JP2003031791A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗性フィールドプレートの漏れ電流を容易
に低減することが困難でった。 【解決手段】 多結晶シリコンから成る抵抗性フィール
ドプレート6をアノード電極とEQR電極との間に配置
する。抵抗性フィールドプレート6を内周側の第1の環
状部分14と、外周側の第2の環状部分15と、これ等
の間の複数の幹部16と、各幹部16から横方向に突出
した枝部17とで構成する。枝部17は定常時に電流が
流れないように形成し、漏れ電流を低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗性フィ−ルド
プレートを有するダイオード、トランジスタショットキ
バリアダイオ−ド等の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PN接合やショットキ障壁の周辺耐圧を
向上するために、抵抗性フィ−ルドプレートを備えた高
耐圧半導体素子は例えば、特開昭58−53860号公
報、特開平7−326775号公報等で公知である。抵
抗性フィールドプレートを備えた半導体素子では、PN
接合やショットキ障壁に逆方向バイアスが印加される
と、抵抗性フィールドプレートに微小な電流が流れ、フ
ィールドプレートにはその一端側から他端側に向ってそ
の電位が線形的に減少する電位勾配が生じる。この結
果、PN接合やショットキ障壁に隣接して形成される空
乏層が良好に広げられ、PN接合又はショットキ障壁の
周辺部分の電界集中が緩和されて、耐圧向上が図られ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、抵抗性フ
ィ−ルドプレートを備えた半導体素子では、PN接合等
に逆方向バイアスが印加されたときに、PN接合等を介
して流れる漏れ電流と抵抗性フィールドプレートを介し
て流れる漏れ電流とが生じる。半導体デバイスにおい
て、逆方向の漏れ電流は少ないことが望まれるが、この
ためには抵抗性フィ−ルドプレートを介して流れる漏れ
電流レベルを極力小さくする必要がある。しかし、特開
昭58−53860号に記載されている一様な面で形成
された抵抗性フィードプレートでは抵抗値が低くなり、
その結果漏れ電流が大きくなる。これを解決するには、
抵抗性フィールドプレートの厚みを薄く形成することで
抵抗値を高めることが考えられるが、加工精度によりば
らつきが生じ、安定性に欠けるといった問題がある。ま
た、抵抗性フィールドプレートの比抵抗を大きくするた
めに、使用できる材料が限られてしまい、設計の自由度
が制限されるという問題点もある。更に、一様な面で形
成された抵抗性フィールドプレートでは、その内部で電
圧は一様な傾斜を持つため、任意の電位配分をさせるこ
とが困難であるといった問題もある。また、特開平7−
326775号に記載されているように抵抗性フィール
ドプレートを帯状に形成すると、漏れ電流を小さくする
ことができる。しかし、所望の帯状パターンを高精度に
形成することが要求される。即ち、パターンが目標通り
に形成されないと、目標としない部分にも電流が流れ、
フィールドプレートの均一性が損なわれる恐れがある。
【0004】そこで、本発明の目的は、漏れ電流を小さ
くすることができ且つ所望のフィールドプレート効果を
容易に得ることができる半導体装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、第1及び第2の主面を
有すると共に少なくとも第1及び第2の半導体領域を含
み、前記第1の半導体領域は前記第1の主面に露出する
部分を有すると共に第1の導電型を有し、前記第2の半
導体領域は前記第1の主面に露出する部分を有するよう
に前記第1の半導体領域の中に島状に配置されていると
共に前記第1の導電型と反対の第2の導電型を有してい
る半導体基板と、前記第2の半導体領域に電圧を印加す
ることができるように前記半導体基板の前記第1の主面
に配置された第1の電極と、前記第1の半導体領域に電
圧を印加するための第2の電極と、前記第1の電極を囲
むように前記半導体基板の前記第1の主面上に形成され
た絶縁膜と、前記絶縁膜を囲むように配置され且つ前記
第1の半導体領域に接続された第3の電極と、前記絶縁
膜上に配置され、且つその内周側部分が前記第1の電極
に接続され、その外周側部分が前記第3の電極に接続さ
れている抵抗性フィールドプレートとを備えた半導体装
