JP2003035579A - フローセンサの製造方法 - Google Patents
フローセンサの製造方法Info
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Abstract
数)の低下および抵抗値、TCRの経時変化を極力抑制
できるような薄膜式フローセンサの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 基板1の上に、下部絶縁膜2、Tiより
なる密着層7、Ptよりなる抵抗膜3、4、5、シリコ
ン酸化膜81、シリコン窒化膜82を順次成膜するよう
にしたフローセンサの製造方法において、抵抗膜3〜5
を成膜した後、抵抗膜3〜5のアニールを酸素を含む雰
囲気中にて行い、次に、シリコン酸化膜81を成膜した
後、該酸化膜81のアニールを炉アニールにて行い、次
に、シリコン窒化膜82を減圧CVDにより成膜する。
Description
挟んだ積層構造をなす薄膜構造部を有する薄膜式フロー
センサの製造方法に関する。
上に、下部絶縁膜、金属や高不純物濃度の半導体等より
なる抵抗膜、上部絶縁膜を順次成膜することにより、こ
れら各膜が積層されてなる薄膜構造部を形成したもので
ある。
出するためのヒータや流体温度計を構成するものである
が、この抵抗膜には、次のような特性、が要求され
る。TCR(抵抗温度係数)が大きいこと。長時
間、高温にさらされたり、電流を流したり、応力をかけ
られたり、または、高温中で電流を流したり、高温中で
応力が変化しても抵抗率やTCRの値が変化しないこ
と。
Pt等の金属により形成される。この金属抵抗膜は、T
CR向上や膜の応力緩和のために例えば700℃以上で
熱処理(アニール)することが多いが、金属抵抗膜と下
部絶縁膜(シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等)との密
着性が悪いため、このアニール工程以後の工程で金属抵
抗膜が剥離するという問題がある。
膜との間に、金属酸化物や金属よりなる密着層を挿入し
たものが提案されている(米国特許第4952904号
明細書、特開2000−146656号公報等)。しか
しながら、本発明者等が検討したところ、このように密
着層を設けた構成においては、次のような問題が生じる
ことを実験的に見出した。
等)である場合、金属抵抗膜の成膜後、該抵抗膜のアニ
ールを行うと、このアニールによって抵抗膜のTCRが
低下することである。これは、アニールの熱によって密
着層を構成する金属が金属抵抗膜中に一様に拡散するた
めであると考えられる。
物を用いれば抑制できると考えられるが、金属酸化物を
密着層に用いた場合でも、さらに、次のような第2、第
3の問題が生じる。なお、第2、第3の問題は、密着層
に金属を用いた場合でも、もちろん生じる。
に、上部絶縁膜として酸化膜、窒化膜を、この順に積層
形成する場合、酸化膜の上に形成される窒化膜の成膜ま
たはそのアニールによって、金属抵抗膜のTCRが低下
することである。
するときに、従来では、窒化膜をプラズマCVDで成膜
しアニールするが、そのときに窒化膜の原料ガスまたは
窒化膜内部から水素が発生し、この水素が、密着層を構
成する金属酸化物を金属に還元する。すると、密着層に
おいて還元された金属が、上記第1の問題と同様、窒化
膜成膜時またはアニール時の熱により、金属抵抗膜中に
一様に拡散するため、第2の問題が生じると考えられ
る。
はあるが、金属抵抗膜の抵抗値やTCRが経時変化して
しまうことである。
る抵抗膜のTCRの低下を極力抑制できるような薄膜式
フローセンサの製造方法を提供することを目的とする。
行った上記諸問題についての実験検討の結果に基づい
て、実験的に創出されたものである。
板(1)の上に、下部絶縁膜(2)、金属よりなる密着
層(7)、金属よりなる抵抗膜(3、4、5)、上部絶
縁膜(8)を順次成膜することにより、前記各膜が積層
されてなる薄膜構造部(10)を形成するようにしたフ
ローセンサの製造方法において、抵抗膜を成膜した後、
抵抗膜のアニールを酸素を含む雰囲気中にて行うことを
