JP2003046415A - 自動等化方式 - Google Patents

自動等化方式

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JP2003046415A JP2001232951A JP2001232951A JP2003046415A JP 2003046415 A JP2003046415 A JP 2003046415A JP 2001232951 A JP2001232951 A JP 2001232951A JP 2001232951 A JP2001232951 A JP 2001232951A JP 2003046415 A JP2003046415 A JP 2003046415A
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 データ伝送誤りを抑えながら、充分に伝送効
率の向上が図れるようにしたデジタル信号変復調方式に
おける自動等化方式を提供すること。 【解決手段】 交互に伝送されてくるデータ信号と自動
等化器用のトレーニング信号を受信し、該受信したトレ
ーニング信号に基づき、上記データ信号の復調に必要な
等化特性を自動的に更新設定する自動等化方式におい
て、データ再生用の自動等化器と等化トレーニング用の
自動等化器とを設け、上記受信したトレーニング信号を
所定のメモリに格納し、該格納されたトレーニング信号
の内の少なくとも所定部分を複数回読出し、上記等化ト
レーニング用の自動等化器を用いて等化特性を更新する
処理を複数回実行し、この更新結果を上記データ再生用
の自動等化器に設定するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル変復調方
式の自動等化方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】伝送路における波形歪みやエコーなどを
等化するために自動等化器を内蔵した装置で、自動等化
を等化状態にするためには、予め決められたトレーニン
グ信号と呼ばれる信号を、送信側から受信側に伝送し、
受信側では、送信側で発生したトレーニング信号と全く
同一のトレーニング信号を発生させ、受信したトレーニ
ング信号との差をとり、自動等化器のタップ係数の更新
を行い、等化状態にするデジタル変復調方式の復調回路
に自動等化器を適用した例が知られている。この従来技
術による復調回路における自動等化回路の一例につい
て、図7のブロック図により説明する。
【0003】この図7に示した自動等化回路では、まず
受信された搬送波周波数fcの変調波信号は、アナログ
BPF(帯域ろ波器)1に入力され、ここで帯域制限され
た上でAGC(自動利得制御部)2により、受信されたと
きのレベルに係わらず、一定のレベルにされてから、A
/Dコンバータ(アナログ−デジタル変換器)3に入力さ
れ、デジタル化されて受信電力計算部4と乗算器5A,
5Bに供給される。そして、受信電力計算部4では、A
/Dコンバータ3から出力されるデジタル信号に基づい
て受信された信号のレベルが計算され、それがAGC2
の制御入力にフィードバックされる。 この結果、A/
Dコンバータ3には、結果的に一定レベルにされたデジ
タル信号が入力されるようになる。乗算器5A,5Bに
入力されたデジタル信号は、正弦波発生器7から供給さ
れている周波数fcの搬送波信号とそれぞれ乗算され、
同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)が取り出される。
このとき、乗算器5Aには、正弦波発生器7から直接搬
送波信号が供給されるが、乗算器5Bには位相シフト器
6を介してπ/2位相シフトされた搬送波信号が供給さ
れ、直交復調される。
【0004】ここで乗算器5Aに入力される正弦波信号
は、cos(ωc・t)として表し、乗算器5Bに入力さ
れる正弦波信号は、sin(ωc・t)として表す。 な
お、ωc=2π・fc である。乗算器5A,5Bから
出力された同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)は、夫
々ロールオフフィルタ8A,8Bにより波形整形され、
出力信号Ir,Qrとして取り出され、自動等化器9に
供給される。そして、この自動等化器9により等化され
たデータ信号Ia、Qaが、識別器10に入力され、こ
こで送信側で送った送信点を識別し、この識別結果がデ
ータ信号Id、Qdとして出力され、これらがP/S変
換器(並列/直列変換器)11により直列信号に変換さ
れ、復調された受信データが得られることになる。ここ
で、自動等化器9は、伝送路での伝送信号に与えられて
しまう波形歪みやエコーなどの影響を除去するために受
信した信号を等化する働きをするものであるが、このた
めには、自動等化器9に予め所定の等化特性を設定して
おく必要がある。
【0005】ここで、この自動等化器9としては、I成
分とQ成分とからなる複素数で演算を行なう構成による
ものが一般的であり、その一例を図8により説明する。
この図8に示した自動等化器9は、2個の加算器20
A,20Bと、4個のトランスバーサルフィルタ19A
〜19Dで構成されたもので、入力と出力の関係は、次
のようになっている。いま、各トランスバーサルフィル
タ19A〜19Dのタップ係数を、それぞれ図のように
Ci,Cqとする。 さらに、ロールオフフィルタ8
A,8Bの出力信号Ir,Qrの値を、それぞれIr,
Qrと表すこととすると、信号複素数で表した入力信号
の値(Ir+j・Qr)と伝達特性Ci、Cqの関係は、
次の式で表せる。 (Ir+j・Qr)・(Ci+j・Cq)=(Ir・Ci−
Qr・Cq)+j・(Ir・Cq+Qr・Ci) 従って、出力信号Ia,Qaは、入力信号Ir,Qrと
伝達特性Ci,Cqにより次式で表せる。 即ち、伝達
特性Ci,Cqを変えることにより、入力信号Ir,Q
