JP3592232B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に搭載される自動変速機における油圧制御装置に係り、詳しくは、変速ギヤ機構部(ギヤトレーン部)に供給する潤滑油流量を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の油圧制御装置は、ギヤトレーン部に介在する多数のクラッチ及びブレーキ等を制御する油圧回路に加えて、トルクコンバータ及びギヤトレーン部の潤滑油回路等に連通する油路を有しており、該油圧制御装置内においては、同一のオートマチックトランスミッション用オイルである潤滑油ATF(以下、単に「ATF」とする。)が該油圧回路、トルクコンバータ及びギヤトレーン部の潤滑油回路等を循環している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ギヤトレーン部の潤滑油回路に連通する供給油路は、油温、車速、変速段等の諸条件に拘らず、常に一定のオリフィス径からなる油路により供給されている。そのため、特に低温状態である場合に、ATFの粘度が高くなり、ギヤトレーン部の潤滑油回路に供給されたATFの循環が遅れて該潤滑油回路内にATFが溜まってしまうためにその戻りが遅くなり、上記油圧回路、トルクコンバータ及びギヤトレーン部の潤滑油回路等にATFを供給するオイルポンプの吸入量が該ATFの戻り量よりも過剰となってしまう。それにより、該オイルポンプの吸入口よりオイルポンプ内の油面が低下し、エアの吸い込みが発生してATFにエアが混入してしまう。その場合、実公昭53−1501号公報に開示されるように、トルクコンバータの性能が非常に低下し、出力軸トルクが低下するなどの自動変速機の機能が損なわれる虞がある。しかしながら、該従来技術には、低油温時にトルクコンバータが正常な性能を発揮させ、自動車の発進を円滑に行うための低温走行性向上機構が開示されているが、一部の潤滑油の供給を遮断する構造のため、ギヤトレーン部の耐久性を低下させる虞がある。
【0004】
そこで本発明は、上記事情に鑑み、潤滑油必要量に応じて潤滑油回路に連通する供給油路を選択的にし、もって上述した課題を解決した自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、各変速段への変速信号に基づき供給油路及び排出油路を切換えて変速ギヤ機構(2,5)に介在する多数の摩擦係合手段(例えばC−1〜C−3、B−1〜B−4、F−1〜F−3)を制御する複数の切換えバルブと、前記変速ギヤ機構(2,5)に潤滑油(ATF)を供給する潤滑油回路(34)と、を備えてなる、自動変速機の油圧制御装置(35)において、
前記潤滑油回路(34)に連通する常時供給用油路(a,b,c,j)と、
合流されて前記潤滑油回路(34)に連通する第1の油路(d,g,j)と第2の油路(d,e,f,j)とを有する必要時供給油路(d,e,f,g,j)と、を備え、
前記第1の油路(d,g,j)に第1の前記切換えバルブ(24)を介在し、また前記第2の油路(d,e,f,j)に第2の前記切換えバルブ(23)を介在し、
通常通りの制御にて、前記第1の切換えバルブ(24)は所定変速段(例えば1速段)以外で前記第1の油路(d,g,j)を連通するように切換え制御され、かつ前記第2の切換えバルブ(23)は前記所定変速段とは異なる変速段(例えば5速段)以外で前記第2の油路(d,e,f,j)を連通するように切換え制御されることで、前記第1の切換えバルブ(24)及び第2の切換えバルブ(23)が変速状態に応じて切換えられると共に、すべての変速段(例えば前進5速、後進1速)において、前記第1の油路(d,g,j)又は第2の油路(d,e,f,j)を介して前記潤滑油回路(34)に連通するように構成され、
潤滑油必要量が少ない状況にあると判断した場合、前記第1及び第2の切換えバルブ(23,24)の少なくとも一方を切換えて、前記第1の油路(d,g,j)又は前記第2の油路(d,e,f,j)による前記潤滑油回路(34)への供給を遮断するように制御され、その他の状況で連通させるように制御される、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置にある。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記第1の切換えバルブ(24)が、前記第1の油路(d,g,j)を1速段以外に連通すると共に1速段で遮断する第2のポート(24b)を有し、
前記第2の切換えバルブ(23)が、最高速段(例えば5速)で遮断すると共に他の変速段(例えば1,2,3,4,R,N速)で連通する第3のポート(23a)を有すると共に、制御部からの信号に基づき制御され、
1速段において該制御部が潤滑油必要量が少ない状況を判断した場合、前記第2の切換えバルブ(23)を、前記第3のポート(23a)を遮断するように切換え制御して、前記潤滑油回路(34)への供給を遮断し、
1速段においては、前記第2の切換えバルブ(23)を、前記第3のポート(23a)を連通するように切換えて、該第3のポート(23a)を介して前記潤滑油回路(34)に供給し、