特徴とする。
着層を構成する金属が金属抵抗膜中に拡散するものの、
雰囲気中から金属抵抗膜中の粒界を拡散してきた酸素と
化合し、安定な金属酸化物として凝縮するためTCRを
低下させないと考えられる。実際に、本発明者等の検討
によれば、TCRの低下を防止できることを確認した。
の問題を解決することにより、金属よりなる抵抗膜のT
CRの低下を極力抑制することのできる薄膜式フローセ
ンサの製造方法を提供できる。
上記の雰囲気としては、酸素を9.1%以上含む雰囲気
であることが好ましい。
(1)の上に、下部絶縁膜(2)、密着層(7)、金属
よりなる抵抗膜(3、4、5)、絶縁性の酸化膜(8
1)、絶縁性の窒化膜(82)を順次成膜することによ
り、前記各膜が積層されてなる薄膜構造部(10)を形
成するようにしたフローセンサの製造方法において、酸
化膜を成膜した後、酸化膜のアニールを炉アニールにて
行うことを特徴とする。
該酸化膜を成膜した後、当該酸化膜のアニールを、比較
的低温でゆったりした加熱を行う炉アニールにて行うこ
とにより、酸化膜の膜質が向上する。そのため、その上
に窒化膜を成膜しアニールしても、窒化膜の原料ガスか
ら発生する水素の密着層への侵入が、酸化膜により防止
される。
の問題を解決することにより、金属よりなる抵抗膜のT
CRの低下を極力抑制することのできる薄膜式フローセ
ンサの製造方法を提供できる。
(1)の上に、下部絶縁膜(2)、密着層(7)、金属
よりなる抵抗膜(3、4、5)、絶縁性の酸化膜(8
1)、絶縁性の窒化膜(82)を順次成膜することによ
り、前記各膜が積層されてなる薄膜構造部(10)を形
成するようにしたフローセンサの製造方法において、窒
化膜を減圧CVDにより成膜することを特徴とする。
の経時変化を抑制することができる。
4の製造方法において、抵抗膜(3、4、5)を成膜し
た後、抵抗膜のアニールを、酸素を含む雰囲気中にて行
うことを特徴としており、請求項1の発明の効果と請求
項4の発明の効果を併せ持つフローセンサの製造方法を
提供できる。
4または請求項5に記載の製造方法において、酸化膜
(81)を成膜した後、酸化膜のアニールを炉アニール
にて行うことを特徴としており、請求項3の発明の効果
と請求項4の発明の効果、または、請求項1の発明の効
果と請求項3の発明の効果と請求項4の発明の効果を併
せ持つフローセンサの製造方法を提供できる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
について説明する。図1は、本実施形態に係るフローセ
ンサS1の斜視図であり、図2はこのフローセンサS1
の断面図であって、図1におけるA−A断面を模式的に
示す図である。
リコン等で形成された半導体基板より構成されている。
本例では、図2に示す様に、基板1には、一面(図中の
上面)から他面(図中の下面)へと貫通する空洞部1a
が形成されている。
を覆うように、下部絶縁膜2が形成されている。この下
部絶縁膜2は、絶縁性のシリコン窒化膜(SiN)やシ
リコン酸化膜(SiO2)等により構成することがで
き、本例では、下側からシリコン窒化膜21、シリコン
酸化膜22が順次形成されてなるものである。
温体(流量検出体)4、ヒータ(発熱体)5およびこれ
ら部材3〜5のリード部6が形成されている。これら部
材3〜5は、PtやNiCr、W等の金属(本例ではP
t)よりなる流量検出用の抵抗膜として構成されてお
り、本例では、図1に示す様に、蛇行形状にパターニン
グされている。また、図1に示すように、リード部6
は、抵抗膜3〜5よりも幅広の配線形状をなし、各抵抗
膜3〜5から基板1の端部に引き回されている。
5およびリード部6の下には、抵抗膜およびリード部形
状と同一形状にパターニングされたTi等の金属または
金属酸化物(本例ではTi)よりなる密着層7が介在設
定されており、抵抗膜3〜5およびリード部6と下部絶
縁膜であるシリコン酸化膜22とは、密着層7を介して
密着している。
は、流体の流れの方向(図1中の白抜き矢印で示す)に
対し、上流側からその順で配置されている。流体温度計