rに対する出力信号Ia,Qaの特性、つまり等化特性
を変えることができる。 Ia=Ir・Ci−Qr・Cq Qa=Ir・Cq+Qr・Ci ここで、自動等化器9の各トランスバーサルフィルタ1
9A〜19Dは、何れも、図9に示すように、(N−1)
個の遅延素子21と、N個の乗算器22、それに総和器
23からなる一般的なもので、その伝達特性Ci,Cq
は、各乗算器22に設定される係数C1〜CNにより設
定されるが、これらの係数はタップ係数と呼ばれてお
り、自動等化器9は、これらのタップ係数の更新により
等化特性が設定されるようになっている。
【0006】ここで、この等化特性の設定は、次のよう
にして行われる。即ち、所定のフォーマットのトレーニ
ング信号と呼ばれる信号を基準の信号として設定してお
き、本来のデータ信号の伝送開始に先立って、まず、こ
のトレーニング信号が送信側から受信側に送信されるよ
うにし、これにより上記した等化特性の設定を行い、設
定完了後、本来のデータ信号の伝送処理に移行する。こ
のとき、受信側では、受信されたトレーニング信号を、
トレーニング信号発生器18から発生されているトレー
ニング信号と比較し、その差を誤差としてこの誤差に応
じて自動等化器9の等化特性を変えて行き、誤差が最も
小さくなったところで、その等化特性を自動等化器9に
設定するようになっている。このため、図7に示すよう
にトレーニング信号同期検出器12とスイッチ回路16
A,16B、それに加算器17A,17Bを設け、トレ
ーニング信号が受信されて、それがトレーニング信号同
期検出器12で検出されたら、スイッチ回路16A,1
6Bを接点b側に切換えると共に、タップ係数更新器1
5に検出信号を供給し、上述のような等化特性を変えて
いくことを開始するようにしてある。その結果、送信側
から送信されたトレーニング信号が受信側で検出されて
いる間は、自動等化器9の出力信号Ia,Qaが、加算
器17A,17Bに供給されるが、このとき加算器17
A,17Bの減算入力には、送信側で発生されているト
レーニング信号のフォーマットと同じフォーマットのト
レーニング信号It,Qtがトレーニング信号発生器1
8から供給されている。そこで、これらの加算器17
A,17Bの出力には、自動等化器9の出力Ia,Qa
と、基準トレーニング信号It,Qtの夫々の差である
等化誤差信号Ei,Eqが取り出される。 これによ
り、タップ係数更新器15は、これら加算器17A,1
7Bの出力信号を等化誤差信号Ei,Eqとして入力
し、所定の最小誤差法による等化処理アルゴリズムに従
って、自動等化器9のタップ係数を更新する。
【0007】このタップ係数は、上述の図9に示されて
いるN個の乗算器22に与えられている係数C1〜CN
のことで、これらの各タップ係数C1〜CNを以下に示
す式にしたがって、等化誤差値Eが最小になるように更
新して行くことにより、必要な等化が与えられた出力信
号Ia,Qaが得られることになる。 C(n+1)=C(n)−g・X*・E ここで、 C(n):時刻(n)におけるタップ係数 C(n+1):時刻(n+1)におけるタップ係数 X*:入力信号の複素共役数=Ir−j・Qr E:等化誤差=Ei+j・Eq=(Ia−Id)+j・(Qa−Qd) g:定数(スカラー量) なお、jは複素数の虚数部を表わす。なお、この等化特
性設定のアルゴリズムの詳細については、例えば次の文
献に開示されている。 電子通信学会編、宮川洋 他
著 『デジタル信号処理』昭和50年11月、pp23
1〜243タップ係数更新器15によるタップ係数値の
更新処理は、1/変調速度の周期で実施され、この所定
の周期毎に繰り返され、この結果、等化誤差Ei,Eq
は逐次減少して零に近づいていく。従って、等化誤差E
i,Eqが充分に小さな値になったら、伝送路の状態に
よって発生することがある波形歪み等の影響をなくすよ
うにするため、受信側で受信された信号が自動等化器9
により等化され、誤りのないデータの再生が可能になっ
ている状態が得られたことになり、最適な等化特性の設
定が得られることになる。
【0008】ところで、このようにして受信側での等化
特性の設定が得られたら、ここで、スイッチ回路16
A,16Bを接点a側に戻し、本来のデータの伝送動作
に移行するのであるが、この時、送信側では、受信側で
等化特性の設定が終わった時点を知る術がない。そこ
で、従来は、受信側でのトレーニング信号による等化特
性の設定にかかる時間を見込んで、予めトレーニング信
号の送出時間を決めておき、この時間が経過したら、そ
の時点でトレーニング信号の送信を止め、本来のデータ
の伝送動作に移行するようにしていた。そして、このよ
うにしてトレーニング信号が途切れると、これが受信側
のトレーニング信号同期検出器12により検出され、こ
の時点でスイッチ回路16A,16Bを接点a側に切換
える。従って、この後は、データ信号Ia,Qaが識別
器10に入力されるようになり、この結果、P/S変換
器11から直列データ信号が出力されるという通常のデ
ータ伝送動作に移行することになる。
【0009】ところで、このようにして、自動等化器9
の等化特性の設定を終え、データ伝送処理に移行した後
で、データ信号が受信されている状態のとき、例えば、
位相ヒットや振幅ヒット、瞬断等が発生し、伝送路の状
態が急変したとすると、自動等化器9が等化状態でなく
なり、いわゆる発散状態になってしまうことがある。こ
の場合、トレーニング信号を用いないでデータ信号によ
って自動等化器9を等化状態にすることは難しく、たと
え何らかの方法により等化状態にすることができたとし
ても、それまでには非常に長い時間がかかってしまう。
ここで、データの伝送に代えて、送信側からトレーニン
グ信号を送信してやれば、短時間で再び受信側の自動等
化器9を等化状態にすることができるが、このために
は、受信側での自動等化器9の発散状態が生じたことを
送信側で検出する必要がある。このとき、データの伝送
