JP4457800B2 - フローセンサおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、基板に薄肉部としてのメンブレンを形成してなる半導体センサおよびその製造方法に関するものである。
従来、フローセンサとして、例えば特許文献1に示されるものが知られている。このフローセンサは、基板上に絶縁膜を介してヒータおよび配線層を構成する抵抗体を形成した構成となっている。このフローセンサにおける抵抗体は、アモルファスシリコンを成膜したのち、1050℃以上の温度でアモルファスシリコン内に不純物を熱拡散させることでアモルファスシリコンを半導体層とし、さらに、この半導体層をパターニングすることで形成される。
特許第3468731号公報
しかしながら、上記特許文献1に示される手法によってヒータおよび配線層を構成する抵抗体を形成する場合、アモルファスシリコンの成膜を低温で行わなければならないことから、アモルファスシリコンの成長レートが非常に遅く、成膜時間が長くなるという問題がある。
また、アモルファスシリコンに不純物を熱拡散させるために必要とされる1050℃以上の熱処理は、メンブレンを形成するための絶縁膜として用いられるシリコン窒化膜(SiN膜)にクラックを発生させたり、基板にスリップを発生させたりするという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、ヒータおよび配線層を構成する抵抗体の成膜時間を短縮できるようにすることを目的とする。
また、メンブレンを形成するための絶縁膜にクラックが生じたり、絶縁膜と基板との間にスリップが発生したりすることを防止することも目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体を形成する工程は、絶縁膜(13)の上にポリシリコンを成膜する工程と、ポリシリコンに不純物を熱拡散させる工程とを含み、不純物を熱拡散させる工程を980℃以上1050℃以下でかつ65分以上とすることを特徴としている。
このように、ポリシリコンを成膜し、このポリシリコンに不純物を熱拡散させることで抵抗体を形成している。このため、1050℃以下という低温で不純物の熱拡散を行うことが可能となり、メンブレンを構成する絶縁膜にクラックが生じたり、基板にスリップが生じることを防止することができる。
また、不純物を熱拡散させる工程を980℃以上とすることで、抵抗体を構成する粒の粒径を大きくすることができ、抵抗温度係数TCRが1000[ppm/℃]となるようにすることができる。
さらも、不純物の熱拡散時間を65分以上とすることにより、抵抗体の抵抗比のバラツキを抑制することができる。これにより、抵抗温度係数TCRの比のバラツキを抑制することが可能となる。
請求項に記載の発明では、不純物を熱拡散させる工程を120分以下とすることを特徴としている。
このように、不純物の熱拡散時間を120分以下とすることで、抵抗体内にボイドが発生することを抑制することが可能となる。
請求項に記載の発明では、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体の粒径が1μm以上となっており、かつ、ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキが18未満となっていることを特徴としている。
このように、抵抗体の粒径を1μm以上とし、かつ、ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキを18未満とすることで、抵抗温度係数TCRが1000[ppm/℃]となるようにしつつ、抵抗体の抵抗比のバラツキを抑制することが可能となる。
請求項に記載の発明では、ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキが12未満となっていることを特徴としている。
このように、ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキを12未満とすれば、より抵抗体の抵抗比のバラツキを抑制することができる。
請求項に記載の発明では、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体の粒径が1μm以上となっており、かつ、ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキを該ヒータ(15a、15b)の長さで割った値が0.045[1/μm]未満となっていることを特徴としている。
このように、抵抗体の粒径を1μm以上とし、かつ、ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキを該ヒータ(15a、15b)の長さで割った値を0.045[1/μm]未満とすれば、抵抗温度係数TCRを1000[ppm/℃]という高い値にしつつ、粒の個数バラツキを抑えることが可能となる。
