JP2003042186A - 湿式クラッチ装置 - Google Patents

湿式クラッチ装置

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JP2003042186A
JP2003042186A JP2001231185A JP2001231185A JP2003042186A JP 2003042186 A JP2003042186 A JP 2003042186A JP 2001231185 A JP2001231185 A JP 2001231185A JP 2001231185 A JP2001231185 A JP 2001231185A JP 2003042186 A JP2003042186 A JP 2003042186A
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JP
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flow rate
clutch
circuit
lubricating oil
brake
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Shinji Tanizawa
伸治 谷澤
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Aisin Chemical Co Ltd
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Aisin Chemical Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/0021Generation or control of line pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/0021Generation or control of line pressure
    • F16H2061/0037Generation or control of line pressure characterised by controlled fluid supply to lubrication circuits of the gearing

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦要素における潤滑油の引きずりを低減し
つつ、摩擦要素を確実に冷却可能な湿式クラッチ装置を
提供する。 【解決手段】 ブレーキB3へ潤滑油を供給することに
より潤滑、冷却を行うためのブレーキ潤滑装置101
は、ブレーキB3へ潤滑油を流動させる大流量回路10
3、小流量回路105及びブレーキ潤滑回路107と、
常には、小流量回路105を選択してブレーキB3へ小
流量の潤滑油を供給し、ブレーキB3の制御中又は高速
走行が所定時間継続した場合は、大流量回路105を選
択してブレーキB3に大流量の潤滑油を供給するように
構成した電磁切換弁からなるブレーキ潤滑制御弁111
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチやブレー
キ等の摩擦要素を潤滑、冷却するように構成した自動変
速機の湿式クラッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、湿式クラッチ装置は、自動変速機
の変速段設定用のクラッチとして用いられているが、ク
ラッチ機構部分に潤滑油を供給して、クラッチフェーシ
ング部の摩耗防止及び冷却が必要とされる。このため、
従来の湿式クラッチ装置においては、このような摩耗防
止及び冷却のため必要とされる潤滑油の供給量が最も多
量に要求される条件を満たすように回路設計され、そう
でない状況においては潤滑油の供給量は成り行きに任せ
る構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラッ
チ機構部分に潤滑油の供給が特に必要とされるのは、ク
ラッチの制御中、すなわちクラッチの係合動作時のよう
なクラッチに滑りが発生するときであり、クラッチが完
全に係合した状態若しくは完全に開放した状態において
は潤滑油はあまり必要とされない。
【0004】また、低速段において作動されるブレーキ
において常に大量の潤滑油を供給すると、ブレーキが開
放状態となる高速段での走行中に、ブレーキの摩擦面に
滞留した潤滑油が回転抵抗となるいわゆる引きずりの発
生が問題となる。一方、摩擦面に油溝を形成することに
より摩擦面上の油膜破断を積極的に促進する構造(特開
平9−60660号公報)、あるいは潤滑油の流量を予
め抑制した潤滑回路を設ける構成も提案されているが、
これらの従来の構成では潤滑油による冷却効果が低下
し、開放時の高速引きずりでブレーキが焼けるという問
題が発生する。
【0005】また、発進クラッチシステムを採用した自
動変速機においては、従来に比して耐熱性を大幅に向上
させる必要があるため、トルクコンバータ並みの大流量
の潤滑油を流動させていたが、ポンプの動力損失や非作
動中の引きずりの発生が問題となっていた。
【0006】本発明は、摩擦要素における潤滑油の引き
ずりを低減しつつ、潤滑油により摩擦要素を確実に冷却
可能な湿式クラッチ装置を提供することを解決すべき課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の湿式クラッチ装置は、摩擦要素へ
潤滑油を供給することにより潤滑、冷却を行うように構
成した自動変速機に用いられるものを対象として、特
に、前記摩擦要素へ潤滑油を導く回路手段と、常には、
前記回路手段を介して前記摩擦要素へ小流量の潤滑油を
供給し、前記摩擦要素の制御中は、前記回路手段を介し
て前記摩擦要素に大流量の潤滑油を供給するように構成
した流量制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】従って、前記流量制御手段は、常には、前
記回路手段を介して前記摩擦要素へ小流量の潤滑油を供
給し、前記摩擦要素の制御中は、前記回路手段を介して
前記摩擦要素に大流量の潤滑油を供給する。
【0009】よって、クラッチやブレーキ等の摩擦要素
が解放状態あるいは結合状態にある時に、常に小流量の
潤滑油が供給されるので、冷却不足によるクラッチ焼け
やブレーキ焼けの発生を防止することができる。また、
潤滑油が過剰に供給されないので、摩擦面に潤滑油が滞
留して回転抵抗となるいわゆる引きずりの発生を防止す
ることができるとともに、潤滑油を供給するためのポン
プの動力損失を少なくすることができる。一方、摩擦要
素の制御中、すなわち、係合動作時や解放動作時には摩
擦要素に大流量の潤滑油が供給されるので、摩擦要素の
潤滑及び冷却を確実に行うことができる。
【0010】また、請求項2に記載の湿式クラッチ装置
は、低速段で作動されるブレーキを有する自動変速機に
用いられるものを対象として、特に、前記ブレーキへ潤
滑油を導く回路手段と、常には、前記回路手段を介して
前記ブレーキへ小流量の潤滑油を供給し、前記ブレーキ
の制御中は、前記回路手段を介して前記ブレーキに大流
量の潤滑油を供給するように潤滑油の流量を制御する流
量制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】従って、前記流量制御手段は、常には、前
記回路手段を介して前記ブレーキへ小流量の潤滑油を供
給し、前記ブレーキの制御中は、前記回路手段を介して
前記ブレーキに大流量の潤滑油を供給するように潤滑油
の流量を制御する。
【0012】よって、ブレーキが開放状態あるいは結合
状態にある時に、常に小流量の潤滑油が供給されるの
で、冷却不足によるブレーキ焼けの発生を防止すること
ができる。また、潤滑油が過剰に供給されないので、摩
擦面に潤滑油が滞留して回転抵抗となるいわゆる引きず
りの発生を防止することができるとともに、潤滑油を供
給するためのポンプの動力損失を少なくすることができ
る。一方、ブレーキの制御中、すなわち、係合動作時に
はブレーキに大流量の潤滑油が供給されるので、ブレー
キの潤滑及び冷却を確実に行うことができる。
【0013】また、請求項3に記載の湿式クラッチ装置
は、前記流量制御手段が、シフトレバー検出手段と、車
両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、電磁力に
よって弁の切換を行う電磁切換弁とからなり、前記回路
手段は、前記電磁切換弁の入口にそれぞれ接続されて大
流量の潤滑油を流動させる大流量回路及び小流量の潤滑
油を流動させる小流量回路と、前記電磁切換弁の出口に
接続されて前記ブレーキに潤滑油を供給する潤滑回路と
からなり、前記電磁切換弁は、前記シフトレバー検出手
段により前記ブレーキの制御中が検出された場合は前記
大流量回路を選択し、他の場合は前記小流量回路を選択
するように構成されていることを特徴とする。
【0014】従って、シフトレバー検出手段がブレーキ
の制御中を検出した場合は、電磁切換弁が大流量回路を
選択するように弁の切換を行うので、大流量回路、電磁
切換弁、及び潤滑回路を介して大流量の潤滑油がブレー
キへ供給される。一方、シフトレバー検出手段がブレー
キの制御中を検出しなかった場合、すなわち、ブレーキ
が係合状態又は開放状態にある時は、電磁切換弁が小流
量回路を選択するように弁の切換を行うので、小流量回
路、電磁切換弁、及び潤滑回路を介して小流量の潤滑油
がブレーキへ供給される。
【0015】よって、大流量回路と小流量回路とを電磁
切換弁により切換えて使用する構成としたので、簡単な
構成で確実に、ブレーキへの潤滑油の流量を大流量と小
流量とで切換えることができる。また、シフトレバー検
出手段を設けたので、ブレーキが制御中か否かを確実に
検出して、適切なタイミングで電磁切換弁により弁の切
換を行うことができる。
【0016】また、請求項4に記載の湿式クラッチ装置
は、前記電磁切換弁が、前記走行状態検出手段により高
速走行が所定時間継続したことが検出された場合は、一
定時間に亘って、前記大流量回路を選択するように構成
されていることを特徴とする。
【0017】従って、前記走行状態検出手段が、高速走
行が所定時間継続したことを検出すると、その検出後、
一定時間に亘って前記電磁切換弁が前記大流量回路を選
択するので、大流量回路、電磁切換弁、及び潤滑回路を
介して大流量の潤滑油がブレーキへ供給される。
【0018】よって、高速走行が所定時間継続した後に
一定時間に亘って大流量の潤滑油がブレーキへ供給され
るので、ブレーキの冷却をより確実に行うことができ、
耐久寿命の向上が図られる。
【0019】また、請求項5に記載の湿式クラッチ装置
は、前記流量制御手段が、シフトレバー検出手段と、車
両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、流量を複
数段階に設定可能な流量調整弁とから構成され、前記回
路手段は、前記流量調整弁の入口に接続されて大流量の
潤滑油を流動させる大流量回路と、前記流量調整弁の出
口に接続されて前記ブレーキに潤滑油を供給する潤滑回
路とからなり、前記流量調整弁は、前記シフトレバー検
出手段により前記ブレーキの制御中が検出された場合は
大流量が設定され、他の場合は小流量が設定されること
を特徴とする。
【0020】従って、シフトレバー検出手段がブレーキ
の制御中を検出した場合は、前記流量調整弁に大流量が
設定されるので、大流量回路、流量調整弁、及び潤滑回
路を介して大流量の潤滑油がブレーキへ供給される。一
方、シフトレバー検出手段がブレーキの制御中を検出し
なかった場合、すなわち、ブレーキが係合状態又は開放
状態にある時は、流量調整弁に小流量が設定されるの
で、大流量回路、流量調整弁、及び潤滑回路を介して小
流量の潤滑油がブレーキへ供給される。
【0021】よって、大流量回路を流量調整弁に接続し
て潤滑油の流量を調整する構成としたので、簡単な構成
で確実に、ブレーキへの潤滑油の流量を大流量と小流量
とで切換えることができる。また、走行状態検出手段を
設けたので、ブレーキが制御中か否かを確実に検出し
て、適切なタイミングで流量調整弁により流量の変更を
行うことができる。
【0022】また、請求項6に記載の湿式クラッチ装置
は、前記流量調整弁が、前記走行状態検出手段により高
速走行が所定時間継続したことが検出された場合、一定
時間に亘って、前記流量調整弁に大流量が設定されるこ
とを特徴とする。
