JP4282254B2 - 耐候性鋼の防食法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性鋼の新規な塗装方法に関し、更に詳しくは、耐候性鋼の流れ錆(赤錆)を防止し、環境に調和した様々な着色の付与を可能にし、更に省工程で長期耐候性及び防錆性を付与する耐候性鋼の防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に鋼構造物は、そのコストが安いということもあって炭素鋼を使用する場合が多い。しかしながら、炭素鋼は、空気中の水分(降雨、湿気等)や、酸素が鋼材表面に接触して、短期間で赤錆が発生する。この赤錆発生を防止する方法としては、塗料を塗装する方法が一般的である。この方法は、塗装の塗替を極力減らすため、耐久性の良好な塗装を施すことが一般的である。例えば、無機ジンクリッチペイント塗装→エポキシ樹脂塗料ミストコート→エポキシ樹脂塗料下塗塗装(2回)→エポキシ樹脂塗料中塗塗装→ポリウレタン樹脂塗料上塗塗装は、耐久性15年以上有する代表的な鋼材の塗装システムである。
この塗装システムは、環境と調和した色彩を付与した美観及び長期の防錆性が維持できる長所があるが、一方では、この塗装システムは膜厚が厚く、更に6回塗りが必要なので、完成までに時間とコストがかかる。そこで、最近では、鋼構造物に耐食性の良い耐候性鋼を使用する場合が増加してきている。
【0003】
耐候性鋼は、一般的にP、Cu、Cr、Ni等の元素を添加した低合金鋼である。この鋼材は、屋外に於て十数年で腐食に対して保護作用のある錆(以下「保護錆」という。)を形成し、以後防錆処理作業を不要とする、いわゆるメンテナンスフリーになるといった特性を有している。
この腐食に対する保護作用は、いわゆる錆をもって錆を制すものであって、結晶水を多量に含む無定型オキシ水酸化鉄が主体であり、これが緻密で密着性の良い保護錆の形成に寄与するものと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、耐候性鋼の鋼材を無処理のままで使用すると保護錆が形成されるまでの期間中に、赤錆や黄錆等の浮き錆や流れ錆を生じてしまい、外見的に好ましくないばかりでなく、周囲環境の汚染原因にもなると云う問題点を有していた。
また、従来例において、耐候性鋼の表面に保護錆を得るための塗装による表面処理法があるが、それでも保護錆が形成されるまでに数年間の長い期間を要し、この間に塗膜自体の白化、ふくれ、剥離といった問題点を引き起こしている。また、発生した錆を目立たなくするため色調はさび色に統一されており、炭素鋼への塗装のように環境と調和した様々な色彩を付与する配慮が全くなされていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、耐候性鋼表面に、アルミニウム粒子や亜鉛粒子等を含む防食塗膜を形成することで、防錆性を長期維持し、更に、耐候性の良好なオルガノポリシロキサンと着色剤とを含む上塗塗料を塗装することで耐候性を長期間維持し、流れ錆を防止し、更に任意の着色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食方法を完成したものである。
即ち、本発明は、耐候性鋼表面に、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属粒子を含有する防食塗膜を膜厚30〜80μmで形成し、次いで、その上に、一般式、
1 nSi(OR24-n
〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数である。〕
で示されるオルガノシランの部分加水分解縮合物(A)及び硬化触媒(B)を含有し、かつ促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射400時間後の光沢保持率が80%以上の塗膜を形成する着色オルガノポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚20〜40μm となるように塗装し、乾燥することを特徴とする耐候性鋼の防食方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる耐候性鋼としては、SPA材や、SMA材と言われ、JISに規定されているものが挙げられ、錆等が付着している場合は、ブラストや酸洗等の前処理を施したものである。
次に、本発明で使用する防食塗膜について説明する。
防食塗膜は、結合剤と、防食性金属粒子とを含有する。防食塗膜を形成するのに使用される防食塗料は、樹脂と、アルミニウム、亜鉛又はそれらの合金からなる金属粒子と、必要に応じて配合される溶媒や、分散剤、抗菌剤、ハジキ防止剤などの各種添加剤、シランカップリング剤等から構成される。塗料の形態は、溶剤系や水系、無溶剤系を問わない。
【0007】
防食塗膜を形成するための防食塗料に使用される結合剤としては、樹脂が使用され、このような樹脂は、密着性がよく、また腐食原因となる水や酸素を透過しにくい樹脂を使用することが必要である。このような樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂や、変性エポキシ樹脂、湿気硬化型ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルシリコン樹脂、オルガノポリシロキサン、エポキシシリコン樹脂及びこれら樹脂に必要に応じて、従来よりこれらの樹脂と組み合わせて使用される各種の硬化剤を併用したものが挙げられる。
【0008】
防食塗料に使用される、アルミニウム粒子、亜鉛粒子又はそれらの合金粒子は、腐食原因となる水や、酸素が透過した場合、鋼材の替わりに腐食する、いわゆる犠牲防食作用を有しており、更に、その腐食生成物が、緻密な皮膜を形成し、水や酸素が、鋼材表面に浸透、接触することを防止する効果を有する。
金属粒子の平均粒径は、例えば、2〜25μm、好ましくは、5〜15μmが適当である。
【0009】
