JP4590790B2 - 半導体センサの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空洞部を有する半導体基板の空洞部上に薄膜構造部を形成してなる半導体センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板の空洞部上に薄膜構造部(メンブレン)を形成してなる半導体センサは、熱型のフローセンサ、赤外線センサ、ガスセンサ、圧力センサ等に、幅広く適用されている。この半導体センサの従来の一般的な製造方法について、フローセンサの例として図6に示す。
【0003】
まず、シリコン基板(半導体基板)1の一面上に、スパッタやプラズマCVD法により下部絶縁膜2を形成し(図6(a))、その上に、流量検出体やヒータ等よりなる金属膜4、5をパターニング形成し、さらに、その上に、スパッタやプラズマCVD法により上部絶縁膜6を形成する(図6(b))。こうして、基板1の一面上に薄膜構造部10が形成される。
【0004】
次に、シリコン基板1の他面にスパッタやプラズマCVD法により、シリコン基板1の他面を被覆する絶縁層J7を形成し(図6(c))、この絶縁層J7に対してエッチングにより空洞部1aを形成すべき部位に開口部を設ける(図6(d))。これにより、当該絶縁層J7がマスクとして形成される。
【0005】
そして、マスクJ7が形成されたシリコン基板1の他面側から基板1をエッチングすることにより、空洞部1aを形成する(図6(e))。以上のようにして、半導体センサを製造していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者は、このような半導体センサにおいて、膜中のピンホールを低減する等、薄膜構造部10の特性を高めるため、薄膜構造部10の構成膜として、緻密な膜質の実現が可能な減圧CVD(LP−CVD)法にて形成されたもの(例えば、LP−SiN膜)を用いようとしている。そして、プロセスや製造装置の共有化の観点から、半導体基板における空洞部形成用のマスクJ7としても、LP−CVD法による膜を用いることを考えた。
【0007】
しかしながら、LP−CVD法による膜は応力(引っ張り応力または圧縮応力)が大きい。例えば、上記LP−SiN膜のように引っ張り応力が強い(約1200MPa程度)膜を上記マスクJ7として用いたところ、図7(上記図6(e)の下視図相当)に示す様に、シリコン基板1が変形し、空洞部1aの開口形状がゆがんで、薄膜構造部10の形状に異常(メンブレン形状異常)をきたしたり、ひび割れが生じたりといった問題が生じた。
【0008】
また、従来のように、マスクJ7がスパッタやプラズマCVDにより形成された膜であっても、このような膜は成膜条件等により膜応力が大きくばらつくため、結果、強い膜応力が発生した場合、上記した問題が発生することがある。
【0009】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、半導体基板の空洞部上に薄膜構造部を形成してなる半導体センサの製造方法において、空洞部形成用のマスクの膜応力を低減し、半導体基板の変形を極力抑制することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空洞部(1a)を有する半導体基板(1)の前記空洞部上に薄膜構造部(10)を形成してなる半導体センサの製造方法において、半導体基板の一面側に薄膜構造部を形成する第1の工程と、半導体基板の他面側に、半導体基板の他面を被覆しつつ空洞部を形成すべき部位に開口部を有するマスクを形成する第2の工程と、マスクが形成された半導体基板の他面側から半導体基板をエッチングすることにより空洞部を形成する第3の工程とを備え、
第1の工程は、マスクを構成する膜部材として、膜応力が圧縮応力を有する膜(71)と膜応力が引っ張り応力を有する膜(72、73)とが積層され、膜応力が500MPa以下の積層膜(7a)を形成すると同時に、積層膜(7a)と同一の積層構造を有する薄膜構造部を形成することを特徴とする。
【0011】
本発明のように、空洞部形成用のマスクとして、膜応力が500MPa以下といった弱い引っ張り応力または圧縮応力を有する膜部材を用いることにより、空洞部形成用のマスクの膜応力を低減し、半導体基板の変形を極力抑制することができる。
【0015】
