JP2012124268A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小数キャリアの注入量により少数キャリアを引き抜くための時間を適宜設定可能な構成とし、重金属拡散等の技術を利用することなく、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化する。
【解決手段】半導体基板31の上に形成された低不純物濃度の第1導電型である第1半導体層32と、第2導電型であるガードリング33と、第2導電型である複数の島状の第3半導体層35と、第1半導体層32の上面の一部の領域に形成された第1のバリアメタル45と、第1半導体層32及び複数の第3半導体層35の上に形成された第1のバリアメタル42の第1のバリアハイト41より高い第2バリアメタル43、45を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置に関し、例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)、JBS(Junction Barrier Schottky diode)等の半導体装置に関するものである。
ダイオードは、整流素子として整流回路に広く使用されている。ダイオードは順方向では電流を導通させ、逆方向では、電流を遮断し電圧を維持するという性質を持ち、その特性には素子自体の消費電力を低減させるために、各電流密度に於いて順方向電圧を小さくすること、逆方向電流を小さくすることが主に求められている。
ダイオードは、大きく分けて2種類あり、金属と半導体の界面にできるバリアハイト(電位障壁の高さ)を利用したショットキーバリアダイオードと、P型半導体とN型半導体界面に形成されるPN接合のバリアハイトを利用したPN接合ダイオードがある。
金属と半導体の接触によって生じる電位障壁の整流作用を利用したショットキーバリアダイオードは、伝導現象が多数キャリアによるため、高速動作が可能であり、電位障壁の高さが金属に依存するため、順方向電圧降下を小さくできる等の特徴を有し、高周波信号回路、電源整流回路、逆接防止回路等に広く使用されている。
ショットキーバリアダイオードでは、順方向電圧を印加すると電位障壁が下がり、N型シリコンから金属へ電子が流れ(順方向特性)、逆方向電圧が印加されるとN型シリコンから金属へ移動する電子の流れはなくなる(逆方向特性)。
そして、電界を緩和し高耐圧化を実現するためにショットキーバリアダイオードが設けられている。即ち、逆方向への印加電圧を増加していく際に、リーク電流が増加しデバイスが局所的に破壊する可能性がある。そこで、より高い逆阻止電圧(耐圧)であって、高い逆方向電圧がかけられた状態でリーク電流を低く抑えることができる逆方向特性を得るために、ショットキーバリアダイオードに、ガードリングが設けられている。
一般的には、上記ショットキーバリアダイオードの例のように、半導体装置の整流領域(アクティブ領域)の終端部において、逆電圧が印加された際に、局所的に高電界になり破壊される現象を防ぐ為に、終端領域での電界分布を均一にすることを目的とする終端構造を設ける構成は知られている。
そして、終端構造としては、上記のようにガードリング(GR)が主に用いられるが、ガードリング以外にも、フィールドプレート(FP)、ジャンクションターミネーションエクステンション(JTE)(図15(b)参照)、トレンチ耐圧構造(図16(b)参照)等がある。これらいずれの終端構造も、整流領域(アクティブ領域)を取り囲むように形成されていることが特徴的な構成である。
ところで、Siを用いた整流素子に於いて、およそ100V以下の低耐圧素子で、ショットキーバリアダイオードと、PN接合ダイオードの両者を比較すると次の様な特徴がある。
ショットキーバリアダイオードは、順方向電圧降下が小さいことが長所であるが、逆方向電流が大きいということが短所であり、逆方向電流は選択するバリアメタルによって大きく違いが出て来る。一方、PN接合ダイオードは、逆方向電流が小さいというメリットがあるが、順方向電圧降下が大きいという短所がある。
200V以上の耐圧で比較すると、逆方向電流の特性の長短は変わらないが、順方向電圧降下で、電流電圧特性の長短が変わる。ダイオードでは、耐圧を高くするためにはドリフト抵抗を高くするが、ショットキーバリアダイオードはこのドリフト抵抗成分によって順方向電圧降下が高くなってしまう。
これに対して、高速ダイオード(FRD:Fast Recovery Diode)では高電流密度領域で順方向電圧降下中のドリフト抵抗によって占められる比率が小さくなる。これは、PNジャンクションが所定の電界値に達することによって、P層から少数キャリアが注入され伝導度変調をするため、ドリフト抵抗が小さくなることに起因している。
少数キャリアを利用したショットキーバリアダイオードの先行技術としては、本出願人の出願した先行発明(特許文献1参照)が挙げられる。これは、ガードリングで終端したショットキーバリアダイオードのバリアメタルを、バリアハイトが高いメタルを用いて、10A/cmの電流密度から高い電流密度領域で伝導度変調を起させ、定格での順方向電圧降下を小さくするという技術である。
なお、ショットキーバリアダイオードにおいて、n型Siとのバリアハイトについての具体的な値を示すものとして、非特許文献1がある。
さらに、本発明の先行技術としては、従来、以下のような技術が知られている。バリアメタルを堆積させる領域を2領域として、全体の素子としてのバリアハイトを調整し、順方向電圧(VF)と逆方向電流(IR)を調整させる技術が知られている(特許文献2参照)。
従来のショットキーバリアダイオードやPinダイオード(P-intrinsic-n-Diode)等の半導体装置に比べキャリア注入特性を改善し、順方向電圧降下(Vf)と逆回復電荷(Qrr)との間のトレードオフを改善することができる半導体装置は公知である(特許文献3参照)。
従来、1つの半導体基板上に、ショットキー接合とPN接合が並列されたJBS(Junction Barrier Schottky diode)が知られているが、この構成を、図11(a)及び図11(b)において断面図及びそのA−A断面図で示す。
このJBS80は、N型の半導体基板81と、半導体基板81よりも不純物濃度が低い第1半導体層82(例えば、Nエピタキシャル層のようなN型半導体層)と、第1半導体層82内でその主面を囲うように形成され電界を緩和し高耐圧化を実現するガードリングとして機能する第2半導体層83(例えば、P型半導体から成るPガードリング)と、第1半導体層内であって第2半導体層で囲まれた領域において、所定の間隔をあけて島状(アイランド状)に複数並列され、第1半導体層82との界面にPN接合部が形成された第3半導体層84(島状P型半導体層)と、第1半導体層82と第2半導体層83上に形成されているバリアメタル85と、第1半導体層82上の周囲に形成された絶縁膜86と、バリアメタル85上に形成されているアノード電極87と、半導体基板下面に形成されたカソード電極88と、を備えている。
このような従来の半導体装置80では、P型の第2半導体層83のうちの一部にのみ重金属を拡散させ、ライフタイム制御領域を設け、少数キャリアのライフタイムを制御することで、高速ソフトリカバリー特性を向上させて、順方向電圧降下(Vf)と逆回復電荷(Qrr)との間のトレードオフを改善する手段が行われている。
少数キャリアのライフタイムキラーとしてPt、Au等の重金属をデバイスに導入する際に、ショットキーバリアダイオードの界面特性に悪影響を及ぼすことなく、しかもデバイス全体の逆回復時間trrを短縮でき、ソフトリカバリー性を維持しつつ、順電圧降下VF特性を損なうことのないJBSが知られている(特許文献4参照)。
特開2000−58875号公報 特開平10−125937号公報 特開2002−289832号公報 特開2006−196775号公報
ISBN 0-471-05661-8 S.M.Sze Physics of Semiconductor Device P292
