JP2003031509A - 化合物半導体の製造方法 - Google Patents
化合物半導体の製造方法Info
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Abstract
半導体層を形成することが可能な化合物半導体の製造方
法を提供する。 【解決手段】 この方法は、GaN単結晶基板1上に形
成された窒化物系化合物半導体層2を備える化合物半導
体の製造方法において、GaN単結晶基板1を塩化水素
ガスを含む混合ガス雰囲気中で加熱することにより基板
1の表面層をエッチングする気相エッチング工程と、気
相エッチング工程の後に窒化物系化合物半導体層2の原
材料をGaN単結晶基板1上に供給して窒化物系化合物
半導体層を形成する半導体層成長工程とを備える。
Description
上に形成された窒化物系化合物半導体層、特に、III
−V族窒化物系化合物半導体層を備える化合物半導体の
製造方法に関する。
バイスは、短波長の光を出射するものとして、近年注目
を集めている。従来、サファイア基板を下地とするGa
N系化合物半導体層の製造方法が提案されていたが、本
願発明者らは、これに代えてGaN単結晶基板を用いる
ことにより、GaN系化合物半導体層を成長させる方法
について考案した。特開2000−252217号公報
は、かかる製造方法を開示するものである。同公報に記
載の製造方法によれば、GaN系化合物半導体の形成前
に、アンモニアガスでGaN単結晶基板の表面処理を行
うことにより、優れた特性のGaN系化合物半導体層を
製造することができるとされている。
単結晶基板上に形成された窒化物系化合物半導体層の特
性は更なる改善が期待されている。本発明は、このよう
な課題に鑑みてなされたものであり、GaN単結晶基板
上に良好な窒化物系化合物半導体層を形成することが可
能な化合物半導体の製造方法を提供することを目的とす
る。
基板上に形成された窒化物系化合物半導体層を備える化
合物半導体の製造方法において、前記GaN単結晶基板
を塩化水素ガスを含む混合ガス雰囲気中で加熱すること
により前記基板の表面層をエッチングする気相エッチン
グ工程と、前記気相エッチング工程の後に前記窒化物系
化合物半導体層の原材料を前記GaN単結晶基板上に供
給して前記窒化物系化合物半導体層を形成する半導体層
成長工程とを備えることを特徴とする。本方法によれ
ば、GaN基板上に良好な窒化物系化合物半導体層を形
成することが可能となる。
及び窒素ガスの少なくともいずれか一方を更に含むもの
であることが好ましく、この混合ガス中の塩化水素の含
有率は0.01%以上であることが好ましい。また、気
相エッチング工程の加熱は600℃以上の基板温度で行
われ、この加熱は30秒以上行われることが好ましい。
気相エッチング工程において、前記混合ガスは流速1c
m/秒以上でGaN単結晶基板の表面上を流れており、
窒化物系化合物半導体層はMOCVD法又はHVPE法
によって形成されることが好ましい。
長工程との間に表面処理工程を備え、この表面処理工程
は、前記GaN単結晶基板をアンモニアを含むガス雰囲
気中において900℃以上の温度で15秒以上加熱する
工程を有することが好ましい。
aN、AlN、InN、AlXGa1 -XN、InXGa1-X
N、AlXIn1-XN、又はAlXInYGa1-XN1-Y(X
+Y<1、X>0、Y>0)である。
化合物半導体の製造方法ついて添付の図面に基づき説明
する。
面図である。この化合物半導体は、GaN単結晶基板1
上に形成された窒化物系化合物半導体層2を備えてい
る。この化合物半導体は、発光ダイオード又は半導体レ
ーザ等の発光デバイスの製造中間体であり、この上に適
当なpn接合、好ましくはヘテロ接合を形成し、それぞ
れに電流を供給するための電極を取り付けることによ
り、発光デバイスが完成する。
ては、AlN、InN、AlxGa1 -xN、InxGa1-x
N、AlxIn1-xN、AlxInyGa1-x-yN(x+y
<1、x>0、y>0)等があり得る。窒化物系化合物
半導体層2の構成材料としては、GaNが最も好まし
く、この場合、基板1に対してホモエピタキシャル成長
