JP2003038937A - 窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒 - Google Patents

窒素酸化物を接触還元する方法とそのための触媒

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】酸素、硫黄酸化物又は水の存在下においても、
また、高い反応温度においても、排ガス中のNOx を高
い耐久性にて接触分解する方法とその触媒を提供する。 【解決手段】周期的なリッチ/リーン条件下に燃料を燃
焼させ、その排ガス中の窒素酸化物を接触還元する方法
において、上記触媒が(A)(a)セリア、(b)酸化
プラセオジム、又は(c)セリウム、ジルコニウム、プ
ラセオジム、ネオジム、ガドリニウム及びランタンから
選ばれる第1の触媒成分と、(d)ロジウム、パラジウ
ム、及びそれらの酸化物から選ばれる少なくとも1種か
らなる第2の触媒成分とを有する表面触媒層と、(B)
(a)白金、ロジウム、パラジウム、及びそれらの酸化
物から選ばれる触媒成分と、(b)鉄、コバルト及びニ
ッケルから選ばれる助触媒と、(c)担体とを内部触媒
成分として有する内部触媒層とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物(主と
して、NOとNO2 とからなる。以下、NOx とい
う。)の触媒による接触還元、即ち、触媒的還元のため
の方法に関する。詳しくは、本発明は、周期的なリッチ
/リーン燃料供給行程(excursion: 行程)にて燃料を
供給して燃焼させ、生成した排ガスを触媒に接触させる
ことによって、排ガス中のNOx を接触還元する方法に
関する。この方法は、例えば、自動車からの排ガスに含
まれる有害な窒素酸化物を低減し、除去するために適し
ている。
【0002】また、本発明は、特に、硫黄酸化物(主と
して、SO2 とSO3 とからなる。以下、SOx とい
う。)の存在下に、周期的なリッチ/リーン燃料供給行
程にて燃料を供給して燃焼させ、その燃焼によって生成
する排ガス中のNOx を接触還元するための触媒に関す
る。
【0003】ここに、本発明は、 (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
と (c)担体とを内部触媒成分として有する内部触媒層と
からなる触媒を用いる排ガス中の窒素酸化物を接触還元
する方法とその触媒とに関する。
【0004】本発明において、上記「行程」(excursio
n) なる用語は、空気/燃料比率が時間軸に沿ってその
平均値から両方に動くこと又はそのような作業を意味す
る。上記「リッチ」なる用語は、問題とする燃料の空気
/燃料比率が化学量論的な空気/燃料比率よりも小さい
ことを意味し、上記「リーン」なる用語は、問題とする
燃料の空気/燃料比率が化学量論的な空気/燃料比率よ
りも大きいことを意味する。通常の自動車ガソリンで
は、化学量論的な空気/燃料比率は約14.5である。
また、本発明において、「触媒」は、燃料のリッチ/リ
ーン燃焼の間、NOx を除去するのために作動する触媒
又はこれを含む構造体を意味する。
【0005】従って、本発明において、「周期的なリッ
チ/リーン燃料供給行程にて燃料を供給する」とは、デ
ィーゼルエンジンやガソリンエンジンの燃焼室に、燃料
の燃焼を主としてリーン条件(燃焼後の排ガス中の酸素
濃度は、通常、5%から10%程度である。)で行い、
上記リッチ条件とリーン条件との間で交互に雰囲気を周
期的に振動させるように、空気/燃料比率を調整しなが
ら、燃料を供給、注入又は噴射することをいう。従っ
て、リッチ/リーン行程は、リッチ/リーン条件と同義
である。
【0006】従来、排ガスに含まれるNOx は、例え
ば、これを酸化した後、アルカリに吸収させる方法や、
還元剤としてアンモニア、水素、一酸化炭素又は炭化水
素を用いて、窒素に還元する等の方法によって除去され
ている。しかし、これらの従来の方法には、それぞれ欠
点がある。
【0007】即ち、前者の方法によれば、環境問題を防
止するために、生成するアルカリ性の廃水を処理する手
段が必要である。後者の方法によれば、例えば、アンモ
ニアを還元剤として用いる場合であれば、アンモニアが
排ガス中のSOx と反応して塩類を形成し、その結果、
低温で触媒活性が低減する。また、とりわけ、自動車の
ような移動発生源からのNOxを処理する場合、その安
全性が問題となる。
【0008】他方、還元剤として水素、一酸化炭素又は
炭化水素を用いる場合であれば、それら還元剤は、排ガ
スがNOx よりも酸素を高濃度で含むので、その酸素と
優先的に反応することとなり、かくして、NOx を実質
的に低減しようとすれば、多量の還元剤を必要とするこ
ととなり、燃費が大きく低下する。
【0009】そこで、還元剤を用いることなしに、NO
x を接触分解することが提案されている。しかし、NO
x を直接に分解するために、従来知られている触媒は、
その低い分解活性の故に、未だ実用化されていない。他
方、還元剤として、炭化水素や酸素含有有機化合物を用
いるNOx 接触還元触媒として、種々のゼオライトが提
案されている。特に、銅イオン交換ZSM−5やH型
(水素型又は酸型)ゼオライトZSM−5(SiO2
Al2 3 モル比=30〜40)が最適であるとされて
いる。しかし、H型ゼオライトでさえ、十分な還元活性
を有しておらず、特に、排ガス中に水分が含まれると
き、ゼオライト触媒は、ゼオライト構造の脱アルミニウ
ムのために速やかに性能が低下することが知られてい
る。
【0010】このような事情の下、NOx 接触還元のた
めの一層高活性な触媒の開発が求められており、例え
ば、EP−A1−526099やEP−A1−6794
27(JP−A2−5317647に相当する。)に記
載されているように、最近、無機酸化物担体材料に銀又
は銀酸化物を担持させてなる触媒が提案されている。こ
の触媒は、酸化活性は高いものの、NOx に対する選択
還元活性が低いので、NOx の窒素への変換速度が遅い
ことが知られている。しかも、この触媒は、SOx の存
在下に速やかに活性が低下する問題がある。これらの触
媒は、完全なリーン条件下に炭化水素を用いてNOx を
ある程度選択的に還元する触媒作用を有するが、しか
し、三元触媒に比べて、NOx 除去率が低く、作動する
温度ウインドウ(温度域)が狭いために、このようなリ
ーンNOx 触媒の実用化を困難にしている。かくして、
NOx 接触還元のための一層高耐熱性で高活性の触媒が
緊急に求められている。
【0011】上述した問題を克服するために、「自動車
技術者協会」(Society of Automotive Engineers) 誌
(SAE)(1995年8月9日)に記載されているよ
うに、最近、NOx 貯蔵−還元システムが最も有望な方
法として提案されている。この提案(トヨタ自動車
(株))によれば、燃料を周期的に短時間、化学量論量
を上回る量にて燃焼室に供給する。リーン燃焼エンジン
