JP2003033722A - 耐候性鋼の防食法 - Google Patents
耐候性鋼の防食法Info
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Abstract
色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食方法を提供す
る。 【解決手段】 浮き錆以外の錆が残存する耐候性鋼表面
に、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金からなる群よ
り選ばれる金属粒子を含有する、膜厚30〜80μmの
防食塗膜を形成し、次いで、その上に、一般式、 R1 nSi(OR2)4-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数
である。〕で示されるオルガノシランの加水分解縮合物
(A)及び硬化触媒(B)を含有し、かつ促進耐候性試
験サンシャインウェザーメーター照射400時間後の光
沢保持率が80%以上の塗膜を形成する着色オルガノポ
リシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚20〜40μm と
なるように塗装し、乾燥する。
Description
性鋼の新規な塗装方法に関し、更に詳しくは、耐候性鋼
の流れ錆(赤錆)を防止し、環境に調和した様々な着色
の付与を可能にし、更に省工程で長期耐候性、防錆性を
付与する耐候性鋼の防食方法に関する。
いうこともあって炭素鋼を使用する場合が多い。しかし
ながら、炭素鋼は、空気中の水分(降雨、湿気等)や酸
素が鋼材表面に接触して、短期間で赤錆が発生する。こ
の赤錆発生を防止する方法としては、塗料を塗装する方
法が一般的である。この方法は、塗装の塗替を極力減ら
すため、耐久性の良好な塗装を施すことが一般的であ
る。例えば、無機ジンクリッチペイント塗装→エポキシ
樹脂塗料ミストコート→エポキシ樹脂塗料下塗塗装(2
回)→エポキシ樹脂塗料中塗塗装→ポリウレタン樹脂塗
料上塗塗装は、耐久性15年以上有する代表的な鋼材の
塗装システムである。この塗装システムは、環境と調和
した色彩を付与した美観及び長期の防錆性が維持できる
長所があるが、一方では、この塗装システムは膜厚が厚
く、更に6回塗りが必要なので、完成までに時間とコス
トがかかる。そこで、最近では鋼構造物に耐食性の良い
耐候性鋼を使用する場合が増加してきている。
i等の元素を添加した低合金鋼である。この鋼材は、屋
外に於て十数年で腐食に対して保護作用のある錆(以下
「保護錆」という。)を形成し、以後防錆処理作業を不
要とする、いわゆるメンテナンスフリーになるといった
特性を有している。この腐食に対する保護作用は、いわ
ゆる錆をもって錆を制すものであって、結晶水を多量に
含む無定型オキシ水酸化鉄が主体であり、これが緻密で
密着性の良い保護錆の形成に寄与するものと考えられて
いる。しかしながら、耐候性鋼の鋼材を無処理のままで
使用すると保護錆が形成されるまでの期間中に、赤錆や
黄錆等の浮き錆や流れ錆を生じてしまい、外見的に好ま
しくないばかりでなく、周囲環境の汚染原因にもなると
云う問題点を有していた。
保護錆を得るための塗装による表面処理法があるが、そ
れでも保護錆が形成されるまでに数年間の長い期間を要
し、この間に塗膜自体の白化、ふくれ、剥離といった問
題点を引き起こしている。また、発生した錆を目立たな
くするため色調はさび色に統一されており、炭素鋼への
塗装のように環境と調和した様々な色彩を付与する配慮
が全くなされていなかった。
しくなった既設の耐候性鋼は、そのまま、保護錆が形成
されるまで放置するか、又は補修する場合、通常、錆を
完全に落とした後、有機ジンクリッチペイント→エポキ
シ樹脂塗料下塗→エポキシ樹脂塗料中塗→上塗塗料と4
〜5回塗装するのが一般的であったが、塗装工程が多
く、時間とコストがかかる問題点を有していた。
を解決するため鋭意検討した結果、既設の浮き錆を有す
る耐候性鋼を、浮き錆のみ除去した後、それ以外の赤錆
や黄錆等の錆が固着し、残存する耐候性鋼表面に、アル
ミニウム粒子や亜鉛粒子等を含む防食塗膜を形成するこ
とで、防錆性を長期維持し、更に、耐候性の良好なオル
ガノポリシロキサンと、着色剤とを含む上塗塗料を塗装
することで耐候性を長期間維持し、流れ錆を防止し、更
に任意の着色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食方
法を完成したものである。
る耐候性鋼表面に、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合
金からなる群より選ばれる金属粒子を含有する、膜厚3
0〜80μmの防食塗膜を形成し、次いで、その上に、
一般式、 R1 nSi(OR2)4-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数
である。〕で示されるオルガノシランの部分加水分解縮
合物(A)及び硬化触媒(B)を含有し、かつ促進耐候
性試験サンシャインウェザーメーター照射400時間後
の光沢保持率が80%以上の塗膜を形成する着色オルガ
ノポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚20〜40μm
となるように塗装し、乾燥することを特徴とする耐候
性鋼の防食方法に関する。
する。本発明に用いる耐候性鋼としては、例えば、SP
A材や、SMA材と言われ、JISに規定されているも
のが挙げられ、本発明は、既設の、暴露されて数年経過
し、浮き錆の発生した耐候性鋼に適用される。
説明する。防食塗膜は、結合剤と、防食金属粒子とを含
有する。この防食塗膜を形成するのに使用される防食塗
料は、樹脂と、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金か
ら選択される少なくとも一種以上の金属粒子と、必要に
応じて配合される溶媒と、更には、分散剤や、抗菌剤、