3は、流体の温度を検出するもので、ヒータ5の熱がそ
の温度検出に影響を及ぼさないようにヒータ5から十分
離隔した位置に配設されている。ヒータ5は、流体温度
計3で検出された温度より一定温度高い基準温度(例え
ば、流体温度計3で検出された温度より200℃高い温
度)になるように、図示しない制御回路によって制御さ
れる。
上には、上部絶縁膜8が形成されている。この上部絶縁
膜8は、本例では、下側から絶縁性のシリコン酸化膜8
1、絶縁性のシリコン窒化膜82が順次形成されてなる
ものである。
は、金やアルミ等よりなるパッド部9が形成されてお
り、このパッド部9を介してワイヤボンディング等によ
り、各抵抗膜3〜5は上記制御回路等に電気的に接続さ
れるようになっている。これらパッド部9は、上部絶縁
膜8に形成された開口部を介してリード部6に接続され
ている。
下部絶縁膜2、金属よりなる密着層7、金属よりなる抵
抗膜3〜5およびリード部6、上部絶縁膜8を順次成膜
することにより、これら各膜2〜8が積層されてなる薄
膜構造部10が形成されている。そして、特に、空洞部
1a上においては、上記測温体4およびヒータ5が下部
絶縁膜2と上部絶縁膜6とに挟まれて積層されたメンブ
レン11が形成されている。
度計3から得られる流体温度よりも一定温度高い温度に
なるようにヒータ5を駆動する。そして、流体が流れる
ことにより、図1の白抜き矢印で示す順流においては、
測温体4は熱を奪われて温度が下がり、白抜き矢印の逆
方向である逆流では熱が運ばれて温度が上がるため、こ
の測温体4と流体温度計3との温度差から流体の流量お
よび流れ方向を検出するものである。このとき、流体温
度計3および測温体4を形成している金属配線の抵抗値
変動から温度を測定(検出)している。
製造方法について具体的に説明する。図3は、本製造方
法を示す工程図であり、上記図2に対応した断面にて、
各製造工程におけるワークの状態を示している。
て単結晶のシリコン基板(Si原石)1を用意し、その
一面(表面)上に、プラズマCVD(PE−CVD)法
または減圧CVD(LP−CVD)法等によりシリコン
窒化膜21を成膜する。ここで、LP−CVDによって
成膜する場合には、ウェハ裏面(基板1の裏面)にもシ
リコン窒化膜が成膜されるが、本発明の本質とは関係な
いので図示はしない。
−CVD法等によりシリコン酸化膜22を成膜する。こ
れにより、下部絶縁膜2が成膜される(下部絶縁膜成膜
工程)。
の材料としてTi膜を蒸着法やスパッタ法等によりシリ
コン酸化膜22の上に堆積させ、その上に、抵抗膜3〜
5の材料としてPt膜を蒸着法やスパッタ法等によりに
堆積させる。なお、図3(c)では、Ti膜の上にPt
膜が積層されてなるPt/Ti膜7aとして示されてい
る。
囲気中にて行う。このPt膜のアニールは、本発明でい
う抵抗膜3〜5のアニールに相当するものであり、ラン
プを用いたRTA(ラピッド・サーマル・アニール)や
炉アニールにより、酸素を含む雰囲気中にて行う。例え
ば、N2/O2=10/1L/min(リットル/分)の
雰囲気にて900℃、60秒の条件、または、N2/O2
=10/10L/minの雰囲気にて1000℃、60
秒の条件にて行うことができる。
i膜7aを、フォトリソグラフ法を用いたイオンミリン
グによりエッチングし、抵抗膜3〜5およびリード部6
の形状にパターニングし、抵抗膜およびリード部3〜6
を形成する(抵抗膜成膜工程)。
〜5およびリード部6、下部絶縁膜2の上に、PE−C
VD法等によりシリコン酸化膜81を成膜した(上部酸
化膜成膜工程)後、このシリコン酸化膜81のアニール
を炉アニールにて行う(上部酸化膜アニール工程)。こ
の炉アニールは、例えば、780℃、4時間、または、
780℃、25時間の条件にて行うことができる。
VD(LP−CVD)法によりシリコン窒化膜82を成
膜する(上部窒化膜成膜工程)。この減圧CVDの条件
は、例えば、圧力0.2mTorr、成膜温度765℃
(SiH2Cl2:NH3=1:3)とすることができ
る。
が順次積層されてなる上部絶縁膜8が成膜される(上部