となる。
ず、GaN単結晶基板1を用意する。GaN単結晶基板
1は、これをGaNインゴットから切り出すことによっ
て製造される。GaNインゴットは、GaNを種結晶と
し、種結晶を加熱しながらGa及びNを含む原料ガスを
種結晶に供給し、この上にエピタキシャル成長を行わせ
ることによって製造される。
て形成される。GaN単結晶は、GaAs基板上に窓を
有するマスク層を形成する工程と、このマスク層上に気
相成長法によってGaNをエピタキシャル成長させた
後、GaAs基板を除去することによって製造される。
なお、製造されたGaN単結晶基板1は、研磨材を用い
て表面研磨され、純水等を用いて液体洗浄される。ま
た、液体洗浄においては、適当な有機溶剤を用いてもよ
い。もちろん、市販のGaN単結晶基板1を用意しても
よい。
を用意した後、以下の(:気相エッチング工程)、
(:半導体層成長工程)を順次行うことによって製造
される。
基板1を所定の混合ガスG1の雰囲気内に配置し、基板
温度T1で時間t1の間、加熱する。気相エッチング工
程に用いる混合ガスG1は、塩化水素ガス(HCl)を
含むものであり、キャリアガスとして窒素ガス及び/又
は水素ガスを含むものである。キャリアガスとしては、
水素又は窒素を単独で用いてよい。水素ガスは還元効果
を有するので、水素ガスをキャリアガスとして使用する
とエッチング効果が大きくなる。なお、窒素をキャリア
ガスとして単独で用いた場合においても、塩化水素ガス
の分解生成物として水素が生成されているため、エッチ
ング処理は行われることとなる。したがって、キャリア
ガスとしては、ヘリウム(He)やアルゴン(Ar)な
どの不活性ガスを使用することもできる。
基板温度T1が600℃以上の場合は気相エッチングが
進行し、750度以上の場合には気相エッチングが顕著
に進行し、これらの場合には、窒化物系化合物半導体層
2の結晶状態に顕著な改善効果が認められる。この場合
の加熱時間t1は、30秒以上であることが好ましく、
気相エッチング効果が観察される。但し、加熱時間t1
が1時間以上の場合、表面形態の劣化が見られるので、
必ずしも好ましくない。この混合ガス中の塩化水素の含
有率(モル濃度、モル分圧)は0.01%以上であるこ
とが好ましく、より好ましくは0.5%以上であること
が望ましい。
混合ガスG1は流速1cm/秒以上でGaN単結晶基板
1の表面上を流れていることが好ましい。混合ガスG1
は流速1cm/分以上でGaN単結晶基板1の表面上を
流れていてもよい。
を0.5%以上含有した水素ガス中において、750
℃、20分間の加熱を行った場合である。
チング工程によって、GaN単結晶1の損傷した表面層
を除去した後、半導体層成長工程を行う。これにより、
表面状態が良好なGaN単結晶1が露出しているので、
これを下地として窒化物系化合物半導体層2を形成する
ことにより、窒化物系化合物半導体層2がエピタキシャ
ル成長し、その結晶状態を良好とすることができる。窒
化物系化合物半導体層2のエピタキシャル成長において
は、有機金属化学気相成長(MOCVD)法、又はハイ
ドライド気相エピタキシャル成長(HVPE)法を用い
ることが可能である。これらの方法においては、窒化物
系化合物半導体層2の原材料を基板1の表面に供給す
る。
は、好適にはGaNが挙げられる。
おいては、その原材料G2としては、混合ガスとしてT
MG(トリメチルガリウム)及び塩化水素ガスを用い
る。この原材料G2は、キャリアガスとして水素ガス及
び窒素ガスを含む。勿論、キャリアガスとして、ヘリウ
ムやアルゴンなどの不活性ガスを用いてもよい。MOC
VD法にてGaNを形成する場合においては、成長時の
基板温度T2は1030℃(±20℃)に設定される。
いては、金属Gaをつるぼ(ボード)内で加熱して蒸発
又は昇華させながら、原料ガスとしての塩化水素を前記
Gaと共に基板表面に原材料G2として供給し、これら
と共にキャリアガスとして水素ガス及び塩素ガスを基板
表面に供給する。HVPE法を用いる場合には成長時の
基板温度T2は1000℃(±20℃)に設定される。
は、InGaNであってもよい。MOCVD法にてIn