が双方向に行われている場合には、この自動等化器9が
発散状態となったことも、その双方向データ伝送に関わ
る何らかの方法により受信側から送信側に伝送できるか
も知れないが、データ伝送が片方向の場合には、これも
不可能である。
【0010】そこで、従来技術では、図10に示す様
に、受信側での自動等化器の等化状態とは無関係に、ト
レーニング信号DTを常時、所定の周期で、本来のデー
タ信号DAと交互に送信し、受信側では、トレーニング
信号DTが受信されたら、たとえ自動等化器が発散して
いなくても、このトレーニング信号DTによる自動等化
器の等化設定処理が実行されるようにしていた。自動等
化器に発散が発生したときは、受信側では正しいデータ
の再生ができなくなるので、ビット誤りとなってしま
う。しかし、データ信号伝送中、自動等化器に発散が生
じたとしても、所定期間後にはトレーニング信号が必ず
送信されるので、所定の周期毎に送られてくる次のトレ
ーニング信号が受信された時点で等化処理が実行され、
再び等化状態に復旧することができる。従って、この従
来技術によれば、たとえ自動等化器が発散状態になった
としても、データ信号の伝送にビット誤りが生じるの
は、次にトレーニング信号が受信され、再び等化状態に
なるまでの期間に限定され、トレーニング信号が受信さ
れて、等化状態になった後は、また誤りのない正しいデ
ータ信号を再生することができる。しかし、上記従来技
術は、トレーニング信号の伝送に伴う伝送効率の低下に
配慮がされておらず、データ伝送誤りと伝送効率が、ト
レーニング信号の伝送頻度によっては、一方を抑えると
他方が増すという、いわゆるトレードオフ関係になって
しまうという問題があった。
【0011】図10で説明した様に、従来技術では、デ
ータ信号DAの送信の間にトレーニング信号DTが挿入
されるが、ここで、トレーニング信号DTが送信されて
いる期間は、本来伝送すべきデータ信号DAは送信でき
ないので、トレーニング信号DTが送信された分、デー
タ伝送効率は低下してしまう。いま、図10に示す様
に、1回当りのデータ信号DAの送信時間をtd、1回
当りのトレーニング信号の送信時間ttとすると、トレ
ーニング信号DTの送信周期は(td+tt)となり、伝
送効率はtd/(td+tt)となるので、このデータ信
号の伝送効率を上げるには、1回当りのトレーニング信
号の送信時間ttをなるべく短くし、トレーニング信号
の送信周期(td+tt)は、なるべく長くなるようにす
る必要がある。ここで、1回当りのトレーニング信号の
送信時間を短くするには、等化アルゴリズムの選択と自
動等化器のタップ数に依存するが、データ信号伝送のビ
ットレートが高く、伝送速度が速い場合には、等化アル
ゴリズムと併せて、それの実現に使用するハードウェア
の動作速度が無視できなくなる。つまり、或る等化アル
ゴリズムによれば、理論的には短いトレーニング信号で
の等化が可能であったとしても、それを実現するための
ハードウェアの動作速度がトレーニング信号の長さに比
較して遅い場合には、1回当りのトレーニング信号を短
くすることは不可能で、ハードウェアの動作速度に合わ
せた長さのトレーニング信号としなければならない。例
えば、変調速度が13.5Mbaudのシステムで、複
素数形自動等化器のタップ数が30タップで、等化アル
ゴリズムとして最小誤差を用いた場合、等化状態になる
までに、およそ1msec〜10msec の処理時間が必要
である。しかしながら、トレーニングにこれだけの時間
が必要であるとすると、実際にデータを伝送する期間を
トレーニング時間の少なくとも10倍にするようにし、
データ伝送効率が極端に低下しないようにする。 でき
れば、50倍〜100倍以上にすることが理想的であ
る。
【0012】ここで、例えばデータ伝送時間tdをトレ
ーニング伝送時間ttの50倍にしたとすれば、伝送効
率は98%(49÷50=0.98)になり、トレーニン
グ信号DTの伝送による効率低下はかなり少なくて済
む。ところが、このデータ伝送時間tdは、あまり長く
取ると、データ受信中に自動等化器の発散が発生した場
合、次のトレーニング信号を受信するまでの時間が長く
なってしまい、受信側でのビットエラーが長い間続き、
データ伝送誤りが多くなってしまう。例えば、上記のよ
うに、トレーニング伝送時間ttが、最小でも1msec
必要であるとすると、この場合は、データ伝送時間td
は、最小でも50msec とかなり長くなってしまい、も
しもエラーがデータ伝送期間tdのほとんどを占めてし
まうと、長いビットエラー期間になってしまう。従っ
て、従来技術では、データ伝送誤りと伝送効率がトレー
ドオフ関係になってしまい、データ伝送誤りを抑え、且
つ、伝送効率を上げる点に問題を生じてしまうのであ
る。
【0013】これを改善するものとして、データ信号と
自動等化器用のトレーニング信号を交互に受信し、受信
されたトレーニング信号に基づいて、データ信号の復調
に必要な等化特性を自動的に更新設定する方式の自動等
化回路において、データ再生用の自動等化器と等化トレ
ーニング用の自動等化器とを設け、トレーニング信号が
受信されたとき、それを逐次一旦メモリに格納した上で
所定の時点で逐次読出し、等化トレーニング用の自動等
化器を用いて等化特性を更新する処理を実行し、この更
新結果をデータ再生用の自動等化器に逐次設定すること
により、データ信号の復調に必要な等化特性が更新され
て行くようにしたものがある。その結果、自動等化器の
タップ更新処理に時間がかかることを前提にした上で、
データ伝送効率を下げず、また自動等化器が発散して
も、復旧するまでの時間が短くでき、受信側でのビット
エラーが少なくできることになる。つまり、トレーニン
グ信号の時間を、自動等化のタップ更新に必要な時間と
は無関係に、等化アルゴリズムで必要とするトレーニン
グ信号データ量を送ることができる長さとし、その時間
をより短くすることで、データ伝送期間の時間を、伝送
効率のより高い長さに設定するものである。具体的に