置において、前記抵抗性フィールドプレートは前記第1
の電極から前記第3の電極に至る帯状幹部と前記帯状幹
部から枝状に分岐している複数の分岐部とを有し、前記
第1及び第3の電極間の電圧が安定した状態では、前記
分岐部に電流が流れないように前記分岐部が形成されて
いることを特徴とする半導体装置に係わるものである。
【0006】なお、請求項2に示すように、第1及び第
2の主面を有する半導体基板と、前記半導体基板の前記
第1の主面上に形成され且つショットキバリアを生じさ
せることができる材料から成る第1の電極と、前記半導
体基板にオーミック接合された第2の電極と、前記第1
の電極を囲むように前記半導体基板の前記第1の主面上
に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜を囲むように配置さ
れ且つ前記半導体基板に接続された第3の電極と、前記
絶縁膜上に配置され且つその内周側部分が前記第1の電
極に接続され、その外周側部分が前記第3の電極に接続
されている抵抗性フィ−ルドプレートとを備えた半導体
装置において、前記抵抗性フィールドプレートは前記第
1の電極から前記第3の電極に至る帯状幹部と前記帯状
幹部から枝状に分岐している複数の分岐部とを有し、前
記第1及び第3の電極間の電圧が安定した状態では、前
記分岐部に電流が流れないように前記分岐部が形成され
ていることが望ましい。また、請求項3に示すように、
前記抵抗性フィールドプレートは、更に、前記第1の電
極に接続された第1の環状部と、前記第3の電極に接続
された第2の環状部とを有し、前記帯状幹部は複数の帯
状幹部から成り、前記複数の帯状幹部のそれぞれが前記
第1の環状部と前記第2の環状部とを連結するように配
置され、前記複数の帯状幹部のそれぞれに複数の分岐部
が設けられていることが望ましい。また、請求項4に示
すように、前記複数の帯状幹部の少なくとも1つの幅が
前記第1の電極から前記第3の電極に向って徐々に広く
なっていることが望ましい。また、請求項5に示すよう
に、前記半導体基板の平面形状が四角形であり、前記四
角形の対角線上に前記複数の帯状幹部の内の少なくとも
1つが配置され、前記対角線上に配置された帯状幹部の
幅が前記第1の電極から前記第3の電極に向って徐々に
広くなっていることが望ましい。また、請求項6に示す
ように、前記複数の分岐部を互いに平行に配置し、且つ
複数の分岐部の相互間隔を前記幹部における分岐位置の
変化に応じて変化させることができる。また、請求項7
に示すように、前記複数の分岐部の少なくとも一部の抵
抗率を前記幹部の抵抗率よりも小さくすることができ
る。また、請求項8に示すように、定電圧ダイオ−ド又
は整流ダイオ−ドを前記幹部に直列接続することができ
る。また、請求項9に示すように、前記分岐部を前記幹
部に接続された一端と前記幹部に接続されていない他端
とを有する帯状体とすることが望ましい。また、請求項
10に示すように、前記幹部を複数個設け、前記分岐部
を前記複数の幹部の等電位点の相互間を結ぶように形成
することができる。
【0007】
【発明の効果】各請求項の発明は次の効果を有する。 (1) 第1及び第3の電極間の電圧が安定した定常状
態においては、第1の電極と第3の電極との間において
抵抗性フィールドプレートを流れる電流は、帯状幹部を
通って流れ、分岐部には流れない。従って、抵抗性フィ
ールドプレートを流れる漏れ電流を小さくすることがで
きる。 (2) 定常状態においては、分岐部には電流が流れな
い。従って、分岐部によるフィールドプレート効果を安
定的に得ることができる。請求項3の発明によれば、第
1及び第2の環状部が等電位リングと同様に機能し、電
位分布の均一化を図ることができる。請求項4及び5の
発明によれば、帯状幹部の幅の変化によって抵抗値が変
化し、第1の電極と第3の電極との間の電位勾配を調整
し、良好なフィールドプレート効果を得ることができ
る。請求項6、7、8の発明によれば、フィ−ルドプレ
−トの電位を任意のパタ−ンに調整することができ、所
望のフィ−ルドプレ−ト効果を容易に得ることができ
る。請求項9の発明によれば、定常時における分岐部の
電流を容易に阻止することができる。
【0008】
【実施形態】次に、図1〜図10を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0009】
【第1の実施形態】まず、図1〜図3を参照して第1の
実施形態の半導体装置としての抵抗性フィールドプレー