また、本発明によれば、積層膜(7a)を形成すると同時に、積層膜(7a)と同一の積層構造を有する薄膜構造部を形成しており、第1の工程(薄膜構造部を形成する工程)において、第2の工程(マスクを形成する工程)の一部を同時に行うことができるため、工程の簡略化が図れる。
【0016】
また、請求項に記載の発明では、請求項2に記載の発明のように、第1の工程において、圧縮応力を有する膜として減圧CVD法または熱酸化法によりシリコン酸化膜(71)を成膜し、引っ張り応力を有する膜として減圧CVD法によりシリコン窒化膜(72、73)を成膜するとともに、シリコン窒化膜(72、73)の膜厚に対するシリコン酸化膜(71)の膜厚の比を2.5以上として、積層膜(7a)を形成することができる。
【0021】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の半導体センサをフローセンサに具体化したものとして説明する。図1は、本実施形態に係るフローセンサS1の斜視図であり、図2はこのフローセンサS1の断面図であって、図1におけるA−A断面を模式的に示す図である。
【0023】
1は、半導体基板であり、本例では単結晶シリコン等で形成されたシリコン基板より構成されている。図2に示す様に、半導体基板1には、一面(図中の上面)から他面(図中の下面)へと貫通する空洞部1aが形成されている。
【0024】
半導体基板1の一面上には、空洞部1a上を覆うように、下部絶縁膜2が形成されている。この下部絶縁膜2は、シリコン窒化膜(SiN)やシリコン酸化膜(SiO2)等よりなるものである。
【0025】
下部絶縁膜2の上には、流体温度計3および流量検出体(測温体)4が形成されるとともにヒータ(発熱体)5が形成されている。これら部材3、4、5は、図1に示す様に、蛇行形状にパターニングされた流量検出用の配線部であり、Pt等の抵抗体膜(金属膜)により構成されている。
【0026】
流体温度計3、流量検出体4およびヒータ5は、流体の流れの方向(図1中の白抜き矢印で示す)に対し、上流側からその順で配置されている。流体温度計3は、流体の温度を検出するもので、ヒータ5の熱がその温度検出に影響を及ぼさないようにヒータ5から十分離隔した位置に配設されている。ヒータ5は、流体温度計3で検出された温度より一定温度高い基準温度になるように、図示しない制御回路によって制御される。
【0027】
また、これら配線部3〜5および下部絶縁膜2の上には、上部絶縁膜6が形成されている。この上部絶縁膜6は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等よりなるものである。こうして、空洞部1a上においては、上記流量検出体4およびヒータ5が下部絶縁膜2と上部絶縁膜6とに挟まれた積層構造を有するメンブレン(薄膜構造部)10が形成されている。
【0028】
また、半導体基板1の他面には、空洞部1aを形成するためのマスクとして用いられた膜部材7が形成されている。この膜部材7は、薄膜構造部10の一部を構成する絶縁膜2、6の材料により構成されており、膜応力が500MPa以下といった弱い引っ張り応力または圧縮応力を有するものである。
【0029】
例えば、膜部材7は、半導体基板1の他面側から順次、減圧CVD(LP−CVD)法または熱酸化により形成されたシリコン酸化膜、LP−CVDにより成膜されたシリコン窒化膜が積層されてなる積層膜にすることができる。
【0030】
このようなフローセンサS1では、流体温度計3から得られる流体温度よりも一定温度高い温度になるようにヒータ5を駆動する。そして、流体が流れることにより、図1の白抜き矢印で示す順流においては、流量検出体4は熱を奪われて温度が下がり、白抜き矢印の逆方向である逆流では熱が運ばれて温度が上がるため、この流量検出体4と流体温度計3との温度差から流体の流量および流れ方向を検出するものである。このとき、流体温度計3および流量検出体4を形成している金属配線の抵抗値変動から温度を測定(検出)している。
【0031】
次に、上記フローセンサS1の構成に基づき、本実施形態に係る半導体センサの製造方法について、図3に示す第1の例、図4に示す第2の例、図5に示す第3の例について、それぞれ述べる。図3〜図5は、上記図2に対応した断面にて製造工程途中の状態を示すものであり、流体温度計3は省略し、流量検出体4およびヒータ5は簡略化して示してある。
【0032】
[製造方法の第1の例]
