ビニル系樹脂組成物を製造す
る方法(特開昭60−255813号公報)が提案され
ている。
【0004】しかし、このような方法により得られた塩
化ビニル系樹脂組成物は耐衝撃性と機械的強度は確かに
優れるが、耐熱性は従来の塩化ビニル系樹脂組成物と同
等であり、電力通信用など耐熱性を必要とする用途では
依然として使用が困難であった。
【0005】このような問題点を解決するために、塩化
ビニル系樹脂に耐熱向上剤や塩素化塩化ビニル系樹脂を
混合することにより、耐熱性を向上させることが可能で
ある。しかし、このような方法により得られた塩化ビニ
ル系樹脂組成物は、逆に、耐衝撃性が低下する傾向があ
るため、これらの性能を保持しながら耐熱性を向上させ
た塩化ビニル系樹脂が工業的に要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、耐衝撃性、機械的強度、耐熱性、熱安定性等の物
性のバランスに優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決させるための手段】本発明の塩化ビニル系
樹脂組成物は、単独重合体のガラス転移温度が−140
℃以上0℃未満である(メタ)アクリレートモノマー及
び、これと共重合可能なラジカル重合性モノマー100
重量部と、多官能性モノマー0.1〜10重量部とから
なるアクリル系共重合体1〜50重量%に対し、塩化ビ
ニル系モノマー99〜50重量%をグラフト共重合して
得られる塩化ビニル系樹脂と、融点が90℃以上である
錫系安定剤とからなる。以下、本発明について詳細を説
明する。
【0008】本発明に使用されるアクリル系共重合体を
構成する(メタ)アクリレートモノマーとしては、室温
での柔軟性を要することにより、その単独重合体のガラ
ス転移温度(以下、Tgともいう)は0℃未満であること
が必要であり、特に種類は限定されないが、工業的に一
般に使用されるポリマーのガラス転移温度を考慮して−
140℃以上が適当である。
【0009】上記(メタ)アクリレートモノマーとして
は、例えば、n−ブチルアクリレート(Tg=−54
℃、以下括弧内に温度のみ示す)、n−ヘキシルアクリ
レート(−57℃)、2−エチルヘキシルアクリレート
(−85℃)、n−オクチルアクリレート(−85
℃)、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレー
ト(−85℃)、n−デシルアクリレート(−70
℃)、ラウリルアクリレート、ラウリルメタアクリレー
ト(−65℃)、エチルアクリレート(−24℃)、n
−プロピルアクリレート(−37℃)、n−ブチルアク
リレート(−54℃)、イソブチルアクリレート(−2
4℃)、sec−ブチルアクリレート(−21℃)、n
−ヘキシルアクリレート(−57℃)、n−オクチルメ
タクリレート(−25℃)、イソオクチルアクリレート
(−45℃)、n−ノニルメタクリレート(−35
℃)、n−デシルメタクリレート(−45℃)等が挙げ
られる。これらは単独または2種類以上を組み合わせて
用いることができる。なお、−140℃以上0℃未満で
ある(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体のガラ
ス転移温度は、高分子学会編「高分子データ・ハンドブ
ック(基礎編)」(1986年、培風館社)によった。
【0010】上記(メタ)アクリレートモノマーと共重
合可能なラジカル重合性モノマーは、特に種類は限定さ
れないが、上記(メタ)アクリレートモノマーや、下記
の多官能性モノマーも当然含まれる。
【0011】上記アクリル系共重合体を構成する多官能
性モノマーは、上記アクリル系共重合体を製造時及び製
造後のアクリル系共重合体の粒子の構造を保持するため
に添加するものである。
【0012】上記多官能性モノマーとしては、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メ
タ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリルフ
タレート、ジアリルマレート、ジアリルフマレート、ジ
アリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等の
ジもしくはトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタ
ジエン等のジビニル化合物等が挙げられ、これらは単独
または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】本発明のアクリル系共重合体において、単
独重合体のガラス転移温度が−140以上0℃未満であ
る(メタ)アクリレートモノマー及び、これと共重合可
能なラジカル重合性モノマーから成る混合モノマー10
0重量部に対して、多官能性モノマーが0.1〜10重
量部である。上記多官能性モノマーの添加量が0.1重
量部未満では、アクリル系共重合体が塩化ビニル系樹脂
中で独立した粒子形状を保てなくなるため、得られる塩
化ビニル系樹脂組成物の耐衝撃性が低下する。逆に、1
0重量部を超えるとアクリル系共重合体の架橋密度が高
くなり、有効な耐衝撃性が得られなくなる。
【0014】本発明において、上記アクリル系共重合体
を得る方法としては、特に限定されるものではなく、例