トを有する高耐圧プレーナ形ダイオードを説明する。
【0010】このダイオードは、図2に示すように、シ
リコン半導体基板1と、金属膜から成る第1、第2及び
第3の電極2、3、4と、絶縁膜5と、高抵抗多結晶シ
リコン膜から成る抵抗性フィールドプレート6とを有す
る。
【0011】半導体基板1は、N型半導体領域7と、
N型半導体領域8と、P型半導体領域9と、N型半導
体領域10とを有する。N型半導体領域8はPN接合1
1を形成するための第1の半導体領域として機能し、こ
の一部が半導体基板1の平坦な第1の主面12に露出し
ている。P型半導体領域9は、PN接合11を形成する
ための第2の半導体領域として機能し、N型半導体領域
8の中に島状に形成され、半導体基板1の第1の主面1
2に露出している。N型半導体領域7は、N型半導体
領域8よりも高い不純物濃度を有し、N型半導体領域8
と第2の電極3との間に配置されている。このN型半
導体領域7は、N型半導体領域8を第2の電極3に電気
的に接続するためのものであるので、N型半導体領域8
と共に第1の半導体領域と見なすことができる。また、
N型半導体領域8に第2の電極3をオーミック接触させ
ることができる場合には、N型半導体領域7を省くこ
ともできる。第2の電極3は、平坦な第2の主面13に
形成されており、N型半導体領域8に電圧を印加するた
めのダイオードのカソード電極として機能する。
【0012】第1の電極2はダイオードのアノード電極
として機能するものであって、半導体基板1の第1の主
面12上に配置され且つP型半導体領域9に電気的に接
続されている。
【0013】外周側のN型半導体領域10は、第1の
主面12の外周領域に露出するように環状に形成されて
いる。第1の主面12の外周領域に配置された第3の電
極4はN型半導体領域10に接続されている。この第
3の電極4は、抵抗性フィールドプレート6の電極とし
て機能すると共にEQR(等電位リング)としても機能
する。
【0014】シリコン酸化膜から成る絶縁膜5は、第1
の主面12の第1の電極2と第3の電極4との間に配置
され且つフィールドプレート効果を得ることができる厚
さに形成されている。なお、絶縁膜5はPN接合11の
露出部を覆うように配置されている。
【0015】本発明に従う抵抗性フィールドプレート6
は、第1、第2及び第3の電極2、3、4の材料の抵抗
率よりも大きい抵抗率を有する多結晶シリコン膜から成
り、絶縁膜5上に配置され、この内周側部分が第1の電
極2に接続され、この外周側部分が第3の電極4に接続
されている。
【0016】図1は図2のダイオードから第1及び第3
の電極2、4を省いたものの平面を概略的に示す。絶縁
膜5上に配置された抵抗性フィールドプレート6は、図
1に示すように、P型半導体領域9を包囲する第1の環
状部分14と、第1の環状部分14を離間して包囲する
第2の環状部分15と、複数の帯状幹部16と、複数の
分岐部としての帯状枝部17とから成る。12本の幹部
16のそれぞれは、第1の環状部分14と第2の環状部
分15とを結ぶように直線状に延びている。12本の幹
部16は、均一の幅を有して直線状に延び且つ互いに同
一パターンに形成された8本の第1の幹部16aと、平
面形状四角形の半導体基板1の対角線上に配置され且つ
第1の環状部分14から第2の環状部分15に向って幅
が徐々に広くされ且つ互いに同一パターンに形成された
4本の第2の幹部16bとから成る。8本の第1の幹部
16aは、半導体基板1の1つの辺に対して2本ずつの
割合で分散配置され、それぞれの辺に対して直角に延び
ている。
【0017】複数の分岐部としての枝部17は、各幹部
16のそれぞれから一方の方向に6本、他方の方向に6
本ずつ枝状に分岐している。枝部17の先端は開放端即
ち遊端であるので、第1及び第2の電極2、3間の電圧
が一定値に安定している時即ち定常時において、枝部1
7は電流通路とならない。即ち、第1の電極2が負、第
2の電極3が正となる電圧を印加した瞬間には枝部17
と絶縁膜5とN型半導体領域10とで形成されるコンデ
ンサの充電電流が過度的に流れ、充電が完了した後の定
常時には電流が流れない。なお、第1の電極2が正、第
2の電極3が負になる電圧の印加時には、上記コンデン
サの放電電流が流れる。この実施形態では、第1の環状
部分14から第2の環状部分15に向う枝部17の相互
間隔はほぼ一定である。幹部16及び枝部17の分布
は、第1及び第2の電極2、3間に所定即ち定格の逆方