を備えている自動車は、非常に小さい燃料/空気比率で
駆動することができるので、従来のエンジンを備えた自
動車よりも燃料消費率を低くすることができる。このよ
うなリーン燃焼エンジンのNOx 貯蔵−還元システム
は、1〜2分間隔の周期的な2工程によってNOx を低
減する。
【0012】即ち、第1の工程においては、(通常の)
リーン条件下、白金やロジウム触媒上でNOはNO2
酸化され、このNO2 はK2CO3 やBaCO3 のよう
なアルカリ化合物に吸着される。次いで、第2工程のた
めのリッチ条件が形成され、このリッチ条件が数秒間、
持続される。このリッチ条件下、上記吸着(貯蔵)され
たNO2 は、白金やロジウム触媒上で炭化水素、一酸化
炭素又は水素を用いて効率よく窒素に還元される。この
NOx 貯蔵−還元システムは、SOx の不存在下であれ
ば、長期間にわたってよく作動する。しかし、SOx が
存在すれば、リーン及びリッチいずれの条件下において
も、アルカリ化合物上のNO2 吸着サイトにおけるSO
x の不可逆的吸着によって、触媒システムは急激に劣化
する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸素、硫黄
酸化物又は水の存在下においても、また、広範囲の反応
温度においても、周期的なリッチ/リーン条件の下で燃
料を燃焼させ、この燃焼によって生成した排ガス中のN
Ox を高い耐久性にて接触還元する方法を提供すること
を目的とする。
【0014】本発明の方法によれば、リッチ行程、即
ち、還元条件下において、リーン工程で酸化された内部
触媒層中の白金、ロジウム又はパラジウムの貴金属触媒
成分が還元され、これらの貴金属触媒上でNOxが接触
還元されると共に、鉄、コバルト及びニッケルから選ば
れる少なくとも1種の元素のイオン及び/又は酸化物か
らなる耐SOx 性にすぐれる助触媒が上記白金、ロジウ
ム又はパラジウムの貴金属触媒成分のNOx 還元能を高
めて、その触媒成分上でのNOx の接触還元反応を促進
する。
【0015】更に、このリッチ工程において重要なこと
は、次のリーン行程に備えて、上記内部触媒層の貴金属
触媒成分と助触媒の高い還元力の助けによって、OSC
(酸素貯蔵能)を有する表面触媒層の第1の触媒成分が
効率よく酸素貯蔵機能を発揮し得るように速やかに還元
されること、即ち、リーン時に排ガス中の酸素を吸蔵
し、その結果として、リーン時に表面触媒層中の貴金属
触媒成分の反応雰囲気がリッチ乃至ストイキ条件に保た
れるように再生されることである。
【0016】次いで、これに続くリーン行程、即ち、酸
化条件下においては、NOx が表面触媒層の前記貴金属
触媒成分上で選択的に還元される。即ち、上記内部触媒
層の貴金属触媒成分と助触媒の高い還元力の助けによっ
て還元された上記表面触媒層の第1の触媒成分が第2の
触媒成分であるロジウム等のリーン時の酸化を防止する
結果、上記表面触媒層の第2の触媒成分上での排ガスか
らのNOxの還元反応が高い効率で続けられるのであ
る。
【0017】また、本発明は、酸素、硫黄酸化物又は水
の存在下においても、とりわけ、NOx吸蔵触媒の深刻
な問題点であった硫黄酸化物共存下での劣化がなく、広
い温度域において、周期的なリッチ/リーン燃焼のリー
ン行程において、NOx を還元するための耐久性にすぐ
れた触媒を提供することを目的とする。本発明による触
媒が硫黄酸化物共存下において高い耐久性をを示す理由
については、共存するSOxがリーン時にSO2 として
表面触媒層に吸着され、リッチ時に気相中に脱離され、
NOx吸蔵触媒のように触媒中に非可逆的に吸蔵されな
いことによる。
【0018】更に、本発明は、不活性な支持用の基材に
触媒を担持させてなるNOx 接触還元のための触媒構造
体を提供することを目的とする。
【0019】かくして、本発明によれば、周期的なリッ
チ/リーン条件下に燃料を供給して燃焼させ、生成する
排ガスを触媒に接触させて、その排ガス中の窒素酸化物
を接触還元する方法において、上記触媒が (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
と (c)担体と を内部触媒成分として有する内部触媒層とからなる排ガ
ス中の窒素酸化物を接触還元する方法と、上記触媒を提
供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、周期的
なリッチ/リーン条件下に燃料を供給して燃焼させ、生
成する排ガスを触媒に接触させて、その排ガス中の窒素
酸化物を接触還元する方法において、上記触媒が (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
と (c)担体とを内部触媒成分として有する内部触媒層と
からなることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物を接触
還元する方法が提供される。
【0021】更に、本発明によれば、周期的なリッチ/
リーン条件下に燃料を供給して燃焼させ、生成する排ガ
スを触媒に接触させて、その排ガス中の窒素酸化物を接
触還元するための触媒であって、 (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
と (c)担体とを内部触媒成分として有する内部触媒層と
からなることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物を接触
還元するための触媒が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明による窒素酸化物を接触還
元するための触媒は、表面触媒層と内部触媒層とを有
し、上記表面触媒層は排ガスと直接に接触するように露
出している。本発明によれば、好ましくは、このような
触媒は、不活性な基材上に内部触媒層と表面触媒層とが
この順序で積層された触媒構造体として用いられる。
【0023】本発明において、窒素酸化物の接触還元と
は、触媒反応によってNOx の大部分が窒素と酸素に直
接分解されることをいう。NOx の一部は、還元剤との
反応によって、窒素と水、一酸化炭素、二酸化炭素等に
変換される。
【0024】本発明による触媒の上記表面触媒層は、 (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
の触媒成分とを表面触媒成分として有する。
【0025】他方、上記内部触媒層は、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
と (c)担体とを内部触媒成分として有する。
【0026】本発明による触媒は、このような表面触媒
層と内部触媒層とを有し、それが上述した方法によって
作動する限りは、任意の触媒構造体とすることができ
る。本発明の触媒はまた、その効率を改善するための添
加剤を含むことができる。
【0027】本発明によれば、表面触媒層は、表面触媒
