JP2003038109A - 酢合わせ機 - Google Patents

酢合わせ機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の酢合わせ機は、酢合わせ機を構成する機
器を個別に調節する方法のため、不慣れな作業者が希望
するすし飯をつくるには経験が必要であった。 【解決手段】誰でも、容易に希望するすし飯が作れるよ
うに、炊上り米飯を撹拌する米飯タンク4と、該米飯タ
ンク4内の該米飯に所定量の酢を供給する酢供給装置1
0と、米飯タンク4内で撹拌される米飯を送風冷却する
送風装置5を備えた酢合わせ機において、出来上がり後
のすし飯状態を設定する手段を設け、該設定手段に基づ
いて、前記米飯タンク4、酢供給装置10および送風装
置5が各々動作するように制御した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、すし飯をつくる
酢合わせ機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炊上り米飯に酢を攪拌・混合する
酢合わせ作業は、酢合わせ機の米飯タンク内に炊上った
米飯を投入し、所定量の酢を米飯に振掛け、その後、米
飯タンクを回動することにより行い、すし飯の冷却は送
風装置からの送風によって行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この酢合わせ作業は、
投入時の炊上り米飯の粘りや温度、酢量、送風装置の空
気温度、攪拌方法等により出来上がり状態が異なるた
め、酢合わせ機の運転設定は作業者に依存しており、米
飯タンクの攪拌設定や、酢供給量、送風装置の運転時間
等を個々に、どのように設定すれば希望するすし飯が得
られるかは不慣れな作業者には判断し難いという欠点が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、希望するす
し飯状態にするため、不慣れな作業者でも容易に酢合わ
せをおこなえる装置を提供しようとするもので、以下の
構成とした。請求項1記載の発明は、炊上り米飯を撹拌
する米飯タンク4と、該米飯タンク4内の該米飯に所定
量の酢を供給する酢供給装置10と、米飯タンク4内で
撹拌される米飯を送風冷却する送風装置5とを備えた酢
合わせ機において、出来上がり後のすし飯温度を設定す
る手段を設け、該設定手段に基づいて、前記送風装置5
を運転制御する構成とした。
【0005】操作装置に出来上がり後のすし飯温度を設
定する手段が設けられており、好みのすし飯温度を選択
すると、短時間で設定したすし飯温度になるように送風
装置5が運転制御される。また、請求項2の発明は、炊
上り米飯を撹拌する米飯タンク4と、該米飯タンク4内
で撹拌される米飯を送風冷却する送風装置5とを備えた
酢合わせ機において、前記送風装置5による送風空気の
温度を検出する手段を米飯タンク4の冷却後の下流側に
設け、該検出温度に基づいて前記送風装置5の運転制御
を行う構成とした。
【0006】送風装置5による送風空気の温度を検出す
る手段を米飯タンク4の冷却後の下流側に設け、該箇所
での空気温度を排風温度とし、予め求めている、該排風
温度と米飯タンク5内の米飯温度との関係に照らして該
排風温度の検出値から米飯温度を推定し、該推定値に基
づいて、送風装置5による送風量、および/または時間
を制御し、設定した米飯温度に推定した米飯温度が一致
すると送風装置5の運転を停止する。
【0007】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、操作装置に出
来上がり後のすし飯温度を設定する手段が設けられてい
るため、すし飯(米飯)を冷却する送風装置による送風
量、および/または送風時間の設定に苦慮する必要がな
くなり、不慣れな作業者でも容易に希望するすし飯温度
を得ることができる。
【0008】また、請求項2の発明によれば、米飯タン
ク冷却後の排風温度を検出すれば米飯タンク内の米飯温
度を推定できるため、従来の送風装置の冷却運転時間か
ら米飯温度を推定し、停止していた方法に比べ、米飯温
度の予測が外気温度等に影響されず正確になるという特
徴がある。
【0009】また、攪拌・混合される米飯温度を平均的
に直接測定するには、温度検出器を多数設置しなければ