2速段以上にあっては、前記第1の切換えバルブ(24)の第2のポート(24b)を介して前記潤滑油回路(34)に供給してなる、
請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置にある。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記常時供給用油路(c)に小径オリフィス(30)を介在し、また前記必要時供給油路(f,g)に大径オリフィス(31,32)を介在してなる、
請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置にある。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記潤滑油必要量が少ない状況の判断は、油温が低く(例えば0度以下)かつ車輌が停止している状況の判断である、
請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置にある。
【0010】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、特許請求の範囲の構成に何等影響を与えるものではない。
【0011】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、潤滑油必要量が少ない状況にあると判断した場合には、第1及び第2の切換えバルブの少なくとも一方を切換えて第1の油路又は第2の油路による潤滑油回路への供給を遮断することができ、かつ、その他の状況では、必要時供給油路による潤滑油回路への供給を可能とすることができる。それにより、潤滑油を供給するポンプの油量低下により発生するエアの吸い込みを防ぐことができるので、トルクコンバータにエアが混入することを防ぐことができ、自動変速機の駆動力の低下を防ぐことができる。また、その他の状況の場合は、必要時供給油路及び常時供給用油路により潤滑油を潤滑油回路に多量に供給することができるので、該潤滑油回路内の油量不足を引き起こすことがなく、ギヤの耐久性の低下を防ぐことができる。更に、2つのバルブを有することで、例えば一方の切換えバルブが作動不能になったとしても、潤滑油回路に潤滑油の供給を必要量確保することができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によると、1速段において、潤滑必要量が少ない状況を判断した場合は第3のポートを遮断して潤滑油回路への供給を遮断し、かつ、その他の状況の場合は第3のポートを介して潤滑油回路への供給を行うことができる。また、2速段以上にあっては、第2のポートを介して潤滑油回路への供給を行うことができる。更に、2つのバルブを有することで、1速段又は2速段以上において、例えば一方の切換えバルブが作動不能になったとしても、潤滑油回路に潤滑油の供給を必要量確保することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によると、常時供給用油路に小径オリフィスを介在し、必要時供給用油路に大径オリフィスを介在しているので、潤滑必要量が少ない状況を判断した場合は該常時供給用油路より少量の供給を行い、その他の状況の場合は該常時供給用油路及び必要時供給用油路の双方より多量に供給することができる。
【0015】
請求項4に係る本発明によると、油温が低く潤滑油の粘性が高い状態で、かつ、車輌が停車してトルクコンバータ内のタービンランナが回転していない状態である場合に、潤滑油必要量が少ない状況と判断されるので、潤滑油回路に潤滑油が溜まることを防ぐと共に、トルクコンバータ内にエアが混入することを防ぐことができる。それにより、自動変速機の駆動力が低下することを防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用される自動変速機を示すもので、(a)は、その作動表、(b)はスケルトン図である。
【0017】
自動変速機1は、トルクコンバータを介してエンジン出力軸などに接続される入力軸2及び、車輪等に接続される出力軸3を有しており、入力軸2と出力軸3との間には、デュアルプラネタリギヤユニットからなるフロントプラネタリギヤユニット5及び2つのシンプルプラネタリギヤユニット、即ち、ミドルプラネタリギヤユニット6及びリアプラネタリギヤユニット7からなるリアプラネタリギヤセット9を有している。
【0018】
第1のプラネタリギヤユニットを構成するフロントプラネタリギヤユニット5は、入力軸2にクラッチC3を介して接続されたサンギヤS1を有しており、サンギヤS1には、ピニオンP1が噛合しており、ピニオンP1には、リングギヤR1に噛合したピニオンP2が噛合している。ピニオンP1、P2は、キャリアCR1に支持されており、キャリアCR1は、第1の係止手段を構成する、ギヤケース10に設けられたワンウエイクラッチF−1及びブレーキB−1に接続している。
【0019】