は、受信したトレーニング信号を一旦メモリに格納し、
データを再生するためのデータ再生用の自動等化器とは
別に等化トレーニング用の自動等化器を備え、メモリに
格納された情報を用いて等化トレーニング用の自動等化
器のタップ係数の更新処理を行ない、データを受信する
のと並行して、この更新処理を行なうので、データも受
信可能となる。
【0014】そして、次のトレーニング信号が受信され
たとき、等化トレーニング用の自動等化器で等化状態と
なった各タップ係数値をデータ再生用の自動等化器のタ
ップにそれぞれ書き込みを行なう。そうすることによ
り、1周期遅れではあるが、自動等化器のタップ係数は
適応的に更新されていくことになる。これにより、デー
タ伝送効率が下がらず、かつ受信側の自動等化器の発散
からの復旧が早くなり、ビットエラーが発生している期
間を短くすることができる。また、適応的にタップ更新
が行われるので、伝送路の特性の時間的な変化に対して
も追従することができ、常に等化状態を保ちながら正し
くデータの伝送を行なうことが可能となる。このデジタ
ル変復調方式における復調部のブロック図を図6に、こ
の動作を図11に示し、説明する。ここで、アナログB
PF1からP/S変換器11までの構成は、図7で説明
した従来技術による自動等化回路と同じである。そし
て、BPF1に入力された搬送波周波数fcの変調波信
号が、P/S変換器11から復調された受信データ信号
として得られ、このとき更にトレーニング信号同期検出
器12とタップ係数更新器15、それにトレーニング信
号発生回路18を備え、これにより、結果的に自動等化
器9の等化特性が設定され、正しい受信データが復調さ
れるように構成されている点も同じである。
【0015】従って、まず、この図6の構成が、図7の
従来技術と異なる点は、ロールオフフィルタ8A、8B
の出力にトレーニング信号が現れたら、それを一旦、メ
モリ13A,13Bに記憶させるように構成した点にあ
る。 そして、このために、スイッチ回路16−1A,
16−1Bが設けてある。さらに、自動等化器9とは別
に、等化トレーニング用として、データ再生用の自動等
化器9と全く同じ構成の自動等化器14が設けてある点
にある。そして、まず、この自動等化器14に、所定の
時点で、メモリ13A,13Bから読出したトレーニン
グ信号を入力し、タップ係数更新器15を動作させて、
所定の等化状態が得られるまで、自動等化器14のタッ
プ係数を更新して行くようにする。こうして自動等化器
14によりトレーニング処理を行った結果、タップ係数
が更新され、所定の等化状態が得られたら、その後に、
このタップ更新結果を自動等化器9に与え、この時点で
始めて自動等化器9のタップ係数が設定され、等化状態
が得られるようにしてある。このため、一方ではスイッ
チ回路16−3A,16−3Bを設け、これによりトレ
ーニング信号が受信されているときは、自動等化器9の
出力信号Ia,Qaが識別器10の入力から切り離され
るように構成し、他方ではスイッチ16−2を設け、こ
れにより所定の時点で、自動等化器14に設定されたタ
ップ設定結果が自動等化器9に与えられるように構成し
てある。従って、スイッチ回路16−1A,16−1B
は、トレーニング信号同期検出器12により、トレーニ
ング信号が検出されている期間だけ閉じるように制御さ
れ、スイッチ回路16−3A,16−3Bは、反転回路
26の存在により、スイッチ回路16−1A,16−1
Bとは反対に、トレーニング信号が検出されている期間
だけ開くように制御される。 なお、スイッチ回路16
−2の動作タイミングについては後述する。
【0016】ここで、上記自動等化例におけるデータ伝
送誤りと伝送効率について、具体的に説明する。まず、
ここでは、データの変調速度が13.5Mbaud で、トレ
ーニング信号には256シンボルを割り当て、データ信
号には18944シンボルを割り当てたとする。そうす
ると、この場合、 tt =256/13.5Mbaud=18.96μsec td =18944/13.5Mbaud=1403μsec となる。そうすると、この場合、データ伝送効率ηは、 η=td /(td +tt ) =18944÷(18944+256)=98.7% となるので、ほとんど100%に近い、極めて高いデー
タ伝送効率を得ることができる。ここで、自動等化器に
発散が発生して全てのデータが正しく伝送できなかった
場合、データの誤りが継続してしまう期間は、データ信
号に割り当てた期間と同じになる。 つまり、この場
合、データ誤りが1.4msec(≒1403μsec)継続
してしまうことになる。
【0017】上記したように、従来技術の場合は、トレ
ーニング信号の継続期間として1〜10msec 必要であ
るから、いま、これを5msec と仮定したとすると、デ
ータ伝送効率ηを上記と同じにするには、1回当りのデ
ータ伝送期間を370msec(=5msec×(18944
÷256))にしなければならない。そうすると、すべ
てのデータが正しく伝送できなかった場合、従来技術で
は、データ誤りは370msec もの長い時間にわたり継
続してしまうことになる。しかして、このときデータ誤
りが生じてしまう期間を、上記の例と同じにするために
は、データ伝送期間を1.4msecにしなければならない
が、そうすると、トレーニング信号期間が上記したよう
に5msec なので、データ伝送効率ηは、21.9%
(=14÷(5+1.4))と極端に低下してしまう。な
お、上記の例では、1.4msec 毎にトレーニング信号
を繰り返し伝送するので、伝送路の特性の変化に対して
も充分に追従することができ、従って、精度のよい等化
特性を常に容易に保つことができる。以上の様に、トレ
ーニング信号の長さを決めるときに、マルチパス・エコ
ー等の存在し得る全ての伝送路歪みの大きさに対して充
分な長さにしようとすると、非常に長いトレーニング信
号を使用しなければならない。 トレーニング信号を長