【0023】従って、走行状態検出手段が、高速走行が
所定時間継続したことを検出すると、その検出後、一定
時間に亘って前記流量調整弁に大流量が設定されるの
で、大流量回路、流量調整弁、及び潤滑回路を介して大
流量の潤滑油がブレーキへ供給される。
【0024】よって、高速走行が所定時間継続した後に
一定時間に亘って大流量の潤滑油がブレーキへ供給され
るので、ブレーキの冷却をより確実に行うことができ、
耐久寿命の向上が図られる。
【0025】また、請求項7に記載の湿式クラッチ装置
は、前記流量制御手段が、弁の一端側にブレーキ圧及び
スロットル圧又はガバナ圧が、他端側にライン圧がそれ
ぞれ導入された第1の油圧式切換弁と、弁の一端にスロ
ットル圧又はガバナ圧が、他端側にブレーキ圧がそれぞ
れ導入された第2の油圧式切換弁とを含んで構成され、
前記回路手段は、前記第1の油圧式切換弁の入口に接続
されて大流量の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記
第1の油圧式切換弁の入口及び前記第2の油圧式切換弁
の入口に接続されて小流量の潤滑油を流動させる小流量
回路と、前記第1の油圧式切換弁の出口と前記第2の油
圧式切換弁の入口とを連結する連結回路と、前記第2の
油圧式切換弁の出口に接続されて前記ブレーキに潤滑油
を供給する潤滑回路とから構成され、前記第1と第2の
油圧式切換弁は、ブレーキ圧が略零の場合、又はライン
圧とブレーキ圧とが略等しい場合には小流量回路が選択
され、ブレーキ圧が上昇中であり且つライン圧を下回る
場合、又はブレーキ圧が略零であり、且つスロットル圧
又はガバナ圧が所定値以上の場合には大流量回路が選択
されるように構成されていることを特徴とする。
【0026】従って、ブレーキが開放状態の時はブレー
キ圧が略零となり、ブレーキが係合状態の時はライン圧
とブレーキ圧とが略等しいので、第1と第2の油圧式切
換弁により小流量回路が選択されて、ブレーキへ小流量
の潤滑油が供給される。一方、ブレーキが制御中の時は
ブレーキ圧が上昇中であり且つライン圧に満たない状態
となり、高速走行中の時はブレーキ圧が略零であり、且
つスロットル圧又はガバナ圧が所定値以上となるので、
第1と第2の油圧式切換弁により大流量回路が選択され
て、ブレーキへ大流量の潤滑油が供給される。
【0027】よって、大流量回路と小流量回路とを第1
と第2の油圧式切換弁により切換えて使用する構成とし
たので、簡単な構成で確実に、ブレーキへの潤滑油の流
量を大流量と小流量とで切換えることができる。また、
第1と第2の油圧式切換弁を用いたので、電磁切換弁の
ように電気的な制御を行う構成が必要でなく、湿式クラ
ッチ装置を安価に製造することができる。
【0028】また、請求項8に記載の湿式クラッチ装置
は、発進クラッチ制御を行うように構成された自動変速
機に用いられるものを対象として、特に、発進クラッチ
へ潤滑油を導く回路手段と、常には、前記回路手段を介
して前記発進クラッチへ小流量の潤滑油を供給し、前記
発進クラッチの制御中は、前記回路手段を介して前記発
進クラッチに大流量の潤滑油を供給するように潤滑油の
流量を制御する流量制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0029】従って、前記流量制御手段は、常には、前
記回路手段を介して前記発進クラッチへ小流量の潤滑油
を供給し、前記発進クラッチの制御中は、前記回路手段
を介して前記発進クラッチに大流量の潤滑油を供給する
ように潤滑油の流量を制御する。
【0030】よって、発進クラッチが開放状態あるいは
結合状態にある時に、常に小流量の潤滑油が供給される
ので、冷却不足によるクラッチ焼けの発生を防止するこ
とができる。また、潤滑油が過剰に供給されないので、
摩擦面に潤滑油が滞留して回転抵抗となるいわゆる引き
ずりの発生を防止することができるとともに、潤滑油を
供給するためのポンプの動力損失を少なくすることがで
きる。一方、発進クラッチの制御中、すなわち、係合動
作時には発進クラッチに大流量の潤滑油が供給されるの
で、発進クラッチの潤滑及び冷却を確実に行うことがで
きる。
【0031】また、請求項9に記載の湿式クラッチ装置
は、前記流量制御手段が、発進クラッチ制御中を検出す
る発進クラッチ制御検出手段と、電磁力によって弁の切
換を行う電磁切換弁を含んで構成され、前記回路手段
は、前記電磁切換弁の入口にそれぞれ接続されて大流量
の潤滑油を流動させる大流量回路及び小流量の潤滑油を
流動させる小流量回路と、前記電磁切換弁の出口に接続
されて前記発進クラッチに潤滑油を供給する潤滑回路と
から構成され、前記電磁切換弁は、前記発進クラッチ制
御検出手段により発進クラッチ制御中が検出された場合
は前記大流量回路を選択し、他の場合は前記小流量回路
を選択するように構成されていることを特徴とする。
【0032】従って、発進クラッチ制御検出手段が発進
クラッチの制御中を検出した場合は、電磁切換弁が大流
量回路を選択するように弁の切換を行うので、潤滑回路
を介して大流量の潤滑油が発進クラッチへ供給される。
一方、走行状態検出手段が発進クラッチの制御中を検出
しなかった場合、すなわち、発進クラッチが係合状態又
は開放状態にある時は、電磁切換弁が小流量回路を選択
するように弁の切換を行うので、潤滑回路を介して小流
量の潤滑油が発進クラッチへ供給される。
【0033】よって、大流量回路と小流量回路とを電磁
切換弁により切換えて使用する構成としたので、簡単な
構成で確実に、発進クラッチへの潤滑油の流量を大流量
と小流量とで切換えることができる。また、発進クラッ
チ制御検出手段を設けたので、発進クラッチが制御中か
否かを確実に検出して、適切なタイミングで電磁切換弁
により弁の切換を行うことができる。
【0034】また、請求項10に記載の湿式クラッチ装
置は、前記電磁切換弁が、前記発進クラッチ制御検出手
段により前記発進クラッチの解放が検出された場合、一
定時間に亘って、前記大流量回路を選択するように構成
されていることを特徴とする。
【0035】従って、前記発進クラッチ制御検出手段
が、前記発進クラッチの解放を検出すると、その検出
後、一定時間に亘って前記電磁切換弁が前記大流量回路
を選択するので、潤滑回路を介して大流量の潤滑油が発
進クラッチへ供給される。
【0036】よって、発進クラッチが解放された後、一
定時間に亘って大流量の潤滑油が発進クラッチへ供給さ
れるので、発進クラッチの冷却をより確実に行うことが
でき、耐久寿命の向上が図られる。
【0037】また、請求項11に記載の湿式クラッチ装
置は、前記流量制御手段が、発進クラッチ制御中を検出
する発進クラッチ制御検出手段と、流量を複数段階に設
定可能な流量調整弁とから構成され、前記回路手段は、
前記流量調整弁の入口に接続されて大流量の潤滑油を流
動させる大流量回路と、前記流量調整弁の出口に接続さ
れて前記発進クラッチに潤滑油を供給する潤滑回路とか
ら構成され、前記流量調整弁は、前記発進クラッチ制御
検出手段により発進クラッチ制御中が検出された場合は
大流量が設定され、他の場合は小流量が設定されること
を特徴とする。
【0038】従って、発進クラッチ制御検出手段が発進
クラッチの制御中を検出した場合は、前記流量調整弁に
大流量が設定されるので、潤滑回路を介して大流量の潤
滑油が発進クラッチへ供給される。一方、発進クラッチ
制御検出手段が発進クラッチの制御中を検出しなかった
場合、すなわち、発進クラッチが係合状態又は開放状態
にある時は、流量調整弁に小流量が設定されるので、潤
滑回路を介して小流量の潤滑油が発進クラッチへ供給さ
れる。
【0039】よって、大流量回路を流量調整弁に接続し
て潤滑油の流量を調整する構成としたので、簡単な構成
で確実に、発進クラッチへの潤滑油の流量を大流量と小
流量とで切換えることができる。また、発進クラッチ制
御検出手段を設けたので、発進クラッチが制御中か否か
を確実に検出して、適切なタイミングで流量調整弁によ
り潤滑油の流量調整を行うことができる。
【0040】また、請求項12に記載の湿式クラッチ装
置は、前記流量制御手段が、前記発進クラッチ制御検出
手段により前記発進クラッチの解放が検出された場合、
一定時間に亘って、前記流量調整弁に大流量が設定され
ることを特徴とする。
【0041】従って、発進クラッチ制御検出手段が、発
進クラッチの解放を検出すると、その検出後、一定時間
に亘って前記流量調整弁に大流量が設定されるので、潤
滑回路を介して大流量の潤滑油が発進クラッチへ供給さ
れる。
【0042】よって、発進クラッチが解放された後に一
定時間に亘って大流量の潤滑油が発進クラッチへ供給さ
れるので、発進クラッチの冷却をより確実に行うことが
でき、耐久寿命の向上が図られる。
【0043】また、請求項13に記載の湿式クラッチ装
置は、前記流量制御手段が、弁の一端側に発進クラッチ
圧が、他端側にライン圧がそれぞれ導入された第1の油
圧式切換弁と、弁の一端に発進クラッチ圧が導入された
第2の油圧式切換弁とを含んで構成され、前記回路手段
は、前記第1の油圧式切換弁の入口に接続されて大流量
の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記第1の油圧式
切換弁の入口及び前記第2の油圧式切換弁の入口に接続
されて小流量の潤滑油を流動させる小流量回路と、前記
第1の油圧式切換弁の出口と前記第2の油圧式切換弁の
入口とを連結する連結回路と、前記第2の油圧式切換弁
の出口に接続されて前記発進クラッチに潤滑油を供給す
る潤滑回路とから構成され、前記第1と第2の油圧式切
換弁は、発進クラッチ圧が略零の場合、又はライン圧と
発進クラッチ圧とが略等しい場合には小流量回路が選択
され、発進クラッチ圧が上昇中であり且つライン圧を下
回る場合には大流量回路が選択されるように構成されて
いることを特徴とする。
【0044】従って、発進クラッチが開放状態の時は発
進クラッチ圧が略零となり、発進クラッチが係合状態の
時はライン圧と発進クラッチ圧とが略等しいので、第1
と第2の油圧式切換弁により小流量回路が選択されて、
発進クラッチへ小流量の潤滑油が供給される。一方、発
進クラッチが制御中の時は発進クラッチ圧が上昇中であ
り且つライン圧を下回るので、第1と第2の油圧式切換
弁により大流量回路が選択されて、発進クラッチへ大流
量の潤滑油が供給される。
【0045】よって、大流量回路と小流量回路とを第1
と第2の油圧式切換弁により切換えて使用する構成とし
たので、簡単な構成で確実に、発進クラッチへの潤滑油
の流量を大流量と小流量とで切換えることができる。ま
た、第1と第2の油圧式切換弁を用いたので、電磁切換
弁のように電気的な制御を行う構成が必要でなく、湿式
クラッチ装置を安価に製造することができる。
【0046】また、請求項14に記載の湿式クラッチ装
置は、前進クラッチ及び後進クラッチからなる前後進切
換えクラッチを発進クラッチとして制御するように構成
された自動変速機に用いられるものを対象として、特
に、前進クラッチへ及び後進クラッチへ潤滑油を導く回
路手段と、常には、前記回路手段を介して前記前進クラ
ッチ及び前記後進クラッチへ小流量の潤滑油を供給し、
前記前進クラッチの制御中は、前記回路手段を介して前
記前進クラッチに大流量の潤滑油を供給し、前記後進ク
ラッチの制御中は、前記回路手段を介して前記後進クラ
ッチに大流量の潤滑油を供給するように潤滑油の流量を
制御する流量制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0047】従って、前記流量制御手段は、常には、前
記回路手段を介して前記前進クラッチ及び前記後進クラ
ッチへ小流量の潤滑油を供給し、前記前進クラッチの制
御中は、前記回路手段を介して前記前進クラッチに大流
量の潤滑油を供給し、前記後進クラッチの制御中は、前
記回路手段を介して前記後進クラッチに大流量の潤滑油
を供給するように潤滑油の流量を制御する。
【0048】よって、前進クラッチ又は後進クラッチが
開放状態あるいは結合状態にある時に、常に小流量の潤
滑油が供給されるので、冷却不足によるクラッチ焼けの
発生を防止することができる。また、潤滑油が過剰に供
給されないので、摩擦面に潤滑油が滞留して回転抵抗と
なるいわゆる引きずりの発生を防止することができると
ともに、潤滑油を供給するためのポンプの動力損失を少
なくすることができる。一方、前進クラッチ又は後進ク
ラッチの制御中、すなわち、係合動作時には前進クラッ
チ又は後進クラッチに大流量の潤滑油が供給されるの
で、前進クラッチ及び後進クラッチの潤滑及び冷却を確
実に行うことができる。
【0049】また、請求項15に記載の湿式クラッチ装