これら金属粒子の配合量は、樹脂(及びその硬化剤)100質量部に対して、例えば、5〜800質量部、好ましくは、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金粒子の場合、例えば、8〜200質量部が適当であり、亜鉛又は亜鉛を主成分とする合金粒子の場合、例えば、100〜600質量部が適当である。この範囲の添加量であれば、充分な防錆性と、良好な防食塗料の貯蔵安定性及び良好な塗膜の各種物理的特性が得られる。
防食塗膜の膜厚は、30〜80μm、好ましくは、35〜60μmが適当である。30μm未満であると、防錆性が不充分であり、一方、80μm越えると、防食塗料を垂直面に塗装した場合、塗料がタレやすく、また、乾燥が遅くなりやすい等の不具合が生じるので好ましくない。
【0010】
次に、本発明で使用するオルガノポリシロキサン系上塗塗料について説明する。
オルガノポリシロキサン系上塗塗料は、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)、硬化触媒(B)及び着色剤(C)を含有し、任意に、無公害防錆顔料や、着色剤、溶媒、シランカップリング剤、分散剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、ハジキ防止剤などの各種添加剤を含む。オルガノポリシロキサン系上塗塗料の形態は、溶剤系や、水系、無溶剤系を問わない。
【0011】
オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)に使用されるオルガノシランは、一般式、
1 nSi(OR24-n
〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数である。〕
で示される。
上記一般式において、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、例えば、アルキル基や、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基等を含む。
【0012】
アルキル基としては、分岐したものでもよい。具体的には、このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜4個のものである。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が好適に挙げられる。
【0013】
アリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
これらの各官能基は、任意に置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フツ素原子等)や、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環式基等が挙げられる。
2としてのアルキル基は、直鎖でも分岐したものでもよい。
【0014】
アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜2個のものである。
アルキル基は、分岐を有するものであってもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロピル基などが挙げられる。
【0015】
前記式中、R2は、炭素数1〜6のアルキル基であり、分岐を有していてもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
【0016】
このようなオルガノシランの具体例としては、テトラメチルシリケートや、テトラエチルシリケート、テトラ−n−プロピルシリケート、テトラ−i−プロピルシリケート、テトラ−n−ブチルシリケートなどのnが0の場合のオルガノシラン;メチルトリメトキシシランや、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
【0017】
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシランなどのnが1の場合のオルガノシラン;ジメチルジメトキシシランや、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのnが2の場合のオルガノシラン等が代表的なものとして挙げられる。これらオルガノシランの部分加水分解縮合物は、塗装作業性等の観点から縮合度が、例えば、30以下、好ましくは、10以下のものが好ましい。
【0018】
また、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)は、硬化剤(B)によって縮合した場合に、耐候性の良好なものを選択使用することが必要である。即ち、促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射400時間後の光沢保持率が80%以上、好ましくは90%以上の塗膜を形成するようなオルガノシランの部分加水分解縮合物を使用する必要があり、そのため前述のオルガノシランを1種又は2種以上の組み合わせ、前記光沢保持率特性を有する塗膜を形成するものを選択使用する。なお、光沢保持率が80%未満であると塗膜に白化、フクレ、剥離等が生じるので好ましくない。なお、ここでいう促進耐候性試験サンシャインウェザーメーターとは、JIS K5400で規定されるサンシャインカーボンアーク灯式の、実際の屋外暴露と相関のある促進耐候性試験機であり、光沢保持率とは、JIS K5400で規定される60度鏡面光沢度から下記の式で計算された、光沢の残存の程度をいう。
【0019】
光沢保持率=(サンシャインウェザーメーター照射400時間後の光沢)×100/初期光沢 (%)