ハジキ防止剤などの各種添加剤やシランカップリング剤
等から構成される。塗料の形態は、溶剤系や水系、無溶
剤系を問わない。防食塗膜を形成するための防食塗料に
使用される結合剤としては、樹脂が使用され、樹脂は、
密着性がよく、また腐食原因となる水や、酸素を透過し
にくい樹脂を使用することが必要である。このような樹
脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂や、変性エ
ポキシ樹脂、湿気硬化型ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリルシリコン樹脂、オルガノポ
リシロキサン、エポキシシリコン樹脂及びこれら樹脂
に、必要に応じて、従来よりこれらの樹脂と組み合わせ
て使用される各種の硬化剤を併用したものが挙げられ
る。
子、亜鉛粒子、又はそれらの合金粒子は、腐食原因とな
る水や、酸素が透過した場合、鋼材の代わり腐食する、
いわゆる犠牲防食作用を有しており、更に、その腐食生
成物が、緻密な皮膜を形成し、水や酸素が、鋼材表面に
浸透、接触することを防止する効果を有する。金属粒子
の平均粒径は、例えば、2〜25μm、好ましくは、5
〜15μmが適当である。これら金属粒子の配合量は、
樹脂(及びその硬化剤)100質量部に対して、例え
ば、5〜800質量部、好ましくは、アルミニウム又は
アルミニウムを主成分とする合金粒子の場合、8〜20
0質量部が適当であり、亜鉛又は亜鉛を主成分とする合
金粒子の場合、100〜600質量部が適当である。こ
の範囲の添加量であれば、充分な防錆性と、良好な防食
塗料の貯蔵安定性及び良好な塗膜の各種物理的特性が得
られる。防食塗膜は、30〜80μm、好ましくは、3
5〜60μmの厚みを有することが適当である。30μ
m未満であると、防錆性が不充分となり易く、一方、8
0μm越えると、防食塗料を垂直面に塗装した場合、塗
料がタレやすく、また、乾燥が遅くなりやすい等の不具
合が生じるので好ましくない。
キサン系上塗塗料について説明する。オルガノポリシロ
キサン系上塗塗料は、オルガノシランの部分加水分解縮
合物(A)、硬化触媒(B)及び着色剤(C)を含有
し、更に任意に、無公害防錆顔料や、溶媒、シランカッ
プリング剤、分散剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、ハジキ防
止剤などの各種添加剤を含有する。塗料の形態は、溶剤
系や、水系、無溶剤系を問わない。
用されるオルガノシランは、一般式、 R1 nSi(OR2)4-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数
である。〕で示される。上記一般式において、R1は、
炭素数1〜8の有機基であり、例えば、アルキル基や、
シクロアルキル基、アリール基、ビニル基等を含む。
い。具体的には、このようなアルキル基としては、例え
ば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアル
キル基は、炭素数が、1〜4個のものである。シクロア
ルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シク
ロヘプチル基、シクロオクチル基等が好適に挙げられ
る。
等が挙げられる。これらの各官能基は、任意に置換基を
有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハ
ロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フツ素原
子等)や、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、
(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環式基等が
挙げられる。R2としてのアルキル基は、直鎖でも分岐
したものでもよい。
や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基等が挙げられ、好ましいアルキル基は、
炭素数が、1〜2個のものである。アルキル基は、分岐
を有するものであってもよい。このようなアルキル基と
しては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−グ
リシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル
基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロピル
基などが挙げられる。
ル基であり、分岐を有していてもよい。このようなアル
キル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチ
ル基、t−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、
n−ヘキシル基などが挙げられる。
は、テトラメチルシリケートや、テトラエチルシリケー
ト、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プ
ロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケートなど
のnが0の場合のオルガノシラン;メチルトリメトキシ
シランや、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピル
トリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ランなどのnが1の場合のオルガノシラン;ジメチルジ
メトキシシランや、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシランなどのnが2の場合のオルガ
ノシラン等が代表的なものとして挙げられる。これらオ