絶縁膜成膜工程)。その後、図3では示さないが、上記
抵抗膜3〜5のリード部6に上記パッド部9を形成する
ために上部絶縁膜8に開口を形成し、蒸着やスパッタ等
によりパッド部9を形成する。
面にマスク材(例えばシリコン酸化膜もしくはシリコン
窒化膜、図示せず)を形成し、エッチングして上記空洞
部1aに対応した開口部を形成した後、シリコン基板1
の裏面側をシリコン窒化膜21が露出するまで異方性エ
ッチングして空洞部1aを形成する。
液にTMAH(水酸化4メチルアンモニウム)を用いる
ことにより、シリコンに対してシリコン窒化膜21のエ
ッチング速度が非常に小さいため容易に止めることがで
きる。このようにして、図1、図2に示すフローセンサ
を適切に製造することができる。
膜としての抵抗膜3〜5およびリード部6を成膜した
後、これらPt膜3〜6のアニールを酸素を含む雰囲気
中にて行うこと(以下、抵抗膜の酸素アニールとい
う)、シリコン酸化膜81を成膜した後、当該酸化膜8
1のアニールを炉アニールにて行うこと(以下、上部酸
化膜の炉アニールという)、上部のシリコン窒化膜82
を減圧CVDにより成膜すること(以下、上部窒化膜の
減圧CVD成膜という)の3点が、特徴的な工程であ
る。次に、これら特徴的な工程の効果等について述べ
る。
アニール(Pt膜のアニール)は、膜中の粒径を大きく
して粒界の数を減らし、粒界抵抗を低減することでTC
R(抵抗温度係数)を向上させる目的で行われる。
行うことにより、アニールの熱によって密着層7を構成
する金属(本例ではTi)がPt膜(金属抵抗膜)3〜
6中に拡散するものの、雰囲気中からPt膜中の粒界
(白金粒界)を拡散してきた酸素と化合し、安定な金属
酸化物として凝縮するためTCRを低下させず、Pt粒
径の増加によってTCRを向上できると考えられる。
アニールの効果の一例を図4に示す。図4では、抵抗膜
の酸素アニールを行った場合(N2/O2=10/1L/
minの雰囲気にてRTAによる900℃、60秒のア
ニール条件)、抵抗膜のアニールを行わなかった場合
(アニール無し)、さらに、比較例として、従来一般に
行われていると思われる、酸素を含まない窒素雰囲気に
おけるアニールを行った場合(N2/O2=20/0L/
minの雰囲気にてRTAによる900℃、60秒のア
ニール条件)の各場合について調べた。
タ5、測温体4、補正温度計、流体温度計3におけるT
CR(単位:ppm/℃)を調べた。なお、上記補正温
度計は、図示されていないが、基板1において、抵抗膜
の一部として流体温度計3に隣接して設けられているも
のであり、上記Pt膜により形成されたものである。
る抵抗膜の酸素アニールを行った場合には、アニール無
しの場合に比べて、アニールによる抵抗膜(Pt膜)3
〜5のTCR向上効果が現れている。
は、アニールの熱によって密着層7を構成するTiが抵
抗膜3〜5中に一様に拡散すると考えられ、実際に、ア
ニールによって上記補正温度計を含む抵抗膜3〜5のT
CRが低下してしまっている。
ことにより、密着層が金属である場合において抵抗膜の
アニールによって抵抗膜3〜5のTCRが低下するとい
う問題を解決することができ、かつ、金属膜の粒径を増
加させることができるため、金属よりなる抵抗膜のTC
Rをアニールにより増加させることができる。
ルを、N2/O2=10/1L/minの雰囲気すなわち
酸素を9.1%以上含む雰囲気にて行っている。本発明
者等は、酸素を50%含む雰囲気および酸素が100%
の雰囲気についても、同様に、抵抗膜の酸素アニールの
効果を調べたが、図4と同様に、抵抗膜3〜5のTCR
の低下は見られず、アニールによりTCRを増加させる
ことができた。
ン酸化膜81のアニールは、当該酸化膜81の膜応力緩
和等の目的で行われるものである。そして、抵抗膜を被
覆するシリコン酸化膜81のアニールを、従来行われて
いたRTAに比べて低温でゆったりした加熱を行う炉ア
ニールにて行うことにより、シリコン酸化膜81の膜質
が緻密になると考えられる。
を減圧CVD法にて成膜しても、窒化膜の原料ガス(S
iH2Cl2やNH3等)から発生する水素は、緻密な膜