成分を少なくとも50重量%、特に好ましくは、少なく
とも80重量%を含む。表面触媒層において、表面触媒
成分の割合が50重量%を下回るときは、得られる表面
触媒層の酸素貯蔵能が、通常のリーン時間(1分から2
分)の間、内部触媒層の還元雰囲気を保持するのに不十
分となり、リーン時、ロジウム又はパラジウム上でのN
Ox 還元能が低下すると共に、SOx 耐久性が低下する
ことになる。
【0028】本発明によれば、表面触媒層の第1の触媒
成分は、短時間のリッチ条件下に、表面触媒層の第2の
触媒成分と共に、内部触媒層を構成する白金等の前記貴
金属触媒成分と鉄等の助触媒の高い還元力の助けによっ
て、速やかに還元されて、酸化物(例えば、セリア)中
の酸素の一部を失う一方、リーン条件下において、気相
中の酸素を貯蔵する。即ち、酸素貯蔵能を有する物質
(以下、OSC機能物質という。)として機能する。か
くして、リーン条件下において、表面触媒層の第1の触
媒成分、即ち、OSC機能物質は、表面触媒層の第2の
触媒成分であるロジウム又はパラジウムの酸化を抑制し
て、ロジウム又はパラジウム上でのNOx還元反応が高
効率で進行することを可能とする。
【0029】本発明によれば、このように、表面触媒層
において、OSC機能物質として機能する上記第1の触
媒成分として、 (a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
元素の複合酸化物(固溶体)とから選ばれる少なくとも
1種が用いられる。
【0030】ここに、上記混合物は、均一な混合物であ
ることが好ましい。しかし、本発明によれば、上記少な
くとも2つの元素の酸化物の混合物よりは、上記少なく
とも2つの元素の複合酸化物が好ましく用いられ、特
に、二元系又は三元系の複合酸化物が好ましく用いられ
る。
【0031】例えば、二元系複合酸化物の場合、固溶体
における各元素の酸化物基準重量比は、セリア/ジルコ
ニア複合酸化物やセリア/酸化プラセオジム複合酸化物
であれば、好ましくは、80/20から60/40の範
囲である。また、三元系複合酸化物の場合、固溶体にお
ける酸化物基準重量比は、セリア/プラセオジム/ジル
コニア複合酸化物、セリア/ジルコニア/酸化ガドリニ
ウム複合酸化物、セリア/ジルコニア/酸化ランタン複
合酸化物、セリア/ジルコニア/酸化ネオジム複合酸化
物等であれば、好ましくは、45/30/30から75
/20/5の範囲である。但し、本発明において、これ
らの複合酸化物中のそれぞれ元素の酸化物基準重量比
は、セリア、ジルコニア、酸化プラセオジム、酸化ネオ
ジム、酸化ガドリニウム及び酸化ランタンをそれぞれC
eO2、ZrO2、Pr611、Nd23、Ga23 及び
La23として計算するものとする。
【0032】本発明によれば、表面触媒層は、上記第1
の触媒成分と共に、更に、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
の触媒成分を有し、本発明によれば、このような第2の
触媒成分は、好ましくは、上述したOSC機能物質であ
る第1の触媒成分上に担持されている。本発明によれ
ば、このような第2の触媒成分は、表面触媒層の触媒成
分の0.05〜3重量%の範囲で含まれる。
【0033】このような第2の触媒成分は、リッチ時に
OSC機能物質の還元速度を速めると共に、それ自身が
還元されて、リーン時にNOx 分解反応の活性種として
機能し、速やかにNOx を還元分解する役割を担ってい
る。
【0034】表面触媒層の厚みは、本発明による触媒の
リッチ/リーン工程におけるNOx還元能及び耐SOx
被毒性に大きい影響を及ぼす。表面触媒層の最適の厚み
は、温度、酸素濃度、空間速度(SV)等のような反応
条件にもよるが、リッチ/リーン工程の中で高いNOx
還元能を得ることができる好ましい表面触媒層の厚み
は、20μmから80μmの範囲である。しかし、通
常、40μm程度が好ましい。表面触媒層の厚みを80
μm以上としても、それに見合って性能が向上せず、む
しろ低能が低下する。また、表面触媒層の厚みを20μ
mより小さくしたとき、リーン時にNOx が内部触媒層
上で酸化されて、NOx 還元能が低下する。
【0035】ここに、本発明によれば、触媒層の厚み
は、便宜的に触媒層の見かけ密度を1.5g/cm3
し、触媒成分を含むスラリーの基材への塗布量から計算
にて求めることができる。
【0036】本発明において、表面触媒層を形成する表
面触媒成分は、例えば、次のような方法によって得るこ
とができる。即ち、先ず、セリウム、プラセオジム、ネ
オジム、ガドリニウム等の第1の触媒成分を構成する元
素の水溶性塩、例えば、硝酸塩の水溶液を中和し、又は
加熱加水分解して、水酸化物を形成させた後、得られた
生成物を酸化性又は還元性雰囲気中、300〜900℃
の温度で焼成して、第1の触媒成分を得る。しかし、市
販されているセリウム、プラセオジム、ネオジム、ガド
リニウム等の水酸化物や酸化物を上述したように焼成す
ることによっても、第1の触媒成分を得ることができ
る。次いで、このようにして得た第1の触媒成分上に、
従来より知られている含浸法やイオン交換法等の適宜の
手段によって、第2の触媒成分を構成する元素の水溶性
塩、例えば、硝酸塩の水溶液を担持させた後、酸化性又
は還元性雰囲気中、500〜900℃の温度で焼成すれ
ば、第1と第2の触媒成分からなる表面触媒成分を粉体
として得ることができる。
【0037】本発明の方法によれば、リッチ行程、即
ち、還元条件下において、次のようにして、窒素酸化物
の還元が行われる。リーン行程において酸化された内部
触媒層の貴金属触媒成分が還元され、これら触媒上でN
Ox が還元分解されると共に、助触媒が上記貴金属触媒
成分上でのNOx の還元分解を促進する。更に、この貴
金属触媒成分上で酸素が還元剤にて速やかに還元される
ので、表面触媒層中の第1の触媒成分、即ち、OSC機
能物質の酸素が内部触媒層にスピルオーバーし、その結
果、OSC機能物質が表面触媒層中の第2の触媒成分と
共に効率よく部分還元され、かくして、次のリーン行程
に備えて再生される。
【0038】次いで、このようなリッチ行程に続くリー
ン行程、即ち、酸化条件下において、次のようにして、
窒素酸化物の還元が行われる。即ち、リーン行程におい
て、表面触媒層中に拡散してきた酸素は、表面触媒層の
第1の触媒成分、即ち、OSC機能物質によって吸蔵さ
れるので、表面触媒層中の第2の触媒成分の反応雰囲気
がリッチ乃至ストイキ条件に保持される。その結果、リ
ーン条件下においても、NOx は、表面触媒層の第2の
触媒成分上で速やかに還元分解される。
【0039】また、本発明によれば、SOx が表面触媒
層に捕捉され、それがリッチ時に脱離排出されて、内部
触媒層の助触媒に吸着され難いので、SOx による助触
媒の劣化は、前述したNOx 貯蔵−還元システムに比べ
て非常に小さく、かくして、本発明による触媒は、SO
x 共存下での使用においても、劣化が殆ど起こらない。
また、リーン時に吸着されたNOx は、リッチ時に簡単
