JP2003046349A - スイッチトキャパシタ回路 - Google Patents

スイッチトキャパシタ回路

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JP2003046349A
JP2003046349A JP2001230481A JP2001230481A JP2003046349A JP 2003046349 A JP2003046349 A JP 2003046349A JP 2001230481 A JP2001230481 A JP 2001230481A JP 2001230481 A JP2001230481 A JP 2001230481A JP 2003046349 A JP2003046349 A JP 2003046349A
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    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H19/00Networks using time-varying elements, e.g. N-path filters
    • H03H19/004Switched capacitor networks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力の低減または高速動作と演算精度の
向上とを両立可能なスイッチトキャパシタ回路を実現す
る。 【解決手段】 差動増幅器AMP1の非反転入力端子T
1pをリセットするために、差動増幅器AMP1の一方
側の領域A31にスイッチSW11pが形成され、他方
側の領域A32にスイッチSW12pが形成されてい
る。同様に、反転入力端子T1mをリセットするため
に、上記領域A31・A32にスイッチSW11m・S
W12mがそれぞれが形成されている。さらに、スイッ
チSW11p・スイッチSW11mと両入力端子T1p
・T1mとを接続する配線L11p・L11mは、互い
に並列して配されており、一方の配線L11pに交差す
る信号線SL1pは、他方の配線L11mにも交差する
ように配置されている。これにより、信号線SL1pか
ら両配線L11p・L11mへの干渉を相殺できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、差動増幅器を含む
スイッチトキャパシタ回路に関するものであり、特に、
演算精度が高く、消費電力を低減可能または高速動作可
能なスイッチトキャパシタ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ノイズ耐性が高く、かつ、高精度の信号
処理を実現するために、"Analog MOSIntegrated Circui
ts for Signal Processing"(1986年発行 pp513 〜 52
4)には、図17に示すスイッチトキャパシタ回路50
1の各部材の配置方法およびレイアウト方法が記載され
ている。
【0003】具体的には、図18に示すように、当該ス
イッチトキャパシタ回路501では、差動増幅器AMP
501を形成する領域A501と、クロック信号φを伝
送するクロックラインが形成される領域A504との間
に、スイッチSW501〜SW503が形成される領域
A503を配置している。さらに、上記両領域A503
およびA501の間には、キャパシタCf501・Cs
501を形成する領域A502が配置されている。
【0004】当該構成では、大きなノイズ源となるクロ
ックラインと、ノイズの影響を受けやすい差動増幅器A
MP501とが、キャパシタ(Cs501、Cf50
1)およびアナログスイッチ(SW501〜SW50
3)を挟んで分離されているので、差動増幅器AMP5
01へのクロックノイズの影響を防止できる。さらに、
複数のスイッチトキャパシタ回路501を上下方向(領
域A501から領域A504への方向に直交する方向)
に配置できるので、複数のスイッチトキャパシタ回路5
01からなる回路をコンパクトにレイアウトできる。
【0005】さらに、上記従来技術のスイッチトキャパ
シタ回路501では、図19に示すように、差動増幅器
AMP501の反転入力端子T501mと、当該反転入
力端子T501mをリセットするスイッチSW501と
の間の配線L501を挟むように、接地レベルに保たれ
るガードラインLg501・Lg501を配置してい
る。これにより、ノイズが混入するとスイッチトキャパ
シタ回路501の演算精度が極端に低下する配線L50
1をノイズからシールドでき、スイッチトキャパシタ回
路501の演算精度低下を防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
レイアウト方法だけでは、ハイインピーダンスとなる配
線を全てシールドすることが難しく、十分に演算精度が
高いスイッチトキャパシタ回路を実現することが難しい
という問題を生ずる。
【0007】また、差動増幅器AMP501の入力トラ
ンジスタのゲート、ゲート近傍の配線、および、アナロ
グスイッチの接続部分などでは、上記ガードラインLg
501・Lg501を形成することが難しい。なお、上
記反転入力端子T501mとスイッチSW501とを結
ぶ配線を、基板の厚み方向(上下方向)に挟むようにシ
ールド層を設けると、シールド層用に新たな導体層が必
要になり、スイッチトキャパシタ回路501の製造コス
トが増大してしまう。
【0008】さらに、差動増幅器AMP501の両入力
端子をシールドすると、各端子とグランドとの間の寄生
容量が増大してしまう。この結果、入力キャパシタCs
501や積分キャパシタCf501など、演算に用いる
キャパシタの容量に比べて、上記寄生容量が無視できな
い値になり、セトリング特性が極端に劣化する虞れがあ
る。特に、低消費電力で高速演算するためにキャパシタ
の容量を削減すると、セトリング特性が悪化する可能性
が高くなる。したがって、上記演算に用いるキャパシタ
の容量を増大させる必要があり、消費電力の低減または
高速動作と、演算精度向上とを両立させることが難し
い。
【0009】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、消費電力の低減または高速動
作と演算精度の向上とを両立可能なスイッチトキャパシ
タ回路を実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスイッチト
キャパシタ回路は、上記課題を解決するために、差動増
幅器と、当該差動増幅器の非反転入力端子に接続された
非反転側配線と、上記差動増幅器の反転入力端子に接続
された反転側配線とを有するスイッチトキャパシタ回路
において、上記両配線の一方に交差する信号線は、他方
にも交差するように配置すると共に、上記両入力端子か
ら上記両配線に上記信号線が交差するまでの間または交
差点近傍までの間は、当該両配線を並行に配置すること
を特徴としている。
【0011】当該構成によれば、非反転側配線に交差す
る信号線は、反転側配線にも交差しているので、信号線
から寄生容量を介して非反転側配線への干渉と同一傾向
の干渉が、信号線から寄生容量を介して反転側配線へ伝
えられる。したがって、差動増幅器の差動演算によっ
て、これらの干渉が互いに相殺され、これらの干渉がス
イッチトキャパシタ回路の演算処理に与える影響を低減
できる。
【0012】加えて、スイッチトキャパシタ回路では、
信号処理の際、非反転側スイッチおよび反転側スイッチ
がオン/オフされるため、各スイッチのオン/オフを制
御するクロック信号が必要になり、クロック信号からの
差動増幅器へのノイズを抑えるためには、各スイッチと
差動増幅器とを遠ざける方が望ましい。
【0013】一方、両者を遠ざけて配置すると、非反転
側配線および反転側配線の配線長が長くなり、いずれの
信号線にも交差しないように、各配線をレイアウトする
ことが難しくなってしまう。
【0014】これに対して、上記構成では、両配線を並
行して配置し、一方に交差する信号線を他方にも交差さ
せることで、信号線から各配線への干渉に起因する、ス
イッチトキャパシタ回路の演算精度低下を抑制してい
る。したがって、レイアウトを困難にすることなく、ク
ロックノイズに起因する演算精度低下を防止できる。
【0015】これらの結果、同一容量のキャパシタを使
用した場合であっても、信号処理精度を向上できる。ま
た、同じ信号処理精度で比較すると、当該精度の達成に
必要なキャパシタ容量を削減でき、消費電力を低減でき
る。
【0016】特に、両交差点の形状や、信号線と各配線
との間の絶縁体の材質を調整するなどして、非反転側配
線および信号線の間の寄生容量と、反転側配線および信
号線の間の寄生容量とが略同一になるように設定すれ
ば、信号線から両配線への干渉が略同一になり、さら
に、演算処理に与える影響を低減できる。
【0017】また、上記構成に加えて、上記非反転側配
線には、上記非反転入力端子をリセットするための非反
転側スイッチが接続されており、さらに、非反転側キャ
パシタを接続あるいは接続可能に形成されていると共
に、上記反転側配線には、上記反転入力端子をリセット
するための反転側スイッチが接続されており、さらに、
反転側キャパシタを接続あるいは接続可能に形成されて
いてもよい。
【0018】上記構成では、スイッチトキャパシタ回路
の演算処理の際、非反転側キャパシタに接続された非反
転側配線における電荷保存則と、反転側キャパシタに接
続された反転側配線における電荷保存則に基づいて、ス
イッチトキャパシタ回路の出力が制御される。
【0019】ここで、例えば、配線を別々の方向に配置
するなどして、配線の一方のみに信号線が交差している
場合には、信号線と当該配線との間の寄生容量によっ
て、当該配線に接続された入力端子の電荷のみが設計値
から変化して、演算精度が低下する虞れがある。
【0020】ところが、上記構成では、両配線に信号線
が交差するので、信号線と各配線との間の寄生容量によ
って、両入力端子の電荷は、設計値を基準に同じ方向へ
変化する。したがって、差動増幅器の差動演算によっ
て、両電荷の変化が相殺され、寄生容量に起因する演算
精度低下を防止できる。
【0021】これにより、同一容量のキャパシタを使用
した場合であっても、信号処理精度を向上できる。ま
た、同じ信号処理精度で比較すると、当該精度の達成に
必要なキャパシタ容量を削減でき、消費電力を低減でき
る。
【0022】特に、反転側および非反転側のキャパシタ
が互いに同一容量に設定されている場合、両交差点の形
状や、信号線と各配線との間の絶縁体の材質を調整する
などして、非反転側配線および信号線の間の寄生容量
と、反転側配線および信号線の間の寄生容量とが略同一
になるように設定すれば、寄生容量に起因する両電荷の
ズレが略同一になり、さらに、演算精度低下を抑制でき
る。なお、両電荷のズレは、理想的には、0にすること
が望ましい。
【0023】一方、本発明に係るスイッチトキャパシタ
回路は、上記課題を解決するために、差動増幅器と、当
該差動増幅器の非反転入力端子および反転入力端子をリ
セットするために、それぞれに接続された非反転側およ
び反転側スイッチと、上記非反転入力端子および上記非
反転側スイッチを接続する非反転側配線と、当該反転入
力端子および上記反転側スイッチを接続する反転側配線
とを有し、上記各スイッチを配置する領域が上記差動増
幅器の両側に設けられたスイッチトキャパシタ回路にお
いて、以下の手段を講じたことを特徴としている。
【0024】すなわち、上記非反転側スイッチおよび反
転側スイッチを、それぞれ、2つの互いに並列に接続さ
れた第1および第2スイッチから構成している。また、
上記領域のうち、上記差動増幅器の一方側に設けられた
第1領域に、上記非反転側および反転側第1スイッチを
配置すると共に、他方側に設けられた第2領域に、上記
非反転側および反転側第2スイッチを配置している。
【0025】上記構成によれば、上記領域の一方(例え
ば、第1領域)に、非反転側スイッチを配し、他方(例
えば、第2領域)に反転側スイッチを配置する構成と比
べて、非反転側および反転側第1スイッチを互いに近く
配置できると共に、非反転側および反転側第2スイッチ
を互いに近く配置できる。したがって、非反転側および
反転側第1スイッチのマッチング精度が向上し、非反転
側第1スイッチおよび非反転側配線を介して非反転入力
端子へ与えられるクロックノイズは、反転側第1スイッ
チおよび反転側配線を介して反転入力端子へ与えられる
クロックノイズと略同一になる。同様に、両第2スイッ
チのマッチング精度が向上するので、各第2スイッチお
よび各配線を介して各入力端子へ与えられるクロックノ
イズは、略同一になる。
【0026】この結果、両入力端子へ与えられるクロッ
クノイズは、差動増幅器による差動演算によって互いに
相殺され、各スイッチを駆動するクロック信号に起因す
るクロックノイズがスイッチトキャパシタ回路の演算処
理に与える影響を低減できる。これにより、同一容量の
キャパシタを使用した場合であっても、信号処理精度を
向上できる。また、同じ信号処理精度で比較すると、当
該精度の達成に必要なキャパシタ容量を削減でき、消費
電力を低減できる。
【0027】特に、上記両第1スイッチ同士を互いに近
接して配置し、上記両第2スイッチ同士を互いに近接し
て配置すれば、第1スイッチ同士のマッチング精度と第
2スイッチ同士のマッチング精度とを向上できる。加え
て、第1スイッチ同士で拡散領域を重ねると共に、第2
スイッチ同士で拡散領域を重ねることで、それぞれのマ
ッチング精度をさらに向上させることができる。
【0028】さらに、上記構成に加えて、上記両配線の
一方に交差する信号線は、他方にも交差するように配置