えば、乳化重合法、懸濁重合法等が挙げられるが、耐衝
撃性の発現性がよく、また、アクリル系共重合体ラテッ
クスの粒子径の制御が行い易い点から乳化重合法が好ま
しい。
【0015】上記乳化重合法により重合を行う際には、
乳化分散剤、重合開始剤を用いる。また、必要に応じ
て、pH調整剤、酸化防止剤等が使用される。上記乳化
分散剤としては特に限定されず、例えば、アニオン系界
面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分ケン化ポリ酢酸
ビニル、セルロース系分散剤、ゼラチン等が挙げられ
る。これらの中でも、アニオン系界面活性剤が好まし
く、具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルサルフェート(第一工業製薬社製
「ハイテノールN−08」)等が挙げられる。
【0016】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素水等の水溶性重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド等の有機系過酸化物、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げら
れる。
【0017】上記乳化重合法の具体的な方法としては特
に限定されず、例えば、一括重合法、モノマー滴下法、
エマルジョン滴下法等が挙げられる。上記一括重合法
は、例えば、ジャケット付重合反応器内に、純水、乳化
分散剤、重合開始剤及び混合モノマーを一括して添加
し、窒素気流加圧下で撹拌して充分乳化した後、反応器
内をジャケットで所定の温度に昇温し、その後重合させ
る方法である。
【0018】上記モノマー滴下法は、例えば、ジャケッ
ト付重合反応器内に、純水、乳化分散剤及び重合開始剤
を入れ、窒素気流下による酸素除去及び加圧を行い、反
応器内をジャケットで所定の温度に昇温した後、上記混
合モノマーを一定量ずつ滴下して重合させる方法であ
る。
【0019】上記エマルジョン滴下法は、例えば、上記
混合モノマー、乳化分散剤及び純水を撹拌して乳化モノ
マーを予め調製し、次いで、ジャケット付重合反応器内
に純水及び重合開始剤を入れ、窒素気流下による酸素除
去及び加圧を行い、反応器内をジャケットで所定の温度
に昇温した後、上記乳化モノマーを一定量ずつ滴下して
重合させる方法である。
【0020】また、上記エマルジョン滴下法では、重合
初期に上記乳化モノマーの一部を一括添加(以下、シー
ドモノマーという)し、その後残りの乳化モノマーを滴
下する方法を用いれば、シードモノマーの量を変化させ
ることにより、生成するアクリル系共重合体の粒径を容
易に制御することができる。さらに、上記シードモノマ
ー及び残りの乳化モノマーの種類及び組成を順次、設定
することにより、コアシェルなどの多層構造を形成する
ことも可能である。
【0021】上記乳化重合法において、得られるアクリ
ル系共重合体ラテックスの固形分は、特に限定されるも
のではないが、生産性、重合反応の安定性の点から、1
0〜60重量%が好ましい。また、得られたアクリル系
共重合体ラテックスには、反応終了後のラテックスの機
械的安定性を向上させる目的で、保護コロイド剤等が必
要に応じて添加されても良い。
【0022】本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂は、
上記アクリル系共重合体1〜50重量%に対し、塩化ビ
ニル系モノマー99〜50重量%をグラフト共重合する
ことにより得られる。上記アクリル系共重合体の含有量
が、1重量%未満では、得られる塩化ビニル系樹脂組成
物が充分な耐衝撃性を得ることができず、逆に、50重
量%を超えると、曲げ強度や引張強度等の機械的強度が
低くなるため、上記範囲に限定され、好ましくは4〜2
0重量%である。
【0023】本発明の塩化ビニル系モノマーとは、塩化
ビニル単独、もしくは塩化ビニルを主成分とするビニル
モノマーを意味し、また、上記塩化ビニルを主成分とす
るビニルモノマーとは、50重量%以上の塩化ビニルと
これと共重合可能な他のビニルモノマーとの混合物を意
味する。また、共重合可能なモノマーとしては、通常公
知のビニルモノマーであればよく、例えば,酢酸ビニ
ル、アルキル(メタ)アクリレート、アルキルビニルエ
ーテル、エチレン、フッ化ビニル、マレイミド等が挙げ
られ,これらの少なくとも1種が使用できる。
【0024】上記塩化ビニル系樹脂の重合度は、300
〜2000が好ましく、600〜1400がより好まし
い。重合度が300未満であったり、2000を超える
と、得られる塩化ビニル系樹脂組成物を成形する際の成
形性が悪くなることがある。
【0025】上記アクリル系共重合体に塩化ビニル系モ
ノマーをグラフト共重合させる方法としては、特に限定
されるものではなく、例えば、懸濁重合法、乳化重合
法、溶液重合法、塊状重合法等が挙げられるが、本発明
を有利に実施するためには、懸濁重合法が好ましい。
【0026】上記懸濁重合法により重合を行う際には、
分散剤、及び重合開始剤を用いる。上記分散剤として
は、上記アクリル系共重合体の分散安定性を向上させ、
塩化ビニル系モノマーのグラフト共重合を効率的に行う
目的で添加される。上記分散剤としては、特に限定され
ず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アク