請求項に記載の発明では、ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキを該ヒータ(15a、15b)の長さで割った値が0.030[1/μm]未満となっていることを特徴としている。
このように、抵抗比バラツキが0.030[1/μm]未満とすることにより、さらに粒の個数バラツキを抑えることが可能となる。
ここで、請求項3、5、7、9では、ヒータ(15a、15b)に着目しているが、請求項4、6、8、10に示されるように、温度計(16a〜16c)についても同様である。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態を適用したフローセンサS1の概略平面構成を示す図であり、図2は、図1中のA−A線に沿ったフローセンサS1の概略断面構成を示す図である。
フローセンサS1は、半導体基板となるシリコン基板10をベースに形成される。このシリコン基板10には、空洞部10aが形成されており、この空洞部10aが形成された部位においてメンブレンが構成される。
そして、図2に示されるように、シリコン基板10には、主表面10bと裏面10dがある。空洞部10aは、シリコン基板10の裏面10c側を開口部10cとし、シリコン基板10の裏面10c側から主表面10b側へ向かって凹んだ凹部として構成されている。
また、図2に示されるように、シリコン基板10の主表面10b上には、シリコン窒化膜(SiN膜)11、シリコン酸化膜(SiO2膜)12が積層された絶縁膜13が形成されている。この絶縁膜13の表面には、ポリシリコンに不純物を熱拡散させたことによって形成された半導体層14がパターニングされており、この半導体層14により、ヒータ15a、15bとセンシング部となる温度計16a〜16cおよび配線層17a〜17hを構成する抵抗体が形成されている。
この半導体層14は、BPSGからなる絶縁膜18によって覆われ、この絶縁膜18の所定部位に形成されたコンタクトホールを通じて、アルミニウムなどで構成されたパッド19a〜19hに電気的に接続されている。
また、絶縁膜18の表面において、シリコン基板10のほぼ全域を覆うようにシリコン窒化膜20が形成され、フローセンサS1の表面が保護されている。このシリコン窒化膜20におけるパッド19a〜19hと対応する部位には、開口部が形成されており、この開口部を通じてパッド19a〜19hに対してワイヤボンディングが行われることで、フローセンサS1の外部に備えられる制御回路に電気的に接続されるようになっている。
そして、シリコン基板10における裏面側には、シリコン窒化膜21が形成されている。このシリコン窒化膜21のうちシリコン基板10の空洞部10aと対応する位置には開口部が形成されている。
このような構造により、フローセンサS1が構成されている。
続いて、このようなフローセンサS1における空気流量の検出動作の一例について説明する。
ヒータ15a、15bは、制御回路によって駆動され、例えば温度計16a〜16cが150℃となるように制御される。具体的には、制御回路からパッド19b、19cおよび配線層17b、17cを通じてヒータ15aに電流が流されると共に、パッド19f、19gおよび配線層17f、17gを通じてヒータ15bに電流が流される。これにより、所定の線幅で構成された各ヒータ15a、15bが加熱され、これによって雰囲気温度が上昇する。
このとき、各温度計16aの抵抗値が雰囲気温度に応じて変動する。このため、温度計16aの抵抗値変化に伴う電流量変化がパッド19a、19bおよび配線層17a、17bを通じて、また、温度計16bの抵抗値変化に伴う電流量変化がパッド19g、19hおよび配線層17g、17hを通じて、さらに、温度計16cの抵抗値変化に伴う電流量変化が、パッド19d、19eおよび配線層17d、17eを通じて、それぞれ制御回路に入力されることになる。これにより、制御回路側で、各温度計16a〜16cそれぞれの位置の温度が検出されることになる。
したがって、制御回路側で、各温度計16a〜16cで検出される温度が150℃となるように、各ヒータ15aに流す電流量がフィードバック制御され、このときの電流量に基づいて空気流量および空気の流れの方向が検出される。
例えば、図1中の白抜き矢印方向から空気が流れてくるとする。ここで、上述したように、ヒータ15a、15bによって雰囲気温度が上昇させられるため、温度計16a〜16cは、雰囲気温度に応じた抵抗値となる。
このとき、空気が流れることにより、温度計16aは熱を奪われて温度が下がるため、制御回路がヒータ15aにてさらに雰囲気温度を上昇させようとヒータ15aへの通電量を大きくする。