くすると、データ伝送期間との比が大きくなり、データ
伝送効率が著しく低下する。 あるいは、トレーニング
信号を長くした割合で、データ伝送期間も長くした場合
には、伝送路の時間的変化に追従ができなくなる等の問
題が発生する。
【0018】そのため、ある程度の大きさまでの回線歪
みを想定して、その回線歪みに対して、自動等化器が引
き込める、つまりトレーニング信号終了時に等化残が充
分に小さい状態になるトレーニング信号の長さとする装
置を実際に使用してみると、想定した伝送路歪み量より
も更に大きな伝送路歪みが発生することがある。その場
合、トレーニング終了時にも自動等化器の等化残が充分
小さくならず、受信データに誤りが発生してしまって、
正しいデータ伝送ができなくなる。また、データ伝送効
率を上げるために、トレーニング信号期間とデータ信号
期間の比を小さく、つまりトレーニング信号期間を短く
した場合には、同様にトレーニング信号終了時に自動等
化器の等化残が大きくなって、受信データが正しく再生
できずにビット誤りが発生することがある。本発明の目
的は、データ伝送誤りを抑えながら、充分に伝送効率の
向上が図れるようにしたデジタル信号変復調方式におけ
る自動等化方式を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、交互に伝送されてくるデータ信号と自動等
化器用のトレーニング信号を受信し、該受信したトレー
ニング信号に基づき、上記データ信号の復調に必要な等
化特性を自動的に更新設定する自動等化方式において、
データ再生用の自動等化器と等化トレーニング用の自動
等化器とを設け、上記受信したトレーニング信号を所定
のメモリに格納し、該格納されたトレーニング信号の内
の少なくとも所定部分を複数回読出し、上記等化トレー
ニング用の自動等化器を用いて等化特性を更新する処理
を複数回実行し、この更新結果を上記データ再生用の自
動等化器に設定するようにしたものである。また、上記
トレーニング信号として、所定のPN符号パターンで構
成された信号を用いるようにしたものである。また、上
記トレーニング信号は、その信号期間内に所定のPN符
号パターンをN個(N:正の整数)含む信号で構成したも
のである。また、Nが1の場合、上記トレーニング信号
を用いて、繰り返し等化特性更新を行うようにしたもの
である。また、Nが2の場合、1番目および2番目のP
N符号パターンで等化特性更新を行い、さらに該第2番
目のPN符号パターンを繰り返し用いて等化特性更新を
行うようにしたものである。また、Nが2の場合、1番
目のPN符号パターンと2番目のPN符号パターンの先
頭からnシンボル目の信号を使用して等化特性更新を行
い、次に上記1番目のPN符号パターンの後半mシンボ
ルから上記2番目のPN符号パターンの前半nシンボル
目の信号を繰り返し用いて等化特性を更新し、さらに上
記1番目のPN符号パターンの後半mシンボルから上記
2番目のPN符号パターンの最後までの信号を用いて等
化特性更新を行うようにしたものである。また、Nが2
の場合、1番目のPN符号パターンの後半mシンボルと
2番目のPN符号パターンの前半nシンボルの内の所定
シンボル目から上記2番目のPN符号パターンの前半n
シンボル目の信号を用いて等化特性更新を行い、次に上
記1番目のPN符号パターンの後半mシンボルから上記
2番目のPN符号パターンの前半nシンボル目の信号を
繰り返し用いて等化特性を更新し、さらに上記1番目の
PN符号パターンの後半mシンボルから上記2番目のP
N符号パターンの最後までの信号を用いて等化特性更新
を行うようにしたものである。また、Nが3以上の場
合、1番目のPN符号パターンを用いて等化特性更新を
行い、次に2番目のPN符号パターンから(L−1)番
目(L:4以上の整数)のPN符号パターンを繰り返し使
用して等化特性更新を行い、さらにL番目のPN符号パ
ターンを使用して等化特性更新を行うようにしたもので
ある。また、Nが3以上の場合、1番目のPN符号パタ
ーンを用いて等化特性更新を行い、次に2番目のPN符
号パターンから(L−1)番目(L:4以上の整数)の内
の1つ以上のPN符号パターンを繰り返し使用して等化
特性更新を行い、さらにL番目のPN符号パターンを使
用して等化特性更新を行うようにしたものである。こう
することにより、従来と同じ長さのトレーニング信号を
用いていながら、等価的には長いトレーニング信号を受
信して、このトレーニング信号でタップ更新をした場合
と同様な効果が得られる。 つまり、等価的にトレーニ
ング信号が終了した時点で等化残が充分に小さい値にな
り、受信データにビット誤りを発生させることがない。
また、等価的に長いトレーニング信号を受信したこと
になるので、伝送路の歪みが大きな場合もトレーニング
信号終了時に等化残が小さくなる。 さらに、実際に送
信機から送出されるトレーニング信号を短くしても、受
信側でこの様な方式を実施することにより、長いトレー
ニング信号を受信してタップ更新するのと同じなので、
データ伝送期間をそのままにしてトレーニング期間を短
くすれば、データ伝送効率が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明による自動等化回路
について、図1,図2,図6の実施の形態により、詳細
に説明する。 ここで、本発明の自動等化回路の構成
は、図6で説明した自動等化回路の構成と同じであるた
め、構成の説明を省略する。トレーニング信号の構成要
素としてPN符号が使用されるのが一般的である。その
構成の仕方には、種々あるが、図2に示すように、ま
ず、(1)PN符号の1周期、またはPN符号の一部を
連結してトレーニング信号とする場合と、(2)PN符
号の2周期、または1周期と1周期の一部を連結する場
合、(3)PN符号をN周期(Nは3以上の整数)を連
結する場合がある。 以下、この(1),(2),(3)に、
本発明を適用した場合について、それぞれ説明する。ま