置は、前記流量制御手段が、発進クラッチ制御中を検出
する発進クラッチ制御検出手段と、電磁力によって弁の
切換を行う電磁切換弁と、マニュアルバルブで前後進を
切換えるようにした前後進切換弁とから構成され、前記
回路手段は、前記電磁切換弁の入口に接続されて大流量
の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記前後進切換弁
の出口に接続されて前記前進クラッチに潤滑油を供給す
る前進クラッチ潤滑回路と、前記前後進切換弁の出口に
接続されて前記後進クラッチに潤滑油を供給する後進ク
ラッチ潤滑回路と、前記電磁切換弁の入口及び前記前進
クラッチ潤滑回路並びに前記後進クラッチ潤滑回路に接
続されて小流量の潤滑油を流動させる小流量回路と、前
記電磁切換弁の出口と前記前後進切換弁の入口とを連結
する連結回路とから構成され、前記電磁切換弁は、前記
発進クラッチ制御検出手段により発進クラッチ制御中が
検出された場合は前記大流量回路を選択し、他の場合は
前記小流量回路を選択するように構成されていることを
特徴とする。
【0050】従って、前進時において、発進クラッチ制
御検出手段が発進クラッチの制御中を検出した場合は、
電磁切換弁が大流量回路を選択し、前後進切換弁が前進
クラッチ潤滑回路を選択するので、前進クラッチ潤滑回
路を介して大流量の潤滑油が前進クラッチへ供給され
る。また、前進時において、発進クラッチ制御検出手段
が発進クラッチの制御中を検出しなかった場合、すなわ
ち、前進クラッチが係合状態又は開放状態にある時は、
電磁切換弁が小流量回路を選択するように弁の切換を行
うので、前進クラッチ潤滑回路を介して小流量の潤滑油
が前進クラッチへ供給される。尚、前進時には後進クラ
ッチは開放状態となっており、小流量回路から後進クラ
ッチ潤滑回路を介して、常に小流量の潤滑油が後進クラ
ッチへ供給されまた、後進時において、発進クラッチ制
御検出手段が発進クラッチの制御中を検出した場合は、
電磁切換弁が大流量回路を選択し、前後進切換弁が後進
クラッチ潤滑回路を選択するので、後進クラッチ潤滑回
路を介して大流量の潤滑油が後進クラッチへ供給され
る。また、後進時において、発進クラッチ制御検出手段
が発進クラッチの制御中を検出しなかった場合、すなわ
ち、後進クラッチが係合状態又は開放状態にある時は、
電磁切換弁が小流量回路を選択するように弁の切換を行
うので、後進クラッチ潤滑回路を介して小流量の潤滑油
が後進クラッチへ供給される。尚、後進時には前進クラ
ッチは開放状態となっており、小流量回路から前進クラ
ッチ潤滑回路を介して、常に小流量の潤滑油が前進クラ
ッチへ供給される。
【0051】よって、大流量回路と小流量回路とを電磁
切換弁により切換えるとともに、前後進切換弁により前
進クラッチ潤滑回路と後進クラッチ潤滑回路とを切換え
て使用する構成としたので、簡単な構成で確実に、発進
クラッチとしての前進クラッチ又は後進クラッチへの潤
滑油の流量を大流量と小流量とで切換えることができ
る。また、発進クラッチ制御検出手段を設けたので、発
進クラッチ制御中か否かを確実に検出して、適切なタイ
ミングで電磁切換弁により潤滑油の流量を増減すること
ができる。
【0052】また、請求項16に記載の湿式クラッチ装
置は、前記流量制御手段が、発進クラッチ制御中を検出
する発進クラッチ制御検出手段と、第1と第2の出口を
有し、各出口についての流量を複数段階に独立して設定
可能な流量調整弁とから構成され、前記回路手段は、前
記流量調整弁の入口に接続されて大流量の潤滑油を流動
させる大流量回路と、前記流量調整弁の前記第1の出口
に接続されて前記前進クラッチに潤滑油を供給する前進
クラッチ潤滑回路と、前記流量調整弁の前記第2の出口
に接続されて前記後進クラッチに潤滑油を供給する後進
クラッチ潤滑回路とから構成され、前記流量調整弁は、
前記第1の出口に対して、前進時に前記発進クラッチ制
御検出手段により発進クラッチ制御中が検出された場合
は大流量を設定し、他の場合は小流量を設定し、前記第
2の出口に対して、後進時に前記発進クラッチ制御検出
手段により発進クラッチ制御中が検出された場合は前記
第2の出口に大流量を設定し、他の場合は小流量を設定
することを特徴とする。
【0053】従って、前進時において、発進クラッチ制
御検出手段により発進クラッチ制御中が検出された場合
は流量調整弁の第1の出口に大流量が設定されるので、
前進クラッチ潤滑回路を介して大流量の潤滑油が前進ク
ラッチへ供給される。また、前進時において、発進クラ
ッチ制御検出手段が発進クラッチの制御中を検出しなか
った場合、すなわち、前進クラッチが係合状態又は開放
状態にある時は、流量調整弁の第1の出口に小流量が設
定されるので、前進クラッチ潤滑回路を介して小流量の
潤滑油が前進クラッチへ供給される。尚、前進時には後
進クラッチは開放状態となっており、流量調整弁の第2
の出口には小流量が設定されて後進クラッチ潤滑回路を
介して、常に小流量の潤滑油が後進クラッチへ供給され
る。
【0054】また、後進時において、発進クラッチ制御
検出手段により発進クラッチ制御中が検出された場合は
流量調整弁の第2の出口に大流量が設定されるので、後
進クラッチ潤滑回路を介して大流量の潤滑油が後進クラ
ッチへ供給される。また、後進時において、発進クラッ
チ制御検出手段が発進クラッチの制御中を検出しなかっ
た場合、すなわち、後進クラッチが係合状態又は開放状
態にある時は、流量調整弁の第2の出口に小流量が設定
されるので、後進クラッチ潤滑回路を介して小流量の潤
滑油が後進クラッチへ供給される。一方、後進時には前
進クラッチは開放状態となっており、流量調整弁の第1
の出口には小流量が設定されて前進クラッチ潤滑回路を
介して、常に小流量の潤滑油が前進クラッチへ供給され
る。
【0055】よって、大流量回路を2つの出口を有する
流量調整弁に接続して潤滑油の流量を独立して調整する
構成としたので、簡単な構成で確実に、発進クラッチと
しての前進クラッチ又は後進クラッチへの潤滑油の流量
を大流量と小流量とで切換えることができる。また、発
進クラッチ制御検出手段を設けたので、発進クラッチが
制御中か否かを確実に検出して、適切なタイミングで流
量調整弁により潤滑油の流量調整を行うことができる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した湿式ク
ラッチ装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明
する。
【0057】まず、各実施形態の湿式クラッチ装置を適
用した自動変速機1のギヤトレーン構成について、図1
乃至図2を参照しつつ説明する。
【0058】自動変速機1は、トルクコンバータを有し
ないフリクションスタートシステム(発進クラッチシス
テム)を採用した前進4速・後進1速の自動変速機であ
る。自動変速機1は、図1のギヤトレーン図に示すよう
に、エンジン側からの回転力が入力される入力軸7と、
その入力軸7に接続され、2段階の変速(直結又はオー
バードライブ)を形成する第1ギヤトレーン3と、その
第1ギヤトレーン3から出力された回転が伝達されて3
段階の変速及び後進を形成する第2ギヤトレーン5と、
入力軸7に平行に設けられ、第2ギヤトレーン5に接続
された出力軸9とから構成されている。
【0059】第1ギヤトレーン3は、1組のシンプルプ
ラネタリ機構3aを含んで構成され、入力軸7に接続さ
れたピニオンギヤP1と、ピニオンギヤP1に外接噛合
するリングギヤR1と、ピニオンギヤP1に内接噛合す
るサンギヤS1と、ピニオンギヤP1を回転自在に支持
するキャリアCA1とを備える。また、キャリアCA1
とサンギヤS1とは、クラッチC0を介して接続され
る。更に、サンギヤS1は、ブレーキB0を介して自動
変速機ケース19に連結され、キャリアCA1は、クラ
ッチC0及びブレーキB0を介して自動変速機ケース1
9に連結される。
【0060】一方、第2ギヤトレーン5は、フロントプ
ラネタリギヤ5a及びリアプラネタリギヤ5bの2組の
プラネタリギヤにより構成されている。
【0061】フロントプラネタリギヤ5aは、ピニオン
ギヤP2と、そのピニオンギヤP2に外接噛合するリン
グギヤR2と、ピニオンギヤP2に内接噛合するサンギ
ヤS2と、ピニオンギヤP2を回転自在に支持するキャ
リアCA2とを備える。また、キャリアCA2はブレー
キB3を介して自動変速機ケース19に連結される。更
に、サンギヤS2は、ブレーキB1を介して自動変速機
ケース19に連結され、クラッチC2を介して第1ギヤ
トレーン3の出力と連結され、第1ギヤトレーン3から
の回転が伝達される。また、リングギヤR2は出力軸9
に接続されている。
【0062】リアプラネタリギヤ5bは、ピニオンギヤ
P3と、そのピニオンギヤP3が外接噛合するリングギ
ヤR3と、ピニオンギヤP3に内接噛合するサンギヤS
3と、ピニオンギヤP3を回転自在に支持するキャリア
CA3とを備える。また、キャリアCA3は出力軸9に
接続されている。更に、サンギヤS3は、ブレーキB1
を介して自動変速機ケース19に連結され、クラッチC
2を介して第1ギヤトレーン3の出力と連結され、第1
ギヤトレーン3からの回転が伝達される。また、リング
ギヤR3はクラッチC1を介して第1ギヤトレーン3の
出力と連結され、第1ギヤトレーン3からの回転が伝達
される。
【0063】図2は、各クラッチ及びブレーキの係合及
び開放(○印で係合、−印で開放を表す)で達成される
変速段を図表化して示している。
【0064】図2を参照してわかるように、1速は、ク
ラッチC0、クラッチC1、及びブレーキB3の係合に
より達成される。また、2速は、クラッチC0、クラッ
チC1、及びブレーキB1の係合により達成される。ま
た、3速は、クラッチC0、クラッチC1、及びクラッ
チC2の係合により達成される。また、4速は、ブレー
キB0、クラッチC1、クラッチC2の係合により達成
される。一方、後進(REV)は、クラッチC0、クラ
ッチC2、及びブレーキB3の係合により達成される。
【0065】上述した各クラッチC0,C1,C2及び
ブレーキB0,B1,B3は、図1に示すように、それ
ぞれ油路11a(破線により図示)を介して油圧制御回
路11に接続されている。これらのクラッチ及びブレー
キは、運転者のシフトレバー15によるレンジの選択、
アクセル13の踏み込み量により変化するアクセル開
度、及び車速センサ17により検出された車速で定めら
れた変速段によって、油圧制御回路11から供給される
油圧により作動される構成となっている。クラッチC0
は、特に、この自動変速機1において発進クラッチとし
て機能するため、油圧制御回路11は、アクセル開度に
応じて徐々に滑らせながらクラッチC0を係合させるた
めの発進クラッチ制御を行うように構成されている。
尚、油圧制御回路11は、周知のオイルポンプ、バル
ブ、ソレノイド等を組み合わせることにより構成される
ものである。
【0066】このような構成を有する自動変速機1にお
いて、運転者によりシフトレバーのポジションがNレン
ジからDレンジ又はRレンジに切り換えられると、油圧
制御回路11が、前記第1ギヤトレーン3に含まれるク
ラッチC0を発進クラッチとして作動させ、アクセル1
3の開度に応じて徐々に係合させるように制御する。
【0067】次に、上述した自動変速機1において、本
発明を具体化した湿式クラッチ装置の各実施形態につい
て説明する。
【0068】最初に、本発明の湿式クラッチ装置を具体
化した第1の実施形態としてのブレーキ潤滑装置101
及び発進クラッチ潤滑装置121について、図3乃至図
4を参照しつつ説明する。
【0069】まず、ブレーキB3に潤滑油を供給するた
めのブレーキ潤滑装置101について、図3を参照しつ
つ説明する。
【0070】ブレーキ潤滑装置101は、大流量回路1
03と、小流量回路105と、ブレーキ潤滑回路107
と、検出・駆動部109と、ブレーキ潤滑制御弁111
とから構成されている。
【0071】尚、大流量回路103、小流量回路105
及びブレーキ潤滑回路107が請求項1又は2の回路手
段に、検出・駆動部109及びブレーキ潤滑制御弁11
1が請求項1又は2の流量制御手段に、検出・駆動部1
09は請求項3の走行状態検出手段及びシフトレバー検
出手段に、ブレーキ潤滑制御弁111は請求項3の電磁
切換弁にそれぞれ相当するものである。
【0072】大流量回路103は、大流量の潤滑油を流
動させるように流量が設定された油路であり、上流側に
おいて図示しないライン圧回路より導入され、下流側に
おいてブレーキ潤滑制御弁111の入口に接続されてい