上記オルガノポリシロキサン系上塗塗料に使用される硬化触媒(B)は、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)を更に、縮合反応させ、塗膜を硬化させる触媒である。硬化触媒(B)としては、従来から通常使用されているものが特に制限なく利用可能であるが、具体的には、例えば、ジブチルスズジラウレートや、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、ジオクチルスズマレエート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸又はリン酸エステル;
【0020】
ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタニウムなどの有機チタネート化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物;テトラブチルジルコネート、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトライソブチルジルコネート、ブトキシトリス(アセチルアセトナート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物等が代表的なものとして挙げられる。
【0021】
硬化触媒(B)の配合量は、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)100質量部に対して、例えば、0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜6が適当である。この範囲内において、良好な硬化性が得られ、良好な塗料安定性が得られる。
オルガノポリシロキサン系上塗塗料に任意に配合される無公害防錆顔料としては、例えば、リン酸アルミニウムや、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、ハイドロカルマイト等の防錆顔料が挙げられ、これらは一種又は二種以上の混合物が用いられる。但し、クロム系、鉛系は毒性の観点から好ましくない。
【0022】
これら無公害防錆顔料は、前記防食塗料塗膜中の金属粒子の溶出速度を調整し、それにより長期防錆性を向上させるため配合するものであり、その配合量は、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)100質量部に対して、例えば、1〜80質量部、好ましくは、5〜60質量部添加するのが良い。この範囲内であれば、良好な防錆性と、良好な塗料の貯蔵安定性が得られる。
【0023】
オルガノポリシロキサン系上塗塗料に、要望に合致した着色を施すための着色顔料としては、具体的には、二酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、カーボンブラック、黒鉛等の黒色顔料、モリブデートオレンジ、パーマネントカーミン、キナクリドンレッド等の赤色顔料、キノフタレンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等の緑、青顔料等の、通常塗料用に使用されている各色の顔料が代表的なものとして挙げられる。更に、体質顔料も併用してもよい。着色顔料は、その種類によっても異なるが、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)100質量部に対して、例えば、0.1〜70質量部、好ましくは、0.5〜60質量部添加するのが適当である。
【0024】
オルガノポリシロキサン系上塗塗料に適宜配合されるシランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロピルトリメトキシシランや、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチル、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン等が代表的なものとして挙げられる。
【0025】
シランカップリング剤は、前記防食塗膜中の金属粒子と複合化し、防食塗膜と、着色されたオルガノポリシロキサン系上塗塗料から形成される塗膜との密着性を向上させるため配合するものであり、その配合量は、オルガノシランの部分加水分解縮合物(A)100質量部に対して、例えば、0〜20質量部、好ましくは、1〜15質量部添加するのが望ましい。この範囲内での配合によって、良好な塗料の貯蔵安定性が得られる。
【0026】
オルガノポリシロキサン系上塗塗料は、乾燥膜厚20〜40μm、好ましくは、25〜35μmで塗装することが適当である。20μm未満であると、隠蔽性や耐候性が不充分となる。一方、40μm越えると、発泡や硬化不良が生じやすくなり、また垂直面に塗装した場合、塗料がたれる等の不具合が生じる。
【0027】
次に耐候性鋼の塗装方法について述べる。
耐候性鋼表面を必要に応じて前処理施した後、上記防食塗料をハケ、スプレー、ローラー等の手段で乾燥膜厚が、30〜80μmとなるように塗装し、自然乾燥又は100℃以下の温度で強制乾燥させる。次いで、上記オルガノポリシロキサン系上塗塗料を同様な手段で乾燥膜厚が20〜40μmとなるように塗装し、同様にして乾燥させる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明について、実施例により、更に詳細に説明する。
なお、実施例中「部」、「%」は、質量基準で示す。
【0029】
実施例1
平均表面荒さ30μmにアルミナブラスト処理を施した、3×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐候性鋼(SMA400)表面に、下記組成のエポキシ樹脂系防食塗料を乾燥膜厚50μmになるよう一回塗装し、1日間自然乾燥させた。次いで、得られた防食塗膜の上に、下記組成のオルガノポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚が35μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。得られた塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その結果を表1に示す。
【0030】