GaNを形成する場合においては、原材料G2として
は、混合ガスとしてTMGに加えて、TMI(トリメチ
ルインジウム)及び塩化水素ガスを用いる。原材料G2
は、キャリアガスとして水素ガス及び窒素ガスを含む。
勿論、キャリアガスとしてヘリウムやアルゴンなどの不
活性ガスを用いてもよい。InGaNをMOCVD法に
て形成する場合においては、成長時の基板温度T2は8
00℃程度(±20℃)に設定される。
成可能な他の方法としては、有機金属塩化物気相成長法
及び分子線エピタキシー(MBE)法が列挙されるが、
これらの方法においても、窒化物系化合物半導体層2の
成長は窒化物系化合物半導体層2の原材料を基板1の表
面に供給することによって行われる。
InN、又はAlInGaNを製造するに場合には、こ
れらの原料をGaN単結晶基板1上に供給しながら、こ
れらが基板上のエピタキシャル成長する製法に応じた公
知の温度でGaN基板1を加熱すればよい。
成長工程との間に以下の表面処理工程を備えることとし
てもよい。この表面処理工程は、GaN単結晶基板1を
アンモニア(NH3)を含むガスGαの雰囲気中におい
て900℃以上の温度Tαで、時間tα=15秒以上加
熱する工程を有する。
いては基板温度Tαは900℃以上が好ましい。基板温
度Tαが1000℃以上の場合は窒化物系化合物半導体
層2の結晶状態に更に顕著な効果が認められる。これら
の場合の、加熱時間tαは15秒以上であることが好ま
しい。また、上記結晶状態の観点から、加熱時間tαは
5分以上であることがより好ましく、15分以上行われ
ることが更に好ましい。但し、加熱時間tαが1時間以
上の場合、表面形態の劣化が見られるので、必ずしも好
ましくない。最も効果が認められるのは、アンモニアガ
スを40%以上含有した水素ガス中において、1000
℃、5分間の加熱を行った場合である。
のアンモニアの含有率(モル濃度、モル分圧)は5%以
上であることが好ましく、40%以上であることが更に
好ましい。すなわち、混合ガスGα中のアンモニアガス
の含有量が5%以上ある場合には、表面結晶性の更なる
改質効果が認められる。これは窒化反応を進行させるた
めに、最低限必要なアンモニアガスの含有量である。ア
ンモニアガスの含有量が40%以上ある場合には、更に
顕著な効果を奏することができる。
混合ガスGαは流速1cm/秒以上でGaN単結晶基板
1の表面上を流れていることが好ましい。混合ガスGα
は流速1cm/分以上でGaN単結晶基板1の表面上を
流れていてもよい。
アンモニアを含む混合ガスGαを流し続けながら、基板
温度を室温(25℃)からTαまで上昇させて、温度T
αにて表面処理を行い、この後、基板温度をT2に変更
し、この温度T2で、上述の半導体層成長工程を行うこ
とが好ましい。
上に良好な窒化物系化合物半導体層2を形成することが
可能となる。この理由は以下のように考えられる。
板1を研磨工程によって作製することは大変難しい。な
ぜならば、研磨時に基板表面にダメージが導入されるか
らである。このダメージを含む加工変質層は、結晶成長
時の下地として機能するため、上部に形成される窒素系
化合物半導体2に悪影響を与える。通常、機械研磨や化
学研磨を用いて、当該加工変質層を除去することができ
るものと考えられるが、この研磨表面の欠陥をなくすた
めに、研磨時間を大きく取り、研磨傷の低減を図って
も、研磨によるピットが深くなることがある。すなわ
ち、加工変質層除去のために、長時間研磨した場合、研
磨の時間経過と共に表面にピットが出現してくる。この
ピットの発生原因は、現在まだ明らかになっていない
が、研磨条件もさることながら、基板単結晶の何らかの
欠陥に起因している可能性もある。
化水素を用いた気相エッチングにより加工変質層を除去
している。この方法によれば、下地状態を良好に変性さ
せることができ、最終的にGaN単結晶基板1上に形成
された窒化物系化合物半導体層2の結晶状態は、当該工
程を行わないで形成されたものよりも良好となる。
程が窒化物系化合物半導体層2の成長に大きく影響する
ことについて提案してきた(特開2000−25221
7号公報)。これは、アンモニアに含まれる水素による