逆に、ヒータ15aの加熱によってヒータ15bも加熱され、また、これらヒータ15a、15bによって雰囲気温度が高くされた空気が温度計16bの方に流れていくため、温度計16bに関しては、温度計16aと比べて熱の奪われ方が異なる。そして、このような温度計16a〜16cの熱の奪われ方は、空気の流量に応じたものとなる。
したがって、制御回路は、ヒータ15aおよびヒータ15bへの通電量に基づいて、空気の流量および流れの方向を検出することが可能となる。
続いて、本実施形態で示されるフローセンサS1の製造方法について、図3に示す製造工程図を参照して説明する。
〔図3(a)に示す工程〕
まず、半導体基板としてのシリコン基板10を用意する。このときのシリコン基板10には、まだ空洞部10aが形成されていないものとなっている。
〔図3(b)に示す工程〕
シリコン基板10における主表面10b上に、LP−CVD法によってシリコン窒化膜11を例えば0.35μm程度デポジションしたのち、AP−CVD法によってシリコン酸化膜12を例えば0.2μm程度デポジションすることで、絶縁膜13を形成する。その後、アニール処理を施すことにより、シリコン酸化膜12の緻密化を行う。
〔図3(c)に示す工程〕
LP−CVD法によってポリシリコン(Poly−Si)を例えば0.74μm程度成膜する。そして、気相拡散によってポリシリコン内に不純物を熱拡散させる。このとき、不純物の熱拡散の温度を980℃以上かつ1050℃以下としており、不純物の熱拡散の時間を30分以上かつ120分以下としている。
このような不純物の熱拡散温度および熱拡散時間としている理由について、図4〜図9を参照して説明する。
図4は、例えば1000℃で不純物の熱拡散を行った場合における熱拡散時間と抵抗温度係数TCRとの関係を調べたものである。この図に示されるように、抵抗温度係数TCRとして1000[ppm/℃]が要求される場合、不純物の熱拡散時間として30分以上の時間が必要とされる。
また、不純物が拡散された後の半導体層14のキャリア濃度が3.5×1020cm−3であった場合、抵抗温度係数TCRが半導体層14を構成する粒(粒界)の径(以下、粒径という)と1対1の関係にあることが確認された。具体的には、粒径と抵抗温度係数TCRとの関係は図5に示されるものとなり、粒径が1μm以上になると抵抗温度係数TCRが1000[ppm/℃]となる。
したがって、上述したように、不純物の熱拡散時間として30分以上が必要となる。ただし、以下の考察に基づき、不純物の熱拡散時間を65分以上とするのがより好ましい。
図6は、例えば1000℃で不純物の熱拡散を行った場合における熱拡散時間と粒径およびヒータ長当たりの粒の個数のバラツキについて測定した結果を示した図である。このときの粒の個数のバラツキの測定は、不純物の熱拡散を行ったポリシリコンのSEM写真を撮影し、そのSEM写真上にヒータ15a、15bの長さに相当する直線を複数本(例えば10本程度)引いた後、各直線が横切る粒の数を数え、その数の3σ(ただしσは標準偏差)を計算することで行っている。
この図に示されるように、粒の個数のバラツキは、不純物の熱拡散時間と相関関係があることが確認された。具体的には、図6に示されるように粒の個数のバラツキは、50分付近まで急激に増大し、その後、急激に減少して65分程度で粒の個数バラツキが18、つまり最大値の半分程度となり、それ以降徐々に減少して粒の個数バラツキが12程度まで低下して十分に低い値となり、その後、粒の個数バラツキが10以下となって一定となる。したがって、上述したように、不純物の熱拡散温度を65分以上とするのが好ましく、このように粒の個数バラツキを小さくできることにより、半導体層14によって構成される抵抗体の抵抗比のバラツキを小さくすることも可能となる。
さらに、この不純物の熱拡散時間と不純物層14の抵抗比との間に相関関係があることが確認された。
上述したように、本実施形態のフローセンサS1では、上流と下流に配置された2本のヒータ15a、15bおよび3つの温度計16a〜16cを有した構成となっており、これらが不純物層14、つまり抵抗体で構成されている。
これら抵抗体同士の抵抗値の比が各チップ毎で異なり、バラツキが大きいと、チップ作製後に実施される回路調整の手間が増大し、製品コストの増大に繋がることになる。これは、本実施形態の構成のフローセンサS1に限らず、抵抗体を2つ以上有するフローセンサについて同様のことが言える。
そして、不純物の熱拡散時間と2本の抵抗体の抵抗比との間の相関関係を調べたところ、図7に示される結果が得られ、2本の抵抗体の抵抗比は抵抗体の長さに含まれる粒界のバラツキとほぼ1対1に比例することが判った。つまり、図8に示す抵抗体に電流を流したときの模式図で示されるように、抵抗体の抵抗値が粒界の数に依存していると推定され、抵抗体の粒界のバラツキに応じて2本の抵抗体の抵抗比にバラツキが生じているものと考えられる。
なお、抵抗体として構成されるヒータ15a、15bおよび温度計16a〜16cの抵抗値が、抵抗値=粒内の抵抗値+粒界の抵抗値として表されることから、図7に示す結果はリーズナブルである。
