JP2003031818A - 半導体圧力センサ - Google Patents

半導体圧力センサ

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JP2003031818A JP2001211011A JP2001211011A JP2003031818A JP 2003031818 A JP2003031818 A JP 2003031818A JP 2001211011 A JP2001211011 A JP 2001211011A JP 2001211011 A JP2001211011 A JP 2001211011A JP 2003031818 A JP2003031818 A JP 2003031818A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SOI(シリコン−オン−インシュレータ)
基板に対して、圧力検出用のダイヤフラムを形成し、こ
のSOI基板をガラスよりなる台座に陽極接合してなる
半導体圧力センサの製造方法において、陽極接合用の電
極部を容易に形成できるようにする。 【解決手段】 第1のシリコン基板11にゲージ拡散抵
抗3、回路素子4を形成し、第2のシリコン基板12に
凹部を形成してダイヤフラム1を形成し、SOI基板1
0における素子及びダイヤフラム形成領域の外周部に、
研削することにより第2のシリコン基板12が露出した
露出部15を形成する。この露出部15を介して、第2
のシリコン基板12と台座20との間に電圧を印加し、
両者を陽極接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の半導体層が
絶縁膜を介して積層されてなる積層基板に対して、圧力
検出用のダイヤフラムを形成し、この積層基板を台座に
陽極接合してなる半導体圧力センサの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体圧力センサは、SOI
(シリコン−オン−インシュレータ)基板等、第1の半
導体層と第2の半導体層とが絶縁膜を介して積層されて
なる積層基板において、第1の半導体層側の表面に圧力
検出用の素子を形成し、第2の半導体層側から凹んだ凹
部を形成して圧力検出用のダイヤフラムを形成すること
により、製造される。
【0003】そして、このような半導体圧力センサとし
ては、特開平2−224277号公報、特開平5−34
3705号公報、特開平3−178172号公報、特開
平4−103177号公報等に記載のものが提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記半導体
圧力センサは、例えば、特開平2−224277号公報
に記載されている様に、ガラスよりなる台座に接合され
て実装されるのが通常である。このガラス台座と上記積
層基板との接合は、上記凹部が形成された第2の半導体
基板にて行われ、当該第2の半導体基板とガラス台座と
の間に電圧印加する陽極接合によって行うのが一般的で
ある。
【0005】しかし、従来における陽極接合用の電極部
の形成は、第1の半導体層及び絶縁膜を深堀りして除去
した後、更に、電極材料となるAlやポリシリコン等を
成膜、パターニングすることによって行われていたた
め、陽極接合用の電極部形成のための工程が複雑化し、
安価に製造できないといった問題がある。
【0006】そこで、本発明は上記問題に鑑み、一対の
半導体層が絶縁膜を介して積層されてなる積層基板に対
して、圧力検出用のダイヤフラムを形成し、この積層基
板を台座に陽極接合してなる半導体圧力センサの製造方
法において、陽極接合用の電極部を容易に形成できるよ
うにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、第1の半導体層(1
1)と第2の半導体層(12)とが絶縁膜(13)を介
して積層されてなる積層基板(10)を用意し、この積
層基板における第1の半導体層に圧力検出用の素子
(3、4)を形成する工程と、積層基板における素子の
形成領域よりも外周側の部位にて、第1の半導体層およ