ならない等の欠点があるが、本発明によれば、排風温度
のみの測定により、米飯タンク内の米飯温度を平均的に
測定できるという利点がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1乃至図3は、酢合わせ機1を示すもので、
該酢合わせ機1は、台車2の上側左右に設けられた左・
右フレーム3a,3bと、これら左・右フレーム3a,
3bで回動自在に支持され、投入された炊上り米飯を貯
留する米飯タンク4と、前記右フレーム3bに内装され
て、米飯を送風冷却する送風装置5と、給・排水装置
6,7と、右フレーム3b上側の操作装置8と、酢合わ
せ用の酢を貯留する酢貯留タンク9と、この酢貯留タン
ク9から酢を前記米飯タンク4内に自動供給する酢供給
装置10等より構成されている。
【0011】台車2下面には、車輪11が設けられ、左
・右フレーム3a,3bの上側中央部には、左・右支持
メタル12a.12bが夫々設けられている。米飯タン
ク4は、対をなして撹拌空間16を形成する下米飯タン
ク15と上米飯タンク17とで構成され、下米飯タンク
15には水平方向に沿う左・右中空軸14a,14bが
設けられ、該左・右中空軸14a,14bは前記左・右
支持メタル12a.12bに回転自在に軸支されてい
る。17′は上米飯タンク17に設けた把手金具であ
る。
【0012】上・下米飯タンク17,15は、いずれも
開口部を底部より幅広にしたボウル状の容器で、その内
壁面には、米飯などの付着を抑制するフッ素樹脂などに
よる表面処理を施し、その底部には、内部に向けた円錐
状の上・下膨出部19a,19bを夫々形成しており、
下米飯タンク15の開口部の内壁には、複数本のシャリ
切り棒18を横設している。21は、該上・下米飯タン
ク17,15を着脱自在に結合する結合金具である。
【0013】また、下米飯タンク15の表面には、カバ
ー22を設け、冷却通路23を形成している。この冷却
通路23に冷却水を供給する給水パイプ24は、左フレ
ーム3a内を立上り、前記左中空軸14a内を経由し、
給水パイプ24の先端は下米飯タンク15の下膨出部1
9bの表面に近接して設けられている。26は立上り部
に接続される流入管であり、27は流出管である。左フ
レーム3a内の立上り部と前記左中空軸14aの貫通部
との間には、スイベルジョイント25が設けられ、この
ジョイント25により、米飯タンク4の回転につれて流
入管26、流出管27が共に回転できるようにしてい
る。
【0014】前記冷却通路23を流れて、下米飯タンク
15を冷却した冷却水を排出する排水パイプ28は、冷
却通路23の外周端近傍から、スイベルジョイント25
および左フレーム3a内を経て機外へ導出される構成で
ある。給水パイプ24を経て供給された冷却水は、前記
スイベルジョイント25を経て、前記冷却通路23に導
入される。そして、冷却通路23に供給された冷却水
は、下米飯タンク15の下膨出部19bに衝突した後
に、この下米飯タンク15の表面に沿って流出管27、
排水パイプ28を経て機外の所定位置へ排水される構成
である。
【0015】送風装置5の吹出口に接続した吹出管31
は右中空軸14bを介して前記撹拌空間16と連通し、
また、左中空軸14aとも連通し、送風装置5による送
風空気が左中空軸14aから左フレーム3aを経由して
大気に放出される構成である。
【0016】また、これら左・右中空軸14a,14b
と下米飯タンク15との接続部には、パンチングメタ
ル、あるいは金網等で構成される左・右カバー32a,
32bが設けられ、左・右中空軸14a,14b内への
米飯の飛び込みを防止している。33は、送風装置5を
駆動する送風用モータであり、34はそのフィルタであ
り、35は送風装置5と吹出管31を繋ぐダクトであ
る。
【0017】また、左中空軸14a内には前記送風装置
5により起風され、米飯タンク4内の米飯を冷却した空
気の温度を検出するため手段である排風温度センサ30
が設けられている。右中空軸14bの外周面に取り付け
たプーリ36と駆動モータ37の出力軸に軸支したプー
リ38には、ベルト39が張設され、駆動モータ37が
始動されると、右中空軸14bを介して下米飯タンク1
5が水平軸回りに回転駆動される構成としている。
【0018】また、酢貯留タンク9は、上部に酢供給口
41を設け、下部には、該酢貯留タンク9内の酢量を検