ず、図2の(1)のトレーニング信号を適用した場合
は、次のようにする。図1、図6に示す様に、受信した
1周期のトレーニング信号(PN符号)をメモリ13A,
13Bから読み出し、自動等化器14及びタップ更新計
算器15にて、タップ更新を行う。 これは前述の図6
で説明した場合と同様である。そして、メモリ13A,
13BからPN符号を全て読み出し、タップ更新した
後、自動等化器14のタップ係数値をそのまま保持し
て、再度、メモリ13A,13Bから、先ほど読み出し
たと同じPN符号を読み出して、これを自動等化器14
の入力信号として、先程と同様に、タップ更新計算器1
5にてタップ更新を実施する。
【0021】この時、タップ更新の参照信号として、ト
レーニング信号発生器18からの参照トレーニング信号
を再度出力して、加算器17により、同様に誤差を計算
してタップ更新計算器15でタップ更新する。 その
後、従来の場合と同様に、その結果のタップ係数値を自
動等化器9に書き込み、受信データを再生する。すなわ
ち、受信するトレーニング信号のPN符号は、伝送路の
歪みの情報が含まれた信号であるが、伝送路歪みの量が
多い場合には、ある長さのトレーニング信号でタップ更
新をしても、歪みに対する等化状態に充分に引き込むこ
とができない。 そこで、再度、受信したトレーニング
信号を用いて、タップ更新をすることにより、等化残が
小さくなるところまで充分に引き込むことが可能とな
る。ここで、再度実施するタップ更新は1回だけではな
く、必要な場合には複数回繰り返すことにする。
【0022】次に、図2の(2)のトレーニング信号を
適用した場合を説明する。これは、トレーニング信号の
PN符号2周期をひとまとめにし、自動等化器14の入
力信号として、前述の(1)の場合と同様に、繰り返し
てタップ更新をする方法である。ここで、伝送路の歪み
として、マルチパス・エコーのような時間を隔てた所に
影響を及ぼす歪みがあったとき、充分な引き込み特性が
得られないことがある。マルチパス・エコーは、図3に
示す様に、メインパルスに対して、時間τだけ遅延した
エコーパルスからの信号が重畳した信号を受信するの
で、送信側で送り出したトレーニング信号の各シンボル
のエコーパルスが後ろに影響を及ぼす格好となる。 図
4は、メインパルスに対して、時間τだけ遅延したエコ
ーパルスがあった場合に、それらが合成されて受信信号
となる様子を説明した図である。
【0023】さらに図5は、データ信号からトレーニン
グ信号に切り換わる部分でのエコーパルスの影響を示し
た図である。 この図に示したように、遅延時間τのエ
コーパルスが存在する場合、データ信号のエコーパルス
が、トレーニング信号の先頭からτの期間に重畳する。
ここで、データ信号は変化するので固定ではない。そ
のため、トレーニング信号の先頭からτの期間に重畳さ
れるエコーの影響も、データ信号に依存して変化するこ
とになる。 よって、受信側では送られてくるデータ信
号が不定のため、トレーニング信号自身も変化してしま
う。 そのため、このままではタップ更新用のトレーニ
ング信号としては使用できない。しかし、図5に示す様
に、データ信号のエコーがなくなる、トレーニング信号
の先頭からτの期間以降では、そのエコーパルスもトレ
ーニング信号のパターンに依存するため、時間τ以降の
トレーニング信号は、エコーパルスが重畳された状態で
も固定となる。よって、時間τ以降のトレーニング信号
を自動等化器の入力信号としてタップ更新が可能とな
る。
【0024】そこで、図2の(2)に示す、PN(a)
信号に引き続き、PN(b)信号をトレーニング信号と
してメモリ13A,13Bから読み出して、自動等化器
14およびタップ更新計算器15にて、前述と同様にタ
ップ更新を実施する。そして、このタップ更新の終了
後、今、タップ更新した結果のタップ係数値をそのまま
保持して、さらにPN(b)信号をメモリ13A,13
Bから再度読み出し、先ほど保持したタップ係数値を継
続してタップ更新を実施する。この場合、PN(b)信
号を1周期だけでタップ更新をしてもよいし、伝送路の
歪みが大きいことが予想される場合や、トレーニング信
号を非常に短くしようとする場合には、このPN(b)
信号での追加のタップ更新を繰り返し実行するようにす
る。そして、上記トレーニング信号によるタップ更新を
終了した時点のタップ係数値を、従来の場合と同様に、
自動等化器9に書き込む。
【0025】また、次のような方法でも同じように繰り
返しのタップ更新が可能である。これは、図2の(2)
に示す、PN(a)信号の後半mシンボル分とPN
(b)信号の前半nシンボル分を用いてタップ更新を実
施するものである。 ここで、m+nは、PN(a)信
号、PN(b)信号の1周期の長さと等しい値にする。
この様に、m+nをPN(a)信号、PN(b)信号の
1周期分の長さにすることにより、PN(b)信号の第
(n+1)シンボル目のパターンは、PN(a)信号の
後半第mシンボル目の先頭のパターンに等しくなる。よ
って、これを繰り返すことにより、m+nのパターンの
繰り返す、連続した長いトレーニング信号に相当するこ
とになる。
【0026】この動作は、図12に示す様に、まず、P
N(a)信号の1周期とPN(b)信号の前半nシンボ
ル分のデータをメモリ13A,13Bから読み出し、1
回目のタップ更新[1]を実施する。これが終了した時
点のタップ係数値を保持した状態で、次に、PN(a)
信号の後半mシンボル分とPN(b)信号の前半nシン
ボル分を周期とするデータを読み出し、2回目のタップ
更新[2]を継続して実施する。 この場合も、この追
加のタップ更新[2]を1周期で終了してもよいし、必
要とあれば、繰り返しこの周期(m+n)のデータを、
メモリ13A,13Bから読み出して、繰り返しタップ
更新[2]を実施してもよい。そして、上記所定のタッ
プ更新が終了した後、更新したタップ係数値を保持した
状態で、PN(a)信号の後半mシンボルからPN