すると共に、上記両入力端子から上記両配線に上記信号
線が交差するまでの間または交差点近傍までの間は、当
該両配線を並行に配置してもよい。
【0029】当該構成によれば、信号線から、各配線と
の間の寄生容量を介して、それぞれの配線へ与えられる
干渉は、略同一になるので、差動増幅器での差動演算に
よって、互いに相殺される。これにより、同一容量のキ
ャパシタを使用した場合であっても、信号処理精度を、
さらに向上できる。また、同じ信号処理精度を達成する
ために必要なキャパシタ容量をさらに削減でき、消費電
力をより低減できる。
【0030】また、両配線を並行に配する代わりに、上
記各スイッチに接続されるキャパシタが配される領域よ
りも上記差動増幅器の近傍または略同じ距離に上記非反
転側および反転側スイッチを配置してもよい。
【0031】当該構成では、差動増幅器の近傍に両スイ
ッチが配されているので、両配線の配線長が短くなり、
両配線と交差する信号線の数を削減できる。したがっ
て、基板などと各配線との間の寄生容量を削減できると
共に、信号線と配線との交差による寄生容量も削減でき
る。この結果、差動増幅器の両入力端子に付く寄生容量
を削減でき、スイッチトキャパシタ回路のセトリング特
性を改善できる。これにより、さらなる高精度化および
低消費電力化を実現できる。
【0032】さらに、上記各構成に加えて、上記非反転
側第1スイッチおよび反転側第2スイッチを上記差動増
幅器を中心に線対称に配置すると共に、上記反転側第1
スイッチおよび非反転側第2スイッチを上記差動増幅器
を中心に線対称に配置する方が望ましい。
【0033】当該構成によれば、上記各スイッチが差動
増幅器を中心に線対称に配置されているので、差動増幅
器の両入力端子間において、非対称配置に起因する寄生
容量のバラツキを抑えることができる。この結果、スイ
ッチトキャパシタ回路のさらなる高精度化および低消費
電力化を実現できる。
【0034】また、上記構成に加えて、上記非反転側第
1スイッチおよび上記非反転入力端子の間の非反転側配
線と、上記反転側第2スイッチおよび上記反転入力端子
の間の反転側配線とを上記差動増幅器を中心に線対称に
配置すると共に、上記反転側第1スイッチおよび上記反
転入力端子の間の反転側配線と、上記非反転側第2スイ
ッチおよび上記非反転入力端子の間の非反転側配線とを
上記差動増幅器を中心に線対称に配置する方が望まし
い。
【0035】当該構成によれば、各スイッチと両入力端
子との間の配線も差動増幅器を中心に線対称配置されて
いるので、差動増幅器の両入力端子間において、非対称
配置に起因する寄生容量のバラツキをさらに低減でき
る。この結果、スイッチトキャパシタ回路のさらなる高
精度化および低消費電力化を実現できる。
【0036】また、非反転側および反転側スイッチがそ
れぞれ2個ずつ並列に設けられているか否かに拘らず、
上記各構成に加えて、上記非反転側配線および反転側配
線は、両者の中心線に対して、互いに線対称に配されて
いる方が望ましい。
【0037】当該構成によれば、両配線が両者の中心線
に対して線対称配置されているので、差動増幅器の両入
力端子間において、非対称配置に起因する寄生容量のバ
ラツキをさらに低減できる。この結果、スイッチトキャ
パシタ回路のさらなる高精度化および低消費電力化を実
現できる。
【0038】特に、両配線を平行に配置した場合は、差
動増幅器の両入力端子間に付く寄生容量の相違をさらに
抑えることができる。また、平行配置に代えて、あるい
は、加えて、例えば、第1スイッチ同士や第2スイッチ
同士など、両配線の近傍に位置する部材も両配線の中心
線を基準に線対称配置することで、差動増幅器の両入力
端子間に付く寄生容量の相違をさらに抑制できる。した
がって、スイッチトキャパシタ回路のさらなる高精度化
および低消費電力化を実現できる。
【0039】一方、本発明に係るスイッチトキャパシタ
回路は、上記課題を解決するために、差動増幅器と、当
該差動増幅器の非反転入力端子および反転入力端子をリ
セットするために、それぞれに接続された非反転側およ
び反転側スイッチと、上記非反転入力端子および上記非
反転側スイッチを接続する非反転側配線と、当該反転入
力端子および上記反転側スイッチを接続する反転側配線
とを有するスイッチトキャパシタ回路において、上記非
反転側および反転側配線の一方の配線に交差する信号線
と、当該配線に交差し、上記信号線を伝送される信号の
反転信号が入力される反転信号線とを備えていることを
特徴としている。
【0040】当該構成によれば、反転信号線には、信号
線を伝送される信号の反転信号が入力されているので、
信号線から寄生容量を介して上記配線へ与えられる影響
と、反転信号線から寄生容量を介して上記配線に与えら
れる影響とは、互いに打ち消し合う。したがって、反転
信号線が無い場合に比べて、信号線から、配線に接続さ
れた入力端子への干渉を抑制でき、当該干渉がスイッチ
トキャパシタ回路の演算処理に与える影響を低減でき
る。この結果、同一容量のキャパシタを使用した場合で
あっても、信号処理精度を向上できる。また、同じ信号
処理精度を達成するために必要なキャパシタ容量を削減
でき、消費電力を低減できる。
【0041】また、上記各構成に加えて、上記差動増幅
器が配される領域の両側に、当該差動増幅器に近い方か
ら順番に、キャパシタを配した領域、上記各スイッチの
いずれかを配した領域、および、当該スイッチへクロッ
ク信号を供給するクロック信号配線を配した領域が、そ
れぞれ設けられていてもよい。当該構成によれば、クロ
ック信号配線を差動増幅器から遠くに配置されているの
で、クロックノイズに起因する演算精度低下を抑制でき
る。
【0042】ところで、非反転側配線および反転側配線
が、差動増幅器の非反転入力端子および反転入力端子に
直接接続されていない場合でも、各配線が、それぞれ、
キャパシタを介して各入力端子に接続されており、スイ
ッチトキャパシタ回路が各配線での電荷保存則により演
算処理するものであれば、直接接続されている場合と略
同様に、演算精度低下を抑制できる。
【0043】具体的には、本発明に係るスイッチトキャ
パシタ回路は、上記課題を解決するために、差動増幅器
と、一端が第1非反転側キャパシタに接続され、他端
が、第2非反転側キャパシタを介して、上記差動増幅器
の非反転入力端子に接続された非反転側配線と、一端が
第1反転側キャパシタに接続され、他端が、第2反転側
キャパシタを介して、上記差動増幅器の反転入力端子に
接続された反転側配線とを有し、上記両配線での電荷保
存則により演算処理するスイッチトキャパシタ回路にお
いて、上記両配線の一方に交差する信号線は、他方にも
交差するように配置すると共に、上記非反転側配線のう
ち、上記第2非反転側キャパシタの端部から上記信号線
との交差点または交差点近傍までの間と、上記反転側配
線のうち、上記第2反転側キャパシタの端部から上記信
号線との交差点または交差点近傍までの間とは、互いに
並行に配置されていることを特徴としている。
【0044】当該構成によれば、非反転側配線に交差す
る信号線は、反転側配線にも交差しているので、信号線
から寄生容量を介して非反転側配線への干渉と同一傾向
の干渉が、信号線から寄生容量を介して反転側配線へ伝
えられる。ここで、各配線が、それぞれ、第2非反転側
または第2反転側キャパシタを介して各入力端子に接続
されており、スイッチトキャパシタ回路が各配線での電
荷保存則により演算処理する。したがって、差動増幅器
の差動演算によって、これらの干渉が互いに相殺され、
これらの干渉がスイッチトキャパシタ回路の演算処理に
与える影響を低減できる。
【0045】さらに、両配線を並行して配置し、一方に
交差する信号線を他方にも交差させることで、信号線か
ら各配線への干渉に起因する、スイッチトキャパシタ回
路の演算精度低下を抑制しているので、レイアウトを困
難にすることなく、演算精度低下を防止できる。
【0046】これらの結果、同一容量のキャパシタを使
用した場合であっても、信号処理精度を向上できる。ま
た、同じ信号処理精度で比較すると、当該精度の達成に
必要なキャパシタ容量を削減でき、消費電力を低減でき
る。
【0047】また、本発明に係るスイッチトキャパシタ
回路は、上記課題を解決するために、差動増幅器と、一
端が第1非反転側キャパシタに接続され、他端が、第2
非反転側キャパシタを介して、上記差動増幅器の非反転
入力端子に接続された非反転側配線と、一端が第1反転
側キャパシタに接続され、他端が、第2反転側キャパシ
タを介して、上記差動増幅器の反転入力端子に接続され
た反転側配線と、当該非反転側配線および反転側配線を
それぞれリセットするために、それぞれへ接続された非
反転側および反転側スイッチとを有し、上記各スイッチ
を配置する領域が上記差動増幅器の両側に設けられてい
ると共に、上記両配線での電荷保存則により演算処理す
るスイッチトキャパシタ回路において、上記非反転側ス
イッチおよび反転側スイッチを、それぞれ、2つの互い
に並列に接続された第1および第2スイッチから構成
し、上記領域のうち、上記差動増幅器の一方側に設けら
れた第1領域に、上記非反転側および反転側第1スイッ
チを配置し、他方側に設けられた第2領域に、上記非反
転側および反転側第2スイッチを配置することを特徴と
している。
【0048】上記構成によれば、非反転側および反転側
配線を、差動増幅器の各入力端子に直接接続した上述の
構成と同様に、両第1スイッチ同士のマッチング精度お
よび両第2スイッチ同士のマッチング精度がそれぞれ向
上する。したがって、非反転側第2スイッチ、非反転側
配線および第2非反転側キャパシタを介して、非反転側
入力端子へ与えられるクロックノイズの影響と、反転側
第2スイッチ、反転側配線および第2反転側キャパシタ
を介して、反転側入力端子へ与えられるクロックノイズ
の影響とが互いに略同一となる。この結果、両者が差動
増幅器による差動演算によって互いに相殺され、各スイ
ッチを駆動するクロック信号に起因するクロックノイズ
がスイッチトキャパシタ回路の演算処理に与える影響を
低減できる。
【0049】これにより、同一容量のキャパシタを使用
した場合であっても、信号処理精度を向上できる。ま
た、同じ信号処理精度で比較すると、当該精度の達成に
必要なキャパシタ容量を削減でき、消費電力を低減でき
る。
【0050】さらに、上記構成に加えて、上記両配線の
一方に交差する信号線は、他方にも交差するように配置
する方が望ましい。当該構成によれば、信号線から上記
両配線への干渉が、差動増幅器での差動演算によって、
互いに相殺されるので、同一容量のキャパシタを使用し
た場合であっても、信号処理精度を向上できる。また、
同じ信号処理精度で比較すると、当該精度の達成に必要
なキャパシタ容量を削減でき、消費電力を低減できる。
【0051】また、本発明に係るスイッチトキャパシタ
回路は、上記課題を解決するために、差動増幅器と、一
端が第1非反転側キャパシタに接続され、他端が、第2
非反転側キャパシタを介して、上記差動増幅器の非反転
入力端子に接続された非反転側配線と、一端が第1反転
側キャパシタに接続され、他端が、第2反転側キャパシ
タを介して、上記差動増幅器の反転入力端子に接続され
た反転側配線とを有し、上記両配線での電荷保存則によ
り演算処理するスイッチトキャパシタ回路において、上
記非反転側および反転側配線の一方の配線に交差する信
号線と、当該配線に交差し、上記信号線を伝送される信
号の反転信号が入力される反転信号線とを備えているこ
とを特徴としている。
【0052】上記構成のスイッチトキャパシタ回路は、
当該配線での電荷保存則により演算処理しているので、
配線への干渉が演算精度低下に直結する。ところが、上
述の反転信号線を有する構成と同様に、信号線から寄生
容量を介して上記配線へ与えられる影響と、反転信号線
から寄生容量を介して上記配線に与えられる影響とは、
互いに打ち消し合うので、上記干渉に起因する演算精度
低下を抑制できる。この結果、同一容量のキャパシタを
使用した場合であっても、信号処理精度を向上できる。
また、同じ信号処理精度を達成するために必要なキャパ
シタ容量を削減でき、消費電力を低減できる。
【0053】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕本発明の一実
施形態について図1ないし図5に基づいて説明すると以
下の通りである。すなわち、本実施形態に係るスイッチ
トキャパシタ回路1は、例えば、10ビット20MS/
sパイプラインAD変換器など、高精度(例えば、10
ビット以上)かつ高速演算が必要なアナログ回路で、特
に好適に使用されるスイッチトキャパシタ回路であっ
て、図2に示すように、差動入力かつ差動出力の差動増
幅器AMP1と、差動増幅器AMP1の非反転入力端子
T1pおよび反転入力端子T1mのそれぞれに関連して
設けられた入力キャパシタCsp・Csm、積分キャパ
シタCfp・CfmおよびスイッチSW1p・SW1m
〜SW4p・SW4mとを備えている。上記各部材は、
例えば、0.35μmルールなどのCMOSプロセスで
基板上に集積して形成されている。
【0054】以下では、本実施形態に係るスイッチトキ
ャパシタ回路1の特徴的な部材構成および配置を説明す
る前に、スイッチトキャパシタ回路1の全体的な回路構
成および動作について簡単に説明する。
【0055】すなわち、上記差動増幅器AMP1は、例
えば、図3に示すように、Nチャンネルのトランジスタ
M0・M1・M2、PチャンネルのトランジスタM3・
M4、および、コモンモード制御電圧生成回路C1から
なる差動増幅器である。上記トランジスタM1・M2
は、差動入力対として動作しており、それぞれのゲート
は、差動増幅器AMP1の反転入力端子T1mおよび非
反転入力端子T1pに接続されている。また、両トラン