また、このとき、抵抗比バラツキが次式
(抵抗比バラツキ)∝(ヒータ長当たりの粒の個数バラツキ)/(ヒータ長)
に従うことから、上述したように、ヒータ長当たりの粒の個数バラツキが18程度となるということは、この場合のヒータ長が400μmであることを考慮すれば、単位長さ当たりの粒の個数のバラツキが0.045[1/μm]未満であるということと同義であり、このようにすればより一般的にあらゆる長さのヒータの抵抗比バラツキを抑制することが可能となる。このように、抵抗比バラツキが0.045[1/μm]未満とすることにより、抵抗温度係数TCRを1000[ppm/℃]という高い値にしつつ、粒の個数バラツキを抑えることが可能となる。
さらに、ヒータ長当たりの粒の個数バラツキが12未満となるということは、この場合のヒータ長が400μmであることを考慮すれば、単位長さ当たりの粒の個数のバラツキが0.030[1/μm]未満であるということと同義であり、このようにすればより一般的にあらゆる長さのヒータの抵抗比バラツキを抑制することが可能となる。
さらに、不純物の熱拡散時間および熱拡散温度を様々に変化させ、そのときのポリシリコン内の粒の様子を調べてみた。その結果を図9に示す。
図9(a)は、不純物の熱拡散時間および熱拡散温度を様々に変化させて実験を行ったときの点を数点ピックアップして示したものである。この図中のマル印は粒の大きさが適したものであった場合を示しており、バツ印は粒の大きさが適していなかったなど、抵抗体として不具合がある場合を示している。また、図9(b)〜(d)は、図9(a)における点A、点Bおよび点Cにおける粒の拡大図である。
図9(a)〜(d)に示されるように、不純物の熱拡散時間が30分以上であれば粒の大きさとしては適したものとなっている。しかしながら、不純物の熱拡散時間が120分を超えると、粒の境界部などにボイドが形成され、抵抗体の抵抗値が高くなるなどの問題が発生する。
また、不純物の熱拡散温度が980℃未満の場合には、粒径が非常に小さな粉状となり、熱拡散がし難くなるため、適さない。さらに、不純物の熱拡散温度が1050℃を超えると、メンブレンを構成するシリコン窒化膜11にクラックが生じたり、シリコン窒化膜11とシリコン基板10との間にスリップが生じるなどの問題が発生する。
したがって、不純物の熱拡散の温度を980℃以上かつ1050℃以下とし、不純物の熱拡散の時間を30分以上かつ120分以下とするのが好ましい。
〔図3(d)に示される工程〕
不純物を熱拡散させたときに半導体層14の表面に形成されたリンガラスを除去した後、半導体層14をパターニングする。これにより、ヒータ15a、15bとセンシング部となる温度計16a〜16cおよび配線層17a〜17hが構成される。このとき、例えば、ヒータ15a、15bに関しては、線幅が10μm程度となるようにする。
続いて、半導体層14の表面の安定化のために、半導体層14の表面を微少量酸化させたのち、BPSG層をデポジションすることで絶縁膜18を形成し、アニール処理を行った後、フォトエッチング工程によって絶縁膜18にコンタクトホールを形成する。
そして、アルミニウムをデポジションしたのち、フォトエッチング工程によってアルミニウムをパターニングすることでパッド19a〜19hが形成される。
〔図3(e)に示される工程〕
シリコン基板10の主表面10b側の全面に、PE−CVD法によって例えば3.2μm程度のシリコン窒化膜20をデポジションする。そして、フォトエッチング工程によってシリコン窒化膜20の所定位置を開口させることで各パッド19a〜19hを露出させる。その後、パッシベーションアニール処理を行う。
次いで、シリコン基板10の裏面10dを研削、研磨した後、その表面にPE−CVD法によって例えば0.5μm程度のシリコン窒化膜21をデポジションする。そして、フォトエッチング工程によってシリコン窒化膜21の所定部位を開口させる。
〔図3(f)に示される工程〕
シリコン窒化膜21をマスクとしてシリコン基板10の露出部分をエッチングすることで、シリコン基板10に空洞部10aを形成する。これにより、図1、図2に示される本実施形態のフローセンサS1が完成する。
以上説明したように、本実施形態のフローセンサS1では、抵抗体を構成する半導体層14を形成する際の不純物の熱拡散温度を1050℃以下としている。このため、シリコン窒化膜11にクラックが生じたり、シリコン窒化膜11とシリコン基板10との間にスリップが生じることを防止することができる。
また、不純物の熱拡散温度を980℃以上としている。このため、半導体層14を構成する粒の粒径を大きくすることができ、抵抗温度係数TCRが1000[ppm/℃]となるようにすることができる。
また、不純物の熱拡散時間を30分以上としている。このため、半導体層14を構成する粒の粒径を大きくすることができ、抵抗温度係数TCRが1000[ppm/℃]となるようにすることができる。
