JP2003034858A - 切削工具用硬質皮膜およびその製造方法並びに硬質皮膜形成用ターゲット - Google Patents
切削工具用硬質皮膜およびその製造方法並びに硬質皮膜形成用ターゲットInfo
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Abstract
工具用硬質皮膜を提供する。 【解決手段】 (Tia,Alb,Vc)(C1-dNd)か
らなる硬質皮膜であって、0.02≦a≦0.3、0.
5<b≦0.8、0.05<c、0.7≦b+c、a+
b+c=1、および0.5≦d≦1(a,b,cはそれ
ぞれTi,Al,Vの原子比を示し、dはNの原子比を
示す)を満たすようにする。
Description
エンドミル等の切削工具の耐摩耗性を向上するための硬
質皮膜およびその製造方法、更には、この様な硬質皮膜
の製造において蒸発源として使用されるターゲットに関
するものである。
高速度工具鋼を基材とする切削工具の耐摩耗性を向上さ
せることを目的に、TiNやTiCN、TiAlN等の
硬質皮膜をコーティングすることが行われている。特
に、TiとAlの複合窒化皮膜(以下、TiAlNと記
す)が、優れた耐摩耗性を示すことから、前記チタンの
窒化物や炭化物、炭窒化物等からなる皮膜に代わって高
速切削用や焼き入れ鋼等の高硬度材切削用の切削工具に
適用されつつある。更に近年では、TiAlNのような
2元素系のみならず、第3元素を添加して特性を改善す
る試みがなされており、例えば特開平3−120354
号、特開平10−18024号、特開平10−2376
28号、特開平10−305935号には、Vを添加し
たTiAlVN、または(TiAlV)(CN)皮膜
が、S50C等の低硬度材の切削にて優れた切削特性を
示すことが開示されている。しかしながらこれらの皮膜
は、焼き入れSKD材等の高硬度材に対して切削特性が
良好であるとは言い難く、切削速度のより高速度化等の
要求から、さらに硬度が高く、耐摩耗性に優れた皮膜の
実現が望まれている。
情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高速・
高能率切削が可能な、TiAlNまたは従来の(TiA
lV)(CN)よりも高硬度であって耐摩耗性に優れた
切削工具用硬質皮膜、およびこの様な硬質皮膜を得るた
めの有用な製造方法、更には前記製造にて本発明の切削
工具用硬質皮膜を効率よく得ることのできるターゲット
を提供することにある。
硬質皮膜とは、(Tia,Alb,Vc)(C1-dNd)か
らなる硬質皮膜であって、 0.02≦a≦0.3、 0.5<b≦0.8、 0.05<c、 0.7≦b+c、 a+b+c=1、 0.5≦d≦1 (a,b,cはそれぞれTi,Al,Vの原子比を示
し、dはNの原子比を示す)であることを要旨とし、前
記b+cの値が0.75以上で、かつ前記aの値が0.
25以下のものや、前記dの値が1のもの、更には結晶
構造が岩塩構造型を主体とするものを好ましい形態とす
る。またθ−2θ法によるX線回折で測定される岩塩構
造型の(111)面、(200)面および(220)面
の回折線強度をそれぞれI(111)、I(200)お
よびI(220)とするとき、これらの値が下記式
(1)および/または式(2)、並びに式(3)を満足
するものがよい。 I(220)≦I(111) …(1) I(220)≦I(200) …(2) I(200)/I(111)≧0.3 …(3) 本発明の切削工具用硬質皮膜は、上記要件を満たし、且
つ相互に異なる硬質皮膜が2層以上形成されているもの
を含む。
記1層もしくは2層以上の本発明の硬質皮膜の片面側ま
たは両面側に、岩塩構造型を主体とする結晶構造を有
し、且つ前記硬質皮膜とは異なる成分組成の金属窒化物
層、金属炭化物層および金属炭窒化物層よりなる群から
選択される少なくとも1層や、4A族、5A族、6A
族、AlおよびSiよりなる群から選択される少なくと
も1種の金属を含む金属層または合金層が1以上積層さ
れているものも含まれる。
する方法も規定するものであって、成膜ガス雰囲気中で
金属を蒸発させイオン化して被処理体上に本発明で規定
する皮膜を形成する方法にて、前記金属とともに成膜ガ
スのプラズマ化を促進しつつ成膜することを要旨として
いる。また、アーク放電を行ってターゲットを構成する
金属を蒸発およびイオン化して被処理体上に本発明で規
定する皮膜を形成するアークイオンプレーティング法
(AIP法)において、前記ターゲットの蒸発面にほぼ
直交して前方に発散ないし平行に進行する磁力線を形成
し、この磁力線によって前記被処理体近傍における成膜
ガスのプラズマ化を促進しつつ成膜することを好ましい
形態とする。尚、この場合に前記被処理体に印加するバ
イアス電位は、アース電位に対して−50V〜−300
Vとすることが好ましい。また、成膜時の被処理体温度
(以下、基板温度ということがある)は300℃以上で
800℃以下の範囲内とすることが望ましく、成膜時の
反応ガスの分圧あるいは全圧は、0.5Pa以上6Pa
以下の範囲内とすることが望ましい。
素ガス、メタンガス、エチレンガス、アセチレンガス等
の様な、皮膜の成分組成に必要な元素を含むガスをい
い、これら以外に用いられるアルゴンなどの様な希ガス
等をアシストガスといい、これらをあわせて成膜ガスと
いうこととする。
り、且つ相対密度が95%以上であることを特徴とする
硬質皮膜形成用ターゲットも含み、該ターゲット中に存
在する空孔の大きさが半径0.3mm未満であることを
好ましい形態とする。
x,Aly,Vz)からなり、 0.02≦x≦0.3、 0.5<y≦0.8、 0.05<z、 0.7≦y+z、 x+y+z=1 (x,y,zはそれぞれTi,Al,Vの原子比を示
す)を満足するものがよい。
3質量%以下で、水素含有量が0.05質量%以下であ
り、更に塩素含有量が0.2質量%以下であることが好