リル酸塩−アルキルアクリレート共重合体、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル
及びその部分ケン化物、ゼラチン、ポリビニルピロリド
ン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等が
挙げられ、これらは単独または2種類以上組み合わせて
用いることができる。
【0027】上記重合開始剤としては、グラフト共重合
に有利であるため、ラジカル重合開始剤が好適に用いら
れる。このラジカル重合開始剤としては、特に限定され
ず、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート、t−
ブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオ
キシネオデカノエート等の有機パーオキサイド類、2,
2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙
げられる。
【0028】上述したグラフト共重合の際に、重合中に
重合槽内に付着するスケールを減少させる目的で、上記
アクリル系共重合体ラテックスに、凝集剤を添加しても
良い。更に、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤等
が添加されても良い。
【0029】本発明のグラフト共重合による塩化ビニル
系樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、温度調整
機及び撹拌機を備えた反応容器に、純水、上記アクリル
系共重合体ラテックス、分散剤、重合開始剤、及び、必
要に応じて水溶性増粘剤、重合度調節剤等を投入する。
その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に撹
拌条件下で塩化ビニル系モノマーを投入した後、反応容
器内をジャケットにより加熱し、塩化ビニルのグラフト
共重合を行う方法等が挙げられる。このようなグラフト
共重合の方法では、ジャケット温度を変えることにより
反応容器内の温度、つまり重合温度を制御することが可
能である。また、反応終了後は、未反応の塩化ビニル系
モノマー等を除去しスラリー状にし、更に脱水乾燥する
ことにより塩化ビニル系樹脂を得ることができる。
【0030】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物に用いら
れる錫系安定剤の融点は、90℃以上である。融点が9
0℃未満では、塩化ビニル系樹脂組成物の耐熱性が低下
する。
【0031】上記錫系安定剤が、下記一般式(1)で表
されるジアルキル錫メルカプトプロピオン酸塩であるこ
とが、塩化ビニル系樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性、熱
安定性に優れているため好ましい。
【化2】 (式中、R1、R2は炭素数が1から10のアルキル基を
示す)
【0032】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物において
は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、
安定化助剤、滑剤、加工助剤、衝撃改質剤、酸化防止
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、顔料、可塑剤な
どの添加剤が添加されてもよい。
【0033】上記安定化助剤としては特に限定されず、
例えば、エポキシ化大豆油、りん酸エステル等が挙げら
れる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0034】上記滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤が
挙げられる。上記内部滑剤は、成形加工時の溶融樹脂の
流動粘度を下げ、摩擦発熱を防止する目的で使用され
る。上記内部滑剤としては特に限定されず、例えば、ブ
チルステアレート、ラウリルアルコール、ステアリルア
ルコール、エポキシ化大豆油、グリセリンモノステアレ
ート、ステアリン酸、ビスアミド等が挙げられる。これ
らは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0035】また、上記外部滑剤は、成形加工時の溶融
樹脂と金属面との滑り効果を上げる目的で使用される。
上記外部滑剤としては特に限定されず、例えば、パラフ
ィンワックス、ポリオレフィンワックス、エステルワッ
クス、モンタン酸ワックス等が挙げられる。これらは単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0036】上記加工助剤としては特に限定されず、例
えば、重量平均分子量10万〜200万のアルキルアク
リレート−アルキルメタクリレート共重合体等のアクリ
ル系加工助剤等が挙げられる。上記アクリル系加工助剤
としては特に限定されず、例えば、n−ブチルアクリレ
ート−メチルメタクリレート共重合体、2−エチルヘキ
シルアクリレート−メチルメタクリレート−ブチルメタ
クリレート共重合体等が挙げられる。これらは単独で使