そして、不純物の熱拡散時間を好ましくは65分とすることにより、半導体層14によって構成される抵抗体の抵抗比のバラツキを抑制することができ、これにより、抵抗温度係数TCRの比のバラツキを抑制することが可能となる。
さらに、不純物の熱拡散時間を120分以下としている。このため、半導体層14によって構成される抵抗体内にボイドが発生することを抑制することが可能となる。
なお、このような半導体層14を粒径の大きなポリシリコンによって形成していることから、不純物の熱拡散温度を980〜1050℃という低温に抑えることが可能となる。したがって、半導体層14よりも下層にシリコン窒化膜11が配置されるようなプロセスにおいて、特に有効である。
以上、フローセンサを例に挙げて説明してきたが、この技術は必ずしもフローセンサに限らず、他のセンサ、例えばヒータを有するガスセンサにも使用可能である。また、ヒータを持たず、温度計のみを持つ温度センサ、赤外線センサ等にも使用可能である。フローセンサとして使用する場合においても、吸気管内の空気流量を測定するフローセンサに適した技術であるのはもちろんであるが、その他の気体を測定するフローセンサにも適用できるし、液体を測定するためのフローセンサとしても使用可能である。
また、上記実施形態では、ヒータ15a、15bの長さ当たりの粒の個数のバラツキやその粒の個数のバラツキをヒータ15a、15bの長さで割った値について説明しているが、温度計15a、15bに関しても同様のことが言える。
また、上記実施形態では、ヒータ15a、15b、温度計16a〜16cおよび配線層17a〜17hを構成する抵抗体の粒径を1μm以上とし、温度計15a、15bやヒータ15a、15bの長さ当たりの粒の個数のバラツキやその粒の個数のバラツキを温度計15a、15bやヒータ15a、15bの長さで割った値を規定している。
しかしながら、少なくとも、ヒータ(15a、15b)、温度計16a〜16cおよび配線層17a〜17hを構成する抵抗体の粒径が3.5μm以上となっていれば良い。これは、図6によれば不純物を熱拡散させる工程を65分以上行うことと同じであり、これにより高TCRを得ること、および抵抗体の抵抗比のバラツキを抑制することが可能となる。
また、この場合、ヒータ15a、15b、温度計16a〜16cおよび配線層17a〜17hを構成する抵抗体の粒径が5.8μm以下となるようにすると好ましい。これは、図6によれば不純物を熱拡散させる工程を120分以下とすることと同じであり、抵抗体内にボイドが発生することを抑制することが可能となる。
本発明の第1実施形態におけるエアフローセンサの正面概略図である。 図1に示すエアフローセンサのA−A断面図である。 図1に示すエアフローセンサの製造工程を示す図である。 1000℃で不純物の熱拡散を行った場合における熱拡散時間と抵抗温度係数TCRとの関係を調べた結果を示した図である。 粒径と抵抗温度係数TCRとの関係を示した図である。 1000℃で不純物の熱拡散を行った場合における熱拡散時間と粒径およびヒータ長当たりの粒の個数のバラツキについて測定した結果を示した図である。 不純物の熱拡散時間と2本の抵抗体の抵抗比との間の相関関係を示した図である。 抵抗体に電流を流したときの模式図である。 (a)は、不純物の熱拡散時間および熱拡散温度を様々に変化させて実験を行ったときの点を数点ピックアップして示した図であり、(b)〜(d)は、(a)における点A、点Bおよび点Cにおける粒の拡大図である。
符号の説明
S1…エアフローセンサ、10…シリコン基板、10a…空洞部、10b…主表面、10c…開口部、10d…裏面、11…シリコン窒化膜、12…シリコン酸化膜、13…絶縁膜、14…半導体層、15a、15b…ヒータ、16a〜16c…温度計、17a〜17h…配線層、18…絶縁膜、19a〜19h…パッド、20、21…シリコン窒化膜。

Claims (10)

  1. 空洞部(10c)が形成された基板(10)と、
    前記基板(10)の主表面(10b)側において、前記空洞部(10c)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体としての半導体層(14)とを有し、
    前記基板(10)における前記空洞部(10c)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成されてなるフローセンサの製造方法において、
    前記ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体を形成する工程は、
    前記絶縁膜(13)の上にポリシリコンを成膜する工程と、
    前記ポリシリコンに不純物を熱拡散させる工程とを含み、
    前記不純物を熱拡散させる工程を980℃以上1050℃以下でかつ65分以上とすることを特徴とするフローセンサの製造方法。