向電圧が印加された時に、N型半導体領域8の表面領域
に連続した空乏層18を図2に示すように生じさせるこ
とができるように決定されている。即ち、第1及び第2
の環状部分14、15間の全部をフィールドプレートと
した場合と同様に空乏層18を生じさせることができる
ように、抵抗性フィールドプレート6の格子状又は網目
状のパターンが決定されている。
【0018】第1の環状部分14は第1の電極2の外周
部分に電気的に接続されている。第2の環状部分15は
第3の電極4に電気的に接続されている。
【0019】格子状又は網目状の抵抗性フィールドプレ
ート6は、絶縁膜5の上全体にシート抵抗が1010Ω
/□程度の多結晶シリコン薄膜を形成し、これを所定の
パターンにエッチングしたものである。
【0020】第1の電極2を使用してP型半導体領域9
に負の電圧を印加し、第2の電極3を使用してN型半導
体領域8に正の電圧を印加すると、PN接合11が逆方
向バイスされて空乏層18が生じると共に、抵抗性フィ
ールドプレート6の電圧によってN型半導体領域8表面
領域にも空乏層が生じる。抵抗性フィールドプレート6
は第1及び第3の電極2、4に接続され、第3の電極4
はN型半導体領域10を介してN型半導体領域8に接
続されているので、PN接合11に逆方向バイアス電圧
を印加した時には、抵抗性フィールドプレート6の幹部
16に第2の環状部分15から第1の環状部分14に向
って微小電流が流れ、抵抗性フィールドプレート6に第
1の環状部分14から第2の環状部分15に向って徐々
に変化する電位勾配が生じる。定常状態において枝部1
7の電位はこれ等が接続されている幹部16の電位と同
一の電位になり、フィールドプレートとして有効に働
く。抵抗性フィールドプレート6を設けると、従来のフ
ィールドプレートと同様にPN接合11のコーナー部の
電界集中が緩和され、高耐圧化が実現される。
【0021】本実施形態のダイオードは次の作用効果を
有する。 (1) 第1及び第3の電極2、4間の電圧が安定して
いる定常状態においては、抵抗性フィールドプレート6
の枝部17に漏れ電流が流れず、幹部16のみに流れる
ので、抵抗性フィールドプレート6における漏れ電流の
レベルを低くすることができる。 (2) 帯状体の枝部17の一端は幹部16に接続さ
れ、他端は開放端であるので、パターンずれに無関係に
定常状態において枝部17には電流が流れない。従っ
て、多少のパターンずれが生じてもフィ−ルドプレ−ト
6に基づく電位分布を良好に保つことができる。 (3) 半導体基板1の対角線上の第2の幹部16b
は、内周側から外周側に向って幅が広くなっており、内
周側では第1の幹部16aの幅よりも狭い。半導体基板
1のコーナー部即ち対角線上では、電界集中し、ここで
の電界強度が高まりやすい。しかし、この実施形態のよ
うに対角線の第2の幹部16bの幅を第1の電極2寄り
で狭くすると、フィールドプレート6での内周から外周
に向う電位勾配が相対的に大きくなり、フィールドプレ
ート効果を強く得ることができ、平面的に見てP型半導
体領域9を囲むN型半導体領域8における空乏層18の
広がりの均一化を図ることができ、耐圧向上が良好に達
成される。 (4) 幹部16はフォトリソグラフィによって細く形
成することができる素材であれば、比較的厚く形成して
も抵抗値を上げることができる。このため加工精度によ
りばらつきが生じ難く、安定性に優れる。 (5) 幹部16の本数、幅などを変えることによっ
て、抵抗値を自由に設定することができ、設計自由度が
大きい。 (6) 抵抗性フィールドプレート6のパターンは、ほ
ぼ直線状に延びる部分の集まりからなる比較的単純なパ
ターンであるので、製作し易く且つ所望の空乏層を良好
に得ることができる。
【0022】
【第2の実施形態】次に、図4を参照して第2の実施形
態に従うショットキバリアダイオードを説明する。但
し、図4及び後述する図5〜図10において図1〜図3
と実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0023】図4のショットキバリアダイオードは、図
2からP型半導体領域9を省き、この他は図2と同一に
構成したものである。即ち、図4ではショットキ電極か
ら成る第1の電極2がN型半導体領域8の中央部分の表
面上に形成されている。図4の第1の電極2を囲むフィ
ールドプレート6は、図1〜図3と同一に形成されてい
るので、第2の実施形態によっても第1の実施形態と同
一の作用効果を得ることができる。
【0024】