び絶縁膜を除去することにより、第2の半導体層が露出
した露出部(15)を形成する工程と、積層基板におけ
る露出部の内周側にて、第2の半導体層側から凹んだ凹
部を形成し、この凹部に対応する第1の半導体層側に、
圧力の印加に応じて歪み可能なダイヤフラム(1)を形
成する工程と、少なくとも一面側がガラスよりなる台座
(20)の一面を積層基板における第2の半導体層に接
触させつつ、露出部を介して第2の半導体層と台座との
間に電圧を印加することにより、第2の半導体層と台座
とを陽極接合する工程と、を備えることを特徴としてい
る。
【0008】つまり、本発明は、積層基板における圧力
検出用の素子およびダイヤフラムを形成すべき領域の外
周、すなわち積層基板の外周縁部にて、第1の半導体層
および絶縁膜を除去して第2の半導体層を露出させるこ
とにより、この露出部を陽極接合時に電圧を印加する電
極部として用いるものである。そのため、Alやポリシ
リコン等の電極材料を成膜、パターニングすることな
く、陽極接合用の電極部を容易に形成することができ
る。
【0009】また、請求項2に記載の発明では、露出部
(15)を形成する工程では、積層基板(10)を第1
の半導体層(11)側から研削することにより第2の半
導体層(12)を露出させることを特徴としている。
【0010】積層基板における第1の半導体層に圧力検
出用の素子を形成した場合、積層基板のうち当該素子の
形成領域よりも外周側の部位では、第2の半導体層の上
に酸化膜等色々な種類の膜が形成される。
【0011】このような種々の膜をエッチングにより除
去して第2の半導体層を露出させる場合、各種の膜の応
じてエッチング条件を選択する必要があるが、本発明に
よれば、研削を採用することにより、そのような種々の
膜を一括して容易に除去することができ、好ましい。
【0012】また、露出部を形成する工程において、第
1の半導体層側から積層基板を研削して第2の半導体層
を露出させる場合、確実に絶縁膜まで除去するために
は、ある程度の研削代が必要である。本発明者等の検討
によれば、この研削代としては50μm以上であれば、
確実に第2の半導体層を露出させることができ、70μ
mよりも多いと、露出部における第2の半導体層が薄く
なって強度的に弱くなる。
【0013】請求項3に記載の発明は、このような検討
結果に基づいてなされたものであり、露出部(15)を
形成する工程は、絶縁膜(13)を研削した後、第2の
半導体層(12)も一部研削により除去するものであ
り、除去される第2の半導体層の厚さ(H1)を50μ
m〜70μmとすることを特徴としている。それによ
り、請求項2に記載の発明の効果を適切に実現できる。
【0014】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一
例である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1、図2は、本実施形態に係る半
導体圧力センサの製造方法を概略断面構成にて示す工程
図である。なお、図1及び図2中の破線DLは、ダイシ
ングラインであり、本製造方法は、最終的に図2(c)
におけるダイシングラインDLにて区切られた半導体圧
力センサS1を製造するものである。
【0016】まず、図2(c)を参照して、本実施形態
の半導体圧力センサS1の構成を述べる。本半導体圧力
センサS1は、圧力の印加に応じて歪み可能なダイヤフ
ラム1が形成された積層基板10とガラスよりなる台座
20とを接合したウェハを、チップ単位にダイシングカ
ットすることにより形成されたものである。
【0017】ここで、本例の積層基板10は、共に面方
位が(100)面である第1のシリコン基板(第1の半
導体層、SOI層)11と第2のシリコン基板(第2の
半導体層)12とを、これら第1及び第2のシリコン基
板11、12の間に埋め込まれた埋込酸化膜(本発明で
いう絶縁膜)13を介して貼り合わされてなるSOI基
板である。
【0018】積層基板10の第2のシリコン基板12側
から第2のシリコン基板12に、凹部を形成することに
より、該凹部に対応する第1のシリコン基板11及び埋
込酸化膜13側に、上記ダイヤフラム1が形成されてい