る。尚、ライン圧回路は、図示しないオイルポンプから
潤滑油が直接吐出される回路であり、各クラッチ、ブレ
ーキを駆動するための油圧回路中で最大の圧力を有する
回路である。
【0073】小流量回路105は、小流量の潤滑油を流
動させる油路であり、その上流側において、各クラッチ
等の制御に使った残りの潤滑油を流動させてオイルパン
に吐出するための図示しないドレン回路より導入され、
下流側においてブレーキ潤滑制御弁105の入口に接続
されている。
【0074】ブレーキ潤滑回路107は、ブレーキ潤滑
制御弁111の出口に接続され、大流量回路103又は
小流量回路105のうち、選択された回路により導かれ
る潤滑油をブレーキB3の摩擦面へ供給する油路であ
る。
【0075】検出・駆動部109は、ブレーキ潤滑制御
弁111のソレノイド111aとシフトレバー15と、
車速センサ17とに接続され、シフトレバー15から出
力されるシフト信号又は車速センサ17から出力される
車速信号に基づいて車両の走行状態を検出するととも
に、その検出結果に応じてソレノイド111aを駆動す
るための電気回路である。検出・駆動部109は図示し
ないCPU、ROM、及びRAMを含んで構成され、シ
フトレバー15からのシフト信号がブレーキB3を制御
中又は車速センサ17からの車速信号が、高速走行が一
定時間継続していることを示している場合にソレノイド
111aへ通電を行って駆動するように構成されてい
る。
【0076】ブレーキ潤滑制御弁111は、ソレノイド
111aにより弁の切換を行うオン/オフ・ソレノイド
弁である。ソレノイド111aには、検出・駆動部10
9が接続され、その検出・駆動部109からの通電によ
り駆動される構成となっている。検出・駆動部109
は、常には、ソレノイド111aに通電を行わず、ブレ
ーキ潤滑制御弁111の弁シリンダ内を摺動可能に設け
られたスプール弁が、図示しないスプリングにより弁シ
リンダ内の一端へ付勢されることにより、小流量回路1
05のみが連通する状態となっている。一方、検出・駆
動部109からソレノイド111aへ通電されると、ソ
レノイド111aが駆動されてスプール弁が弁シリンダ
内の他端へ摺動移動し、小流量回路105からの連通が
遮断されるとともに大流量回路103のみが連通する状
態に切換えられる。そして、ソレノイド111aへの通
電が終了すると、スプリングによりスプール弁が元の位
置に戻り、小流量回路105のみが連通する状態とな
る。
【0077】次に、発進クラッチとして作動されるクラ
ッチC0に潤滑油を供給するための発進クラッチ潤滑装
置121の構成について図4を参照しつつ説明する。
【0078】発進クラッチ潤滑装置121は、図4に示
すように、大流量回路103と、小流量回路105と、
発進クラッチ潤滑回路127と、検出・駆動部129
と、発進クラッチ潤滑制御弁131とから構成されてい
る。
【0079】尚、大流量回路103、小流量回路105
及び発進クラッチ潤滑回路127が請求項1又は8の回
路手段に、検出・駆動部129及び発進クラッチ潤滑制
御弁131は請求項1又は8の流量制御手段に、検出・
駆動部129は請求項9の発進クラッチ制御検出手段
に、発進クラッチ潤滑制御弁131は請求項9の電磁切
換弁にそれぞれ相当するものである。
【0080】発進クラッチ潤滑装置121には、ブレー
キ潤滑回路101と同様に、大流量回路103及び小流
量回路105が設けられ、それぞれ発進クラッチ潤滑制
御弁131の入口に接続されている。
【0081】発進クラッチ潤滑回路127は、発進クラ
ッチ潤滑制御弁131の出口に接続され、大流量回路1
03又は小流量回路105のうち、選択された回路によ
り導かれる潤滑油をクラッチC0の摩擦面へ供給する油
路である。
【0082】検出・駆動部129は、発進クラッチ潤滑
制御弁131のソレノイド131a及び発進制御装置1
33に接続され、発進制御装置133からの信号により
クラッチC0の動作状態を検出し、その検出結果に基づ
いてソレノイド131aを駆動するための電気回路であ
る。検出・駆動部129は図示しないCPU、ROM、
及びRAMを含んで構成され、発進制御装置133から
(1)発進制御信号を受信した場合、又は(2)発進制
御信号の受信終了後、一定時間以内である場合にソレノ
イド131aを駆動するように構成されている。
【0083】発進クラッチ潤滑制御弁131は、ブレー
キ潤滑制御弁111と同様に、ソレノイド131aによ
り弁の切換を行うオン/オフ・ソレノイド弁である。発
進クラッチ潤滑制御弁131には、検出・駆動部129
が電気的に接続され、その検出・駆動部129からの通
電により駆動される構成となっている。
【0084】次に、上記構成を有するブレーキ潤滑装置
101及び発進クラッチ潤滑装置121におけるブレー
キB3、クラッチC0への潤滑作用について説明する。
【0085】まず、運転者の操作により、シフトレバー
がNレンジからDレンジに切換えられ、アクセルペダル
の踏み込みによりアクセルが徐々に開かれると、自動変
速機1の変速段は1速となる。1速では、図2に示すよ
うに、クラッチC0、クラッチC1、ブレーキB3が作
動される。発進クラッチC0は、油圧回路により駆動さ
れて、徐々に係合するように発進クラッチ制御が行われ
る。この時、発進制御装置133からは発信制御信号が
送信され、検出・駆動部129に入力される。検出・駆
動部129は、発信制御信号を受信すると、ソレノイド
131aに通電を行う。ソレノイド131aが通電によ
り駆動されると、スプール弁を他端に摺動移動させて小
流量回路105への連通が遮断されるとともに、大流量
回路103へ連通するように切換が行われる。従って、
クラッチC0の制御中は、潤滑回路127を介して大流
量の潤滑油がクラッチC0の摩擦面に供給され、クラッ
チC0の潤滑及び冷却が確実に行われる。
【0086】クラッチC0が係合されて発信クラッチ制
御が終了したことを検出・駆動部129が発進制御装置
133からの信号により検出すると、ソレノイド131
aへの通電を停止するので、ソレノイド131aはスプ
リングにより付勢されて元の位置に戻り、大流量回路1
03から小流量回路105への切換が行われる。よっ
て、潤滑回路127を介して小流量の潤滑油がクラッチ
C0に供給されるので、クラッチC0に常に冷却が行わ
れ、クラッチ焼けが生じることがない。また、過剰に潤
滑油が供給されることが無いので、開放時の摩擦面にお
ける引きずりの発生が低減されると共に、ポンプの動力
損失が少ない。
【0087】一方、ブレーキB3は、クラッチC0より
も先に油圧回路により駆動されて、開放状態から係合状
態へ移行するための制御動作が行われる。この時、検出
・駆動部109が、シフトレバー15からのシフト信号
に基づいてソレノイド111aに通電を行い、ブレーキ
潤滑制御弁111において小流量回路105から大流量
回路103への切換を行う。従って、ブレーキB3の制
御中は、潤滑回路107を介してブレーキB3の摩擦面
に大流量の潤滑油が供給されるので、ブレーキB3の潤
滑及び冷却が確実に行われ、耐久寿命の向上が図られ
る。
【0088】アクセルをさらに踏み込みスピードが上昇
すると、自動変速機1の変速段は1速から2速へ切換え
られ、図2に示すように、クラッチC0及びクラッチC
1は係合状態が維持され、クラッチB3が係合状態から
開放状態へ移行すると共に、ブレーキB1が開放状態か
ら係合状態へ移行する。ブレーキB3は、係合状態から
開放状態へ移行するように制御動作が行われ、同時に、
ブレーキB1は開放状態から係合状態へ移行するように
制御動作が行われ、制御中はブレーキB1の摩擦面に大
流量の潤滑油が供給される。尚、ブレーキB1の潤滑装
置の構成については、ブレーキB3潤滑装置101の構
成と同様であるのでその説明を省略する。
【0089】更に速度が上昇して変速段が3速から4速
に切り換わる場合、クラッチC0は係合状態から開放状
態へ移行するための制御動作が行われる。クラッチC0
の解放直後より所定時間内は、検出・駆動部129がソ
レノイド131aを駆動する。よって、クラッチC0の
解放直後より所定時間内は大流量回路103が選択され
て大流量の潤滑油がクラッチC0へ供給されるので、確
実にクラッチC0の冷却が行われ、耐久寿命の向上が図
られる。
【0090】一方、高速走行が所定時間以上継続したこ
とが車速センサ17からの車速信号に基づいて検出・駆
動部109により検出された場合は、検出・駆動部10
9がソレノイド111aを駆動し、ブレーキ潤滑制御弁
111は一定時間に亘り大流量回路103を選択し、大
流量の潤滑油をブレーキB3へ供給する。よって、高速
走行が所定時間連続した場合でも、確実にブレーキ3を
冷却することができ、耐久寿命の向上が図られる。
【0091】このように、第1の実施形態のブレーキ潤
滑装置101によれば、大流量回路103と小流量回路
105とを電磁切換弁(ブレーキ潤滑制御弁111)に
より切換えて使用する構成としたので、簡単な構成で確
実に、ブレーキB3への潤滑油の流量を大流量と小流量
とで切換えることができる。また、検出・駆動部109
により流量の切換を制御する構成としたので、切換のタ
イミングを自在に設定することができる。
【0092】また、第1の実施形態の発進クラッチ潤滑
装置121によれば、大流量回路103と小流量回路1
05とを電磁切換弁(発進クラッチ潤滑制御弁131)
により切換えて使用する構成としたので、簡単な構成で
確実に、発進クラッチC0への潤滑油の流量を大流量と
小流量とで切換えることができる。また、検出・駆動部
129により流量の切換を制御する構成としたので、切
換のタイミングを自在に設定することができる。
【0093】次に、本発明を具体化した第2の実施形態
のブレーキ潤滑装置141及び発進クラッチ潤滑装置1
61について、図5乃至図6を参照しつつ説明する。
【0094】ブレーキ潤滑装置141は、図5に示すよ
うに、大流量回路103と、ブレーキ潤滑回路107
と、検出・駆動部149と、ブレーキ潤滑制御弁151
とから構成されている。
【0095】尚、大流量回路103及びブレーキ潤滑回
路107が請求項1又は2の回路手段に、検出・駆動部
149及びブレーキ潤滑制御弁151が請求項1又は2
の流量制御手段に、検出・駆動部149が請求項5の走
行状態検出手段及びシフトレバー検出手段に、ブレーキ
潤滑制御弁151が請求項5の流量調整弁にそれぞれ相
当するものである。
【0096】大流量回路103は、前述した第1の実施
形態と同様の回路である。一方、小流量回路105は、
第2の実施形態では設けられていない。
【0097】検出・駆動部149は、ブレーキ潤滑制御
弁151、シフトレバー15及び車速センサ17に接続
され、シフトレバー15から出力されるシフト信号又は
車速センサ17から出力される車速信号により車両の走
行状態を検出し、その検出結果に基づいてブレーキ潤滑
制御弁151を駆動するための電気回路である。検出・
駆動部149は図示しないCPU、ROM、及びRAM
を含んで構成され、シフトレバー15からのシフト信号
がブレーキB3を制御中又は車速センサ17からの車速
信号が、高速走行が一定時間継続していることを示して
いる場合にブレーキ潤滑制御弁151へ通電する制御を
行うように構成されている。
【0098】ブレーキ潤滑制御弁151は、その入口に
は大流量回路103が接続され、潤滑油の流量を調整し
て出口側のブレーキ潤滑回路107へ出力させるように
構成された流量調整弁である。ブレーキ潤滑制御弁15
1は、検出・駆動部149により駆動される構成となっ
ており、常には、潤滑油の流量が小流量となるように絞
りが設定され、検出・駆動部149から通電されると、
大流量となるように絞りが設定される。
【0099】次に、発進クラッチC0へ潤滑油を供給す
るための発進クラッチ潤滑装置161について、図6を
参照しつつ説明する。
【0100】発進クラッチ潤滑回路161は、図6に示
すように、大流量回路103と、発進クラッチ潤滑回路
127と、検出・駆動部169と、発進クラッチ潤滑制
御弁171とから構成されている。
【0101】尚、大流量回路103及び発進クラッチ潤
滑回路127が請求項1又は8の回路手段に、検出・駆
動部169及び発進クラッチ潤滑制御弁171が請求項
1又は8の流量制御手段に、検出・駆動部169が請求
項11の発進クラッチ制御検出手段に、発進クラッチ潤
滑制御弁171が請求項11の流量調整弁にそれぞれ相
当するものである。
【0102】検出・駆動部169は、発進クラッチ潤滑
制御弁171及び発進制御装置133に接続され、発進
制御装置133からの信号により発進クラッチC0の動
