JP2003033925A - インサート一体成形ウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
インサート一体成形ウレタンフォームの製造方法Info
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Abstract
の両方を確実に防止する。 【解決手段】基材1の端部及び基材1と当接する発泡型
3の型面の少なくとも一方に、キャビティ32と連通する
細溝状のウレタン逃溝30と、ウレタン逃溝30と連通しウ
レタン逃溝30より容積の大きなウレタン調整部31とを形
成した。ウレタン逃溝30とウレタン調整部31でキャビテ
ィ32の圧力と発泡ウレタンの洩れを調整でき、かつウレ
タン逃溝30とウレタン調整部31で成形されたウレタンフ
ォームは成形品に付着するので、バリ取りが不要とな
る。
Description
なくとも一方よりなる基材を発泡型内に配置し、それに
一体的に付着したウレタンフォーム成形体を形成する製
造方法に関する。さらに詳しくは、バリ取り工数を低減
できる製造方法に関する。
る部材が多く、それらの振動により発生する騒音の低減
が課題となっている。そこで騒音源を覆う防音カバーを
設けることが行われている。例えば特開平10−205352号
公報には、樹脂又は鋼板よりなる硬質の遮音層と、遮音
層の騒音源側表面に積層された高分子発泡体よりなる吸
音層とから構成された防音カバーが開示されている。こ
の防音カバーでは、遮音層が騒音源からの音を遮蔽し、
吸音層が騒音源からの音を吸音する。
層を通過する際に吸音層である程度吸音され、残りの音
波が遮音層に到達する。音波は硬質の遮音層を通過する
ことは困難であるため遮音層で反射され再び吸音層を通
過する。したがって音波は騒音源と遮音層の間で反射を
繰り返し、吸音層を通過する度に吸音されるので、効果
的に防音することが可能となる。
騒音源の表面形状に合わせて形成し、吸音層を騒音源に
密着させて配置する防音カバーが開示されている。この
ように吸音層を騒音源に密着させれば、防音カバーと騒
音源との間に隙間が生じることがないので、その隙間か
ら騒音が洩れるのを防止することができる。
音層と吸音層をそれぞれ形成した後に両者を接合する方
法でも製造できるが、遮音層を発泡型内にインサートと
して配置し、吸音層をウレタン発泡成形により遮音層と
一体成形するのが便利である。
型内にインサートとして配置して吸音層を一体成形する
場合、インサートと型面との間に発泡ウレタンが浸入し
てバリが発生することが避けられない。それは発泡型の
シール精度上の問題であるが、たとえそのシール精度を
高くしたとしても、今度は発泡ガスが抜けきらないため
に成形体にエア溜まりと称されるポアが生じてしまう。
樹脂の洩れは、薄膜状のバリとなって型面に付着する場
合が多く、この場合には発泡型からバリを除去する工程
が必要となり、成形サイクルがそこで停止するために生
産性が低下するという問題があった。
にキャビティと発泡型外部とを連通するガス抜き溝を形
成することが記載されている。このようにすれば、発泡
ウレタンがガス抜き溝に浸入することで発泡圧力が低減
するためバリの発生が防止できる。またガス抜き溝を通
過中の発泡ウレタンの粘度の上昇により、発泡型外へ発
泡ウレタンが洩れることもない、と記載されている。
設けたとしても、バリの発生防止と型外への洩れの両方
を精度よくバランスさせることはきわめて困難であっ
た。
の流動抵抗が大きい場合には、キャビティ内の発泡圧力
が増大してガス抜き溝以外の型面からバリが発生する場
合があり、逆に発泡ウレタンの流動抵抗が小さい場合に
は、キャビティ内の発泡圧力が小さくなって欠肉が生じ
たり、型外への洩れが生じる場合がある。また発泡圧力
は発泡型の精度、型締め力、発泡ウレタンの配合量、気
温などによって成形の度に微妙に変化するものである。
したがって単なるガス抜き溝だけでは、バリの発生と型
外への洩れの両方を精度よく防止することはきわめて困
難であった。
ものであり、欠肉を防止しつつ、バリの発生と型外への
洩れの両方を確実に防止することを目的とする。
明のインサート一体成形ウレタンフォームの製造方法の
特徴は、基材と、基材をインサートとして発泡型内に配
置して一体成形されたウレタンフォーム成形体と、より
なる成形品の製造方法であって、基材の端部及び基材と
当接する発泡型の型面の少なくとも一方に、キャビティ
と連通する細溝状のウレタン逃溝と、ウレタン逃溝と連