ましく、更にCu含有量が0.05質量%以下で、Mg
含有量が0.03質量%以下であることが好ましい。
の下で、より優れた耐摩耗性を発揮する切削工具用硬質
皮膜の実現を目指して鋭意研究を進めた。その結果、指
標として皮膜の硬度を高めることができれば、耐摩耗性
が著しく向上することを見出した。そして、その手段と
して(TiAlV)(CN)膜のAl及びV濃度に着目
して研究を進めた結果、(TiAlV)におけるAl及
びVの比率を従来の皮膜より増加させることによって、
膜の硬度が向上し、結果として耐摩耗性が飛躍的に向上
することを突き止め、前記Al、Vの定量的作用効果に
ついて更に追求を重ねた結果、上記本発明に想到したの
である。
Alb,Vc)(C1-dNd)からなる皮膜であって、該皮
膜の組成が、 0.02≦a≦0.3、 0.5<b≦0.8、 0.05<c、 0.7≦b+c、 a+b+c=1、 0.5≦d≦1 を満たすことを特徴とするものであるが、この様に皮膜
中の成分Ti、Al、V、CおよびNの組成を規定した
理由について、以下詳細に説明する。
構造型の結晶構造を有し、岩塩構造型のTiNのTiの
サイトにAl、Vが置換して入った岩塩構造型の複合窒
化物である。ところで、岩塩構造型のAlN(格子定数
4.12Å)は、前述の様に高温高圧相であり、高硬度
物質であると予想されることから、岩塩構造を維持しな
がら(TiAlV)(CN)中のAlの比率を高めれ
ば、(TiAlV)(CN)膜の硬度をさらに高めるこ
とができるのである。
換型で入っていると考えられるが、Alと異なり、岩塩
型構造のVNは常温常圧で安定相である。またVNの格
子定数は、TiNの格子定数(4.24Å)に比して
4.14Åと小さく、このような格子定数の異なる2種
の窒化物が固溶しあうことで、結晶格子の歪みによる高
硬度化を図ることができると考えられる。従って、常温
常圧において安定相で、かつ格子定数が岩塩型構造のA
lNに近いVNを膜中に形成すれば、更に高硬度の皮膜
を形成することが可能であると考えられる。
をもたらす元素であり、この様な効果を発揮させるに
は、Alの原子比bを0.5超とし、Vの原子比cを
0.05超とした上で、更に(Al+V)の合計原子比
(b+c)が0.7以上となるようにする必要がある。
前記Alの原子比bは好ましくは0.55以上で、より
好ましくは0.6以上であり、Vの原子比cは好ましく
は0.06以上で、より好ましくは0.1以上である。
更に(Al+V)の合計原子比(b+c)は、0.75
以上とすることが好ましく、より好ましくは0.8以上
である。
については次の通りである。即ち、Alの原子比が大き
くなりすぎると、常温常圧で安定なZnS型のAlNが
優勢となり、皮膜の構造が高硬度を維持できる岩塩型か
ら軟質なZnS型に完全に転移してしまうことから、
0.8以下とする必要があり、好ましくは0.75以下
である。またVの原子比cについては、その上限を0.
4とすることが好ましい。
V)の原子比を0.7以上とする必要があることから、
Tiの原子比aは0.3以下とする必要があるが、前記
(b+c)が0.75以上の場合には、0.25以下と
するのがよく、更に好ましくは0.2以下である。一
方、Tiを全く添加しない場合には、前述の様な格子定
数の異なる結晶(TiNとVN,TiNとAlN)の固
溶による高硬度化を図ることができないので、Tiは原
子比で0.02以上必要であり、上記固溶硬化を最大限
に引き出すためには、0.05以上とすることが望まし
い。
る。即ち、皮膜中にCを添加し、TiCやVC等の高硬
度の炭化物を析出させて皮膜の硬度を高める場合には、
Ti+Vの添加量と同量程度のCを存在させることが望
ましい。しかしながら、Cを過剰に添加すると、水分と
反応して容易に分解する不安定なアルミの炭化物を過度
に析出させることになるので、Cの原子比(1−d)は
0.5未満、即ち、Nの原子比dを0.5以上とする必
要がある。dは、0.7以上である場合が好ましく、よ
り好ましくは0.8以上であり、d=1の場合を最も好
ましい形態とする。
的に岩塩構造型を主体とするものであることが好まし
い。前述のようにZnS型構造が混入すると高強度を確
保することができないからである。しかしながら皮膜の
特性を損なわない範囲で若干のZnS型構造が構造中に
含まれることは許容され、その目安として以下にX線回
折により測定した岩塩型構造とZnS型構造の望ましい
範囲を示す。
造とは、θ−2θ法によるX線回折における岩塩構造を
示すピークのうち、(111)面、(200)面、(2
20)面のピーク強度をそれぞれ、IB(111)、I
B(200)、IB(220)とし、ZnS型構造を示
すピークのうち、(100)面、(102)面、(11
0)面のピーク強度をそれぞれ、IH(100)、IH
(102)、IH(110)とした場合に、下記式
(4)の値が0.8以上となるような結晶構造のことを
いう。0.8未満になると膜の硬度が本発明で好ましい
とする硬度よりも低くなるのである。
折装置にてCuのKα線を用い、(100)面は2θ=
32°〜33°付近、(102)面は2θ=48°〜5
0°付近、また(110)面は2θ=57°〜58°付
近に現れるピークの強度を測定して求める。尚、ZnS
型の結晶はAlNが主体であるが、TiやVが混入して
いるため、実測されるZnS型AlNのピーク位置は、
JCPDSカードのZnS型AlNのピーク位置と若干
ずれる。
測定した場合に、岩塩構造型の結晶構造における回折線
強度が、I(220)≦I(111)および/またはI
(220)≦I(200)を満たしていることが望まし
い。これは、岩塩構造型の密に充填した面である(11
1)面や(200)面が表面に対して配向していると、
その耐摩耗性が向上するからである。
I(200)とI(111)の比;I(200)/I
(111)は、成膜時における基板に印可するバイアス
電圧や、ガス圧、成膜温度などの条件により、概ね0.