ジスタM1・M2のソースは、互いに接続されると共
に、上記トランジスタM0を介して接地されている。当
該トランジスタM0は、コモンモード制御電圧生成回路
C1から出力電圧VopおよびVomによって決まるバ
イアス電圧VBnがゲートに印加されており、定電流源
として動作する。
【0056】さらに、各トランジスタM1(M2)のド
レインは、能動負荷として動作する上記トランジスタM
3(M4)のドレインに接続されている。当該トランジ
スタM3(M4)は、ゲートに予め定められたバイアス
電圧VBpが印加されており、上記トランジスタM0が
供給する定電流の1/2の量の定電流を、トランジスタ
M1(M2)へ供給できる。また、トランジスタM3・
M4のソースには、電源電圧Vddが印加されている。
さらに、上記トランジスタM1・M3の接続点は、差動
増幅器AMP1の非反転出力端子T2pに接続されてい
ると共に、トランジスタM2・M4の接続点は、反転出
力端子T2mに接続されている。これにより、差動増幅
器AMP1は、非反転入力端子T1pと反転入力端子T
1mとの電位差に応じたレベルの反転出力信号および非
反転出力信号を、反転出力端子T2mおよび非反転出力
端子T2pから出力できる。
【0057】一方、図2に示すように、上記積分キャパ
シタCfp(Cfm)は、一端が差動増幅器AMP1の
非反転入力端子T1p(反転入力端子T1m)に接続さ
れていると共に、他端は、スイッチSW3p(SW3
m)を介して、反転出力端子T2m(非反転出力端子T
2p)に接続されている。また、当該スイッチSW3p
(SW3m)は、基準電圧VCMOが印加される電源端
子TP1と反転出力端子T2m(非反転出力端子T2
p)との一方をクロック信号φ3に応じて選択し、積分
キャパシタCfp(Cfm)に接続する。
【0058】また、上記反転出力端子T2m(非反転出
力端子T2p)は、スイッチトキャパシタ回路1の出力
端子TOUTm(TOUTp)に接続されると共に、ク
ロック信号φ4により導通/遮断が制御されるスイッチ
SW4p(SW4m)を介して、上記電源端子TP1に
接続されている。
【0059】一方、非反転入力端子T1p(反転入力端
子T1m)は、クロック信号φ1により導通/遮断が制
御されるスイッチSW1p(SW1m)を介して、基準
電圧VCMIが印加される電源端子TP2に接続されて
いる。
【0060】さらに、入力キャパシタCsp(Csm)
は、一端が上記非反転入力端子T1p(反転入力端子T
1m)に接続されると共に、他端は、スイッチSW2p
(SW2m)を介して、スイッチトキャパシタ回路1の
入力端子TINm(TINp)に接続されている。ま
た、当該スイッチSW2p(SW2m)は、基準電圧V
CMINが印加される電源端子TP3と入力端子TIN
m(TINp)との一方をクロック信号φ2に応じて選
択し、入力キャパシタCsp(Csm)に接続する。
【0061】上記構成では、サンプリングフェーズにお
いて、各スイッチSW1p・SW1m〜SW4p・SW
4mは、図2に示す状態となる。この状態では、スイッ
チSW1p・SW1mが導通しているので、差動増幅器
AMP1の両入力端子T1p・T1mには、基準電圧V
CMIが印加されると共に、例えば、漏れ電流などによ
って、両入力端子T1p・T1mに蓄積された電荷が放
出され、両入力端子T1p・T1mがリセットされる。
【0062】さらに、この状態では、スイッチSW3p
・SW3mが電源端子TP1側を選択しているので、各
積分キャパシタCfp・Cfmの両端には、互いに同じ
レベルの基準電圧VCMI・VCMOが印加され、それ
ぞれに蓄積された電荷が放出される。
【0063】また、この状態では、スイッチSW1p・
SW1mが導通すると共に、スイッチSW2p・SW2
mが入力端子TINm・TINp側を選択しているの
で、入力キャパシタCspには、反転入力信号VINM
と基準電圧VCMIとの差に応じた電荷が蓄積され、入
力キャパシタCsmには、非反転入力信号VINPと基
準電圧VCMIとの差に応じた電荷が蓄積される。な
お、サンプリングフェーズでは、スイッチSW4p・S
W4mが導通している。
【0064】サンプリングフェーズの終了時に、スイッ
チSW1p・SW1mが遮断され、続いて、スイッチS
W4p・SW4mが遮断される。さらに、スイッチSW
3p・SW3m・SW2p・SW2mがサンプリングフ
ェーズとは逆の方を選択する。これにより、サンプリン
グフェーズが終了し、ホールドフェーズとなる。
【0065】ここで、スイッチSW3p・SW3m・S
W2p・SW2mの切り換え時には、両入力端子T1p
・T1mの電荷が保存されるので、両入力端子T1p・
T1mへの寄生容量を無視して算出すると、スイッチト
キャパシタ回路1の各端子TINp、TOUTp、TI
NmおよびTOUTmの電圧VINP、VOUTP、V
INMおよびVOUTMは、各基準電圧(コモンモード
電圧)VCMIN=VCMI=VCMO=0とすると、
以下の式(1)および(2)に示すように、 VINP・Csm = Cfm・VOUTP …(1) VINM・Csp = Cfp・VOUTM …(2) となり、両入力キャパシタCsp・Csmの容量が同じ
値(Cs)であり、両積分キャパシタCfp・Cfmの
容量が同じ値(Cf)とすると、以下の式(3)に示す
ように、 Cs・(VINP−VINM)=Cf・(VOUTP−VOUTM)…(3) となる。したがって、両入力端子T1p・T1mへの寄
生容量を無視して算出すると、スイッチトキャパシタ回
路1は、差動信号の演算処理(この場合は、サンプルホ
ールド処理)できる。
【0066】さらに、本実施形態では、寄生容量が存在
しても、スイッチトキャパシタ回路1の演算に誤差がで
ないように、スイッチトキャパシタ回路1を構成する各
部材や配線を配置している。
【0067】具体的には、図1に示すように、本実施形
態に係るスイッチトキャパシタ回路1を集積する際、差
動増幅器AMP1が形成される領域A1の両側に、キャ
パシタが形成される領域A21・A22が配され、これ
らの領域A21・A1・A22の両側に、スイッチが形
成される領域A31・A32が配されている。さらに、
これらの領域A31・A21・A1・A22・A32の
両側には、クロック信号の配線が形成される領域A41
・A42が設けられている。
【0068】本実施形態では、上記領域A21に差動増
幅器AMP1の反転入力端子T1mに関連して設けられ
たキャパシタCsm・Cfmが設けられており、領域A
22に、非反転入力端子T1pに関連して設けられたキ
ャパシタCsp・Cfpが形成されている。また、差動
増幅器AMP1を基準に領域A21側の領域A31に
は、スイッチSW2m・SW3m・SW4mが形成され
ており、領域A22側の領域A32には、スイッチSW
2p・SW3p・SW4pが形成されている。
【0069】上記構成では、非反転入力端子T1p側の
部材Csp・Cfp・SW2p・SW3p・SW4p
と、反転入力端子T1m側の部材Csm・Cfm・SW
2m・SW3m・SW4mとが、差動増幅器AMP1か
ら見て反対側に配されているので、両入力端子T1p・
T1mに関連する部材を同じ側に配する構成に比べて、
各部材を接続する配線間の交差を防止できる。
【0070】加えて、本実施形態では、図2に示すよう
に、非反転入力端子T1pをリセットするためのスイッ
チSW1pが、2つの互いに並列に接続されたスイッチ
SW11p・SW12pから構成されており、スイッチ
SW11pが上記領域A31に、スイッチSW12pが
領域A32に、それぞれ形成されている。同様に、スイ
ッチSW1mも、領域A31のスイッチSW11mと、
領域A32のスイッチSW12mから構成されている。
【0071】さらに、上記両スイッチSW11m・SW
12pは、差動増幅器AMP1を中心に互いに線対称と
なる位置に配されており、同様に、上記両SW11p・
SW12mも互いに線対称に配されている。また、スイ
ッチSW11pから非反転入力端子T1pまでの配線L
11pは、スイッチSW11mから反転入力端子T1m
までの配線L11mと並行して配置されている。同様
に、スイッチSW12pから非反転入力端子T1pまで
の配線L12pと、スイッチSW12mから反転入力端
子T1mまでの配線L12mとも互いに並行して配置さ
れている。
【0072】また、本実施形態では、上記配線L11m
・L11p(またはL12m・L12p)は、平行かつ
近接して配置されている。一例として、上記両配線L1
1m・L11p(またはL12m・L12p)の間の距
離は、0.2μm〜100μm程度に設定されている。
【0073】さらに、本実施形態に係るスイッチトキャ
パシタ回路1は、複数のスイッチトキャパシタ回路1
を、上記中心軸Xに沿った方向に、多段縦続して接続で
きるように構成されており、キャパシタの領域A21
(A22)から出力端子TOUTp(TOUTm)を介
して次段側への信号線は、次段側に、上記領域A21
(A22)から入力端子TINp(TINm)を介して
前段側への信号線SL1p(SL1m)は、前段側に、
それぞれ延設されている。
【0074】ここで、2つに分離されているか否かに拘
らず、差動増幅器AMP1の両入力端子T1p・T1m
をリセットするスイッチSW1p・SW1mを、中心軸
Xを挟んで差動増幅器AMP1の両側に設けると、上記
次段側または前段側に接続される信号線の少なくとも一
方(この例では、信号線SL1pおよびSL1m)は、
スイッチSW1pと非反転入力端子T1pとの間の配線
およびスイッチSW1mと反転入力端子T1mとの間の
配線の少なくとも一方に交差して、交差点に寄生容量が
生成される。
【0075】ところが、本実施形態では、上述したよう
に、中心軸Xを挟むように、スイッチSW1p・SW1
mが差動増幅器AMP1の両側に設けられており、さら
に、上記次段側または前段側に接続される信号線の少な
くとも一方(この例では、信号線SL1pおよびSL1
m)は、非反転入力端子T1pに接続される配線L11
pまたはL12pと、反転入力端子に接続される配線L
11m・L12mとの双方に交差している。
【0076】上記構成では、信号線SL1pと配線L1
1pおよび配線L11mとの交差によって、それぞれ寄
生容量C111p・C111mが形成される。また、信
号線SL1mと配線L12pおよび配線L12mとの交
差によって、それぞれ寄生容量C112p・C112m
が形成される。したがって、図2に示す回路図は、これ
らの寄生容量も記載すると、図4に示すようになる。
【0077】ここで、本実施形態では、配線L11pお
よびL11mを互いに並列に配置しているので、信号線
SL1pおよび配線L11pの間の寄生容量C111p
と、信号線SL1pおよび配線L11mの間の寄生容量
C111mとは、同容量になる。この結果、信号線SL
1pを伝送される信号(VINP)が、配線L11pを
介して、差動増幅器AMP1の非反転入力端子T1pへ
与える影響と、配線L11mを介して、差動増幅器AM
P1の反転入力端子T1mへ与える影響とは、互いに等
しくなる。同様に、寄生容量C112pおよび寄生容量
C112mとは、同容量になり、信号線SL1mを伝送
される信号(VINM)が両入力端子T1p・T1mへ
与える影響は互いに等しくなる。
【0078】具体的には、上記寄生容量を考慮すると、
上述の式(1)および(2)は、以下の式(4)および
式(5)に示すように、 C111m ・VINP + C112m・VINM + Csm・VINP = Cfm・VOUTP + C111m ・VINP2 + C112m・VINM2 …(4) C111p ・VINP + C112p・VINM + Csp・VINM = Cfp・VOUTM + C111p ・VINP2 + C112p ・VINM2 …(5) となる。なお、上記式(4)・式(5)において、VI
NP2およびVINM2は、スイッチSW1pおよびS
W1mが遮断された後のホールドフェーズにおける入力
端子TINpおよびTINmの電圧である。
【0079】ここで、上述したように、寄生容量C11
1pおよびC111mは、互いに同じ容量であり、寄生
容量C112pおよびC112mも同じ容量である。し
たがって、上式(4)から式(5)を引いて、スイッチ
トキャパシタ回路1の入出力の関係式を導出すると、以
下の式(6)に示すように、 Cs・(VINP−VINM)=Cf・(VOUTP−VOUTM)…(6) となり、上記寄生容量が演算結果(差動信号演算)に影
響を与えなくなる。
【0080】なお、上記では、信号線SL1p・SL1
mの場合を例にして説明したが、例えば、スイッチトキ
ャパシタ回路1の両出力端子TOUTp・TOUTmに
接続される信号線など、他の信号線であっても、本実施
形態では、両配線L11p・L11mの一方に電気的に
接続されずに交差する場合、当該信号線を他方にも交差
するように配置している。同様に、両配線L12p・L
12mの一方に交差する信号線は、他方にも交差するよ
うに配置されている。これにより、交差によって、差動
増幅器AMP1の両入力端子T1p・T1mの一方に付
加される寄生容量は、他方に付加される寄生容量と同じ
になる。この結果、上述と同様に、寄生容量に起因する
演算誤差を抑制できる。
【0081】また、本実施形態では、例えば、キャパシ
タの領域A21に配されたキャパシタCfmと配線L1
1pとを接続する配線SL21pのように、両配線L1
1p・L11mの一方と電気的に接続された信号線であ
っても、他方に交差するように配置されている。さら
に、本実施形態では、スイッチSW11pへの配線L1
1pと、スイッチSW12mへの配線L12mとが、中
心軸Xを中心に線対称に配置されている。さらに、キャ
パシタCfpなど、非反転入力端子T1pに関連して設
けられ、中心軸Xの一方側に設けられた部材と、例え