ルガノシランの部分加水分解縮合物は、塗装作業性等の
観点から縮合度が、例えば、30以下、好ましくは、1
0以下のものが好ましい。
物(A)は、硬化剤(B)によって縮合した場合に、耐
候性の良好な塗膜を形成するものを選択使用することが
必要である。即ち、促進耐候性試験サンシャインウェザ
ーメーター照射400時間後の光沢保持率が80%以
上、好ましくは、90%以上の塗膜を形成するようなオ
ルガノシランの部分加水分解縮合物を使用する必要があ
り、そのため前述のオルガノシランを1種もしくは2種
以上の組み合わせ、前記光沢保持率特性を有する塗膜を
形成するものを選択使用する。なお、光沢保持率が80
%未満であると塗膜に、白化や、フクレ、剥離等が生じ
るので好ましくない。なお、ここでいう促進耐候性試験
サンシャインウェザーメーターとは、JIS K5400で
規定されるサンシャインカーボンアーク灯式の、実際の
屋外暴露と相関のある促進耐候性試験機であり、光沢保
持率とは、JIS K5400で規定される60度鏡面光沢
度から下記の式で計算された、光沢の残存の程度をい
う。
ター照射400時間後の光沢)×100/初期光沢
(%) 上記オルガノポリシロキサン系上塗塗料に使用される硬
化触媒(B)は、オルガノシランの部分加水分解縮合物
(A)を縮合反応させ、塗膜を硬化させる触媒である。
硬化触媒(B)としては、従来から通常使用されている
ものが特に制限なく利用可能である。このような硬化触
媒(B)としては、具体的には、例えば、ジブチルスズ
ジラウレートや、ジブチルスズジマレエート、ジオクチ
ルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、ジ
オクチルスズマレエート、オクチル酸スズなどの有機ス
ズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチ
ルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチ
ルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホ
スフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェ
ート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェート
などのリン酸又はリン酸エステル;
ト)チタニウム、ジイソプロポキシビス(エチルアセト
アセテート)チタニウムなどの有機チタネート化合物;
トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリ
ス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機ア
ルミニウム化合物;テトラブチルジルコネート、テトラ
キス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライ
ソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセ
トナート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物
等が代表的なものとして挙げられる。
分加水分解縮合物(A)100質量部に対して、例え
ば、0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜6が適
当である。この範囲内において、良好な硬化性が得ら
れ、良好な塗料安定性が得られる。オルガノポリシロキ
サン系上塗塗料に任意に配合される無公害防錆顔料とし
ては、例えば、リン酸アルミニウムや、トリポリリン酸
アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カ
リウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、
リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛アルミニウム、モリ
ブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン
酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、ハイドロカ
ルマイト等の防錆顔料が挙げられ、これらは一種もしく
は二種以上の混合物が用いられる。但し、クロム系、鉛
系は毒性の観点から好ましくない。
膜中の粒子の溶出速度を調整し、それにより長期防錆性
を向上させるため配合するものであり、その配合量は、
オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)100質量
部に対して、例えば、1〜80質量部、好ましくは、5
〜60質量部添加するのが適当である。この範囲内であ
れば、良好な防錆性と、良好な塗料の貯蔵安定性が得ら
れる。
するのに配合される着色顔料としては、具体的には、二
酸化チタンや、酸化亜鉛等の白色顔料、カーボンブラッ
ク、黒鉛等の黒色顔料、モリブデートオレンジ、パーマ
ネントカーミン、キナクリドンレッド等の赤色顔料、キ
ノフタレンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔
料、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等
の緑、青顔料等の、通常塗料用に使用されている各色の
顔料が代表的なものとして挙げられる。更に、体質顔料
も併用してもよい。着色顔料は、その種類によっても異
なるが、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)1
00質量部に対して、例えば、0.1〜70質量部、好
ましくは、0.5〜60質量部で添加するのが適当であ
る。
配合されるシランカップリング剤としては、例えば、γ