1から10程度の範囲内で変化するが、本発明では、I
(200)/I(111)が0.3以上を満足する場合
に、皮膜の切削特性が良好となることを見出した。その
理由について詳細は明らかでないが次の様に考えること
ができる。即ち、岩塩構造型の結晶構造では、基本的に
金属元素(Ti、Al、V)が窒素または炭素と結合
し、金属元素同士、窒素原子同士、または炭素原子同士
の結合はほとんど存在せず、(111)面では、最隣接
原子が金属元素同士、窒素原子同士、または炭素原子同
士であるが、お互いに結合していないと考えられる。こ
れに対し(200)面では、隣接している金属元素同
士、窒素原子同士、または炭素原子同士が結合している
割合が多いことから、安定していると考えられる。従っ
て、面内の安定性の高い(200)面を、(111)面
に対してある一定以上の割合で、表面に対して配向させ
れば、硬度が増加して切削特性を向上させることができ
ると考えられる。前記I(200)/I(111)の値
は、好ましくは0.5以上で、より好ましくは0.7以
上である。
の成分組成、残留応力の状態、または基板の種類によっ
て変化しうるものであり、本発明の要件を満たす硬質皮
膜を、CuのKα線を用いてθ−2θ法によるX線回折
を行った場合には、その回折角度は、37°〜38°の
範囲内で変化し、皮膜中のTi量が増加すると上記回折
角度が小さくなる傾向が示された。この様に(111)
面の回折角度が小さく、(111)面の間隔が大きくな
るのは、前述の如くTiNの格子定数(4.24Å)
が、AlNやVNの格子定数(AlN:4.12Å、V
N:4.14Å)と比較して大きいことに起因している
と考えられる。
0.1Al0.7V0.2)Nを超硬合金基板上を形成した場合
を例にとると、(111)面の回折線の角度は、成膜条
件により37.4°〜37.7°の範囲内で変化し、ま
た、(111)面の回折線の半値幅(ピーク最大強度の
半分の点の回折線の幅)は0.2°〜1.5°の範囲内
であった。この様に、皮膜の成分組成が一定であっても
回折線の位置が変化するのは、主として後述する皮膜の
応力状態に起因していると考えられ、皮膜の圧縮応力値
が大きくなると回折角度は小さくなる傾向にあった。
の皮膜の他、上記要件を満たし、且つ相互に異なる皮膜
を複数積層して用いることもできる。また用途によって
は、前記1層または2層以上の本発明で規定する(Ti
AlV)(CN)膜の片面側または両面側に、岩塩構造
型主体の結晶構造を有し、且つ前記硬質皮膜とは異なる
成分組成の金属窒化物層、金属炭化物層および金属炭窒
化物層よりなる群から選択される少なくとも1層が積層
されていてもよい。
造」も、前述の如く、θ−2θ法によるX線回折におけ
る岩塩構造を示すピークのうち、(111)面、(20
0)面、(220)面のピーク強度をそれぞれ、IB
(111)、IB(200)、IB(220)とし、Z
nS型構造を示すピークのうち、(100)面、(10
2)面、(110)面のピーク強度をそれぞれ、IH
(100)、IH(102)、IH(110)とした場
合に、上記式(4)の値が0.8以上となるような結晶
構造のことをいうものとする。また、岩塩構造型であっ
て前記硬質皮膜とは異なる成分組成の金属窒化物層、金
属炭化物層または金属炭窒化物層として、例えばTi
N、TiAlN、TiCrAlN、TiCN、TiAl
CN、TiCrAlCN、TiC等の皮膜が挙げられ
る。
記1層もしくは2層以上の本発明の硬質皮膜の片面側ま
たは両面側に、4A族、5A族、6A族、AlおよびS
iよりなる群から選択される少なくとも1種の金属を含
む金属層または合金層が1以上積層されているものであ
ってもよく、前記4A族、5A族、6A族の金属とし
て、Cr、Ti、Nb等が挙げられ、合金としてTi−
Al等を用いることができる。
互に異なる皮膜や、(ii)岩塩構造型であって前記硬質
皮膜とは異なる成分組成の金属窒化物層、金属炭化物層
または金属炭窒化物層、(iii)4A族、5A族、6A
族、AlおよびSiよりなる群から選択される少なくと
も1種の金属を含む金属層または合金層を、複数層形成
して本発明の硬質皮膜とする場合には、1層の膜厚が
0.005〜2μmの範囲内にあればよいが、本発明の
硬質皮膜は、単層の場合であっても上記複数層の場合で
あっても、トータルとしての膜厚は、0.5μm以上で
20μm以下の範囲内とすることが望ましい。0.5μ
m未満だと膜厚が薄すぎて耐摩耗性が好ましくなく、一
方、上記膜厚が20μmを超えると、切削中に膜の欠損
や剥離が発生するからである。尚、より好ましい膜厚
は、1μm以上で15μm以下である。
実質的に岩塩構造型を主体とする本発明の硬質皮膜を作
製するには、本発明で規定する様な方法で成膜すること
が大変有効である。即ち、成膜ガス雰囲気中でアーク放
電を行ってターゲットを構成する金属を蒸発させてイオ
ン化し、被処理体上に本発明の硬質皮膜を形成する方法
にて、前記金属とともに成膜ガスのプラズマ化を促進し
つつ成膜することが必要であり、このとき前記被処理体
近傍における成膜ガスのプラズマ化を、ターゲットの蒸
発面にほぼ直交して前方に発散ないし平行に進行するよ
う形成した磁力線によって促進しつつ成膜することを好
ましい形態とする。
る岩塩構造型を主体とする(Ti,Al,V)(CN)
皮膜の成膜に有効であるのは勿論のこと、それ以外の皮
膜を成膜するにあたっても大変有効な方法であることは
言うまでもない。
置においては、従来のように磁場がターゲットの裏側に
配置されたカソード蒸発源では本発明の皮膜を作製する
ことが困難であり、磁石がターゲットの横または前方に
配置されて、ターゲット蒸発面にほぼ直交して前方に発