ば、キャパシタCfmなど、当該部材と同じ機能を有
し、中心軸Xの他方側に設けられ、しかも、反転入力端
子T1mに関連して設けられた部材とが、上記中心軸X
に互いに線対称に配置されている。また、中心軸Xの一
方側の各部材に各配線L11p・L11mを接続する配
線は、中心軸Xの他方側の各部材に各配線L12m・L
12pを接続する配線と、中心軸Xを中心にして線対称
に配置されている。これらの結果、上記各配線L11p
〜L12mのいずれかに電気的に接続される信号線であ
っても、差動増幅器AMP1の両入力端子T1p・T1
mへ与える影響を互いに同じにでき、差動増幅器AMP
1での演算によって、当該信号線からの干渉を相殺でき
る。
【0082】加えて、本実施形態では、配線L11pお
よびL11mが平行かつ近接(例えば、0.35μmル
ールの場合で、0.2μm〜100μmなど)して配置
されている。また、配線L12p・L12mも平行かつ
近接して配されている。したがって、それぞれが近接し
ていない場合に比べて、それぞれへ混入する放射ノイズ
などの影響を揃えることができる。また、材質の不均一
などや、形状(例えば、配線幅など)のバラツキに起因
する寄生容量のバラツキを抑制できる。また、それぞれ
が平行に配されているので、平行でない場合に比べて、
形状(例えば、配線幅など)のバラツキに起因する寄生
容量のバラツキを抑えることができる。
【0083】また、本実施形態では、差動増幅器AMP
1の非反転入力端子T1pをリセットするためのアナロ
グスイッチ(SW1p)をスイッチSW11p・SW1
2pの2つに分割し、差動増幅器AMP1の両側に配さ
れた領域A31・A32のそれぞれに配置している。同
様に、反転入力端子T1mをリセットするスイッチSW
1mも2つのスイッチSW11m・SW12mに分割
し、それぞれ領域A31・A32に配されている。した
がって、領域A31・A32の一方に、スイッチSW1
pを配し、他方にスイッチSW1mを配する場合に比べ
て、スイッチSW11p・SW11m間の距離を短縮で
きる。したがって、各スイッチの導通/遮断を制御する
クロック信号φ1〜φ4…から、上記スイッチSW11
p・SW11mを介して、上記両入力端子T1p・T1
mへ、それぞれ混入するノイズ(例えば、チャージイン
ジェクションやクロックフィールドスルーなど)を、互
いに等しくすることができる。同様に、スイッチSW1
2p・SW12mを介して上記両入力端子T1p・T1
mへ、それぞれ混入するノイズも互いに等しくなる。こ
れらの結果、差動増幅器AMP1での差動演算によって
これらのノイズが互いに相殺され、スイッチトキャパシ
タ回路1の演算誤差を低減できる。
【0084】特に、本実施形態では、領域A31に配さ
れるスイッチSW11p・SW11mを、例えば、拡散
領域を重ねて配置するなどして近接して配置すると共
に、領域A32に配されるスイッチSW12p・SW1
2mを近接して配している。また、拡散領域を重ねて配
置しない場合でも、0.1μm〜20μm程度の範囲に
近接して配置する。これにより、スイッチSW11p・
SW11m同士のマッチング精度およびスイッチSW1
2p・SW12m同士のマッチング精度を向上でき、ス
イッチトキャパシタ回路1の演算誤差を低減できる。
【0085】加えて、本実施形態に係るスイッチトキャ
パシタ回路1では、配線L11p・L11mを挟むよう
に、例えば、接地電位など、安定な電位が印加されるガ
ードラインLg31・Lg31を配置している。同様
に、配線L12p・L12mを挟むように、ガードライ
ンLg32・Lg32が配されている。これにより、ハ
イインピーダンスとなり、しかも、ノイズが混入する
と、スイッチトキャパシタ回路1の演算結果に影響を及
ぼしやすい配線L11p〜L12mを、ノイズから保護
でき、スイッチトキャパシタ回路1の演算誤差を低減で
きる。
【0086】なお、図1では、配線L11pまたはL1
2pから非反転入力端子T1pに配線が引き込まれ、配
線L11mまたはL12mから反転入力端子T1mに配
線が引き込まれるように図示しているが、例えば、差動
増幅器AMP1の差動入力対(図3のトランジスタM1
・M2)をコモンセントロイドに配置し、両トランジス
タM1・M2の境界が、配線L11m(またはL12
m)と配線L11p(またはL12p)の間にくるよう
に、各部材を配置することで、配線を引き込むことな
く、各入力端子T1p(T1m)を配線L11p・L1
2p(L11m・L12m)に接続できる。
【0087】また、その際、トランジスタM1(M2)
を、それぞれ、互いに並列な2つのトランジスタM11
・M12(M21・M22)によって形成し、差動増幅
器AMP1の中心軸X(中心軸が複数ある場合は、配線
L11mに垂直な軸)を基準に、トランジスタM11・
M21を線対称に、トランジスタM22・M12を線対
称に配置してもよい。これにより、トランジスタM11
・M12の間、すなわち、トランジスタM21・M22
の間の領域で、配線L11pから配線L12pまでの配
線と、配線L11mから配線L12mまでの配線とを交
差して、入れ換えることができる。
【0088】なお、上記では、配線L11p・L12p
の全域、すなわち、非反転入力端子T1pからスイッチ
SW11pの直前までに渡って並列配置し、配線L11
m・L12mの全域に渡って並列配置する場合を例にし
て説明したが、例えば、各端子TINp、TINm、T
OUTpあるいはTOUTmへの信号線など、ノイズと
なる信号線が交差するまで、または、交差点近傍(10
μm程度)まで、並列配置していれば、略同様の効果が
得られる。ただし、本実施形態のように、できるだけ長
く、全域に渡って並列配置する方が、スイッチトキャパ
シタ回路1の演算精度をより向上できる。
【0089】また、上記では、オフセット補償しない場
合を例にして説明したが、オフセット補償する場合であ
っても、スイッチSW1p・SW1m、両スイッチSW
1p・SW1mへの配線L11p〜L12m、および、
各配線に交差する信号線を本実施形態と同様に配置する
ことで、同様の効果が得られる。
【0090】より詳細には、本変形例に係るスイッチト
キャパシタ回路1aは、図2と略同様の構成であるが、
非反転入力端子T1pをリセットするスイッチSW1p
は、当該非反転入力端子T1pと反転出力端子T2mと
の間に設けられており、反転入力端子T1mをリセット
するスイッチSW1mは、当該反転入力端子T1mと非
反転出力端子T2pとの間に設けられている。また、ス
イッチSW4p・SW4mおよび電源端子TP2は、削
除されている。
【0091】上記構成では、サンプリングフェーズにお
いて、各スイッチSW1p・SW1m〜SW3p・SW
3mは、図5に示す状態となる。この状態では、スイッ
チSW1p・SW1mがそれぞれ導通している。したが
って、差動増幅器AMP1の非反転入力端子T1pに蓄
積された電荷は、反転出力端子T2mを介して放出さ
れ、当該端子T1pの電位は、上記入出力端子T1p・
T2mを短絡した場合の電圧Vxpにリセットされる。
同様に、反転入力端子T1mに蓄積された電荷は、非反
転出力端子T2pを介して放出され、当該端子T1mの
電位は、上記入出力端子T1m・T2pを短絡した場合
の電圧Vxmにリセットされる。
【0092】ここで、入出力端子T1pおよびT2mが
短絡され、入出力端子T1mおよびT2pが短絡されて
いる。したがって、上記各電圧VxpおよびVxmは、
差動増幅器AMP1の各出力端子T1mおよびT1pに
現れるオフセット電圧を、それぞれVofspおよびV
ofsm、ゲインをAとしたとき、以下の式(7)およ
び(8)に示すように、 Vxp=A/(A+1)・Vofsp …(7) Vxm=A/(A+1)・Vofsm …(8) である。
【0093】さらに、この状態では、スイッチSW2p
がスイッチトキャパシタ回路1aの反転入力端子TIN
m側を選択し、スイッチSW3pが基準電圧VCMO側
を選択している。したがって、入力キャパシタCspに
は、入力電圧VINMと、上記電圧Vxpに応じた電荷
が蓄積され、積分キャパシタCfpには、上記電圧Vx
pと基準電圧VCMOとの差に応じた電荷が蓄積され
る。同様に、スイッチSW2mがスイッチトキャパシタ
回路1aの非反転入力端子TINp側を選択し、スイッ
チSW3mが基準電圧VCMO側を選択しているので、
入力キャパシタCsmには、入力電圧VINPと、上記
電圧Vxmに応じた電荷が蓄積され、積分キャパシタC
fmには、上記電圧Vxmと基準電圧VCMOとの差に
応じた電荷が蓄積される。
【0094】サンプリングフェーズの終了時に、スイッ
チSW1p・SW1mが遮断される。さらに、スイッチ
SW3p・SW3m・SW2p・SW2mがサンプリン
グフェーズとは逆の方を選択する。これにより、サンプ
リングフェーズが終了し、ホールドフェーズとなる。
【0095】ここで、スイッチSW3p・SW3m・S
W2p・SW2mの切り換え時には、スイッチSW1p
・SW1mが遮断されているので、両入力端子T1p・
T1mの電荷が保存される。
【0096】したがって、サンプリングフェーズおよび
ホールドフェーズにおいて、上記両キャパシタCsp・
Cfpに蓄積される電荷Qは、以下の式(9)および
(10)に示すように、 Q=Csp・(VINM−Vxp)+Cfp・(−Vxp) …(9) Q=Csp・(−Vx2p)+Cfm・(VOUTP−Vx2p) …(10) となる。なお、上式(10)のVx2pは、ホールドフェ
ーズにおける非反転入力端子T1pの入力電圧であり、
以下の式(11)に示すように、 −A・(Vx2p−Vofsp)=VOUTM …(11) である。
【0097】さらに、差動増幅器AMP1のゲインAが
十分大きいとして、上記式(7)・式(9)〜式(11)
をまとめると、スイッチトキャパシタ回路1aの入出力
電圧VINMおよびVOUTMは、以下の式(12)に示
すように、両入力端子T1p・T1mに付加される寄生
容量を無視して算出した場合、 VOUTM = (Csp/Cfp)・VINM …(12) となる。
【0098】同様に、差動増幅器AMP1のゲインAが
十分大きいとすると、スイッチSW1の入出力電圧VI
NPおよびVOUTPは、以下の式(13)に示すように、
上記両寄生容量を無視して算出した場合、 VOUTP = (Csm/Cfm)・VINP …(13) となる。
【0099】この結果、スイッチトキャパシタ回路1a
の入出力電圧は、以下の式(14)に示すように、 Cs・(VINP−VINM)=Cf・(VOUTP−VOUTM)…(14) となり、差動増幅器AMP1にオフセット電圧Vofs
p・Vofsmが発生する場合であっても、両入力端子
T1p・T1mに付加される寄生容量を無視すると、ス
イッチトキャパシタ回路1aは、これらのオフセット電
圧の影響を補償した正しい値を出力できる。
【0100】この場合でも、図1と同様に、両入力端子
T1p・T1mをリセットするスイッチSW11p〜S
W12m、それぞれへの配線L11p〜L12m、およ
び、各配線に交差する信号線SL1p・SL1mなど
を、本実施形態と同様に配置することで、同様の効果が
得られる。
【0101】〔第2の実施形態〕上記第1の実施形態で
は、差動入力/差動出力型のスイッチトキャパシタ回路
1を例にして説明した。これに対して、本実施形態で
は、シングルエンド入力/シングルエンド出力のスイッ
チトキャパシタ回路について、図6ないし図8を参照し
て説明する。
【0102】すなわち、本実施形態に係るスイッチトキ
ャパシタ回路11は、オフセット補償するスイッチトキ
ャパシタ回路であって、図6に示すように、図5のスイ
ッチトキャパシタ回路1aと略同様の構成を備えてい
る。ただし、本実施形態に係るスイッチトキャパシタ回
路11は、シングルエンド入出力なので、入力端子TI
Nmおよび出力端子TOUTmが省略されている。ま
た、入力端子TINpの代わりに入力端子TINが設け
られ、出力端子TOUTpに代えて、出力端子TOUT
が設けられている。なお、スイッチトキャパシタ回路1
1では、電源端子TP1・TP3も省略され、これらに
接続されていた部材は接地されている。
【0103】さらに、スイッチトキャパシタ回路11で
は、図5に示す差動増幅器AMP1に代えて、差動入力
かつシングルエンド出力の差動増幅器AMP2が設けら
れている。上記差動増幅器AMP2は、例えば、図7に
示すように、図3と略同様に接続されたトランジスタM
0〜M5を備えている。ただし、差動増幅器AMP2
は、シングルエンド出力なので、トランジスタM3およ
びM1の接続点のみが出力端子T2に接続されている。
また、両トランジスタM3・M4のゲートには、ゲート
に予め定められたバイアス電圧VBpが印加される代わ
りに、トランジスタM4のドレインが接続されている。
これにより、差動増幅器AMP2は、非反転入力端子T
1pと反転入力端子T1mとの電位差に応じたレベルの
出力信号を出力端子T2から出力できる。
【0104】さらに、本実施形態では、スイッチSW1
mは、反転入力端子T1mと出力端子T2との間に設け
られており、スイッチSW3mの3つの端子のうち、積
分キャパシタCfm以外に接続された端子の一方は、差
動増幅器AMP2の出力端子TOUTに接続され、他方
は、接地されている。また、スイッチSW2mの3つの
端子のうち、入力キャパシタCsm以外に接続された端
子の一方は、スイッチトキャパシタ回路11の入力端子
TINに接続され、他方は、接地されている。
【0105】一方、差動増幅器AMP2の非反転入力端
子T1pは、スイッチSW1pを介して接地されてお
り、スイッチSW3pの3つの端子のうち、積分キャパ
シタCfp以外に接続された両端子は、それぞれ接地さ
れている。また、また、スイッチSW2pの3つの端子
のうち、入力キャパシタCsp以外に接続された両端子