従来、ショットキーバリアダイオード等の半導体装置では、少数キャリアの注入を行う事で順方向電圧印加時の消費電力は少なくなるが、順電圧から逆電圧に切り替わり、電流をOFFするまでには、ある期間、少数キャリアが残っている為、OFFにならない時間がある。即ち、少数キャリアを多く注入すると、この少数キャリアを引き抜く為に時間がかかり、OFFにならない時間が長くなるという問題がある。
この少数キャリアを引き抜く為に消費される電荷をQrr、逆サージ電流がピーク値から或る割合になるまでの時間をTrrと呼び、Qrrが大きく、Trrが長いと回路上において消費電力の増大に繋がる。従来、当業者において、このQrr、Trrを調整するために大別して、2通りの手段が知られている。
1つ目の手段は、特許文献3(特開2002−289832号公報)に記載の発明に示す技術であり、これは、P層の濃度と厚さを調整し、少数キャリアの注入量を制御する技術である。しかしながら、この手段では、素子の逆阻止電圧(耐圧)が変わってしまい、逆阻止耐圧を調整する為にドリフト抵抗を変えるとVF特性が変わり、最適化が難しいものと考えられる。
2つ目の手段は、すでに背景技術の項でも触れたが、特許文献3、及び本出願人による特許文献4(特開2006−196775号公報)に記載の技術であり、これは、電子線照射、重金属拡散による少数キャリアのライフタイムコントロールする技術である。この手段は、上記1つ目の手段より低Qrr、短Trrの効果は高いものと考えられる。
しかしながら、この2つ目の手段についても次の(1)〜(3)に示すような3つの問題がある。
(1)電子線照射、重金属拡散によりライフタイムを短くすると、短Trr、低Qrrにはなるが、VFは増加するというトレードオフの関係にあり、最適化が難しい。
(2)局所的な制御が難しく、例えば、特許文献4記載の発明では、ガードリングのみに重金属拡散をして、ライフタイムコントロールを行っているが、重金属拡散の領域をガードリング部分だけに制御する事は、極めて精密な処理を行わなければならず、製造プロセスの安定性に欠けるものと考えられる。そして、電子線照射においては、照射を遮るマスクをウェハ上に作成すること自体が難しい。
(3)電子線照射するためには、一般の製造ラインでは保有しにくい大掛かりな電子線照射装置が必要となる。
ところで、本発明者らは、本出願前に別途、特願2010−252768に係る発明(以下、「別願発明」という)を出願した。この別願発明は、ガードリング上に0.7eV以上のバリアメタルを形成することで、ガードリングの上面のバリアメタルの界面(接合面)とガードリングの内側のPN接合面から、少数キャリアを注入する技術である。
この別願発明は、本来少数キャリアの注入が殆どないSBDにおいて、少数キャリアを積極的に注入し、低VF特性を可能とする画期的な技術であるが、本発明者らは、この発明を想到する過程において、少数キャリアの注入量がガードリングの周方向の長さによって決まるという知見を得た。
より正確に表現すると、別願発明では、ガードリングとして機能するP型半導体層の上に高バリアハイトが形成された構成であるが、この高バリアハイトが覆うP型半導体層(Pガードリング)及び該P型半導体層に隣接するN型半導体層(Nエピタキシャル層)の周方向の長さによって小数キャリアの注入量が変わるという知見を得た。
この知見によると、ガードリングの周方向の長さによって少数キャリアの注入量が変わるので、ガードリング自体の周方向の長さは基本的には素子の寸法に応じて一定であり、ガードリングの上に高バリアハイトの第2のバリアメタルを設けた構成のみでは、仮に小数キャリアの注入量を増やしVF特性を改善することができたとしても、低VF特性と、短Trr、低Qrrのトレードオフの関係を考慮し、これら全体からみて最適化するには限界がある。
そこで、本発明は、P型半導体層の上に形成された高バリアハイトが覆うP型半導体層及び該P型半導体層該に隣接するN型半導体層(Nエピタキシャル層)の周方向の長さによって小数キャリアの注入量が変わるという上記知見に基づき、上記別願発明を発展させ、小数キャリアの注入量により少数キャリアを引き抜くための時間を適宜設定し、重金属拡散等の技術を利用することなく、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化することを目的とするものである。
本発明は上記課題を解決するために、高不純物濃度の半導体基板と、該半導体基板の上に形成され該半導体基板より低不純物濃度の第1導電型である半導体層と、該半導体層の領域内に形成され、電界を緩和するための終端構造と、第1導電型である半導体層の領域内において終端構造で囲まれる領域の一部に形成され、第2導電型である複数の島状の半導体層と、少なくとも第1導電型である半導体層の上面の一部の領域に形成された第1のバリアメタルと、第1のバリアメタルとは異なる領域に同じ層で形成された第2バリアメタルと、を備えた半導体装置において、第2のバリアメタルは、少なくとも、複数の島状の半導体層の1つ以上の上面の領域と、該上面の領域に隣接する第1導電型である半導体層の上面の領域にわたって形成されており、第2のバリアメタルの第1導電型である半導体層に対する第2のバリアハイトは、第1のバリアメタルの第1導電型である半導体層に対する第1のバリアハイトより高くなるように形成されていることを特徴とする半導体装置を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、高不純物濃度の半導体基板と、該半導体基板の上に形成され該半導体基板より低不純物濃度の第1導電型である第1半導体層と、第1半導体層の領域内に形成され、第1導電型と異なる第2導電型でありガードリングとして機能する第2半導体層と、第1半導体層の領域内において第2半導体層で囲まれる領域の一部に形成され、第2導電型である複数の島状の第3半導体層と、少なくとも第1半導体層の上面の一部の領域に形成された第1のバリアメタルと、第1のバリアメタルとは異なる領域に同じ層で形成された第2バリアメタルと、を備えた半導体装置において、第2のバリアメタルは、少なくとも、複数の島状の第3半導体層の1つ以上の第3半導体層の上面の領域と、該第3半導体層の上面の領域に隣接する第1半導体層の上面の領域にわたって形成されているとともに、第2半導体層の上面の少なくとも一部の領域及び第1半導体層の上面であって第2半導体層の内側に隣接する領域にわたってリング状に形成されており、
第2のバリアメタルの第1半導体層に対する第2のバリアハイトは、第1のバリアメタルの第1半導体層に対する第1のバリアハイトより高くなるように形成されていることを特徴とする半導体装置を提供する。
電界を緩和するための終端構造は、フィールドプレート、ジャンクションターミネーションエクステンション又はトレンチ耐圧構造としてもよい。
第2のバリアメタルは、複数の島状の半導体層の上面の一部又は全部の領域と、第1導電型の半導体層の上面であって前記島状の半導体層の上面の一部又は全部に隣接する領域にわたって形成されている構成としてもよい。
第2のバリアメタルは、複数の島状の半導体層の全ての半導体層の上面の一部又は全部の領域と、第1導電型の半導体層の上面であって前記島状の半導体層の上面の一部又は全部に隣接する領域にわたって形成されている構成としてもよい。
第2半導体層の第2導電型の不純物濃度が10+17/cm以上であり、第2のバリアメタルの第1半導体層に対する第2のバリアハイトは、0.70eV以上になるように形成されていることが好ましい。
半導体基板はN基板であり、第1半導体層はN型半導体層であり、第2半導体層はPガードリングであることが好ましい。
第1のバリアメタルがPdSiであり、第2のバリアメタルがPtSiとしてもよい。
第1のバリアメタルがMoであり、第2のバリアメタルがPdSiとしてもよい。
本発明に係る半導体装置では、その終端領域に設けられた、ガードリング(GR)、フィールドプレート(FP)、ジャンクションターミネーションエクステンション(JTE)、トレンチ耐圧構造等の終端構造で囲まれた整流領域(アクティブ領域)内において、P型島状半導体層に対応して設けられた島状バリアメタルの構成を設けることで、小数キャリアの注入量を適宜設定できる構成としたので、次のような効果が生じる。