作状態を検出し、その検出結果に基づいて発進クラッチ
潤滑制御弁171を駆動するための電気回路である。検
出・駆動部169は図示しないCPU、ROM、及びR
AMを含んで構成され、(1)発進制御装置133から
の信号が発進制御中であることを示している場合、又は
(2)発進制御中の信号の受信終了後、一定時間以内で
ある場合に発進クラッチ潤滑制御弁171へ通電する制
御を行うように構成されている。
【0103】発進クラッチ潤滑制御弁171は、その入
口には大流量回路103が連結され、潤滑油の流量を調
整して出口側の潤滑回路127へ出力させるように構成
された流量調整弁である。発進クラッチ潤滑制御弁17
1は、検出・駆動部169により駆動される構成となっ
ており、常には、潤滑油の流量が小流量となるように絞
りが設定され、検出・駆動部169から通電されると、
大流量となるように絞りが設定される。
【0104】次に、上記構成を有するブレーキ潤滑回路
141及び発進クラッチ潤滑回路161におけるブレー
キB3、クラッチC0への潤滑作用について説明する。
【0105】まず、運転者の操作により、シフトレバー
がNレンジからDレンジに切換えられ、アクセルペダル
の踏み込みによりアクセルが徐々に開かれると、自動変
速機1の変速段は1速となる。1速では、図2に示すよ
うに、クラッチC0、クラッチC1、ブレーキB3が作
動される。発進クラッチC0は、油圧回路により駆動さ
れて、徐々に係合するように発進クラッチ制御が行われ
る。この時、発進制御装置133からは発信制御信号が
送信され、検出・駆動部169に入力される。検出・駆
動部169は、発信制御信号を受信すると、発進クラッ
チ潤滑制御弁171に通電を行う。発進クラッチ潤滑制
御弁171が通電により駆動されると、絞りが拡大され
て大流量の潤滑油が流れるようになる。従って、クラッ
チC0の制御中は、潤滑回路107を介して大流量の潤
滑油がクラッチC0の摩擦面に供給されるので、クラッ
チC0の潤滑及び冷却が確実に行われ、耐久寿命の向上
が図られる。
【0106】発信クラッチ制御が終了してクラッチC0
が係合されると、検出・駆動部169は発進クラッチ潤
滑制御弁171への通電を停止する。すると、絞りが元
の状態に縮小し、小流量の潤滑油が流れるようになる。
よって、潤滑回路127を介して小流量の潤滑油がクラ
ッチC0に供給されるので、クラッチC0が常に冷却さ
れてクラッチ焼けが生じることがない。また、クラッチ
C0に過剰の潤滑油が供給されることが無いので、開放
時の摩擦面における引きずりの発生を低減できるととも
に、ポンプの動力損失が少ない。
【0107】一方、ブレーキB3は、クラッチC0より
も先に油圧回路により駆動されて、開放状態から係合状
態へ移行するための制御動作が行われる。この時、検出
・駆動部109が、シフトレバー15からのシフト信号
に基づいてブレーキ潤滑制御弁151に通電を行い、絞
りが拡大される。従って、ブレーキB3の制御中は、潤
滑回路107を介してブレーキB3の摩擦面に大流量の
潤滑油が供給されるので、ブレーキB3の潤滑及び冷却
が確実に行われ、耐久寿命の向上が図られる。
【0108】アクセルをさらに踏み込みスピードが上昇
すると、自動変速機1の変速段は1速から2速へ切換え
られ、図2に示すように、クラッチC0及びクラッチC
1は係合状態が維持され、クラッチB3が係合状態から
開放状態へ移行すると共に、ブレーキB1が開放状態か
ら係合状態へ移行する。ブレーキB3は、係合状態から
解放状態へ移行するように制御動作が行われ、同時に、
ブレーキB1は開放状態から係合状態へ移行するように
制御動作が行われ、制御中はブレーキB1の摩擦面に大
流量の潤滑油が供給される。尚、ブレーキB1の潤滑装
置については、ブレーキB3の潤滑装置と同様であるの
でその説明を省略する。
【0109】更に速度が上昇して変速段が3速から4速
に切り換わる場合、クラッチC0は係合状態から開放状
態へ移行するための制御動作が行われる。クラッチC0
の解放直後より所定時間内は、検出・駆動部169が発
進クラッチ潤滑制御弁171を駆動する。よって、クラ
ッチC0の解放直後より所定時間内は絞りが拡大されて
大流量の潤滑油がクラッチC0へ供給されるので、確実
にクラッチC0の冷却が行われ、耐久寿命の向上が図ら
れる。
【0110】一方、高速走行が所定時間以上継続したこ
とが車速センサ17からの車速信号に基づいて検出・駆
動部149により検出された場合は、検出・駆動部14
9がブレーキ潤滑制御弁111を駆動し、一定時間に亘
り絞りを拡大状態とし、大流量の潤滑油をブレーキB3
へ供給する。よって、高速走行が所定時間連続した場合
でも、確実にブレーキ3を冷却することができる。
【0111】このように、第2の実施形態のブレーキ潤
滑装置141によれば、大流量回路103を流量調整弁
(ブレーキ潤滑制御弁151)に接続して潤滑油の流量
を調整する構成としたので、簡単な構成で確実に、ブレ
ーキB3への潤滑油の流量を大流量と小流量とで切換え
ることができる。また、検出・駆動部149により流量
の切換を制御する構成としたので、切換のタイミングを
自在に設定することができる。
【0112】また、第2の実施形態の発進クラッチ潤滑
装置161によれば、大流量回路103を流量調整弁
(発進クラッチ潤滑制御弁171)に接続して潤滑油の
流量を調整する構成としたので、簡単な構成で確実に、
発進クラッチC0への潤滑油の流量を大流量と小流量と
で切換えることができる。また、検出・駆動部169に
より流量の切換を制御する構成としたので、切換のタイ
ミングを自在に設定することができる。
【0113】次に、本発明を具体化した第3の実施形態
のブレーキ潤滑装置181及び発進クラッチ潤滑装置2
01について、図7乃至図8を参照しつつ説明する。
【0114】ブレーキ潤滑装置181は、大流量回路1
03と、小流量回路105と、連結回路106と、ブレ
ーキ潤滑回路107と、第1ブレーキ潤滑制御弁191
と、第2ブレーキ潤滑制御弁192とから構成されてい
る。
【0115】尚、大流量回路103、小流量回路10
5、連結回路106及びブレーキ潤滑回路107は請求
項1又は2の回路手段に、第1ブレーキ潤滑制御弁19
1及び第2ブレーキ潤滑制御弁192は請求項1又は2
の流量制御手段に、第1ブレーキ潤滑制御弁191は請
求項7の第1の油圧式切換弁に、第2ブレーキ潤滑制御
弁192は請求項7の第2の油圧式切換弁にそれぞれ相
当するものである。
【0116】第1ブレーキ潤滑制御弁191は、一端に
ブレーキ圧PB及びスロットル圧PSを導入し且つスプ
リングを設け、他端にライン圧PLを導入した油圧式切
換弁である。入口には、大流量回路103と小流量回路
105とが接続され、出口には連結回路106が接続さ
れている。尚、ブレーキ圧PBは、ブレーキB3を作動
させる油圧(ブレーキの作動圧)を表している。又、ス
ロットル圧PSは、アクセル開度に比例して上昇する油
圧(エンジントルク検出圧)を示すものである。
【0117】第2ブレーキ潤滑制御弁192は、一端に
スロットル圧PSを導入し、且つスプリングを設け、他
端にブレーキ圧PBを導入した油圧式切換弁である。第
2ブレーキ潤滑弁の入口には、連結回路106と、第1
ブレーキ潤滑制御弁の手前で分岐した小流量回路105
とが接続され、出口はブレーキ潤滑回路107に接続さ
れている。
【0118】次に、ブレーキ潤滑装置181におけるブ
レーキB3への潤滑作用について説明する。
【0119】ブレーキ圧が略零の場合(PB≒0)、す
なわち、ブレーキB3が開放状態である場合は、第1ブ
レーキ潤滑弁191により小流量回路105が選択され
て経路−>’により、潤滑回路107を介してブレ
ーキB3に小流量の潤滑油が供給される。従って、例え
ば、変速段が1速から2速に変速された後は、潤滑油の
供給量が小流量となるので、ブレーキB3の摩擦面で潤
滑油が回転抵抗となるいわゆる引きずりの発生が低減さ
れる。
【0120】また、ブレーキ圧が上昇中であり且つライ
ン圧を下回る場合(PL>PB)、すなわち、ブレーキ
B3が制御中である場合は、第1ブレーキ潤滑弁191
により大流量回路103が選択されて経路−>’に
より、潤滑回路107を介してブレーキB3に大流量の
潤滑油が供給される。
【0121】また、ライン圧とブレーキ圧とが略等しい
場合(PL≒PB)、すなわち、ブレーキB3が係合状
態である場合は、小流量回路105が選択されて経路
により、潤滑回路107を介してブレーキB3へ小流量
の潤滑油が供給される。従って、ブレーキB3が係合状
態の場合に、潤滑油を余分に送出する無駄を省くことが
できる。
【0122】ブレーキ圧が略零であり、且つスロットル
圧が設定値以上の場合(PB≒0且つPS≧設定値)、
すなわち、車両が予め決められた速度以上での高速走行
中の場合は、第1ブレーキ潤滑弁191により大流量回
路103が選択されて経路により、潤滑回路107を
介してブレーキB3へ大流量の潤滑油を供給する。尚、
前記設定値は、速度に基づいて決定される。従って、所
定の速度以上の高速走行になった場合に、ブレーキB3
へ大流量の潤滑油が供給されるので、潤滑油による冷却
効果が確実に発揮され、ブレーキ3におけるブレーキ焼
けの発生を防止することができ、ひいては耐久寿命の向
上が図られる。
【0123】次に、発進クラッチ潤滑装置201につい
て、図8を参照しつつ説明する。
【0124】発進クラッチ潤滑装置201は、図8に示
すように、大流量回路103と、小流量回路105と、
連結回路106と、発進クラッチ潤滑回路127と、第
1発進クラッチ潤滑制御弁211と、第2発進クラッチ
潤滑制御弁212とから構成されている。
【0125】尚、大流量回路103、小流量回路10
5、連結回路106及び発進クラッチ潤滑回路127は
請求項1又は8の回路手段に、第1発進クラッチ潤滑制
御弁211及び第2発進クラッチ潤滑制御弁212は請
求項1又は8の流量制御手段に、第1発進クラッチ潤滑
制御弁211は請求項13の第1の油圧式切換弁に、第
2発進クラッチ潤滑制御弁212は請求項13の第2の
油圧式切換弁にそれぞれ相当するものである。
【0126】第1発進クラッチ潤滑制御弁211は、一
端に発進クラッチ圧PCを導入し且つスプリングを設
け、他端にライン圧PLを導入した油圧式切換弁であ
る。入口には、大流量回路103と小流量回路105と
が接続され、出口には連結回路106が接続されてい
る。尚、発進クラッチ圧PCは、発進クラッチC0を作
動させる油圧(作動圧)を表している。
【0127】第2発進クラッチ潤滑制御弁212は、一
端にスプリングを設け、他端にクラッチ圧PCを導入し
た油圧式切換弁である。第2発進クラッチ潤滑弁の入口
には、連結回路106と、第1発進クラッチ潤滑制御弁
の手前で分岐した小流量回路105とが接続され、出口
は潤滑回路127に接続されている。
【0128】次に、発進クラッチ潤滑装置201におけ
る発進クラッチC0への潤滑作用について説明する。
【0129】発進クラッチ圧が略零の場合(PC≒
0)、すなわち、発進クラッチC0が開放状態である場
合は、第1発進クラッチ潤滑弁211により小流量回路
105が選択されて経路により、潤滑回路127を介
して発進クラッチC0に小流量の潤滑油が供給される。
従って、発進クラッチC0の摩擦面で潤滑油が回転抵抗
となるいわゆる引きずりの発生が低減される。
【0130】また、発進クラッチ圧が上昇中であり且つ
ライン圧を下回る場合(PL>PC)、すなわち、発進
クラッチC0が制御中の場合は、第1発進クラッチ潤滑
弁211により大流量回路103が選択されて経路に
より、潤滑回路127を介して発進クラッチC0に大流
量の潤滑油が供給される。従って、発進クラッチ制御中
は、クラッチC0に大流量の潤滑油が供給されるので、
クラッチC0の潤滑及び冷却を確実に行い、クラッチ焼
けを防止すると共に、耐久寿命の向上を図ることができ
る。
【0131】また、ライン圧と発進クラッチ圧とが略等
しい場合(PL≒PC)、すなわち、発進クラッチC0
が係合状態である場合は、小流量回路105が選択され
て経路により、潤滑回路127を介してクラッチC0
へ小流量の潤滑油が供給される。従って、クラッチC0
が係合状態の場合に、潤滑油を余分に送出する無駄を省
くことができる。
【0132】このように、第3の実施形態のブレーキ潤
滑装置181によれば、大流量回路103と小流量回路
105とを2つの油圧式切換弁(第1ブレーキ潤滑制御
弁191、第2ブレーキ潤滑制御弁192)により切換
えて使用する構成としたので、簡単な構成で確実に、ブ
レーキB3への潤滑油の流量を大流量と小流量とで切換