に再生される。
【0040】本発明によれば、内部触媒層は、内部触媒
成分を少なくとも50重量%、特に好ましくは、少なく
とも80重量%を含む。内部触媒層において、内部触媒
成分の割合が50重量%を下回るときは、内部触媒層の
リッチ時のNOx 接触還元能が低下すると共に、表面触
媒層の貴金属触媒成分とOSC機能物質の還元を助ける
効果が低下する。
【0041】内部触媒層は、白金、ロジウム、パラジウ
ム、白金酸化物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物
から選ばれる少なくとも1種の触媒成分と助触媒と担体
とからなる内部触媒成分を有し、上記触媒成分は、内部
触媒層中、金属換算にて、0.05〜5重量%の範囲で
含まれている。内部触媒層中、触媒成分の割合が金属換
算にて5重量%を越えるときは、リッチ時のNOx と還
元剤との反応の選択性が低下し、他方、0.05重量%
よりも少ないときは、触媒反応の雰囲気がリーンからリ
ッチに転換するときに、リーンからリッチへの反応の雰
囲気の転換速度が低下し、その結果、本発明の触媒によ
るNOx 還元分解能が低下する。
【0042】本発明によれば、このような触媒成分は、
好ましくは、アルミナ、シリカ、シリカ・アルミナ、ゼ
オライト、チタニア等の従来より知られている担体に担
持されている。また、助触媒も、少なくとも一部が担体
に担持されていてもよく、この場合には、助触媒の担体
への担持率は、金属重量基準にて、好ましくは、1〜5
%の範囲である。助触媒の担体への担持率が1%を下回
るときは、リッチ時、内部触媒層の貴金属触媒成分のN
Ox 還元分解能を高める効果に乏しくなる。一方、助触
媒の担持率が5%を越えても、それに見合った効果の増
加が認められない。
【0043】本発明によれば、触媒成分と共に少なくと
も一部の助触媒が担体に担持されていてもよい。また、
触媒成分が助触媒に担持されていてもよい。特に限定さ
れるものではないが、担体のうち、触媒成分のみを担持
している担体の割合は、通常、0〜90%の範囲であ
る。
【0044】助触媒を担体に担持させるに際して、用い
る担体がイオン交換能を有する場合は、上記鉄、コバル
ト及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の元素のイ
オンがそのような担体に担持される。しかし、この場合
においても、上記元素のイオンを1%を越える様な高い
担持率にて担体に担持させるときは、担体のイオン交換
能に限界があることから、上記元素はそのイオンと酸化
物とが混在した状態で担持されることが多い。
【0045】内部触媒層において、助触媒は、白金等の
触媒成分のリッチ時の反応応答性を改善し、上記触媒成
分が速やかに還元されるように機能する。このような助
触媒の割合は、通常、重量基準にて1〜10%の範囲で
ある。内部触媒層において、助触媒の割合が1%よりも
少ないときは、リーン時のNOx 吸着能が低下し、他
方、10%よりも多いときは、内部触媒層の触媒成分の
NOx 還元能をむしろ阻害する。
【0046】内部触媒成分は、例えば、先ず、含浸法や
イオン交換法等の適宜の手段にてアルミナ等の担体に鉄
等の助触媒成分を担持させ、次いで、これにアルミナ等
の担体を混合して、混合物とし、この混合物を触媒成分
である白金等の水溶性塩の水溶液に加えてスラリーとし
て、混合、攪拌した後、乾燥させ、酸化性又は還元性雰
囲気中、500〜900℃の温度で焼成すれば、担体上
に助触媒と触媒成分を有するものと担体上に触媒成分を
有するものとの混合物を粉体として得ることができる。
【0047】また、別の方法として、先ず、含浸法やイ
オン交換法等の適宜の手段にてアルミナ等の担体に鉄等
の助触媒成分を担持させ、次いで、これを触媒成分であ
る白金等の水溶性塩の水溶液に加えてスラリーとして、
混合、攪拌した後、乾燥させ、酸化性又は還元性雰囲気
中、500〜900℃の温度で焼成すれば、担体上に助
触媒と触媒成分を有するものを粉体として得ることがで
きる。
【0048】勿論、必要に応じて、上述したようにし
て、アルミナ等の担体に助触媒を担持させたものと、ア
ルミナ等の担体に触媒成分を担持させたものをそれぞれ
調製し、これらを混合することによって、内部触媒層を
形成するための触媒を粉体として得ることができる。
【0049】内部触媒層は、内部触媒成分のNOx 還元
性が高く、従って、その厚みがリッチ/リーン工程にお
けるNOx 還元能に及ぼす影響は、表面触媒層の厚み程
には大きくはないが、しかし、通常は、10μmから5
0μmの範囲が適当である。内部触媒層の厚みを50μ
mよりも厚くしても、それに見合って性能が向上せず、
他方、内部触媒層の厚みを10μmより小さくしたとき
は、NOx 還元能が低下する。
【0050】本発明によれば、表面触媒層と内部触媒層
のための触媒成分は、前述したように、粉末や粒状物の
ような種々の形態にて得ることができる。従って、従来
からよく知られている任意の方法によって、このような
内部触媒成分を用いて、内部触媒層を、例えば、ハニカ
ム、環状物、球状物等のような種々の形状に成形し、そ
の後、表面触媒成分を用いて、上記内部触媒層の表面に
表面触媒層を形成することによって、種々の形状の触媒
構造体とすることができる。このような触媒構造体の調
製に際して、必要に応じて、適当の添加物、例えば、成
形助剤、補強材、無機繊維、有機バインダー等を用いる
ことができる。
【0051】特に、本発明による触媒は、任意の形状の
支持用の不活性な基材の表面に、例えば、ウォッシュ・
コート法によって、(例えば、塗布して、)その表面に
内部触媒層と表面触媒層とを有する触媒構造体とするの
が有利である。上記不活性な基材は、例えば、コージー
ライトのような粘土鉱物や、また、ステンレス鋼のよう
な金属、好ましくは、Fe−Cr−Alのような耐熱性
の金属からなるものであってよく、また、その形状は、
ハニカム、環状、球状構造等であってよい。
【0052】このような本発明による触媒はいずれも、
熱に対する抵抗にすぐれるのみならず、硫黄酸化物に対
する抵抗性にもすぐれており、ディーゼルエンジンやリ
ーンガソリンエンジン自動車排ガス中のNOx の還元、
即ち、脱硝するための触媒として用いるのに好適であ
る。
【0053】本発明においては、触媒は、好ましくは、
燃料の燃焼雰囲気が前述したようなリッチ条件とリーン
条件の間で振動する条件下での触媒反応において用いら
れる。ここに、触媒反応の周期(即ち、リッチ雰囲気
(又はリーン雰囲気)から次のリッチ雰囲気(又はリー
ン雰囲気)までの時間)は、好ましくは、5〜150
秒、特に好ましくは、30〜90秒である。また、リッ
チ/リーン幅、即ち、リッチ時間(秒)/リーン時間
(秒)は、通常、0.5/5〜10/150の範囲であ
り、好ましくは、2/30〜5/90の範囲である。
【0054】リッチ条件は、燃料としてガソリンを用い
る場合には、通常、エンジンの燃焼室に重量比で10〜
14の空気/燃料比率で燃料を周期的に噴射することに