(b)信号の最後のデータまでをメモリ13,13Bか
ら読み出し、これにより保持したタップ係数値から引き
続き、3回目のタップ更新[3]を実施し、前記と同様
に、これが終了した時点のタップ係数値を自動等化器9
に書き込む。
【0027】このタップ更新方法は、次のような場合に
有効である。マルチパスによるエコーは、メインパルス
より遅延するのが一般的であるが、稀なケースとして、
特殊な条件下では、メインパルスよりも前に来ることが
ある。こういった符号間干渉が本来のパルスよりも前に
影響を及ぼす場合には、データ伝送のパルスの影響がこ
れより前のトレーニング信号に影響を及ぼすので、その
影響がほとんど及ばないトレーニング信号の中央、つま
りPN(a)信号の後半mシンボルとPN(b)信号の
前半nシンボルを周期とする信号を自動等化器の入力ト
レーニング信号とする。 このトレーニング信号は、エ
コーパルスが重畳された状態でも、固定パターンとなる
ので、このトレーニング信号を、繰り返しタップ更新に
用いても、それは連結された長いトレーニング信号を受
信するのと等価となる。この場合は、タップ更新[2]
を1回もしくは複数回繰り返し実施するので、全体とし
ては、PN(a)信号もしくはPN(b)信号周期の整
数倍の処理時間となる。 ここで、このタップ更新の処
理時間は、トレーニング信号とデータ信号とで構成され
る1フレームの時間より短い必要がある。 ところが、
本発明を実現するハードウェア構成によっては、必ずし
もPN信号の周期の整数倍の処理時間にならない場合が
ある。
【0028】このような場合に、1フレームの許容時間
を超えない最も近い整数倍としてもよいが、できる限り
タップ更新の回数を増やして等化特性を良くしたい場合
には、次のようにすることもできる。これは、図13に
示すように、(m+n)周期の途中からの信号により、
まず、1回目のタップ更新[1]を実施し、次に、(m
+n)周期の信号により、2回目のタップ更新[2]を
実施し、最後に、PN(a)信号の後半mシンボルと、
PN(b)信号により、3回目のタップ更新[3]を実
施する。このタップ更新方法では、タップ更新をスター
トするシンボルを、(m+n)周期のどこに設定するか
により、受信側におけるタップ更新全体の処理時間を、
1シンボル刻みで設定可能となる。 この方法でも、タ
ップ更新[2]を複数回、繰り返しても同じように実施
可能である。
【0029】なお、このタップ更新方法では、タップ更
新のスタート時に用いる受信トレーニング信号の先頭部
分の信号は、そのトレーニング信号以前のデータ信号に
よるマルチパスの影響を反映しておらず、タップ更新開
始時には、等化残も大きい。しかし、マルチパスの影響
をも併せて等化するのは、等化残が比較的小さくなった
以降で等化する方が有効になってくるので、タップ更新
開始時、マルチパスの影響を反映していなくても、それ
ほど大きな影響を受けることはなく、実用的には問題が
ない。
【0030】次に、図2の(3)のトレーニング信号を
適用した場合について説明する。最初に、N=3の場合
について説明する。 まず、PN(1)信号、PN
(2)信号をメモリ13A,13Bから読み出し、前述
と同様に、自動等化器14にてタップ更新をする。 そ
して、自動等化器14のタップ係数値を保持したまま、
再度PN(2)信号をメモリ13A,13Bから読み出
し、タップ更新をする。このPN(2)信号を読み出し
てのタップ更新を、1回もしくは、複数回行い、その
後、PN(3)信号により、前述と同様にしてタップ更
新を実施し、最後のタップ係数値を自動等化器9に書き
こむ。Nが4以上の場合には、PN(2)信号からPN
(N-1)信号を、メモリ13A,13Bから繰り返して読
み込んでタップ更新する方法と、PN(2)信号からP
N(N-1)信号の中のいずれか1周期、例えば、PN
(M)信号を繰り返し読み出し、タップ更新する方法が
ある。 ここでMは、2〜(N−1)の整数である。ど
ちらの方法も、上記図2の(2)で説明した、マルチパ
スの影響がほとんど及ばないトレーニング信号の中央部
分の信号を自動等化器の入力トレーニング信号に用いた
タップ更新方法と同様の効果がある。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、送信側で送り出すトレ
ーニング信号の長さよりも、等価的に長いトレーニング
信号を受信したことになるので、歪みの大きな伝送路を
通した場合にもトレーニング信号終了時に自動等化器の
等化残を極めて小さくすることが可能となり、今まで受
信データにビット誤りが発生していた伝送路での使用も
可能になるばかりではなく、データ伝送期間をそのまま
とし、トレーニング信号期間を短くすることが可能にな
り、データ伝送効率を向上させることができる。また、
トレーニング信号期間を短くすると共に、データ信号期
間も同比で短くすることにより、(トレーニング信号期
間+データ伝送期間)というフレーム期間が短くなるた
め、受信側では、トレーニング信号を受信する周期を短
くすることができ、更にトレーニング信号の受信毎に自
動等化器のタップ更新を行うので、伝送路の変化に対し
ての追従特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動等化器のタップ更新動作の一実施
例を示すタイミングチャート
【図2】本発明のトレーニング信号の構成の1実施例を
示す模式図
【図3】マルチパスエコーの発生状態を説明するための
模式図
【図4】マルチパスエコーの発生状態を説明するための
模式図
【図5】マルチパスエコーの発生状態を説明するための
模式図
【図6】本発明のデジタル変復調方式の復調回路におけ
る自動等化器の一実施例を示すブロック図
【図7】従来のデジタル変復調方式の復調回路における
自動等化器の一例を示すブロック図
【図8】本発明に適用される自動等化器の一実施例を示
すブロック図