散ないし平行に進行する磁力線を形成し、この磁力線に
よって成膜ガスのプラズマ化を促進することが本発明の
硬質皮膜を形成する上で大変有効なのである。
て、図1にAIP装置を示しながら簡単に説明する。
1および成膜ガスを供給するガス供給口12とを有する
真空容器1と、アーク放電によって陰極を構成するター
ゲットを蒸発させてイオン化するアーク式蒸発源2と、
コーティング対象である被処理体(切削工具)Wを支持
する支持台3と、この支持台3と前記真空容器1との間
で支持台3を通して被処理体Wに負のバイアス電圧を印
加するバイアス電源4とを備えている。
ターゲット6と、このターゲット6と陽極を構成する真
空容器1との間に接続されたアーク電源7と、ターゲッ
ト6の蒸発面Sにほぼ直交して前方に発散ないし平行に
進行し、被処理体Wの近傍まで伸びる磁力線を形成する
磁界形成手段としての磁石(永久磁石)8とを備えてい
る。被処理体Wの近傍付近における磁束密度としては、
被処理体の中心部において磁束密度が10G(ガウス)
以上、好ましくは30G以上とするのが良い。尚、蒸発
面にほぼ直交するとは、蒸発面の法線方向に対して0°
を含み、30°程度以下の角度をなすことを意味する。
発源要部の一例を拡大した断面概略図であるが、前記磁
界形成手段としての磁石8は、ターゲット6の蒸発面S
を取り囲むように配置されている。磁界形成手段として
は、前記磁石に限らず、コイルとコイル電源とを備えた
電磁石でも良い。また、磁石の配置場所は図3に示すよ
うに、ターゲット6の蒸発面Sの前方(被処理体側)を
取り囲むように設けても良い。尚、図1では、チャンバ
ーをアノードとしたが、例えばターゲット側面前方を取
り囲むような円筒形状の専用アノードを設けても良い。
式蒸発源102にも、アーク放電をターゲット106上
に集中させるための電磁石109を備えたものがある
が、電磁石109がターゲット106の裏側に位置して
いるため、磁力線がターゲット蒸発面近傍でターゲット
表面と平行となり、磁力線が被処理体Wの近傍にまで伸
びないようになっている。
発源と、従来のそれとの磁場構造の違いは、成膜ガスの
プラズマの広がり方の違いにある。
子eの一部が磁力線に巻き付くように運動を行い、この
電子が成膜ガスを構成する窒素分子等と衝突することに
よって成膜ガスがプラズマ化する。前記図4における従
来の蒸発源102では、磁力線がターゲット近傍に限ら
れるため、上記の様にして生成された成膜ガスのプラズ
マの密度はターゲット近傍が最も高く、被処理体Wの近
傍ではプラズマ密度がかなり低いものとなっている。こ
れに対し、図2および図3に示す様な本発明で使用する
蒸発源では、磁力線が被処理体Wにまで伸びるため、被
処理体W近傍における成膜ガスのプラズマ密度が従来の
蒸発源に比べ格段に高いものとなっている。
力線配置、および基板(被処理体)近傍のプラズマ密度
の違いが、生成される膜の結晶構造、ひいては得られる
特性に大きく影響を与えると考えられる。図5は、この
様な影響を確認した一実施例であり、従来型の蒸発源と
本発明者らのアーク蒸発源のそれぞれを用いて(Ti
0.15Al0.7V0.15)N膜を成膜したときの皮膜の表面
電子顕微鏡写真である。成膜条件は、両蒸発源ともにア
ーク電流を100A、窒素ガス圧力を2.66Pa、基
板(被処理体)温度を500℃とし、基板(被処理体)
に印加するバイアス電圧を100Vとしている。尚、バ
イアスの電位は、アース電位に対してマイナスとなるよ
うに印加しており、例えばバイアス電圧100Vとは、
アース電位に対してバイアス電位が−100Vであるこ
とを示す。
ゲットの横または前方に位置している本発明者らのAI
P装置の蒸発源で形成した皮膜表面は、非常に平滑であ
るのに対し、磁石がターゲットの背面に位置している従
来型の蒸発源で形成した皮膜は、図5(2)に示される
様に、表面に「マクロパーティクル」と呼ばれる溶融し
たターゲット物質の付着が多く認められ、表面粗度(R
a)が大きく、切削特性に悪影響を及ぼす。従って、成
膜には本発明の蒸発源を用いることが大変有効なのであ
る。
アス電圧は、50〜300Vの範囲にあることが望まし
い。もともと岩塩構造型のAlNは、常温常圧では非平
衡相であり生成しにくい物質であるが、本発明者等の蒸
発源によって成膜ガスのプラズマ化が促進されて、成膜
ガスがイオン化することから、基板にバイアス電圧を印
可することで基体(被処理体)へのイオン衝撃が有効に
行われ、岩塩構造型のAlNの形成が促進されていると
考えられる。この様な効果を発揮させるには、前記バイ
アス電圧を50V以上とすることが好ましく、より好ま
しくは70V以上である。しかし前記バイアス電圧が高
すぎると、イオン化した成膜ガスによって膜がエッチン
グされ、成膜速度が極端に小さくなることから、前記バ
イアス電圧は300V以下とすることが好ましく、より
好ましくは260V以下である。岩塩構造型のAlN形
成の促進作用と成膜速度を勘案すれば、基板に印加する
バイアス電圧は、70V以上で200V以下とすること
が好ましい。
の範囲を300℃以上800℃以下とすることが好まし
いとしているが、これは形成された皮膜の応力と関係し
ている。図6は、一例として(Ti0.1Al0.7V0.2)
N皮膜形成時の基板(被処理体)温度と形成した皮膜の
残留応力の関係を示したものであり、成膜時の基板のバ
イアス電圧を100V、窒素ガスの圧力を2.66Pa
としている。この図6より、基板温度が上昇すれば皮膜
応力は低減する傾向にあることが分かる。得られた硬質
皮膜に過大な残留応力が作用していると、成膜ままの状
態で剥離が生じ易く、密着性に劣る。従って、基板温度
の下限は300℃とするのが好ましく、より好ましくは