還元反応と窒素による窒化反応をGaN単結晶基板1の
表面上で同時に行うことにより、表面における選択的ピ
ットの形成を抑制しつつ、表面原子の再配列を行う方法
であり、上述の気相エッチング工程と組み合わせること
により、結晶成長における下地状態を更に良好に保持す
るものである。
までの間は、アンモニアガスを流し続けるか、窒素ガス
のみを流すことにより、基板表面の還元反応を防止す
る。
た。化合物半導体の製造に用いる種結晶は、いずれの実
施例においても共通であり、GaN単結晶基板1を用い
た。このGaN単結晶基板は、GaAs基板上に、窓を
有したマスク層を形成し、当該マスク層の上に気相成長
法によりGaNをエピタキシャル成長した後、GaAs
基板を王水中でエッチング除去して得たGaN単結晶の
表面をさらに研磨加工する事により得られる。GaN単
結晶基板1は、直径2インチ、厚さ0.4mmである。
ノケミカル研磨を施したが、ノマルスキー型顕微鏡で観
察したところ、高倍率において基板表面に細かい研磨傷
や欠陥が認められた。基板表面をCL(カソードルミネ
ッセンス)により評価したところ、バンド端発光である
360nmの発光波長で2次元マッピングすると、研磨
傷の存在が黒い筋となって判別できた。以下の各実施例
においては、このGaN単結晶基板1を用いる。
エッチング工程、半導体層成長工程、表面処理工程
を適宜組み合わせて用いる。また、実施例1〜4におけ
る半導体層成長工程においてはMOCVD法を用い、実施
例5における半導体層成長工程においてはHVPE法を用
いる。
半導体をMOCVD法を用いて製造した。基板1の材料
は単結晶GaN、窒化物系化合物半導体層2の材料は単
結晶GaNである。
す。この装置は、石英製のフローチャンネル10を有す
る横型MOCVD装置である。実施例1においては、上
記気相エッチング工程及び半導体層成長工程を続け
て用いる。まず、塩化水素ガスを用いて上述の気相エッ
チング工程を行った。GaN単結晶基板1をヒータ11
が内蔵されたターンテーブル12上にセットした。ター
ンテーブル12を回転させながら、ヒータ11を加熱し
て基板温度を室温RT(25℃)から基板温度T1に昇
温した。この時、チャネル10内には圧力P1で混合ガ
スG1を流した。
らの実施温度T1までの昇温中においても混合ガスG1
を流しており、昇温完了後、基板温度T1で一定時間t
1保持した。
し、これに連続して成長温度T2でエピタキシャル工程
を行った。基板温度をT1からT2に昇温する際には、チ
ャンバ内部が1気圧となるようにアンモニアガスをチャ
ネル10内に供給し、GaNの蒸気圧を抑制した。半導体
層成長工程においては、ターンテーブル12を回転させ
ながら、基板温度T2、圧力P2で混合ガスG2をチャ
ネル10内に流した(成長時間t2)。これにより、厚
さ2μmのn型GaNエピタキシャル層2を成長させ
た。本実験の条件は以下の通りである。
チング条件(基板温度T1、保持時間t1、塩化水素含
有率C1、キャリアガス比R1(=H2:N2)は以下の
通りである。
ため、上記実施例1における気相エッチング工程におい
て、エッチングガスとしての塩化水素の他にキャリアガ
スとして窒素のみを用い、しかる後、温度T2で半導体
層成長工程を行った(サンプル9)。他の工程は,実施
例1と同一である。また、比較のため、実施例1におけ
る気相エッチング工程を行わず、室温から成長温度T2
に至る間に、表面処理温度Tαを設定し、アンモニアガ
スを含む混合ガスGαの雰囲気中において基板温度Tαを
一定時間tαだけ保持し、表面処理工程を行い、続い
て、半導体成長工程を行った(サンプル10)。他の工
程は,実施例1と同様である。
グ条件(基板温度T1、保持時間t1、塩化水素含有率
C1、キャリアガス比R1(=H2:N2)は以下の通り
である。
表面処理工程を加えて化合物半導体を製造した(サン
プル11)。すなわち、まず、基板温度を室温RT(2
5℃)から基板温度T1に昇温し、チャネル10内には
混合ガスG1を流し、塩化水素ガスによる気相エッチ
ング工程を行った。
(基板温度T1、保持時間t1、塩化水素含有率C1、
キャリアガス比R1(=H2:N2)は以下の通りであ