【第3の実施形態】図5にその一部を示す第3の実施形
態のフィ−ルドプレ−ト6aは、図1のフィ−ルドプレ
−ト6を変形したものである。図5に示すフィールドプ
レート6aでは、分岐部としての枝部17の相互間隔が
第1の環状部分14に近い方でW1 され、第2の環状部
分15に近い方でW1よりも大きいW2 されている。こ
れにより、帯状幹部16の延びる方向におけるフィ−ル
ドプレ−ト効果を調整することができ、第1の環状部分
14側のフィールドプレート効果が強くなる。なお、必
要に応じて図5とは逆にW2 <W1 とすることもでき
る。また、所望の電位勾配に応じて枝部17の幅及びピ
ッチを種々変形することができる。また、図5のフィ−
ルドプレ−ト6aを図1のダイオ−ドのみでなく、図4
のショットキバリアダイオ−ドにも適用できる。
【0025】
【第4の実施形態】図6の第4の実施形態のフィ−ルド
プレ−ト6bは、図1のフィ−ルドプレ−ト6の一部を
変形したものである。即ち、図6のフィ−ルドプレ−ト
6bは、図1の枝部17の代りに不純物が導入された低
抵抗枝部17aを設け、この他は図1と同一に形成した
ものである。低抵抗枝部17aの抵抗率は幹部16の抵
抗率よりも小さい。
【0026】枝部17aの抵抗が小さくなると、枝部1
7aと図2に示した絶縁膜5とN型半導体領域8とで形
成されるコンデンサの充放電経路におけるCR時定数が
小さくなり、応答性が向上する。即ち、図2に示す第1
及び第2の電極2、3の間の電圧の向きが反転した時の
空乏層の発生及び消滅が速やかに生じる。なお、定常時
の漏れ電流は枝部17aを流れないので、枝部17aの
抵抗を小さくしても、漏れ電流の増大を招かない。
【0027】
【第5の実施形態】図7に示す第5の実施形態のフィ−
ルドプレ−ト6cは、図1 のフィ−ルドプレ−ト6の第
1及び第2の幹部16a、16bを含む幹部16を変形
した幹部16´を設け、この他は図1と同一に形成した
ものである。幹部16´は、第1及び第2の幹部16a
´、16b´を有し、これ等は第1の実施形態と同様に
高抵抗多結晶シリコンから成るが、これのみで形成され
ておらず、定電圧ダイオ−ドとしてのツェナ−ダイオ−
ドDを複数個含む。図8及び図9はツェナ−ダイオ−ド
Dの構成を詳しく示す。図8にはツェナ−ダイオ−ドD
1、D2、D3が示されている。各ツェナ−ダイオ−ドD
1、D2、D3は、高抵抗多結晶シリコンに不純物を拡散
して形成したN型不純物拡散領域21とP型不純物拡散
領域22との組み合せから成り、それぞれがほぼ同一の
ツェナ−電圧を有し、幹部16´に直列に接続されてい
る。また、この実施形態では、枝部17の分岐点の相互
間におけるツェナ−ダイオ−ドDの数が場所に応じて変
化している。第1の電極2寄りのフィ−ルドプレ−ト効
果を強めるために、第1の電極2寄りの枝部17の相互
間における幹部16´のツェナ−ダイオ−ドの数が第3
の電極4寄りの枝部17の相互間における幹部16´の
ツェナーダイオ−ドの数よりも多くなっている。枝部17
の相互間におけるツェナ−ダイオ−ドDの数は、第3の
電極4から第1の電極2に向って徐々に増大することが望
ましい。図8ではツェナ−ダイオ−ドD1、D2、D3のカ
ソードが第3の電極4側、アノードが第1の電極2側で
あるので、第1及び第2の電極2、3間に印加される逆
方向電圧が所定値以上になった時にツェナ−ダイオ−ド
D1、D2、D3が導通する。従って、幹部16´の延び
る方向における電位がツェナ−ダイオ−ドD1、D2、D
3によって決定され、逆方向電圧印加時の複数の枝部1
7の電位を所望の値に設定することができる。順方向電
圧印加時には幹部16´の抵抗によってツェナ−ダイオ
−ドDの電流が制限される。なお、ツェナ−ダイオ−ド
Dの代りに、第1及び第2の電極2、3間に逆方向電圧
が印加されている時に導通する方向性を有するように整
流ダイオ−ドを接続し、この整流ダイオ−ドの順方向電
圧降下で幹部16の電位分布を調整することもできる。
【0028】
【第6の実施形態】図10は図6の実施形態のフィ−ル
ドプレ−ト6bを変形したフィ−ルドプレ−ト6cを示
す。このフィ−ルドプレ−ト6cの枝部17bは隣り合
う2つの幹部16の等電位点の相互間を連結するように
形成されている。また、図10の枝部17bには、図6
と同様に不純物が導入され、枝部17bの抵抗率が幹部
16の抵抗率よりも小さい。第6の実施形態によっても
図6の第4の実施形態と同一の効果が得られる。
【0029】