まず、図3(a)に示す様に、半導体基板として単結晶のシリコン基板1を用意し、シリコン基板1の一面と他面の両面を研磨等にて鏡面化した後、シリコン基板1の一面側および他面側に、LP−CVD法または熱酸化法によりシリコン酸化膜21、71を成膜する。このシリコン酸化膜21、71は、強い圧縮応力を有する膜となる。
【0033】
次に、図3(b)に示す様に、シリコン基板1の両面においてシリコン酸化膜21、71を被覆するように、LP−CVD法によりシリコン窒化膜(LP−SiN膜)22、72を成膜する。このLP−SiN膜22、72は、強い引っ張り応力を有する膜である。これにより、シリコン基板1の一面側においては、シリコン酸化膜21、LP−SiN膜22が順次積層されてなる下部絶縁膜2が形成される(下部絶縁膜形成工程)。
【0034】
次に、図3(c)に示す工程では、まず、配線部3〜5の構成材料としてPt膜を真空蒸着等により下部絶縁膜2の上に堆積させ、当該Pt膜をエッチング等により流体温度計3、流量検出体4およびヒータ5の配線形状にパターニングする。これにより、配線部3〜5すなわち流体温度計3、流量検出体4およびヒータ5が形成される(配線部形成工程)。
【0035】
続いて、シリコン基板1の一面側および他面側に、LP−CVD法によりLP−CVD膜6a、73を形成する。これにより、シリコン基板1の一面側に形成されたLP−CVD膜6aは、流体温度計3、流量検出体4およびヒータ5を被覆して各配線部間を絶縁する上部絶縁膜6となる。
【0036】
一方、シリコン基板1の他面側では、シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72、73の3層が積層され、これら3層71〜73により膜部材7を構成する積層膜7aが形成される(上部絶縁膜およびマスク用積層膜形成工程)。この工程の終了に伴い、シリコン基板1の一面側にメンブレン(薄膜構造部)10が形成される。
【0037】
次に、図3(d)に示す様に、シリコン基板1の他面側において、フッ酸等のウェットエッチングやドライエッチング等により、上記積層膜7aの一部をエッチング除去し、空洞部1aが形成される予定の部位に開口部を形成する。こうして、開口部が形成された積層膜7aは、シリコン基板1の他面を被覆しつつ空洞部1aを形成すべき部位に開口部を有するマスクすなわち上記膜部材7として形成される(マスク形成工程)。
【0038】
次に、図3(e)に示す様に、膜部材7をマスクとしてTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)やKOHの水溶液等を用いたシリコンの異方性エッチング等を行うことにより、シリコン基板1の他面側からシリコン基板1をエッチングし、空洞部1aを形成する(空洞部形成工程)。
【0039】
こうして、上記した各工程を経て、空洞部1aを有する半導体基板1の空洞部1a上にメンブレン10を形成してなるフローセンサS1を適切に製造することができる。以上が製造方法の第1の例である。
【0040】
この第1の例においては、シリコン酸化膜21、71の形成工程〜上部絶縁膜およびマスク用積層膜形成工程までが、本発明でいう第1の工程であり、シリコン酸化膜21、71の形成工程〜マスク形成工程までのうち配線部形成工程を除いた工程が、本発明でいう第2の工程であり、空洞部形成工程が本発明でいう第3の工程である。
【0041】
そして、本例では、空洞部形成用のマスクとして、膜応力が500MPa以下といった弱い引っ張り応力または圧縮応力を有する膜部材7を用いることにより、空洞部形成用のマスクの膜応力を低減し、シリコン基板1の変形を極力抑制することができる。
【0042】
実際に、本発明者の実験検討によれば、膜部材7の膜応力が弱い引っ張り応力(500MPa以下)もしくは圧縮応力の範囲にあれば、シリコン基板1において、空洞部1aの開口形状がゆがんで、メンブレン形状異常をきたしたり、ひび割れが生じたりといった問題は生じなかった。
【0043】
ここにおいて、LP−SiN膜の応力は、1200MPa程度の引っ張り応力であり、熱酸化によるシリコン酸化膜の応力は、−200〜−280MPa程度の圧縮応力である。また、LP−CVDによるシリコン酸化膜も実際は、その後に行われる配線部形成後のアニール処理等によって、熱酸化によるものと同程度の膜応力となる。
【0044】