る。
て混合ガスGαを流すことで保持時間tαだけ表面処
理工程を行い、次に、基板温度をT2に設定してエピタ
キシャル工程を行った。表面処理工程の実験条件は以
下の通りである。
チング工程及び表面処理工程を行った後、GaN単結晶
に代えてGaInN単結晶を形成するための半導体層成長
工程を行い、サンプル12〜20を作製した。形成され
たn型GaInN単結晶の厚さは500nm、組成はI
n0.05Ga0.95Nである。
いては、アンモニアガスを1気圧でチャンバ内に供給し
た。実施例4の実験条件は以下の通りである。
エッチング条件(基板温度T1、保持時間t1、塩化水
素含有率C1、キャリアガス比R1(=H2:N2)は以
下の通りである。
加工を施さず、HVPE法によって成長表面上に直接G
aNエピタキシャル成長を行った。
チャンバ20の外周には加熱器22が配置されており、
内部は排気されている。チャンバ20内には、アンモニ
アガス、水素ガス、窒素ガス、塩素ガスが導入可能な構
成とされており、Ga金属を入れたボードが配置されて
いる。Ga金属は加熱と同時に原料ガスが当たることに
より当該原料ガスに取り込まれ、キャリアガスによって
基板1の表面まで運ばれ、基板1の表面でGaN単結晶
が成長する。
を特別には行わなわないGaN単結晶基板1を用意し
た。これを試料ホルダー23上に固定し、気相エッチ
ング工程、半導体層成長工程を順次行った。なお、各
工程−間においては、アンモニアガスを1気圧でチ
ャンバ内に供給した。実施例5の実験条件は以下の通り
である。
エッチング条件(基板温度T1、保持時間t1、塩化水
素含有率C1、キャリアガス比R1(=H2:N2)は以
下の通りである。
に関しては、エピタキシャル成長した半導体層2の表面
形態を観察して評価した。この評価としては、サンプル
表面を電子顕微鏡観察によって観察し、サンプル表面の
粗れが殆ど観察できないものを良好状態(ランクA)、
デバイスの基板として使用不可能な程度に表面の凹凸が
著しいものを表面粗れ大の状態(ランクE)とし、これ
らの間の状態を3ランクに分けて相対評価し、表面粗れ
中の状態を(ランクD)、表面粗れ小の状態を(ランク
C)、表面の粗れが僅かに観察できる状 態を良好状態
(ランクB)として規定した。なお、各ランク間の中間
に位置する状態は、良い状態の場合には(+)を、悪い
状態の場合には(−)を付加することとした。
(0001)面や(11−22)面等が表面上に現れて
いるため、半導体層2の厚み方向に平行な(10−1
0)面に沿って当該サンプルを切断し、切断面を研磨し
た後、この面を断面を蛍光顕微鏡で観察し、半導体層2
の結晶性を評価した。この評価としては、サンプル表面
を電子顕微鏡観察によって観察し、基板1と半導体層2
との界面が観察できないものを良好状態(ランクA)、
界面が明確に観察でき、且つ、界面より多結晶や面方位
の異なる結晶が多数成長しているものを(ランクE)と
し、これらの間の状態を3ランクに分けて相対評価し、
界面が明確に観察でき、且つ、界面より多結晶や面方位
の異なる結晶が少数成長しているものを(ランクD)、
界面より多結晶や面方位の異なる結晶は成長していない
が界面が明確に観察できるものを(ランクC)、界面が
僅かに観察できるものを(ランクB)として規定した。
なお、各ランク間の中間に位置する状態は、良い状態の
場合には(+)を、悪い状態の場合には(−)を付加す
ることとした。
比較すると、成長させる窒化物系化合物半導体がGaN
であるか、InGaNであるか、成長方法がMOCVD
法であるか、HVPE法であるかに拘らず、基板温度T
1が600℃以上、好ましくは750度以上、保持時間
t1も1分間、好ましくは20分間以上の方が良い評価
結果が得られることが判明した。なお、材料の融点を超
える加熱は行わない。
相エッチング工程時の塩化水素含有率は0.01%以上
が望ましいことが分かった。
良いサンプル7,8の結晶状態を調査した。サンプル
7,8についてX線回折法による評価を行い、X線回折
ピーク(GaN)の半値幅を測定した。種結晶となるG
aN単結晶基板1の半値幅は2分であった。サンプル