よって形成される。リッチ条件下の典型的な排ガスは、
数百容量ppmのNOx 、5〜6容量%の水、2〜3容
量%のCO、2〜3容量%の水素、数千容量ppmの炭
化水素及び0〜0.5容量%の酸素を含む。一方、リー
ン条件は、燃料としてガソリンを用いる場合には、通
常、エンジンの燃焼室に重量比で20〜40の空気/燃
料比率で燃料を周期的に噴射することによって形成され
る。リーン条件下の典型的な排ガスは、数百容量ppm
のNOx 、5〜6容量%の水、数千容量ppmのCO、
数千容量ppmの水素、数千容量ppmの炭化水素及び
5〜10容量%の酸素を含む。
【0055】本発明による触媒を用いるNOx 接触還元
のために好適な温度は、個々のガス組成にもよるが、リ
ッチ行程において、長期間にわたってNOx に対して有
効な触媒反応活性を有するように、通常、150〜55
0℃の範囲であり、好ましくは、200〜500℃の範
囲である。上記反応温度域においては、排ガスは、好ま
しくは、5000〜100000hr-1の範囲の空間速
度で処理される。
【0056】本発明の方法によれば、上述したように、
NOx を含む排ガスを周期的なリッチ/リーン工程にお
いて、上述した触媒に接触させることによって、酸素、
硫黄酸化物又は水分の存在下においても、排ガス中のN
Ox を安定に且つ効率よく接触還元することができる。
【0057】
【実施例】以下に内部触媒成分と表面触媒成分である粉
体触媒の製造例と共に、これらを用いるハニカム触媒構
造体の製造例とそれらハニカム触媒構造体の窒素酸化物
還元性能を実施例として挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。以下において、すべての「部」及び「%」は、
特に明示しない限り、重量基準である。
【0058】(1)内部触媒成分の調製
【0059】製造例1 硝酸鉄(Fe(NO3)3・9H2O)7.23gをイオン
交換50mLに溶解して、硝酸鉄水溶液を得た。これに
γ−アルミナ(住友化学工業(株)製KC−501)2
0gを投入し、攪拌しながら、100℃で乾燥させた
後、空気中で500℃にて3時間焼成して、γ−アルミ
ナ上に鉄5%を担持させてなる粉体を得た。ここに、γ
−アルミナ上に担持された鉄の形態は、大部分が酸化第
二鉄であった。
【0060】イオン交換水100mLにPt(NH3)4
(NO3)2 水溶液(白金として9.0%)8.40gを
加えて、水溶液とし、これにγ−アルミナ(住友化学工
業(株)製KC−501)40gと上記γ−アルミナ上
に鉄5%を担持させてなる粉体20gを投入し、攪拌し
ながら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃に
て3時間焼成して、γ−アルミナ/鉄5%担持γ−アル
ミナ(重量比2/1)上に白金1%を担持させてなる触
媒粉体を得た。
【0061】製造例2 硝酸鉄(Fe(NO3)3・9H2O)2.17gをイオン
交換50mLに溶解して、硝酸鉄水溶液を得た。これに
γ−アルミナ(住友化学工業(株)製KC−501)3
0gを投入し、攪拌しながら、100℃で乾燥させた
後、空気中で500℃にて3時間焼成して、γ−アルミ
ナ上に鉄1%を担持させてなる粉体を得た。ここに、γ
−アルミナ上に担持された鉄の形態は、大部分が第二鉄
イオンであった。
【0062】イオン交換水100mLにPt(NH3)4
(NO3)2 水溶液(白金として9.0%)8.40gを
加えて、水溶液とし、これにγ−アルミナ(住友化学工
業(株)製KC−501)30gと上記γ−アルミナ上
に鉄1%を担持させてなる粉体30gを投入し、攪拌し
ながら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃に
て3時間焼成して、γ−アルミナ/鉄1%担持γ−アル
ミナ(重量比1/1)上に白金1%を担持させてなる触
媒粉体を得た。
【0063】製造例3 硝酸コバルト(Co(NO3)3・6H2O)1.48gを
イオン交換50mLに溶解して、硝酸コバルト水溶液を
得た。これにγ−アルミナ(住友化学工業(株)製KC
−501)30gを投入し、攪拌しながら、100℃で
乾燥させた後、空気中で500℃にて3時間焼成して、
γ−アルミナ上にコバルト1%を担持させてなる粉体を
得た。ここに、γ−アルミナ上に担持されたコバルトの
形態は、大部分が第二コバルトイオンであった。
【0064】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)4.20gとPt(N
3)4 (NO3)2 水溶液(白金として9.0%)8.4
0gを加えて、水溶液とし、これにγ−アルミナ(住友
化学工業(株)製KC−501)30gと上記γ−アル
ミナ上にコバルト1%を担持させてなる粉体30gを投
入し、攪拌しながら、100℃で乾燥させた後、空気
中、500℃にて3時間焼成して、γ−アルミナ/コバ
ルト1%担持γ−アルミナ(重量比1/1)上に白金1
%とロジウム0.5%とを担持させてなる触媒粉体を得
た。
【0065】製造例4 硝酸ニッケル(Ni(NO3)3・6H2O)1.46gを
イオン交換50mLに溶解して、硝酸ニッケル水溶液を
得た。これにγ−アルミナ(住友化学工業(株)製KC
−501)30gを投入し、攪拌しながら、100℃で
乾燥させた後、空気中で500℃にて3時間焼成して、
γ−アルミナ上にニッケル1%を担持させてなる粉体を
得た。ここに、γ−アルミナ上に担持されたニッケルの
形態は、大部分が第二ニッケルイオンであった。
【0066】イオン交換水100mLに硝酸パラジウム
水溶液(パラジウムとして9.0%)4.20gとPt
(NH3)4 (NO3)2 水溶液(白金として9.0%)
8.40gを加えて、水溶液とし、これにγ−アルミナ
(住友化学工業(株)製KC−501)30gと上記γ
−アルミナ上にニッケル1%を担持させてなる粉体30
gを投入し、攪拌しながら、100℃で乾燥させた後、
空気中、500℃にて3時間焼成して、γ−アルミナ/
ニッケル1%担持γ−アルミナ(重量比1/1)上に白
金1%とパラジウム0.5%とを担持させてなる触媒粉
体を得た。
【0067】(2)表面触媒成分の調製
【0068】製造例5 イオン交換水100mLに硝酸セリウム(Ce(NO3)
3・6H2O)151.37gを加えて、水溶液とし、こ
れに0.1規定のアンモニア水を加えて、セリウムイオ
ンを中和加水分解し、1時間熟成した。得られたスラリ
ーを濾過し、120℃で24時間乾燥した後、空気中、
500℃で3時間焼成して、セリア粉体(比表面積13
8m2/g)を得た。
【0069】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)4.20gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア粉体30gを投入し、攪
拌しながら、100℃で乾燥させた後、空気中、500
℃にて3時間焼成して、セリア粉体上にロジウム1%を