る。そして、第2のシリコン基板12には、台座20が
陽極接合され、ダイヤフラム1と台座20との間のキャ
ビティ2に真空室を形成している。
【0019】第1のシリコン基板11におけるダイヤフ
ラム1の表面には、ダイヤフラム1の歪みに基づく電気
信号を発生するゲージ拡散抵抗(歪みゲージ)3が、ブ
リッジ回路を構成するように形成されている。また、第
1のシリコン基板11のうちダイヤフラム1以外の部位
には、p層やn層の拡散によって、バイポーラトランジ
スタやMOSトランジスタ等の複数個の回路素子4が形
成されている。これら回路素子4により、ゲージ拡散抵
抗3からの電気信号を検出する回路部が構成されてい
る。
【0020】また、これら回路素子4及びゲージ拡散抵
抗3の各表面素子は、第1のシリコン基板11を厚み方
向に突き抜け埋込酸化膜13に達するトレンチ溝5を介
して互いに絶縁分離されている。トレンチ溝5内には、
ポリシリコン等が充填され絶縁性を高めている。このよ
うに、各表面素子3、4をPN接合による分離のみでは
無くて、素子面積を小さくすることが可能なトレンチ溝
5による絶縁分離を採用することにより、よりいっそう
チップの小型化に有利である。
【0021】そして、これら第1のシリコン基板11に
形成されたゲージ拡散抵抗(歪みゲージ)3および回路
素子4は、本発明でいう圧力検出用の素子に相当するも
のである。さらに、第1のシリコン基板11の表面に
は、この圧力検出用の素子3、4を被覆して保護するた
めのシリコン窒化膜等の絶縁膜よりなる保護膜6が形成
されている。
【0022】次に、本センサS1の製造方法について、
図1および図2に示す製造工程順に説明していく。な
お、図3は図1(a)(表面素子形成工程)の補足説明
図、図4は図1(b)(露出部形成工程)及び図1
(c)(第2の半導体層薄肉化工程)の補足説明図、図
5は図1(b)(露出部形成工程)の補足説明図、図6
は図2(c)(陽極接合工程)の補足説明図である。
【0023】まず、ウェハ状態の上記積層基板(以下、
積層ウェハという)10を用意する。本例では、両シリ
コン基板11、12共に(100)面であり、また、第
1のシリコン基板11の不純物濃度はN型で貼り合わせ
界面が1×1019cm-3程度、埋込酸化膜13は熱酸化
にて形成したもので1.3μmの厚さ、第2のシリコン
基板12の不純物濃度はP型で1×1017cm-3程度で
ある。
【0024】そして、図1(a)に示す様に、一般的な
半導体製造方法を用いて、第1のシリコン基板11に、
トレンチ溝5、ゲージ拡散抵抗3やバイポーラ、MOS
トランジスタ等の回路素子4を形成し、さらに、スパッ
タ法等により保護膜6を形成する(表面素子形成工
程)。
【0025】この表面素子形成工程によって表面素子
3、4及び保護膜6が形成された積層ウェハ10の全体
構成図を、図3に示す。図3において、(a)は平面
図、(b)は(a)中のA−A断面図であり、各素子
3、4や保護膜6等の細部は省略し、第1及び第2のシ
リコン基板11、12及び絶縁膜13の外形のみ示して
ある。
【0026】ここで、積層ウェハ10は、両シリコン基
板11、12の熱処理を用いた貼り合わせによって作ら
れるが、この貼り合わせ界面にボイド等が発生しやすい
ため、積層ウェハ10が用意された段階で、元々、積層
ウェハ10の外周縁部にて第1のシリコン基板11の一
部が除去されている。
【0027】そのため、図3に示す表面素子形成工程後
の積層ウェハ10においても、積層ウェハ10の初期形
状が承継されており、積層ウェハ10の外周縁部にて、
埋込酸化膜13および第2のシリコン基板12が、第1
のシリコン基板11の端部よりもせり出しており、せり
出し部がテラス部14として形成されている。
【0028】こうして、表面素子形成工程を行った後、
図2(b)に示す様に、積層ウェハ10における素子
3、4の形成領域よりも外周側の部位、即ち積層ウェハ
10のテラス部14にて、第1のシリコン基板11およ
び埋込酸化膜13が除去されて第2のシリコン基板12
が露出した露出部15を形成する(露出部形成工程)。
【0029】具体的には、積層ウェハ10のテラス部1