7,8の半値幅は、いずれも1.9〜2.1分の範囲で
あった。したがって、窒化物系化合物半導体層2は、ほ
ぼ基板の状態をそのまま反映したエピタキシャル結晶と
なっていることが判明した。したがって、気相エッチン
グ工程におけるキャリアガスとして、水素を用いた場合
においても、また、水素に加えて窒素を用いた場合にお
いても、その後の半導体層成長工程において、エピタキ
シャル成長が達成されていることが判明した。
6,7,8の比較より、塩化水素含有率は0.5%以上
が望ましいことが分かる。また、サンプル7,8の比較
により、キャリアガスに水素を含んだ方が良い結果が得
られることが分かる。また、キャリアガスが水素を含
み、窒素を含まない場合においても、塩化水素含有率が
0.5%以上の場合には、サンプル5よりも良い表面状
態のエピタキシャル層2が得られた。サンプル17〜2
0及びサンプル26〜29についても同様の結果が得ら
れた。
り、表面処理工程を行わず気相エッチング工程のみを行
った場合にも、気相エッチング工程を行わず表面処理工
程のみを行ったものよりも良い評価結果が得られること
が分かった。
相エッチング工程に表面処理工程を組み合わせることに
より、著しく良い評価結果が得られることが分かった。
より、気相エッチング工程時のキャリアガスに窒素のみ
を含んだものよりも、水素を含んだ方が良く、更に、水
素を含んで窒素を含まないものの方が良い評価結果が得
られることが判明した。サンプル18,19,20及び
サンプル27,28,29についても同様の結果が得ら
れた。
板上に良好な窒化物系化合物半導体層を形成することが
できる。
Claims (9)
- 【請求項1】 GaN単結晶基板上に形成された窒化物
系化合物半導体層を備える化合物半導体の製造方法にお
いて、前記GaN単結晶基板を塩化水素ガスを含む混合
ガス雰囲気中で加熱することにより前記基板の表面層を
エッチングする気相エッチング工程と、前記気相エッチ
ング工程の後に前記窒化物系化合物半導体層の原材料を
前記GaN単結晶基板上に供給して前記窒化物系化合物
半導体層を形成する半導体層成長工程とを備えることを
特徴とする化合物半導体の製造方法。 - 【請求項2】 前記気相エッチング工程と前記半導体層
成長工程との間に表面処理工程を備え、この表面処理工
程は、前記GaN単結晶基板をアンモニアを含むガス雰
囲気中において900℃以上の温度で15秒以上加熱す
る工程を有することを特徴とする請求項1に記載の化合
物半導体の製造方法。 - 【請求項3】 前記窒化物系化合物半導体層は、Ga
N、AlN、InN、AlXGa1-XN、InXGa
1-XN、AlXIn1-XN、又はAlXInYGa1-XN1 -Y
(X+Y<1、X>0、Y>0)であることを特徴とす
る請求項1に記載の化合物半導体の製造方法。 - 【請求項4】 前記気相エッチング工程の加熱は600
℃以上の基板温度で行われることを特徴とする請求項1
に記載の化合物半導体の製造方法。 - 【請求項5】 前記加熱は30秒以上行われることを特
徴とする請求項4に記載の化合物半導体の製造方法。 - 【請求項6】 前記混合ガスは、水素ガス及び窒素ガス
の少なくともいずれか一方を更に含むことを特徴とする
請求項1に記載の化合物半導体の製造方法。 - 【請求項7】 前記塩化水素の含有率は0.01%以上
であることを特徴とする請求項6に記載の化合物半導体
の製造方法。 - 【請求項8】 前記気相エッチング工程において、前記
混合ガスは流速1cm/秒以上で前記GaN単結晶基板
の表面上を流れていることを特徴とする請求項1に記載
の化合物半導体の製造方法。 - 【請求項9】 前記窒化物系化合物半導体層はMOCV
D法又はHVPE法によって形成されることを特徴とす
る請求項1に記載の化合物半導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001218681A JP3975700B2 (ja) | 2001-07-18 | 2001-07-18 | 化合物半導体の製造方法 |
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