400℃である。一方、基板(被処理体)温度を高めれ
ば上記残留応力は低減するが、残留応力が小さすぎる場
合には圧縮応力が小さくなり、基板の抗折力増加作用が
損なわれ、また高温による基板の熱的変質も生じること
となる。従って基板温度の上限は800℃とすることが
好ましい。より好ましくは700℃以下である。
または全圧を0.5Pa以上6Pa以下の範囲とするこ
とを好ましい成膜条件としている。ここで反応ガスの
「分圧または全圧」と表示しているのは、本発明が、前
述のように窒素ガスやメタンガスといった皮膜の成分組
成に必要な元素を含むガスを反応ガス、それ以外のアル
ゴンなどの様な希ガス等をアシストガスといい、これら
をあわせて成膜ガスとしており、成膜ガスとして、アシ
ストガスを用いず反応ガスのみを用いる場合には、反応
ガスの全圧を制御することが有効で、また、反応ガスお
よびアシストガスの両方を用いる場合には、反応ガスの
分圧を制御することが有効だからである。この反応ガス
の分圧または全圧が0.5Pa未満の場合には、ターゲ
ットをアーク蒸発させた場合に前記マクロパーティクル
(ターゲットの溶融物)が多量に付着して皮膜の表面粗
度が大きくなり、用途によっては不都合を生じることか
ら好ましくない。一方、反応ガスの分圧または全圧が6
Paを超える場合には、反応ガスがターゲット構成成分
の蒸発粒子と衝突して該蒸発粒子の散乱が多くなり、成
膜速度が低下するため好ましくない。尚、反応ガスの分
圧または全圧は、下限を1.5Paとし、上限を4Pa
とすることがより好ましい。
いて述べたが、金属元素とともに成膜ガスのプラズマ化
が促進される成膜方法であれば、AIP法に限定される
ものではなく、例えば、パルススパッタリング法や窒素
のイオンビームアシストデポジション法で成膜すること
ができる。
トを蒸発またはイオン化させて、被処理体上に成膜する
イオンプレーティング法やスパッタリング法等の気相コ
ーティング法にて製造するのが有効であるが、該ターゲ
ットの特性が好ましくない場合には、成膜時に安定した
放電状態が保てず、得られる皮膜の成分組成が均一でな
い等の問題が生じる。そこで優れた耐摩耗性を発揮する
本発明の切削工具用硬質皮膜を得るにあたり、使用する
ターゲットの特性についても検討したところ、下記の様
な知見が得られた。
とすることで、成膜時の放電状態が安定し、効率よく本
発明の硬質皮膜が得られることが分かった。即ち、ター
ゲットの相対密度が95%未満になると、ターゲット中
にミクロポア等の合金成分の粗な部分が生じるようにな
り、この様なターゲットを成膜に用いた場合に該合金成
分の蒸発が不均一となって、得られる皮膜の成分組成が
ばらついたり膜厚が不均一となったりしてしまう。ま
た、空孔部分は成膜時に、局所的かつ急速に消耗するの
で、減耗速度が速くなりターゲットの寿命が短くなる。
空孔が多数存在する場合には、局所的な減耗が急速に進
むのみならず、ターゲットの強度が劣化して割れが生じ
る原因ともなるのである。
ても、ターゲット中に存在する空孔が大きい場合には、
放電状態が不安定となり良好に皮膜が成膜されないため
好ましくない。ターゲット中に半径0.5μm以上の空
孔が存在すると、ターゲットを構成する合金成分の蒸発
またはイオン化のためのアーク放電が中断して成膜を行
うことができないことが知られている。本発明者らが検
討したところ、空孔の半径が0.3μm以上になると放
電中断には至らずとも放電状態が不安定となることが分
かった。従って、安定した放電状態を保ち、良好にかつ
効率よく成膜を行うには、ターゲット中に存在する空孔
の半径を0.3μm未満、好ましくは0.2μm以下と
するのがよいのである。
用するターゲットの成分組成が、形成される皮膜の成分
組成を決定付けることから、ターゲットの成分組成は、
目的とする皮膜の成分組成と同一であることが好まし
い。即ち、耐摩耗性に優れた本発明の硬質皮膜を得るに
は、ターゲットとして、(Tix,Aly,Vz)からな
るものであって、 0.02≦x≦0.3、 0.5<y≦0.8、 0.05<z、 0.7≦y+z、 x+y+z=1 (x,y,zはそれぞれTi,Al,Vの原子比を示
す)を満足するものを用いることが好ましい。
l+Vの原子比(b+c)の値が0.75以上で、かつ
Tiの原子比aの値が0.25以下の硬質皮膜を成膜す
るにあたっては、この成膜する硬質皮膜の成分組成に合
わせて、上記xが0.25以下でy+zが0.75以上
のターゲットを用いるのがよい。
も、ターゲットの成分組成分布がばらついていると、得
られる硬質皮膜の成分組成分布も不均一となり、該皮膜
の耐摩耗性が部分的に異なることとなってしまう。また
ターゲットの成分組成分布にばらつきがあると、ターゲ
ットに局所的な電気伝導性や融点等の差異が生ずること
となり、これが放電状態を不安定にして良好に成膜され
ないのである。従って、本発明のターゲットは、組成分
布のばらつきが0.5at%以内にあることが好まし
い。
いる原料あるいはターゲット製造時の雰囲気が原因で、
ターゲット中に不可避的に混入する不純物(酸素、水
素、塩素、銅およびマグネシウム)の含有量が、成膜時
の放電状態等に及ぼす影響についても調べた。
ット中に多量に含まれていると、成膜時にターゲットか
らこれらのガスが突発的に発生し、放電状態が不安定と
なったり最悪の場合にはターゲットそのものが破損して
良好に成膜されないことが分かった。従って、ターゲッ
ト中に含まれる酸素は0.3質量%以下、水素は0.0
5質量%以下、塩素は0.2質量%以下に抑えるのがよ
いのである。より好ましくは、酸素を0.2質量%以
下、水素を0.02質量%以下、塩素を0.015質量
%以下に抑える。
ゲットを構成するTi,AlおよびVよりも蒸気圧が高