担持させてなる触媒粉体を得た。
【0070】製造例6 イオン交換水100mLに硝酸セリウム(Ce(NO3)
3・6H2O)103.77gと硝酸プラセオジム(Pr
(NO3)3・6H2O)35.77gとを溶解させて、水
溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアンモニア
水を加え、上記セリウム塩とプラセオジム塩を中和加水
分解した後、1時間熟成した。得られたスラリーから生
成物を濾過にて分離し、これを120℃で24時間乾燥
した後、空気中、500℃で3時間焼成して、セリア/
酸化プラセオジム複合酸化物粉体(酸化物基準重量比6
0/40、比表面積112m2/g)を得た。
【0071】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)0.84gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/酸化プラセオジム複合
酸化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、100℃で
乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼成して、
セリア/酸化プラセオジム複合酸化物上にロジウム0.
2%を担持させてなる触媒粉体を得た。
【0072】製造例7 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)34.59gとオキシ硝酸ジルコニウム
(ZrO(NO3)2)84.45gと硝酸ランタン(L
a(NO3)3・6H2O)7.97gとを溶解させて、水
溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアンモニア
水を加え、上記セリウム塩とジルコウム塩とランタン塩
を中和加水分解した後、1時間熟成した。得られたスラ
リーから生成物を濾過にて分離し、これを120℃で2
4時間乾燥した後、空気中、500℃で3時間焼成し
て、セリア/ジルコニア/酸化ランタン複合酸化物粉体
(酸化物基準重量比22/73/5、比表面積80m2
/g)を得た。
【0073】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化ラン
タン複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、1
00℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼
成して、セリア/ジルコニア/酸化ランタン複合酸化物
上にロジウム0.5%を担持させてなる触媒粉体を得
た。
【0074】製造例8 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)121.06gとオキシ硝酸ジルコニウ
ム(ZrO(NO3)2)28.12gと硝酸ガドリニウ
ム(Gd(NO3)3・6H2O)7.48gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とジルコウム塩とガド
リニウム塩を中和加水分解した後、1時間熟成した。得
られたスラリーから生成物を濾過にて分離し、これを1
20℃で24時間乾燥した後、空気中、500℃で3時
間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化ガドリニウム複
合酸化物粉体(酸化物基準重量比72/24/4、比表
面積198m2/g)を得た。
【0075】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化ガド
リニウム複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しなが
ら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3
時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化ガドリニウム
複合酸化物上にロジウム0.5%を担持させてなる触媒
粉体を得た。
【0076】製造例9 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)77.83gとオキシ硝酸ジルコニウム
(ZrO(NO3)2)36.03gと硝酸プラセオジム
(Pr(NO3)3・6H2O)35.26gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とジルコニウム塩とプ
ラセオジム塩を中和加水分解した後、1時間熟成した。
得られたスラリーから生成物を濾過にて分離し、これを
120℃で24時間乾燥した後、空気中、500℃で3
時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化プラセオジム
複合酸化物粉体(酸化物基準重量比47/33/22、
比表面積205m2/g)を得た。
【0077】イオン交換水100mLに硝酸パラジウム
水溶液(パラジウムとして9.0%)4.20gを加え
て、水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化
プラセオジム複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しな
がら、100℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて
3時間焼成して、セリア/ジルコニア/酸化プラセオジ
ム複合酸化物上にパラジウム1%を担持させてなる触媒
粉体を得た。
【0078】製造例10 イオン交換水1700mLに硝酸セリウム(Ce(NO
3)3・6H2O)109.43gとオキシ硝酸ジルコニウ
ム(ZrO(NO3)2)31.27gと硝酸ネオジム
(Nd(NO3)3・6H2O)15.63gとを溶解させ
て、水溶液を調製した。この水溶液に0.1規定のアン
モニア水を加え、上記セリウム塩とジルコニウム塩とネ
オジム塩を中和加水分解した後、1時間熟成した。得ら
れたスラリーから生成物を濾過にて分離し、これを12
0℃で24時間乾燥した後、空気中、500℃で3時間
焼成して、セリア/ジルコニア/酸化ネオジム複合酸化
物粉体(酸化物基準重量比70/20/10、比表面積
171m2/g)を得た。
【0079】イオン交換水100mLに硝酸ロジウム水
溶液(ロジウムとして9.0%)2.10gを加えて、
水溶液とし、これに上記セリア/ジルコニア/酸化ネオ
ジム複合酸化物粉体30gを投入し、攪拌しながら、1
00℃で乾燥させた後、空気中、500℃にて3時間焼
成して、セリア/ジルコニア/酸化ネオジム複合酸化物
上にロジウム0.5%を担持させてなる触媒粉体を得
た。
【0080】(3)ハニカム触媒の調製
【0081】触媒層厚みは、触媒層の見かけ密度を1.