(1)小数キャリアの調整が、従来のように、製造工程において、電子線照射装置を設置し、電子線照射による重金属拡散などをすることなく、P型島状半導体層及び島状バリアメタルの平面形状を決める露光機のマスクのパターンによって、複数のP型島状半導体層について複数の島状バリアメタルを形成することで、小数キャリアの注入量を容易に適宜の仕様にすることが可能となる。
(2)小数キャリアの注入量を調整により、耐圧を変えることなく、Trr、Qrrを変えることができ、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化可能とする。
(3)半導体装置の耐熱設計においても設計しやすくなる。即ち、露光機のマスクのパターンによって、P型島状半導体層及び島状バリアメタルの組み合わせを、半導体装置における所望の箇所や形状に形成することで、少数キャリアを注入できる箇所を適宜設定可能な構成としたので、例えば、電流、熱が集中し易いコーナー部では、注入部分を少なくし、アクティブ領域では注入部分を多くして、電流や熱が集中する箇所を分散、均一化させて熱破壊を防ぐことが可能となる。
本発明に係る半導体装置の実施例1として示すJBSを説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面の平面を示す図(以下、「A−A断面図」という)である。 本発明に係る半導体装置の実施例1の変形例として示すJBSを説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明に係る半導体装置の実施例2として示すJBSを説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明に係る半導体装置の実施例2の変形例として示すJBSを説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明に係る半導体装置の実施例3として示すJBSを説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明に係る半導体装置の実施例3の変形例として示すJBSを説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明に係る半導体装置の実施例4として示すJBSを説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明を想起する基となった構成を説明する図であり、(a)は断面図を示し、(b)、(c)はその要部拡大図である。 本発明を想起する基となった構成を説明するための従来技術のショットキーバリアダイオードと比較するVF特性を示すシミュレーショングラフである。 本発明を想起する基となった構成のショットキーバリアダイオードの効果を確認するために行った、従来技術のショットキーバリアダイオードと比較したシミュレーション試験の結果を示すVF特性を示す図である。 従来のJBSの構成を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 従来例のショットキーバリアダイオードの構成を説明する断面図である。 ショットキーバリアダイオードのVF特性の模式図である。 本発明に係る半導体装置の実施例5を説明する図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。 (a)は本発明に係る半導体装置の実施例6を説明する断面図であり、(b)は従来技術(JTEを備えた従来の半導体装置)を示す断面図である。 (a)は本発明に係る半導体装置の実施例7を説明する断面図であり、(b)は従来技術(トレンチ構造を備えた従来の半導体装置)を示す断面図である。
本発明に係る半導体装置を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
(本発明を想起する基となった構成)
本発明を想起する基となった構成は、高不純物濃度の半導体基板と、半導体基板の上に形成され半導体基板より低不純物濃度の第1導電型である第1半導体層(例.N型半導体層)と、第1導電型と異なる第2導電型からなりガードリングとして機能する第2半導体層(例.P型半導体層)と、第1半導体層の上面の一部の領域に形成された低バリアハイトの第1のバリアメタルと、第2半導体層及び第2半導体層に隣接する第1半導体層にわたって形成された高バリアハイトの第2バリアメタルを備え、少数キャリアの注入量を増加することで、低VF特性が得られるという半導体装置である。
そして、この半導体装置では、第2バリアメタルが第2半導体層及び第1半導体層を覆う周方向の長さによって小数キャリアの注入量が変わるという知見が得られたので、本発明は、この知見に基づき、小数キャリアの注入量により少数キャリアを引き抜くための時間を適宜設定し、重金属拡散等の従来技術を利用することなく、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化した半導体装置である。
上記のとおりの本発明を想起する基となった構成、作用等は上記別願発明のショットキーバリアダイオードと共通しているので、これを以下において詳細に説明する。
本発明者らは、半導体装置における低VF特性の改善についての鋭意研究開発を重ねた結果、ショットキーバリアダイオードにおける小数キャリアの注入が、低電界でも可能であるという効果が得られる箇所は、PN接合部とショットキー界面の交点である、より詳しくは、Pガードリング表面のアクティブ領域側(後記する図8(b)の界面16の領域参照)である、という、きわめて重要な知見を得た。
上記交点での少数キャリアの注入効果についての新たな知見を利用し、本発明を想起する基となった構成に係るショットキーバリアダイオード(後記する図8参照)では、基本的には、Pガードリングにおけるバリアメタルとの境界の表面にバリアハイトが高い金属を堆積させる構成を特徴としている。
なお、本発明におけるバリアハイトは、バリアメタルのn型Siとのバリアハイトを示しており、具体的な値としては、前記したとおり非特許文献1(ISBN 0-471-05661-8 S.M.Sze Physics of Semiconductor Device P292)に記載されている。
図12は、従来例のガードリング付きショットキーバリアダイオード20の断面構造を示す図であり、21はPガードリング、22はNエピタキシャル層、23はN基板、24はアノード電極、25はカソード電極、26は酸化膜(SiO膜)、27はバリアメタルである。
図13は、ショットキーバリアダイオードの順方向における電圧(VF)と電流密度(IF)の特性(「VF特性」という。)の模式的なカーブを示すグラフである。図13に示すように、VF特性のカーブにおける、微小電流領域(ア)、中電流領域(イ)、高電流領域(ウ)の3つの領域について、それぞれVF特性と、ショットキーバリアダイオードのバリアハイトの高低等との関係について、以下、図9を参照して説明する。
図9は、シミュレーションによる、ショットキーバリアダイオードの順方向におけるVF特性を示すグラフである。図9において、一点鎖線(低バリアハイトSBD)は、図12に示すショットキーバリアダイオードのバリアメタルを、低バリアハイトで形成した場合のVF特性を示す。点線(高バリアハイトSBD)は、図12に示すショットキーバリアダイオードのバリアメタルを、高バリアハイトで形成した場合のVF特性を示す。実線(図9中の「別願発明SBD」)は、後記する図8に示す本発明を想起する基となった構成(別願発明)のVF特性を示す。
図13における微小電流領域(ア)では、VF特性は、特にバリアハイトの高低で決定される。バリアハイトが高くなると、VF特性のカーブは全体として右方向にシフトする(図9の高バリアハイトSBD参照)。バリアハイトが低くなると左方向にシフトする(図9の低バリアハイトSBD参照)。理想的なダイオードは、VF特性のカーブは全体として、限り無く左方向に位置し、僅かな電圧で多くの電流を流すことが求められる。
そこで、基本的なショットキーバリアダイオードの特性を出すためには、ショットキーバリアダイオード面(バリアメタルがNエピタキシャル層と接合したアクティブ領域)はバリアハイトの低いメタルが求められる。