4を第1のシリコン基板11側から研削することにより
第2のシリコン基板12を露出させる。このとき、テラ
ス部14では、既に第1のシリコン基板11が除去され
ているが、表面素子形成工程において形成された酸化膜
等の種々の膜、及び保護膜6が存在するため、これらの
膜と埋込酸化膜13とを研削して除去する。
【0030】この露出部形成工程について、図4を参照
して、より具体的に述べる。図4は、露出部形成工程
(a〜c)および次の第2の半導体層薄肉化工程(d〜
f)の詳細説明図であり、積層ウェハ10は、概略的に
両シリコン基板11、12の外形のみを示してある。
【0031】まず、図4(a)に示す様に、積層ウェハ
10における第1のシリコン基板11の主表面に、研削
時において第1のシリコン基板11及び素子3、4を保
護するためのテープ30を貼り付ける。次に、図4
(b)に示す様に、砥石等よりなる研削装置31によ
り、テラス部14を研削し、第2のシリコン基板12を
露出させる。
【0032】このとき、確実に埋込酸化膜13を除去し
第2のシリコン基板12を露出させるために、ある程度
の研削代を設ける必要があるため、埋込酸化膜13を研
削して除去した後、さらに、第2のシリコン基板12も
一部研削により除去される。この研削代としては、50
μm以上が好ましい。
【0033】そして、図4(c)に示す様に、テラス部
14のうち上記研削によって粗くなっている第2のシリ
コン基板12の表面(加工表面ダメージ層)を鏡面化す
るために、テラス部14をエッチング液の入ったエッチ
ング槽32に入れてシリコンエッチングする。エッチン
グ液としては、KOH、TMAH(テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド)等を用いることができる。
【0034】なお、もし、テラス部14のシリコンエッ
チングを行わないと、研削部表面に残った残留物を介し
て、両シリコン基板11、12が埋込酸化膜13の外周
端部を越えて互いに導通してしまい、上記素子3、4に
悪影響を与える等の恐れがある。そのため、図4(c)
に示すテラス部14のシリコンエッチングを行うことが
必要である。
【0035】こうして、鏡面化された上記露出部(外周
研削部)15が形成される。この露出部15が形成され
た積層ウェハ10の全体構成図を、図5に示す。図5に
おいて、(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B断
面図であり、上記図3と同様、第1及び第2のシリコン
基板11、12及び絶縁膜13の外形のみ示してある。
【0036】なお、図3及び図5では、テラス部14及
び露出部15の幅W1及びW2を長く表しているが、実
際には、テラス部14全体の幅W1は4mm程度、露出
部15の幅W2は3mm程度である。また、この露出部
形成工程にて除去される第2のシリコン基板12の厚さ
(露出部15の研削厚さ)H1は、50μm〜70μm
程度である。
【0037】次に、図1(c)に示す様に、積層ウェハ
10において台座20との接合面となる第2のシリコン
基板12の主表面(積層ウェハ10の裏面)を、研削、
研磨することにより、第2のシリコン基板12を薄肉化
する(第2の半導体層薄肉化工程)。
【0038】これは、後述のダイヤフラムエッチング工
程(図2(a)参照)にて、シリコンの異方性エッチン
グを用いるので、台座20との接合面積を増加させる等
の目的でテーパ部1aを短くしたり、台座20との接合
の際にうまく接合を行うべく第2のシリコン基板12の
主表面を鏡面とするためである。
【0039】この第2の半導体層薄肉化工程は、具体的
には、上記図4中の(d)〜(f)に示す様に行う。ま
ず、露出部形成工程後におけるテープ30が付いた積層
ウェハ10の裏面を、砥石等よりなる研削装置33にて
研削し(図4(d))、次に、テープ30を剥がし、積
層ウェハ10をその表面側にて研磨プレート34によっ
て支持する(図4(e))。
【0040】そして、図4(f)に示す様に、研磨プレ
ート34および積層ウェハ10を、一対の研磨装置35
の間に挟み込み、図中の下側の研磨装置35と第2のシ
リコン基板12との界面に研磨剤を介在させつつ、積層