また、リアプラネタリギヤセット9の、フロントプラネタリギヤユニット5側のミドルプラネタリギヤユニット6は、入力軸2にクラッチC−1を介して接続されたサンギヤS2を有しており、サンギヤS2は、リングギヤR2と噛合するピニオンP3と噛合している。ピニオンP3は、キャリアCR2に支持されており、キャリアCR2には、クラッチC−2を介して入力軸2が接続している。リングギヤR2には、フロントプラネタリギヤユニット5のリングギヤR1が接続されており、それらリングギヤR1、R2は共にギヤケース10に接続されたブレーキB−2で係止しうると共に、同様にギヤケース10に接続されたワンウエイクラッチF−2、ブレーキB−3を介して係止しうる。
【0020】
更に、リアプラネタリギヤセット9の、出力軸3側のリアプラネタリギヤユニット7は、入力軸2にクラッチC−1を介して、サンギヤS2と同期回転し得るように一体的に接続されたサンギヤS3を有しており、サンギヤS3は、リングギヤR3と噛合するピニオンP4と噛合している。リングギヤR3は、ミドルプラネタリギヤユニット6のキャリアCR2と接続していると共に、ギヤケース10に設けられたワンウエイクラッチF−3及びブレーキB−4により係止しうる。また、ピニオンP4は、キャリアCR3に支持されており、先述の出力軸3がキャリアCR3に接続している。
【0021】
ここで、リアプラネタリギヤセット9は、入力軸2に接続され、相互に連結されたサンギヤS2、S3からなる変速要素と、ミドルプラネタリギヤユニット6のキャリアCR2とリアプラネタリギヤユニット7のリングギヤR3とから構成される変速要素と、フロントプラネタリギヤユニット5の出力部材であるリングギヤR1に接続されたリングギヤR2からなる変速要素と、出力軸3が接続されるキャリアCR3からなる変速要素の、合計4個の変速要素から構成される。
【0022】
つぎに、本自動変速機1の作動を、図1(a)の作動表及び図2に示す速度線図に基づいて説明する。なお、図2の速度線図において、リアプラネタリギヤセット9の各変速要素に対応する、図中右側の線図における縦線は、左から順に第4の変速要素(R2)、第5の変速要素(R3,CR2)、第6の変速要素(CR3)及び第7の変速要素(S2,S3)を表している。
【0023】
1速では、図1(a)に示すように、クラッチC−1が係合し、ワンウエイクラッチF−3が作動し、入力軸2とサンギヤS2、S3が連結されると共に、リングギヤR3の逆転がワンウエイクラッチF−3により阻止されて、図2に示すように、入力軸2の回転(RIN)は、クラッチC−1を介して直接、リアプラネタリギヤセット9のサンギヤS3に入力される。すると、停止状態にあるリングギヤR3により、図2の速度線図において、線図L1に示す状態となり、出力軸3が接続されたキャリアCR3からは、正回転の1速1STが取り出される。この際、ミドルプラネタリギヤユニット6はサンギヤS2の回転により空転状態となっている。
【0024】
2速では、図1(a)に示すように、1速時のクラッチC−1の係合に加えて、ブレーキB−3が係合すると共に、ワンウエイクラッチF−3の作動が解除され、ワンウエイクラッチF−2が作動する。この状態では、それまで空転状態にあったミドルプラネタリギヤユニット6のリングギヤR2がブレーキB−3、ワンウエイクラッチF−2により係止される。この状態では、入力軸2の回転は、サンギヤS2からミドルプラネタリギヤユニット6のサンギヤS2に入力されると共に、リアプラネタリギヤユニット7のサンギヤS3に入力される。しかし、リングギヤR2は係止状態にあるために、その回転は阻止され(速度=0)、図2の速度線図において、線図L2に示す状態となり、出力軸3が接続されたキャリアCR3からは、正回転の2速2NDが取り出される。
【0025】
3速では、図1(a)に示すように、1、2速時のクラッチC−1の係合に加えて、クラッチC−3が係合されると共に、ワンウエイクラッチF−2の作動が解除され、ワンウエイクラッチF−1が作動する。この状態では、入力軸2の回転は、それまでのクラッチC−1を介したリアプラネタリギヤセット9への入力に加えて、クラッチC−3を介してフロントプラネタリギヤユニット5のサンギヤS3にも入力されると共に、キャリアCR1の逆転がワンウエイクラッチF−1により阻止され、キャリアCR1は係止される。
【0026】
すると、フロントプラネタリギヤユニット5ではサンギヤS1に入力軸2の回転が入力され、キャリアCR1が係止されることから、図2の速度線図において、線図L3に示す状態となり、出力部材としてのリングギヤR1からは、正回転RV1がミドルプラネタリギヤユニット6のリングギヤR2に出力される。一方、リアプラネタリギヤセット9には、サンギヤS2、S3に入力軸2の回転RINが入力されているので、フロントプラネタリギヤユニット5からリングギヤR2へ入力される回転RV1は、図2の線図L4に示すように、合成され、出力軸3の連結されるキャリアCR3からは、3速3RDが取り出される。
【0027】
この際、ブレーキB−3は、係合状態となっているが、ワンウエイクラッチF−2が空転状態なので、ブレーキB−3は変速には何ら寄与しない。
【0028】
4速では、図1(a)に示すように、1、2、3速時のクラッチC−1の係合に加えて、クラッチC−2が係合されると共に、ワンウエイクラッチF−1の作動が解除される。この状態では、入力軸2の回転は、それまでのクラッチC−1を介したリアプラネタリギヤセット9のサンギヤS2、S3への入力に加えて、クラッチC−2を介してリアプラネタリギヤセット9のキャリアCR2/リングギヤR3にも入力され、リアプラネタリギヤセット9は全体が直結回転となり、図2の線図L5に示す状態となり、出力軸3の連結されるキャリアCR3からは、4速4THが取り出される。