通しウレタン逃溝より容積の大きなウレタン調整部とを
形成し、ウレタン調整部にてキャビティで発泡する発泡
ウレタンの洩れを調整し、ウレタン逃溝及びウレタン調
整部により形成されたウレタンフォームが成形品に一体
的に結合した状態で脱型することにある。
成されたウレタンフォームが基材に付着した状態で脱型
することがより望ましい。
とも一方には、ウレタン調整部と発泡型外部とを連通す
る第2のウレタン逃溝をもつことが望ましく、発泡ウレ
タンの洩れはウレタン逃溝を流通後に時間差を置いて第
2のウレタン逃溝を流通することが望ましい。
タンフォームの製造方法では、基材の端部及び発泡型の
型面の少なくとも一方に、キャビティと連通する細溝状
のウレタン逃溝と、ウレタン逃溝と連通しウレタン逃溝
より容積の大きなウレタン調整部とが形成されている。
したがってキャビティ内を充填して膨張した発泡ウレタ
ンは、先ずウレタン逃溝を通過する。ウレタン逃溝は細
溝状であるため抵抗が大きく、キャビティ内の圧力が急
激に低下することがないので欠肉が防止される。そして
ウレタン逃溝を通過した発泡ウレタンは、容積の大きな
ウレタン調整部に進入する。これによりキャビティから
余分なガスを逃がすことができ、ポアの発生が防止され
る。
調整部に進入することでキャビティ内の圧力が適度に低
下するため、インサートと型面の間への発泡ウレタンの
進入が抑制され、型面に付着する膜状のバリの発生が防
止される。したがってバリを除去する工程が不要とな
り、成形サイクルを停止させるような不具合なく生産性
が向上する。
タン調整部により形成されたウレタンフォームが成形品
に一体的に結合した状態で脱型される。したがってその
部分のウレタンフォームが不要であれば、脱型後のトリ
ミングあるいは手むしりで容易に除去することができ、
ラインタクトには影響しない。またその部分のウレタン
フォームが成形品に残っても機能上問題がなければ、そ
のまま製品とすることができるので、工数を低減するこ
とができる。
材の端部及び基材と当接する発泡型の型面の少なくとも
一方に形成されている。したがってウレタン逃溝とウレ
タン調整部へ進入した発泡ウレタンは基材と当接する機
会が多く、ウレタンフォームは基材と接着性が高い場合
が多いので、ウレタン逃溝とウレタン調整部で形成され
たウレタンフォームを基材に付着させることが望まし
い。基材と一体的に接合した状態であれば、基材からの
剥離が防止され、機能上の問題も少ない。
成されたウレタンフォームは、キャビティで形成された
ウレタンフォーム成形体が存在する表面と同一表面で基
材に付着すれば、その表面は一般には意匠表面の裏面側
であるので、そのまま残しても問題がない。したがって
バリ取り工程そのものを廃止することができ、工数が格
段に向上する。そしてウレタン調整部に欠肉が生じたと
しても、意匠表面の裏面側であるのでそのまま残しても
問題がない。
端部又は基材と当接する発泡型の型面のいずれか一方に
形成してもよいし、両方に形成してもよい。また両方に
形成した溝を合わせることで形成することもできる。な
お基材の厚さが十分である場合には、ウレタン逃溝及び
ウレタン調整部は基材に形成することが望ましい。この
ようにすれば、ウレタン逃溝及びウレタン調整部に進入
した発泡ウレタンは基材と大きな接触面積で当接するの
で基材側に付着し、型面に付着して残るのが確実に防止
できる。また基材が薄肉である場合には、ウレタン逃溝
及びウレタン調整部は型面に形成すればよい。
溜まりやすい部分に連通するように形成してもよいし、
キャビティの全周に所定間隔を隔てて複数個形成するこ
ともできる。
通しウレタン逃溝より容積が大きければよい。例えば複
数のウレタン逃溝に連通する凹部としてもよいし、ウレ
タン逃溝とほぼ同一断面で長く延びる溝をウレタン調整
部とすることもできる。
整部の容積を大きくできないような場合には、ウレタン
調整部と発泡型外部とを連通する第2のウレタン逃溝を
形成することが好ましい。このようにすればキャビティ
内のガスを容易に逃がすことができ、バリの発生とポア
の発生をより防止することができる。しかしウレタン調
整部が完全に充填される前に第2のウレタン逃溝が詰ま
ると、キャビティ内にガスが溜まってポアが生成した
り、発泡型の外部あるいは型面に膜状のバリが生じたり
する場合がある。そこで、発泡ウレタンの洩れはウレタ
ン逃溝を流通後に時間差を置いて第2のウレタン逃溝を
流通するように構成することが望ましい。これによりバ
リの発生とポアの発生を確実に防止することができる。
流通後に時間差を置いて第2のウレタン逃溝を流通する