出する酢量検出センサ45を設け、右フレーム3b上側
の上部カバー41′内に収納されている。酢貯留タンク
9の底部には、酢供給装置10が設けられており、該酢
供給装置10は酢の吸入、停止をするバルブ40、およ
びポンプ43と酢排出パイプ44とからなり、酢排出パ
イプ44の先端部は右中空軸14b内と接続している。
【0019】前記ポンプ43を駆動することにより、バ
ルブ40が開き、酢貯留タンク9内の酢が、酢排出パイ
プ44の先端部から排出され、送風装置5の起風によ
り、米飯タンク4内へ送り込まれる構成としている。前
記操作装置8は、上カバー41′内に設けられ、表面部
には、希望するすし飯状態(すし飯温度、混ぜ/ほぐし
具合、酢合わせ量、ねばり度等)を設定するツマミ48
を設けた操作パネル42、電源手段46、米飯量設定手
段46’、酢補給ランプ47、始動・停止手段47’、
其の他の各種表示ランプ、警報装置を設けている。
【0020】操作装置8の内部には、制御装置49を設
けており、該制御装置49は前記操作パネル42のツマ
ミ48の設定、酢量検出センサ45、排風温度センサ3
0等の検出が入力されると、駆動モータ37、送風機モ
ータ33、バルブ40、ポンプ43、警報装置の始動、
または停止、あるいは、酢補給ランプ47や各種表示ラ
ンプの点灯、または消灯を制御するようにしている。
【0021】つぎに、前記酢合わせ機1の作用について
説明する。炊上り直後の米飯を前記下米飯タンク15内
に投入し、上米飯タンク17を結合金具21を用いて取
り付け、操作パネル42の前記ツマミ48により希望す
るすし飯の出来上がり状態を設定する。
【0022】例えば、すし飯温度を「低」、混ぜ/ほぐ
し具合を「入念」、酢合わせ量を「普通」、粘りを「普
通」と設定し、始動手段47’を操作すると、酢合わせ
機1が始動し、該上・下米飯タンク17,15が一体と
なって、左・右中空軸14a,14b回りに連続、又は
間欠で回転運転される。
【0023】この運転は、混ぜ/ほぐし具合と粘りの設
定に基づく米飯タンク4の運転プログラムよって繰返し
行われるもので、図5において、の混ぜ作業および
の蒸らし作業に対応する釜回転時間が設定され、混ぜを
入念にするほど釜回転時間が長くなるように動作する。
【0024】また、ほぐし具合、粘りはの間欠運転時
間に関係し、前記運転プログラムに基づいて動作し、ほ
ぐし具合を入念にしたり、粘りを増すほど間欠運転回数
が多く設定されている。米飯タンク4を始動し、反転す
ると、下米飯タンク15に入れられていた米飯は、自重
で上米飯タンク17側に落下し、シャリ切棒18への衝
突によってほぐし作用を受けた後、上米飯タンク17の
膨出部19aに衝突し、四方へ押し広げられる。そし
て、反転する毎に、米飯はシャリ切り棒18によってほ
ぐし作用を受け、膨出部19a、19bによって押し広
げ作用を受ける。
【0025】酢合わせ量に基づく酢供給はの混ぜ動作
中に、米飯量設定手段46’によって入力された米飯の
供給量に応じて、所定量だけ自動供給され、米飯と酢合
わせされる。また、この酢合わせの混ぜ作業中に、米飯
タンク4内のすし飯(米飯)を冷却する空気が送風装置
5から供給され、すし飯温度を「低」と設定している
と、予め求めている、前記排風温度と米飯タンク5内の
米飯温度との関係から、前記排風温度の検出値に基づく
米飯温度を推定し、「低」に対応する米飯温度の推定値
になるまで、送風装置5を運転する(図5の送風冷却
時間)。
【0026】図6は外気温度22℃における米飯タンク
4の運転開始からの前記排風温度と米飯温度との関係を
示す図であり、途中で温度上昇が生じるのは米飯タンク
4を反転すると、米飯がシャリ切り棒18によりほぐさ
れ、米飯内部の熱が拡散放出されるためである。
【0027】運転開始後、1分を過ぎたあたりから米飯
温度と排風温度とは高い相関を示す傾向がある。この関
係から、例えば、次式のように米飯温度の推定値を排風
温度と外気温度の関数として表したり、あるいはテーブ
ルデータとして制御装置49に記憶し、排風温度の検出
とともに逐次計算し、推定値が設定温度になると米飯タ
ンク4の攪拌や送風装置5の運転を停止するようにプロ
グラムしている。
【0028】T=c1K+c2A+c3 ここで、Tは推定米飯温度(℃)、Kは排風温度検出値
(℃)、Aは外気温度(℃)、c1,c2,c3は米飯量、外気