用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】上記衝撃改質剤としては特に限定されず、
例えば、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共
重合体(MBS)、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム
等が挙げられる。
【0038】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系抗酸化剤等が挙げられる。上記光
安定剤としては特に限定されず、例えば、ヒンダードア
ミン系光安定剤等が挙げられる。上記紫外線吸収剤とし
ては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、
ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアク
リレート系等の紫外線吸収剤が挙げられる。上記充填剤
としては特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、タ
ルク等が挙げられる。上記顔料としては特に限定され
ず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染
料レーキ系等の有機顔料、酸化物系、クロム酸モリブデ
ン系、硫化物・セレン化物系、フェロシアニン化物系等
の無機顔料などが挙げられる。
【0039】また、上記塩化ビニル系樹脂組成物には成
形時の加工性を向上させる目的で、可塑剤が添加されて
いてもよい。上記可塑剤としては特に限定されず、例え
ば、ジブチルフタレート、ジ−2―エチルヘキシルフタ
レート、ジ−2―エチルヘキシルアジペート等が挙げら
れる。
【0040】上記添加剤を上記塩化ビニル系樹脂組成物
に混合する方法としては特に限定されず、例えば、ホッ
トブレンドによる方法、コールドブレンドによる方法等
が挙げられる。また、成形方法としては特に限定されな
いが、例えば、押出成形法、射出成形法、ロール成形
法、ブロー成形法、プレス成形法、カレンダー成形法等
が挙げられる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0042】(実施例1) 1.アクリル系共重合体の製造 2−エチルヘキシルアクリレート70重量部、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.1
重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7
重量部、純水200重量部を混合してコア層用モノマー
(コア層を形成するためのモノマー)乳化液を調製し、
また、n−ブチルアクリレート30重量部、TMPTA
1.5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.3重量部、純水25重量部を混合してシェル層用モ
ノマー(シェル層を形成するためのモノマー)乳化液を
調製した。次に、撹拌機及び還流冷却器を備えた反応器
に、上記コア層用モノマーの20重量%をシードモノマ
ーとして一括投入し、容器内の酸素を窒素により置換し
た後、撹拌下で反応容器を70℃まで昇温した。昇温終
了後、反応器に重合開始剤として過硫酸アンモニウム
0.1重量部を加えて重合を開始し、続いて、残りのコ
ア層用モノマーを滴下した。更に、コア層用モノマーの
滴下が終了次第、シェル層用モノマーを順次滴下した。
全ての乳化モノマーの滴下を3時間で終了し、その後1
時間の熟成期間を置いた後重合を終了して固形分濃度3
0重量%のアクリル系共重合体のラテックスを得た。
【0043】2.塩化ビニル系樹脂の製造 撹拌機及びジャケットを備えた反応器に、純水170重
量部、上記アクリル系共重合体ラテックス15重量部、
部分けん化ポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレ
ポバールL−8)の3%水溶液5重量部、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(信越化学社製、メトローズ6
0SH50)の3%水溶液2.5重量部、t−ブチルパ
ーオキシピバレート0.03重量部、及び、硫酸アルミ
をアルミニウムイオンが3000ppmとなるよう一括
投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出
し、更に攪拌条件下で塩化ビニル100重量部を投入し
た後、ジャケット温度の制御により重合温度54℃にて
重合を開始した。反応器内の圧力が0.58MPaまで
低下したところで塩化ビニルモノマーの重合率が約80
%になり、消泡剤(東レ社製、東レシリコンSH551
0)を加圧添加した後に反応を停止した。その後、未反
応の塩化ビニルモノマーを除去し、更に脱水乾燥するこ
とにより塩化ビニルの重合度1200の塩化ビニル系樹
脂を得た。
【0044】3.塩化ビニル系樹脂組成物の配合 20Lスーパーミキサー(カワタ社製)中に上記2.で
得られた塩化ビニル系樹脂を100重量部投入する。次
に、錫系安定剤ONZ21A(三共有機合成社製、ジオ
クチル錫メルカプトプロピオン酸塩系、融点93℃)2
重量部、滑剤Hw220MP(三井化学工業社製)0.