く気化しやすいので、多量に含まれる場合には、ターゲ
ット製造時にガス化してターゲット内部に空孔が形成さ
れ、この様な欠陥が原因で成膜時の放電状態が不安定と
なるのである。従って、ターゲット中に含まれる銅の含
有量は、0.05質量%以下に抑えることが好ましく、
より好ましくは0.02質量%以下である。また、マグ
ネシウムの含有量は、0.03質量%以下に抑えること
が好ましく、より好ましくは0.02質量%以下であ
る。
る範囲にまで低減する方法として、例えば原料粉末の真
空溶解や、清浄雰囲気で原料粉末の配合・混合を行うこ
と等が挙げられる。
についてまで特定するものではないが、例えば、量比や
粒径等を適切に調整した原材料のTi粉末、V粉末およ
びAl粉末を、V型ミキサー等で均一に混合して混合粉
末とした後、これに冷間静水圧加圧処理(CIP処理)
あるいは熱間静水圧加圧処理(HIP処理)を施すこと
が本発明のターゲットを得る有効な方法として挙げられ
る。これらの方法の他、熱間押出法や超高圧ホットプレ
ス法等によっても本発明のターゲットを製造することが
できる。
後、ホットプレス処理(HP)にてターゲットを製造す
る方法も挙げられるが、この方法では、本発明で用いる
Vが高融点金属であるため相対密度の高いターゲットが
得られ難いといった問題点がある。また、上記の様に混
合粉末を用いて製造する方法の他、予め合金化させた粉
末を用いて、CIP処理やHIP処理を行ったり、溶解
・凝固させてターゲットを得る方法も挙げられる。しか
し前記合金化粉末を用いてCIP処理またはHIP処理
を行う方法では、組成の均一なターゲットが得られると
いう利点があるものの、合金粉末が難焼結性であるた
め、高密度ターゲットが得られ難いといった問題点があ
る。また後者の合金化粉末を溶解・凝固させる方法で
は、組成が比較的均一なターゲットが得られるという利
点があるが、凝固時に割れや引け巣が発生し易いといっ
た問題があり、本発明のターゲットを得ることは難し
い。
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
カソードにTi、V、Alからなる合金ターゲットを取
り付け、さらに、支持台上に被処理体として超硬合金製
チップ、超硬合金製エンドミル(直径10mm、4枚
刃)を取り付け、チャンバー内を真空状態にした。その
後、チャンバー内にあるヒーターで被処理体の温度を5
00℃に加熱し、窒素ガスを導入してチャンバー内の圧
力を2.66Paにしてアーク放電を開始し、前記被処
理体の表面に膜厚3μmの皮膜を形成した。なお、成膜
中にアース電位に対して基板(被処理体)がマイナス電
位となるよう100Vのバイアス電圧を基板(被処理
体)に印加した。
晶構造、ビッカース硬度を調べた。膜中のTi、V、A
lの成分組成はEPMAにより測定した。また皮膜中の
金属元素(Ti、V、Al)および窒素以外の不純物元
素量は、酸素が1at%以下で、炭素が2at%以下の
レベルであった。膜の結晶構造はX線回折により同定し
た。前記式(4)の値は、前述のようにX線回折装置に
てCuのKα線を用いて各結晶面のピーク強度を測定し
て求めた。更に、耐摩耗性を評価すべく、硬質皮膜を形
成したエンドミルを用い、以下の条件で切削試験を行っ
て刃中部分の摩耗幅を測定した。 切削条件 被削材:SKD61(HRC50) 切削速度:190m/分 刃送り:0.05mm/刃 軸切り込み:5mm 径方向切り込み:1mm 切削長:30m その他:ダウンカット、ドライカット、エアブローのみ 得られた膜の成分組成、結晶構造、ビッカース硬度、前
記式(4)および切削試験で測定した摩耗幅の値を表1
に示す。
No.1〜11は、高い皮膜硬度を確保することがで
き、切削試験を行った場合も摩耗量が30μm未満と摩
耗の少ないものとなっている。これに対し、No.12
〜23は、本発明で規定するTi,Al,Vの組成を満
足するものでないことから、いずれも硬度がHV295
0以下と低く、切削試験の結果、摩耗幅が30μmを超
えて耐摩耗性に劣るものとなっている。
金属成分Ti、AlおよびVの組成図にて、本発明範囲
とNo.1〜23の実施例を示したものであり、図7中
の●と□の境界線で囲まれる領域は本発明の範囲を示
し、□と○の境界線で囲まれる領域は好ましい本発明の
範囲を示す。この図7にて○、□で示される本発明の範
囲内にあるNo.1〜11は、図7にて●で示される本
発明の規定成分組成を満たさないNo.12〜23と比
較して、皮膜硬度の高いものとなっており、特に、図7
にて○で示される、好ましい成分組成範囲内にあるN
o.5〜9では、非常に硬度が高く、耐摩耗性に優れて
いる結果となった。
置のカソードにTi、V、Alからなるターゲット合金
を取り付け、さらに、支持台上に被処理体として超硬合
金製チップ、超硬合金製エンドミル(直径10mm、4
枚刃)を取り付け、チャンバー内を真空状態にした。そ
の後、チャンバー内にあるヒーターで被処理体の温度を
500℃に加熱し、窒素とメタンの混合ガスを導入して
チャンバー内の圧力を2.66Paにしてアーク放電を
開始し、前記被処理体の表面に膜厚3μmの(TiAl
V)(CN)皮膜を形成した。なお、成膜中にアース電
位に対して基板(被処理体)がマイナス電位となるよう
100Vのバイアス電圧を基板(被処理体)に印加し
た。得られた皮膜中のTi、V、Alの成分組成はEP
MAにより測定した。また皮膜中の金属元素(Ti,
V,Al)、窒素および炭素以外の不純物元素量は、酸
素が1原子%以下のレベルであった。
ーティングしたNo.24〜26のエンドミルは、(T
iAlV)(CN)皮膜におけるCおよびNの比率が本
発明の規定範囲を外れているNo.27のエンドミルと