5g/cm3 、ハニカムの機械的接触面積を2500m
2 /gとして、計算によって求めた。
【0082】実施例1 製造例1で得たγ−アルミナ/鉄5%担持γ−アルミナ
(重量比2/1)上に白金1%を担持させてなる粉体触
媒30gにシリカゾル(日産化学工業(株)製スノーテ
ックスN、シリカとして20重量%)3gと適量の水と
を混合した。ジルコニアボール50gを粉砕媒体として
用い、この混合物を遊星ミルで5分間粉砕して、ウォッ
シュコート用スラリーを得た。1平方インチ当りのセル
数400のコージーライト製ハニカム基体に上記ウォッ
シュコート用スラリーを塗布して、上記粉体触媒からな
る厚み30μmの内部触媒層を有するハニカム構造体を
得た。
【0083】次に、製造例5で得たセリア上にロジウム
1%を担持させてなる粉体30gにシリカゾル(日産化
学工業(株)製スノーテックスN、シリカとして20重
量%)3gと適量の水とを混合し、上記と同様にして、
スラリーを調製した。このスラリーを上記内部触媒層上
にコーティングして、セリア上にロジウム1%を担持さ
せた触媒からなる厚み60μmの表面触媒層を有するハ
ニカム触媒構造体を得た。
【0084】実施例2 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ/
鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み30μmの内部触媒層
と、製造例6で得たセリア/酸化プラセオジム複合酸化
物(酸化物基準重量比60/40)上にロジウム0.2
%を担持させてなる触媒からなる厚み60μmの表面触
媒層を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0085】実施例3 実施例1と同様にして、製造例3で得たγ−アルミナ/
コバルト1%担持γ−アルミナ(重量比1/1)上に白
金1%とロジウム0.5%とを担持させた触媒からなる
厚み30μmの内部触媒層と、製造例6で得たセリア/
酸化プラセオジム複合酸化物(酸化物基準重量比60/
40)にロジウム0.2%を担持させた触媒からなる厚
み60μmの表面触媒層とを有するハニカム触媒構造体
を調製した。
【0086】実施例4 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ/
鉄1%担持γ−アルミナ(重量比1/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み30μmの内部触媒層
と、製造例6で得たセリア/酸化プラセオジム複合酸化
物(酸化物基準重量比60/40)上にロジウム0.2
%を担持させ触媒からなる厚み60μmの表面触媒層を
有するハニカム触媒構造体を得た。
【0087】実施例5 実施例1と同様にして、製造例4で得たγ−アルミナ/
ニッケル1%担持γ−アルミナ(重量比1/1)上に白
金1%とパラジウム0.5%とを担持させた触媒からな
る厚み30μmの内部触媒層と、製造例7で得たセリア
/ジルコニア/酸化ランタン複合酸化物(酸化物基準重
量比22/73/5)上にロジウム0.5%を担持させ
た触媒からなる厚み60μmの表面触媒層を有するハニ
カム触媒構造体を得た。
【0088】実施例6 実施例1と同様にして、製造例2で得たγ−アルミナ/
鉄1%担持γ−アルミナ(重量比1/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み30μmの内部触媒層
と、製造例8で得たセリア/ジルコニア/酸化ガドリニ
ウム複合酸化物(酸化物基準重量比72/24/4)上
にロジウム0.5%を担持させた触媒からなる厚み60
μmの表面触媒層を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0089】実施例7 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ/
鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み30μmの内部触媒層
と、製造例9で得たセリア/ジルコニア/酸化プラセオ
ジム複合酸化物(酸化物基準重量比47/33/22)
上にパラジウム1%を担持させた触媒からなる厚み60
μmの表面触媒層を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0090】実施例8 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ/
鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み30μmの内部触媒層
と、製造例10で得たセリア/ジルコニア/酸化ネオジ
ム複合酸化物(酸化物基準重量比70/20/10)上
にロジウム0.5%を担持させた触媒からなる厚み60
μmの表面触媒層を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0091】実施例9 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ/
鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み20μmの内部触媒層
と、製造例6で得たセリア/酸化プラセオジム複合酸化
物(酸化物基準重量比60/40)上にロジウム0.2
%を担持させた触媒からなる厚み60μmの表面触媒層
を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0092】実施例10 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ/
鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み20μmの内部触媒層
と、製造例6で得たセリア/酸化プラセオジム複合酸化
物(酸化物基準重量比60/40)上にロジウム0.2
%を担持させた触媒からなる厚み80μmの表面触媒層
を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0093】実施例11 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ/
鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)上に白金1%
を担持させた触媒からなる厚み15μmの内部触媒層
と、製造例6で得たセリア/酸化プラセオジム複合酸化
物(酸化物基準重量比60/40)上にロジウム0.2
%を担持させた触媒からなる厚み30μmの表面触媒層
を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0094】実施例12 実施例1と同様にして、製造例1で得たγ−アルミナ/
鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)上に白金1を
担持させてなる触媒からなる厚み30μmの内部触媒層
と、製造例6で得たセリア/酸化プラセオジム複合酸化
物(酸化物基準重量比60/40)上にロジウム0.2
%を担持させた触媒からなる厚み20μmの表面触媒層
を有するハニカム触媒構造体を得た。
【0095】比較例1 製造例5で得たセリア粉体と製造例1で得たγ−アルミ
ナ/鉄5%担持γ−アルミナ(重量比2/1)粉体とを
乾式混合し、この混合物上に白金1%を担持させた触媒
粉体30gを用いて、実施例1と同様にして、ウォッシ
ュコート用スラリーを調製した。このスラリーを実施例
1と同じコージーライト製ハニカム基体に実施例1と同
様にコーティングして、厚み80μmの触媒層を有する
ハニカム触媒構造体を得た。
【0096】比較例2 苛性バリウム水溶液と炭酸ソーダ水溶液から炭酸バリウ
ムを調製し、この炭酸バリウム(BaCO3) とγ−ア
ルミナ(住友化学工業(株)製KC−501)との混合
物(重量比8/2)上に白金1%を担持させて、触媒粉
体を調製した。γ−アルミナ(住友化学工業(株)製K
C−501)を炭酸カリウム水溶液に投入、混合し、乾
燥させた後、空気中、1100℃で3時間焼成して、K
2O・12Al23 (比表面積18m2/g)を調製し
た。別に、γ−アルミナ(住友化学工業(株)製KC−
501)と上記K2O・12Al23 と混合して、γ−
アルミナ/K2O・12Al23 重量比9/1の混合物
を調製し、これに白金1%を担持させて、触媒粉体を得
た。
【0097】上記BaCO3/γ−アルミナ上に白金1
%を担持させた触媒粉体48gと、上記γ−アルミナ/
2O・12Al23 上に白金1%を担持させた触媒粉
体12gとを乾式混合して、実施例1と同様にして、ウ
ォッシュコート用スラリーを調製した。このスラリーを
実施例1と同じコージーライト製ハニカム基体に実施例
1と同様にコーティングして、厚み80μmの触媒層を
有するハニカム触媒構造体を得た。
【0098】(4)性能試験
【0099】上記実施例と比較例による触媒構造体をそ
れぞれ用いて、窒素酸化物を含むガスを以下の条件下に
還元した。窒素酸化物から窒素への変換率(除去率)は
ケミカル・ルミネッセンス法にて求めた。
【0100】試験方法 リッチ条件下のNOx の還元実験に用いた混合ガスの組
成は次のとおりである。 NO : 500ppm SO2 : 20ppm O2 : 0.4% CO : 2% C36(プロピレン): 2000ppm H2 : 2% H2O : 6.0%
【0101】リーン条件下のガスは、リッチ条件下の混
合ガスに酸素を注入して調製したものであって、その組