本発明を想起する基となった構成に係るこのショットキーバリアダイオードでは、基本的には、ショットキーバリアダイオード面(図8における第1のバリアメタルがNエピタキシャル層と接合したアクティブ領域)をバリアハイトの低い第1のバリアメタルを使用することで、左方向にシフトさせるようにした(図9中の「別願発明SBD」参照)。
中電流領域(イ)では、SiウエハにおけるNエピタキシャル層の抵抗成分とN基板の抵抗成分の和で決定される。耐圧の低いショットキーバリアダイオードを作る時は、比抵抗が低く、エピタキシャル層が薄いSiウエハを使用するので、抵抗成分が小さくなり、中電流領域(イ)では、VF特性のカーブの傾きは、オームの法則によって、立つ方向となる(傾斜角度が大きくなる)。
逆に、耐圧の高いショットキーバリアダイオードを作る時は、比抵抗が高く、エピタキシャル層が厚いSiウエハを使用するから、抵抗成分が大きくなり、中電流領域(イ)では、VF特性のカーブの傾きは寝てくる(傾斜角度が小さくなる)。
高電流領域(ウ)では、PガードリングからNエピタキシャル層への少数キャリアの注入効果によって決定される領域である。Pガードリング上にあるバリアメタルが、バリアハイトの低い材料を使用すると、Pガードリングからの少数キャリアの注入効果が少なく、高電流領域(ウ)では、VF特性のカーブは全体として右側にシフトする(図9の低バリアハイトSBD参照)。
逆にPガードリング上にあるバリアメタルが、バリアハイトの高いメタルを使用すると、Pガードリングからの少数キャリアの注入が積極的に行われ、高電流領域(ウ)では、VF特性のカーブは全体として左側方向にシフトする(図9の高バリアハイトSBD参照)。
一般的な表現をすると、高電流領域(ウ)では、PガードリングとNエピタキシャル層とで形成されるPNダイオードにおけるVF特性のカーブの一部が現れている形になっている。即ち、このPNダイオードを通して流れる小数キャリアによる電流と電圧の特性カーブが現れる。
ショットキーバリアダイオードのVF特性のカーブ全体としては、ショットキーバリアダイオード面(バリアメタルがNエピタキシャル層と接合したアクティブ領域)によるVF特性のカーブと、PガードリングのP層とNエピタキシャル層とで形成されるPNダイオードのVF特性のカーブが重なって、図9に示すような、それぞれのショットキーバリアダイオードのVF特性のカーブを描く。
以上のとおりの、図13に示す3つの電流領域におけるVF特性を考慮して、本発明を想起する基となった構成に係るショットキーバリアダイオードでは、基本的には、微小電流領域(ア)ではVF特性のカーブを出来る限り左方向にシフトさせるために、Nエピタキシャル層の主面と接合するバリアメタル(後記する図8の第1のバリアメタル6)については、Nエピタキシャル層に対してバリアハイトの低いメタルを用いる構成とした。
さらに、高電流領域(ウ)では、Pガードリングからの小数キャリアの注入を積極的にさせて、理想的なダイオードに近づける(VF特性のカーブを左方向にシフトする)ために、Pガードリングの上にNエピタキシャル層に対してバリアハイトの高いメタル(後記する図8の第2のバリアメタル7)を用いる構成とした。
このような構成とすることにより、微小電流領域(ア)、中電流領域(イ)、及び高電流領域(ウ)の領域について、VF特性のカーブを、図9の実線(別願発明SBD)で示すように、全体として左方向にシフトさせ、低電圧で多くの電流を流すVF特性(これを「低VF特性」という)を得ようとするものである。
図8は、本発明を想起する基となった構成のショットキーバリアダイオード1の構成を示す断面図である。このショットキーバリアダイオード1は、高不純物濃度の半導体基板2と、この半導体基板2の上に形成され半導体基板2より低不純物濃度の第1導電型である第1半導体層3と、第1半導体層3の領域内に形成され、第1導電型と異なる第2導電型からなり、ガードリングとして機能する1本以上の第2半導体層4と、第1半導体層3の上であってその周縁部に沿って形成された絶縁膜5と、少なくとも前記第1半導体層の上面の一部の領域に形成された第1のバリアメタルと、第1のバリアメタルとは異なる領域に同じ層で形成された第2のバリアメタルと、第1のバリアメタル6及び第2のバリアメタル7の上面に形成されたアノード電極8と、半導体基板2の下面に形成されたカソード電極9と、を備えている。
このショットキーバリアダイオード1では、上記高不純物濃度の半導体基板2、第1半導体層3、第2半導体層4及び絶縁膜5は、具体的には、それぞれN基板2、Nエピタキシャル層3、Pガードリング4及び酸化膜5で形成されており、以下の説明もこれらの具体的な部品構成で説明する。そして、ガードリング4は、半導体基板2より低不純物濃度の第1導電型と異なる第2導電型であるが、その不純物濃度は10+17/cm以上のもので形成する。
なお、N基板2、Nエピタキシャル層3、Pガードリング4及び酸化膜5は、それぞれ高不純物濃度の半導体基板2、第1領域層3、第2半導体層4及び絶縁膜5と同じ符号を付ける。
さらに、本発明を想起する基となった構成のショットキーバリアダイオード1の特徴的な構成を、具体的に説明する。図8(a)、(b)に示すように、第2のバリアメタル7は、Pガードリング4(図示はしないが、2本以上のPガードリングを備えた構成では、最も内側のPガードリング)及びPガードリング4内側のNエピタキシャル層3の両方の上面に、その両方の上面の領域にわたって、リング状に形成されている。
より詳細には、第2のバリアメタル7は、Pガードリング4の上面の少なくとも一部の領域12と、Nエピタキシャル層3の上面であってPガードリング4内側の一部の領域13とにわたって、形成されている。第2のバリアメタル7は、第1のバリアメタル6と同層で同じ厚さに形成されている。
このような構成とすることで、第1のバリアメタル6とNエピタキシャル層3との界面15でショットキーバリアが形成され、また、第2のバリアメタル7とPガードリング4内側のNエピタキシャル層3との界面16でショットキーバリアが形成される。
第2のバリアメタル7のNエピタキシャル層3に対する第2のバリアハイトは、第1のバリアメタル6のNエピタキシャル層3に対する第1のバリアハイトより高くする。そして、Nエピタキシャル層3に対する第2のバリアメタル7の第2のバリアハイトは、0.70eV以上になるように形成する。
上記のように第1のバリアハイトより第2のバリアハイトを高くなるように、また上記第2のバリアハイトの数値範囲となるように、第1のバリアメタル6及び第2のバリアメタル7の材料をそれぞれ選択する。例えば、第1のバリアメタル6はPdSiで形成し、第2のバリアメタル7はPtSiで形成する。
(作用)
以上の構成から成る本発明を想起する基となった構成のショットキーバリアダイオード1の作用を説明する。ショットキーバリアダイオード1では、第2のバリアメタル7のNエピタキシャル層3に対する第2のバリアハイトは、第1のバリアメタル6のNエピタキシャル層3に対する第1のバリアハイトより高くした。
その結果、上記図13における高電流領域(ウ)において、第1のバリアメタル6のみを設けた構成に比較して、小数キャリアが低い電界で注入され(つまり低い順方向電圧で注入され)、低電圧領域から伝導度変調する効果がある。
この小数キャリアの注入は、図8(b)に示すように、第2のバリアメタル7から、Pガードリング4との界面16を通り、さらにPガードリング4とNエピタキシャル層3とのPN接合部のアクティブ側の領域17を通過して行われる。
ところで、ショットキーバリアダイオード1では、第1のバリアメタル6は、第2のバリアメタル7より低い第1のバリアハイトを使用している。そのため、ショットキーバリアダイオード1は、第2のバリアメタル7のような高いバリアハイトのみを用いた構造と比較すると、第1のバリアメタル6とNエピタキシャル層3との界面15におけるショットキーバリアのバリアハイトによって決まる順方向電圧の立ち上がりが、低電圧側にシフトし、かつ低電圧での少数キャリアの注入を保つことができる。この結果、図13における微小電流領域(ア)のVF特性の低減を実現する。
ところで、上記実施例では、第1のバリアメタル6がPdSiで形成され、第2のバリアメタル7をPtSiで形成されている。このような材料を使用すれば、整流回路を動作させた状態での導通損失において、逆方向損失は殆ど変えずに順方向損失だけを低減することができ、システム全体で低損失化することができる。