は、それぞれ接地されている。
【0106】上記構成では、サンプリングフェーズにお
いて、各スイッチSW1p・SW1m〜SW3p・SW
3mは、図6に示す状態となる。この状態では、スイッ
チSW1pが導通しているので、差動増幅器AMP2の
非反転入力端子T1pが接地されると共に、当該端子T
1pに蓄積された電荷は、スイッチSW1pの導通によ
って放出され、当該端子T1pがリセットされる。ま
た、スイッチSW1mが導通しているので、差動増幅器
AMP2の反転入力端子T1mに蓄積された電荷は、出
力端子T2を介して放出され、当該端子T1mの電位
は、上記入出力端子T1m・T2を短絡した場合の電圧
Vxにリセットされる。なお、入出力端子T1m・T2
が短絡されているので、電圧Vxは、差動増幅器AMP
2のオフセット電圧をVofs、ゲインをAとしたと
き、以下の式(15)に示すように、 Vx=A/(A+1)・Vofs …(15) である。
【0107】さらに、この状態では、スイッチSW2m
がスイッチトキャパシタ回路11の入力端子TIN側を
選択し、スイッチSW3mが接地側を選択しているの
で、入力キャパシタCsmには、入力電圧VINと上記
電圧Vxとの差に応じた電荷が蓄積され、積分キャパシ
タCfmには、上記電圧Vxに応じた電荷が蓄積され
る。また、スイッチSW2pおよびSW3pは、接地側
を選択しており、スイッチSW1pが導通しているの
で、入力キャパシタCspおよび積分キャパシタCfp
は、それぞれ、両端電位が一致し、電荷が蓄積されな
い。
【0108】サンプリングフェーズの終了時に、スイッ
チSW1p・SW1mが遮断される。さらに、スイッチ
SW3p・SW3m・SW2p・SW2mがサンプリン
グフェーズとは逆の方を選択する。これにより、サンプ
リングフェーズが終了し、ホールドフェーズとなる。
【0109】ここで、スイッチSW3p・SW3m・S
W2p・SW2mの切り換え時には、スイッチSW1p
・SW1mが遮断されているので、両入力端子T1p・
T1mの電荷が保存される。したがって、サンプリング
フェーズおよびホールドフェーズにおいて、上記両キャ
パシタCsm・Cfmに蓄積される電荷Qは、以下の式
(16)および(17)に示すように、 Q = Csm・(VIN−Vx) + Cfm・(−Vx) …(16) Q = Csm・(−Vx2)+Cfm・(VOUT−Vx2) …(17) となる。なお、上式(16)および(17)において、Vxお
よびVx2は、それぞれ、サンプリングフェーズおよび
ホールドフェーズにおける反転入力端子T1mの入力電
圧であり、以下の式(18a)および(18b)に示すように、 Vx=Vofs …(18a) −A・(Vx2−Vofs)=VOUT …(18b) である。
【0110】さらに、差動増幅器AMP2 のゲインAが
十分大きいとして、上記式(15)〜式(18)をまとめる
と、スイッチトキャパシタ回路11の入出力電圧VI
N、VOUTは、以下の式(19)に示すように、両入力
端子T1p・T1mに付加される寄生容量を無視して算
出した場合、 VOUT = (Csm/Cfm)・VIN …(19) となる。
【0111】さらに、本実施形態では、寄生容量が存在
しても、スイッチトキャパシタ回路11の演算に誤差が
でないように、スイッチトキャパシタ回路11を構成す
る各部材や配線を配置している。
【0112】すなわち、図8に示すように、図1と同様
に各領域A1〜A42が配置されいる。また、差動増幅
器AMP2の非反転入力端子T1p(反転入力端子T1
m)をリセットするスイッチSW1p(SW1m)は、
図1と同様に、それぞれ2つの互いに並列に接続された
スイッチSW11p・SW12p(スイッチSW11m
・SW12m)から構成されている。さらに、これらの
スイッチSW11p〜SW12mと、それらに接続ある
いは交差される配線L11p〜L12mおよび信号線S
L1p〜SL22mは、図1と同様に、配置されてい
る。
【0113】具体的には、本実施形態に係るスイッチト
キャパシタ回路11でも、配線L11p・L11mが並
列配置され、信号線SL1pが配線L11p・L11m
の双方に交差している。この結果、第1の実施形態と同
様に、信号線SL1pが、寄生容量C111p・C11
1mを介して、差動増幅器AMP2の両入力端子T1p
・T1mへに与える影響を同一傾向かつ同じ量にでき
る。この結果、差動増幅器AMP2での差動演算によっ
て、当該信号線SL1pからの干渉を相殺できる。した
がって、干渉に起因する演算誤差を抑制できる。
【0114】また、差動増幅器AMP2の両入力端子T
1p・T1mをリセットするスイッチSW1p・SW1
mがそれぞれ2つに分割され、領域A31・A32に配
置されているので、分割しない場合に比べて、スイッチ
SW11p・SW11mを近接配置できると共に、スイ
ッチSW12p・SW12mを近接配置できる。したが
って、クロック信号φ1〜φ4…から、上記スイッチS
W11p・SW11mを介して、上記両入力端子T1p
・T1mへ、それぞれ混入するノイズが略同じになる。
また、スイッチSW12p・SW12mを介するノイズ
も略同一になる。これらの結果、差動増幅器AMP2で
の差動演算によって、これらのノイズが互いに相殺さ
れ、スイッチトキャパシタ回路11の演算誤差を低減で
きる。加えて、スイッチSW11p・SW11m、並び
に、SW12p・SW12mがそれぞれ近接して配置さ
れているので、それぞれのマッチング精度を向上でき、
スイッチトキャパシタ回路11の演算誤差を低減でき
る。
【0115】加えて、本実施形態では、各部材間の距離
や形成方法、あるいは、線対称配置などの配置方法も第
1の実施形態と略同様なので、第1の実施形態と同様
に、スイッチトキャパシタ回路11の演算誤差を抑制で
きる。
【0116】なお、本実施形態では、入力電圧VINの
入力時に差動増幅器AMP2の入出力間を短絡すること
で、オフセット電圧Vofsを補償可能なスイッチトキ
ャパシタ回路11について説明したが、オフセット補償
しない場合であっても、差動増幅器AMP2の両入力端
子T1p・T1mをリセットするスイッチSW1p・S
W1m、両スイッチSW1p・SW1mへの配線L11
p〜L12m、および、各配線に交差する信号線を本実
施形態と同様に配置することで、スイッチトキャパシタ
回路11の演算精度を向上できる。
【0117】また、上記第1および第2の実施形態で
は、差動入力・差動出力の場合、シングルエンド入力・
シングルエンド出力の場合を例にして説明したが、これ
に限るものではなく、シングルエンド入力・差動出力の
場合や、差動入力・シングルエンド出力の場合であって
も、スイッチSW1p・SW1m、両スイッチSW1p
・SW1mへの配線L11p〜L12m、および、各配
線に交差する信号線を本実施形態と同様に配置すること
で、同様の効果が得られる。
【0118】〔第3の実施形態〕本実施形態に係るスイ
ッチトキャパシタ回路は、図2に示すスイッチトキャパ
シタ回路1の別のレイアウト配置である。本実施形態で
は、図9に示すように、スイッチトキャパシタ回路21
の各部材が図1と略同様に配置されているが、図1とは
異なり、スイッチSW11p〜SW12mは、例えば、
CMOS0.35μmルールの場合で、5μm〜100
μmの程度など、キャパシタの領域A21(A22)よ
りも差動増幅器AMP1の近く、または、同程度の距離
に配置されていると共に、信号線SL1p・SL1mが
各配線L11p〜L12mと交差しないように配置され
ている。
【0119】当該構成によれば、配線L11p〜L12
mに交差する配線を減らすことができ、これらとの間の
寄生容量を削減できると共に、各配線L11p〜L12
mと接地レベルとの間の寄生容量をも削減できる。この
結果、差動増幅器AMP1の各入力端子T1p・T1m
の負荷容量を削減でき、スイッチトキャパシタ回路21
の演算速度を向上できる。
【0120】さらに、スイッチSW11p〜SW12m
を近づけることによって、信号伝送用の信号線が、配線
L11p〜L12mに電気的に接続されずに交差するこ
とを防止できるので、当該信号線から、配線L11p〜
L12mへの干渉が存在せず、スイッチトキャパシタ回
路21の演算精度を向上できる。
【0121】また、差動増幅器AMP1(より厳密に
は、両入力端子T1p・T1m)から各スイッチSW1
1pないしSW12mまでの距離が、CMOS0.35
μmルールの場合で、5μm以上に設定されてるので、
クロック信号が、各スイッチSW11pないしSW12
mおよび基板を介して、差動増幅器AMP1へ与える干
渉の程度を、演算精度が劣化しない程度に抑えながら、
スイッチトキャパシタ回路21の演算速度を向上でき
る。
【0122】加えて、差動増幅器AMP1とスイッチS
W1p・SW1mとの距離、並びに、信号線SL1p・
SL1mが各配線L11p〜L12mに交差していない
点を除くと、図1と同様にレイアウトされているので、
マッチング精度の低下や非対称性に起因する演算誤差の
低下を防止できる。
【0123】なお、上記では、差動入力・差動出力の場
合を例にして説明したが、差動入力・シングルエンド出
力、シングルエンド入力・差動出力、あるいは、シング
ルエンド入出力の場合であっても、スイッチSW1p・
SW1m、両スイッチSW1p・SW1mへの配線L1
1p〜L12m、および、各配線に交差する信号線を本
実施形態と同様に配置することで、同様の効果が得られ
る。
【0124】〔第4の実施形態〕本実施形態では、他の
レイアウト方法として、差動増幅器AMP1の両入力端
子T1p・T1mに接続された配線へ、信号線が交差す
る場合、その反転信号が伝送される信号線も交差するよ
うにレイアウトすることで、信号線からの干渉を防止す
る構成について説明する。なお、当該構成は、図6に示
すように、シングルエンドの入出力の場合や、図示しな
いシングルエンド入力・差動入力、差動入力・シングル
エンド出力の場合にも適用できるが、以下では、一例と
して、第1の実施形態と同様、差動入力・差動出力のス
イッチトキャパシタ回路の場合について説明する。
【0125】すなわち、本実施形態に係るスイッチトキ
ャパシタ回路31は、図10に示すように、図2に示す
スイッチトキャパシタ回路1と略同様の回路構成である
が、スイッチSW1pおよびSW1mが、それぞれ1つ
のスイッチから構成されており、図11に示すように、
一方のスイッチSW1p)が領域A32に形成され、他
方のスイッチSW1mが領域A31に形成されている点
が異なっている。
【0126】また、これに伴い、図1に示す配線L11
p〜L12mに代えて、スイッチSW1pと差動増幅器
AMP1の非反転入力端子T1pとを接続する配線L1
pと、スイッチSW1mと差動増幅器AMP1の反転入
力端子T1mとを接続する配線L1mとが設けられてい
る。
【0127】さらに、本実施形態に係る配線L1mに
は、非反転入力信号VINPが印加される信号線SL1
1pが交差するだけではなく、非反転入力信号VINP
の反転信号としての反転入力VINMが印加される信号
線SL11mも交差している。同様に、配線L1pに
は、反転入力信号VINMが印加される信号線SL12
mが交差するだけではなく、反転入力信号VINMの反
転信号としての非反転入力信号VINPを伝送する信号
線SL12pも交差している。
【0128】これらの信号線SL11p・SL11m
(あるいはSL12p・SL12m)は、互いに近接し
て並列に配置されており、例えば、交差点近辺では、
0.2μm〜100μm程度の距離をおいて配されてい
る。
【0129】当該構成によれば、配線L1mと信号線S
L11pおよびSL11mとの間にそれぞれ形成される
寄生容量をC112mおよびC111m、配線L1p
と、信号線SL12mおよびSL12pとの間に、それ
ぞれ形成される寄生容量をC112pおよびC111p
とすると、図4と同じ回路図になり、上述の式(4)お
よび式(5)が成立する。また、各信号線SL11p・
SL11mが互いに近接かつ並列に配されており、各信
号線SL12m・SL12pが互いに近接かつ並列に配
されているので、寄生容量C112pおよびC111p
の容量が略同様になり、寄生容量C112mおよびC1
11mの容量も略同様になる。したがって、上述の式
(6)に示すように、寄生容量を考慮したとしても、差
動増幅器AMP1の差動演算によって、両信号線SL1
2m・SL12pが配線L1pへ与える干渉は互いに相
殺され、両信号線SL11p・SL11mが配線L1m
へ与える干渉は互いに相殺される。この結果、信号線の
交差点での寄生容量に起因するスイッチトキャパシタ回
路31の演算誤差を削減できる。
【0130】なお、本実施形態では、第1の実施形態と
異なり、差動増幅器AMP1の非反転入力端子T1pを
リセットするスイッチSW1pが、差動増幅器AMP1
の一方側の領域A31のみに配置されており、反転入力
端子T1mをリセットするスイッチSW1mが差動増幅
器AMP1の他方側の領域A32に配置されているた
め、両スイッチSW1p・SW1mのマッチング精度
は、第1の実施形態に比べて、低下しやすい。したがっ
て、スイッチトキャパシタ回路の演算誤差のさらなる抑
制が求められる場合には、第1の実施形態のように、各
スイッチSW1p・SW1mを、それぞれ両側に配置す
る方が望ましい。
【0131】ところで、上記各実施形態では、スイッチ
トキャパシタ回路において、ハイインピーダンスとな
り、寄生容量による漏れが演算精度に直接影響を与える
ノードとして、差動増幅器AMP1(AMP2)の両入
力端子T1・T2を挙げ、これらのノードに交差する信
号線による演算誤差や、これらのノードをリセットする
ためのスイッチSW1p・SW1m同士のマッチング精
度低下に起因する演算誤差を抑制可能な各部材の配置に