【0029】
5速では、図1(a)に示すように、クラッチC−1の係合が解除されると共に、クラッチC−2及びC−3がそのまま係合状態を維持され、ブレーキB−1が係合される。この状態では、入力軸2の回転は、クラッチC−2を介してリアプラネタリギヤセット9のキャリアCR2/リングギヤR3に入力されると共に、クラッチC−3を介してフロントプラネタリギヤユニット5のサンギヤS1に入力される。すると、キャリアCR1がブレーキB−1により係止されるので、フロントプラネタリギヤユニット5は、図2の線図L3で示す状態となり、リングギヤR1からは、減速された正回転RV1がリアプラネタリギヤセット9のリングギヤR2に出力される。既に述べたように、リアプラネタリギヤセット9のキャリアCR2/リングギヤR3には、入力軸2の回転が入力されるので、速度線図は図2の線図L7となり、キャリアCR3から出力軸3へは、5速回転5THが取り出される。
【0030】
この際、ブレーキB−3は、図1(a)に示すように、係合状態となっているが、ワンウエイクラッチF−2が空転状態となっているので、ブレーキB−3は何ら変速には関与しない。
【0031】
後進では、図1(a)に示すように、クラッチC−3が係合されると共に、ブレーキB−4及びワンウエイクラッチF−1が係合される。この状態では、入力軸2の回転RINは、クラッチC−3を介してフロントプラネタリギヤユニット5のサンギヤS1に入力され、キャリアCR1がワンウエイクラッチF−1により係止されることから、速度線図は、図2の線図L3に示す状態となり、リングギヤR1からは、正回転の出力回転RV1がリアプラネタリギヤセット9のリングギヤR2に出力される。リアプラネタリギヤセット9は、リングギヤR3/キャリアCR2がブレーキB−4により係止されるので、リアプラネタリギヤセット9は、図2の線図L10で示す状態となり、キャリアCR3から出力軸3へは、後進回転REVが取り出される。
【0032】
また、エンジンブレーキ(コースト)時には、図1(a)に示すように、通常の作動に加えて、3速及び後進時には、ブレーキB−1が係合され、キャリアCR1を確実に係止し、2速時にはブレーキB−2が係合され、リングギヤR2を確実に係止し、更に1速時には、ブレーキB−4が係合されて、リングギヤR3が確実に係止される。
【0033】
なお、上記自動変速機は、リアプラネタリギヤセット9のリングギヤR2の係止手段としてのブレーキB−3とワンウエイクラッチF−2を、リングギヤR2に直接設けた場合について述べたが、ブレーキB−3とワンウエイクラッチF−2は、リングギヤR2を係止できればどの位置に設けてもよく、フロントプラネタリギヤユニット5のサンギヤS1とクラッチC−3の間に設け、リングギヤR2をフロントプラネタリギヤユニット5を介して係止するようにすることもできる。
【0034】
次に、図3(及び図4、図5)に沿って、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置35を説明する。なお、図3(及び図4、図5)は、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置35の油圧回路を示す概略図で、本発明を説明するための必要な要素だけを示したものであり、実際の油圧回路は更に複雑で多くの要素を有するものである。
【0035】
図3(及び図4、図5)中、4はトルクコンバータで、26はロックアップリレーバルブ、27はロックアップコントロールバルブであり、該トルクコンバータ4内のロックアップクラッチ4aを、スリップ制御を含めてオン・オフ制御し得る。28はエンジン停止時にトルクコンバータ4からのATF抜けを防ぐチェックバルブであり、29は該チェックバルブの側管油圧を制御するクーラバイパスバルブである。19は概略示してあるプライマリーレギュレータバルブ、20はセカンダリレギュレータバルブであって、プライマリーレギュレータバルブ19は不図示のポンプから油圧をライン圧PLに調圧し、またセカンダリレギュレータバルブ20はコンバータ油圧及び潤滑油圧を調圧する。25はリニアソレノイドバルブSLU、33はオペレータのアクセル操作に基づくスロットル開度に対応して操作されるリニアソレノイドバルブSLTである。
【0036】
23は自動変速機のクラッチ(例えばクラッチC1)の係合・解放をコントロールするソレノイドリレーバルブ(第2の切換えバルブ)、21はノーマルクローズである第1のソレノイドバルブであり、オン・オフ制御されて該ソレノイドリレーバルブ23を制御し得る。該ソレノイドリレーバルブ23は、油路eから入力されて出力側となる油路fに接続されるポート23aを備えている。24は1−2シフトバルブ(第1の切換えバルブ)であり、22はノーマルクローズである第2のソレノイドバルブで、オン・オフ制御されて該1−2シフトバルブを制御し得る。該1−2シフトバルブ24は、油路dから入力されて出力側となる油路eに接続されるポート24a及び油路gに接続されるポート24bを備えている。なお、不図示の油圧回路には、2−3シフトバルブ、3−4シフトバルブ及び4−5シフトバルブと、それらをそれぞれ制御するソレノイドバルブ等を備えているが、説明の便宜上、省略する。