一般的には、整流回路のオンオフのデューティー比によって、ダイオードの導通損失である順方向損失と逆方向損失のバランスが決まるが、本発明では、第2のバリアメタル7であるPtSiは高バリアハイトであり、逆方向損失がPdSiより1桁程小さいため、たとえ、デューティー比が数%としオフ時間が長くとも、100A/cm以上の電流密度で順方向を動作させると、逆方向損失は順方向損失に対して無視できる。
つまり、PtSiでは過剰スペックのため、逆方向電流はPdSiの特性で十分である。そのため、バリアメタルがPdSiにおいて、更に低VF特性化して順方向損失を低減した場合の方が、整流回路において省エネルギー化につながる。
また、ショットキーバリアダイオード1は、第1のバリアメタル6を低バリアハイトであるPdSiとし、第2のバリアメタル7を低バリアハイトであるPtSiとすることで、微少電流領域(1)における低VF特性化に加えて、高電流領域(ウ)における定格電流についても上記小数キャリアによる伝導度変調を効かせて、更に低VF特性化を実現することができる。
(試験例)
本発明を想起する基となった構成の効果を確認するために、ショットキーバリアダイオード1を、2つの従来技術のショットキーバリアダイオードと比較してシミュレーション試験を行った。図10は、このシミュレーション試験の結果を示す図であり、順方向における、本発明及び2つの従来技術について、それぞれのVF特性(電圧(VF)と電流密度(JF)の特性)のカーブを示すグラフである。
本発明を想起する基となった構成及び2つの従来技術のショットキーバリアダイオードのいずれも、およそ3Ω・cmで14μmのエピタキシャル抵抗(ρt)を有する。点線で示す従来技術は、バリアハイトが高い(φb=0.84eV)従来技術のショットキーバリアダイオードのVF特性カーブを示す。2点鎖線で示す従来技術は、バリアハイトが低い(φb=0.72eV)従来技術のショットキーバリアダイオードのVF特性カーブを示す。
実線(図10中の「別願発明」)は、本発明を想起する基となった構成のショットキーバリアダイオードのVF特性カーブを示す。なお、このシミュレーション試験では、2つの従来技術のショットキーバリアダイオードも、第2のバリアメタル7の第2のバリアハイト以外については同じ条件とした。
点線で示す従来技術では、バリアハイトが高いために、高電流領域では、少数キャリアの注入が多いために、VF特性カーブは立っている(傾斜角度が大きい)。しかし、微少電流領域では、低電圧では電流は流れにくいために、VF特性カーブは全体的に右方向に寄っており、この点で、ショットキーバリアダイオードとしては必ずしも好ましい特性を示していない。
2点鎖線で示す従来技術では、バリアハイトが低いために、微少電流領域では低電圧でも電流は流れ易く、VF特性カーブは全体的に左方向に寄っているが、高電流領域では、少数キャリアの注入が少ないためにVF特性カーブは寝ており(傾斜角度が緩やか)、この点で、ショットキーバリアダイオードとしては必ずしも好ましい特性を示していない。
本発明を想起する基となった構成のショットキーバリアダイオード1は、バリアハイトの低い第1のバリアメタル6をNエピタキシャル層3の上に設けるとともに、バリアハイトの高い第2のバリアメタル7をNエピタキシャル層3及びPガードリング4の一部の領域の上にわたって設けたので、高電流領域では、少数キャリアの注入が多いためにVF特性カーブは立っており、微少電流領域では低電圧でも電流は流れに易く、VF特性カーブは全体的に左方向に寄っており、ショットキーバリアダイオードとしては好ましい特性を示している。
(本発明の概要)
本発明を想起する基となった構成は、以上のとおりであるが、この本発明を想起する基となった構成に基づき想到した本発明の特徴的な構成は次のとおりである。
高不純物濃度の半導体基板(N基板)の上に、この半導体基板より低不純物濃度の第1導電型である半導体層(N型半導体層)が形成され、この第1導電型である半導体層の領域内に電界を緩和する機能を有する環状の終端構造(例えば、GR、FP、JTE、トレンチ耐圧構造等)が形成され、この終端構造で囲まれる領域の一部に、第2導電型である複数の島状の半導体層(P型島状半導体層)が設けられている。
そして、第1導電型である半導体層の上面には第1のバリアメタルが形成され、第2導電型である複数の島状の半導体層の上面には第2のバリアメタルが形成されており、第2のバリアメタルの第1導電型である半導体層に対する第2のバリアハイトは、第1のバリアメタルの第1導電型である半導体層に対する第1のバリアハイトより高くなるように形成されている。
要するに、本発明に係る半導体装置の特徴は、 終端構造で囲まれた整流領域(アクティブ領域)であるN型半導体層内において、P型島状半導体層に対応してN型半導体層上のバリアメタルより高いバリアハイトの島状バリアメタルを設ける構成とすることで、小数キャリアの注入量を適宜設定できる構成とした。
このように小数キャリアの注入量を調整により、耐圧を変えることなく、Trr、Qrrを変えることができ、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化可能とするものである。
ところで、半導体装置において、整流領域(アクティブ領域)の終端部において、逆電圧が印加された際に電界分布を均一にして、局所的に高電界になり破壊される現象を防ぐために終端領域に設ける終端構造としては、例えば、ガードリング(GR)、フィールドプレート(FP)、ジャンクションターミネーションエクステンション(JTE)、トレンチ耐圧構造等がある。
そこで、以下、実施例1〜4では、終端構造としてPガードリングを設けたJBS(Junction Barrier Schottky diode)において説明し、実施例5、6、7では、それぞれ終端構造として、フィールドプレート(FP)、ジャンクションターミネーションエクステンション(JTE)、トレンチ耐圧構造を設けた半導体装置において説明する。
図1は、本発明に係る半導体装置の実施例1として示すJBS(Junction Barrier Schottky diode)30を説明する図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
このJBS30は、従来のJBSにおいて、上記本発明を想起する基となった構成及びその考え方を利用して、小数キャリアの注入量により少数キャリアを引き抜くための時間を適宜設定し、従来の重金属拡散等の技術を利用することなく、低VF特性と、短Trr、低Qrrを両立し、デバイスの使用目的及び態様等に応じて、JBSの最適化を可能とする点を特徴とする。
JBS30は、N型の半導体基板31を有し、この半導体基板31の上に半導体基板31よりも不純物濃度が低い第1半導体層32が形成されている。第1半導体層32は、本実施例1では、N型半導体層(例.Nエピタキシャル層)として形成されている。
第1半導体層32の領域内でその主面を囲うように、ガードリングとして機能する第2半導体層33が形成されている。この第2半導体層33は、本実施例1では、P型半導体層(「Pガードリング」という。)として形成されている。
第1半導体層32の領域内で、第2半導体層33で囲まれた領域34に、複数の島状(アイランド状)の第3半導体層35が形成されている。この複数の島状の第3半導体層35は、互いに所定の間隔をあけてに並列されており、本実施例1では、P型半導体層(「P型島状半導体層」という。)として形成されている。複数の島状の第3半導体層35は、それぞれ第1半導体層32との界面にPN接合部36を形成している。
以下、第1半導体層32、第2半導体層33及び第3半導体層35は、それぞれ本実施例では、同じ符号を付したN型半導体層32、Pガードリング33及びP型島状半導体層35で説明する。Pガードリング33及びP型島状半導体層35をそれぞれ構成するP層は、その表面濃度Csは、例えば、Cs>1.0+17/cm以上に形成されている。
型半導体層32、Pガードリング33及びP型島状半導体層35の上面には、後記するとおり、バリアメタルが形成されている。そして、N型半導体層32上の周囲には、絶縁膜37が形成されている。また、バリアメタル上の上面にはアーノド電極38が形成され、半導体基板31下面にはカソード電極39が形成されている。