−クロロピルトリメトキシシランや、ビニルトリクロル
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルジメチル、γ−グリシドキシプロピルジメ
チルエトキシシラン等が代表的なものとして挙げられ
る。
の金属粒子と複合化し、防食塗膜と、着色されたオルガ
ノポリシロキサン系上塗塗料によって形成される塗膜と
の密着性を向上させるため配合するものであり、その配
合量は、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)1
00質量部に対して、例えば、0〜20質量部、好まし
くは、1〜15質量部で添加するのが望ましい。この範
囲内での配合によって、良好な塗料の貯蔵安定性が得ら
れる。
燥膜厚、20〜40μm、好ましくは、25〜35μm
で塗装することが適当である。20μm未満であると、
隠蔽性や、耐候性が不充分となる。一方、40μm越え
ると、発泡や、硬化不良が生じやすくなり、また垂直面
に塗装した場合、塗料がたれる等の不具合が生じる易
い。
浮き錆が表面に発生している耐候性鋼を、ワイヤーブラ
シ等で浮き錆のみを除去する。なお、耐候性鋼に固着し
た赤錆や、黄錆等の錆は、問題ないが、浮き錆は、塗膜
が浮き錆とともに剥離しやすく、そのための前処理とし
てそれを除去する必要がある。次いで、防食塗膜を形成
する防食塗料を、ハケや、スプレー、ローラー等の手段
で、乾燥膜厚が、30〜80μmとなるように塗装し、
自然乾燥もしくは100℃以下の温度で強制乾燥させ
る。次いで、この防食塗膜の上に、オルガノポリシロキ
サン系上塗塗料を同様な手段で乾燥膜厚が20〜40μ
mとなるように塗装し、乾燥させる。
詳細に説明する。なお、実施例中「部」、「%」は、質
量基準で示す。
×300(mm)のJIS G3141に規定された耐候性鋼
(SMA400)表面をワイヤーブラシにて軽く浮き錆
を除去した。次いで、該耐候性鋼表面に、下記組成のエ
ポキシ樹脂系防食塗料を乾燥膜厚50μmになるよう一
回塗装し、1日間自然乾燥させた。次いで、その上に、
下記組成のオルガノポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜
厚が35μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエ
ポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。得
られた塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その結果を
以下の表1に示す。
き錆を軽く落とした後、下記組成の湿気硬化型ウレタン
樹脂系防食塗料を乾燥膜厚50μmになるよう一回塗装
し、1日間自然乾燥させた。次いで、その上に実施例1
と同じオルガノポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚3
5μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ
樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。得られた
塗装鋼の耐候性及び防食性を評価した結果を表1に示
す。
き錆を軽く除去した後、下記組成のエポキシ樹脂系防食
塗料を乾燥膜厚50μmになるよう一回塗装し、1日間
自然乾燥させた。次いで、その上に下記組成のオルガノ
ポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚35μmになるよ
う一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシー
ルし、7日間自然乾燥させた。得られた塗装鋼の耐候性
及び防食性の評価結果を表1に示す。
除去し、全く塗装しないで、耐候性及び防食性を評価し
た結果を表1に示す。比較例2 実施例1において、亜鉛粉末又はアルミニウム粉末を含
有しない防食塗料を使用し、更に防錆顔料とシランカッ
プリング剤とを含有しない上塗塗料を使用した以外は、
実施例1と同様にして塗装し、塗装鋼の耐候性及び防食
性を評価した結果を表1に示す。
400時間後の光沢保持率(%) 注12) 屋外暴露1年 注13) 塩水噴霧試験1000時間
ば、任意の色に着色でき、また優れた耐候性及び防食性
を有する塗装鋼が得られる。一方、無塗装の比較例1及
び防錆剤等を含有しない比較例2では、いずれも赤錆が
発生した。
を長期間保持し、流れ錆を防止し、更に任意の着色を可
能にした、省工程の耐候性鋼の防食が可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】 浮き錆以外の錆が残存する耐候性鋼表面
に、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金からなる群よ
り選ばれる金属粒子を含有する、膜厚30〜80μmの
防食塗膜を形成し、次いで、その上に、一般式、 R1 nSi(OR2)4-n 〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、
炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数
である。〕で示されるオルガノシランの部分加水分解縮
合物(A)及び硬化触媒(B)を含有し、かつ促進耐候
性試験サンシャインウェザーメーター照射400時間後
の光沢保持率が80%以上の塗膜を形成する着色オルガ
ノポリシロキサン系上塗塗料を、乾燥膜厚20〜40μ
m となるように塗装し、乾燥することを特徴とする耐
候性鋼の防食法。 - 【請求項2】 前記上塗塗料が、シランカップリング剤
を含有する請求項1記載の防食法。 - 【請求項3】 前記上塗塗料が、無公害防錆顔料を含有
する請求項1記載の防食法。
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