ように構成するには、キャビティに連通する第1のウレ
タン逃溝と第2のウレタン逃溝とが直線的にならず、圧
力が直接伝わらない形状とする方法などが例示される。
また、第2のウレタン逃溝の断面積をキャビティに連通
する第1のウレタン逃溝より小さくすれば、抵抗が大き
くなることで型外へのバリを抑制する効果が得られる。
ってもよいし、意匠表面を構成する表皮を基材としても
よい。また芯材と表皮の両方を基材とすることもでき
る。この場合には、ウレタン逃溝及びウレタン調整部に
より形成されたウレタンフォームは、芯材と表皮の両方
に付着していてもよいし、芯材と表皮のいずれか一方に
付着していてもよい。基材が硬質で厚肉の場合には、上
記したようにウレタン逃溝及びウレタン調整部は基材に
形成することが望ましいが、基材の肉厚が薄い場合や表
皮などの場合には発泡型の基材の裏面側に当接する型面
に形成することが望ましい。
る。
一体成形品の平面図を、図2にその要部断面図を示す。
この一体成形品は、金属製の四角形状の基材1と、基材
1の裏面側に形成されたウレタンフォーム2とから構成
されている。ウレタンフォーム2は略四角形状をなし、
各辺からは後述のウレタン逃溝30で形成された糸状部20
が略等間隔で突出し、複数の糸状部20の先端には後述の
ウレタン調整部31で形成され4本の糸状部20を連結し糸
状部20より厚肉の紐状部21が形成されている。糸状部20
及び紐状部21は、それぞれ基材1の裏面側に一体的に付
着している。
プレス加工などによって基材1を形成し、図3に示すよ
うに基材1を発泡型3内に配置する。発泡型3の基材1
の端部の裏面が当接する型面には、ウレタン逃溝30とウ
レタン調整部31が形成されている。ウレタン逃溝30の断
面積は2mm2 であり、ウレタン調整部31の容積は1cm 3
である。またキャビティ32の容積は 400cm3 である。ウ
レタン逃溝30はキャビティ32の各辺にそれぞれ4本形成
され、ウレタン調整部31はその4本のウレタン逃溝30を
連結している。
し発泡成形が始まると、キャビティ32内を充填し膨張し
た発泡ウレタンはウレタン逃溝30内を流動する。ウレタ
ン逃溝30は細溝状であるため流動抵抗が高く、キャビテ
ィ32内の圧力は十分高く欠肉が防止される。
発泡ウレタンはウレタン逃溝30からウレタン調整部31に
進入する。ウレタン調整部31は十分大きな容積を有して
いるので、ガスがウレタン調整部31に溜まることでキャ
ビティ32のガス抜きができポアの発生が防止される。ま
たバリとなるべき発泡ウレタンはウレタン逃溝30及びウ
レタン調整部31に逃げるため、バリの発生もない。
ム2を離型すると、糸状部20及び紐状部21は基材1に付
着した状態で離型され、発泡型3に残ることがない。ま
たバリも生じないので、バリ取り工程が不要となり生産
性が向上するとともに工数を大きく低減することができ
る。そして紐状部21に欠肉が生じていたとしても、基材
1のウレタンフォーム2が形成されている表面は意匠面
と反対側であるので、意匠性には何ら問題がない。
ャビティ32の各辺にそれぞれ設けられ、各ウレタン調整
部31はそれぞれ4本のウレタン逃溝30を連結している
が、各ウレタン逃溝30にそれぞれウレタン調整部31を設
けることもできる。またウレタン調整部31は厚肉として
いるが、容積がウレタン調整部31と同程度であれば、細
く長い通路としても同様の効果が得られる。
結していてもよいし、逆に一つのウレタン逃溝30に対し
て一つのウレタン調整部31というように独立していても
よい。
型4の型面を示す。この発泡型4には、略四角形状のキ
ャビティ40と、キャビティ40の各辺から略等間隔で延び
る複数のウレタン逃溝41と、4本のウレタン逃溝41を連
結するウレタン調整部42が形成されている。ここまでの
構成は実施例1で用いた発泡型3と同様であるが、本実
施例ではウレタン調整部42と発泡型4の外部とを連通す
る第2のウレタン逃溝43が形成されている。ウレタン逃
溝41の断面積は2mm2 であり、ウレタン調整部42の容積
は1cm3 であり、第2のウレタン逃溝43の断面積は1mm
2 である。ウレタン逃溝41はキャビティ40の各辺にそれ
ぞれ4本形成され、ウレタン調整部42はその4本のウレ
タン逃溝41を連結してキャビティ40の各辺にそれぞれ設
けられ、第2のウレタン逃溝43は、ウレタン調整部42の
両端と、ウレタン逃溝41どうしの間に、合計5本形成さ
れている。
し発泡成形が始まると、キャビティ40内を充填し膨張し