以上の構成において、本発明に係る半導体装置の実施例1のJBS30の特徴的な構成は、次のとおりである。バリアメタルとして、図1(a)、(b)に示すように、同層であるが互いに異なる領域に形成された、第1のバリアメタル41と第2のバリアメタル42とを備えている。
第1のバリアメタル41は、ほぼ絶縁膜37で囲まれる主面となる領域において、第1半導体層32及び第2半導体層33の上面のそれぞれの一部にわたって、形成されている。
第2のバリアメタル42は、Pガードリング33に対応して設けられたリング状バリアメタル43と、複数のP型島状半導体層35の全数に対応して設けられた複数の島状(アイランド状)バリアメタル45とから成る。
リング状バリアメタル43と複数の島状バリアメタル45とは、同層であるが、互いに異なる領域に形成されている。なお、リング状バリアメタル43の「リング状」は、平面視で、Pガードリング33の平面形状に対応するものであり、実施例1では、四角形であるが、環状にクローズされている形状であれば、その他の形状も含まれる。
リング状バリアメタル43は、図1(a)、(b)に示すように、Pガードリング33の全周囲に沿って、Pガードリング33の少なくとも内周側の上面を含む領域46及び該内周側に隣接する一定幅のN半導体層の上面の領域47にわたって、形成されている。
複数の島状バリアメタル45は、それぞれ平面視では、P型島状半導体層35の上面形状と相似形であり、かつP型島状半導体層35の上面形状より広い面積を有しており、P型島状半導体層35の上面の全領域及びN型半導体層32の上面であってP型島状半導体層35の周縁に沿って一定幅の領域48にわたって、形成されている。
型半導体層32に対する、第2のバリアメタル42のバリアハイトは、第1のバリアメタル41のバリアハイトより高くなる材料で形成する。例えば、第1のバリアメタル41はPdSiで形成されており、第2のバリアメタル42はPtSiで形成されている。第2のバリアメタル42のバリアハイトは0.70eVとする。
以上が本発明に係る半導体装置の実施例1のJBSの構成であるが、Pガードリング33及びP型島状半導体層3はP層として同層に形成されており、P層の平面形状を決める露光機のマスクのパターンによって、一括して形成可能である。
同様に、第1のバリアメタル41及び第2のバリアメタル42(リング状バリアメタル43及び複数の島状バリアメタル45)は同層に形成されているが、それぞれ平面形状を決める露光機のマスクのパターンによって、一括して形成可能である。
本実施例1の半導体装置では、P型島状半導体層35及び島状バリアメタル45は、それぞれ平面視で、図1(b)に示すように、長方形をしているが、特にこのような平面形状でなくても、半導体装置の仕様、形状等に応じて、適宜、別の形状としてもよい。
ちなみに、図2(a)、(c)は、実施例1の変形例のJBS50を示すものであり、この変形例では、P型島状半導体層51及び島状バリアメタル52は、それぞれ平面視で、円形をしており、複数のP型島状半導体層51及び島状バリアメタル52が、Pガードリング33及び絶縁膜37で囲まれる領域にマトリクス状に配置されている。
(作用)
以上の構成から成る実施例1のJBS30の作用を説明する。JBS30は、Pガードリング33と、その上に形成されたリング状バリアメタル43によって、図8に示すショットキーバリアダイオード1と同様の作用が生じる。即ち、N型半導体層32に対するリング状バリアメタル43の第2のバリアハイトは、N型半導体層32に対する第1のバリアメタル41のN型半導体層32の第1のバリアハイトより高い構成としている。
そのため、リング状バリアメタル43から、リング状バリアメタル43とPガードリング33との界面を通り、さらにPガードリング33とN型半導体層32とのPN接合部のアクティブ側の領域を通過して、小数キャリアの注入が行われる。
その結果、図8に示すショットキーバリアダイオード1と同様に高電流領域において、第1のバリアメタル41のみを設けた構成に比較して、より低い電界で小数キャリアが注入され(つまり低い順方向電圧で注入され)、比較的に低電圧領域から伝導度変調する効果がある。
さらに、複数のP型島状半導体層35(第3半導体層35)の全数に対応して設けられた複数の島状バリアメタル45によって、Pガードリング33と、その上に形成されたリング状バリアメタル43による、上記作用と同様の作用が生じる。
即ち、N型半導体層32に対する島状バリアメタル45の第2のバリアハイトは、N型半導体層32に対する第1のバリアメタル41の第1のバリアハイトより高い構成としている。
そのため、島状バリアメタル45から、P型島状半導体層35との界面を通り、さらにP型島状半導体層35とN型半導体層32とのPN接合部36のアクティブ側の領域を通過して、小数キャリアの注入が行われる。
その結果、図8に示すショットキーバリアダイオードと同様に、高電流領域において、第1のバリアメタル41のみを設けた構成に比較して、より低い電界で小数キャリアが注入され(つまり低い順方向電圧で注入され)、比較的低電圧領域から伝導度変調する効果がある。
実施例1の半導体装置であるJBS30では、リング状バリアメタル43 とは別に島状バリアメタル45を設けたので、別願発明より多くの少数キャリアを注入できるため、伝導度変調がより強くかかり、より低VF特性化になる。
以上のとおり、Pガードリング33の上に形成されたリング状バリアメタル43と、複数のP型島状半導体層35の全数に対応して設けられた複数の島状バリアメタル45とによって、高電流領域における小数キャリアの注入量を増加させることが可能となる。
従って、小数キャリアの調整が、従来のように、製造工程において、電子線照射装置を設置し、電子線照射による重金属拡散などをすることなく、P型島状半導体層35及び島状バリアメタル45の平面形状を決める露光機のマスクのパターンによって、複数のP型島状半導体層35について複数の島状バリアメタル45を形成することで、小数キャリアの注入量を容易に適宜の仕様にすることが可能となる。
例えば、露光機のマスクのパターンによって、実施例1のP型島状半導体層35及び島状バリアメタル45の大きさを適宜寸法に設定したり、或いは、実施例1の変形例(図2(a)、(b)参照)に示すように形状を適宜寸法に設定したりして、小数キャリアの注入量を容易に適宜の仕様にすることが可能となる。
これにより、本発明では、小数キャリアの注入量を設定可能となり、耐圧を変えることなく、Trr、Qrrを変えることができ、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化可能とする。
なお、近年、電流が集中する箇所を分散、均一化させて熱破壊を防ぐ耐熱技術がある。本発明によると、少数キャリアを注入できる箇所を適宜設定できるため、耐熱設計においても設計しやすくなる。例えば、電流、熱が集中し易いコーナー部では、注入部分を少なくし、アクティブ領域では注入部分を多くするといった構成を設計可能となる。
図3は、本発明に係る半導体装置の実施例2のJBS55を説明する図であり、図3(a)は断面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A断面図である。この実施例2のJBS55は、実施例1のJBS30とほぼ同じ構成であり、共通する構成は同じ符号を付ける。実施例2のJBS55が実施例1のJBS30と異なる構成は次のとおりである。
実施例1のJBS30では、図1(b)に示すように、第2のバリアメタル42は、Pガードリング33に対応して設けられたリング状バリアメタル43と、複数のP型島状半導体層35の全数に対応して設けられた複数の島状バリアメタル45とから成る。
しかしながら、実施例2のJBS55では、図3(b)に示すように、第2のバリアメタル42は、Pガードリング33に対応したリング状バリアメタル43は形成されているが、複数のP型島状半導体層35の全数ではなく、一部数のP型島状半導体層35に対応して設けられた複数の島状バリアメタル45とから成る。