ついて説明したが、これに限るものではない。
【0132】例えば、図12や図13に示すスイッチト
キャパシタ回路41・51の配線L2p・L2mのよう
に、上記両入力端子T1p・T1mにキャパシタを介し
て接続されたノードであっても、スイッチトキャパシタ
回路が当該ノードでの電荷保存則を用いて演算処理する
場合は、当該ノードに付加される寄生容量による漏れが
スイッチトキャパシタ回路の演算精度に影響する。した
がって、上述の各実施形態のように、当該ノードと信号
線とを交差させたり、当該ノードをリセットするための
スイッチを配置することで、ある程度の効果が得られ
る。
【0133】具体的には、図12に示すスイッチトキャ
パシタ回路41は、図5に示すスイッチトキャパシタ回
路1aと同様に、差動増幅器AMP1のオフセット電圧
を補償可能な回路であるが、スイッチトキャパシタ回路
1aとは異なり、入力キャパシタCspと非反転入力端
子T1pとの間、および、入力キャパシタCsmと反転
入力端子T1mとの間に、差動増幅器AMP1のオフセ
ット電圧に応じた電荷を保持するキャパシタCcp・C
cmが設けられている。さらに、スイッチトキャパシタ
回路41は、入力キャパシタCspとキャパシタCcp
との間のノード(配線L2p)をリセットするスイッチ
SW5pと、入力キャパシタCsmとキャパシタCcm
との間のノード(配線L2m)をリセットするスイッチ
SW5mとを備えており、各スイッチSW5p・SW5
mが導通すると、電源端子TP2および各スイッチSW
5p・SW5mを介して、各ノードに、基準電圧VCM
Iが印加される。
【0134】当該構成のスイッチトキャパシタ回路41
では、サンプリングフェーズの間、図12に示すよう
に、スイッチSW1p・SW1m・SW5p・SW5m
が導通し、スイッチSW2p・SW2mがスイッチトキ
ャパシタ回路41の入力端子TINp・TINm側を選
択する。また、スイッチSW3p・SW3mは、基準電
圧VCMOが印加される電源端子TP1側を選択してい
る。
【0135】この状態では、図5に示すスイッチトキャ
パシタ回路1aと同様、スイッチSW1pが導通してい
るので、非反転入力端子T1pがリセットされ、非反転
入力端子T1pの電位Vxpは、差動増幅器AMP1の
オフセット電圧Vofspに応じた値となる。さらに、
スイッチSW5pが導通して基準電位VCMIが印加さ
れるので、配線L2pがリセットされ、キャパシタCc
pには、電位Vxpと基準電位VCMIとの差に応じた
電荷が蓄積される。同様に、反転入力端子T1mおよび
配線L2mがリセットされると共に、反転入力端子T1
mの電位Vxmは、差動増幅器AMP1のオフセット電
圧Vofsmに応じた値となり、キャパシタCcmに
は、電位Vxmと基準電位VCMIとの差に応じた電荷
が蓄積される。なお、この状態では、スイッチSW5p
・SW5mが導通しているので、オフセット電圧の多寡
に拘らず、各入力キャパシタCsp・Csmには、スイ
ッチトキャパシタ回路41の入力電圧VINM・VIN
Pに応じた電荷が蓄積され、両積分キャパシタCfp・
Cfmに蓄積された電荷は、それぞれ放出される。
【0136】一方、スイッチSW1p・SW1mが遮断
された後、スイッチSW5p・SW5mが遮断される
と、サンプリングフェーズが終了する。この状態では、
各スイッチSW1p・SW1m・SW5p・SW5mが
遮断されているので、各配線L1p・L1m・L2p・
L2mは、それぞれフローティングノードとなり、電荷
が保存される。さらに、スイッチSW2p・SW2mが
基準電圧VCMIN側を選択し、スイッチSW3p・S
W3mがスイッチトキャパシタ回路41の出力端子TO
UTm・TOUTp側を選択する。
【0137】この状態では、非反転入力端子T1pの電
位は、配線L2pの電位からオフセット電圧Vofsp
を減算した電位となる。同様に、反転入力端子T1mの
電位は、配線L2mの電位からオフセット電圧Vofs
mを減算した電位となる。したがって、オフセットが補
償され、スイッチトキャパシタ回路41の入出力電圧
は、寄生容量を無視すると、以下の式(20)に示すよう
に、 Cs・(VINP−VINM)=Cf・(VOUTP−VOUTM)…(20) となる。
【0138】また、図13に示すスイッチトキャパシタ
回路51は、図12に示すスイッチトキャパシタ回路4
1の構成であるが、スイッチトキャパシタ回路51で
は、差動増幅器AMP1の入力電圧VipおよびVim
のコモンモード電圧と、出力電圧Vop・Vomのコモ
ンモード電圧とが互いに異なっている。これに伴い、本
変形例に係るスイッチトキャパシタ回路51には、スイ
ッチSW1pに代えて、キャパシタCcfpと、基準電
圧VCMI2が印加される電源端子TP4または非反転
入力端子T1pの一方を選択して、キャパシタCcfp
の一端に接続するスイッチSW6pと、基準電圧VCM
Oが印加される電源端子TP1または出力端子T2mの
一方を選択して、上記キャパシタCcfpの他端に接続
するスイッチSW7pとが設けられている。同様に、ス
イッチSW1mに代えて、キャパシタCcfm、スイッ
チSW6mおよびSW7mが設けられている。
【0139】当該構成では、差動増幅器AMP1および
キャパシタCcfp・Ccfmに注目すると、ホールド
フェーズにおいて、スイッチSW6p・SW6m・SW
7p・SW7mが、それぞれ基準電圧側を選択してい
る。したがって、次のサンプリングフェーズの直前にお
いて、各キャパシタCcfp・Ccfmには、それぞれ
の両端電圧が、基準電圧VCMIと基準電圧VCMOと
の差、すなわち、両コモンモード電圧の差になる量の電
荷が蓄積されている。
【0140】サンプリングフェーズになると、スイッチ
SW5p・SW5mがそれぞれ導通すると共に、各スイ
ッチSW3p・SW3m・スイッチSW6p・SW6m
・SW7p・SW7mが切り換えられる。ここで、差動
増幅器AMP1のゲインAは、十分大きい。したがっ
て、サンプリングフェーズにおいて、キャパシタCcf
p・Ccfmの両端電圧は、それぞれ、差動増幅器AM
P1の入出力コモンモード電圧の差となり、キャパシタ
Ccp・Ccmには、それぞれの両端電圧が、基準電圧
VCMIと差動増幅器AMP1の入力コモンモード電圧
との差に差動増幅器AMP1のオフセット電圧を加えた
電圧となる量の電荷が蓄積される。
【0141】さらに、次のホールドフェーズになると、
スイッチSW5p・SW5mが遮断されると共に、上記
各スイッチSW3p・SW3m・SW6p・SW6m・
SW7p・SW7mが切り換えられる。このとき、差動
増幅器AMP1の両入力端子T1p・T1mに接続され
る配線に寄生容量が存在しないとすると、切り換えの前
後で、キャパシタCcpおよびCcmに蓄積された電荷
が保存され、それぞれの両端電圧が変化しない。したが
って、両キャパシタCcpおよびCcmは、単なる電圧
シフタとして機能し、基準電圧VCMIと差動増幅器A
MP1の入力コモンモード電圧との差に差動増幅器AM
P1のオフセット電圧を加えた電圧だけ、入力側(配線
L2p・L2m側)に印加された電圧をシフトできる。
【0142】この結果、差動増幅器AMP1のオフセッ
ト電圧がキャンセルされ、差動増幅器AMP1および両
キャパシタCcp・Ccfは、オフセット電圧のない1
つの差動増幅器として動作する。
【0143】したがって、スイッチトキャパシタ回路5
1全体の動作を説明すると、サンプリングフェーズにお
いて、スイッチSW5p・SW5mが導通し、スイッチ
SW2p・SW2mがスイッチトキャパシタ回路51の
入力端子TINm・TINp側を選択する。
【0144】これにより、配線L2p・L2mの電荷が
それぞれ放出され、配線L2p・L2mがリセットされ
る。さらに、入力キャパシタCspには、入力電圧VI
NMと基準電圧VCMIとの差に応じた電荷が蓄積さ
れ、入力キャパシタCsmには、入力電圧VINPと基
準電圧VCMIとの差に応じた電荷が蓄積される。
【0145】また、サンプリングフェーズにおいて、ス
イッチSW3p・SW3mが基準電圧VCMO側を選択
して、積分キャパシタCfp・Cfmに、基準電圧VC
MIと基準電圧VCMOとの差、すなわち、両コモンモ
ード電圧の差に応じた電荷がそれぞれ蓄積される。
【0146】一方、サンプリングフェーズが終了する
と、SW5p・SW5mが遮断され、スイッチSW2p
・SW2m・SW3p・SW3mが切り換えられる。こ
のとき、キャパシタCsp・Cfp・Ccp間のノード
(配線L2p)の電荷、および、キャパシタCsm・C
fm・Ccm間のノード(配線L2m)の電荷は、それ
ぞれ保存される。また、上述したように、差動増幅器A
MP1および両キャパシタCcp・Ccfは、オフセッ
ト電圧のない1つの差動増幅器と見なすことができる。
したがって、配線L2pおよびL2mの寄生容量を無視
すると、スイッチトキャパシタ回路51の入出力電圧
は、以下の式(21)に示すように、 Cs・(VINP−VINM)=Cf・(VOUTP−VOUTM)…(21) となる。
【0147】図12および図13のいずれの場合であっ
ても、配線L2p・L2mに付加される寄生容量による
漏れがスイッチトキャパシタ回路の演算精度に影響する
ので、上述の各実施形態のように、当該ノードと信号線
とを交差させたり、当該ノードをリセットするためのス
イッチを配置することで、寄生容量による演算誤差を抑
制できる。
【0148】例えば、図14では、図13のスイッチト
キャパシタ回路51の各部材L2p・L2m・SL2p
・SL2m・SW5p・SW5mが、第1の実施形態の
各部材L1p・L1m・SL1p・SL1m・SW1p
・SW1mと同様に配置されている。
【0149】具体的には、スイッチSW5pが、領域A
31に配されたスイッチSW51pと、領域A32に配
されたスイッチSW52pとに分割されており、配線L
2pが、スイッチSW51pに接続された配線L21p
と、スイッチSW52pに接続された配線L22pとに
分割されている。同様に、スイッチSW5mが各領域A
31・A32にそれぞれ配されたスイッチSW51m・
SW52mに分割され、配線L2mが、配線L21m・
L22mに分割されている。また、各スイッチSW51
p・SW52mが中心軸Xを中心に線対称に配され、各
スイッチSW51m・SW52pも中心軸Xを中心に線
対称に配される。さらに、配線L21p・L21mが互
いに並行して配され、配線L22m・L22pも互いに
並行して配されている。また、端子TOUTpへの信号
線SL2pは、上記両配線L21p・L21mの双方に
交差し、端子TOUTmへの信号線SL2mは、上記両
配線L22p・L22mの双方に交差するように配置さ
れる。なお、図14では、キャパシタアレイと各配線L
2p(L2m)とが重ねて配置されており、引き出し線
なしに、各キャパシタと配線とを接続できる。
【0150】上記構成によれば、スイッチSW51p・
SW51m間のマッチング精度、並びに、スイッチSW
52p・SW52m間のマッチング精度を向上できるの
で、配線L2p・L2mへ混入するクロックノイズの影
響が互いに略同一になる。また、信号線SL2pが、両
配線L2p・L2mに交差しているので、信号線SL2
pと配線L2pとの間の寄生容量と、信号線SL2pと
配線L2mとの間の寄生容量とが略同一になる。同様
に、信号線SL2mと配線L2pおよび配線L2mとの
間の寄生容量が、それぞれ略同一になる。したがって、
各信号線から、配線L2p・L2mへの干渉が略同一に
なる。これらの結果、差動増幅器AMP1での差動演算
によって、上記影響および干渉を互いに打ち消すことが
でき、スイッチトキャパシタ回路51の演算精度を向上
できる。
【0151】また、図13のスイッチトキャパシタ回路
51の各部材L2p・L2m・SL2p・SL2m・S
W5p・SW5mを、第3または第4の実施形態の各部
材L1p・L1m・SL1p・SL1m・SW1p・S
W1mと同様に配置すると、図15または図16のよう
になる。
【0152】図15の構成では、第3の実施形態と略同
様に、スイッチSW5p・SW5mがそれぞれ2つに分
割されており、スイッチSW51p・SW51mは、キ
ャパシタの領域A21よりも差動増幅器AMP1に近
く、または、同程度の距離に配置されている。同様に、
スイッチSW52p・SW52mは、例えば、CMOS
0.35μmルールの場合で、5μ〜100μmの程度
の距離など、キャパシタの領域A22よりも差動増幅器
AMP1側、あるいは、同程度の距離に配置されてい
る。さらに、スイッチトキャパシタ回路51の入力端子
TINp・TINmへの信号線SL2pおよびSL2m
は、上記配線L2pおよびL2mのいずれとも交差しな
いように配置されている。
【0153】上記構成では、スイッチSW5p・SW5
mを差動増幅器AMP1に近づけることで、配線L2p
・L2mに、信号線が交差しないように配置している。
したがって、レイアウトを困難にすることなく、交差に
起因するスイッチトキャパシタ回路51の演算誤差を低
減できる。さらに、差動増幅器AMP1と、各スイッチ
SW5p・SW5mとの距離が5μm以上に設定されて
いるので、クロック信号が、各スイッチSW51pない
しSW52mおよび基板を介して、差動増幅器AMP1
へ与える干渉の程度を、演算精度が劣化しない程度に抑
えながら、スイッチトキャパシタ回路51の演算速度を
向上できる。
【0154】なお、図14または図15では、上記スイ
ッチSW6p・SW6mが、第1または第3の実施形態
と同様、スイッチSW61p〜SW62mに分割されて
いる。
【0155】また、図16の構成では、第4の実施形態
と略同様に、上記両配線L2p・L2pの少なくとも一
方(例えば、配線L2m)に、例えば、端子TINpへ
の信号線SL11pなどの信号線が交差する場合、その