た発泡ウレタンはウレタン逃溝41内を流動する。ウレタ
ン逃溝41は細溝状であるため流動抵抗が高く、キャビテ
ィ40内の圧力は十分高く欠肉が防止される。
発泡ウレタンはウレタン逃溝41からウレタン調整部42に
進入する。ウレタン調整部42は十分な容積を有している
ので、ガスがウレタン調整部42に溜まることでキャビテ
ィ40のガス抜きができポアの発生が防止される。またバ
リとなるべき発泡ウレタンはウレタン逃溝41及びウレタ
ン調整部42に逃げるため、バリの発生もない。
合には、発泡ウレタンは第2のウレタン逃溝43に流入
し、ガスは第2のウレタン逃溝43から外部に逃げる。し
たがってウレタンフォーム2にポアが発生するのが防止
される。第2のウレタン逃溝43はウレタン逃溝41から離
れて形成されているので、発泡ウレタンはウレタン逃溝
41を通過した後ウレタン調整部42を流れ、時間差を置い
て第2のウレタン逃溝43に流入する。したがって発泡ウ
レタンはそれまでにほとんど固化するため、第2のウレ
タン逃溝43から外部に発泡ウレタンが洩れることはな
い。
ム2を離型すると、糸状部20、紐状部21及び第2のウレ
タン逃溝43で形成された第2の糸状部が基材1に付着し
た状態で離型され、発泡型3に残ることがない。またバ
リも生じないので、バリ取り工程が不要となり生産性が
向上するとともに工数を大きく低減することができる。
そして第2の糸状部が基材1の端面までの途中まで形成
されていたとしても、基材1のウレタンフォーム2が形
成されている表面は意匠面と反対側であるので、意匠性
には何ら問題がない。
型5の型面を示す。本実施例では、キャビティ50の各辺
からそれぞれ2本のウレタン逃溝51が延び、ウレタン逃
溝51は波形状の曲折溝52に連通し、曲折溝52は第2のウ
レタン逃溝53に連通している。ウレタン逃溝51、曲折溝
52及び第2のウレタン逃溝53の断面積はそれぞれ2mm2
で同一であるが、曲折溝52は発泡型5の端面とキャビテ
ィ50との間で複数回曲折され、曲折溝52の容積は1cm3
と大きなものとなっている。
タン調整部42と同様に作用するので、実施例2と同様の
作用効果が奏される。もし曲折溝52の容積がウレタン調
整部42の容積より小さい場合には、曲折溝52をさらに曲
折させて全長を長くすればよい。また本実施例では、曲
折溝52の波形状の進行方向がキャビティ50の一辺に沿う
方向であったが、キャビティ50と発泡型5の端面との距
離が大きい場合には、曲折溝52の波形状の進行方向をキ
ャビティ50の一辺と直交する方向とすることもできる。
レタンフォームの製造方法によれば、欠肉を防止しつ
つ、バリの発生と型外への洩れの両方を確実に防止する
ことができるので、工数を低減できるとともに生産性が
大きく向上する。
成形ウレタンフォームの平面図である。
である。
平面図である。
平面図である。
発泡型 20:糸状部 21:紐状部 30:
ウレタン逃溝 31:ウレタン調整部 32:キャビティ
Claims (4)
- 【請求項1】 基材と、該基材をインサートとして発泡
型内に配置して一体成形されたウレタンフォーム成形体
と、よりなる成形品の製造方法であって、 該基材の端部及び該基材と当接する発泡型の型面の少な
くとも一方に、キャビティと連通する細溝状のウレタン
逃溝と、該ウレタン逃溝と連通し該ウレタン逃溝より容
積の大きなウレタン調整部とを形成し、 該ウレタン調整部にて該キャビティで発泡する発泡ウレ
タンの洩れを調整し、該ウレタン逃溝及び該ウレタン調
整部により形成されたウレタンフォームが前記成形品に
一体的に結合した状態で脱型することを特徴とするイン
サート一体成形ウレタンフォームの製造方法。 - 【請求項2】 前記ウレタン逃溝及び前記ウレタン調整
部により形成されたウレタンフォームが前記基材に付着
した状態で脱型することを特徴とする請求項1に記載の
インサート一体成形ウレタンフォームの製造方法。 - 【請求項3】 前記基材の端部及び前記発泡型の型面の
少なくとも一方には、前記ウレタン調整部と前記発泡型
外部とを連通する第2のウレタン逃溝をもつことを特徴
とする請求項1に記載のインサート一体成形ウレタンフ
ォームの製造方法。 - 【請求項4】 前記発泡ウレタンの洩れは前記ウレタン
逃溝を流通後に時間差を置いて前記第2のウレタン逃溝
を流通するように構成されていることを特徴とする請求
項3に記載のインサート一体成形ウレタンフォームの製
造方法。
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