このように、複数のP型島状半導体層35及び島状バリアメタル45の数を変えることで、小数キャリアの注入量を容易に適宜の仕様にすることが可能となる。これにより、本発明では、小数キャリアの注入量を適宜設定可能となるから、耐圧を変えることなく、Trr、Qrrを変えることができ、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化可能とする。
なお、図4(a)、(b)は、実施例2の変形例のJBS56の断面図及びそのA−A断面図を示すが、このような複数の円形のP型島状半導体層51についても、全てのP型島状半導体層51ではなく、一部数のP型島状半導体層51のみを覆うように島状バリアメタル52を設ける構成としてもよい。
図5は、本発明に係る半導体装置の実施例3のJBS60を説明する図であり、図5(a)は断面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。この実施例3のJBS60は、実施例2のJBS56 とほぼ同じ構成であり、共通する構成は同じ符号を付ける。実施例3のJBS60が実施例2のJBS56と異なる構成は次のとおりである。
実施例2のJBS56では、図3に示すように、第2のバリアメタル42は、Pガードリング33に対応して設けられたリング状バリアメタル43と、複数のP型島状半導体層35の一部数に対応して設けられた複数の島状バリアメタル45とから成る。
しかしながら、実施例3では、図5に示すように、第2のバリアメタル42は、Pガードリング33に対応したリング状バリアメタル43は形成されていない。複数のP型島状半導体層35の全数ではなく、一部数のP型島状半導体層35に対応して複数の島状バリアメタル45が設けられている構成は、実施例2と同じである。
なお、図6(a)、(b)は、実施例3の変形例のJBS61の断面図及びそのA−A断面図を示すが、この変形例のJBS61は、実施例2の変形例のJBS56と同様に、全てのP型島状半導体層57ではなく、一部数のP型島状半導体層51のみを覆うように島状バリアメタル52を設ける構成としているが、Pガードリング33に対応したリング状バリアメタルは形成されていない。
図7は、本発明に係る半導体装置の実施例4のJBS65を説明する図であり、図7(a)は断面図であり、図7(b)は図7(a)のA−A断面図である。この実施例4のJBS65は、実施例3のJBS60とほぼ同じ構成であり、共通する構成は同じ符号を付ける。実施例4のJBS65が実施例3のJBS60と異なる構成は次のとおりである。
実施例4のJBS65では、島状バリアメタル66は、それぞれ平面視では、P型島状半導体層35の上面の全てではなく、その一部の領域67及びその一部67の周縁に沿って一定幅の領域68にのみ形成されている。
以上、実施例1〜4において、Pガードリング33とその上に形成されたリング状バリアメタル43との組み合わせの構成、及び複数のP型島状半導体層35、51とその上に形成された複数の島状バリアメタル45、52との組み合わせの構成について、いろいろな態様を説明したが、これらの態様を、前記したとおり、露光機のマスクのパターンによって、適宜に設計して、小数キャリアの注入量を容易に適宜の仕様にすることが可能となる。
この結果、小数キャリアの注入量により少数キャリアを引き抜くための時間を適宜設定し、従来の重金属拡散等の技術を利用することなく、低VF特性と、短Trr、低Qrrを両立し、デバイスの使用目的及び態様等に応じて、JBSの最適化が可能となる。
図14は、本発明に係る半導体装置の実施例5のJBSを説明する図である。この実施例5の半導体装置90は、終端構造としてフィールドプレート(FP)91を終端領域92に設け、整流領域(アクティブ領域)93の終端部において、逆電圧が印加された際に電界分布を均一にして、局所的に高電界になり破壊される現象を防ぐ構成としたものである。
このような構成の半導体装置90においても、実施例1と同様に、フィールドプレート91から成る終端構造で囲まれたN型半導体層94の領域に、複数のP型島状半導体層95とそのP型島状半導体層95上に複数の島状バリアメタル96を設け、N型半導体層94に対する島状バリアメタル97の第2のバリアハイトは、N型半導体層94に対する第1のバリアメタル97の第1のバリアハイトより高い構成としている。
なお、実施例5の半導体装置90における複数のP型島状半導体層とその上の複数の島状バリアメタルから成る構成は、実施例1〜4に示す構成と同じである。
このような構成とすることにより、高電流領域において、第1のバリアメタル97のみを設けた構成に比較して、より低い電界で小数キャリアが注入され(つまり低い順方向電圧で注入され)、比較的に低電圧領域から伝導度変調する効果が生じる。
これにより、実施例5の半導体装置90においても、小数キャリアの注入量を設定可能となり、耐圧を変えることなく、Trr、Qrrを変えることができ、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化可能とする。
図15は、本発明に係る半導体装置の実施例6のJBSを説明する図である。図15(b)は、従来の半導体装置であり、この半導体装置100では、終端構造としてJTE(接合終端拡張:Junction termination extension)101、102を終端領域103に設け、整流領域(アクティブ領域)104の終端部において、逆電圧が印加された際に電界分布を均一にして、局所的に高電界になり破壊される現象を防ぐ構成としたものである。なお、110は絶縁膜であり、111、112は電極である。
図15(a)に示す実施例6の半導体装置105は、従来の半導体装置100と同じ構成において、JTE101、102から成る終端構造で囲まれたN型半導体層106の領域に、複数のP型島状半導体層107とその上に複数の島状バリアメタル108を設け、N型半導体層106に対する島状バリアメタル108の第2のバリアハイトは、N型半導体層106に対する第1のバリアメタル109の第1のバリアハイトより高い構成としている。
なお、実施例6の半導体装置105において設ける複数のP型島状半導体層とその上の複数の島状バリアメタルから成る構成は、実施例1〜4に示す構成と同じである。
このような構成とすることにより、高電流領域において、第1のバリアメタルのみを設けた構成に比較して、より低い電界で小数キャリアが注入され(つまり低い順方向電圧で注入され)、比較的に低電圧領域から伝導度変調する効果が生じる。
これにより、実施例6の半導体装置105においても、小数キャリアの注入量を設定可能となり、耐圧を変えることなく、Trr、Qrrを変えることができ、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化可能とする。
図16は、本発明に係る半導体装置の実施例7のJBSを説明する図である。図16(b)は、従来の半導体装置115であり、この半導体装置115では、終端構造としてトレンチ耐圧構造116を終端領域117に設け、整流領域(アクティブ領域)118の終端部において、逆電圧が印加された際に電界分布を均一にして、局所的に高電界になり破壊される現象を防ぐ構成としたものである。
なお、120はN型半導体基板、121はN型半導体層であり、122は第1のバリアメタルであり、123はアノード電極であり、124はカソード電極であり、126は絶縁膜(SiO)であり、127はP型島状半導体層である。
図16(a)に示す実施例7の半導体装置130は、上記従来の半導体装置115と同じ構成において、トレンチ耐圧構造116から成る終端構造で囲まれたN型半導体層121の領域に、複数のP型島状半導体層131とその上に複数の島状バリアメタル132を設け、島状バリアメタル132の第2のバリアハイトは、N型半導体層121に対する第1のバリアメタル122の第1のバリアハイトより高い構成としている。
なお、実施例7の半導体装置130において設ける複数のP型島状半導体層とその上の複数の島状バリアメタルから成る構成は、実施例1〜4に示す構成と同じである。
このような構成とすることにより、高電流領域において、第1のバリアメタル122のみを設けた構成に比較して、より低い電界で小数キャリアが注入され(つまり低い順方向電圧で注入され)、比較的に低電圧領域から伝導度変調する効果が生じる。