ウェハ10の裏面を研磨する。それにより、第2のシリ
コン基板12の主表面を鏡面とする。この第2の半導体
層薄肉化工程によって、積層ウェハ10全体の厚さH2
(図1(c)参照)は、例えば400μm程度となる。
【0041】次に、図1(d)に示す様に、第2のシリ
コン基板12の主表面に、ダイヤフラムエッチング工程
(図2(a)参照)におけるマスクとなり得るSiN系
膜や酸化膜等といった堆積膜7を形成する(堆積膜形成
工程)。この堆積膜7は、CVDやスパッタ等により成
膜することができる。
【0042】次に、図1(e)に示す様に、第2のシリ
コン基板12の主表面に形成された堆積膜7のうちダイ
ヤフラム1を形成すべき部位及びダイシングラインDL
に対応した部位を、エッチングして除去することにより
パターニングし、所望のパターンを有するマスク8を形
成する(マスク形成工程)。
【0043】次に、図2(a)に示す様に、上記マスク
8が形成された第2のシリコン基板12を、その主表面
側から異方性エッチングを施すことにより、積層ウェハ
10における露出部15の内周側にて、第2のシリコン
基板12側から凹んだ凹部を形成し、この凹部に対応す
る第1のシリコン基板11側にダイヤフラム1を形成す
る(ダイヤフラムエッチング工程)。
【0044】このときシリコンのエッチング液として
は、例えば、KOHやTMAH(テトラメチルアンモニ
ウム)等を用いる。また、このエッチングの際には、第
1のシリコン基板11の表面をエッチング液から保護す
ることは、如何なる方法でも良い。例えば、ワックスに
よる保護や、ウェハ外周部をシールし表面にエッチング
液を回り込ませない製造装置による保護等である。
【0045】ここで、ダイヤフラム1を形成するシリコ
ンエッチングは、エッチング時間を管理することで、所
望の凹部深さを実現する。図2(a)では、第2のシリ
コン基板12の一部を残した形状の凹部となっている
が、埋込酸化膜13や第1のシリコン基板11が露出す
るまでシリコンエッチングを行っても良い。
【0046】このようにして、ダイヤフラム1形成した
後、次に、図2(b)に示すマスク除去工程を行う。上
記ダイヤフラムエッチング工程に用いたマスク8を、フ
ッ酸やアンモニア系混酸等のエッチング液を用いて除去
する。
【0047】次に、図2(c)に示す様に、真空中に
て、ガラスよりなる上記台座20の一面を積層ウェハ1
0における第2のシリコン基板12に接触させつつ、露
出部15を介して第2のシリコン基板12と台座20と
の間に電圧を印加することにより、第2のシリコン基板
12と台座20とを陽極接合する(陽極接合工程)。
【0048】この陽極接合工程を図6を参照して具体的
に述べる。図6において、(a)は平面図、(b)は
(a)中のC−C断面図であり、上記図3と同様、積層
ウェハ10は、第1及び第2のシリコン基板11、12
及び絶縁膜13の外形のみ示してある。また、図6
(a)では、荷重装置42の外周形状が2点鎖線にて示
してあり、台座20、陰極電極40は省略してある。
【0049】図6(b)に示す様に、陰極電極40上
に、台座20、積層ウェハ10を順次、搭載し、露出部
15に陽極電極41を押し当てる共に、積層ウェハ10
の上方から荷重装置42にて荷重を印加する。この荷重
装置42には、積層ウェハ10におけるセンサとしては
不要な位置(荷重位置、図6(a)中、黒丸にて図示)
43に接して荷重を印加する様に、突起44が形成され
ている。
【0050】ここで、両電極40、41の材質として
は、ステンレスや銅、チタン等を用い、荷重装置の材質
としては、ステンレス等を用いることができる。また、
陰極電極40は、台座20との密着が良好となるよう
に、当該密着面の面粗さを極力小さくしておく(例え
ば、Raで10μm以下)ことが望ましい。
【0051】また、陽極電極41は、図6では、露出部
15の一部に接触させているが、積層ウェハ10の外周
縁部の全周にて露出部15に接触した形で電圧印加を行
っても良い。
【0052】そして、加熱(例えば300〜400℃)
しながら、露出部15を介して第2のシリコン基板12
と台座20との間に電圧を印加することにより、第2の