質を有するシリコン酸化膜81により透過を抑制され、
Pt膜3〜6へ侵入しにくくなる。
2は、熱平衡状態に近い減圧CVDにて成膜するため、
窒化膜82のアニールは行わないが、例えば、プラズマ
CVD法にて窒化膜82を成膜した場合は、当該窒化膜
のアニールを行うことがある。このように窒化膜82の
アニールを行った場合でも、それにより発生する水素の
Pt膜3〜6への侵入は抑制される。
記した抵抗膜の酸素アニールにより、金属酸化物(Ti
酸化物)としてPt膜中に凝縮している。
の侵入が大幅に抑制されるため、密着層7を構成する金
属酸化物は金属に還元されず、従って、密着層を構成し
ていた金属が、シリコン窒化膜82の成膜時またはアニ
ール時の熱により、抵抗膜3〜5中に拡散することが防
止される。また、このことは、密着層7に金属酸化物を
用いた場合も同様である。
化膜81の炉アニール(上部酸化膜の炉アニール)を行
うことの効果について、本発明者等が調べた一例を図
5、図6に示す。
たシリコン酸化膜81のアニールにおいて、炉アニール
の場合(780℃で4時間保持するアニール条件)と、
比較例として従来のRTAによるアニールの場合(10
00℃で60秒保持するアニール条件)とについて、シ
リコン酸化膜81の上にシリコン窒化膜82を減圧CV
D法にて成膜する前と後における抵抗膜3〜5のTCR
変化(ΔTCR、単位ppm/℃)を調べた結果を示す
図である。
実施形態において炉アニールを行った場合には、上部窒
化膜82の成膜前後におけるTCR低下量すなわちΔT
CRが、大幅に小さくなっている。
よって抵抗膜3〜5の抵抗値およびTCRの経時変化が
抑制される効果の具体例を示す図である。図6では、プ
ラズマCVD法にて成膜されアニールされたシリコン酸
化膜81の上にシリコン窒化膜82を減圧CVD法にて
成膜した場合について、(a)シリコン酸化膜81のア
ニールをRTAで行った場合、(b)シリコン酸化膜8
1のアニールを炉アニールで行った場合を示す。
合について多数のセンサを作成し、これらを120℃の
オーブンに入れ、ヒータ5に14mAの電流を通電し発
熱させるという、実用上かなり厳しい条件にて耐久試験
を行った。この耐久試験において、一定時間(例えば1
00時間)毎に、抵抗膜3〜5の抵抗値およびTCRを
測定し、感度(センサ特性)に換算し、耐久時間(単
位:時間)に対する特性変化(初期感度からの感度変
化、単位:%)を表してある。
ニールを行うことにより、上部酸化膜8をRTAする場
合に比べて、センサ特性の経時変化(低下)が大幅に低
減されている。つまり、上部酸化膜の炉アニールによ
り、抵抗値およびTCRの経時変化を大幅に低減できる
と言える。
うことにより、その上の窒化膜82の成膜やアニールに
よって抵抗膜3〜5のTCRが低下するという問題、お
よび、抵抗膜3〜5の抵抗値やTCRの経時変化という
問題を解決することができる。
部シリコン窒化膜は、一般にプラズマCVD法により成
膜されていたが、本実施形態では、より高温であって熱
平衡状態で成膜する減圧CVD法により、上部のシリコ
ン窒化膜82を形成する。
減圧CVDの効果の一例を図7に示す。上記製造方法に
おいて、密着層7の上に抵抗膜3〜5を構成するPt膜
の成膜(Pt/Ti成膜)、当該Pt膜の酸素アニール
(Ptアニール)、Pt/Ti膜のパターニング、上部
のシリコン酸化膜81の成膜(SiO2成膜)、上部酸
化膜のRTA(SiO2アニール)を順次行う。
化膜82の成膜(SiN成膜)を、減圧CVDにより行
いアニールは行わない場合(LP−CVD)と、比較例
として(b)プラズマCVDとその後のアニールは行わ
ない場合(PE−CVD)とした。そして、図7では、
センサ特性の経時変化を測定した。
膜82の成膜を減圧CVD(LP−CVD)で行うこと
により、上部シリコン窒化膜の成膜を減圧CVD(PE
−CVD)にて行う場合に比べて、センサ特性の経時変
化が大幅に低減されている。つまり、上部窒化膜の減圧
CVDによる成膜により、抵抗値およびTCRの経時変
化を大幅に低減できると言える。