温度、排風装置5の排風量及びツマミ48の混ぜ/ほぐ
し、粘り設定に関係する係数である。
【0029】なお、前記では送風装置5の回転数は一定
として、酢合わせ機1の運転を時間により制御している
が、送風装置5のモータ33に周波数変換器(図示省
略)を接続し、送風量を可変にして設定温度までの到達
時間を短縮してもよい。また、前記酢合わせ機1では、
下米飯タンク15に冷却水を循環する通水冷却方式とし
ているが、下米飯タンク15に冷却水を送る時間に制限
を設け、所定時間経過後は、前記通水を停止するとよい
(図5の通水冷却時間)。
【0030】それは、所定時間を過ぎて通水することは
水の無駄になるからである。図7は下米飯タンク15に
冷却水を送ったときの経過時間と冷却後の排水温度との
関係を示し、5分30秒を過ぎた当たりから、米飯タン
ク4を回転しても排水温はほぼ一定になっている。従っ
て、この場合は、5分30秒になると、給水装置(図示
省略)を遮断するのである。
【0031】このように、米飯処理量、通水量、および
経過時間と排水温度の関係を予め求め、この関係によっ
て給水を遮断する時間を設定すると、水の無駄使いを防
ぎながら、米飯を冷却するという利点がある。操作パネ
ル42のツマミ48の設定条件に、各センサ検出値、お
よび運転時間が一致すると、操作パネル42の表示ラン
プ50が点灯し、酢合わせ作業の終了を表示する。米飯
タンク4の運転が停止すると、作業者は操作装置8のス
イッチ51を使って米飯タンク4を適当位置まで回転
し、結合金具21を開いて、上米飯タンク17を外し、
すし飯を下米飯タンク15から取り出す。
【0032】すし飯を下米飯タンク15から取り出した
後、下米飯タンク15を洗浄する際は、下米飯タンク1
5下方で、台車2上に設けられた排水樋51を角度θだ
け後方に向けて傾斜させ、台車2後部で該排水樋51と
連通する排水溝52から洗浄水を排水する。
【0033】図8、図9は前記排水樋51が後ろ傾斜し
た状態を示し、排水樋51は台車2後部に設けられた回
動軸53により軸支され、排水樋51の裏面には台車2
に係止する位置固定用のアーム54が軸支されており、
台車2に設けた係止穴にアーム54先端を差込み、固定
する構成である。 排水樋51を後ろ傾斜して固定でき
るようにしたため、下米飯タンク15を洗浄した水を酢
合わせ機1の設置地面に散布することなく、衛生的に全
量を排水樋51から排水溝52に導き、所定場所に排出
することができる。
【図面の簡単な説明】
図は、この発明の一実施例を示すものである。
【図1】酢合わせ機の全体斜視図。
【図2】酢合わせ機の全体正面図。
【図3】酢合わせ機の全体右側面図。
【図4】操作装置の操作パネル。
【図5】米飯タンクの運転状態をしめすタイムチャー
ト。
【図6】排風温度と米飯温度の関係。
【図7】冷却後の排水温度と経過時間の関係。
【図8】排水樋を設けた酢合わせ機の一部断面図。
【図9】排水樋を設けた酢合わせ機の平面図。
【符号の説明】
4 米飯タンク 5 送風装置 10 酢供給装置 30 排風温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B023 LC02 LE17 LP15 LP20 LT43 LT63 LT65

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炊上り米飯を撹拌する米飯タンク4と、
    該米飯タンク4内の該米飯に所定量の酢を供給する酢供
    給装置10と、米飯タンク4内で撹拌される米飯を送風
    冷却する送風装置5とを備えた酢合わせ機において、出
    来上がり後のすし飯温度を設定する手段を設け、該設定
    手段に基づいて、前記送風装置5を運転制御したことを
    特徴とする酢合わせ機。
  2. 【請求項2】 炊上り米飯を撹拌する米飯タンク4と、
    該米飯タンク4内で撹拌される米飯を送風冷却する送風
    装置5とを備えた酢合わせ機において、前記送風装置5
    による送風空気の温度を検出する手段を米飯タンク4の
    冷却後の下流側に設け、該検出温度に基づいて前記送風
    装置5を運転制御することを特徴とする酢合わせ機。
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