  2. 前記不純物を熱拡散させる工程を120分以下とすることを特徴とする請求項1に記載のフローセンサの製造方法。
  3. 空洞部(10c)が形成された基板(10)と、
    前記基板(10)の主表面(10b)側において、前記空洞部(10c)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体としての半導体層(14)とを有し、
    前記基板(10)における前記空洞部(10c)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成されてなるフローセンサにおいて、
    前記ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体の粒径が1μm以上となっており、かつ、前記ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキが18未満となっていることを特徴とするフローセンサ。
  4. 空洞部(10c)が形成された基板(10)と、
    前記基板(10)の主表面(10b)側において、前記空洞部(10c)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体としての半導体層(14)とを有し、
    前記基板(10)における前記空洞部(10c)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成されてなるフローセンサにおいて、
    前記ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体の粒径が1μm以上となっており、かつ、前記温度計(16a〜16c)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキが18未満となっていることを特徴とするフローセンサ。
  5. 前記ヒータ(15a、15b)の長さ当たりの粒の個数のバラツキが12未満となっていることを特徴とする請求項に記載のフローセンサ。
  6. 前記温度計の長さ当たりの粒の個数のバラツキが12未満となっていることを特徴とする請求項に記載のフローセンサ。
  7. 空洞部(10c)が形成された基板(10)と、
    前記基板(10)の主表面(10b)側において、前記空洞部(10c)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体としての半導体層(14)とを有し、
    前記基板(10)における前記空洞部(10c)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成されてなるフローセンサにおいて、
    前記ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体の粒径が1μm以上となっており、かつ、前記ヒータ(15a、15b)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキを該ヒータ(15a、15b)の長さで割った値が0.045[1/μm]未満となっていることを特徴とするフローセンサ。
  8. 空洞部(10c)が形成された基板(10)と、
    前記基板(10)の主表面(10b)側において、前記空洞部(10c)を覆うように形成された絶縁膜(13)と、
    前記絶縁膜(13)の上において、ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体としての半導体層(14)とを有し、
    前記基板(10)における前記空洞部(10c)に形成された前記絶縁膜(13)をメンブレンとして構成されてなるフローセンサにおいて、
    前記ヒータ(15a、15b)、温度計(16a〜16c)および配線層(17a〜17h)を構成する抵抗体の粒径が1μm以上となっており、かつ、前記温度計(16a〜16c)の長さに相当する直線が横切る粒の数の標準偏差の3倍で定義される粒の個数のバラツキを該温度計(16a〜16c)の長さで割った値が0.045[1/μm]未満となっていることを特徴とするフローセンサ。
  9. 前記ヒータ(15a、15b)の長さ当たりの粒の個数のバラツキを該ヒータ(15a、15b)の長さで割った値が0.030[1/μm]未満となっていることを特徴とする請求項に記載のフローセンサ。
  10. 前記温度計(16a〜16c)の長さ当たりの粒の個数のバラツキを該温度計(16a〜16c)の長さで割った値が0.030[1/μm]未満となっていることを特徴とする請求項に記載のフローセンサ。
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