反転信号を伝送する反転信号線(例えば、端子TINm
への信号線SL11mなど)も上記配線に交差するよう
に配置される。これにより、信号線から配線への干渉と
略同一の大きさで、向きが反対の干渉が、反転信号線か
ら配線へ与えられる。この結果、両者からの干渉が相殺
され、これらの干渉に起因するスイッチトキャパシタ回
路51の演算精度低下を防止できる。
【0156】なお、上記第1ないし第4の実施形態で
は、差動増幅器(AMP1・AMP2)やアナログのス
イッチ(SW1p〜SW4m)をCMOSプロセスで生
成する場合を例にして説明したが、これに限るものでは
なく、バイポーラなど、他のプロセスで生成する場合で
も同様の効果が得られる。また、上記各実施形態では、
スイッチトキャパシタ回路の例として、サンプルホール
ド増幅型のスイッチトキャパシタ回路を説明したが、積
分器など、他のスイッチトキャパシタ回路に本発明を適
用した場合でも同様の効果が得られる。
【0157】また、上記では、スイッチの領域A31・
A32をキャパシタの領域A21・A22の外側に配し
た場合を例にして説明したが、上記領域A31および上
記領域A21を上下方向に配置し、上記領域A32およ
び上記領域A22を上下方向に配置すると共に、上記領
域A21・A31と領域A22・A32とで、領域A1
を左右方向に挟むように配置してもよい。また、領域A
1の両側に領域A21・A22を配置し、例えば、上下
方向など、領域A1から領域A21またはA22への方
向とは直交する方向に、領域A31・A32を配置して
もよい。このように、差動増幅器の領域からスイッチの
領域への方向と、スイッチの領域からキャパシタの領域
への方向とが異なるように配置する場合であっても、同
様の効果が得られる。ただし、クロックラインの領域A
41・A42は、最も外側に配置することが望ましい。
【0158】なお、上記では、キャパシタ、スイッチお
よびクロック信号線を配置する領域を、差動増幅器AM
P1(AMP2)の両側などに2つずつ設けた場合につ
いて説明したが、1つずつ設けた場合であっても、第3
の実施形態に記載したスイッチSW1p・SW1m(S
W5p・SW5m)の近接配置、あるいは、第4の実施
形態に記載の反転信号線の配置は可能なので、ある程度
の効果が得られる。さらに、この場合でも、第1および
第2の実施形態に記載した配線L1p・L1m(L2p
・L2m)のうち、少なくとも、差動増幅器AMP1
(AMP2)側の端部から信号線との交差点近傍までの
間、並列に配置することで、ある程度の効果が得られ
る。ただし、上記各実施形態のように、上記各領域を2
つずつ設ける方が、マッチング精度を向上できるので、
より演算精度を向上できる。
【0159】また、上記では、図14、図15および図
16を参照して、図13のスイッチトキャパシタ回路5
1の配置について説明したが、図12のスイッチトキャ
パシタ回路41も、図14、図15および図16と同様
に配置することができ、これらと同様の効果を得ること
ができる。
【0160】
【発明の効果】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、差動増幅器の両入力端子への配線の
一方に交差する信号線は、他方にも交差するように配置
すると共に、上記両入力端子から上記両配線に上記信号
線が交差するまでの間または交差点近傍までの間は、当
該両配線を並行に配置する構成である。
【0161】当該構成によれば、非反転側配線に交差す
る信号線は、反転側配線にも交差しているので、信号線
から寄生容量を介して非反転側配線への干渉と同一傾向
の干渉が、信号線から寄生容量を介して反転側配線へ伝
えられる。したがって、差動増幅器の差動演算によっ
て、これらの干渉を互いに相殺でき、演算精度の向上
と、消費電力の削減または演算速度の向上とを両立でき
るという効果を奏する。
【0162】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、上記構成に加えて、上記非反転側配
線には、上記非反転入力端子をリセットするための非反
転側スイッチが接続されており、さらに、非反転側キャ
パシタを接続あるいは接続可能に形成されていると共
に、上記反転側配線には、上記反転入力端子をリセット
するための反転側スイッチが接続されており、さらに、
反転側キャパシタを接続あるいは接続可能に形成されて
いる構成である。
【0163】上記構成では、両配線に信号線が交差する
ので、信号線と各配線との間の寄生容量によって、両入
力端子の電荷は、設計値を基準に同じ方向へ変化する。
したがって、差動増幅器の差動演算によって、両電荷の
変化が相殺され、寄生容量に起因する演算精度低下を防
止できる。この結果、演算精度の向上と、消費電力の削
減または演算速度の向上とを両立できるという効果を奏
する。
【0164】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、差動増幅器の両入力端子をそれぞれ
リセットする非反転側スイッチおよび反転側スイッチ
を、それぞれ、2つの互いに並列に接続された第1およ
び第2スイッチから構成すると共に、上記差動増幅器の
両側に設けられたスイッチ配置用の領域のうち、上記差
動増幅器の一方側に設けられた第1領域に、上記非反転
側および反転側第1スイッチを配置し、他方側に設けら
れた第2領域に、上記非反転側および反転側第2スイッ
チを配置する構成である。
【0165】上記構成によれば、上記領域の一方(例え
ば、第1領域)に、非反転側スイッチを配し、他方(例
えば、第2領域)に反転側スイッチを配置する構成と比
べて、非反転側および反転側第1スイッチを互いに近く
配置できると共に、非反転側および反転側第2スイッチ
を互いに近く配置できる。したがって、非反転側および
反転側第1スイッチのマッチング精度、並びに、非反転
側および反転側第2スイッチのマッチング精度を向上で
きる。この結果、両入力端子へ与えられるクロックノイ
ズを、差動増幅器による差動演算によって互いに相殺で
き、演算精度の向上と、消費電力の削減または演算速度
の向上とを両立できるという効果を奏する。
【0166】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、上記構成に加えて、上記両配線の一
方に交差する信号線は、他方にも交差するように配置す
ると共に、上記両入力端子から上記両配線に上記信号線
が交差するまでの間または交差点近傍までの間は、当該
両配線を並行に配置する構成である。
【0167】当該構成によれば、信号線から、各配線と
の間の寄生容量を介して、それぞれの配線へ与えられる
干渉は、略同一になるので、差動増幅器での差動演算に
よって、互いに相殺される。これにより、スイッチトキ
ャパシタ回路の演算精度をさらに向上できるという効果
を奏する。
【0168】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、上記各スイッチに接続されるキャパ
シタが配される領域よりも上記差動増幅器の近傍または
略同じ距離に上記非反転側および反転側スイッチを配置
する構成である。
【0169】当該構成では、差動増幅器の近傍に両スイ
ッチが配されているので、両配線の配線長が短くなり、
両配線と交差する信号線の数を削減できる。したがっ
て、基板などと各配線との間の寄生容量を削減できると
共に、信号線と配線との交差による寄生容量も削減でき
る。この結果、差動増幅器の両入力端子に付く寄生容量
を削減でき、スイッチトキャパシタ回路のセトリング特
性を改善でき、演算精度をさらに向上できるという効果
を奏する。
【0170】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、上記各構成に加えて、上記非反転側
第1スイッチおよび反転側第2スイッチを上記差動増幅
器を中心に線対称に配置すると共に、上記反転側第1ス
イッチおよび非反転側第2スイッチを上記差動増幅器を
中心に線対称に配置する構成である。
【0171】当該構成によれば、上記各スイッチが差動
増幅器を中心に線対称に配置されているので、差動増幅
器の両入力端子間において、非対称配置に起因する寄生
容量のバラツキを抑えることができる。この結果、スイ
ッチトキャパシタ回路のさらなる高精度化および低消費
電力化を実現できるという効果を奏する。
【0172】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、上記構成に加えて、上記非反転側第
1スイッチおよび上記非反転入力端子の間の非反転側配
線と、上記反転側第2スイッチおよび上記反転入力端子
の間の反転側配線とを上記差動増幅器を中心に線対称に
配置すると共に、上記反転側第1スイッチおよび上記反
転入力端子の間の反転側配線と、上記非反転側第2スイ
ッチおよび上記非反転入力端子の間の非反転側配線とを
上記差動増幅器を中心に線対称に配置する構成である。
【0173】当該構成によれば、各スイッチと両入力端
子との間の配線も差動増幅器を中心に線対称配置されて
いるので、差動増幅器の両入力端子間において、非対称
配置に起因する寄生容量のバラツキをさらに低減でき
る。この結果、スイッチトキャパシタ回路のさらなる高
精度化および低消費電力化を実現できるという効果を奏
する。
【0174】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、上記各構成に加えて、上記非反転側
配線および反転側配線は、両者の中心線に対して、互い
に線対称に配されている構成である。
【0175】当該構成によれば、両配線が両者の中心線
に対して線対称配置されているので、差動増幅器の両入
力端子間において、非対称配置に起因する寄生容量のバ
ラツキをさらに低減できる。この結果、スイッチトキャ
パシタ回路のさらなる高精度化および低消費電力化を実
現できるという効果を奏する。
【0176】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、差動増幅器の両入力端子および各入
力端子をそれぞれリセットするスイッチの間を接続する
非反転側および反転側配線の一方の配線に交差する信号
線と、当該配線に交差し、上記信号線を伝送される信号
の反転信号が入力される反転信号線とを備えている構成
である。
【0177】当該構成によれば、反転信号線には、信号
線を伝送される信号の反転信号が入力されているので、
信号線から寄生容量を介して上記配線へ与えられる影響
と、反転信号線から寄生容量を介して上記配線に与えら
れる影響とは、互いに打ち消し合う。したがって、反転
信号線が無い場合に比べて、信号線から、配線に接続さ
れた入力端子への干渉を抑制でき、当該干渉がスイッチ
トキャパシタ回路の演算処理に与える影響を低減でき
る。この結果、演算精度の向上と、消費電力の削減また
は演算速度の向上とを両立できるという効果を奏する。
【0178】さらに、本発明に係るスイッチトキャパシ
タ回路は、以上のように、上記各構成に加えて、上記差
動増幅器が配される領域の両側に、当該差動増幅器に近
い方から順番に、キャパシタを配した領域、上記各スイ
ッチのいずれかを配した領域、および、当該スイッチへ
クロック信号を供給するクロック信号配線を配した領域
が、それぞれ設けられている構成である。当該構成によ
れば、クロック信号配線を差動増幅器から遠くに配置さ
れているので、クロックノイズに起因する演算精度低下
を抑制できるという効果を奏する。
【0179】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、非反転側配線および反転側配線での
電荷保存則により演算処理するスイッチトキャパシタ回
路であって、当該両配線の一方に交差する信号線は、他
方にも交差するように配置すると共に、上記非反転側配
線のうち、第2非反転側キャパシタが接続された端部、
すなわち、差動増幅器の非反転入力端子側の端部から上
記信号線との交差点または交差点近傍までの間と、上記
反転側配線のうち、第2反転側キャパシタの端部、すな
わち、差動増幅器の反転入力端子側の端部から上記信号
線との交差点または交差点近傍までの間とは、互いに並
行に配置されている構成である。
【0180】当該構成によれば、非反転側配線に交差す
る信号線は、反転側配線にも交差しているので、信号線
から寄生容量を介して非反転側配線への干渉と同一傾向
の干渉が、信号線から寄生容量を介して反転側配線へ伝
えられ、差動増幅器の差動演算によって、これらの干渉
が互いに相殺される。この結果、演算精度の向上と、消
費電力の削減または演算速度の向上とを両立できるとい
う効果を奏する。
【0181】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、差動増幅器の非反転入力端子に第2
非反転側キャパシタを介して接続された非反転側配線、
並びに、差動増幅器の反転入力端子に第2反転側キャパ
シタを介して接続された反転側配線をそれぞれリセット
する非反転側スイッチおよび反転側スイッチを、それぞ
れ、2つの互いに並列に接続された第1および第2スイ
ッチから構成すると共に、上記差動増幅器の両側に設け
られたスイッチ配置用の領域のうち、上記差動増幅器の
一方側に設けられた第1領域に、上記非反転側および反
転側第1スイッチを配置し、他方側に設けられた第2領
域に、上記非反転側および反転側第2スイッチを配置す
る構成である。
【0182】上記構成によれば、非反転側および反転側
配線を、差動増幅器の各入力端子に直接接続した上述の
構成と同様に、両第1スイッチ同士のマッチング精度お
よび両第2スイッチ同士のマッチング精度がそれぞれ向
上し、両入力端子へ印加されるクロックノイズの影響