比較して、切削試験における摩耗幅が小さく、耐摩耗性
に優れていることがわかる。
V:15at%、Al:70at%であって結晶配向の
異なるTiAlVN膜を、基板に印加するバイアス電圧
を50〜200V、成膜温度(被処理体温度)を300
〜700℃、成膜圧力を1〜5.2Paの範囲内で変化
させ、前記実施例1と同様にして超硬合金製エンドミル
(直径10mm、4枚刃)上に成膜した。この時、蒸発
源には前記図3に示す蒸発源を用いた。成膜後に、結晶
構造、結晶配向、ビッカース硬度、および切削試験にお
ける摩耗幅を調べた。得られた皮膜の結晶配向および結
晶構造は、X線回折で測定し、成膜後のエンドミルの耐
摩耗性は、前記実施例1と同様にして切削試験を行い評
価した。その結果を表3に併記する。
向を有するNo.28〜32は、No.33と比較し
て、摩耗幅が小さく優れた耐摩耗性を示すことから、本
発明の規定を満たすよう結晶配向を制御することによっ
て、より耐摩耗性に優れた硬質皮膜が得られることが分
かる。
V:15at%、Al:70at%のTiAlVN膜と
表4に示す種々の金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化
物および金属膜の積層膜を超硬合金製エンドミル(直径
10mm、4枚刃)に形成した。積層の仕方は、超硬合
金製エンドミル上に、表4における皮膜1、次に表4に
おける皮膜2の順に、表4に示す厚みにて交互に積層し
た。表4に示す積層数は、[皮膜1+皮膜2]を1単位
としたときの繰り返し数を示す。得られた皮膜の耐摩耗
性は、前記実施例1と同様にして切削試験を行い評価し
た。これらの結果を表4に示す。
硬質皮膜を複数層とする場合であっても、本発明の要件
を満たす皮膜をコーティングしたものであれば、切削試
験での摩耗幅が30μm未満と優れた耐摩耗性を示すこ
とが分かる。
V:15at%、Al:70at%のTiAlVN膜
を、基板に印可するバイアス電圧を30V〜400V、
基板(被処理体)の温度を250℃〜1000℃、及び
反応ガスである窒素ガスの圧力を0.3Pa〜7Paの
範囲内で変化させて、超硬合金チップ及び超硬合金製エ
ンドミル(直径10mm、4枚刃)上に形成した。得ら
れた皮膜のビッカース硬度を測定するとともに、実施例
1と同様にして切削試験を実施し、耐摩耗性について評
価した。これらの結果を表5に示す。
9〜51、54〜56、60および61は、No.4
8、52、53、57〜59および62と比較して、高
硬度の皮膜が得られ、切削試験時の摩耗幅も小さいもの
が得られていることから、耐摩耗性に優れた皮膜を得る
には、基板に印加するバイアス電圧や基板温度、更には
反応ガスの圧力(分圧または全圧)を本発明の規定範囲
内とすることが好ましいことが分かる。
物含有量が成膜時の放電状態に及ぼす影響について調べ
た。
V粉末およびAl粉末を所定量混合し、温度:900℃
かつ圧力:8×107Paの条件でHIP処理を行っ
て、表6に示す各成分組成のターゲットを作製した。上
記ターゲットの成分組成はICP−MSにて測定した。
また得られたターゲットの放電特性を調べるため、外径
254mm、厚さ5mmに成形したターゲットをスパッ
タリング装置に装着し、反応性パルススパッタリング法
により膜厚3μmの皮膜を被処理体である超硬合金製チ
ップ上に成膜した。成膜は、反応ガスとしてN2ガスを
用い、出力500Wで行った。
定し、耐摩耗性は、実施例1と同様にして切削試験を行
い、下記の評価基準で判断した。また成膜時の放電状態
については、表面における放電状況を目視で観察した
り、放電電圧のモニターを観察して行った。これらの結
果を表6に示す。 切削試験における評価基準 ○:摩耗量が30μm未満 ×:摩耗量が30μm以上 放電状態の評価基準 ・安定 :放電電圧の瞬間的な上昇や放電の場所的
な偏りが認められないもの ・やや不安定:放電電圧の瞬間的な上昇や放電の場所的
な偏りが多少認められるもの ・不安定 :放電電圧の瞬間的な上昇や放電の場所的
な偏りがかなり認められるもの ・放電中断 :放電が停止するもの
規定する相対密度を満足するものであることから放電状
態は良好で、その結果、ターゲットと成分組成がほぼ同
一で、良好な耐摩耗性を発揮する皮膜が得られているこ
とが分かる。これに対し、No.68〜71は、ターゲ
ットの相対密度が本発明の要件を満足するものではない
ため、放電状態が不安定であったり継続不可能となり、
その結果、得られる皮膜の成分組成がターゲットの成分
組成と大きくずれ、耐摩耗性の好ましくない皮膜が得ら
れる結果となった。
(酸素、水素、塩素、銅およびマグネシウム)の含有量
が成膜時の放電状態に与える影響について調べた。
例6と同様の方法で作製した。得られたターゲットの相
対密度はいずれも99%以上で、0.3mm以上の空孔
や連続した欠陥はいずれにも存在しなかった。得られた
ターゲットを用い、実施例1で使用したAIP装置に
て、窒素ガスを成膜ガスとして成膜を行った。ターゲッ
ト中の不純物の含有量は、ICP−MSで測定した。ま
た成膜時の放電状態は、実施例6と同様にして評価し
た。これらの結果を表7に示す。
および88は、酸素、水素、塩素、銅およびマグネシウ
ムのすべての不純物の含有量が本発明の要件を満足する
ものであることから、放電状態が良好となっていること
が分かる。これに対し、No.73、81および82で
は酸素含有量、No.83では水素含有量、No.84
では塩素含有量、No.85では銅含有量、No.86
ではマグネシウム含有量、No.89では酸素およびマ
グネシウムの含有量、No.90では、塩素、銅および
マグネシウムの含有量が本発明で好ましいとする規定範