【0037】
34は上述の自動変速機1の変速ギヤ機構に連通して各ギヤにATFを供給する潤滑油回路(以下、「ギヤトレーン部LUBE」とする。)であり、プライマリーレギュレータバルブ19からは、油路aと、セカンダリレギュレータバルブ20を介して油路bと、が油路cを介して油路jに合流し、ギヤトレーン部LUBE34に連通している(常に少量のATFを供給する目的のためにある常時供給用油路)。また、第1のソレノイドバルブ21からは油路hによりソレノイドリレーバルブ23が、第2のソレノイドバルブ22からは油路iにより1−2シフトバルブ24が、それぞれ制御されている。1−2シフトバルブ24には、プライマリーレギュレータバルブ19から油路dが連通しており、該1−2シフトバルブ24が、該第2のソレノイドバルブ22のオフ制御により右半位置に固定されると油路eに連通し、オン制御されると油路gを介して油路jに合流してギヤトレーン部LUBE34に連通される(必要な時に多量のATFを供給する目的のためにある必要時供給油路、第1の油路)。ソレノイドリレーバルブ23は、第1のソレノイドバルブ21によりオン制御されると左半位置に固定されて油路eと油路fとを遮断し、オフ制御されると右半位置に固定されて油路eと油路fとを連通し、油路jに合流してギヤトレーン部LUBE34に連通される(必要な時に多量のATFを供給する目的のためにある必要時供給油路、第2の油路)。そして、該油路c上には小径オリフィス30が、該油路f上には大径オリフィス32が、該油路g上には大径オリフィス31が、それぞれ配設されている。即ち、本自動変速機の油圧制御装置35は、小径オリフィス30を配設した油路cと、大径オリフィス31,32を配設した2つの経路からなる油路f、gと、の2つの供給油路を有している。
【0038】
なお、図3、図4及び図5中、PLはプライマリーレギュレータバルブ19からのライン圧が入力されることを示し、PMは不図示のソレノイドモジュレータバルブSLSからの制御油圧が入力されることを示し、更に、EXはドレーンポートに連通してドレーンされることを示している。また、各油路の矢印は、該油路内のATFの流れる方向を示している。
【0039】
また、上述の油圧制御装置35は、不図示の制御部により制御されており、該制御部には、不図示のATF温度を検知する油温センサ、車速を検知する車速センサ、スロットル開度を検知するスロットル開度センサ、及びブレーキの状態を検知するブレーキセンサ、等の検知手段が接続されている。それにより、該制御部は、検知手段の検知結果に基づいた制御を自在に行うことができる。
【0040】
ついで、本実施の形態における油圧制御について図に沿って説明する。図3は1速ギヤが係合して車速停止状態で、かつ低温状態(例えば0度以下)である場合、図4は1速走行状態である場合、図5は2速以上走行状態である場合、をそれぞれ示す概略図である。また、図6は、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の制御を示すフローチャートである。
【0041】
図6に示すように、まず、不図示の制御部が、油温センサにより自動変速機内のATF温度を検出する(S1)。該ATF温度が、ATF粘度が高くなるような低温状態である所定温度以下(例えば0度以下)であるか否かを判断し(S2)、0度以上であれば通常通りの制御を行う(S3)。該ATF温度が所定温度以下である場合は、車輌状態およびシフトレンジを検出する(S4)。この際、車輌状態が、車速センサに基づいて所定速度以下(例えば車速0である停車状態)、ブレーキセンサに基づいてブレーキペダルが踏まれている状態(ブレーキON)、スロットル開度センサに基づいてアクセルペダルが踏まれていない状態(アクセルOFF)で、かつシフトレバーがDレンジである状態、のいずれかの条件が充たされていないと潤滑油必要量が多い状況であると判断し(S5)、通常通りの制御(S3)を行う。
【0042】
なお、通常通りの制御(S3)では、1速走行状態で第1のソレノイドバルブ21がオフ制御されてソレノイドリレーバルブ23が右半位置に、2速以上走行状態で第2のソレノイドバルブ22がオン制御されて1−2シフトバルブ24が左半位置に、それぞれ制御される。つまり、通常通りの制御(S3)では、油路c及び油路f、又は油路c及び油路g、の常に2つの供給油路よりATFの供給を行う。
【0043】
ここで、例えばN(ニュートラル)レンジよりD(ドライブ)レンジにシフトされると、ソレノイドリレーバルブ23によりクラッチC−1が係合され、また不図示のバルブによりワンウェイクラッチF−3が係合される(図1参照)。すると、1速ギヤは係合状態となり、車輌状態が所定速度以下、ブレーキペダルが踏まれている状態(ブレーキON)、及びアクセルが踏まれていない状態(アクセルOFF)、であると潤滑油必要量が少ない状況であると判断し(S5)、第1のソレノイドバルブ21をオン制御され(S6a)、ソレノイドリレーバルブ23が左半位置に制御される。なお、この間は、第2のソレノイドバルブ22はオフ制御されており、1−2シフトバルブ24が右半位置に固定されている。