うことにより、金属よりなる抵抗膜のTCRの低下を極
力抑制することができる。ここまでが、抵抗膜の酸素ア
ニール、上部酸化膜の炉アニール、上部窒化膜の減圧C
VD成膜といった3つの特徴的な工程の効果等の説明で
ある。
べた製造方法では、上記3つの特徴的な工程を全て採用
しているが、例えば、密着層7が、従来用いられている
ような金属酸化物である場合、抵抗膜3〜5のアニール
はRTAで行い、その後は、上部酸化膜の炉アニール工
程または上部窒化膜の減圧CVD工程だけ採用しても良
い。いずれにせよ、場合によって、上記3つの特徴的な
工程のうちの2つの工程あるいは1つの工程のみを採用
した製造方法としても良い。
である。
示す工程図である。
具体的効果を示す図である。
の具体的効果を示す図である。
抑制の具体的効果を示す図である。
抑制の具体的効果を示す図である。
体、5…ヒータ、7…密着層、8…上部絶縁膜、10…
薄膜構造部、81…シリコン酸化膜、82…シリコン窒
化膜。
Claims (6)
- 【請求項1】 基板(1)の上に、下部絶縁膜(2)、
金属よりなる密着層(7)、金属よりなる抵抗膜(3、
4、5)、上部絶縁膜(8)を順次成膜することによ
り、前記各膜が積層されてなる薄膜構造部(10)を形
成するようにしたフローセンサの製造方法において、 前記抵抗膜を成膜した後、前記抵抗膜のアニールを、酸
素を含む雰囲気中にて行うことを特徴とするフローセン
サの製造方法。 - 【請求項2】 前記雰囲気は、酸素を9.1%以上含む
雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載のフロー
センサの製造方法。 - 【請求項3】 基板(1)の上に、下部絶縁膜(2)、
密着層(7)、金属よりなる抵抗膜(3、4、5)、絶
縁性の酸化膜(81)、絶縁性の窒化膜(82)を順次
成膜することにより、前記各膜が積層されてなる薄膜構
造部(10)を形成するようにしたフローセンサの製造
方法において、前記酸化膜を成膜した後、前記酸化膜の
アニールを炉アニールにて行うことを特徴とするフロー
センサの製造方法。 - 【請求項4】 基板(1)の上に、下部絶縁膜(2)、
密着層(7)、金属よりなる抵抗膜(3、4、5)、絶
縁性の酸化膜(81)、絶縁性の窒化膜(82)を順次
成膜することにより、前記各膜が積層されてなる薄膜構
造部(10)を形成するようにしたフローセンサの製造
方法において、 前記窒化膜を減圧CVDにより成膜することを特徴とす
るフローセンサの製造方法。 - 【請求項5】 前記抵抗膜(3、4、5)を成膜した
後、前記抵抗膜のアニールを、酸素を含む雰囲気中にて
行うことを特徴とする請求項4に記載のフローセンサの
製造方法。 - 【請求項6】 前記酸化膜(81)を成膜した後、前記
酸化膜のアニールを炉アニールにて行うことを特徴とす
る請求項4または5に記載のフローセンサの製造方法。
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02226017A (ja) * | 1988-12-23 | 1990-09-07 | Honeywell Inc | 薄膜白金素子用接着層を有するセンサ構造 |
JPH07320907A (ja) * | 1994-05-24 | 1995-12-08 | Oki Electric Ind Co Ltd | フローセンサの製造方法 |
JPH11142201A (ja) * | 1997-11-07 | 1999-05-28 | Yamatake Corp | 検出器 |
JPH11271123A (ja) * | 1998-03-20 | 1999-10-05 | Denso Corp | マイクロヒータおよびその製造方法ならびにエアフローセンサ |
-
2001
- 2001-07-19 JP JP2001220173A patent/JP4686922B2/ja not_active Expired - Fee Related
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