えることができる。また、2つの油圧式切換弁(第1ブ
レーキ潤滑制御弁191、第2ブレーキ潤滑制御弁19
2)を用いたので、電磁切換弁のように電気的な制御を
行う構成が必要でなく、装置を安価に製造することがで
きる。
【0133】また、第3の実施形態の発進クラッチ潤滑
装置201によれば、大流量回路103と小流量回路1
05とを2つの油圧式切換弁(第1発進クラッチ潤滑制
御弁211、第2発進クラッチ潤滑制御弁212)によ
り切換えて使用する構成としたので、簡単な構成で確実
に、発進クラッチC0への潤滑油の流量を大流量と小流
量とで切換えることができる。また、2つの油圧式切換
弁を用いたので、電磁切換弁のように電気的な制御を行
う構成が必要でなく、装置を安価に製造することができ
る。
【0134】次に、本発明を具体化した第4の実施形態
の前後進クラッチ潤滑装置221について、図9を参照
しつつ説明する。
【0135】第4の実施形態は、前後進切換クラッチを
発進クラッチとして作動させるようにした自動変速機に
設けられる潤滑油供給装置である。すなわち、前述した
自動変速機1と同様のギヤトレーン構成において、クラ
ッチC0に変えて、前進時は前進クラッチC1、後進時
は後進クラッチC2をそれぞれ発信クラッチとして作動
させるように構成したものである。
【0136】前後進クラッチ潤滑装置221は、大流量
回路103と、小流量回路105と、連結回路と、前進
クラッチ潤滑回路128aと、後進クラッチ潤滑回路1
28bと、検出・駆動部229と、前後進切換えクラッ
チ潤滑制御弁231と、前後進切換弁232とから構成
されている。
【0137】尚、大流量回路103、小流量回路10
5、連結回路、前進クラッチ潤滑回路128a及び後進
クラッチ潤滑回路128bは請求項1又は14の回路手
段に、検出・駆動部229、前後進切換えクラッチ潤滑
制御弁231及び前後進切換弁232は請求項1又は1
4の流量制御手段に、検出・駆動部229は請求項15
の発進クラッチ制御検出手段に、前後進切換えクラッチ
潤滑制御弁231は請求項15の電磁切換弁にそれぞれ
相当するものである。
【0138】前進クラッチ潤滑回路128a及び後進ク
ラッチ潤滑回路128bは、前後進切換え弁232の出
口に接続され、それぞれ潤滑油をクラッチC1、C2の
摩擦面へ供給する油路である。
【0139】検出・駆動部229は、前後進切換えクラ
ッチ潤滑制御弁231のソレノイド231a及びスロッ
トル233に接続され、スロットル133からのスロッ
トル圧により発進クラッチの動作状態を検出し、その検
出結果に基づいてソレノイド231aを駆動するための
電気回路である。検出・駆動部229は、図示しないC
PU、ROM、及びRAMを含んで構成され、(1)ス
ロットル233からのスロットル圧が発進制御中である
ことを示している場合、又は(2)発進制御中の検出終
了後、一定時間以内である場合に、ソレノイド231a
を駆動するように構成されている。
【0140】前後進切換えクラッチ潤滑制御弁231
は、ブレーキ潤滑制御弁111と同様に、ソレノイド1
31aにより弁の切換を行うオン/オフ・ソレノイド弁
である。前後進切換えクラッチ潤滑制御弁231には、
検出・駆動部229が電気的に接続され、その検出・駆
動部229からの通電により駆動される構成となってい
る。
【0141】前後進切換えクラッチ潤滑制御弁231の
入口には、大流量回路103と小流量回路105とが接
続され、出口には前後進切換弁232に連結される連結
回路106に接続されている。
【0142】前後進切換弁232は、入口には連結回路
106が、出口には前進クラッチ潤滑回路128aと後
進クラッチ潤滑回路128bとが接続され、マニュアル
バルブにより前進クラッチ潤滑回路128aと後進クラ
ッチ潤滑回路128bとを切換えるように構成した切換
弁である。
【0143】小流量回路105は、前後進切換えクラッ
チ潤滑制御弁231との接続部の手前で分岐し、前進ク
ラッチ潤滑回路128a及び後進クラッチ潤滑回路12
8bにそれぞれ接続される。小流量回路105は、前進
クラッチ潤滑油路128a及び後進クラッチ潤滑油路1
28bに接続される手前において、チェックバルブ10
5a,105bがそれぞれ設けられ、逆流を防止するよ
うになっている。
【0144】次に、前後進クラッチ潤滑装置221にお
ける前進クラッチC1又は後進クラッチC2への潤滑作
用について説明する。
【0145】前進時において、前進クラッチC1が発進
クラッチ制御中であることが検出・駆動部229により
検出されると、検出・駆動部229がソレノイド231
aに通電を行うことにより大流量回路103が選択され
る。また、前後進切換弁232により前進が選択されて
いるので、経路−>により前進クラッチ潤滑回路1
28aを介して、クラッチC1に大流量の潤滑油が供給
される。よって、前進クラッチC1の潤滑及び冷却を確
実に行い、クラッチ焼けを防止すると共に、耐久寿命の
向上を図ることができる。一方、後進クラッチC2に
は、小流量回路105から後進クラッチ潤滑回路128
bを介してクラッチC2へ小流量の潤滑油が供給される
(経路)。
【0146】また、前進時において、前進クラッチC1
が係合状態又は開放状態であることを検出・駆動部22
9が検出すると、検出・駆動部229はソレノイド23
1aに通電を行わない。また、前後進切換弁232によ
り前進が選択されているので、経路−>により前進
クラッチ潤滑回路128aを介してクラッチC1に小流
量の潤滑油が供給される。一方、後進クラッチC2に
は、小流量回路105から後進クラッチ潤滑回路128
bを介してクラッチC2へ小流量の潤滑油が供給される
(経路)。
【0147】また、後進時において、後進クラッチC2
が制御中であることが検出・駆動部229により検出さ
れると、検出・駆動部229がソレノイド231aに通
電を行うことにより大流量回路103が選択される。ま
た、前後進切換弁232により後進が選択されているの
で、経路−>により後進クラッチ潤滑回路128b
を介して、クラッチC2に大流量の潤滑油が供給され
る。よって、後進クラッチC2の潤滑及び冷却を確実に
行い、クラッチ焼けを防止すると共に、耐久寿命の向上
を図ることができる。一方、前進クラッチC1には、小
流量回路105から前進クラッチ潤滑回路128aを介
してクラッチC1に小流量の潤滑油が供給される(経路
)。
【0148】また、後進時において、発信クラッチC2
が係合状態又は開放状態であることが検出・駆動部22
9により検出されると、検出・駆動部229はソレノイ
ド231aへの通電を停止する。また、前後進切換弁2
32により後進が選択されているので、経路−>に
より後進クラッチ潤滑回路128bを介してクラッチC
2に小流量の潤滑油が供給される。この時、前進クラッ
チC1には、小流量回路105から前進クラッチ潤滑回
路128aを介して小流量の潤滑油が供給される(経路
)。
【0149】このように、第4の実施形態によれば、大
流量回路103と小流量回路105とを電磁切換弁(前
後進切換えクラッチ潤滑制御弁231)により切換える
とともに、前後進切換弁232により前進クラッチ潤滑
回路128aと後進クラッチ潤滑回路128bとを切換
えて使用する構成としたので、簡単な構成で確実に、発
進クラッチとしての前進クラッチC1又は後進クラッチ
C2への潤滑油の流量を大流量と小流量とで切換えるこ
とができる次に、本発明を具体化した第5の実施形態の
潤滑油供給装置について、図10を参照しつつ説明す
る。
【0150】第5の実施形態は、前述した第4の実施形
態と同様に、前後進切換クラッチを発進クラッチとして
作動させるようにした自動変速機に設けられる潤滑油供
給装置である。
【0151】前後進クラッチ潤滑装置241は、大流量
回路103と、前進クラッチ潤滑回路128aと、後進
クラッチ潤滑回路128bと、検出・駆動部249と、
前後進切換えクラッチ潤滑制御弁251とから構成され
ている。
【0152】尚、大流量回路103、前進クラッチ潤滑
回路128a及び後進クラッチ潤滑回路128bが請求
項1又は14の回路手段に、検出・駆動部249及び前
後進切換えクラッチ潤滑制御弁251は請求項1又は1
4の流量制御手段に、検出・駆動部249は請求項16
の発進クラッチ制御検出手段に、前後進切換えクラッチ
潤滑制御弁251は請求項16の流量調整弁にそれぞれ
相当するものである。
【0153】前進クラッチ潤滑回路128a及び後進ク
ラッチ潤滑回路128bは、前後進切換えクラッチ潤滑
制御弁251の第1の出口251a、第2の出口251
bにそれぞれ接続され、潤滑油をそれぞれクラッチC
1、C2の摩擦面へ供給する油路である。
【0154】検出・駆動部249は、前後進切換えクラ
ッチ潤滑制御弁251及びスロットル233に接続さ
れ、スロットル233からのスロットル圧により発進ク
ラッチの動作状態を検出し、その検出結果に基づいて前
後進切換えクラッチ潤滑制御弁251を駆動するための
電気回路である。検出・駆動部249は、図示しないC
PU、ROM、及びRAMを含んで構成され、(1)ス
ロットル233からのスロットル圧が発進制御中である
ことを示している場合、又は(2)発進制御中の検出終
了後、一定時間以内である場合に、前後進切換えクラッ
チ潤滑制御弁251の絞りを拡大するように構成されて
いる。
【0155】前後進切換えクラッチ潤滑制御弁251
は、1つの入口と2つの出口251a、251bを有す
る流量調整弁である。また、出口251a、251bに
対してそれぞれ絞りが設けられ、これらを独立して拡
大、又は縮小することにより、独立して流量の調整が可
能な構成となっている。前後進切換えクラッチ潤滑制御
弁251には、検出・駆動部249が電気的に接続さ
れ、その検出・駆動部249からの通電により駆動され
る構成となっている。
【0156】発信クラッチ潤滑制御弁251の入口に
は、大流量回路103が接続され、2つの出口には前進
クラッチ潤滑回路128a及び後進クラッチ潤滑回路1
28bがそれぞれ接続されている。
【0157】次に、前後進クラッチ潤滑装置241にお
ける前進クラッチC1、又は後進クラッチC2への潤滑
作用について説明する。
【0158】前進時において、前進クラッチC1が発進
クラッチ制御中であることが検出・駆動部249により
検出されると、検出・駆動部249が前後進切換えクラ
ッチ潤滑制御弁251の第1の出口251a側に通電し
て絞りを拡大する。従って、前進クラッチ潤滑回路12
8aを介してクラッチC1に大流量の潤滑油が供給され
る。よって、クラッチC1の潤滑及び冷却を確実に行
い、クラッチ焼けを防止すると共に、耐久寿命の向上を
図ることができる。一方、第2の出口251b側の絞り
は小流量が設定され、後進クラッチC2には、後進クラ
ッチ潤滑回路128bを介して小流量の潤滑油が供給さ
れる。
【0159】また、前進時において、発進クラッチC1
が係合状態又は開放状態であることを検出・駆動部24
9が検出すると、検出・駆動部249は前後進切換えク
ラッチ潤滑制御弁251の第1の出口251a側に通電
を行わない。よって、前進クラッチ潤滑回路128aを
介してクラッチC1に小流量の潤滑油が供給される。一
方、第2の出口251b側の絞りは小流量が設定され、
後進クラッチC2には、後進クラッチ潤滑回路128b
を介して小流量の潤滑油が供給される。
【0160】一方、後進時において、発信クラッチC2
が制御中であることが検出・駆動部249により検出さ
れると、検出・駆動部249が前後進切換えクラッチ潤
滑制御弁251の第2の出口251b側に通電して絞り
を拡大する。従って、後進クラッチ潤滑回路128bを
介して、クラッチC2に大流量の潤滑油が供給される。
よって、クラッチC2の潤滑及び冷却を確実に行い、ク
ラッチ焼けを防止すると共に、耐久寿命の向上を図るこ
とができる。一方、第1の出口251a側の絞りは小流
量が設定され、前進クラッチC1には、前進クラッチ潤
滑回路128aを介して小流量の潤滑油が供給される。
【0161】また、後進時において、発信クラッチC2
が係合状態又は開放状態であることが検出・駆動部24
9により検出されると、検出・駆動部249は前後進切
換えクラッチ潤滑制御弁251の第2の出口251b側
に通電を行わない。よって、後進クラッチ潤滑回路12
8bを介してクラッチC2に小流量の潤滑油が供給され
る。一方、第1の出口251a側の絞りは小流量が設定
され、前進クラッチC1には、前進クラッチ潤滑回路1
28aを介して小流量の潤滑油が供給される。
【0162】このように、第5の実施形態によれば、大
流量回路103を2つの出口251a、251bを有す