【0044】
すると、図3中太線で示すように、プライマリーレギュレータバルブ19からの油圧供給は、油路a、及び油路bからセカンダリレギュレータバルブ20を介し、油路cに供給され、油路jを介してギヤトレーン部LUBE34に供給される。また、油路f,gは、上述のように第1のソレノイドバルブ21及び第2のソレノイドバルブ22が左半位置に制御されているので、油圧が供給されていない。つまり、第1のソレノイドバルブ21をオン制御される(S6a)と共に、供給油路が油路cに選択され(S6b)(一体制御)、ギヤトレーン部LUBE34には、小径オリフィス30を有する油路cからだけの油圧供給となるので、該ギヤトレーン部LUBE34に供給するATFの供給量が少量に制限される。なお、ソレノイドリレーバルブ23は、1速ギヤを係合する際にクラッチC−1を係合させる制御を行ってから5速ギヤを係合する際に該クラッチC−1の係合を切断する制御を行うまでの間、何れの制御も行わないので、1速ギヤの係合中に駆動しても構わない。
【0045】
そして、車輌状態を検出し(S7)、車輌状態が所定速度以下、ブレーキペダルが踏まれている状態(ブレーキON)、及びアクセルが踏まれていない状態(アクセルOFF)、であると、潤滑油必要量が少ない状況であると判断する(S8)。この状態である間は、第1のソレノイドバルブ21をオン制御してソレノイドリレーバルブ23を左半位置に固定する(S9a)と共に、供給油路が小径オリフィス30を有する油路cに選択され(S9b)(一体制御)、ギヤトレーン部LUBE34に供給する供給量が少量に制限されるように維持する。
【0046】
これにより、ギヤトレーン部LUBE34に供給される油量を制限することができ、プライマリーレギュレータバルブ19にATFを供給するオイルポンプの油量低下により発生するエアの吸い込みを防ぐことができる。即ち、トルクコンバータ4内にエアが混入することを防ぐことができ、駆動力の低下を防ぐことができる。
【0047】
次に、車輌状態の車速が所定速度以上となり、1速ギヤによる走行状態となると、該車輌状態は潤滑油必要量が多い状況であると判断されて(S8)、第1のソレノイドバルブ21のオフ制御を行う(S10a)。すると、ソレノイドリレーバルブ23は、右半位置に制御されると共に、プライマリーレギュレータバルブ19からの油圧供給は、図4中太線で示すように、上述の油路cからの供給に加え、油路dから1−2シフトバルブ24を介して油路eに、そして、ソレノイドリレーバルブ23を介して油路f、により供給される。つまり、第1のソレノイドバルブ21のオフ制御を行う(S10a)と共に、供給油路は、小径オリフィス30を有する油路c及び大径オリフィス32を有する油路fに選択されて(S10b)(一体制御)、該2つの供給油路よりギヤトレーン部LUBE34に油圧供給される。
【0048】
即ち、1速走行状態であり各ギヤが回転中である該ギヤトレーン部LUBE34内に、上述の2つの供給油路により油量を多量に供給することができる。それにより、ギヤトレーン部内の油量不足を引き起こすことがないので、回転中の各ギヤの耐久性の低下を防ぐことができる。なお、この際、アクセルペダルが踏まれると、上述のリニアソレノイドバルブSLT33がスロットル開度に基づきセカンダリレギュレータバルブ20を制御することで油圧が上昇し、それに伴いギヤトレーン部LUBE34に供給されるATFの供給量が更に増加される。また、走行状態である場合は、例えばトルクコンバータ内にエアが混入している状態であっても、トルクコンバータ内のポンプインペラが回転することにより比重の高いATFが遠心力で外周側に溜まり、エアは分離されて内周側より排出される。
【0049】
ついで、2速以上走行状態について図5に沿って説明する。1速走行中に車速が所定の速度に達すると、例えば不図示の制御部がアップシフトを判断し、1−2変速を行う。1−2変速を行う場合には、第2のソレノイドバルブ22がオン制御され、1−2シフトバルブ24が左半位置に制御される。2速以上の変速段(例えば2速、3速、4速、5速)においては、該1−2シフトバルブ24は左半位置に固定されて、そのまま固定される。
【0050】
すると、プライマリーレギュレータバルブ19からの油圧供給は、図5中太線で示すように、上述の油路cに加え、油路dから1−2シフトバルブ24を介して油路gにより油圧供給される。つまり、小径オリフィス30を有する油路cと、大径オリフィス31を有する油路gと、の2つの供給油路によりギヤトレーン部LUBE34に油圧供給される。即ち、2速以上の走行状態であり各ギヤが回転中である該ギヤトレーン部内に、上述の2つの供給油路より油量を多量に供給することができる。それにより、ギヤトレーン部内の油量不足を引き起こすことがないので、回転中の各ギヤの耐久性の低下を防ぐことができる。なお、この際も1速走行状態と同様に、スロットル開度に基づいて油圧が上昇し、ギヤトレーン部LUBE34に供給されるATFの供給量が更に増加される。
【0051】