このような膜応力の関係から、膜部材7の膜応力を500MPa以下の範囲とするには、本例の膜部材7を構成するシリコン酸化膜71とLP−SiN膜72、73との膜厚の比を、2.5:1以上(シリコン酸化膜の膜厚:LP−SiN膜の膜厚)とすることで実現可能である。
【0045】
また、本例では、メンブレン10の一部として構成される下部絶縁膜2(シリコン酸化膜21、LP−SiN膜22)および上部絶縁膜6(LP−SiN膜6a)が、膜部材7と同じ材料(シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72、73)を用いて形成されたものである。
【0046】
そのため、第1の工程において、シリコン基板1の一面側に膜部材7の構成材料を成膜するときに同時に、シリコン基板1の他面側にも膜部材7の構成材料を成膜するようにしている。具体的には、第1の工程のうち下部絶縁膜形成工程、上部絶縁膜およびマスク用積層膜形成工程において、シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72、73を成膜することにより、マスクとしての膜部材7となる積層膜7aを形成している。
【0047】
よって、本例によれば、第1の工程(薄膜構造部を形成する工程)において、第2の工程(マスクを形成する工程)の一部を同時に行うことができるため、工程の簡略化が図れる。
【0048】
なお、本第1の例においては、メンブレン10の最表面のLP−SiN膜6aをプラズマCVDまたはスパッタにより形成されたシリコン窒化膜に変えても良い。この場合、プラズマCVDまたはスパッタにおいては、成膜面が限定されるため、シリコン基板1の他面側では成膜が行われず、膜部材7を構成するのは、シリコン基板1の他面寄りの2つの膜71、72となる。
【0049】
[製造方法の第2の例]
まず、図4(a)、(b)に示す工程では、上記第1の例における図3(a)、(b)に示す工程と同様に、用意されたシリコン基板1の一面側では、シリコン酸化膜21、LP−SiN膜22を成膜し、他面側では、シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72を成膜する。
【0050】
次に、図4(c)に示す工程では、まず、スパッタやプラズマCVDによりシリコン酸化膜23を形成する。これにより、シリコン基板1の一面側において、3つの膜21〜23が積層されてなる本例の下部絶縁膜2が形成される。本例では、ここまでが下部絶縁膜形成工程である。
【0051】
そして、上記第1の例と同様に、配線部形成工程を行い、配線部3〜5を形成する。続いて、シリコン基板1の一面側にて、スパッタやプラズマCVDによりシリコン酸化膜61を形成する。続いて、シリコン基板1の一面側および他面側に、LP−CVD法によりLP−CVD膜6a、73を形成する。
【0052】
これにより、シリコン基板1の一面側に形成されたシリコン酸化膜61とLP−CVD膜6aとの積層膜が、上部絶縁膜6となる。一方、シリコン基板1の他面側では、上記第1の例と同様、シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72、73の3層が、積層膜7aとして形成される。ここまでが、本第2の例における上部絶縁膜およびマスク用積層膜形成工程であり、この工程の終了に伴い、シリコン基板1の一面側にメンブレン10が形成される。
【0053】
次に、図4(d)、(e)に示す工程では、上記第1の例と同様に、マスク形成工程を行って、積層膜7aに開口部を形成して膜部材7を形成し、この膜部材7をマスクとして空洞部形成工程を行い、空洞部1aを形成する。こうして、フローセンサS1を製造することができる。以上が製造方法の第2の例である。
【0054】
この第2の例においては、シリコン酸化膜21、71の形成工程〜上部絶縁膜およびマスク用積層膜形成工程までが、本発明でいう第1の工程であり、シリコン酸化膜21、71の形成工程〜マスク形成工程までのうちスパッタやプラズマCVDによるシリコン酸化膜23、61の形成工程及び配線部形成工程を除いた工程が、本発明でいう第2の工程であり、空洞部形成工程が本発明でいう第3の工程である。
【0055】
そして、本例においても、上記第1の例と同様、3つの膜71〜73が積層され膜応力が500MPa以下である膜部材7を、空洞部形成用のマスクとして用いることにより、該マスクの膜応力を低減し、シリコン基板1の変形を極力抑制することができる。