成は次のとおりである。 NO : 500ppm SO2 : 20ppm O2 : 9.0% CO : 0.2% C36(プロピレン): 500ppm H2 : 0% H2O : 6.0%
【0102】リッチ/リーン幅を3〜30(秒/秒)か
ら12/120(秒/秒)の範囲として、触媒反応を行
って、それぞれの触媒の性能を調べた。
【0103】(i)空間速度: 70000hr-1(リーン条件下) 70000hr-1(リッチ条件下) (ii)反応温度:200、250、300、350、4
00、450及び500℃
【0104】結果を表1に示す。表1から明らかなよう
に、本発明による触媒は、窒素酸化物の除去率が高い。
これに対して、比較例による触媒は、概して、窒素酸化
物の除去率が低い。
【0105】
【表1】
【0106】更に、実施例7、比較例1及び2による触
媒構造体をそれぞれ用いて、上記ガス条件、リッチ/リ
ーン幅(秒/秒)を55/5、反応温度350℃とし
て、50時間の耐久試験を行った。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明による触媒は、硫黄酸
化物に対しても、従来のNOx 貯蔵−還元システムに比
べて、非常に高い耐性を有する。
【0107】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 B01D 53/36 ZAB 102H (72)発明者 仲辻 忠夫 フィンランド国、エスポー 02100、イタ ツーレンクーヤ 1 A6 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AA13 AB05 BA14 GB05W GB06W GB07W GB09X GB10W GB17X 4D048 AA06 AB02 AB05 AB07 BA08X BA18X BA19X BA30X BA31X BA33X BA36X BA37X BA38X BA41X BA42X BB02 BC01 CC36 CC46 EA04 4G069 AA03 AA08 BA01B BA02B BB04A BB04B BB06A BB06B BC42A BC42B BC43A BC43B BC44A BC44B BC51A BC51B BC66A BC66B BC67A BC67B BC68A BC68B BC71A BC71B BC72A BC72B BC75A BC75B CA02 CA03 CA08 CA13 DA06 EA19 EC22Y EE06 EE09 FA01 FA03 FB23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周期的なリッチ/リーン条件下に燃料を供
    給して燃焼させ、生成する排ガスを触媒に接触させて、
    その排ガス中の窒素酸化物を接触還元する方法におい
    て、上記触媒が (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
    ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
    2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
    元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
    る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
    ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
    の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
    と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
    物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
    少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
    も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
    と (c)担体とを内部触媒成分として有する内部触媒層と
    からなることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物を接触
    還元する方法。
  2. 【請求項2】周期的なリッチ/リーン条件下に燃料を供
    給して燃焼させ、生成する排ガスを触媒構造体に接触さ
    せて、その排ガス中の窒素酸化物を接触還元する方法に
    おいて、上記触媒構造体が不活性な基材上に (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
    ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
    2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
    元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
    る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
    ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
    の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
    と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
    物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
    少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
    も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
    と (c)担体とを内部触媒成分として有する内部触媒層と
    を有するものである請求項1に記載の排ガス中の窒素酸
    化物を接触還元する方法。
  3. 【請求項3】周期的なリッチ/リーン条件下に燃料を供
    給して燃焼させ、生成する排ガスを接触させて、その排
    ガス中の窒素酸化物を接触還元するための触媒であっ
    て、 (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
    ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
    2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
    元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
    る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
    ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
    の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
    と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
    物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
    少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
    も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
    と (c)担体とを内部触媒成分として有する内部触媒層と
    からなることを特徴とする排ガス中の窒素酸化物を接触
    還元するための触媒。
  4. 【請求項4】周期的なリッチ/リーン条件下に燃料を供
    給して燃焼させ、生成する排ガスを接触させて、その排
    ガス中の窒素酸化物を接触還元するための触媒構造体で
    あって、この触媒構造体が不活性な基材上に (A)(a)セリア又は (b)酸化プラセオジム又は (c)セリウム、ジルコニウム、プラセオジム、ネオジ
    ム、ガドリニウム及びランタンから選ばれる少なくとも
    2つの元素の酸化物の混合物と少なくともそれら2つの
    元素の複合酸化物とから選ばれる少なくとも1種からな
    る第1の触媒成分と、 (d)ロジウム、パラジウム、ロジウム酸化物及びパラ
    ジウム酸化物から選ばれる少なくとも1種からなる第2
    の触媒成分とを表面触媒成分として有する表面触媒層
    と、 (B)(a)白金、ロジウム、パラジウム、白金酸化
    物、ロジウム酸化物及びパラジウム酸化物から選ばれる
    少なくとも1種の触媒成分と (b)鉄、コバルト及びニッケルから選ばれる少なくと
    も1種の元素のイオン及び/又は酸化物からなる助触媒
    と (c)担体とを内部触媒成分として有する内部触媒層と
    を有するものである請求項3に記載の排ガス中の窒素酸
    化物を接触還元するための触媒構造体。
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