る流量調整弁(前後進クラッチ潤滑制御弁251)に接
続して潤滑油の流量を独立して調整する構成としたの
で、簡単な構成で確実に、発進クラッチとしての前進ク
ラッチC1又は後進クラッチC2への潤滑油の流量を大
流量と小流量とで切換えることができる。
【0163】尚、本発明は上述した各実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種
々の変更を施すことが可能である。
【0164】例えば、前記各実施形態では、小流量回路
105がドレン回路に接続された構成であったが、ライ
ン圧回路以外の潤滑回路に連結する構成でもよい。
【0165】また、前記第3の実施形態では、第1ブレ
ーキ潤滑制御弁及び第2ブレーキ潤滑制御弁の一端にス
ロットル圧PSを導入する構成としてが、スロットル圧
に代えてガバナ圧PGを導入する構成としてもよい。そ
して、ブレーキ圧が略零であり、且つガバナ圧が設定値
以上の場合(PB≒0且つPG≧設定値)の場合、すな
わち、所定速度以上の高速走行中の場合には、大流量回
路103が選択されてブレーキB3に大流量の潤滑油が
供給される(経路−>’)。尚、ガバナ圧は、車速
に比例する圧力(車速検出圧)を示すものである。
【0166】また、前記第1と第2の実施形態におい
て、走行状態検出手段として車速センサ17を用いた
が、車速に比例するガバナ圧を導入する構成としてもよ
い。
【0167】また、前記各実施形態において、検出・駆
動部109,129,149,169,229,249
をCPU,ROM,RAMにより構成したが、時間制御
の可能な構成であればよく、例えば、タイマー、リレ
ー、間欠スイッチ等の何れかを用いて構成してもよい。
【0168】
【発明の効果】以上述べたように本発明の請求項1に記
載の湿式クラッチ装置によれば、クラッチやブレーキ等
の摩擦要素が開放状態あるいは結合状態にある時に、常
に小流量の潤滑油が供給されるので、冷却不足によるク
ラッチ焼けやブレーキ焼けの発生を防止することができ
るという効果を奏する。また、潤滑油が過剰に供給され
ないので、摩擦面に潤滑油が滞留して回転抵抗となるい
わゆる引きずりの発生を防止することができるととも
に、潤滑油を供給するためのポンプの動力損失を少なく
することができるという効果を奏する。一方、摩擦要素
の制御中、すなわち、係合動作時には摩擦要素に大流量
の潤滑油が供給されるので、摩擦要素の潤滑及び冷却を
確実に行うことができるという効果を奏する。
【0169】また、請求項2に記載の湿式クラッチ装置
によれば、ブレーキが開放状態あるいは結合状態にある
時に、常に小流量の潤滑油が供給されるので、冷却不足
によるブレーキ焼けの発生を防止することができるとい
う効果を奏する。また、潤滑油が過剰に供給されないの
で、摩擦面に潤滑油が滞留して回転抵抗となるいわゆる
引きずりの発生を防止することができるとともに、潤滑
油を供給するためのポンプの動力損失を少なくすること
ができるという効果を奏する。一方、ブレーキの制御
中、すなわち、係合動作時にはブレーキに大流量の潤滑
油が供給されるので、ブレーキの潤滑及び冷却を確実に
行うことができるという効果を奏する。
【0170】また、請求項3に記載の湿式クラッチ装置
によれば、大流量回路と小流量回路とを電磁切換弁によ
り切換えて使用する構成としたので、簡単な構成で確実
に、ブレーキへの潤滑油の流量を大流量と小流量とで切
換えることができるという効果を奏する。また、シフト
レバー検出手段を設けたので、ブレーキが制御中か否か
を確実に検出して、適切なタイミングで電磁切換弁によ
り弁の切換を行うことができるという効果を奏する。
【0171】また、請求項4に記載の湿式クラッチ装置
によれば、高速走行が所定時間継続した後に一定時間に
亘って大流量の潤滑油がブレーキへ供給されるので、ブ
レーキの冷却をより確実に行うことができ、耐久寿命の
向上が図られるという効果を奏する。
【0172】また、請求項5に記載の湿式クラッチ装置
によれば、大流量回路を流量調整弁に接続して潤滑油の
流量を調整する構成としたので、簡単な構成で確実に、
ブレーキへの潤滑油の流量を大流量と小流量とで切換え
ることができるという効果を奏する。また、シフトレバ
ー検出手段を設けたので、ブレーキが制御中か否かを確
実に検出して、適切なタイミングで流量調整弁により流
量の変更を行うことができるという効果を奏する。
【0173】また、請求項6に記載の湿式クラッチ装置
によれば、高速走行が所定時間継続した後に一定時間に
亘って大流量の潤滑油がブレーキへ供給されるので、ブ
レーキの冷却をより確実に行うことができ、耐久寿命の
向上が図られるという効果を奏する。
【0174】また、請求項7に記載の湿式クラッチ装置
によれば、大流量回路と小流量回路とを第1と第2の油
圧式切換弁により切換えて使用する構成としたので、簡
単な構成で確実に、ブレーキへの潤滑油の流量を大流量
と小流量とで切換えることができるという効果を奏す
る。また、第1と第2の油圧式切換弁を用いたので、電
磁切換弁のように電気的な制御を行う構成が必要でな
く、湿式クラッチ装置を安価に製造することができると
いう効果を奏する。
【0175】また、請求項8に記載の湿式クラッチ装置
によれば、発進クラッチが開放状態あるいは結合状態に
ある時に、常に小流量の潤滑油が供給されるので、冷却
不足によるクラッチ焼けの発生を防止することができる
という効果を奏する。また、潤滑油が過剰に供給されな
いので、摩擦面に潤滑油が滞留して回転抵抗となるいわ
ゆる引きずりの発生を防止することができるとともに、
潤滑油を供給するためのポンプの動力損失を少なくする
ことができるという効果を奏する。一方、発進クラッチ
の制御中、すなわち、係合動作時には発進クラッチに大
流量の潤滑油が供給されるので、発進クラッチの潤滑及
び冷却を確実に行うことができるという効果を奏する。
【0176】また、請求項9に記載の湿式クラッチ装置
によれば、大流量回路と小流量回路とを電磁切換弁によ
り切換えて使用する構成としたので、簡単な構成で確実
に、発進クラッチへの潤滑油の流量を大流量と小流量と
で切換えることができるという効果を奏する。また、発
進クラッチ制御検出手段を設けたので、発進クラッチが
制御中か否かを確実に検出して、適切なタイミングで電
磁切換弁により弁の切換を行うことができるという効果
を奏する。
【0177】また、請求項10に記載の湿式クラッチ装
置によれば、発進クラッチが解放された後、一定時間に
亘って大流量の潤滑油が発進クラッチへ供給されるの
で、発進クラッチの冷却をより確実に行うことができ、
耐久寿命の向上が図られるという効果を奏する。
【0178】また、請求項11に記載の湿式クラッチ装
置によれば、大流量回路を流量調整弁に接続して潤滑油
の流量を調整する構成としたので、簡単な構成で確実
に、発進クラッチへの潤滑油の流量を大流量と小流量と
で切換えることができるという効果を奏する。また、発
進クラッチ制御検出手段を設けたので、発進クラッチが
制御中か否かを確実に検出して、適切なタイミングで流
量調整弁により潤滑油の流量調整を行うことができると
いう効果を奏する。
【0179】また、請求項12に記載の湿式クラッチ装
置によれば、発進クラッチが解放された後に一定時間に
亘って大流量の潤滑油が発進クラッチへ供給されるの
で、発進クラッチの冷却をより確実に行うことができ、
耐久寿命の向上が図られるという効果を奏する。
【0180】また、請求項13に記載の湿式クラッチ装
置によれば、大流量回路と小流量回路とを第1と第2の
油圧式切換弁により切換えて使用する構成としたので、
簡単な構成で確実に、発進クラッチへの潤滑油の流量を
大流量と小流量とで切換えることができるという効果を
奏する。また、第1と第2の油圧式切換弁を用いたの
で、電磁切換弁のように電気的な制御を行う構成が必要
でなく、湿式クラッチ装置を安価に製造することができ
るという効果を奏する。
【0181】また、請求項14に記載の湿式クラッチ装
置によれば、前進クラッチ又は後進クラッチが開放状態
あるいは結合状態にある時に、常に小流量の潤滑油が供
給されるので、冷却不足によるクラッチ焼けの発生を防
止することができるという効果を奏する。また、潤滑油
が過剰に供給されないので、摩擦面に潤滑油が滞留して
回転抵抗となるいわゆる引きずりの発生を防止すること
ができるとともに、潤滑油を供給するためのポンプの動
力損失を少なくすることができるという効果を奏する。
一方、前進クラッチ又は後進クラッチの制御中、すなわ
ち、係合動作時には前進クラッチ又は後進クラッチに大
流量の潤滑油が供給されるので、前進クラッチ及び後進
クラッチの潤滑及び冷却を確実に行うことができるとい
う効果を奏する。
【0182】また、請求項15に記載の湿式クラッチ装
置によれば、大流量回路と小流量回路とを電磁切換弁に
より切換えるとともに、前後進切換弁により前進クラッ
チ潤滑回路と後進クラッチ潤滑回路とを切換えて使用す
る構成としたので、簡単な構成で確実に、発進クラッチ
としての前進クラッチ又は後進クラッチへの潤滑油の流
量を大流量と小流量とで切換えることができるという効
果を奏する。また、発進クラッチ制御検出手段を設けた
ので、発進クラッチ制御中か否かを確実に検出して、適
切なタイミングで電磁切換弁により潤滑油の流量を増減
することができるという効果を奏する。
【0183】また、請求項16に記載の湿式クラッチ装
置によれば、大流量回路を2つの出口を有する流量調整
弁に接続して潤滑油の流量を独立して調整する構成とし
たので、簡単な構成で確実に、発進クラッチとしての前
進クラッチ又は後進クラッチへの潤滑油の流量を大流量
と小流量とで切換えることができるという効果を奏す
る。また、発進クラッチ制御検出手段を設けたので、発
進クラッチが制御中か否かを確実に検出して、適切なタ
イミングで流量調整弁により潤滑油の流量調整を行うこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の自動変速機のギヤトレー
ン図である。
【図2】 変速段と各クラッチの作動状態との対応を示
す表である。
【図3】 第1の実施形態におけるブレーキ潤滑装置の
回路図である。
【図4】 第1の実施形態における発進クラッチ潤滑装
置の回路図である。
【図5】 第2の実施形態におけるブレーキ潤滑装置の
回路図である。
【図6】 第2の実施形態における発進クラッチ潤滑装
置の回路図である。
【図7】 第3の実施形態におけるブレーキ潤滑装置の
回路図である。
【図8】 第3の実施形態における発進クラッチ潤滑装
置の回路図である。
【図9】 第4の実施形態における前後進切換えクラッ
チ潤滑装置の回路図である。
【図10】 第5の実施形態における前後進切換えクラ
ッチ潤滑装置の回路図である。
【符号の説明】
101 ブレーキ潤滑装置(第1の実施形態) 103 大流量回路 105 小流量回路 106 連結回路 107 ブレーキ潤滑回路 109 検出・駆動部(流量制御手段、走行状態検出
手段、シフトレバー検出手段) 111 ブレーキ潤滑制御弁(流量制御手段、電磁切
換弁) 121 発進クラッチ潤滑装置(第1の実施形態) 127 発進クラッチ潤滑回路 128a 前進クラッチ潤滑回路 128b 後進クラッチ潤滑回路 129 検出・駆動部(流量制御手段、発進クラッチ
制御検出手段) 131 発進クラッチ潤滑制御弁(流量制御手段、電
磁切換弁) 141 ブレーキ潤滑装置(第2の実施形態) 149 検出・駆動部(流量制御手段、走行状態検出
手段、シフトレバー検出手段) 151 ブレーキ潤滑制御弁(流量制御手段、流量調
整弁) 161 発進クラッチ潤滑装置(第2の実施形態) 169 検出・駆動部(流量制御手段、発進クラッチ
制御検出手段) 171 発進クラッチ潤滑制御弁(流量制御手段、流
量調整弁) 181 ブレーキ潤滑装置(第3の実施形態) 191 第1ブレーキ潤滑制御弁(流量制御手段、第
1の油圧式切換弁) 192 第2ブレーキ潤滑制御弁(流量制御手段、第
2の油圧式切換弁) 201 発進クラッチ潤滑装置(第3の実施形態) 211 第1発進クラッチ潤滑制御弁(流量制御手
段、第1の油圧式切換弁) 212 第2発進クラッチ潤滑制御弁(流量制御手
段、第2の油圧式切換弁) 221 前後進切換えクラッチ潤滑装置(第4の実施
形態) 229 検出・駆動部(流量制御手段、発進クラッチ
制御検出手段) 231 前後進切換えクラッチ潤滑制御弁(流量制御
手段、電磁切換弁) 232 前後進切換弁(流量制御手段) 241 前後進切換えクラッチ潤滑装置(第5の実施
形態) 249 検出・駆動部(流量制御手段、発進クラッチ