【変形例】本発明は上述の実施形態に限定されるもので
はなく、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 図5の枝部17の相互間隔W1、W2を変える技
術を、図1及び図4に限らず、図6、図7及び図10の
実施形態にも適用することができる。 (2) 図6の実施形態の枝部17aの技術を図4、図
7及び図10の実施形態にも適用することができる。 (3) 図7の実施形態の幹部16´の技術を図10の
実施形態にも適用できる。 (4) 図6の枝部17aを不純物拡散で形成する代り
に、幹部16よりも抵抗率が低い別の材料で形成し、幹
部16に電気的に接続することができる。 (5) フィールドプレート6を抵抗材料で形成するこ
とができる。 (6) フィールドプレート6のシート抵抗を例えば1
〜1014Ω/□の範囲で変えることができる。 (7) 第1及び第2の環状部分14、15の内の一方
又は両方を省くことができる。第1及び第2の環状部分
14、15の一方又は両方を図6の枝部17a及び図1
0の枝部17bと同様に幹部16よりも抵抗率の低い領
域とすることができる。 (8) トランジスタ、IC等にも本発明を適用するこ
とができる。トランジスタに適用する場合には、ベース
・コレクタ接合を保護するようにフィールドプレート6
をコレクタ領域の上方に配置する。即ち、N型半導体領
域8をコレクタ領域とし、P型半導体領域9をベース領
域とし、エミッタ領域をP型半導体領域9の中に形成す
る。この場合、ベース電極が本発明の第1の電極とな
り、コレクタ電極が本発明の第2の電極となる。 (9) 本発明の第2の電極は第1の半導体領域に直接
に接続されていても良いし、別の半導体領域を介して間
接に接続されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のダイオードを第1及
び第3の電極を省いて示す平面図である。
【図2】第1の実施形態のダイオードを図1のA−A線
に相当する部分で示す断面図である。
【図3】図1のB−B線の一部を拡大して示す断面図で
ある。
【図4】第2の実施形態のショットキバリアダイオード
を図2と同様に示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のフィールドプレート
のパターンの一部を示す平面図である。
【図6】第3の実施形態のフィ−ルドプレ−トの一部を
示す平面図である。
【図7】第4の実施形態のダイオ−ドを図1と同様な状
態で示す平面図である。
【図8】図7の一部を拡大して示す平面図である。
【図9】図8の断面図である。
【図10】第5の実施形態のダイオ−ドを図1と同様に
示す平面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2、3、4 第1、第2及び第3の電極 5 絶縁膜 6、6a、6b、6c 抵抗性フィールドプレート 14、15 第1及び第2の環状部分 16 幹部 17、17a、17b 分岐部としての枝部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2の主面を有すると共に少な
    くとも第1及び第2の半導体領域を含み、前記第1の半
    導体領域は前記第1の主面に露出する部分を有すると共
    に第1の導電型を有し、前記第2の半導体領域は前記第
    1の主面に露出する部分を有するように前記第1の半導
    体領域の中に島状に配置されていると共に前記第1の導
    電型と反対の第2の導電型を有している半導体基板と、 前記第2の半導体領域に電圧を印加することができるよ
    うに前記半導体基板の前記第1の主面に配置された第1
    の電極と、 前記第1の半導体領域に電圧を印加するための第2の電
    極と、 前記第1の電極を囲むように前記半導体基板の前記第1
    の主面上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜を囲むように配置され且つ前記第1の半導体
    領域に接続された第3の電極と、 前記絶縁膜上に配置され、且つその内周側部分が前記第
    1の電極に接続され、その外周側部分が前記第3の電極
    に接続されている抵抗性フィールドプレートとを備えた
    半導体装置において、 前記抵抗性フィールドプレートは前記第1の電極から前
    記第3の電極に至る帯状幹部と前記帯状幹部から枝状に