シリコン基板12と台座20とを陽極接合する。一般的
に、ガラスとの陽極接合は500〜1000V程度の直
流電圧を印加するので、アルミ等の金属薄膜等が無くて
も、露出部15において第2のシリコン基板12と陽極
電極41とのコンタクトは十分である。
【0053】こうして、図2(c)に示す様に、積層ウ
ェハ10と台座20とを陽極接合することにより、ダイ
ヤフラム1と台座20との間のキャビティ2に真空室が
形成され、絶対圧センサ構造となる。
【0054】最後に、ダイシングラインDLに沿って、
ダイシングカットを実施することにより、積層ウェハ1
0がチップ単位に分断されて、半導体圧力センサS1を
形成することができる(ダイシングカット工程)。
【0055】かかる半導体圧力センサS1(絶対圧セン
サ)においては、第1のシリコン基板11の主表面側か
ら圧力が印加されると、ダイヤフラム1が歪み、このダ
イヤフラム1の歪みに基づいてゲージ拡散抵抗3の抵抗
値が変化し、上記ブリッジ回路における電圧値が変化す
る。この変化した電圧値が電気信号として上記回路部に
て検出されることにより、印加圧力が検出されるように
なっている。
【0056】以上のように、本実施形態の製造方法で
は、積層基板10における素子3、4およびダイヤフラ
ム1を形成すべき領域の外周すなわち外周縁部にて、第
1のシリコン基板11及び埋込酸化膜13を除去して第
2のシリコン基板12を露出させ、この露出部15を陽
極接合時に電圧を印加する電極部として用いている。そ
のため、従来の様に、Alやポリシリコン等の電極材料
を成膜、パターニングすることが不要となり、陽極接合
用の電極部を容易に形成することができる。
【0057】また、上記製造方法では、露出部形成工程
にて、積層ウェハ10における第1のシリコン基板11
側から保護膜6及び埋込酸化膜13等を研削することに
より、第2のシリコン基板12を露出させている。
【0058】上述したように、積層ウェハ10における
第1のシリコン基板11に圧力検出用の素子3、4を形
成した場合、積層ウェハ10のうち当該素子の形成領域
よりも外周側の部位(つまりテラス部14)では、第2
のシリコン基板12及び埋込酸化膜13の上には、保護
膜6やその他の酸化膜等色々な種類の膜が形成される。
【0059】このような種々の膜をエッチングにより除
去して第2のシリコン基板12を露出させる場合、各種
の膜の応じてエッチング条件を選択する必要があるが、
本実施形態の製造方法によれば、研削を採用することに
より、そのような種々の膜を一括して容易に除去するこ
とができ、好ましい。
【0060】また、上述したように、積層ウェハ10を
研削して第2のシリコン基板12を露出させる場合、確
実に埋込酸化膜13まで除去するには、第2のシリコン
基板12も或る程度の厚さ研削すること、つまり研削代
が必要である。本発明者等の検討によれば、この研削代
としては50μm以上であれば、確実に第2のシリコン
基板12を露出させることができる。
【0061】また、露出部15は、ウェハ10の外周縁
部に位置し、後工程にて治具等にてハンドリングされる
部分である。そのため、第2のシリコン基板12を研削
しすぎると、最終的に露出部15の強度が弱くなり、後
工程のハンドリング等により破損する恐れがある。
【0062】上記図1(c)の状態で、6インチ、厚さ
400μmのウェハの場合、露出部15の研削厚さH1
(図5(b)参照)が70μmよりも大きいと、後工程
のハンドリングで破損する可能性がある。従って、上記
した研削代と合わせて考慮すると、露出部15の研削厚
さH1は50μm〜70μmが好ましい。
【0063】(他の実施形態)なお、露出部15の形成
は、上記した研削に比べて効率が劣るが、エッチングで
行っても良い。
【0064】また、上記ダイヤフラムエッチング工程
(図2(a)参照)は、電気化学的なストップエッチン
グで行っても良い。この場合、積層ウェハ10における
露出部15は、ダイヤフラムエッチングする際の電圧印
加部とも成り得る。
【0065】つまり、電気化学的にストップエッチング
させるため、上記露出部15側を正、エッチング液側を
負として電圧を印加し第2のシリコン基板12のエッチ