が、差動演算によって互いに相殺される。この結果、演
算精度の向上と、消費電力の削減または演算速度の向上
とを両立できるという効果を奏する。
【0183】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、上記構成に加えて、上記両配線の一
方に交差する信号線は、他方にも交差するように配置す
る構成である。当該構成によれば、信号線から上記両配
線への干渉が、差動増幅器での差動演算によって、互い
に相殺されるので、演算精度の向上と、消費電力の削減
または演算速度の向上とを両立できるという効果を奏す
る。
【0184】本発明に係るスイッチトキャパシタ回路
は、以上のように、差動増幅器の非反転入力端子に第2
非反転側キャパシタを介して接続された非反転側配線、
並びに、差動増幅器の反転入力端子に第2反転側キャパ
シタを介して接続された反転側配線の一方の配線に交差
する信号線と、当該配線に交差し、上記信号線を伝送さ
れる信号の反転信号が入力される反転信号線とを備えて
いる構成である。
【0185】上記構成によれば、上述の反転信号線を有
する構成と同様に、信号線から寄生容量を介して上記配
線へ与えられる影響と、反転信号線から寄生容量を介し
て上記配線に与えられる影響とは、互いに打ち消し合
う。この結果、演算精度の向上と、消費電力の削減また
は演算速度の向上とを両立できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、スイッ
チトキャパシタ回路のレイアウト配置を示す説明図であ
る。
【図2】上記スイッチトキャパシタ回路を示す回路図で
ある。
【図3】上記スイッチトキャパシタ回路に設けられた差
動増幅器の構成例を示す回路図である。
【図4】配線と信号線との交差による寄生容量も含めた
場合の上記スイッチトキャパシタ回路を示す回路図であ
る。
【図5】上記スイッチトキャパシタ回路の変形例を示す
回路図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示すものであり、スイ
ッチトキャパシタ回路を示す回路図である。
【図7】上記スイッチトキャパシタ回路に設けられた差
動増幅器の構成例を示す回路図である。
【図8】上記スイッチトキャパシタ回路のレイアウト配
置を示す説明図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、スイッチトキャパシタ回路のレイアウト配置を示す
説明図である。
【図10】本発明の別の実施形態を示すものであり、ス
イッチトキャパシタ回路を示す回路図である。
【図11】上記スイッチトキャパシタ回路のレイアウト
配置を示す説明図である。
【図12】上記各実施形態の変形例を示すものであり、
スイッチトキャパシタ回路を示す回路図である。
【図13】上記各実施形態の他の変形例を示すものであ
り、スイッチトキャパシタ回路を示す回路図である。
【図14】上記各変形例を示すものであり、スイッチト
キャパシタ回路のレイアウト配置を示す説明図である。
【図15】上記各変形例を示すものであり、スイッチト
キャパシタ回路の他のレイアウト配置を示す説明図であ
る。
【図16】上記各変形例を示すものであり、スイッチト
キャパシタ回路のさらに他のレイアウト配置を示す説明
図である。
【図17】従来技術を示すものであり、スイッチトキャ
パシタ回路を示す回路図である。
【図18】上記スイッチトキャパシタ回路のレイアウト
配置を示す説明図である。
【図19】上記スイッチトキャパシタ回路において、ガ
ードラインの形成方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1・1a・11・21・31・41・51 スイッチト
キャパシタ回路 A1〜A42 領域 A31 領域(第1領域) A32 領域(第2領域) AMP1・AMP2 差動増幅器 Cfp 積分キャパシタ(非反転側キ
ャパシタ) Cfm 積分キャパシタ(反転側キャ
パシタ) Csp 入力キャパシタ(非反転側キ
ャパシタ) Csm 入力キャパシタ(反転側キャ
パシタ) Ccp キャパシタ(非反転側キャパ
シタ) CCm キャパシタ(反転側キャパシ
タ) L11p・L21p 配線(非反転側配線) L11m・L21m 配線(反転側配線) L12p・L22p 配線(非反転側配線) L12m・L22m 配線(反転側配線) L1p・L2m 配線(非反転側配線) L1m・L2m 配線(反転側配線) SL11p・SL12m 信号線 SL11m・SL12p 信号線(反転信号線) SL1p・SL2p 信号線 SL1m・SL2m 信号線 SW1p・SW5p スイッチ(非反転側スイッ
チ) SW1m・SW5m スイッチ(非反転側スイッ
チ) SW11p・SW51p スイッチ(非反転側第1スイ
ッチ) SW11m・SW51m スイッチ(反転側第1スイッ
チ) SW12p・SW52p スイッチ(非反転側第2スイ
ッチ) SW12m・SW52m スイッチ(反転側第2スイッ
チ) T1p 非反転入力端子 T1m 反転入力端子
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Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】差動増幅器と、当該差動増幅器の非反転入
    力端子に接続された非反転側配線と、上記差動増幅器の
    反転入力端子に接続された反転側配線とを有するスイッ
    チトキャパシタ回路において、 上記両配線の一方に交差する信号線は、他方にも交差す
    るように配置すると共に、 上記両入力端子から上記両配線に上記信号線が交差する
    までの間または交差点近傍までの間は、当該両配線を並
    行に配置することを特徴とするスイッチトキャパシタ回
    路。
  2. 【請求項2】上記非反転側配線には、上記非反転入力端
    子をリセットするための非反転側スイッチが接続されて
    おり、さらに、非反転側キャパシタが接続あるいは接続
    可能に形成されていると共に、 上記反転側配線には、上記反転入力端子をリセットする
    ための反転側スイッチが接続されており、さらに、反転
    側キャパシタが接続あるいは接続可能に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のスイッチトキャパシタ
    回路。
  3. 【請求項3】差動増幅器と、当該差動増幅器の非反転入
    力端子および反転入力端子をリセットするために、それ
    ぞれに接続された非反転側および反転側スイッチと、上
    記非反転入力端子および上記非反転側スイッチを接続す
    る非反転側配線と、当該反転入力端子および上記反転側
    スイッチを接続する反転側配線とを有し、上記各スイッ
    チを配置する領域が上記差動増幅器の両側に設けられた
    スイッチトキャパシタ回路において、 上記非反転側スイッチおよび反転側スイッチを、それぞ
    れ、2つの互いに並列に接続された第1および第2スイ
    ッチから構成し、 上記領域のうち、上記差動増幅器の一方側に設けられた
    第1領域に、上記非反転側および反転側第1スイッチを
    配置し、他方側に設けられた第2領域に、上記非反転側
    および反転側第2スイッチを配置することを特徴とする
    スイッチトキャパシタ回路。
  4. 【請求項4】上記両配線の一方に交差する信号線は、他
    方にも交差するように配置すると共に、 上記両入力端子から上記両配線に上記信号線が交差する
    までの間または交差点近傍までの間は、当該両配線を並
    行に配置することを特徴とする請求項3記載のスイッチ
    トキャパシタ回路。
  5. 【請求項5】上記各スイッチに接続されるキャパシタが
    配される領域よりも上記差動増幅器の近傍または略同じ
    距離に上記非反転側および反転側スイッチを配置するこ
    とを特徴とする請求項3記載のスイッチトキャパシタ回
    路。
  6. 【請求項6】上記非反転側第1スイッチおよび反転側第
    2スイッチを上記差動増幅器を中心に線対称に配置する
    と共に、 上記反転側第1スイッチおよび非反転側第2スイッチを
    上記差動増幅器を中心に線対称に配置することを特徴と
    する請求項3、4または5記載のスイッチトキャパシタ
    回路。
  7. 【請求項7】上記非反転側第1スイッチおよび上記非反
    転入力端子の間の非反転側配線と、上記反転側第2スイ
    ッチおよび上記反転入力端子の間の反転側配線とを上記
    差動増幅器を中心に線対称に配置すると共に、 上記反転側第1スイッチおよび上記反転入力端子の間の
    反転側配線と、上記非反転側第2スイッチおよび上記非
    反転入力端子の間の非反転側配線とを上記差動増幅器を
    中心に線対称に配置することを特徴とする請求項6記載
    のスイッチトキャパシタ回路。
  8. 【請求項8】上記非反転側配線および反転側配線は、両
    者の中心線に対して、互いに線対称に配されていること
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記
    載のスイッチトキャパシタ回路。
  9. 【請求項9】差動増幅器と、当該差動増幅器の非反転入
    力端子および反転入力端子をリセットするために、それ
    ぞれに接続された非反転側および反転側スイッチと、上
    記非反転入力端子および上記非反転側スイッチを接続す
    る非反転側配線と、当該反転入力端子および上記反転側
    スイッチを接続する反転側配線とを有するスイッチトキ
    ャパシタ回路において、 上記非反転側および反転側配線の一方の配線に交差する
    信号線と、 当該配線に交差し、上記信号線を伝送される信号の反転
    信号が入力される反転信号線とを備えていることを特徴
    とするスイッチトキャパシタ回路。
  10. 【請求項10】上記差動増幅器が配される領域の両側
    に、当該差動増幅器に近い方から順番に、キャパシタを
    配した領域、上記各スイッチのいずれかを配した領域、
    および、当該スイッチへクロック信号を供給するクロッ
    ク信号配線を配した領域が、それぞれ設けられているこ
    とを特徴とする請求項2、3、4または9記載のスイッ
    チトキャパシタ回路。
  11. 【請求項11】差動増幅器と、一端が第1非反転側キャ
    パシタに接続され、他端が、第2非反転側キャパシタを
    介して、上記差動増幅器の非反転入力端子に接続された
    非反転側配線と、一端が第1反転側キャパシタに接続さ
    れ、他端が、第2反転側キャパシタを介して、上記差動
    増幅器の反転入力端子に接続された反転側配線とを有
    し、上記両配線での電荷保存則により演算処理するスイ
    ッチトキャパシタ回路において、 上記両配線の一方に交差する信号線は、他方にも交差す
    るように配置すると共に、 上記非反転側配線のうち、上記第2非反転側キャパシタ
    の端部から上記信号線との交差点または交差点近傍まで
    の間と、上記反転側配線のうち、上記第2反転側キャパ
    シタの端部から上記信号線との交差点または交差点近傍
    までの間とは、互いに並行に配置されていることを特徴
    とするスイッチトキャパシタ回路。
  12. 【請求項12】差動増幅器と、一端が第1非反転側キャ
    パシタに接続され、他端が、第2非反転側キャパシタを
    介して、上記差動増幅器の非反転入力端子に接続された
    非反転側配線と、一端が第1反転側キャパシタに接続さ
    れ、他端が、第2反転側キャパシタを介して、上記差動
    増幅器の反転入力端子に接続された反転側配線と、当該
    非反転側配線および反転側配線をそれぞれリセットする
    ために、それぞれへ接続された非反転側および反転側ス
    イッチとを有し、上記各スイッチを配置する領域が上記
    差動増幅器の両側に設けられていると共に、上記両配線
    での電荷保存則により演算処理するスイッチトキャパシ
    タ回路において、 上記非反転側スイッチおよび反転側スイッチを、それぞ
    れ、2つの互いに並列に接続された第1および第2スイ
    ッチから構成し、 上記領域のうち、上記差動増幅器の一方側に設けられた
    第1領域に、上記非反転側および反転側第1スイッチを
    配置し、他方側に設けられた第2領域に、上記非反転側
    および反転側第2スイッチを配置することを特徴とする
    スイッチトキャパシタ回路。
  13. 【請求項13】上記両配線の一方に交差する信号線は、
    他方にも交差するように配置することを特徴とする請求
    項12記載のスイッチトキャパシタ回路。
  14. 【請求項14】差動増幅器と、一端が第1非反転側キャ
    パシタに接続され、他端が、第2非反転側キャパシタを
    介して、上記差動増幅器の非反転入力端子に接続された
    非反転側配線と、一端が第1反転側キャパシタに接続さ
    れ、他端が、第2反転側キャパシタを介して、上記差動
    増幅器の反転入力端子に接続された反転側配線とを有
    し、上記両配線での電荷保存則により演算処理するスイ
    ッチトキャパシタ回路において、 上記非反転側および反転側配線の一方の配線に交差する
    信号線と、 当該配線に交差し、上記信号線を伝送される信号の反転
    信号が入力される反転信号線とを備えていることを特徴
    とするスイッチトキャパシタ回路。
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