    分岐している複数の分岐部とを有し、 前記第1及び第3の電極間の電圧が安定した状態では、
    前記分岐部に電流が流れないように前記分岐部が形成さ
    れていることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の主面を有する半導体基板
    と、 前記半導体基板の前記第1の主面上に形成され且つショ
    ットキバリアを生じさせることができる材料から成る第
    1の電極と、 前記半導体基板にオーミック接合された第2の電極と、 前記第1の電極を囲むように前記半導体基板の前記第1
    の主面上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜を囲むように配置され且つ前記半導体基板に
    接続された第3の電極と、 前記絶縁膜上に配置され、且つその内周側部分が前記第
    1の電極に接続され、その外周側部分が前記第3の電極
    に接続されている抵抗性フィ−ルドプレートとを備えた
    半導体装置において、 前記抵抗性フィールドプレートは前記第1の電極から前
    記第3の電極に至る帯状幹部と前記帯状幹部から枝状に
    分岐している複数の分岐部とを有し、 前記第1及び第3の電極間の電圧が安定した状態では、
    前記分岐部に電流が流れないように前記分岐部が形成さ
    れていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記抵抗性フィールドプレートは、更
    に、前記第1の電極に接続された第1の環状部と、前記
    第3の電極に接続された第2の環状部とを有し、 前記帯状幹部は複数の帯状幹部から成り、 前記複数の帯状幹部のそれぞれが前記第1の環状部と前
    記第2の環状部とを連結するように配置され、 前記複数の帯状幹部のそれぞれに複数の分岐部が設けら
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体
    装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の帯状幹部の少なくとも1つの
    幅が前記第1の電極から前記第3の電極に向って徐々に
    広くなっていることを特徴とする請求項3記載の半導体
    装置。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板の平面形状が四角形であ
    り、 前記四角形の対角線上に前記複数の帯状幹部の内の少な
    くとも1つが配置され、前記対角線上に配置された帯状
    幹部の幅が前記第1の電極から前記第3の電極に向って
    徐々に広くなっていることを特徴とする請求項3記載の
    半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の分岐部は互いに平行に配置さ
    れ、且つ複数の分岐部の相互間隔が前記幹部における分
    岐位置の変化に応じて変化していることを特徴とする請
    求項1乃至5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の分岐部の少なくとも一部の抵
    抗率が前記幹部の抵抗率よりも小さいことを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の電極間に所定値以上
    の逆方向電圧が印加された時に導通する定電圧ダイオ−
    ド又は整流ダイオ−ドが前記幹部に直列接続されている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の半
    導体装置。
  9. 【請求項9】 前記分岐部は前記幹部に接続された一端
    と前期幹部に接続されていない他端とを有する帯状体で
    あることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載
    の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記幹部は複数個設けられており、前
    記分岐部は前記複数の幹部の等電位点の相互間を結ぶよ
    うに形成された帯状体であることを特徴とする請求項1
    乃至8のいずれかに記載の半藤体装置。
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