制御検出手段) 251 前後進切換えクラッチ潤滑制御弁(流量制御
手段、電磁切換弁) 251a 第1の出口 251b 第2の出口

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦要素へ潤滑油を供給することにより
    潤滑、冷却を行うように構成した自動変速機において、 前記摩擦要素へ潤滑油を導く回路手段と、 常には、前記回路手段を介して前記摩擦要素へ小流量の
    潤滑油を供給し、前記摩擦要素の制御中は、前記回路手
    段を介して前記摩擦要素に大流量の潤滑油を供給するよ
    うに構成した流量制御手段とを備えたことを特徴とする
    湿式クラッチ装置。
  2. 【請求項2】 低速段で作動されるブレーキを有する自
    動変速機において、 前記ブレーキへ潤滑油を導く回路手段と、 常には、前記回路手段を介して前記ブレーキへ小流量の
    潤滑油を供給し、前記ブレーキの制御中は、前記回路手
    段を介して前記ブレーキに大流量の潤滑油を供給するよ
    うに潤滑油の流量を制御する流量制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする湿式クラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記流量制御手段は、シフトレバー位置
    を検出するシフトレバー検出手段と、車両の走行状態を
    検出する走行状態検出手段と、電磁力によって弁の切換
    を行う電磁切換弁とからなり、 前記回路手段は、前記電磁切換弁の入口にそれぞれ接続
    されて大流量の潤滑油を流動させる大流量回路及び小流
    量の潤滑油を流動させる小流量回路と、前記電磁切換弁
    の出口に接続されて前記ブレーキに潤滑油を供給する潤
    滑回路とからなり、 前記電磁切換弁は、前記シフトレバー検出手段により前
    記ブレーキの制御中が検出された場合は前記大流量回路
    を選択し、他の場合は前記小流量回路を選択するように
    構成されていることを特徴とする請求項2に記載の湿式
    クラッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記電磁切換弁は、前記走行状態検出手
    段により高速走行が所定時間継続したことが検出された
    場合は、一定時間に亘って、前記大流量回路を選択する
    ように構成されていることを特徴とする請求項3に記載
    の湿式クラッチ装置。
  5. 【請求項5】 前記流量制御手段は、シフトレバー位置
    を検出するシフトレバー検出手段と、車両の走行状態を
    検出する走行状態検出手段と、流量を複数段階に設定可
    能な流量調整弁とから構成され、 前記回路手段は、前記流量調整弁の入口に接続されて大
    流量の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記流量調整
    弁の出口に接続されて前記ブレーキに潤滑油を供給する
    潤滑回路とからなり、 前記流量調整弁は、前記シフトレバー検出手段により前
    記ブレーキの制御中が検出された場合は大流量が設定さ
    れ、他の場合は小流量が設定されることを特徴とする請
    求項2に記載の湿式クラッチ装置。
  6. 【請求項6】 前記流量調整弁は、前記走行状態検出手
    段により高速走行が所定時間継続したことが検出された
    場合、一定時間に亘って、前記流量調整弁に大流量が設
    定されることを特徴とする請求項5に記載の湿式クラッ
    チ装置。
  7. 【請求項7】 前記流量制御手段は、弁の一端側に前記
    ブレーキの作動圧としてのブレーキ圧及びエンジントル
    ク検出圧としてのスロットル圧又は車速検出圧としての
    ガバナ圧が、他端側にライン圧がそれぞれ導入された第
    1の油圧式切換弁と、 弁の一端にスロットル圧又はガバナ圧が、他端側にブレ
    ーキ圧がそれぞれ導入された第2の油圧式切換弁とを含
    んで構成され、 前記回路手段は、前記第1の油圧式切換弁の入口に接続
    されて大流量の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記
    第1の油圧式切換弁の入口及び前記第2の油圧式切換弁
    の入口に接続されて小流量の潤滑油を流動させる小流量
    回路と、前記第1の油圧式切換弁の出口と前記第2の油
    圧式切換弁の入口とを連結する連結回路と、前記第2の
    油圧式切換弁の出口に接続されて前記ブレーキに潤滑油
    を供給する潤滑回路とから構成され、 前記第1と第2の油圧式切換弁は、ブレーキ圧が略零の
    場合、又はライン圧とブレーキ圧とが略等しい場合には
    小流量回路が選択され、ブレーキ圧が上昇中であり且つ
    ライン圧を下回る場合、又はブレーキ圧が略零であり、
    且つスロットル圧又はガバナ圧が所定値以上の場合には
    大流量回路が選択されるように構成されていることを特
    徴とする請求項2に記載の湿式クラッチ装置。
  8. 【請求項8】 発進クラッチ制御を行うように構成され
    た自動変速機において、 発進クラッチへ潤滑油を導く回路手段と、 常には、前記回路手段を介して前記発進クラッチへ小流
    量の潤滑油を供給し、前記発進クラッチの制御中は、前
    記回路手段を介して前記発進クラッチに大流量の潤滑油
    を供給するように潤滑油の流量を制御する流量制御手段
    とを備えたことを特徴とする湿式クラッチ装置。
  9. 【請求項9】 前記流量制御手段は、発進クラッチ制御
    中を検出する発進クラッチ制御検出手段と、電磁力によ
    って弁の切換を行う電磁切換弁を含んで構成され、 前記回路手段は、前記電磁切換弁の入口にそれぞれ接続
    されて大流量の潤滑油を流動させる大流量回路及び小流
    量の潤滑油を流動させる小流量回路と、前記電磁切換弁
    の出口に接続されて前記発進クラッチに潤滑油を供給す
    る潤滑回路とから構成され、 前記電磁切換弁は、前記発進クラッチ制御検出手段によ
    り発進クラッチ制御中が検出された場合は前記大流量回
    路を選択し、他の場合は前記小流量回路を選択するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項8に記載の湿
    式クラッチ装置。
  10. 【請求項10】 前記電磁切換弁は、前記発進クラッチ
    制御検出手段により前記発進クラッチの解放が検出され
    た場合、一定時間に亘って、前記大流量回路を選択する
    ように構成されていることを特徴とする請求項9に記載
    の湿式クラッチ装置。
  11. 【請求項11】 前記流量制御手段は、発進クラッチ制
    御中を検出する発進クラッチ制御検出手段と、流量を複
    数段階に設定可能な流量調整弁とから構成され、 前記回路手段は、前記流量調整弁の入口に接続されて大
    流量の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記流量調整
    弁の出口に接続されて前記発進クラッチに潤滑油を供給
    する潤滑回路とから構成され、 前記流量調整弁は、前記発進クラッチ制御検出手段によ
    り発進クラッチ制御中が検出された場合は大流量が設定
    され、他の場合は小流量が設定されることを特徴とする
    請求項8に記載の湿式クラッチ装置。
  12. 【請求項12】 前記流量制御手段は、前記発進クラッ
    チ制御検出手段により前記発進クラッチの解放が検出さ
    れた場合、一定時間に亘って、前記流量調整弁に大流量
    が設定されることを特徴とする請求項11に記載の湿式
    クラッチ装置。
  13. 【請求項13】 前記流量制御手段は、弁の一端側に発
    進クラッチ圧が、他端側にライン圧がそれぞれ導入され
    た第1の油圧式切換弁と、 弁の一端に発進クラッチ圧が導入された第2の油圧式切
    換弁とを含んで構成され、 前記回路手段は、前記第1の油圧式切換弁の入口に接続
    されて大流量の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記
    第1の油圧式切換弁の入口及び前記第2の油圧式切換弁
    の入口に接続されて小流量の潤滑油を流動させる小流量
    回路と、前記第1の油圧式切換弁の出口と前記第2の油
    圧式切換弁の入口とを連結する連結回路と、前記第2の
    油圧式切換弁の出口に接続されて前記発進クラッチに潤
    滑油を供給する潤滑回路とから構成され、 前記第1と第2の油圧式切換弁は、発進クラッチ圧が略
    零の場合、又はライン圧と発進クラッチ圧とが略等しい
    場合には小流量回路が選択され、発進クラッチ圧が上昇
    中であり且つライン圧を下回る場合には大流量回路が選
    択されるように構成されていることを特徴とする請求項
    8に記載の湿式クラッチ装置。
  14. 【請求項14】 前進クラッチ及び後進クラッチからな
    る前後進切換えクラッチを発進クラッチとして制御する
    ように構成された自動変速機において、 前進クラッチへ及び後進クラッチへ潤滑油を導く回路手
    段と、 常には、前記回路手段を介して前記前進クラッチ及び前
    記後進クラッチへ小流量の潤滑油を供給し、前記前進ク
    ラッチの制御中は、前記回路手段を介して前記前進クラ
    ッチに大流量の潤滑油を供給し、前記後進クラッチの制
    御中は、前記回路手段を介して前記後進クラッチに大流
    量の潤滑油を供給するように潤滑油の流量を制御する流
    量制御手段とを備えたことを特徴とする湿式クラッチ装
    置。
  15. 【請求項15】 前記流量制御手段は、発進クラッチ制
    御中を検出する発進クラッチ制御検出手段と、電磁力に
    よって弁の切換を行う電磁切換弁と、マニュアルバルブ
    で前後進を切換えるようにした前後進切換弁とから構成
    され、 前記回路手段は、前記電磁切換弁の入口に接続されて大
    流量の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記前後進切
    換弁の出口に接続されて前記前進クラッチに潤滑油を供
    給する前進クラッチ潤滑回路と、前記前後進切換弁の出
    口に接続されて前記後進クラッチに潤滑油を供給する後
    進クラッチ潤滑回路と、前記電磁切換弁の入口及び前記
    前進クラッチ潤滑回路並びに前記後進クラッチ潤滑回路
    に接続されて小流量の潤滑油を流動させる小流量回路
    と、前記電磁切換弁の出口と前記前後進切換弁の入口と
    を連結する連結回路とから構成され、 前記電磁切換弁は、前記発進クラッチ制御検出手段によ
    り発進クラッチ制御中が検出された場合は前記大流量回
    路を選択し、他の場合は前記小流量回路を選択するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項14に記載の
    湿式クラッチ装置。
  16. 【請求項16】 前記流量制御手段は、発進クラッチ制
    御中を検出する発進クラッチ制御検出手段と、第1と第
    2の出口を有し、各出口についての流量を複数段階に独
    立して設定可能な流量調整弁とから構成され、 前記回路手段は、前記流量調整弁の入口に接続されて大
    流量の潤滑油を流動させる大流量回路と、前記流量調整
    弁の前記第1の出口に接続されて前記前進クラッチに潤
    滑油を供給する前進クラッチ潤滑回路と、前記流量調整
    弁の前記第2の出口に接続されて前記後進クラッチに潤
    滑油を供給する後進クラッチ潤滑回路とから構成され、 前記流量調整弁は、前記第1の出口に対して、前進時に
    前記発進クラッチ制御検出手段により発進クラッチ制御
    中が検出された場合は大流量を設定し、他の場合は小流
    量を設定し、前記第2の出口に対して、後進時に前記発
    進クラッチ制御検出手段により発進クラッチ制御中が検
    出された場合は前記第2の出口に大流量を設定し、他の
    場合は小流量を設定することを特徴とする請求項14に
    記載の湿式クラッチ装置。
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