【0056】
また、上記第1の例では、マスクである膜部材7の積層構造が、メンブレン10の絶縁膜の積層構造と同一であったが、本第2の例では、メンブレン10の絶縁膜には、膜部材7の構成膜以外に、スパッタやプラズマCVDにより成膜したシリコン酸化膜を用いた点が、第1の例とは異なっている。
【0057】
しかし、本例においても、メンブレン10の一部として構成されるシリコン酸化膜21、LP−SiN膜22、LP−SiN膜6aが、膜部材7と同じ材料(シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72、73)を用いて形成されたものであるため、第1の工程(薄膜構造部を形成する工程)において、第2の工程(マスクを形成する工程)の一部を同時に行うことができ、工程の簡略化が図れる。
【0058】
また、本第2の例においても、メンブレン10の最表面のLP−SiN膜6aをプラズマCVDまたはスパッタにより形成されたシリコン窒化膜に変えても良く、その場合、膜部材7を構成するのは、シリコン基板1の他面寄りの2つの膜71、72となる。
【0059】
[製造方法の第3の例]
まず、図5(a)、(b)に示す工程では、上記第1の例における図3(a)、(b)に示す工程と同様に、用意されたシリコン基板1の一面側では、シリコン酸化膜21、LP−SiN膜22を成膜し、他面側では、シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72を成膜する。
【0060】
次に、図5(c)に示す工程では、上記第2の例と同様に、スパッタやプラズマCVDによりシリコン酸化膜23を形成し、シリコン基板1の一面側において、3つの膜21〜23が積層されてなる下部絶縁膜2を形成する。本例でも、ここまでが下部絶縁膜形成工程である。
【0061】
そして、上記第2の例と同様に、配線部形成工程を行い、配線部3〜5を形成した後、シリコン基板1の一面側にて、スパッタやプラズマCVDによりシリコン酸化膜61を形成し、続いて、シリコン基板1の一面側および他面側に、LP−CVD法によりLP−CVD膜6a、73を形成する。
【0062】
これにより、シリコン基板1の一面側に形成されたシリコン酸化膜61とLP−CVD膜6aとの積層膜が、上部絶縁膜6となる。一方、シリコン基板1の他面側では、上記第1の例と同様、シリコン酸化膜71、LP−SiN膜72、73の3層が、積層膜8として形成されるが、この積層膜8は、後の工程にて除去される被覆層であり、マスク用の積層膜ではない。
【0063】
従って、本第3の例では、ここまでは、上部絶縁膜工程であり、シリコン酸化膜21、71の形成工程〜上部絶縁膜形成工程までが、メンブレン(薄膜構造部)を形成する第1の工程である。そして、この第1の工程では、シリコン基板1の他面側にもメンブレン10の材料と同一の材料により積層膜(被覆層)8が形成される。
【0064】
このように第1の工程を行った後、本例では、シリコン基板1の他面側に形成された積層膜(被覆層)8を除去するとともに、シリコン基板1の他面側を研磨してシリコン基板1を薄肉化する(被覆層の除去および基板研磨工程)。積層膜(被覆層)8の除去は、エッチングや研磨、研削等、機械的または化学的な除去方法を採用することができる。
【0065】
この被覆層の除去および基板研磨工程の後、本例では、本発明の第2の工程としてのマスク形成工程を行う。まず、シリコン基板1の他面側に、LP−CVDまたは熱酸化によりシリコン酸化膜71を成膜し、さらに、LP−CVD法によりLP−SiN膜72を成膜する。
【0066】
そして、これら2つの膜71、72が積層されてなる積層膜に対して空洞部1aが形成される予定の部位に開口部を形成し、マスクとしての膜部材7を形成する。ここまでが、本例のマスク形成工程であり、このときのワークの状態が図5(d)に示される。
【0067】
次に、図5(e)に示すように、上記第1の例と同様に、空洞部形成工程を行い、空洞部1aを形成する。こうして、フローセンサS1を製造することができる。以上が製造方法の第3の例である。
【0068】
そして、本例においても、2つの膜71、72が積層され膜応力が500MPa以下である膜部材7を、空洞部形成用のマスクとして用いることにより、該マスクの膜応力を低減し、シリコン基板1の変形を極力抑制することができる。
【0069】