また、1速走行状態又は2速以上走行状態において、例えば上記1−2シフトバルブ24又はソレノイドリレーバルブ23のどちらか一方が作動不能となるような場合が生じても、1−2シフトバルブ24が作動不能の際は油路fを、ソレノイドリレーバルブ23が作動不能の際は油路gを、連通させるように制御することでギヤトレーン部LUBE34にATFを必要量供給することができる。つまり、2つのバルブがあることで、どちらか一方のバルブが作動不能となってもATFの供給を必要量確保することができる。
【0052】
次に、簡単な走行状態に基づいて上記油圧回路の制御例を図6、7に沿って説明する。図7は、簡単な走行状態に基づいた油圧制御装置の制御例を示すタイムチャートである。なお、図7中のアクセル及びブレーキペダルのON/OFFは、該ペダルの踏まれた量に拘らず、単に踏まれている状態(アクセルON、ブレーキON)であるか、踏まれていない状態(アクセルOFF、ブレーキOFF)であるか、を示すものである。
【0053】
図6、7に示すように、例えば冬季などの低温状態(例えば0度以下)である場合にドライバが乗車した後、時点t0において、ブレーキONでシフトレバーをN(ニュートラル)レンジ(又はP(パーキング)レンジ)にシフトし、不図示のエンジンを始動する。この状態では、アクセルはOFFであるので車速0であり、また、ATF温度も上昇せずに0度以下である。すると、ATF温度を検出し(S1)、該ATFの温度が0度以下であることを判断するので(S2)、車輌状態およびシフトレンジを検出する(S4)。車輌状態は、車速0、ブレーキON及びアクセルOFFであるが、シフトレバーがNにシフトされているので(S5)、通常通りの制御(S3)を行い、上述のように第1のソレノイドバルブ21がオフ制御されて、供給油路が小径オリフィスを有する油路c及び大径オリフィスを有する油路fに選択され、ギヤトレーン部LUBE34には、油路c及び油路fからATF供給量Q1が供給される。
【0054】
時点t1において、シフトレバーがD(ドライブ)レンジにシフトされると、上述のステップS1からステップS4を行った後、車輌状態が車速0、ブレーキON、及びアクセルOFFとなり、かつシフトレバーがDにシフトされている状態であるので潤滑油必要量が少ない状況であると判断されて(S5)、第1のソレノイドバルブ21をオン制御し(S6a)、上述のように供給油路が小径オリフィスを有する油路cに選択される(S6b)。そして、車輌状態の検出を行いながら(S7)、該車輌状態が車速0、ブレーキON、及びアクセルOFFである限り(S8)、第1のソレノイドバルブ21をオン制御に固定する(S9a)と共に、供給油路が小径オリフィスを有する油路cに選択され(S9b)、ギヤトレーン部LUBE34には、油路cからATF供給量Q2が供給される。
【0055】
時点t2において、ブレーキOFFされると、その車輌状態が検出され(S7)、該車輌状態が車速0、ブレーキON及びアクセルOFFでないので潤滑油必要量が多い状況であると判断され(S8)、第1のソレノイドバルブ21がオフ制御され(S10a)、上述のように供給油路が小径オリフィスを有する油路c及び大径オリフィスを有する油路fに選択されるので(S10b)、ギヤトレーン部LUBE34には、油路c及び油路fからATF供給量Q1が供給される。なお、ここでステップS10が終了するのでスタートに戻り、車輌状態がブレーキOFFであるので、ステップS1からステップS5に進んだ後、通常通りの制御(S3)を行い、引き続き油路c及び油路fからATF供給量Q1が供給されている。
【0056】
時点t3において、アクセルONされると、車速が上昇して走行状態となり、また、ATF温度も上昇していく(0度以下)。この間、上述のように車輌状態に基づいて通常通りの制御(S3)が行われており、ギヤトレーン部LUBE34には、引き続き油路c及び油路fからATFが供給されているが、リニアソレノイドバルブSLT33がアクセルONによるスロットル開度の上昇に基づきセカンダリレギュレータバルブ20を制御し、油圧が上昇する。それに伴い、同じ油路c及び油路fから更に供給量が増加されたATF供給量Q3が供給される。
【0057】
時点t4において、アクセルOFFされてブレーキONされると、車速が減少していき、ATF温度は上昇しなくなる(0度以下)。また、リニアソレノイドバルブSLT33がアクセルOFFによるスロットル開度の下降に基づきセカンダリレギュレータバルブ20を制御し、油圧が減少する。それに伴い、ATF供給量も減少し、油路c及び油路fからATF供給量Q1が供給される。なお、アクセルOFFとブレーキONとのタイミングの差は、ドライバのペダルの踏み替え等によるものであり、本実施の形態では説明の便宜上、略々同時に行われたものとする。
【0058】
時点t5から時点t8については、時点t1から時点t4と同様の車輌状態となり、同様に制御されるのでその説明を省略する。一方、アクセルONにより、例えば時点t7から時点t8においてATF温度が上昇し、時点Aにおいて0度に達したことが判断されると(S2)、時点A以降では、全て通常通りの制御(S3)が行われる。
【0059】