5重量部、滑剤SC100(堺化学社製)0.5重量部
及び加工助剤としてメタブレンP501(三菱レイヨン
社製)1重量部を、それぞれ低速回転で投入し、5分間
混合して塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0045】4.評価方法 上記3.で得られた塩化ビニル系樹脂組成物について、
性能(耐衝撃性、耐熱性及び引張強度)を以下の方法で
評価し、その結果を表1に示した。 (1)耐衝撃性 8インチミキシングロール(安田精機製作所製)で、温
度195℃、クリアランス1〜1.5mmで3分間混練
して得られたロールシートを、油圧成形機(東邦マシナ
リー社製)で温度200℃、3分間予熱し、エアー抜き
2回、圧力9.8MPaで、3分間加圧した後、冷却
し、3mmのプレス板を得た。このプレス板を用いて、
JIS K 7111に準拠して試験片を作成し、エッ
ジワイズ衝撃試験片でシャルピー衝撃強度を測定した
(測定温度は0℃、単位はkJ/m2)。この値が16.
5kJ/m2以上を合格とした。
【0046】(2)耐熱性 上記で得られたプレス板を用いて、JIS K 720
6に準拠して試験片を作成し、ビカット軟化温度を測定
した(測定には5kg錘を使用し、単位は℃)。この値
が83℃以上を合格とした。
【0047】(3)引張強度 上記で得られたプレス板を用いて、JIS K 711
3に準拠して1号形試験片を作成し、引張降伏強さを測
定した(測定温度は23℃、単位はMPa)。この値が
45.1MPa以上を合格とした。
【0048】(実施例2)塩化ビニル系樹脂組成物の配
合において、錫系安定剤ONZ21Aの代わりに錫系安
定剤JF−95B(三共有機合成社製、ジブチル錫メル
カプトプロピオン酸塩系、融点125℃)としたこと以
外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物を
得た。
【0049】(比較例1)塩化ビニル系樹脂組成物の配
合において、錫系安定剤ONZ21Aの代わりに塩化ビ
ニル用液体安定剤SNT−461K(三共有機合成社
製)としたこと以外は、実施例1と同様にして塩化ビニ
ル系樹脂組成物を得た。
【0050】(比較例2)塩化ビニル系樹脂組成物の配
合において、錫系安定剤ONZ21Aの代わりに塩化ビ
ニル用無機系安定剤ミズカライザーES(水澤化学工業
社製)としたこと以外は、実施例1と同様にして塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得た。
【0051】(比較例3)塩化ビニル系樹脂組成物の配
合において、錫系安定剤ONZ21A、2重量部の代わ
りに上記塩化ビニル用液体安定剤SNT−461Kを1
重量部、及び上記塩化ビニル用無機系安定剤「ミズカラ
イザー−ES」を1重量部添加したこと以外は、実施例
1と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0052】(比較例4)塩化ビニル系樹脂組成物の配
合において、塩化ビニル系樹脂100重量部の代わりに
塩化ビニル樹脂TS−1300S(徳山積水工業社製、
重合度1300)95重量部を用い、また、改質剤JM
R−135C(ダイソー社製)を5重量部添加したこと
以外は、実施例1と同様にして塩化ビニル系樹脂組成物
を得た。
【0053】(比較例5)塩化ビニル系樹脂組成物の配
合において、改質剤JMR−135C(ダイソー社製)
の代わりに改質剤カネエースM511(鐘淵化学工業社
製)としたこと以外は、比較例4と同様にして塩化ビニ
ル系樹脂組成物を得た。
【0054】(比較例6)塩化ビニル系樹脂組成物の配
合において、耐熱向上剤としてS700S(宇部サイコ
ン社製)を添加したこと以外は、比較例1と同様にして
塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
【0055】実施例2、及び比較例1〜6で得られた塩
化ビニル系樹脂組成物の性能を、実施例1と同様にして
評価した。その結果を表1に示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】以上述べたように,本発明により、耐衝
撃性、機械的強度、耐熱性、熱安定性等の物性のバラン
スに優れた塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BN121 EZ086 FD036 4J026 AA45 AC34 BA10 BB01 DA03 DA04 DA13 DB03 DB15 GA01 GA09

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独重合体のガラス転移温度が−140
    ℃以上0℃未満である(メタ)アクリレートモノマー及
    び、これと共重合可能なラジカル重合性モノマー100
    重量部と、多官能性モノマー0.1〜10重量部とから
    なるアクリル系共重合体1〜50重量%に対し、塩化ビ
    ニル系モノマー99〜50重量%をグラフト共重合して
    得られる塩化ビニル系樹脂と、融点が90℃以上である
    錫系安定剤とからなる塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 錫系安定剤が、下記一般式(1)で表さ
    れるジアルキル錫メルカプトプロピオン酸塩であること
    を特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数が1から10のアルキル基を
    示す)
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