〔防食塗料〕
<主剤成分>
エポキシ樹脂溶液 1) 200.0部
亜鉛粒子(平均粒径5μm) 800.0部
キシレン 75.0部
注1)エポキシ当量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形分70%
<硬化剤成分>
ポリアミドアミン樹脂溶液 2) 101.6部
キシレン 172.4部
注2)アミン価75mgKOH/g、固形分65%
【0031】
Figure 0004282254
注3)メチルトリメトキシシラン(信越シリコン社製商品名;KBM13)45.0部、フェニルトリメトキシシラン(信越シリコン社製商品名;KBM103)25.0部、フェニルトリプロポキシシランの部分加水分解縮合物(東芝ダウコーニング社製商品名;SH6018)25.0部及びアルミニウムキレート化剤(川研フアインケミカル社製商品名;アルミキレートD)4.6部を60℃、3時間攪拌反応して得られた縮合物溶液(固形分90%)。
【0032】
実施例2
実施例1と同様のブラスト処理した耐候性鋼表面に、下記組成の湿気硬化型ウレタン樹脂系防食塗料を乾燥膜厚50μmになるよう一回塗装し、1日間自然乾燥させた。得られた防食塗膜の上に実施例1と同じオルガノポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚35μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。得られた塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その結果を表1に示す。
【0033】
〔防食塗料〕
キシレン樹脂 4) 39.0部
芳香族ポリイソシアネート 5) 91.0部
亜鉛粒子(平均粒径8μm) 770.0部
脱水剤 6) 16.0部
キシレン 680.0部
注4)三菱瓦斯化学工業(株)社製商品名; ニカノール3L
(キシレン/ホルムアルデヒド樹脂)
注5)住友バイエルウレタン株)社製商品名;スミジュールE21−1
注6)住友バイエルウレタン株)社製商品名;アディティブT1
(トシルイソシアネート)
【0034】
実施例3
実施例1と同様のブラスト処理した耐候性鋼表面に、下記組成のエポキシ樹脂系防食塗料を乾燥膜厚50μmになるよう一回塗装し、1日間自然乾燥させた。得られた防食塗膜の上に、下記組成のオルガノポリシロキサン系上塗塗料を乾燥膜厚35μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性評価結果を表1に示す。
【0035】
〔防食塗料〕
<主剤成分>
エポキシ樹脂溶液 7) 200.0部
アルミニウムペースト 8) 35.6部
ミネラルスプリット 200.0部
<硬化剤成分>
ポリアミドアミン樹脂溶液 9) 102.8部
キシレン 69.6部
注7)エポキシ当量210のビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形分100%
注8)アルミニウム粒子の平均粒径12μm、固形分75%
注9)アミン価255mgKOH/g、固形分76%
【0036】
Figure 0004282254
注10)オルガノシラン部分加水分解縮合物(東レダウコーニング社製商品名;DC3037)52.5部、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レダウコーニング社製商品名;SR2402)18.5部、フェニルトリメトキシシラン(信越シリコン社製商品名;KBM103)25.0部、テトラメチルシリケート(信越シリコン社製商品名;KBE04)5.0部及び「アルミキレートD」1.2部を60℃、3時間攪拌反応して得られた縮合物溶液(固形分93%)。
【0037】
比較例1
実施例1と同じブラスト処理した耐候性鋼を、全く塗装しないで、耐候性及び防食性評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、亜鉛粉末又はアルミニウム粉末を含有しない防食塗料を使用し、更に防錆顔料と、シランカップリング剤とを含有しない上塗塗料を使用する以外は、実施例1と同様にして塗装し、その塗装鋼の耐候性及び防食性評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 0004282254
【0039】
注11) サンシャインウェザーメーター400時間後の光沢保持率(%)
注12) 屋外暴露1年
注13) 塩水噴霧試験1000時間
【0040】
表1からも明らかな通り、本発明においては、任意の色に着色でき、また優れた耐候性及び防食性を有していた。一方、無塗装の比較例1及び防錆剤等を含有しない比較例2では、いずれも赤錆が発生した。
【0041】
【発明の効果】
本発明の方法により、防錆性及び耐候性を長期間保持し、流れ錆を防止し、更に任意の着色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食が得られる。

Claims (1)

  1. 耐候性鋼表面に、アルミニウム、亜鉛及びそれらの合金からなる群より選ばれる金属粒子を含有する、膜厚30〜80μmの防食塗膜を形成し、次いで、その上に、一般式、
    1 nSi(OR24-n
    〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜6のアルキル基であり、nは、0〜2の整数である。〕で示されるオルガノシランの部分加水分解縮合物(A)硬化触媒(B)、エポキシ基を有するシランカップリング剤、及び無公害防錆顔料を含有し、かつ促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射400時間後の光沢保持率が80%以上の塗膜を形成する着色オルガノポリシロキサン系上塗塗料を、乾燥膜厚20〜40μmとなるように塗装し、乾燥することを特徴とする耐候性鋼の防食法。
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