なお、上記制御例ではシフトレバーがDレンジについて説明したが、これに限らず、S又は2(セカンド)レンジ、R(リバース)レンジ、等のシフトレンジでもよく、走行状態になる場合は上記制御を適用し得る。また、潤滑油必要量が少ない状況であると判断するための車輌状態の条件に、車速0、ブレーキON及びアクセルOFFを条件としたが、車速は所定速度以下であればよく、これに限らず、車速のみに基づいて上記制御の条件としてもよく、つまり、潤滑油必要量が少ない状況であるか否かの判断ができればよい。更に、上記制御の条件としてATF温度を0度以下としたが、これに限らず、温度によるATF粘性の変化に基づき適温以下であればよい。
【0060】
以上、本実施の形態では、ソレノイドリレーバルブ23と、1−2シフトバルブ24と、を切換えバルブとして適用しているが、これに限らず、変速時に作動する他の切換えバルブを利用してもよく、また、専用のバルブを新設してもよい。即ち、潤滑油必要量に応じて選択的にATF供給ができればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される自動変速機を示す図で、(a)はその作動表、(b)はそのスケルトン図。
【図2】図1に示す自動変速機の速度線図。
【図3】本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の油圧回路(1速において低温及び停車状態にある場合)を示す一部省略概略図。
【図4】本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の油圧回路(1速において走行状態にある場合)を示す一部省略概略図。
【図5】本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の油圧回路(2速以上において走行状態にある場合)を示す一部省略概略図。
【図6】本発明に係る自動変速機の油圧制御装置の制御を示すフローチャート。
【図7】簡単な走行状態に基づいた油圧制御装置の制御例を示すタイムチャート。
【符号の説明】
2 変速ギヤ機構(主変速機構)
5 変速ギヤ機構(副変速機構)
23 第2の切換えバルブ(ソレノイドリレーバルブ)
23a 第3のポート
24 第1の切換えバルブ(1−2シフトバルブ)
24a 第1のポート
24b 第2のポート
30 小径オリフィス
31 大径オリフィス
32 大径オリフィス
34 潤滑油回路(ギヤトレーン部LUBE)
35 自動変速機の油圧制御装置
a,b,c,j 常時供給用油路
d,e,f,g,j 必要時供給油路
d,g,j 第1の油路
d,e,f,j 第2の油路
Claims (4)
- 各変速段への変速信号に基づき供給油路及び排出油路を切換えて変速ギヤ機構に介在する多数の摩擦係合手段を制御する複数の切換えバルブと、前記変速ギヤ機構に潤滑油を供給する潤滑油回路と、を備えてなる、自動変速機の油圧制御装置において、
前記潤滑油回路に連通する常時供給用油路と、
合流されて前記潤滑油回路に連通する第1の油路と第2の油路とを有する必要時供給油路と、を備え、
前記第1の油路に第1の前記切換えバルブを介在し、また前記第2の油路に第2の前記切換えバルブを介在し、
通常通りの制御にて、前記第1の切換えバルブは所定変速段以外で前記第1の油路を連通するように切換え制御され、かつ前記第2の切換えバルブは前記所定変速段とは異なる変速段以外で前記第2の油路を連通するように切換え制御されることで、前記第1の切換えバルブ及び第2の切換えバルブが変速状態に応じて切換えられると共に、すべての変速段において、前記第1の油路又は第2の油路を介して前記潤滑油回路に連通するように構成され、
潤滑油必要量が少ない状況にあると判断した場合、前記第1及び第2の切換えバルブの少なくとも一方を切換えて、前記第1の油路又は前記第2の油路による前記潤滑油回路への供給を遮断するように制御され、その他の状況で連通させるように制御される、
ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。 - 前記第1の切換えバルブが、前記第1の油路を1速段以外に連通すると共に1速段で遮断する第2のポートを有し、
前記第2の切換えバルブが、最高速段で遮断すると共に他の変速段で連通する第3のポートを有すると共に、制御部からの信号に基づき制御され、
1速段において該制御部が潤滑油必要量が少ない状況を判断した場合、前記第2の切換えバルブを、前記第3のポートを遮断するように切換え制御して、前記潤滑油回路への供給を遮断し、
1速段においては、前記第2の切換えバルブを、前記第3のポートを連通するように切換えて、該第3のポートを介して前記潤滑油回路に供給し、
2速段以上にあっては、前記第1の切換えバルブの第2のポートを介して前記潤滑油回路に供給してなる、
請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記常時供給用油路に小径オリフィスを介在し、また前記必要時供給油路に大径オリフィスを介在してなる、
請求項1または2記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 前記潤滑油必要量が少ない状況の判断は、油温が低くかつ車輌が停止している状況の判断である、
請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の油圧制御装置。
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