これにより、実施例7の半導体装置130においても、小数キャリアの注入量を設定可能となり、耐圧を変えることなく、Trr、Qrrを変えることができ、低VF特性と、短Trr、低Qrrを、デバイスの使用目的及び態様等に応じて最適化可能とする。
以上、本発明に係る半導体装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的こと項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係る半導体装置は、上記のような構成であるから、高周波信号回路、電源整流回路、逆接防止回路等に適用可能である。
1 ショットキーバリアダイオード
2 高不純物濃度のN基板(半導体基板)
3 N型半導体層(第1半導体層)
4 Pガードリング(ガードリング)
5 酸化膜(絶縁膜)
6 第1のバリアメタル
7 第2バリアメタル
8 アノード電極
9 カソード電極
12 Pガードリング上面の一部の領域
13 N型半導体層上面におけるPガードリング内側の一部の領域
15 第1のバリアメタルとN型半導体層との界面
16 第2のバリアメタルとPガードリング内側のN型半導体層との界面
20 従来例のガードリング付きショットキーバリアダイオード
21 Pガードリング
22 N型半導体層
23 N基板
24 アノード電極
25 カソード電極
26 酸化膜(SiO膜)
27 バリアメタル
30 JBS
31 半導体基板
32 N型半導体層(第1半導体層)
33 Pガードリング(第2半導体層)
34 Pガードリングで囲まれた領域
35 P型島状半導体層(第3半導体層)
36 P型島状半導体層とN型半導体層とのPN接合部
37 絶縁膜
38 アノード電極
39 カソード電極
41 第1のバリアメタル
42 第2のバリアメタル
43 リング状バリアメタル
45 島状(アイランド状)バリアメタル
46 Pガードリングの内周側の上面を含む領域
47 Pガードリングの内周側に隣接する一定幅のN半導体層の上面の領域
48 N型半導体層の上面でP型島状半導体層の周縁に沿う一定幅の領域
50 実施例1の変形例のJBS
51 P型島状半導体層
52 島状バリアメタル
55 実施例2のJBS
56 実施例2の変形例のJBS
58 島状バリアメタル
60 実施例3のJBS
61 実施例3の変形例のJBS
65 実施例4のJBS
66 島状バリアメタル
67 島状バリアメタルの一部の領域
68 N型半導体層の上面でP型島状半島体層の一部の周縁に沿った一定幅の領域
80 従来のJBS
81 半導体基板
82 第1半導体層(N型半導体層)
83 第2半導体層(Pガードリング)
84 第3半導体層(島状P型半導体層)
85 バリアメタル
86 絶縁膜
87 アーノド電極
88 カソード電極
90 実施例5の半導体装置
91 フィールドプレート(FP)
92 終端領域
93 整流領域(アクティブ領域)
94 N型半導体層
95 P型島状半導体層
96 島状バリアメタル
97 バリアメタル(第1のバリアメタル)
100 従来の半導体装置
101、102 JTE(接合終端拡張)
103 終端領域
104 整流領域(アクティブ領域)
105 実施例6の半導体装置
106 N型半導体層
107 P型島状半導体層
108 島状バリアメタル
106 N型半導体層
109 第1のバリアメタル
110 絶縁膜
111 電極
112 電極
115 従来の半導体装置
116 トレンチ耐圧構造
117 終端領域
118 整流領域(アクティブ領域)
120 N型半導体基板
121 N型半導体層
121 N型半導体層
122 第1のバリアメタル
123 アノード電極
124 カソード電極
126 絶縁膜(SiO
127 P型島状半導体層
130 実施例7の半導体装置
131 P型島状半導体層
132 島状バリアメタル

Claims (9)

  1. 高不純物濃度の半導体基板と、該半導体基板の上に形成され該半導体基板より低不純物濃度の第1導電型である半導体層と、該半導体層の領域内に形成され、電界を緩和するための終端構造と、第1導電型である半導体層の領域内において終端構造で囲まれる領域の一部に形成され、第2導電型である複数の島状の半導体層と、少なくとも第1導電型である半導体層の上面の一部の領域に形成された第1のバリアメタルと、第1のバリアメタルとは異なる領域に同じ層で形成された第2バリアメタルと、を備えた半導体装置において、
    第2のバリアメタルは、少なくとも、複数の島状の半導体層の1つ以上の上面の領域と、該上面の領域に隣接する第1導電型である半導体層の上面の領域にわたって形成されており、
    第2のバリアメタルの第1導電型である半導体層に対する第2のバリアハイトは、第1のバリアメタルの第1導電型である半導体層に対する第1のバリアハイトより高くなるように形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 高不純物濃度の半導体基板と、該半導体基板の上に形成され該半導体基板より低不純物濃度の第1導電型である第1半導体層と、第1半導体層の領域内に形成され、第1導電型と異なる第2導電型でありガードリングとして機能する第2半導体層と、第1半導体層の領域内において第2半導体層で囲まれる領域の一部に形成され、第2導電型である複数の島状の第3半導体層と、少なくとも第1半導体層の上面の一部の領域に形成された第1のバリアメタルと、第1のバリアメタルとは異なる領域に同じ層で形成された第2バリアメタルと、を備えた半導体装置において、
    第2のバリアメタルは、少なくとも、複数の島状の第3半導体層の1つ以上の第3半導体層の上面の領域と、該第3半導体層の上面の領域に隣接する第1半導体層の上面の領域にわたって形成されているとともに、第2半導体層の上面の少なくとも一部の領域及び第1半導体層の上面であって第2半導体層の内側に隣接する領域にわたってリング状に形成されており、
    第2のバリアメタルの第1半導体層に対する第2のバリアハイトは、第1のバリアメタルの第1半導体層に対する第1のバリアハイトより高くなるように形成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 電界を緩和するための終端構造は、フィールドプレート、ジャンクションターミネーションエクステンション又はトレンチ耐圧構造であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 第2のバリアメタルは、複数の島状の半導体層の上面の一部又は全部の領域と、第1導電型の半導体層の上面であって前記島状の半導体層の上面の一部又は全部に隣接する領域にわたって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 第2のバリアメタルは、複数の島状の半導体層の全ての半導体層の上面の一部又は全部の領域と、第1導電型の半導体層の上面であって前記島状の半導体層の上面の一部又は全部に隣接する領域にわたって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 第2半導体層の第2導電型の不純物濃度が10+17/cm以上であり、第2のバリアメタルの第1半導体層に対する第2のバリアハイトは、0.70eV以上になるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  7. 半導体基板はN基板であり、第1半導体層はN型半導体層であり、第2半導体層はPガードリングであることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  8. 第1のバリアメタルがPdSiであり、第2のバリアメタルがPtSiであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 第1のバリアメタルがMoであり、第2のバリアメタルがPdSiであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半導体装置。
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