ング面を陽極酸化させ、見かけ上ストップさせる。酸化
させることでシリコンのエッチングに比較して酸化膜の
エッチングになるので選択比が〜100程度となり見か
け上ストップする。
【0066】また、台座20に対して、キャビティ2へ
連通するような圧力導入孔を形成することにより、相対
圧型センサとして構成されたものに対しても、上記実施
形態は適用可能である。
【0067】また、台座20としては、第2のシリコン
基板12と陽極接合される面がガラスよりなるものであ
れば、それ以外の部分が通常のシリコンやポリシリコン
等よりなるものであっても、上記実施形態に用いて積層
ウェハ10と陽極接合させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る半導体圧力センサの製
造方法を示す工程図である。
【図2】図1に続く製造方法を示す工程図である。
【図3】表面素子及び保護膜が形成された積層ウェハの
全体構成図である。
【図4】露出部形成工程および第2の半導体層薄肉化工
程の詳細説明図である。
【図5】露出部が形成された積層ウェハの全体構成図で
ある。
【図6】陽極接合工程の詳細説明図である。
【符号の説明】
1…ダイヤフラム、3…ゲージ拡散抵抗、4…回路素
子、10…積層基板(SOI基板)、11…第1のシリ
コン基板、12…第2のシリコン基板、13…埋込酸化
膜、15…露出部、20…台座。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 栄嗣 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F055 AA40 BB20 CC02 DD04 EE14 FF43 GG01 GG14 4M112 AA01 BA01 CA01 CA03 CA04 CA05 CA08 CA12 CA15 DA04 DA05 DA16 EA04 EA06 EA07 EA11 EA13 FA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の半導体層(11)と第2の半導体
    層(12)とが絶縁膜(13)を介して積層されてなる
    積層基板(10)を用意し、 この積層基板における前記第1の半導体層に圧力検出用
    の素子(3、4)を形成する工程と、 前記積層基板における前記素子の形成領域よりも外周側
    の部位にて、前記第1の半導体層および前記絶縁膜が除
    去されて前記第2の半導体層が露出した露出部(15)
    を形成する工程と、 前記積層基板における前記露出部の内周側にて、前記第
    2の半導体層側から凹んだ凹部を形成し、この凹部に対
    応する前記第1の半導体層側に、圧力の印加に応じて歪
    み可能なダイヤフラム(1)を形成する工程と、 少なくとも一面側がガラスよりなる台座(20)の前記
    一面を前記積層基板における前記第2の半導体層に接触
    させつつ、前記露出部を介して前記第2の半導体層と前
    記台座との間に電圧を印加することにより、前記第2の
    半導体層と前記台座とを陽極接合する工程と、を備える
    ことを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記露出部(15)を形成する工程で
    は、前記積層基板(10)を前記第1の半導体層(1
    1)側から研削することにより前記第2の半導体層(1
    2)を露出させることを特徴とする請求項1に記載の半
    導体圧力センサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記露出部(15)を形成する工程で
    は、前記絶縁膜(13)を研削して除去した後、前記第
    2の半導体層(12)も一部研削により除去するもので
    あり、除去される前記第2の半導体層の厚さ(H1)が
    50μm〜70μmであることを特徴とする請求項2に
    記載の半導体圧力センサの製造方法。
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