【図9】本発明に適用される自動等化器を構成するトラ
ンスバーサルフィルタの一実施例を示すブロック図
【図10】トレーニング信号とデータ信号との繰り返し
伝送状態を説明するための模式図
【図11】従来方式の自動等化器のタップ更新動作の一
例を示すタイミングチャート
【図12】本発明の自動等化器のタップ更新動作の一実
施例を示すタイミングチャート
【図13】本発明の自動等化器のタップ更新動作の一実
施例を示すタイミングチャート
【符号の説明】
1:アナログBPF、2:AGC、3:ADコンバー
タ、4:受信電力計算器、5A,5B:乗算器、6:位
相シフト器、7:正弦波発振器、8A,8B:ロールオ
フフィルタ、9、14:自動等化器、10:識別器、1
1:並列/直列変換器、12:トレーニング信号同期検
出器、13A,13B:メモリ、15:タップ更新計算
器、16−1A,16−1B,16−2,16−3A,
16−3B:スイッチ、17A,17B:加算器、1
8:トレーニング信号発生器、24:データ信号期間、
25:トレーニング信号期間

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交互に伝送されてくるデータ信号と自動
    等化器用のトレーニング信号を受信し、該受信したトレ
    ーニング信号に基づき上記データ信号の復調に必要な等
    化特性を自動的に更新設定する自動等化方式において、
    データ再生用の自動等化器と等化トレーニング用の自動
    等化器とを設け、上記受信したトレーニング信号を所定
    のメモリに格納し、該格納されたトレーニング信号の内
    の少なくとも所定部分を複数回読出し、上記等化トレー
    ニング用の自動等化器を用いて等化特性を更新する処理
    を複数回実行し、この更新結果を上記データ再生用の自
    動等化器に設定することを特徴とする自動等化方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動等化方式において、
    上記トレーニング信号として、所定のPN符号パターン
    で構成された信号を用いることを特徴とする自動等化方
    式。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の自動等化方式に
    おいて、上記トレーニング信号は、その信号期間内に所
    定のPN符号パターンをN個(N:正の整数)含む信号で
    構成されていることを特徴とする自動等化方式。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自動等化方式において、
    Nが1の場合、上記トレーニング信号を用いて、繰り返
    し等化特性更新を行うことを特徴とする自動等化方式。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の自動等化方式において、
    Nが2の場合、1番目および2番目のPN符号パターン
    で等化特性更新を行い、さらに該第2番目のPN符号パ
    ターンを繰り返し用いて等化特性更新を行うことを特徴
    とする自動等化方式。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の自動等化方式において、
    Nが2の場合、1番目のPN符号パターンと2番目のP
    N符号パターンの先頭からnシンボル目の信号を使用し
    て等化特性更新を行い、次に上記1番目のPN符号パタ
    ーンの後半mシンボルから上記2番目のPN符号パター
    ンの前半nシンボル目の信号を繰り返し用いて等化特性
    を更新し、さらに上記1番目のPN符号パターンの後半
    mシンボルから上記2番目のPN符号パターンの最後ま
    での信号を用いて等化特性更新を行うことを特徴とする
    自動等化方式。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の自動等化方式において、
    Nが2の場合、1番目のPN符号パターンの後半mシン
    ボルと2番目のPN符号パターンの前半nシンボルの内
    の所定シンボル目から上記2番目のPN符号パターンの
    前半nシンボル目の信号を用いて等化特性更新を行い、
    次に上記1番目のPN符号パターンの後半mシンボルか
    ら上記2番目のPN符号パターンの前半nシンボル目の
    信号を繰り返し用いて等化特性を更新し、さらに上記1
    番目のPN符号パターンの後半mシンボルから上記2番
    目のPN符号パターンの最後までの信号を用いて等化特
    性更新を行うことを特徴とする自動等化方式。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の自動等化方式において、
    Nが3以上の場合、1番目のPN符号パターンを用いて
    等化特性更新を行い、次に2番目のPN符号パターンか
    ら(L−1)番目(L:4以上の整数)のPN符号パター
    ンを繰り返し使用して等化特性更新を行い、さらにL番
    目のPN符号パターンを使用して等化特性更新を行うこ
    とを特徴とする自動等化方式。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の自動等化方式において、
    Nが3以上の場合、1番目のPN符号パターンを用いて
    等化特性更新を行い、次に2番目のPN符号パターンか
    ら(L−1)番目(L:4以上の整数)の内の1つ以上の
    PN符号パターンを繰り返し使用して等化特性更新を行
    い、さらにL番目のPN符号パターンを使用して等化特
    性更新を行うことを特徴とする自動等化方式。
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