囲を超えている。この結果より、成膜時の放電状態を良
好にして効率よく本発明の切削工具用硬質皮膜を得るに
は、ターゲット中の不純物(酸素、水素、塩素、銅およ
びマグネシウム)の含有量を本発明の規定範囲内とする
ことが好ましいことが分かる。
(TiAlV)(CN)膜にて、これらTi、Al、V
の成分組成を本発明の如く制御することによって、従来
の切削工具用硬質皮膜よりも耐摩耗性に優れた硬質皮膜
を得ることができた。こうした硬質皮膜の実現によっ
て、高速切削や焼き入れ鋼など高硬度鋼の切削に用いる
ことのできる長寿命の切削工具を供給できることとなっ
た。
ィング(AIP)装置の一例を示した概略図である。
例を拡大した断面概略図である。
を拡大した断面概略図である。
部の一例を拡大した断面概略図である。
面電子顕微鏡写真を示したものであり、(1)は本発明
者らの蒸発源、(2)は従来の蒸発源を用いて成膜した
結果を示す。
成膜した場合の基板(被処理体)温度と皮膜の残留応力
との関係を示したグラフである。
i、AlおよびVの組成図にて本発明範囲と実施例を示
したものである。
Claims (18)
- 【請求項1】 (Tia,Alb,Vc)(C1-dNd)か
らなる硬質皮膜であって、 0.02≦a≦0.3、 0.5<b≦0.8、 0.05<c、 0.7≦b+c、 a+b+c=1、 0.5≦d≦1 (a,b,cはそれぞれTi,Al,Vの原子比を示
し、dはNの原子比を示す。以下同じ)であることを特
徴とする切削工具用硬質皮膜。 - 【請求項2】 前記b+cの値が0.75以上で、かつ
前記aの値が0.25以下である請求項1に記載の切削
工具用硬質皮膜。 - 【請求項3】 前記dの値が1である請求項1または2
に記載の切削工具用硬質皮膜。 - 【請求項4】 結晶構造が岩塩構造型を主体とするもの
である請求項1〜3のいずれかに記載の切削工具用硬質
皮膜。 - 【請求項5】 θ−2θ法によるX線回折で測定される
岩塩構造型の(111)面、(200)面および(22
0)面の回折線強度をそれぞれI(111)、I(20
0)およびI(220)とするとき、これらの値が下記
式(1)および/または式(2)、並びに式(3)を満
足する請求項1〜4のいずれかに記載の切削工具用硬質
皮膜。 I(220)≦I(111) …(1) I(220)≦I(200) …(2) I(200)/I(111)≧0.3 …(3) - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の要件を
満たし、且つ相互に異なる硬質皮膜が2層以上形成され
ていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の硬質皮
膜の片面側または両面側に、岩塩構造型主体の結晶構造
を有し、且つ前記硬質皮膜とは異なる成分組成である金
属窒化物層、金属炭化物層および金属炭窒化物層よりな
る群から選択される少なくとも1層が積層されているこ
とを特徴とする切削工具用硬質皮膜。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の硬質皮
膜の片面側または両面側に、4A族、5A族、6A族、
AlおよびSiよりなる群から選択される少なくとも1
種の金属を含む金属層または合金層が1以上積層されて
いることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の切削工
具用硬質皮膜の製造方法であって、成膜ガス雰囲気中で
金属を蒸発させイオン化して、前記金属とともに成膜ガ
スのプラズマ化を促進しつつ成膜することを特徴とする
切削工具用硬質皮膜の製造方法。 - 【請求項10】 ターゲットを構成する金属の蒸発およ
びイオン化をアーク放電にて行うアークイオンプレーテ
ィング法において、該ターゲットの蒸発面にほぼ直交し
て前方に発散ないし平行に進行する磁力線を形成し、こ
の磁力線によって被処理体近傍における成膜ガスのプラ
ズマ化を促進しつつ成膜する請求項9に記載の切削工具
用硬質皮膜の製造方法。 - 【請求項11】 前記被処理体に印加するバイアス電位
をアース電位に対して−50V〜−300Vとする請求
項10に記載の切削工具用硬質皮膜の製造方法。 - 【請求項12】 成膜時の前記被処理体温度を300℃
以上800℃以下とする請求項10または11に記載の
切削工具用硬質皮膜の製造方法。 - 【請求項13】 成膜時の反応ガスの分圧または全圧を
0.5Pa以上6Pa以下とする請求項10〜12のい
ずれかに記載の切削工具用硬質皮膜の製造方法。 - 【請求項14】 Ti、AlおよびVからなり、且つ相
対密度が95%以上であることを特徴とする硬質皮膜形
成用ターゲット。 - 【請求項15】 (Tix,Aly,Vz)からなるター
ゲットであって、 0.02≦x≦0.3、 0.5<y≦0.8、 0.05<z、 0.7≦y+z、 x+y+z=1 (x,y,zはそれぞれTi,Al,Vの原子比を示
す。以下同じ)である請求項14に記載の硬質皮膜形成
用ターゲット。 - 【請求項16】 前記ターゲット中に存在する空孔の大
きさが半径0.3mm未満である請求項14または15
に記載の硬質皮膜形成用ターゲット。 - 【請求項17】 酸素含有量が0.3質量%以下で、水
素含有量が0.05質量%以下であり、更に塩素含有量
が0.2質量%以下である請求項14〜16のいずれか
に記載の硬質皮膜形成用ターゲット。 - 【請求項18】 Cu含有量が0.05質量%以下で、
Mg含有量が0.03質量%以下である請求項14〜1
7のいずれかに記載の硬質皮膜形成用ターゲット。
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