また、本例では、基板1の一面側にメンブレン10を形成するとともに、基板1の他面側にもメンブレン10の材料と同一の材料により被覆層8を形成するが、この被覆層8は後で除去されるものである。
【0070】
例えば、上記第2の例では、マスク用積層膜7aがメンブレン10と同時に形成されるが、メンブレン10の成膜条件によっては、その積層膜7aの膜応力が所望の応力範囲になりにくい可能性がある。そのような場合、メンブレン10の形成時には基板1の他面をマスキングすることが好ましい。
【0071】
しかし、本第3の例では、メンブレンと同時にシリコン基板1の他面に形成された被覆層8をいったん除去し、改めて、マスクとしての膜部材7を形成するようにしているため、膜部材7に合わせた成膜条件を選択でき、膜応力を制御しやすい。よって、メンブレン10の形成時に基板1の他面側をマスキングする必要が無くなり、工程の簡略化が図れる。
【0072】
また、本例においては、被覆層8をいったん除去してしまうことによる上記の効果があるので、メンブレン10のすべての構成材料が、マスクである膜部材7とは異なる材料(例えばスパッタ法やプラズマCVD法による酸化膜や窒化膜)であっても良い。
【0073】
また、本例では、シリコン基板1の他面側にて被覆層8を除去するとともに研磨を行って基板1を薄肉化するようにしているから、空洞部1aを形成するためのエッチング時間を短くする等のために、基板1を薄肉化する場合にも、十分に対応可能である。
【0074】
(他の実施形態)
なお、膜部材としては、LP−CVD法または熱酸化法により成膜されたシリコン酸化膜とLP−SiN膜との積層膜以外にも、膜応力を500MPa以下の範囲とした膜であれば、限定されるものではない。
【0075】
また、本発明は、上記フローセンサに限らず、半導体基板の空洞部上に薄膜構造部(メンブレン)を形成してなる半導体センサとして、赤外線センサ、ガスセンサ、圧力センサ等に幅広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るフローセンサの斜視図である。
【図2】図1中のA−A概略断面図である。
【図3】上記実施形態に係る半導体センサの製造方法の第1の例を示す工程図である。
【図4】上記実施形態に係る半導体センサの製造方法の第2の例を示す工程図である。
【図5】上記実施形態に係る半導体センサの製造方法の第3の例を示す工程図である。
【図6】従来の一般的な半導体センサの製造方法を示す工程図である。
【図7】空洞部形成用のマスクの膜応力による半導体基板の変形の様子を示す平面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、1a…空洞部、7…膜部材、7a…積層膜、
8…積層膜(被覆層)、71…シリコン酸化膜、
72、73…LP−SiN膜。

Claims (2)

  1. 空洞部(1a)を有する半導体基板(1)の前記空洞部上に薄膜構造部(10)を形成してなる半導体センサの製造方法において、
    前記半導体基板の一面側に前記薄膜構造部を形成する第1の工程と、
    前記半導体基板の他面側に、前記半導体基板の他面を被覆しつつ前記空洞部を形成すべき部位に開口部を有するマスクを形成する第2の工程と、
    前記マスクが形成された前記半導体基板の他面側から前記半導体基板をエッチングすることにより、前記空洞部を形成する第3の工程とを備え、
    前記第1の工程は、前記マスクを構成する膜部材として、膜応力が圧縮応力を有する膜(71)と膜応力が引っ張り応力を有する膜(72、73)とが積層され、膜応力が500MPa以下の積層膜(7a)を形成すると同時に、前記積層膜(7a)と同一の積層構造を有する前記薄膜構造部を形成することを特徴とする半導体センサの製造方法。
  2. 前記第1の工程は、前記圧縮応力を有する膜として減圧CVD法または熱酸化法によりシリコン酸化膜(71)を成膜し、前記引っ張り応力を有する膜として減圧CVD法によりシリコン窒化膜(72、73)を成膜するとともに、前記シリコン窒化膜(72、73)の膜厚に対する前記シリコン酸化膜(71)の膜厚の比を2.5以上として、前記積層膜(7a)を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体センサの製造方法。
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